インチキ拉致調査は初めからわかりきったこと

北朝鮮の国営メディアは12日、拉致問題を含む日本人に関する包括的調査の全面的中止と、拉致問題の再調査を行う「特別調査委員会」を解体すると発表した。

言いぐさが噴飯ものだ。「2016年2月12日より、ストックホルム合意に基づいて行ってきた全ての日本人に関する包括的調査を全面的に中止し、『特別調査委員会』を解体する」というのだ。

調査などハナからやってない。拉致というのは金正日総書記のトップダウンでやらかしたことで、それを息子の金正恩第1書記が認めるなどできるわけがないのだ。拉致被害者の支援組織「救う会」の西岡力会長は「拉致被害者は北朝鮮で特別管理されており、もともと調査をする必要はない。特別調査委の調査は形式的なものに過ぎず、解体しようがしまいが大きな影響はない。制裁の圧力と国際連携で『全員返す』と言わせるしかない」という。その通りだ。

北朝鮮艦艇のレーダーは日本製と確認された

北朝鮮艦艇のレーダーは日本製と確認された

早い話、交渉など無駄で朝鮮総連がせっせと送っている金と人と先端技術の物の流れを止める方が効果的なのだ。例えば11日に国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがまとめた報告書が発表されたが、金正恩第1書記によるミサイル試験発射の視察を報じた昨年2月の朝鮮労働党機関紙、労働新聞の写真で、朝鮮人民軍の艦船に日本の企業が開発したレーダーアンテナが搭載されているのが確認された。

今話題の国産ジェット機「MRJ」にせよ、ホンダジェットにせよ、H2Aロケットによる衛星打ち上げにせよ、日本では官民の幅広い裾野の精密工業が支えている。ところが北朝鮮はじめ中国にも韓国にもそれがない。盗むしかない。リベット1本も北では作れないから秋葉原には指令を受けた朝鮮総連の人間がうごめいている。今では機体の軽量化に欠かせない炭素繊維の技術は東レが持っているが、これを狙って熾烈なスパイ合戦が繰り広げられているのは軍事関係者なら周知のことだ。

先日東倉里から発射された弾道ミサイルにしても部品の多くはロシア製だといわれるが、IT部品、レーダー製品、ロケットの機体をつつむ金属・・・一つとして北朝鮮で作れない。日本から中国を経由して、時にはいったん中米に運んでまでせっせと集めた部品でできている。弾道ミサイルの量産を心配する向きがあるが、北の国内産業の未成熟ぶりからはとてもかなわないのは明らかだ。せいぜい数個作れるくらいなのだろう。

世界に狂気を振りまく男

世界に狂気を振りまく男(英independent)

そんな心配より、ろくでもない北朝鮮という狂気の国の崩壊を促すことの方が効果的なのである。拉致問題というカードで引き伸ばしをはかってきたが自らそれを打ち切った今こそ、金と物の流れを止めるときである。そうすれば早晩、瓦解する国なのである。

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