やっと原発処理水の海洋放出決定

それにつけても与野党から中韓まで無知蒙昧な輩の多いことよ。

政府は13日、東京電力福島第1原子力発電所の敷地内にたまる処理水を海洋放出の形で処分すると決めた。2年後をめどに実施する。菅義偉首相は「廃炉を進めるにあたり避けては通れない課題だ。処理水の安全性を確実に確保するとともに、風評払拭に向けてあらゆる対策を行う」と述べた。

コロナからウイグル、ミャンマー、香港・・・なにかともたつき、日本の立ち位置をはっきり示せない菅内閣だが、こればかりは歓迎したい。菅首相の業績として今後輝くであろう。

それにしても立憲民主党を筆頭とする日本の野党と中韓の言いがかりは馬鹿丸出しである。手前のところの原発は福島を遥かに上回るトリチウム(三重水素)を放出しておきながら、駐韓日本大使をわざわざ呼び出して「許しがたい」と言ってみたり、いつもの日本大使館前の慰安婦像の前で菅首相が「汚染水」の蛇口をひねるパフォーマンスをしてみたり、罵詈雑言の言いたい放題である。

福島第1原発は2011年3月の東日本大震災の津波で炉心溶融事故を起こし、高濃度の放射性物質に汚染された水が発生している。東電が専用装置で主な放射性物質を取り除いてタンクにためている。敷地内のタンクは1000基を超え来年10月には敷地が埋まる。

韓国と日本の朝日新聞は「汚染水」と「処理水」の区別もしない。タンクにある「汚染水」の9割が三重水素(トリチウム)水である。何十にも濾過するし放射性物質は自然に減少するから、「処理水」はただの水でまず無害と考えていい。海に流して構わないが漁民は反対する。風評が怖いという言い分だ。こうして政治は10年も放置してきた。

日本のトリチュウム放出量が如何に微々たるものか一目瞭然

トリチウムを含む水の海洋放出は国内外の原発でも実施している。基本方針によると、放出前に処理水を海水で100倍以上に希釈し、国の基準値の40分の1程度、世界保健機関(WHO)の飲料水水質ガイドラインの7分の1程度にトリチウムの濃度を薄める。1年間に放出するトリチウムの量は事故前の福島第1原発で設定していた目安より下回るようにする。

その上、政府と東電は漁場や海水浴場などでトリチウムのモニタリングを強化する。海水サンプルの採取や検査に農林水産業者や地元自治体の関係者が加わる。海洋環境の専門家らでつくる会議も立ち上げ、モニタリングの確認や助言をしてもらう。
 
このため、米国務省のネッド・プライス報道官は「世界的に受け入れられている原子力の安全基準に沿った透明性のある決定を行った」と、日本政府の決定に賛同した。IAEAのラファエル・グロッシ事務局長も13日の声明で、「日本政府の決定は世界的な慣例に従っている」「(海洋放出の)前も、途中も、後も日本と緊密に連携する」とした。

科学的知識を知る人は誰でもこれで「十分だ」と思う。だが腹に一物抱える輩は承知しない。以下にそのコメント集を羅列してみる。

○立憲民主党の枝野幸男代表は「安全性や風評被害が生じる可能性、処理水の保管状況に関する説明がほとんどなされていない。地元への説明が不十分だ。政府は福島県民、漁師をばかにしているのかという怒りでいっぱいだ。県民の声を無視し、結論ありきで走っている」と批判した。
 
○県漁連の野崎哲会長は「福島の漁業者の意思として処理水の海洋放出を容認することはできない」と改めて海洋放出に反対する立場を伝えた。漁師が風評被害を危惧するのは分かるが、少しは科学的な思考をしてはどうか。小泉進次郎氏が初入閣し環境大臣に就任したが、彼は情緒的な発言に終始している。原田義昭前環境相が「海洋放出しかない」と発言したことについて、反対した福島県いわき市小名浜の漁連組合長を「すばらしい人」と持ち上げた上で「そうした人たちに寄り添っていくことが大切」と、唯一の解決策を否定してしまった。これでまた決断が先延ばしにされた。原子力規制委員会の田中俊一前委員長も、更田(ふけた)豊志委員長も、海洋放出について東電に決断を促していたのに、である。

○文在寅大統領は14日、相星孝一韓国大使に「地理的に最も近く、海を共有する韓国の憂慮はとても大きい」と述べ、海洋放出に関連し、国際海洋法裁判所への提訴も検討するよう指示したという。レームダック化してまたも「反日」でしか支持率アップを期待できない窮状は分かるが、提訴したところで日本の勝訴は見えている。第一、任期中には結論が出ないことを見越してのパフォーマンスなのだろう。

○韓国市民団体「脱核市民行動」は13日、ソウル市内の在韓日本大使館前で「原発処理水の海洋放出は“核テロ”」という糾弾大会を開いた。写真を見ると慰安婦像の前でほざいている。慰安婦も原発も、この国では何でも反日の材料になるのだから、教えても無駄だが、せいぜい別表のようなおのれの国の原発が垂れ流しているトリチュウムが日本の7倍だということを勉強してもらいたいものだ。

韓国ソウルの日本大使館付近で、福島第1原子力発電所の処理水で菅首相が蛇口をひねり海洋放出するパフォーマンスをする活動家ら(2021年4月13日)

○中国は「日本が責任を自覚し、科学的な態度で国際社会や周辺国、自国民の深刻な懸念に対応するよう求める」(趙立堅副報道局長)といつもの戦狼外交官ぶって偉そうに御託を並べていたが、中国は原発30基が稼働中でそのうちの一つ大亜湾原発だけでも42兆ベクレル(2002年)と福島の2倍である。30基となるとどれほどの放出量か。

○朝日新聞はいつものようにせっせと反原発を煽っている。曰く、韓国の聯合ニュースが「放出が30~40年続く見込みで韓国や中国など周辺国も憂慮している。一般国民向けの公聴会は一度も開かなかった」と日本政府の対応を批判していると転載。さらに、グリーンピース・インターナショナルは「地球、特に世界の海が多くの課題や脅威に直面している21世紀において、日本政府と東京電力が核廃棄物である放射能汚染水の太平洋への意図的な投棄を正当化できると考えていることは、言語道断」とするコメントや、当選して初登庁した青森県東通村長が「朝から嫌な気分になった」と言ったなど、事細かに各方面の反対の声を拾い集めている。

朝日は風評被害についても韓国からの「心配」を伝えるているが、それなら韓国の西海岸で取れる魚介類が日本の何倍のトリチュウムを包含しているか伝えたらどうだ。

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