前項(6月25日)でエルメスの物作りを褒めたばかりだが、その2日後、タイトルのような偽物作りで荒稼ぎしていたとするニュースが出た。
従業員の犯罪で、エルメスそのものは無関係なのだが、彼らのターゲットはもっぱらブランド品を買い漁るアジア人だったというから考えさせられる。
【6月27日 AFP】仏高級ファッションブランド「エルメス(Hermes)」のハンドバッグを偽造・販売した罪に問われている犯罪ネットワークのメンバーらへの裁判で、パリ検察当局は26日、首謀者らに対し実刑を求刑した。同組織には、エルメスの元従業員らも含まれていた。
アジアで盗品のハンドバッグを販売した疑いが持たれていた男の自宅を仏警察が盗聴して判明した。同組織は2013~2014年、パリを訪れたアジア人観光客や香港在住の顧客らをターゲットに偽造品を販売していた。
メンバーらは、エルメスが製造するもので最も人気が高く、また最も利益が多いハンドバッグ「バーキン(Birkin)」の偽物数十点を製造していた。
英国出身の女優ジェーン・バーキン(Jane Birkin)の名前を冠したこのバッグのうち、ワニ皮を使用したものは1点4万ユーロ(約480万円)超と特に高額だが、順番待ちのリストには購入希望者の名前がずらりと並んでいる。
公判に出廷した被告10人のうち、7人はエルメスの元従業員だった。彼らはイタリアの業者から仕入れたワニ皮と、エルメスの工房から持ち出したジッパーや部品を使って偽造品を製造、年間約200万ユーロ(約2億4000万円)を荒稼ぎしていた。
エルメスの元従業員のうち カンボジア出身で1980年に渡仏した52歳の女は、偽造バッグ販売の他、本物のバーキンを高額で転売していたが、捜査員に対し顧客らは偽造品と知って購入していたと話した。