「馬糞(まぐそ)の川流れ」とは品がないが、それもそのはず時の田中派の大番頭、金丸信が自民党の他の派閥を馬鹿にして言い出した。ところが田中派自体が竹下登の造反でバラバラになるという見事な「馬糞の川流れ」状態になり金丸本人も脱税で特捜の追及を受け、甲府の自宅に隠していた金塊が表に出るなどダーティーぶりが暴露されて不遇のうちに死んだ。
ところで、石原慎太郎共同代表の記者会見の中身を読んでいて、さすが文筆家、芥川賞作家という素晴らしい一言を発見した。自分だったらっ迷わずこのセリフを見出しにするのだが、翌日の各紙でここをクローズアップした新聞、テレビは一社もなかった。近頃のジャーナリストの目は余程の節穴と見える。こういう内容だ。
「私はね、橋下さんという人物を非常に評価し、期待もしていました。私が都知事の時代にも彼と出会ったことがね、僕の人生にとっての一つの快事だったと思っています。ですからね、彼と袂を分かつことは非常に辛いですけどね。しかし、千昌夫の(ヒット曲の)『星影のワルツ』じゃないけど、『別れることは つらいけど 仕方がないんだ 君のため』でね、仕方がないよ、国のために私はそういう選択をしました」
言い得て妙。今回の分党を一言で言い表しているではないか。年末の流行語大賞に選ばれてもいい名セリフだと思う。
ところで「星影のワルツ」分党になった維新だが、大阪都構想も今ひとつ理解されないし、結いの党と合流して野党再編の足がかりにしようとするようだ。民主党の一部、特に前原誠司氏あたりが「民主党は海江田万里代表でこの1年余、何も展望が開けなかった」と代表選の前倒しを声高に言ってるようだが、ちょっと違うのではないか。民主党は鳩山由紀夫、菅直人という二人の愚かな首相を出して制度疲労を起こしているのは誰の目にも明らかである。どことくっついたところで主導権を持つことは考えられない。まして「言うだけ番長」の異名をとった人物に言われたくないだろう。
石原慎太郎節ではもうひとつ卓見が述べられている「安部首相にね、『あなた、必ず公明党は足手まといになりますよ』と言ったんです。その通りになってきているんじゃないでしょうか」。
与党再編から野党再編へすすみ有象無象の群小党が整理されると、記憶容量が落ちているブログ子など助かる。