【22日 AFP時事】カトリック教会の修道女が、一夜にしてポップスターとなる大センセーションが19日夜、起きた。
イタリアのオーディション番組「ザ・ボイス(The Voice)」に出演したクリスティーナ・スクッチャ(Christina Scuccia)さん(25)は、黒の修道衣と十字架のネックレスをつけ、アリシア・キーズの「ノー・ワン(No One)」を歌った。観客からは大きな歓声が起き、審査員4人は信じられないといった表情を見せた。聖ウルスラ修道会の修道女のスクッチャさんは、「神から与えられた才能があるからここに来ました。その才能を分かち合えればと思って」と述べた。審査員の1人のラップ歌手、J-Axさんは、「感動して涙が出た」と語った。
スクッチャさんは、修道院から「外に出て」神の御言葉を広めなさい、と言ったフランシスコ法王に触発されて番組に出場することにしたという。
別の審査員が、法王庁は彼女がオーディション番組に出たことをどう思うだろうかと尋ねると、スクッチャさんは「法王さまの電話を待っています!」とジョークで返した。
日本の新聞テレビでは報じられなかったようだが、ネットではこの可愛らしい修道女の話題でもちきりで、下に紹介する動画は3日間で2000万回以上再生されるという人気だ。
ブログ子もさっそく拝聴したがすっかり魅了された。R&Bには疎い方だが身体が自然にリズムに乗る感じで確かに天使の声だ。
イギリスのオーディンション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で、当時素人だったスーザン・ボイルさんが一夜にしてスターになったことも影響してこうしたオーディション番組は世界各地で生まれていて、これはイタリア版。
審査員4人は出演者に背を向けて座っていて、「合格」のボタンを押すとはじめて椅子が180度回転して出演者と対面することになるのだが、そのとき目前に修道女の姿を見た瞬間の驚愕の表情が面白い。言葉を失う者、上記にあるように感動して涙をながす者など。涙を見せたのはラップ歌手のJ-Ax氏だが、これが全身刺青だらけで、日本なら極道扱い必至というすごい人物。
修道女というと戒律厳しくて外部の人間と接触も禁じられていると思いがちだが、テレビでは同僚の修道女4人がスタジオの片隅で調子を合わせて身体を揺すったり大歓声で喜んでいた。3日ほど前に衛星放送の再放送で映画「サウンド・オブ・ミュージック」を見たばかりだったが、マリアにトラップ男爵との結婚をすすめたり、ナチのクルマのキーを隠したり、「かなり自由に」行動していた。誓いを立てる前なら許されるのだろうかなどと考えた。
家内は神戸のカトリック系の学校を出たがそこで教わったシスターは卒業生仲間と八ケ岳の我が山小舎に泊まっていかれた。もちろん私は遠慮して全員女性だけだったが、それまでシスターは外泊などもってのほかと勝手に考えていたブログ子は、近頃バチカンも柔らかくなったのだろうかなどと思ったものだ。
それはともかくクリスティーナさんの歌いっぷりは見事で、「◎」は保証する。
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=TpaQYSd75Ak#t=34
8分ほどの動画のうち歌は前の2分ほど。あとは審査員とのやりとりだがイタリア語でよくわからないが上のニュース原稿のような会話だ。歌をもうすこし聞きたい方は下の動画。別の番組でのもの。曲名などは画面に出てくるが「あなたの言葉がなければ」という意味。