ブログの亭主、新聞社のOB会で箱根にいました。下山して真っ先に目に入ったのがこの記事。
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9日投開票された岡山県の備前市長選で、山陽放送(岡山市北区)が、落選した現職の吉村武司氏(70)について字幕で「再選確実」と誤って報じ、吉村氏が支持者とともにバンザイをしてしまう一幕があった。
山陽放送によると、誤報を流したのは開票が始まった午後7時半ごろ。吉村氏はこれを受け、事務所で「2期目の抱負」を語った。しかし、午後8時45分に開票が終了し、158票の僅差で新人の田原隆雄氏(72)に敗れたことが判明。吉村氏は集まった支持者らの前に改めて出て、「市民の皆さんが決めたこの結果を受け入れる」と敗戦の弁を述べた。
山陽放送は取材に「出口調査の結果などで再選確実と判断した」と説明。同日夜のニュースで正しい結果を報じるとともに、当選者を間違えたことを謝罪した。(毎日新聞)
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誤報したのが、毎日=TBS系のローカル局なので、ブログ子はまず、自分がいた新聞社の系列局でなくてよかったと思い、次に割と正確に反映される出口調査をする現代でもこういうことが起きるかと首を傾げた。
実はブログ子が新人のころ三重県津支局に配属になったのだが、ここで、今回の選挙「誤報」と似たような「バンザイ」写真を撮ったことがある。といっても現在と事情は少し違っていて、この県のように12版地区という地方の締め切り時間は午後9時半だった。候補者は鈴鹿の奥のほうで当選と落選を繰り返していた。当落が判明する時間を待っていて写真を撮っても、候補者がいる鈴鹿の寺から支局に戻る時間を考えるととても間に合わない。そこで「予定稿」ならぬ「予定写真」が必要になる。
そこで候補者に頼み込んで「バンザイ写真」を事前に撮らせてもらうわけだ。もちろん、相手は躊躇するが「事前調査では優勢です」くらいのことは言った。ホントは伯仲だったが。さんざ交渉して、落選の時は絶対使いませんという約束をしての「ヤラセ」である。この時は落選したので写真は暗室の中でボツになったが、この時のことを思い出した。
そうした裏事情を思い出しながら、今回のバンザイしている落選者の写真を見ると実に気の毒でならない。バツが悪いのはもちろんだが、すでに映像は全国に駆け巡っている。いたたまれない心境であろう。それにしても放送時間を見ると「午後7時52分」である。開票前だ。現職有利という「噂」に惑わされたのか、よほど自信があったのか。でもそこまで先走りする必要があったのか。
現代の選挙報道は当時より各段に進んでいる。当時は駐在所の巡査の所をまわって(普段から巡回していて各家庭の様子を把握していて、上司に選挙情報を上げていた)予想したり、開票所の立会人のところにたまっている票を数えたりしていたものである。RDD方式とか出口調査が主流の現在でも「正確・完全」ということはないものだ、と思わせられた。