携帯電話などに使われるNAND型フラッシュメモリーに関する東芝の先端技術情報を不正に持ち出し、韓国の半導体大手「SKハイニックス」に提供したとして、警視庁捜査2課は13日、不正競争防止法違反(営業秘密開示)の疑いで、業務提携していた米国半導体メーカーの元技術者の杉田吉隆容疑者(52)=北九州市門司区=を逮捕された。杉田容疑者は「全て間違いありません」と容疑を認めているという。
杉田容疑者は米国の半導体メーカー「サンディスク」日本法人の社員だった2007年4月~08年5月、東芝のフラッシュメモリーの生産拠点だった三重県四日市市の四日市工場で、「営業秘密」に当たる絶縁膜関連のデータなどを、付与されていたIDを使いサーバーにアクセスし、USBメモリーに不正にコピー。08年7月、転職先のSK社に持ち込んだ東芝側の損害は1000億円をくだらないという。
日本の先端技術をいろんな方法で盗んで成り立っている韓国企業の一端がまた明らかになった形だが、ブログ子はかねてから注目していて再三書いているケースだが、一昨年4月には新日本製鉄(現・新日鉄住金)が高機能鋼板の製造技術を流出させたとして、元社員と韓国製鉄大手ポスコを相手取り、1千億円の訴訟を起こした裁判。早ければ今年にも東京地裁の判決が出る。
韓国が「恩を仇で返す」国柄だが、ポスコのやり口は悪質だ。この会社は旧浦項製鉄所で高炉建設からその後の技術供与まで日本の新日本製鉄の全面的支援でゼロから立ち上げた企業である。薄板技術が現在の韓国の自動車産業を支え、厚板技術が日本の造船業から世界一の座を奪うまでに至ったのだが、そうした恩はおくびにも出さず更に技術を盗用して成り立って、自社技術だと強弁してはばからない。
日本企業も黙っているわけではなく韓国で訴えてもいるのだが、韓国企業には知的財産権を軽視する傾向があり、企業活動のどこが悪いという開き直った論理がまかり通る。加えて韓国は裁判後進国といっても良いほど偏っていて、平気で韓国企業有利の判決を出す。
在韓日本企業などで構成するソウル・ジャパン・クラブは1月、韓国政府への年次要望で、特許訴訟で「権利者が勝訴する割合が極めて低く、認められる損害賠償額もきわめて低額」だと訴えた。韓国での平均賠償額は5000万ウォン(約470万円)~1億ウォンで「感覚的には日本の10分の1以下だ」と関係者は話す。上記のポスコの例でも韓国での裁判だったら期待できないが、今回はたまたまポスコの日本法人があったために日本で裁くことができた。
韓国での訴訟が信用出来ないのでこのところ海外での訴訟が増加している(右の表参照)。韓国企業が特許侵害で外国企業から訴えられるケースは2013年は334件と、過去3年で2倍になった。今回14日に東芝が、続いて続いて米サンディスクが韓国SKハイニックスを提訴している。日本でだ
企業秘密を海外に漏洩した場合は厳しい罰則を科す米国などと比べて、日本は「産業スパイ天国」と揶揄され、制度の不備が指摘されている。不正競争防止法は営業秘密を漏らした場合、個人の罰則は懲役10年以下または罰金1千万円以下。不正に情報入手した企業側の罰則は3億円以下の罰金となっている。企業に1000億円の被害を与えても「3億円以下」とあっては「やり得」なのだ。
日本人の「脇の甘さ」もある。日本ではおもちゃの扱いを受けていて、その先端性が認識されていないが、いま話題の無人機などはラジコン技術の応用だし、2006年1月にヤマハ発動機(本社・静岡県磐田市)が、軍事転用可能な無人ヘリコプターを中国に不正に輸出しようとしたとして、福岡、静岡両県警の合同捜査本部と名古屋税関から外国為替法違反(無許可輸出未遂)などの疑いで同社の本社など20カ所を家宅捜索、経済産業省が同社を刑事告発した事件がある。おもちゃの延長線上の考えだと説明したが、これはのちに軍用への転用を認識していたと断罪されている。
ブログ子は以前東富士演習場で陸上自衛隊の60式戦車に乗ったことがある。現在は10式(2010)戦車なので何世代も前の旧式だったが、 1キロ先の空き缶を吹き飛ばすのに驚いたが、さらに欧米の戦車と違って日本の地形に合わせて上下動に対応した照準器があるなど近隣国から見たら垂涎のものだった。武器輸出三原則の縛りがあって輸出できないが、あの手この手である国が「盗み」に来る話を聞いた。
日本の技術にもう少し自信を持つことだ。同時に「ポスコ」や「SKハイニックス」その他盗みを働いた韓国企業にはしっかり賠償請求書を送りつけることだ。