あほらし大津地裁判決から1年

関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた仮処分の保全抗告審で、大阪高裁(山下郁夫裁判長)は28日、関電の抗告を認め、大津地裁の仮処分決定を取り消した。差し止めの効力は直ちになくなり、関電は3、4号機の再稼働が可能になった。

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当たり前の帰結である。反原発擁護派の朝日も毎日もあほらしい判決を出した大津地裁判事の名前をなぜか報じていないが、山本善彦判事である。

彼が出したトンチンカンな判決については当ブログは昨年3月10日「またしても、トンデモ判決。これでいいのか司法 」と題して書いた。10日は稼働していた高浜原発3、4号機が判決を受けて直ちに止まった日である。今回の「まともな」高裁判決まで1年間を費やしている。誰が責任を取るのか。

大津地裁判決のあほらしさを上げると、
①高浜原発があるのは福井県である。そこの住民が受け入れているものを隣の滋賀県の反原発派の住民が訴えるという構図からしておかしい。高浜原発から30キロの同心円を描いても滋賀県の1%もかからない。福島ですら30キロ圏内で避難していないというのに。

②「独立した原子力規制委員会が専門的見地から十分に時間をかけ、世界最高水準といわれる新規制基準に適合すると判断した」(菅官房長官)ものに、シロウトの裁判官が「100%の絶対安全か疑わしい」と断罪している点である。技術に100%を求めることはほぼ無理である。原発のリスクよりも先に“司法リスク”が先に立っている。

「大津地裁では技術論にまで踏み込み、自ら考える安全性の基準について立証を求めており、最高裁判例を逸脱している」(元裁判官の佐藤歳二弁護士)と当初から疑問符がついていた。

当ブログでは「まもなく大津地裁の判決は覆るのは間違いない」と書いた。というのも、再稼働を容認する判断の枠組みは、出来上がっていて、四国電力伊方原発の設置許可の是非が問われた裁判で最高裁が判断を出していて、原発の安全性審査が「極めて高度な専門技術的判断を伴うもの」である以上、専門家の意見に基づいて行われた行政処分に看過し難い過誤・欠落がある場合に限って違法と解すべきだとしている。

大津地裁前(昨年3月10日)

大津地裁前(昨年3月10日)

「いのちと琵琶湖を守る運転差し止め判決」というビラを持って当時歓喜した原告団だが、今回のビラを見ると「住民の願いに応えず司法の責務放棄」「国民・県民世論に逆行する不当判決」だと書かれている。

大阪高裁前(今月28日)

大阪高裁前(今月28日)

住民擁護派の毎日新聞によると、判決に対する住民の声とやらをこう紹介している。

住民代表の辻義則さん(70)=滋賀県長浜市=は、「政府と電力事業者の思いを忖度した不当な決定だ」と憤った。差し止めを命じた1年前の地裁決定は、東京電力福島第1原発事故を踏まえた画期的な判断で「司法の権威が上がった」という辻さん。「高裁は、住民の声に耳を傾ける姿勢が地裁と決定的に違った。恥を知れ」と厳しい口調で切り捨てた。
脱原発弁護団全国連絡会共同代表の河合弘之弁護士が「不当な決定に屈することなく闘いをやめない」と語気を強めると、会場からは拍手が起こった。【三上健太郎、岡村崇、遠藤浩二・記者】

判例を無視したおかしな裁判官と恣意的に原発を止めようと働くメディアの跋扈は国を危うくする。

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