サンタの季節になった。世界中の子どもが待ちかねているこの時期に各国のトップは粋なメッセージを出している。 翻って日本の菅義偉首相をみると、どうにも「地味」である。
コロナ会議や初の東日本大震災地区視察のニュースを見ると菅首相は秘書官が書いた原稿の棒読みが多い。表情も、被災地で笑顔ができないのはわかるがどうにも仏頂面が目につく。愚にもつかない問題にうつつを抜かす野党やアラ探しのメデイア相手なら「適切に対応していく」で済ませるのもよかろうが、一般の国民にはもう少し柔らかい「適切な対応」があるのではないか。とりわけ、サンタの季節には。
「Go To トラベル」の全国一斉停止で支持率が下落したいま、それどころではないかもしれないが、世界のトップはサンタに関して実に柔らかいメッセージを発しているので、この際、ぜひ見習ってほしいものだ。
イタリアのコンテ首相は、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻で外出に証明書が必要なロンバルディア州に住むトンマーゾ君(5つ)から「サンタさんが世界中の子どもにプレゼントを渡せるように特別な外出証明を発行して」との手紙を受け取った。
トンマーゾ君は高齢のサンタクロースを心配し、クリスマスツリーの下に温かいミルクとビスケットに加えて消毒液を置くことも提案していた。これに対し、コンテ首相は「彼は既に国際外出証明書を持っていて、マスクを着けて今年も世界中へ行くつもりだと約束してくれたよ」と返答したという。
英国のジョンソン首相も、8歳の男の子から届いた、「サンタはクリスマスに来られますか?」という手紙をツイッターで紹介、これに対する自身の署名入りの返信を公開した。
8歳のモンティ君は手紙で「(サンタにあげる)クッキーの隣に除菌ジェルを置いておいたら来ることができるかな」と質問。ジョンソン首相は「北極に電話して聞いたらサンタもトナカイも早く出発したくてうずうずしていたよ。除菌ジェルを置くのはいいアイデアだね」と返信した。
また世界保健機関(WHO)は14日、サンタクロースは新型コロナウイルスに対する免疫があると太鼓判を押した。WHOの新型コロナウイルス担当技術責任者、マリア・バンケルコフ氏は、記者会見で「サンタは高齢なので、心配する気持ちは分かる。サンタはこのウイルスに対する免疫を持っていると言える」と回答した。
2人の息子の母でもあるバンケルコフ氏は、「サンタクロースとチャットで少し話したが、とても元気で、クロース夫人も元気だ。2人とも今はとても忙しいそうだ」とも述べた。さらにWHOでは多くの国の指導者から、サンタクロースと空飛ぶトナカイが領空内に入れるよう渡航制限を緩和したと聞いていると述べ、「サンタは各国の領空を出入りして、子どもたちにプレゼントを届けることができる」と説明した。
このように、新型コロナウイルスが猛威を奮っている今年、はたしてサンタは来られるのだろうか ? というのは世界中子どもが心配していることだ。
それにこたえてサンタはYouTubeで特別メッセージを発信した。このメッセージ動画が撮影されたのはフィンランド北部・ラップランド地方にあるサンタクロースの事務所からで、まず、サンタクロースは「子どものみんなに素晴らしいニュースがある。今年のクリスマスは中止しないよ」と伝えている。
北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、毎年恒例のサンタクロース追跡サイト「NORAD Tracks Santa」を公開している。子どもの間違い電話が司令官のホットラインにつながったことから始まったこの企画、1955年(昭和30年)から実施している。NORADの本業は人工衛星や核ミサイルの動向を監視だが、今でもサンタクロース追跡を誇り高き重要な任務と位置付けている。
今年は65周年にあたり、特に力をいれていて、世界の殆どの言語に対応して、世界中を駆け巡るサンタクロースの様子をインターネットで追跡できる。 https://www.noradsanta.org/
我が家では小学5年生の孫娘がサンタを待ちかねている(高2と中2の上2人はヒネてきて対象外)。マッチー(家内)にはこれ、鎌倉のおばあちゃまにはこれ、サンタにはこれ、とお願いを決めている。マッチーにはLINEで来たが、困ったのはサンタへのお願いが秘密の通信箱に入れられていることだ。
母親が本箱の隅に見つけたが「鬼滅の刃」全巻だという。全巻揃えるのは並大抵のことではないらしい。菅首相、なんとかなりませんか。