金正男遺体は機関砲で粉砕され火炎放射器で焼却

航空機に積み込まれる金正男氏の遺体

航空機に積み込まれる金正男氏の遺体

北朝鮮とマレーシアが、マレーシアで殺害された金正男(キムジョンナム)氏の遺体を北朝鮮に引き渡すことで合意した。マレーシアは、事件への関与を疑われる北朝鮮外交官や容疑者とされる高麗航空職員の出国も認めた。 北朝鮮は見返りに、事実上の人質として平壌に足止めしていたマレーシアの外交官と家族計9人の出国を認めた。

マレーシア政府は、自国民の安全な帰国を最優先に譲歩したのだろうが、北朝鮮相手の外交戦としては負けである。人質を取って他国に要求を突き付ける行為は、まともな国家のすることではないが、残念ながら人質外交が有効なのも現実である。

それにしても、北朝鮮は暗殺に成功したのだから、いまさら遺体を引き取っても仕方がないと思うところだが、これから金正男の遺体の「処刑」を始めるのだろう。

脱北者で、現在は韓国国家安保戦略研究所で研究者を務める金光鎮(キム・グァンジン)氏は「北朝鮮は遺体を焼却するだろう」と述べた。金氏は北朝鮮が正男氏の死因を病死と宣言し、一連の騒動の責任を敵国になすりつけるつもりだと指摘。「北朝鮮は、キム・チョル(Kim Chol)という自国民が心臓発作で死亡し、韓国や米国が騒動を巻き起こしたと主張するはずだ」と述べた。別の専門家らはまた、北朝鮮が国民に真実を知られないよう、遺体の取り扱いを秘密裏に行うだろうとみている。(AFP)

殺害して目的を達成したのに、なおも遺体引き取りに固執するのはなぜか。ブログ子は「暗殺、拉致、拷問を常とする国」で、書いたことだが「凌遅の刑」に処するためではないか。書いた時点では、マレーシアは遺体を金正男氏の家族に引き渡すとみられていたので、実現性は低かったが、現に遺体を平壌に運び込んだとなると、目的はこの「遺体を再処刑」ということしか考えられない。

「凌遅の刑」というのは、清の時代まで中国で行われた処刑の方法のひとつで、生身の人間の肉を少しずつ切り落とし、長時間にわたって激しい苦痛を与えたうえで死に至らす刑。歴代中国王朝が科した刑罰の中でも最も重い刑とされ、反乱の首謀者などに科された。

朝鮮もこれをそっくりまねた。例えば日本に亡命していて上海に誘い出されて暗殺された朝鮮の金玉均の例だ。彼は李氏朝鮮の改革を訴えて、朝鮮は清国から離れて独立して日本のように近代化すべきだと訴えていた。巧妙に日本から上海に誘い出されて、そこで殺され、遺体は清国軍艦で朝鮮に送られ、朝鮮の守旧派の閔(ビン)一派により凌遅の刑を受け、胴体は川に流され、首は晒され、両手と両足また手首と足首は、別々のところに晒された。頭山満や犬養毅らの有志が朝鮮から持ち帰った金玉均の衣服の一部を埋葬して、東京の青山墓地に墓がある。

北朝鮮もそっくりこの刑罰を引き継いでいる。故・金正日総書記の妹婿で、北朝鮮のナンバー2であった張成沢は、金正恩に”分派活動”(裏切り)の汚名を着せられ、2013年12月に処刑されたがその方法がすさまじい。処刑場に引き出され、総重量2トン近い機関銃が張氏に向け、90発の弾丸を叩き込んだ。原形も留めず粉々にして、さらには四散した死体を、兵士たちが火炎放射器で消し炭にして回った。判決文にある、「死んでも祖国に埋まる所がない」という文言はこういう形で実行された。

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