ウクライナの「FEMEN」はどこに行った

ウクライナが風雲急を告げている。豪勢な宮殿を追われたヤヌコービッチ大統領がロシアに逃亡して、やれやれと思ったらプーチンロシア大統領が出てきた。軍事、文化、経済どこから見てもロシアがクリミア半島を手放すことはないから占領を続けるに違いない。

ブログ子は今回の騒乱でパタッと音信が途絶えたウクライナ名物「FEMEN」を心配している。ネットサーフィンしている人、といってもほとんどは男だろうが、彼女たちは超有名である。毎週のように世界中の都市に現われては上半身ハダカの身体に過激なスローガンを墨くろぐろと書きなぐって警官隊と取っ組み合いをやらかすトップレス軍団である。

パリで毛皮を着た女性に殴りかかって(多分動物愛護だろう)逮捕されたあたりは同情されたが、あとはもうめちゃくちゃ。イギリス、イタリア、ロシア・・・今年1月にははるばるメキシコ市に現れ<ナチズムをセックスでぶっ潰せ>ときた。はてどういう意味か世間が考えている間に北アフリカ・チュニジアの首都チュニスでメンバー3人が、イスラム強硬派への抗議とかでアラブ世界で初となるトップレス抗議を行い拘束された。

EUに「プーチンくたばれ」と殴りこんだが、警官隊の盾が透明板でモザイク代わりに。

EUに「プーチンくたばれ」殴りこんだが、警官隊の盾が透明板でモザイク代わりに。

バチカンも例外ではない。新たなローマ法王を決める「コンクラーベ」が行われるサンピエトロ広場では、トップレスの胸に「ノーモア小児性愛」とペイントし、複数の警官に引きずられながらこんどは「ノーモア法王」と叫んでいた。

ウクライナの首都キエフに本部があり女子大生ら300人ほどがいるらしいが主義主張がどうなのかなど誰も考えたことがない。資金の出処もどうでもいいことで、ある日メディアに電話があって何時頃どこでやらかすか知らせてくる。それっとカメラマンが駆けつけると上着をかなぐり捨てて「乳房は我々の武器だ」などと胸のスローガンを見せながら走り回る。

駆けつけた警官が掴みどころに迷っていると蹴り上げられたり噛み付かれたり。配信される写真はどういうわけかみな「18禁」のマークがついていて、いちいち「あなたは18歳以上ですか」というところの「Yes」をクリックしないと拝見できないのだ。世界中で楽しみにしていた人は多いはずで、完全に姿を消した今、みんなが心配していることだろう。ブログ子のパソコンには彼女たちの活躍のあとの写真がわんさと保存されている。

そういえば美人のほまれ高かったテイモシェンコ元首相はヤヌコービッチ大統領の逃亡と引き換えに獄中から釈放されたが、車椅子姿ですっかりそこらのおばちゃん然とした姿だ。拷問でもあったかと思わせられる痛々しさだ。

ウクライナは悲劇の国である。キエフ大公国が13世紀にモンゴル帝国に滅ぼされた後は独自の国家を持たず、諸侯は周辺の国に従属、その後ロシア帝国の支配下に入った。第一次世界大戦後に独立を宣言するも、ロシア内戦を赤軍が制したことで、ソビエト連邦内の構成国に組み入れられた。1991年ソ連崩壊に伴い独立したものの、今回またロシアの「侵攻」である。

クリミア半島を朝鮮半島に、ロシアを中国に置き換えてみたらよくわかるが、北朝鮮崩壊後どういうことになるか。韓国の「告げ口おばさん」も世界の非情な力学を学ぶべき時だろう。

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