「ガーシー」こと東谷義和が、国会議員として72年ぶりとなる「除名処分」になった。不逮捕特権を失うや、たちまち警視庁は暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)などの容疑で逮捕状を請求した。今後、旅券返納命令が出されるだろうし、従わねば国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配される。現在、逃亡先のアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに居座っているもののいずれ強制送還される運命だ。
犯罪者が国会議員になったといった方が早い男の末路は見えているが、ろくでもない人間が「国会の権威を貶めた」傷は深い。もともと「参院不要論」が叫ばれていたが、これで「国会の盲腸」を切れとの声は更に高まるであろう。
ブログ子は成り行きから2人の参議院議員の選挙運動を手伝ったことがある。その経験からして、参院は「無能の輩」の巣窟だと思っている。
自分から買って出たことはないが新聞記者時代からいろんな選挙と関わってきた。三重県四日市市長選、福島県相馬市長選、静岡県知事選など地方選挙から衆参選挙の何人かの議員の「参謀」役でアドバイスした。プロではないから一銭の金も受け取ってはいない。
参議院選挙では時期は違うが2人の指導役をした。いずれも警察官僚から衆議院議員に転じた亀井静香との縁である。選挙区の広島から兄を参議院に入れたいという。最初はダメだったが二度目に当選した。次は福井県選出の某参院議員で元警察官僚だったので6年目の改選が危ないのでなんとかしてほしいということだった。
会ってみて驚いた。とりあえずインターネットで発信することを勧めてホーム・ページを作ったのはいいが、何を書いていいのかわからないと、平然として言うのだ。この地方は蟹が名物だから、その思い出を少し綴ってみてはというと一行も書けない。仕方ないから電話で本人と話して選挙区の漁港のカニの出荷量が増えていことと議員としての活動をこちらが書いた。
次回はというと何も思いつかないというから、北陸新幹線の福井延長との関わりを書いた。といっても2年も前の参院速記録を取り寄せて見つけた本会議で「要望」したことを手柄風に・・・といった具合でほとほと手を焼いた。当選したら、ホーム・ページは塩漬けで当選御礼の電話1本よこさない。
参議院議員になると、年間で議員歳費と調査研究広報滞在費を合わせた約3400万に、政党交付金や立法事務費を乗っけた約4500万円が濡れ手に粟で懐に入ってくる。多くは領収書もいらないし、バレても修正しました、で逃げられるし、さらに追及されても大臣やら政務官という役職を辞任するだけで議員の資格を奪われることはない。
明治時代には、国会は衆議院と貴族院とで構成されていた。第1回衆議院議員総選挙で投票できたのは、直接国税を15円以上納める男子だけ。貴族院は、その名のごとく貴族階級から選ばれて選挙とは関係なかった。その貴族院が、戦後参議院と名を変えただけで、「良識の府」などというのは自分らで言ってるだけで、上述のように中身はおそまつな人たちで構成されているのが実態だ。
無能でも務まって、年間4500万円がもらえるのだから、永久就職先としてこれ以上のものはない。ガーシーのお陰であぶり出された「参院無用論」、これを奇貨として、潰すか大幅改革を進めるか、考えるときである。