谷公一国家公安委員長は25日の自民党議員のパーティーで、岸田文雄首相の選挙応援演説会場に爆発物が投げ込まれ、襲撃された事件を巡り、自らの視察先で警察庁から連絡を受けた後も「うな丼をしっかり食べた」とあいさつした。兼務する防災担当相として南海トラフ地震の被災地と想定される高知県を視察中で、これから食べようという時に警察庁から電話があったそうだ。
さっそく立憲民主党の宮口治子参院議員は翌26日の本会議で「危機感も緊張感もない人物に要人警護の責任を担わせてよいのか。『うな丼大臣』は即刻更迭をしてほしい」と求めた。
バカは宮口治子一人かと思ったら同党の安住淳国対委員長が「コメントするのも恥ずかしい。国家公安委員長として緊張感が足りない。会合でうけを狙った冗談かもしれないが、センスはない。国家公安委員長に何よりも先にと伝えているのに、当の本人は何の反応もせず食べてたというんだから、こういう人の下で警察全体が緊張感を持って(5月のG7広島)サミットなどをやれますか」と指摘した。
あきれたものである。このボロ政党の考え方だと、国家公安委員長たるものは「その時」、すぐ箸を置いて謹慎するかおろおろと歩き回っていればお気に召すようだ。都道府県含め何人もの公安委委員長を知っているが、公安関係のあらゆる情報は真っ先に届けられる。鉄道や飛行機に乗っていてもだ。たいていは報告の一方通行である。
戦国武将、真田幸村は出陣前に腹ごしらえのために北信・東信地域に伝わる郷土料理「こねつけ」をしっかり食べた。死を前にした大坂夏の陣(1615年)では兄の信幸と別れの盃とともに食した。腹が減っては戦はできぬ、の習いである。
もっとも谷・国家公安委委員長にはそこまでの悲愴感はなかったようで、ただ会場の受けを狙っただけだったようだ。物のたとえで言うときは、今の国会議員、特に立憲民主党の程度のほどを理解しておかねばならないのだ。
岸田文雄首相は26日、「谷氏は必要な指示、情報収集を行ったと聞いている。引き続き職務にあたってほしい」と述べ、更迭を拒否、続投させる考えを示した。当たり前だが、ついでに立憲民主党の二人に「国会にふさわしい質問をするよう」釘を刺してほしかった。
23日に投開票された衆参5補欠選挙で立憲民主党は衆院千葉5区、山口4区、参院大分選挙区に公認候補を擁立したが、「全敗」という最悪の結果に終わった。執行部は責任を取るものと思ったら、岡田克也幹事長は「(与党が)勝ったとはいえ、接戦だったよねということは言っておきたい。執行部の責任については、代表が責任をとるとかいう話ではない。私も代表から言われない限りは幹事長を続ける。次の衆院選でしっかり結果を出したい」としらばっくれた。引責しない理由については「補欠選挙だからだ」だそうだ。
同じく惨敗した共産党も責任を取る気はさらさらない。55年体制に胡坐をかいた社会党は議場の過半数を埋めたほどの議員数から福島瑞穂一人、政党要件を満たせず消滅の危機にある。立憲民主党もひたひたとその後を追っている。