このところこのブログでは、日本音楽著作権協会(JASRAC)のあくなき所業を告発しているが、19日今度は、京大の入学式でボブ・ディランの歌詞を引用した総長に請求書を送りつけたことが明らかになった。あきれた所業である。
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昨年ノーベル文学賞を受賞した米歌手ボブ・ディランさんの歌の一節を、京都大の山極寿一総長が取りあげた4月の入学式の式辞について、日本音楽著作権協会(JASRAC)がウェブ上に掲載した分の使用料を京大に請求していることが18日、関係者への取材で分かった。ディランさんの楽曲を管理するJASRACは「個別の事案のコメントは差し控える」、京大広報課は請求された事実を認め「根拠の詳細を知らされていないため、特に対応していない」としている。
京大によると、約1週間前にJASRAC関係者から、許諾の手続きを求める電話があった。回答期限は示されなかったという。
京都新聞の取材に対しJASRACは「一般論として、ウェブ上にある音楽著作物には利用手続きが必要となる」と説明。商用目的でなくても、歌詞を印刷できる仕様でウェブ上に掲載すると、1回の閲覧につき数十円が必要になる場合があるという。
文化庁によると、大学の入学式式辞をウェブ上に掲載することは、著作物を複製する条件が緩い教育目的とは見なされない。しかし文章全体の内容の上で、引用する必然性があることなどの条件を満たせば「引用」と認められ、許諾なしで使用できる。ただ「引用の明確な基準はなく、個別の事例ごとに判断するしかない」とする。
■「引用」議論になる可能性も
著作権問題に詳しい岡本健太郎弁護士(東京弁護士会)の話 JASRACが踏み込んだ対応をしたという印象を受ける。ウェブにある式辞を見ると、引用部分とそれ以外が明瞭に区別され、ボブ・ディランさんの歌詞よりも山極総長の発言の方が多い。出典の記載もある。掲載されたのが大学の入学式の式辞という点を考慮すれば、引用と認められるのではないか。ただ引用と認められるためには、ほかの大学でのウェブ掲載の事例なども参考に「公正な慣行」と見なされることも必要となり、こうした点が議論になる可能性はある。(京都新聞)
、京大は、使用料発生の根拠について詳しい説明がないため「今のところ対応は考えていない」としており、HPからの削除も当面は行わない方針。当たり前である。ここまでせこい徴収機関になり果てたJASRACの行為はもはや山賊、追剥ぎなみである。昨日のヤマハの訴訟といい最近異常な価値観の押し付けが目に余る。日本の文化活動を窮屈にするだけである。監督官庁の文科省は即刻役人のJASRACへの天下りはやめて、逆に厳しく金集め体質を監査することだ。