ゲスな人間が増えたのはなぜか

やっぱりな」と誰しもが思ったことだろうが、川崎老人ホームで3人が相次いで転落死した事件で元職員が16日殺人容疑で逮捕された。手口のひどさといい被害者が3人もいることといい、極刑が予想される事件だ。
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老人3人を投げ落とした今井隼人

老人3人を投げ落とした今井隼人

「 川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人が平成26年に相次いで転落死した事件で、神奈川県警は殺人容疑で元職員、今井隼人容疑者(23)=横浜市神奈川区立町=を逮捕した。

 逮捕容疑は平成26年11月3日夜から4日未明、87歳の男性入所者を4階ベランダから投げ落とし、殺害したとしている。

 この施設では、同12月に86歳の女性が4階ベランダから、96歳の女性が6階ベランダから転落して死亡している。県警は、2カ月に3人の転落が相次いだことや、高さ約1・2メートルのベランダの手すりを身長が1・5~1・6メートルの入所者が自力で乗り越えるには不審な点があるとして捜査。いずれの時間帯も今井容疑者が勤務していたことから、任意で事情を聴いていた。

 今井容疑者は昨年5月に入居者の現金を盗んだとして窃盗容疑で逮捕、施設を懲戒解雇されていた。この施設では、別の男性職員が女性入所者の頭を手のひらでたたくなどしたとして、県警が昨年12月、暴行容疑で書類送検している。
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TBSのモーニングショーを見ていたら八代英輝コメンテーターが「介護施設はどうしたらまともな人を雇用できるか考える必要がある」と言っていた。弁護士でもアホなことを口にするものだと感じ入った。

人間がまともかどうか外見からわかるわけがない。試験しても、面接しても下司な人間は素通りする。数々の試験を潜り抜けた人らしい発想だが、近頃は下司な人間が増えたと実感する。

政界では女房(同じ国会議員)が妊娠しているのに他の女性に猛アタック、自分のマンションで情事にふけっていた宮崎謙介衆院議員(34)が辞職したばかりだ。女性の出産介助のため国会開会中でも産休を取るとほざいていた化けの皮がはがれたばかりか、近頃永田町に多い公募候補のオソマツさを問題視する党内問題にまで至った。

つい先ごろこのブログにも書いたが、自分の同棲相手の3歳児に「ガンつけられた」と怒って「かかと落とし」で、硬膜下血腫や両眼底出血などで虐待死させた暴力団員、永富直也容疑者(20)のケースを書いたばかりだが、本人は「人生に悔いはない」とうそぶいているという。「我が人生に悔いはなし」というのは人間国宝か、芸術家など高潔な人がいうことで彼のような下司が口にする言葉ではない。

郵便局員が配達するのが面倒だと郵便物何万通か捨てたり、自宅に隠していた。弁護士が認知症患者の遺産を懐に入れた。銀行員が客の預金を着服した。警察官が見初めた若い女性の部屋に押し入って強姦した。━━━━枚挙にいとまがない。

ブログ子は「志」を低くする教育がまかり通っているせいだと思っている。戦後の貧乏な時代、子供でも親のため、世のため人のために人生を使う「志」を持っていた。偏差値などというまやかしの教育からは、生活が安泰な開業医や、アメリカが多いが世間で幅を利かす弁護士を目ざす者ばかりが生まれる。

ブログ子はその昔、池袋の平屋に画家の熊谷守一を訪ねたことがある。「画壇の仙人」の異名をとり、文化勲章を「これ以上忙しくなるのはまっぴら」と断った人である。夫婦で「鳩の豆まき」(一局10分ほどの恐ろしく早い)と自称する囲碁を縁側で打っているところだった。終わると庭にしゃがんで蟻の一匹をひたすら凝視した。無駄な線を省いた作品「蟻」は素人でも引き付けられるものがあった。小半時一緒にいたが、今でも宝物のような時間である。

「志」の低いゲスな人間が増えた原因は奈辺にあるか。熊谷守一の姿を思い出すだけで明らかだろう。

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