ソウル北方で墜落しているのが発見された無人機が韓国に衝撃を与えている。積んでいたカメラを現像したら青瓦台(大統領府)を上空から撮影した精密写真が見つかったというので、国の中枢まで侵入を許しただけでなく察知すらできなかったと大騒ぎだ。
韓国国防省報道官は3日の記者会見で、韓国北西部の坡州(パジュ)に3月24日に墜落した無人機が「北朝鮮から来た可能性が高い」と述べた。政府として初めての公式見解だ。機体のバッテリーに書かれたハングルが北朝鮮独特のつづりだったことなどが根拠だ。
機体はレーダーで探知しにくいポリカーボネート製で、目視で発見されにくいよう水色などで塗られていた。韓国メディアは、機体下部に搭載されたカメラは日本のキヤノン製で、無人機は1回の任務で約2時間、150キロメートル程度を飛べると報じた。
国防省関係者の話や報道を総合すると、無人機は24日午前に韓国に入り時速100キロメートル程度でソウル市中心部の大統領府上空に到達。北朝鮮に引き返す途中に坡州で墜落した。この間に撮影した写真は193枚。無線装置はあるがカメラとは接続されていないため画像送信はできず、無人機が帰還後にデータを回収する仕組みだった。
3月31日には黄海上の島に別のタイプの無人機が墜落。こちらにはニコン製のカメラが積まれていた。東亜日報は「北朝鮮が1968年に武装工作員を送り込んで大統領府の裏山を突破したのと同じくらいの衝撃だ」と伝えた。小型の無人機を探知できる高出力レーダーを導入すべきだといった声も上がっている。(新聞各紙)
ブログ子は写真をみたが、ラジコンにしか見えない代物だ。この程度のものは所沢や利根川の河原にいけば愛好家がもっと大きいラジコンを毎日飛ばして遊んでいる。無人機というからにはMQ-9 リーパー(写真右)くらいのものに使ってもらいたい。ジェネラル・アトミックス社製で長い航続距離と高い監視能力および攻撃能力を持つハンターキラー無人機だ。衝撃を受けたのは軍事知識に疎い東亜日報記者だけで、軍の内部では北朝鮮の無人機開発レベルはまだ幼稚で偵察、攻撃力の点ではまだまだと安堵したことだろう。
ラジコンがレーダーにかからないことぐらい常識である。撮影された大統領官邸の鮮明な写真が脅威だというが、この程度のものはグーグルのサイトに行けばいつでも手に入る。余談だが昨年ブログ子の山小舎の屋根を張り替えた。Google Earthで屋根の色までわかるがまだ工事前の衛星写真の画像のままである。中韓に技術移転しなかった日本のカメラ
ブログ子は墜落した2機に積まれていたカメラがキャノンとニコンという点にさもありなんという思いだ。ソチ五輪のキム・ヨナやサッカー場に群がる韓国のカメラマンを見ると全員日本製のカメラと望遠レンズを手にしている。中国のカメラマンも同様だ。何か事あると日本製品を叩き壊したり燃やしたりするお国柄である。悔しいけど日本製に頼るしかないのである。カメラを壊しても己が身に不自由が振りかかるだけだからやらない。
中韓とも重工業・軽工業問わず日本の技術供与で現在がある。クルマ、造船、繊維に至るまで日本は惜しげもなく与えた。もちろん彼らはカメラもほしがった。しかし精密工業の下地がなかった。カメラは本体の組み立て前にレンズ研磨やレンズ組み合わせで複雑な光学技術の裾野があってはじめて成り立つ業界だ。群馬県の研磨業者を知っているが、韓国から話があったが、微妙な職人芸を丸ごと向こうに持っていくことができないとわかって沙汰止みになった。
キャノンの大連工場を見たことがあるが、アジア各地から集められた複写機のカーボンの再処理専用で、周辺の村から集まった女子従業員が寮生活しながら働いていた。中国でカメラ本体の組み立ては考えていないと言っていた。技術移転はせず日本で買ってもらう方針なのだ。賢明な選択肢だ。お陰で新宿にあるキャノンとニコンのサービスセンターでは中国語と韓国語のお客さんがいっぱいである。
2つの国とも日本から教えられた技術をすぐ自国製として外国に売りつける。運用技術が大事だといってもいうことを聞かず車両だけ輸入した中国の新幹線がいい例だ。事故を起こしたら丸ごと埋めるという奇想天外な国柄である。ブラックボックスにして輸出するくらいのことをしないと危ない。こうして日本のカメラは追随を許さないでいられる。