一気に政局へ 岸田政権の後に誰もいない事態

自民党の「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していた疑惑。どの派閥もやっていることで「そのうち…」と思われたが、東京地検特捜部の本気度が明らかになって、ターゲットとみられる松野博一官房長官(61)を更迭する運びとなった。岸田首相はこれで逃げるつもりのようだったがどうしてどうして、西村康稔経済産業相(61)、塩谷立・元文部科学相(73)、萩生田光一・同党政調会長(60)、高木毅国会対策委員長(67)、世耕弘成参院幹事長(61)も派閥側から還流を受けていた疑いがでてきた。安倍派幹部6人全員が追及を受ける事態だ。

自民党最大派閥「安倍派」(99人)解体の危機だが、ブログ子は「これでよかった」と思う。このブログで前々回「安倍派が『魔の3回生』など落第生ばかり抱えた訳」を書いた。これを見てもらえば、安倍晋三首相の下で大勝したばかりに、出来の悪い安倍チルドレンがドバっと衆議院議員となり多くが安倍派になだれ込んだわけがわかると思う。

ブログ子は安倍晋三・幹事長に頼まれて、戦後史を何一つわかっていない1年生議員にネット教育したことがあるので、出来の悪いことはよく知っている。今では「魔の4回生」だが、その後の不祥事の数々は皆さんがご存じのとおりである。

安倍派は陣笠の下の者の出来が悪いばかりか上の者の出来も悪かった。上述の追及を受けている安倍派幹部6人の名前を見てもわかる通りだ。世耕弘成はNTT出身である、役員をしていた義兄の下にいたので少し知っている。また聞きだが「並み」の出来だという。あとは名前だけで知らない。

よく次期首相候補として名前が挙がる萩生田光一はその気で見ていたが見掛け倒しだった。いい例が文部科学大臣に抜擢された時だ。左傾した学術会議に断を下すかと思ったらスルーである。教科書検定ではこれまた左の検定委員会の言いなりだった。自虐歴史観を正そうという「新しい歴史教科書をつくる会」の中学教科書だけ取り上げて405箇所の欠陥箇所を指摘、1箇所も反論を認めず「不合格」の宣告をした。これにより今なお慰安婦問題など偏った教科書が教室で使われている。

安倍派が「6人衆」ともども、つぶれても何の影響も出ないだろうが、岸田政権はもう持たない。キックバックは1000万円程度だと「記載訂正」くらいで逃げられる。特捜部が松野博一官房長官をターゲットにしているというのはそれ以上、億単位の金を手にした証拠があるとみられる。「政権ナンバー2」が司直の手にかかるとなれば岸田政権は持たない。一気に政局である。

ところが自民党にはろくなタマがいない。野党が政権を取るチャンスだがこれまた絶望的だ。立憲民主党など自民党ともども議席を減らすのは必至という情けない政局である。不勉強なメディアでは「小石河」の名前が挙がるがブログ子の見るところ何をかいわんやである。石破茂は「後ろから鉄砲を撃つ」男として有名だ。何より首相づくりの場面に力を持つ麻生太郎が大嫌いで許すはずがない。小泉進次郎は言葉を並べているものの中身がまったくない「迷言」ばかり目立ち、ネット上では「進次郎構文」などと揶揄されるばかりでとても務まりそうにはない。残る河野太郎もデジタル相でマイナンバーカードを振りかざしてスタンドプレーは目立つが実績は何もない。何より親父が悪い。従軍慰安婦なるものを認め軍の関与まで認めた「河野談話」が今なお禍根を残しているのに、その息子を総理大臣にしたらどうなることか。

消去法で浮上してくるのが上川陽子外相や高市早苗経済安全保障大臣である。あらゆる会議や会社で「女性比率が低い」とやり玉にあがるご時世である。時流にかなっているというメリットもある。

誰が総理になったところで、かつて日本の総理大臣が1年ごとにくるくる変わった悪夢の再現になるのではないか。

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