「軍艦島映像」でNHKがやっと謝罪へ

長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を取り上げたNHK番組「緑なき島」の映像を巡り、NHKの稲葉延雄会長は30日、自民党の総務部会などの合同会議で元島民側に謝罪を検討したい考えを示した。元島民らは、この番組で使われたニセ映像が韓国で強制徴用の被害者の証拠だとして使われたと、令和2年11月以降、謝罪を求め続けたが、NHKが応じなかった。稲葉氏は韓国メディアが映像を悪用している事態にも対応していくとした。

「緑なき島」は昭和30年に放送され、今は閉山となった軍艦島での島民の暮らしぶりを伝える「風土記」的な内容だ。70年も前の放送が問題になったのは、平成27年の軍艦島の世界文化遺産登録を契機に、韓国メディアは朝鮮半島出身者が強制労働させられた証拠だと「緑なき島」の坑内とされる映像を相次いで無断使用してきた。韓国の高校の教科書にまで取り上げられていた。

坑内映像は、裸同然の採炭作業員がつるはしを振るうなど、当時の保安規定や元島民の証言と大きく食い違っている。NHKは昨年12月に東京簡裁での調停で、元島民側に対し坑内の照明に関する場面については端島炭坑内の映像であるとの確認が得られていないとし、元島民が求める謝罪には応じず、調停では「強い遺憾の意」の表明にとどめた。韓国メディアなどで映像が誤った使われ方をしている問題については、著作権の保護期間が切れていることを理由に消極的な考えを示し続けている。

これまで強弁してきたNHKがやっと過ちを認めるようになったことは喜ばしい。ブログ子は韓国で軍艦島は強制労働の地だったと騒ぎ始めた時、これはひどい、いざとなったら出るところに出ようと覚悟してきた。と言うのも、実態を少し見聞きしていたからだ。支那哲学の研究者で陸軍士官学校教授だった父は佐賀県唐津市出身だった。だから墓もブログ子の本籍地もこの地にある。長崎の軍艦島は隣の県だが、至近の距離にある。法事などで唐津に行くと従兄の何人かは軍艦島で働いたことがあり、朝鮮人とは仲良くやっていたことや、給料がすごくよかったことなどを聞き知っていた。荒唐無稽なでっち上げで事実をゆがめる韓国には我慢がならなかったからだ。

幸い憤慨し声を上げた羽島炭坑OBがたくさん出てきた。島民でつくる「真実の歴史を追求する端島島民の会」は、NHKの映像では、這うようにして作業しているが、端島炭坑は1・5メートル以上あって立って作業していたこと、映像のような裸電球ではなかったなど調べ上げ、写真の出どころは北海道の炭坑であることなどを突き付けて訂正を迫った。

それでも頑なに認めないので、会ではジャーナリストの櫻井よしこ氏が主宰する「産業労働研究会」で炭鉱の専門家らと映像の検証を繰り返し、NHK会長には面会を求め、放送倫理・番組向上機構(BPO)に苦情も申し立てたが、いずれも認められなかった。事態打開のために選んだのが、東京簡裁への調停の申し立てだった。ここで初めてNHKが歩み寄って調停が成立した。

NHKは令和3年12月に元島民側に緑なき島の映像について検証結果を報告したが、そこでも「(映像が)端島炭坑以外であるとの結論に至らなかった」としている。この見解は調停成立後も崩していない。そうした中での今回の稲葉発言だからブログ子ならずとも「やっとここまで事実関係を認めさせるところまで来たか」という思いである。

「皆さまのNHK」は公正・中立だと思われているが、なかなかどうして、とんでもないのがいる。以前このブログでも書いたが元ディレクターの池田恵理子の例を挙げよう。

「私は慰安婦問題(アジア女性戦犯法廷)番組を8本作ったが、平成8年以降、1本も通らなくなってしまった。放送が与党側に偏っている」などと自分で言っていたが、8本も作らせたNHKにも驚くが、彼女が制作した「戦犯法廷」番組の中身といえば、「国際女性法廷」なるもので、弁護人もつけずに昭和天皇を被告人として裁き、何の証拠もない「従軍慰安婦」を理由にして天皇に「有罪」を宣告するというめちゃくちゃな内容だ。

元朝日新聞編集委員、松井やよりも加わって開かれたこの裁判を傍聴した秦郁彦によれば、「天皇裕仁は……強姦と性奴隷制についての責任で有罪と認定する!」と裁判長が述べると「拍手のウェーブが広がり、鳴りやまない。総立ちになっている観衆もいる」という「法廷」だという。いやはや。

松井やよりは死んだが、池田の方はまだ健在で、東京都新宿区の早稲田大学近くのビルの2階にある100平米ほどの小さいスペースにある「女たちの戦争と平和資料館」の館長だ。壁いっぱいに慰安婦被害者10カ国・155人の顔写真が並んでいる。

やっとのことで重い腰を上げてNHKは元島民に謝罪する運びだが、この映像を利用して騒ぎまくった韓国のでたらめメディアの責任はとなると、「時効」とか「海外への責任追及はできない」とかいつも通りの言い訳の羅列である。

やりきれない。


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