自分のサイトに「さくら」という項目を書いている手前、毎年あちこちの一本桜を訪ね歩いていたが、今年はやめた。近場を渉猟し尽くし、残るは遠方ばかりになって億劫になったためだが、もう一つ、今年は山はまれに見る大雪で、きっと桜は遅いと見ていたのが、豈図らんや例年よりずっと早くなり、用意が整わぬうちに満開になったことがある。
用事で通りかかった千鳥ヶ淵の満開をみて、今年はじめて開放された皇居「乾門の通り抜け」に馳せ参じたが大勢集まりすぎたと予定時間より早く閉門されて機会を失った。日本人がこの季節、こころを一つに桜に寄せる愛情につくづくいい国柄だと思う。
ところが、毎年韓国からは「日本の桜は韓国起源」説なるものが流されてくる。日本人の多くは、例えそうであっても一向に構わないと思うところだが、その執拗さに辟易する。済州島にその原木なるものがあるとかで、みた人によると明らかにソメイヨシノ(染井吉野)だという。
これで明らかに出鱈目だということがわかる。染井村(現在の駒込あたり)の植木屋が名所として名高い大和の吉野山にあやかって「吉野」「吉野桜」として売り出した。その後、植物学者の調査でヤマザクラとは異なる種の桜であることが分かり(1900年)、この名称では吉野山に多いヤマザクラと混同される恐れがあるため、「日本園芸雑誌」で染井村の名を取り「染井吉野」と命名した。 葉より先に花が咲くのと成長が早いのが重宝され、一気に広まったものだ。ソメイヨシノは不稔性ですべてクローンだから済州島に原木があるはずがないのである。
韓国人はなぜこうもこだわるのか。ネットである中国人が韓国で聞いた桜の生い立ちという話でなるほど、と思った。己が屈折した日本人へのコンプレックスの裏返しで、自分を納得させるために作り上げたものなのだ。
2014年4月15日、韓国を旅行した中国人韓国客が、桜について現地で聞いた情報をもとにブログをつづっている。以下はその概要。
人々は日本を桜の国と称えるが、韓国の桜も美しいと勧められ、今春は韓国を訪れることにした。聞くところによると、日本の桜は韓国から伝わったものだという。日本に伝わる前、韓国の桜の数はそれほど多くはなかった。1918~1948年、日本は韓国を占領し、大量の桜の木を植えたことで、韓国でも至る所で桜が見られるようになったという。
1948年に独立して以降、韓国人たちにとって桜は憎悪の対象で、植物界の侵入者・植民者と見ていた。しかし、韓国の学者が、日本の桜は韓国から伝わったものだと発表した。日本の桜が韓国から伝わったならば、日本人が韓国で植えた桜は韓国の桜の子孫だということになり、拒絶する理由はなくなる。そこで、韓国人は桜に対する態度を改め、次第に受け入れて行くようになったのだという。
現在、韓国にもたくさんの桜の木が存在し、毎年、ソウルや釜山、済州島などで各種のイベントが行われる。人々は桜を愛で、歌や踊りをし、酒を飲み、伝統的なお菓子を食べてにぎやかに過ごす。韓国の桜は多くが薄ピンク色(ソメイヨシノ)だ。(Record China)
関係修復のため日韓の外務省高官会議が始まった。ありもしない従軍慰安婦を押し付け、条約で解決済みの戦時賠償も裁判所と一緒に平気で蒸し返し、間違いだらけの歴史認識を押し付けるのだろう。ソメイヨシノと同じで己が歴史の自己撞着から抜け出す方が先なのに。やれやれ難儀な国である。