長良川鵜飼いが不振の理由

鵜匠が鵜を操り、アユを取る鵜飼い。昔からの様式を守り約1300年の伝統漁が苦境に直面している。全国最大の集客を誇る「ぎふ長良川鵜飼」(岐阜市)は、観覧船乗船客が昨年まで4年連続で11万人を割り込み、回復の兆しがみえない。

001乗船客数は1960年代後半から25万人以上となり、NHK大河ドラマで岐阜市が舞台の「国盗り物語」が放映された73年には過去最高の33万7337人を記録した。だが、94年には20万人を割り込み、90年代後半からは10万~12万人台で推移するようになった。

「今年はアユの遡上(そじょう)もいいようだし、乗船客は昨年より1万人多い11万5000人を目標にする」。岐阜市の細江茂光市長は、定例記者会見で今季の乗船客数目標を掲げた。予約状況は前年をやや下回るペースだったが、細江市長は強気の姿勢を崩さなかったが予約状況は前年を下回っている。(毎日新聞)

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なぜだろうと思う人が多いだろうが、ブログ子は10数年前にこの日の来ることを予想していたので、やっぱり、という思いで新聞記事を見た。当時岐阜県の観光協会の招きで訪問したが、あまりにもがっかりしたので、協会長に「これではジリ貧になるばかりでしょう」と辛言を呈したことがあるのだ。

長良川鵜飼いは約1300年の伝統を誇る。長良川鵜飼の鵜匠6人と、上流の小瀬鵜飼(岐阜県関市)の鵜匠3人は「宮内庁式部職」の職位を与えられ、取ったアユを皇室に献上する御料鵜飼を行う。関係者には「鵜飼といえば長良川」との強い自負がある。乗船客数は1960年代後半から25万人以上となり、NHK大河ドラマで岐阜市が舞台の「国盗り物語」が放映された73年には過去最高の33万7337人を記録したこともある。

鵜飼いといえば鵜飼観覧船と鵜舟(鵜匠の船)が併走しながら川を下り、篝火の下で鵜が鮎を捕らえる様子を見るものという期待がある。しかし現場に行くと、確かに鵜舟に乗るのだが、ほんの2,30メートル上流に上ると川原に接岸、トイレの人は渡り板をわたって川岸に設けられた恒久施設のトイレに行くよう案内される。

一緒に川を流れ下るどころか、接岸した岸辺から流れ下ってくる鵜舟を陸から眺めるだけなのである。パンフレットには確かに「河川の増水時等には、安全面から、鵜飼観覧船を岸に着けたまま鵜飼をご覧いただく場合もありますのでご了承ください」とあるのだが、年がら年中増水のようである。要するに舟には乗っているものの観覧席から鵜飼の光景を眺めるだけなのだ。

しかも値段がべらぼうに高い。たったこれだけのショーに、その後値下げしたとはいえ「大人3400円」「子ども1700円」(現在)である。親子4人で1万円札で足りない。これでは二度と行かないだろう。ブログ子は友人知己にその後「止めとけ。飛騨高山に滞在時間を振り向けたほうがいい」と忠告したものである。

格式をいくら宣伝しても、魅力の中心である、鵜舟と一緒に川下りしながら、水をかぶりながら、間近に鵜飼いを見るという肝心の部分を見せず、観覧席に貼り付けにしていたのでは客は二度と来る気を起こさないのはものの道理だろう。

隣の「木曽川うかい」(愛知県犬山市、岐阜県各務原市)では女性鵜匠を起用して客足が増えたそうだが、そんなものではなかろう。鵜飼いを一見さん相手のショーにしたのが悪いのである。

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