未だに怒りが収まらない。こんなことが許されている韓国はどうかしている。
事の顛末は1月22日に報じられた。韓国放送(KBS)の時代劇ドラマで落馬シーンを撮影するため、スタッフは馬の後肢に2,30メートルのワイヤーを付けて走らせたという。当然、馬はロープが伸び切ったところで頭からもんどり打って転倒する。迫真のシーンが撮れたろうが走らされた馬は死んだ。
この無残なドラマ撮影は昨年11月2日に行われた。時代劇「太宗李芳遠」第7回で、李成桂の落馬シーンだった。ちなみにKBSというのは日本のNHKにあたる国営TV局である。日本同様に大河ドラマを制作している。李成桂というのは李氏朝鮮の初代国王で、李芳遠というのは三代目
、徳川幕府に例えれば家康と家光にあたる。
駆り出された馬は元は競走馬だったが、成績不振が原因で京畿道の馬レンタル会社売られ、「カミ」という名前でタレント活動していた。主人公が乗る馬は別にいて、転倒シーン撮影の場面だけに、つまり危険なスタント役の馬として動員された。 ある関係者は「馬レンタル会社には通常、落馬シーンだけのために使う馬がいる。大半が廃馬たち、今日死んでも構わない馬を投入する。今回死亡した馬もそのような馬ではないかと思う」という。
韓国ドラマの制作現場では、馬の脚にワイヤーをかけ転倒シーンを撮るのは昔の時代劇で使われていた方法だいう。「馬の安全や休息権のようなものは現場で乗馬監督が提案しなければならないし、契約書でも要求しなければならないが、実際には行われていない」と述べた。
動物団体が公開した撮影当時の映像で明るみに出たのだが、「カミ」は劇中の人物である李成桂の代役であるスタントマン俳優を乗せて、後ろに縛り付けられたロープに脚を取られ猛烈な勢いで首から落ち、胴体が空中で回転しながら地面に投げ出され、苦しんでいる。
映像が公開された後、虐待に非難の声が高まると、KBSは「事故直後、馬が自力で立ち上がり、外見上負傷がなかったため、馬を(レンタル会社に)返した。最近の健康状態を確認したところ、撮影から1週間後に死亡したことを確認した」と謝罪した。
現場にいた馬レンタル会社代表も。「馬が倒れる場面は1回で撮影が終わり、馬が地面に頭を打ったように見えるが、最小限の安全装置があった。地面をある程度掘り、中にマットを設置した」と述べた。さらに「倒れた後、馬が自力で立ち上がり、健康に問題はないと思った。撮影直後、馬が死んだわけではなく、3~5日後に死亡したため、KBS側には知らせなかった」と付け加えた。
白々しい。両者で口裏を合わせたとしか思えない。映像を見ても、猛烈に地面に叩きつけられていて、クッション材が敷かれていたなどという形跡はまるでない。第一、投げ出されたスタントマンのところには数人が駆け依っているがピクリとも動かない「カミ」に駆けつけた人間は一人もいない。
TBSでこのテレビドラマを演出したプロデューサーは2014年のドラマ「鄭道伝」の責任プロデューサー(CP)で、このときも落馬シーンにワイヤーを使ったことがあるという。KBSは「事故だ」と釈明しているが、韓国では馬を小道具扱いするのは、長年テレビ制作現場に蔓延している制作慣行だと言える。
映像から(https://twitter.com/i/status/1485607137103740933)は「カミ」の首の骨は折れているしロープがかかった両後肢はこれまた脱臼ないし骨折と見て取れる。これほどの重症でも1週間生きることは考えられるが、大変な苦痛を伴う怪我だからまともな獣医なら「安楽死」を選ぶところだ。それすら怠り、1週間放置したとすれば許しがたい犯罪である。
動物団体「カラ」と動物自由連帯は、該当場面の撮影は動物保護法違反に当たるとし、告発した。カラは「動物も苦痛を感じる知覚力のある存在であり、生命は撮影現場で使われる小物や道具ではない」とし、「公営放送KBSは今回の状況を単なる謝罪で終わらせるのではなく、虐待に対する法的責任はもちろん今後動物安全保障に対する具体的なガイドラインを用意すべき」という立場を明らかにした。(ハンギョレ新聞)
韓国では2016年、朴槿恵元大統領の親友、崔順実が娘のチョン・ユラ(当時20)を名門、梨花女子大体育科学部に馬術の特待生として裏口入学させるは、財閥のサムスンに1億6000万円払わせてドイツの名馬を購入させるなどやりたい放題がバレて起訴されている。
この国の馬に対する残酷な仕打ちと己の利益のために動物をこき使う性癖を見ると、馬を飼う資格は皆無である。早々に世界の馬術界から追放すべきだ。