あこぎなJASRACを提訴したヤマハを応援する

 日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権料を徴収する方針を決めたことに対し、音楽教室大手・ヤマハ音楽振興会(東京都目黒区)が7月にも、「教室での演奏には著作権は及ばない」として、JASRACへの支払い義務がないことの確認を求める訴訟を東京地裁に起こす方針を固めた。

 JASRACは来年1月の徴収開始を目指し、教室を運営する各社に使用料を年間受講料収入の2・5%とする規定案を提示し、意見があれば回答するよう要請している。使用料規定は7月にも文化庁に提出する予定だ。

 これに対し、ヤマハや河合楽器製作所など教室側は2月、「音楽教育を守る会」を結成し、JASRACに対し「演奏権は及ばない」とする反論を各社が送付した。さらに使用料規定を出さないようJASRACに指導することを文化庁に要請し、要請に賛同する署名も約3万人分集めた。

 同会は今月30日の会合で訴訟の原告団に参加するよう約350の会員社に呼びかけるが、ヤマハによると複数社が参加を検討しているという。訴訟により、使用料率など金額の多寡が問題でなく著作権がそもそも及ばないと訴える狙いだ。

 著作権法は、公衆に直接聞かせたり見せたりする目的で演奏する「演奏権」を、作曲家や作詞家が専有すると定める。同会側は「技芸の伝達が目的で聞かせることが目的でない」と主張。JASRACは「人気曲を使い、魅力を生徒が味わっている以上、聞かせることが目的」と反論している。(16日朝日新聞)

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南牧村にある「北国の春」歌碑

この問題はこのブログでも「音楽教室からも著作権料とはあこぎが過ぎる」http://h-h-a.org/miyazaki/?p=2305で
自分の体験をまじえて書いた。一見JASRACが作詞、作曲者の権利を守る行動に見えるが、実際は著作権所有者に回る金額はごく少額で、大半は膨れ上がった組織の人件費や自社ビルの運営に充てられるであろうことが見えている。JASRACができた本来の目的からはずれて「金がとれるところ」を探しては徴収するという、集金マシン体質に陥っている。

これまで、クレームがつくと使用料率を下げるなど金額交渉に出ることを常套としてきたが、今回の訴訟は「金額の多寡が問題でなく著作権がそもそも及ばない」と訴える作戦だというから、JASRACの体質そのものに司法のメスが入れられることを期待したい。

現在のJASRAC会長は「北国の春」の作詞者、いで・はくである。我が山墅がある長野県南牧村の出身で公民館脇にはその歌碑が建っている。「あの故郷(ふるさと)へ帰ろかな 帰ろかな」とある。日本音楽著作権協会ができた原点に帰ってもらいたい。

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