安倍晋三首相は21日に衆院を解散すると表明した。来年10月に予定した消費税率10%への再引き上げについて1年半先送りすることも表明し、国民の信を問う。衆院選は「12月2日公示-14日投開票」の日程で行われる。
テレビ中継を見たが「与党過半数割れなら退陣する」と言い切る力強い語りかけで以前のあのひ弱な感じなどみじんもなく頼もしいものだった。ブログ子は首相が幹事長時代、広報関係の仕事で自民党本部に出入りしていたので間近に見ていた。
朝日新聞は12日付の社説で、解散について、「党利党略」とし「民主主義はゲームではない。こんな解散に大義があるとは思えない」と断じていたが、なあに大義など大野伴睦の言にあるように「あとから列車でついてくる」ものである。アベノミクスと集団的自衛権、中韓相手の外交などを問うだけでも立派な大義がある。
前回の296議席は出来すぎとして、2,30減らしても241の単独過半数は取れる、これに公明党分があるから政権の安定は揺るがないと見て解散に打って出たのである。女性2閣僚の辞任という内閣の足を引っ張ったタガの緩みも一気に修復できる絶好の機会でもある。
それに対して野党のオタオタぶりはどうか。民主党の海江田代表、名前も覚えられないが社民党党首と生活の党幹事長は「アベノミクスの失敗を糊塗する解散」と口を尖らせるが国民の誰一人として失敗などとは思っていなかろう。
なかでもみんなの党はひどい。解散と同時に解党だという。渡辺喜美代表の個人商店のような党で前回、大躍進したがそれは化粧品会社社長から8億円借りて新人の供託金や選挙資金の面倒をみたからである。8億円がバレて司直の追及を受けるや、もらうものもらった連中から脱走相次いでの解党とは・・・。
江田憲司議員は結の党をつくってそのまま維新の共同代表に収まった。8億円騒動で辞任した渡辺代表の後に座った幹事長・浅尾慶一郎は民主党への合流を目指し、自民党に秋波を送る親分の逆鱗に触れて、挙句は解党を決意だときた。
ブログ子はミッチーこと渡辺美智雄氏に赤坂の議員宿舎に招かれて自ら焼いてくれたサンマをごちそうになったことがあるが、その時そばで息子が受験勉強していた。それが現在の渡辺喜美・元代表である。今と同じ顔でニコニコしていたが親同様人が良すぎるのか、世話をした連中につぎつぎ裏切られている姿は気の毒でならない。
維新の党もわけがわからない。大阪都構想に反旗を翻した公明党の選挙区に橋下徹大阪市長、松井 一郎大阪府知事そろって意趣返しの殴り込み立候補だという。勝手にすればよいが、ために空席を埋めるため府市そろって選挙になる。膨大な無駄を許すほど大阪の府民、市民は甘くはないはずだ。ヘタすると維新も雲散霧消であろう。
そもそも、前回の選挙は鳩山由紀夫、菅直人という2代つづいた愚かな民主党の代表に国民が愛想を尽かした結果、自民党の大勝になった。勝つのは誰もがわかっていたから、自民党の行き過ぎた勝ち方へのセーフガードとしてみんなの党と維新の党へ票が流れたのである。国民のバランス感覚の為せる技だったのだ。その2つの政党がこの体たらくでは、2,30減らすどころかもう一度大勝するのではないか。早くも与党幹部からは「絶対安定多数の266議席」を目指すという声も出てきた。