なかなかいいぞ。安倍首相の「タフなネゴシエーション」

plc14042413240028-p1 安倍晋三首相とオバマ米大統領は24日午前、東京・元赤坂の迎賓館で首脳会談を行った。両首脳は、日米同盟がアジア太平洋地域で主導的な役割を果たすことで一致し、オバマ氏は尖閣諸島(沖縄県石垣市)が日米安全保障条約の適用対象であることを明言した。焦点の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は、日米間の閣僚協議継続で一致したが合意には至らず、共同声明の発表はいったん見送られ、両首脳はそのまま共同記者会見に臨み、首相は「日米同盟は力強く復活した」と述べ、成果を強調した。

大統領としてはじめて尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象であることを明言したもので、これを聞いた途端、TPP交渉で日本は大幅な譲歩を迫られるな、と直感した。この項を書いている時点では、再開された甘利経済再生担当大臣と米国・フロマン通商代表の交渉が続いているのでなんとも言えないが、歴代政権でここまでタフなネゴシエーション(交渉)を展開した例はない。

古くは田中角栄の「足して二で割る」方式で最後はよっしゃよっしゃで終わる例や、ともにバブルの張本人と言われる宮沢喜一の英語通を自認するあまり大幅に相手方に歩み寄る交渉、橋本龍太郎の事務方に丸投げ方式、悪夢のような民主党の鳩山由紀夫、菅直人の元首相二人の根無し草外交・・・まともな交渉力を見せた政権は見たことがなかった。

だからアメリカが尖閣諸島を明確に安保適用対象と明言したからには、今度は日本がTPPでは譲らざるを得ないなと思った。共同声明を先延ばしにしても最後の閣僚協議に委ねるという腰の強さを見せた安倍首相に感心した。これこそ国益がぶつかり合うシビアな二国間協議である。

オバマ大統領は「すきやばし次郎」で好物のすしを14貫も食べた。そのせいかどうか、コメではアメリカも理解を示しているという。残る主なものは牛肉と豚肉だそうだ。アメリカ人ですら日本の牛肉は素晴らしいと言っている。特化したら生き残れると思うのだが。いや素人分析はよそう。TPPがどういう結果になろうとも許せる気がする。

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