今度ばかりは帰すだろう

横田さん夫妻

横田さん夫妻

「拉致」は英語で「Abduction」というが、こんなおぞましい単語は地球上で北朝鮮にしか使われない。ナイジェリアでイスラム過激派「ボコ・ハラム」が女子生徒ら200人以上を拉致した事件もあるが英語では「Kidnapping」(こども誘拐)と表記されている。国家の狂気としていずれ歴史で裁かれるだろうが、その北朝鮮が、「拉致被害者と特定失踪者の包括的全面調査を行い、拉致被害者らが見つかったら帰す」と約束した。

全面調査は前にも約束しているが反故にした前科がある。でも今度ばかりは正夢になりそうだ。いや、次第に年をとられていく横田さん夫妻の姿を拝見するにつれ、政官民あげて正夢にしないといけないと思う。

26G20140529TTT0700469G30000毅然とした表情で発表する安倍首相がこれほど頼もしく見えた日はなかった。反日と安倍たたきに狂奔している韓国と朝日毎日など一部の報道機関のあっけにとられている姿が目に浮かぶ。 韓国統一省報道官は「韓国も韓国人拉致被害者や、朝鮮戦争などで生き別れた離散家族の再会など、北朝鮮との間で人道問題を抱えている。北朝鮮は韓国とも、こうした人道問題に直ちに対応すべきだ」と述べたが、自国の拉致被害者をろくすっぽ顧みなかったのはどこの国だったのかと問いたい。

ブログ子は別にホームページを開いているのだが、そのアクセスが一気に跳ね上がった。理由はわかっていて、中の1コーナーで「よど号事件」のことを詳述しているためである。我々夫婦は事件発生の時結婚式を挙げた。記者やカメラマンの招待客がみなソウルに派遣されたのでテーブルごと空席の披露宴になったことを書いたのだが、後半でよど号事件のメンバーが深く拉致事件に関係していることを紹介している。

今回の報道で12人の拉致被害者の写真が掲載されているが、その中の札幌市出身の石岡亨さんと熊本市出身の松木薫さんの誘拐に、現在も平壌に残っている、よど号メンバーの妻、若林佐喜子、森順子の二人が大きく関わっていて、この4人がスペインで一緒にいる証拠写真が残っている。たまたまだろうが、今月日本人カメラマンが撮った平壌のよど号犯がいるアパートやパソコンに向かうリーダーの若林盛亮容疑者の写真を転載しているので、拉致がらみで一日1万ページビューほど跳ね上がっているのだ。拉致事件への世間の関心が如何に高いかよく分かる。

日朝合意文書安倍首相は「全ての拉致被害者のご家族がご自身の手で、お子さんたちを抱きしめる日がやってくるまで、私たちの使命は終わらない」とコメントしたが、意外に早くその日が来るのではないか。北朝鮮は、今回、拉致被害者らが見つかったら帰すと約束しているが、そんなこととっくのとうに把握済みであろう。金正日直属の特務機関の犯行だから出し渋っているだけで、全員の消息は金正恩第一書記が命じればその日のうちに出てくる性質のものだ。

北朝鮮側はいわゆる「特定失踪者」が「北朝鮮国内で生活している」との情報を、複数のルートを通じて日本政府に昨年末に伝えていたことが複数の政府関係者の話で明らかになった(毎日新聞)ーとの報道も出始めている。楽観は禁物だが、北朝鮮には引き伸ばす余裕はもはやないことを考えると、早ければ秋、年内には何十年ぶりの再会シーンが見られると思う。

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