ロシア兵民間人2人射殺の瞬間、日本のテレビは「寸止め」「モザイク」の馬鹿らしさ

ロシア軍による戦争犯罪が次々明らかになるなかで昨13日、民間人2人を背後から射殺する鬼畜のロシア兵の映像が流れた。ところがこれを伝えた日本の民放テレビ局は発砲の寸前で画像を止めたり、ロシア兵の顔にモザイクを施したりして流していた。NHKはいっさい流さなかった。いわゆる人権とかショックを受ける人への配慮だろう。しかしブログ子ははっきり言っておく。報道人として失格だと。

映像は、ロシア軍が侵攻後最初にキーウを奪取しようとしていた3月16日に撮影された。市に通じる幹線道路では、ウクライナ軍がロシア軍の進軍を阻もうと激しい戦闘を繰り広げていた。キーウ郊外の自転車やオートバイの販売店にロシア軍の兵士数名がやってきた。この店の2人が応対した。報道したCNNによると1人は略奪に遭った自動車販売店のオーナーで、遺族が氏名の公表を望まなかった。もう1人はレオニード・オレクシヨビチ・プラッツさんで2人の孫を持つ68歳の男性で、同店舗の守衛をしていた。

店舗の至る所にあるいくつものカメラで撮影されたのをCNNが編集したもので音声は入っていないが画質は鮮明だ。それによると、5人のロシア兵がやってきて、販売店内に押し入ろうと錠を撃ったり、ガラスを割ったりしている。販売店のオーナーが両手を上げて近づくと、兵士らは武器を所持していないか確かめるような動きを見せる。続いてプラッツさんが現れ、同じようにボディーチェックされる。

何か言葉を交わした後で、兵士らは背を向け、プラッツさんたちも店舗の奥に戻ろうと歩き始める。その時、2人の兵士が背後に現われ自動小銃を発砲。撃たれた2人はいずれも地面に倒れた。

動画(CNNから)は下記をクリック

https://www.cnn.co.jp/video/21154.html?utm_source=yahoonews&utm_medium=news_distribution&utm_campaign=contents_distribution_ynews_photo

兵士らは販売店の内部で防弾チョッキを外し、引き出しや机をあさりまわっている。棚にあった毛糸の帽子をかぶったり、グラスに入った飲み物で乾杯の仕草をする兵士らもいる。

カメラに気づいて壊そうとするロシア兵。顔がはっきり写っているからいずれ訴追対象になろう

兵士らが店舗を荒らしている間、オーナーは即死したがプラッツさんはまだ生きていた。映像には足を引きずりながら警備所に戻ってくるプラッツさんが映っている。太ももには止血帯らしきものが巻かれている。その場でプラッツさんは電話をかけ、助けを求めた。相手は近所に残って町の防衛を志願した同胞のウクライナ市民だ。

電話の相手、友人のワシリ・ポドリエフスキーさんはこの日、大量出血の続くレオニードさんと、電話で2回やりとりした。民間人は殺さないと言ったそばから、ロシア兵は自分を撃ったのだと、プラッツさんはワシリさんにそう話したという。

「せめて自分で包帯を巻けるか? そう尋ねると、『ワーシャ、なんとかここまで這って来たんだ。全身がすごく痛い、すごく苦しい』という答えが返ってきた」。すぐに行こうとしたがロシア兵がつぎつぎ入ってくるので出られない。、地域防衛部隊に連絡し助けを求め、ようやく店舗にたどり着いた。

映像には、彼らがプラッツさんを警備所から運び出す際、床に流れたおびただしい血の痕が映っている。プラッツさんは警備所の外で息を引き取った。

◇ ◇ ◇
戦争は「なんでもあり」のように思われているが、このような民間人殺害はれっきとした戦争犯罪で、 第三者機関ではないが当該国で裁判できることになっている。

 そうしたなか13日、ウクライナで非武装の民間人を射殺したとして、戦争犯罪に問われているロシア兵の公判が、首都キーウの裁判所で始まった。ウクライナ検察はロシア軍による犯罪行為の捜査を進めているが、戦争犯罪を問う公判は初めて。

戦争犯罪に問われているのはロシア西部モスクワ州の戦車部隊の指揮官だったワジム・シシマリン軍曹(21)=写真右。ウクライナ侵攻開始から4日後の2月28日、同国北東部のスーミ州チュパヒウカ村で自転車に乗っていた62歳の男性に発砲し殺害した疑いが持たれている。

 シシマリン被告は丸刈りで、青と灰色のパーカ、スエットパンツを身につけて、裁判所のガラス張りのスペースに座った。「私は撃てと(同僚から)命じられた。1発撃った。彼は倒れた。我々は(そのまま)移動を続けた」と語り、殺害を認めた。

ウクライナの刑法により、10~15年の自由剝奪刑か終身刑に処せられる可能性があるという。

ウクライナ検察では1万700件以上の戦争犯罪が疑われるケースを捜査しており、容疑者の特定を進めている。ウクライナはIT技術大国で、顔認証により戦死したロシア兵士の身元を特定、ロシア軍が隠して知らせていない母親に通知していると言われる。

自転車店の犯行では犯人のロシア軍兵士は現在ロシア側にいるものの、顔ははっきり捉えられていて、同じ手法で特定されるものと思われる。当然いずれ訴追される可能性が高い。それなのに日本のテレビ局はモザイクをかけて報道している。いわば犯人隠匿に手を貸していることになる。平和ボケしているテレビ局の見解を問いたい。

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