出来損ないの親やガキが増えた

二つのニュースを読んでいてふつふつと湧き上がる怒りと、それから襲ってくるやり場のない切なさにため息が出た。日本人というものが劣化しているのではないかとさえ思う。

堺市北区の住民登録上は4歳の梶本樹李(たつき)ちゃんの遺体が、大阪府千早赤阪村の国道沿いにある川で見つかった。父親の鉄筋工、卓容疑者(35)=傷害致死容疑で再逮捕=と母親の無職、千穂容疑者kajimoto%e3%83%bcfuufu(32)=保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕=の所業は鬼畜にも劣る。

遺体は死後約1年が経過。身長約1メートルの3歳以上5歳未満の男児で、発見時の体重は9・4キロだった。樹李ちゃんは大阪府松原市に住んでいた昨年12月中旬ごろ、卓容疑者の暴行で死亡したとされる。死亡後について、卓容疑者は「遺体は自宅で保管していた。今年5月下旬ごろ、異臭がしてきたので川辺に埋めた」と供述している。遺体の捨て場所について何度も嘘をついてやっと本当の埋め場所を自供した。

千穂容疑者は「昨年12月ごろ、長男の頭を殴ったり、ビンタしたりしていた。翌日、寒さを訴えて震え上がった後、呼吸が止まった」と話しているという。この夫婦は衰弱した樹李ちゃんを医療機関に受診させなかったうえ、生きているように見せかけて松原市から児童手当計35万円を詐取した。また2人の親戚で行方不明になっている幼児が複数人いるともいう。

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東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒(13)が避難直後から小学校でいじめを受けていた事件もひどい。神奈川県警から同級生との金銭トラブルについて直接情報提供があったのに放置していた学校や市教育委員会の対応が問題になっているが、その前に加害の児童たちの悪質さに救いがない。「いじめ」などを通り越して立派な犯罪である。
生徒側の代理人などによると保護者は2014年7月、県警に同級生から金銭を要求されたことを相談。県警がゲームセンターの防犯カメラ映像などを調べたところ、加害者側が1回あたり10万円単位の金銭を浪費していたことが分かった。「(原発事故の)賠償金があるだろ」などといって金を要求、当初は1回5万円ほどだったが、次第に増え、最終的に合計額は約150万円に上った。生徒は保護者に打ち明けられず、生活費を持ち出していたという。 脅し取った金銭は交通費や飲食費、遊興費に使われた。

代理人の弁護士は15日、「ばい菌扱いされてつらかった」などとつづった男子生徒の手記を涙声で公表した。読んだこちらも胸に迫るものがある。

shuki手記は不登校になっていた昨年7月、小6の時に書いた。小2で自主避難した直後から名前に菌を付けて呼ばれるなどのいじめを受けており、「ばいきんあつかいされて、ほうしゃのうだとおもっていつもつらかった。福島の人はいじめられるとおもった」とつづった。

小5の時に「(原発事故の)ばいしょう金あるだろ」と言われ、同級生らの遊興費などを負担したことについては「ていこうするとまたいじめがはじまるとおもってなにもできずにただこわくてしょうがなかった」としている。

いじめの内容では「いつもけられたり、なぐられたりランドセルふりま(わ)される、かいだんではおされたりしていつもどこでおちるかわかんなかったのでこわかった」と訴えた。

学校側に何度訴えても対応してもらえなかったことにも触れ、「いままでいろんなはなしをしてきたけどしんようしてくれなかった」「(先生に)むしされてた」と悔しさをにじませた。

手記の後半では「いままでなんかいも死のうとおもった」としつつ、「でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」と書いている。
2011年10月11日に滋賀県大津市内の皇子山中学校(メディアでは匿名扱い)の当時2年生の男子生徒がいじめを苦に自宅で自殺するに至った事件でも、加害者側の悪質さが目立った。加害者側は反省の色もなくさっさと隣の京都市の中学に転向して、女性市長と市教委が「再発防止につとめ・・・」と頭を下げたもののさしたる善後策とてないまま今に至っている。

こうした事件では加害側の少年・児童もさることながらその親たちの家庭環境もきちんと捜査し。またメデイア側も教育機関の手落ちを責めるだけでなくその背景についても報道すべきだ。違う側面が浮かび上がって来るはずだ。

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