貴乃花親方の策略の線が濃くなった

大相撲の横綱日馬富士による暴行問題。当初から貴乃花親方の一連の行動とメディアへの沈黙から、どうも胡散くさいと思っていたが、サンケイスポーツによると日本相撲協会は暴行問題で貴乃花巡業部長の責任を追及、12月に開催される冬巡業には貴乃花巡業部長(元横綱、45)、玉ノ井巡業部副部長(元大関栃東、41)を帯同させない方向で調整しているという。

肝心なところで沈黙が目立つ貴乃花親方

同紙によると、貴乃花親方は貴ノ岩の師匠として被害届を取り下げず、強硬姿勢を崩していない。一方で、巡業部長として報告を怠ったことなどを疑問視する指摘が協会内に広がっていて、師匠のなかには「安心して弟子を(巡業に)預けられない」「大切な力士を預かっている意識が薄い」など、貴乃花親方に直近の冬巡業の管理を継続させることに疑問を投げかける指摘が浮上。

これを受け、協会は2人の代理として貴乃花親方の代理に協会理事の山響親方(元幕内巌雄、47)、玉ノ井親方のかわりに山科親方(元小結大錦、64)らを軸に人選が進んでいるという。

ブログ子はサンスポの編集責任者をしていた時期があり、記者が協会によく食い込んでいることや僚紙の夕刊フジには相撲協会の親方の息子が記者をしているなど、情報の正確さには今でも信頼を置いている。

貴乃花親方への疑念は①事件は秋巡業中の10月26日に起きたが、貴ノ岩は翌日から4日間巡業場所を普通につとめ周囲も誰もケガに気づかない程度だった。稽古などを見守った玉ノ井親方は「(暴行は)全く知らなかった」とし、頭部や顔面の外傷は見受けられなかったと説明した。②なのに、秋巡業最終日の10月29日には親方は鳥取県警へ被害届を提出している。③協会が11月2日に同県警からの連絡で事件を把握して問い合わせたときに、被害届を出してケガと診断書の内容を知っているはずなのに、「よくわからない」と返事をしている。当日の2日には「重症」の貴ノ岩とともに福岡・田川市役所を表敬訪問していた。④本場所2日前に提出すべき診断書が本場所2日目まで遅れた。同診断書を作成した医師は、その後の協会側の調査に「初日から相撲を取ることに支障はなかった」との回答をしているのに、無理に休場させている。⑤なにより、巡業を管理する部長として協会執行部へ問題の報告をすることもなかった。

協会はとりあえず、不手際がはっきりしている⑤で巡業部長としての責任を問うたわけだが、今後の捜査で①から④までの疑念が解明されれれば、貴乃花親方の意図がどこにあったかがわかるだろう。

貴乃花親方は14日の協会による事情聴取の席上で「(第三者を)立てなきゃいけないようになるかもしれない」と、代理人を立てた法的措置を視野に入れた発言をしたとされる。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌、55)は「最終的にどこへたどり着きたいのか」と、その胸中をはかりかねているようだ。

憶測されているのは  来年1月には2年に1度の協会の理事候補選挙が開催される。一門から誰が出馬するかなどを選ぶ一門会が、九州場所中に開かれるのが恒例だ。貴乃花親方は2年前に行われた、理事長選挙に立候補したものの6対2で惨敗した因縁がある。協会執行部への抵抗のなせる所業という見方が多いが、的を射ていると思う。

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