断罪の時 N党・立花孝志とれいわ・山本太郎

オールドメディアに対する不信がピークに達し、ソーシャルメディア、すなわちSNSの存在感が大きくなったと煽り立てる向きが猖獗をきわめている。そのオールドメディアにいたブログ子としては「何を言うか。フジテレビ10時間会見でのブロガーやらフリー記者の愚昧ぶりを見よ。きちんと取材してきちんと書くというイロハも知らぬ輩と同列にするな」という思いだ。

しかし、その「オールドメディア」のだらしなさが顕著に表れている表題の2人については巷間と同意見である。


民主主義の基本である選挙制度と言うものを毀損してはばからない者をいつまで野放しにするのか。いつまで見ぬふりを続けるつもりか。司直の手が及ぶ前にメディアが立ち上がらねば、悔いを千載に残すであろう。

まずN党・立花孝志党首の方から。パワハラ疑惑を受け、兵庫県議会から不信任を議決されて失職した斎藤元彦知事は11月に奇跡の再選を果たしたが、その立役者だ。知事選にわざと立候補し「当選は目指さない。斎藤応援だ」と公言、相手候補の自宅兼事務所まで押しかけ、百条委員会の県議を脅迫するような街頭演説を行っている。明らかな選挙妨害だが、当人が候補者では手出しできない。選挙法のウラをかいた奇策である。

1月19日、斎藤知事の疑惑を究明する百条委員会の元委員である竹内英明県議が自殺した。立花党首が自宅に押しかけてくるので「家族が危険にさらされている」と訴えていた人だ。因果関係はわからないが、これで斎藤知事関係での死者は4人という異常な事態。

それなのに立花孝志党首は《竹内元県議は、昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました》などとXで発信。Youtubeチャンネルにも同じような内容の動画をアップし、「逮捕されるのを苦にして自殺したのでは」ということまで書き込んだ。

あまりのことに見かねたのだろう。異例なことだが、公開の場で兵庫県警本部長が「被疑者として任意の調べをしたことはないし、まして逮捕するという話はまったくございません。まったくの事実無根」と明確に否定した。

すると、あっさりYouTubeで《警察の逮捕が近づいていて、それを苦に自ら命をたったということについては間違いでございました》と謝罪したものの、《政治家をする能力がなかった人》《この程度で亡くなるんだったら、政治家、本当にやめたほうがいい》など、故人への中傷は続けるあくどさだ。

間違いを指摘されるとあっさり謝罪するか、「すりかえる」のが常套手段だ。例えば、謝罪動画を出した後もなお、「竹内県議がでっちあげをしていた」との主張をしていることについて、『報道特集』(TBS系)から、何を根拠に「でっちあげ」というのか問いただされると、「でっちあげというか僕は疑惑と言ったつもり。(竹内氏は)疑惑に対してちゃんと弁明されたらよかった」「疑惑とでっちあげとなると、ちょっと印象が違いますよね。僕でっちあげなんて言ってませんよね。疑惑ですよね」と否定する。

1月20日の自身のユーチューブで「デッチあげ」とホワイトボードに書き、発言していた事実を突きつけられると黙り込む。明確に間違いを指摘されると形ばかりの謝罪をして見せるか、言い逃れする。この手口が一貫しているのだ。

 次にれいわ新選組の山本太郎代表だ。1月24日の記者会見で、夏の参院選比例代表を巡り、当選者が任期途中で議員辞職し、次点が繰り上げ当選を繰り返す「ローテーション制度」を導入すると明らかにした。任期途中の議員辞職を確約した候補者しか公認しない方針も示した。 理由については「れいわの比例にエントリーすれば、国会議員になる可能性はかなり高まる。社会に貢献する場を提供したい」と説明した。

この党の「国会荒らし」は毎度のことだ。壇上で「茶番!」と書いたプラカードを広げたり(櫛渕万里共同代表)、
石破首相が座っている方向に向かって「さっさと辞めてもらっていいですか。いつ辞めるんですか」(大石晃子共同代)と討論の場である国会をそれこそ「茶番」にしている。埼玉県八潮市の道路陥没事故を巡り、れいわ新選組の伊藤勇樹・大阪府東大阪市議は「陥没や 国賊どもが 夢のあと」とXに投稿したり、ろくでもない所業が目立つ。

しかしこの「ローテンション制」なるものは奇策ではあるが、選挙制度の根幹をなめたものだ。憲法や公職選挙法に抵触する可能性が大である。

公職選挙法第4条において、選挙で選ばれた議員はその任期を全うすることが求められている。「れいわ」だけが勝手に3年で交代して、参議院議員に与えられている権利と待遇を他党の倍の議員が甘受するというのが許されるのか。選挙での民意が反映されない形での交代が行われることは、民主主義の原則にも反する。

憲法の趣旨にも反するだろう。「良識の府」である参議院はその職務を果たすためには、安定した任期が6年必要であるとしているのだから、その趣旨にも反する。

確かに、現行法でははっきりと違法とは言えない。それも当たり前で、国会議員の良識に期待しているからである。その裏を搔い潜るようなこの二つの党には辟易する。

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