「自民単独で300超議席」の驚愕

新聞各紙の「序盤の選挙情勢調査」が4日出揃った。「自民圧勝」の構図である。公示3日目、序盤の形勢とはいうもののあと10日で変わるものでもなく、このままで「決まり」であろう。記者会見で安倍首相は「自公で過半数の238議席」を目標に掲げたが、なんのなんの、朝日ですら「自民単独で300超」の予想である。安倍長期政権へのスタートが見えてきた。

優勢を伝える各社報道に「選挙は油断した方が必ず負ける」とFBでタガを締めた(4日)

優勢を伝える各社報道に「選挙は油断した方が必ず負ける」とFBでタガを締めた(4日)

ブログ子は、まず午前3時に届いた産経の「自民300議席超の勢い」という見出しを見て、解散と同時にあの選挙のプロ、飯島勲氏が週刊新潮だったか、一番早く「自民300議席」を予想していたのを思い出した。つづいて電子版で他の新聞社予測が出てきたのだが、読売が「自公で300議席。 自民は293議席をうかがう」と慎重なものの、「自民300議席超す勢い」(毎日)、「自民党は300議席をうかがう勢い。参院で否決された法案を衆院で再可決できる3分の2(317議席)を与党で維持する可能性」(日経)と軒並み300議席超の予測である。

民主党は伸び悩み、維新の党は苦戦、共産やや議席増、生活、社民風前の灯火(ともしび)、は各社共通である。

ブログ子は学生時代朝日新聞で選挙予測のアルバイトをしたことがあり、各出張所を回って住民票から決まった順で面接者を選び出し、当人に会えるまで何度でも訪問して面接票に記入することをやっていた。最近の従軍慰安婦をめぐる詐話師、吉田某の話に基づく誤報16本の取り消し、更には福島原発の吉田所長を貶める記事の誤報取り消しとさんざんな朝日だが、選挙報道の正確さは定評があることを知っている。

その朝日が、「自民党は単独で300議席を上回る勢いであり、公明党と合 わせて3分の2の317議席をうわまわる」と分析しているのである。公明党については朝日が「公示前の31議席確保」、読売が「31議席を上回 る」、毎日が「31議席からの増加も」という予測。

一方野党は、民主党について朝日が「小選挙区は公示前の25議席から10議席前後は上積みしそう。比例区は公示前の37議席を上回るかどうか」と予 想。読売は「海江田代表が掲げた3けたの目標には届かない」としている。惨敗予測の民主党だが議席は少し増えるのは、「そしてみんないなくなった」ところや前回伸びた維新が振るわず、行き先を失った第三極の票が少し流れるからである。

前回躍進した維新は朝日が「40議席を割り込む見通し。小選挙区は1 けた、比例区も30議席台を割る可能性も出てきた」との予想だ。読売も 「小選挙区で優位なのは1けた台。比例区は20議席台」と同様の読みだ。

今回は無党派層の支持が自民党に流れている(朝日)

今回は無党派層の支持が自民党に流れている(朝日)

雪崩を打つかのように自民党勝利の予想になった原因だが、朝日の分析にあるように今回無党派層が予想に反して圧倒的に自民党に流れているからである。表を見ても前回の自民27%から一挙に41%に伸びている。アベノミクスは無党派層にも支持を得ていることがわかる。

テレビで政見放送が始まったが海江田代表は「アベノミクスは失敗だ」「選挙予算630億円の大義なき解散」とやっていた。代案も出さず批判だけではますます民主党は票を減らすばかりであろう。やはり経済と外交・安保における安倍の2年間の実績が、その支持率と同様に国民には高く評価されていると知るべきだろう。ついでながら民主党の海江田、管は選挙区で完敗予想である。

共産党の政見放送を見ていて驚いた。神奈川、東京、千葉の小選挙区の放送だったが、志位和夫委員長がえんえんと安倍批判といつもの「戦争ができるようになる集団的自衛権」をぶちまくり、選挙区の候補者の名前は最後の20秒くらいで一覧表のようにテレビのテロップで流れるだけ。当選が見込めないなら候補者個人の政見などより委員長の演説に費やすという作戦である。さっさとスイッチを切った人も多かろう。

さて、自民党が300議席前後になるという結果は、岸信介の「話し 合い解散」で287,池田勇人の「安保解散」296,同「所得倍増解散」 283,佐藤栄作「沖縄解散」288、大平正芳「ハプニング解散」284,中曽 根康弘「死んだふり解散」300、小泉純一郎「郵政解散」296がある。280議席以上取った首相は、最長政権が佐藤、次いで小泉、中曽根、池田 の順でいずれも長期政権となっている。

つまり、今回の総選挙は安倍長期政権への第一歩になると見るべきなのだ。

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