リニア反対で屁理屈を繰り返す川勝平太静岡県知事に天誅を

 JR東海は3月29日リニア中央新幹線の品川―名古屋間について、2027年を目指してきた開業時期の目標を断念する方針を明らかにした。静岡県が着工を認めず、工期は大幅に遅れており、開業は早くても34年以降となる。

 南アルプスでトンネルを掘る工事は、山梨、静岡、長野の3県にまたがる。2015年から山梨側で工事が始まったが、静岡工区は周辺環境への影響を懸念する静岡県が着工を認めず、当初の計画からすでに6年以上遅れている。静岡側の着工から完成まで10年かかると見積もっており、工期短縮は簡単ではないと判断した。静岡県の同意が得られなければ、新たな開業時期を示すのも難しい。

 林芳正官房長官は同日「JR東海に対して早期開業に向けた努力を促すとともに、関係自治体との対話を促すと述べたが、何をとぼけたことを言うか。「努力を促す」対象はJR東海でなく、いまだに阿漕な屁理屈を繰り返す川勝平太静岡県知事に対して言うべきセリフだろうが。ブログ子はこの知事の所業は万死に値する、と思っている。説得などでなくもはや懲罰段階にあると思っている。

リニアに「トンネル掘削工事で出る水は一滴残らず静岡に戻せ」などと「ベニスの商人」のシャイロック張りの「固陋(ころう)」を繰り返す川勝知事については、このブログでも何度も弾劾してきた。その細部を暴き出すと紙面が長尺になるので措くが、この静岡の水(大井川の水資源)に次いで、南アルプスの生態系への影響、さらに工事で出る土砂の問題まで果てしない難癖だ。

その根本が愚かな川勝知事個人の資質と静岡県庁の副知事以下にはびこる「長い物には巻かれろ」式の無能な体質、加えて地元紙「静岡新聞」の川勝べったり記事にあることは、今では広くいきわたっていると思う。

さすがに今回は多くの怒りをかっていて、SNSでは、

《静岡県知事1人のゴネで国家的プロジェクトがここまで遅れてしまうという民主主義のバグ》
《さすがに静岡県民はそろそろ「うちの県のわがままが過ぎた」と気付いてくれないと困る》
《マジで静岡県に対して損害賠償請求して欲しい》

など批判的な声が相次いている。

仲でも実業家の堀江貴文氏(ホリエモン)は、自身の「X」で《リニア中央新幹線の2027年開業が断念されたことで静岡県知事に怒っています》とポスト。あわせて公開された動画では、「日本の大動脈である東海道新幹線が止まると、日本経済にも大きな影響が出る。そのバックアップ手段にもなる」はずのリニアについて、

「リニア中央新幹線に使われている超電導磁石の技術は世界をリードしている。それで、人材も確保され、各企業も超電導技術に投資してサプライチェーンを形作りつつあるが、静岡県知事のおかげでもうすべて台無し。静岡県が儲からないという話じゃなく、日本の国益の話なんだよ」

と怒りをあらわにし、さらに、「岸田首相もガツンと言ってあげてください、国もガツンとやるべきです」として、「これは決断の時なので、みんなで静岡県知事を落選させましょう」と話した。

リニア中央新幹線の着工遅れは日本の新技術や新エネルギーの開発に大きな支障をもたらすと懸念するのは自民党の片山さつき参院議員だ。

日本など各国が「夢のエネルギー」として開発を急ぐ核融合発電には、リニアモーターカーと同様の超電導技術が用いられているためだ。技術開発の遅れはエネルギー安全保障上の懸念となるだけでなく、国策としてリニアと核融合炉に注力する中国を利することにもつながる。

核融合発電は、太陽のエネルギーを再現して温暖化問題や、エネルギー問題を一気に解決する「夢のエネルギー」といわれる。1グラムの燃料から石油8トン分ものエネルギーを取り出すことができ、温室効果ガスも排出しない。

原子力発電は核分裂の反応を止めるのに失敗すると核暴走を起こす危険性があるのに対し、核融合は問題が生じてもすぐ止まるなど安全性の高さも特長だ。放射性廃棄物も高レベルではなく、現在の技術で処理が可能。現在、日本と欧州連合(EU)、米国、ロシア、中国、韓国、インドが参加して、核融合実験炉「ITER(イーター)」の建設がフランスで進んでいる。2025年の運転開始を目指して総事業費約2兆5000億円が投入され、日本も約2900億円を負担する。イーターは「磁場閉じ込め型」で、リニアと同様の「超電導技術」が用いられているのだ。

片山氏は「(川勝知事は)次々に反対の理由を持ち出して、『止めることありき』の姿勢にみえるが、もはや遅らせることに理由はないのではないか。高温超電導技術は世界的にも最新の開発が進んでいるが、すさまじくもったいない。リニアを止めることは、結果的に国の最先端の重要技術の開発を止めているに等しい」と苦言を呈している。

独断、固陋、詭弁…川勝平太知事相手に孤軍奮闘してきたジャーナリストがいる。「静岡経済新聞」編集長、小林 一哉氏だ。1954年静岡県生まれ。 1978年早稲田大学政治経済学部卒業後、静岡新聞社に入社。 政治部、文化部記者などを経て、2008年退社。現在、久能山東照宮博物館副館長、雑誌『静岡人』編集長。をしている。 古巣の静岡新聞は川勝べったりだが、一人小林氏だけはそのウソ、と論理矛盾を暴き続けてきた。

川勝知事の任期は来年6月までである。かくも愚かな知事を辞めさせられるのは選挙しかない。上述の小林氏によると、これまで川勝知事を支えてきた陣営にもようやく変化が出てきたという。

「静岡の水」問題では、大井川流域の焼津、藤枝、島田、牧之原、御前崎、菊川、掛川の8市と吉田、川根本の2町はこれまで川勝知事に一任してきたが、JR東海と直接交渉するとはっきり「反対」の立場を取り始めた。地元メディアも静岡新聞は相変わらず知事べったりだが、テレビ・新聞とも「反知事」論調に転じ始めている。NHKはローカル放送だが苦言を呈したし中央論壇でも川勝批判論調がほとんどになってきた。

潮目は変わってきた、のである。

自販機の多さで分かる日本人の美徳

初めて日本にやってきたオーストラリア人の家族が街角の自動販売機に感動して「ふかひれスープ」や「コーンスープ缶」「オロナミンC」、「リポビタンD」などを飲みまわる動画をYouTubeで見た。「ほかの国では絶対見られない」と感動していた。

経済産業省によると日本国内の自販機普及台数は2021年末時点で約270万台、そのうち飲料用が8割以上を占め、その他が日用品雑貨、タバコ、食品、券売機となっている。人口や国土面積を勘案すれば日本が世界一の普及率である。

コロナ禍で急激に増えた。飲食店営業が制限されたが、需要に応じたカスタマイズがしやすく管理がラクな自販機が見直された。加えて近年は人手不足が深刻になっており、ワンオペの店で店員が手を離せないときでも、自販機なら客の方が自分で購入していってくれる。飲食業で、最も高いコストが人件費である。しかし3K仕事で働き手が足りず、賃上げ圧力も高い。ますます自販機が増えるわけである。

自販機の始まりは、1615年にイギリスの旅館経営者が発明した「正直箱」だとされる。真鍮製の箱にお金を入れるとふたが開き、嗅ぎタバコが自由に取り出せた。客の誠実さを信じる意味で「正直」と命名されたのだろう。その後、19世紀のイギリスで、書籍、切手などの自販機が考案された。券売機も登場。19世紀末ら20世紀初頭にかけて、ヨーロッパ、アメリカの各地でさまざまな自販機が登場し広がっていく。

しかし20世紀になってほとんど廃れていった。理由は人心の荒廃である。以下は、かれこれ20数年前だが、ブログ子がイギリスの地下鉄で目撃譚である。

ロンドンの地下鉄のホームに置かれた飲み物の自販機の前で3人ほどで立ち話をしていた。現われた屈強な黒人の男が現金投入口を蹴飛ばしてコインを取り出そうとしていた。注意しようとしたら、「フッ!」とこちらに息を吐きかけ、威圧してガチャガチャいじっていたが金は出てこない。頭に来たのか男は自販機を両手で抱えてドン、と頭突きを食らわせたものである。自販機の鉄板がへこんでいた。

ホテルの朝食でサービス係はほとんど黒人になっていた。ミルクティーを入れるとき、温めたミルクに茶葉を入れるのか、お湯に茶葉を入れてからミルクを入れるのか、やかましく作法があって細かく注文するのだが、そんなこと知りもしない国からやってきた、チップだけ目当てのウエイターだらけになっていたものである。イギリスが植民地経営で巨利を得ていた時代の「ツケ」を今、払っていると思ったものである。

自販機は日本人の発明ではなくて欧米が先だったのに、今なお大手を振って存在できているのは日本だけである。イギリス、アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国、アフリカ…どこに行っても見かけなくなった。いずれの国も設置したところでたちまち盗難、破壊に遭うのが関の山である。世界的に見れば日本は稀に見る治安のよい国であり、それゆえ自販機が壊されもせず存在できるのである。

先のYouTubeで海外からの観光客による「日本では落とした財布のほとんどが戻ってくる!」と驚きの報告もあった。どうかと思うが、わざと財布を落としてみて、それが交番に届いていてきちんと戻ってくるまでの驚きのレポートである。身近に存在する「交番」制度のせいもあるだろうが、日本では落とした財布は7割、8割の確率で戻ってくる。そんな国はどこにもないのが現実だ。

ブログ氏の3年ほど前の体験だ。長女の家族が目黒区の自由が丘にあるのだが、訪ねた帰り財布を落とした。2,3日後に気づいたが、どこで落としたか、いくら入っていたかも記憶になく、あきらめていた。まもなく碑文谷警察から連絡があって「財布落としませんでしたか?」と聞かれた。名刺が入っていてその電話番号からたどってくれた。ご丁寧にも拾い主からの「お礼はいりません」との伝言もついていた。住所を聞き出して訪ねたが「当たり前のことですから」と受け取ってくれなかった。一方的に母の実家からリンゴを送って始末をつけた。

ありふれた街角の光景で、ほとんどの人は気づかないが、自販機はその国に「安全」と「モラル」があることの証左なのだ。

自業自得 中国・韓国人にナマコ、ホヤを食わせるな!

 東京電力は17日、福島第一原子力発電所の処理水について4回目の海洋放出を完了し、今年度予定していた計約3万1200トン(1回約7800トン)の放出を終えた。当然のことながら、今回も周辺海域の海水や魚類への影響は確認されていない。

しかるに、習近平国家主席率いる中国は、処理水を「核汚染水」と言い募り、昨年8月から日本産水産物の全面禁輸を続けている。あまつさえ、将来の経済的な被害の発生に備え、日本に損害賠償制度の創設を水面下で要求している。当然のことに日本は、処理水の安全性に問題はないとして拒否したが、日本産水産物の輸入停止措置の撤廃は依然見通せない状況が続いている。

9日に発表された中国の原子力専門書「中国核能年鑑」によると、中国の13原発計19カ所の観測地点での放射性物質は、中国の原発7割以上に当たる15カ所の排水に含まれるトリチウムの量は、福島第1原発から放出が計画されるトリチウムの年間上限量の22兆ベクレルをはるかに超えていて、浙江省に立地する秦山原発など、202兆ベクレルと福島の処理水上限の9・1倍にも達していた。まったくもって「厚顔無恥極まれり」である。

中国向け輸出額のうち水産物は871億円(2022年度)で、品目別ではホタテ貝が467億円、なまこ(調製)が79億円、かつお・まぐろ類が40億円となっている。 中国当局は、自国民に対して日本産の海産物は汚染されているので、日本産海産物を食べるなと指示しているが、実は日本から輸入しているホタテの大半は中国で加工処理後に米国へ再輸出されていた。中国独善の禁輸措置受けて業界では、米食品医薬品局(FDA)の登録を受けている台湾、タイ、ベトナムの加工施設へ輸出し中国を介さないで米に再輸出するルートを構築するようになったので、中国は己の首を絞めているようなものである

中国で2番目に輸入量が多いなまこ(海鼠)だが、これは中国料理で日本産は鱶鰭(ふかひれ)とともに一番の珍味として扱われている。それが止まったのでは中国料理の体を成さなくなる。すでに中国料理が一番美味いところは1に台北、2に東京、3,4がなくて5に上海、北京と言われているくらいだ。

中国が我流の輸出規制でしっぺ返しを食った例として、、2001年に日本を襲ったBSE(牛海綿状脳症)禍がある。この時も中国は日本産牛肉の輸入を停止し、一部の品目を除いて禁輸は今もなお続いている。ところが和牛の品質の高さが世界的に認められた結果、日本産牛肉の輸出額は右肩上がりを続け、昨年は2004年の100倍超となる570億円を弾き出している。

この日本産牛肉と同様、日本産水産物の脱中国化は急速に進んでいくとみられる。業界では、もはや中国など相手にしない、という声も出始めているという。日本産水産物の輸出に携わる一部の関係者からは「買いたくないなら、それでけっこう。中国人に食わせる魚はない」といった、強気の発言が飛び出し始めているという。

筋違いも甚だしい禁輸措置を続ける中国は、いずれ「買いたくても売ってもらえない」窮地に追い込まれつつあるのだ。まさに自業自得とはこのことだ。

中国のホタテとなまこの自縄自縛に触れたところで、韓国のホヤ(海鞘)にも触れなければならない。赤やオレンジ色の突起とふっくらした見た目で「海のパイナップル」と呼ばれるホヤだが、どこよりも日本産を珍重していた韓国は、東日本大震災後から福島県や宮城県など8県産の水産物の輸入禁止をいまだに続けているのだ。

ブログ子の家内はホヤと聞くと怖気づく。以前、青森県の友人宅に泊まった時ホヤが出た。関西出身でそれまで食べたことがなかったが無理して一気に飲み込んで美味しいといったものだから、まわりの人から、そんなにお好きならと、たくさんのホヤが殺到した悪夢だという。

ホヤは「甘み、酸味、塩味、苦味、うまみの五味が味わえ、栄養価も高い」と主に東北地方で食べられている。しかし、韓国では、刺し身に唐辛子酢みそを合わせたり、ビビンバの具にしたりして食べられてきた経緯があり、特に三陸産のホヤが珍重されてきた。

その韓国が文在寅前大統領の反日政策で中国と同じく禁輸措置をとった。宮城県では震災前、ホヤの収穫量は年9000トン前後あり、その7割ほどが韓国へ輸出されていた。しかし震災後、韓国の禁輸措置で販路が断たれ、平成28、29年には収穫量の約半分がやむなく破棄処分となった。その後は需要に合わせ生産調整し、令和2(2020)年は約4300トンだった。

「東北のホヤは大粒で味がよいので韓国でも人気だった」(日本在住の韓国人経営者)。そこで昨年8月、コリアタウンとして知られる東京・新大久保で初めて開かれたイベント「ほやウイーク」はオンラインで本場・宮城県石巻市とつなぎ、漁師が3年かけて養殖した色鮮やかなホヤを海から引き上げてみせたり、食事販売と物販も行ったところ韓国からの観光客含め大人気だったという。

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が16、17両日に実施した合同世論調査で、岸田文雄内閣の支持率は23・2%で、「危険水域」とされる20%台の支持率は5カ月連続。前回このブログでも書いたが、その理由として尹錫悦大統領になってから、岸田政権は対韓国でなんの担保もないのに友好カードを切りすぎている、とした。

韓国海軍駆逐艦による、海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件は韓国軍も韓国政府も謝罪もなければ事実関係も認めていないのに岸田文雄政権は事件のケジメも付けずに、なし崩しで事態収拾を図った。「徴用工」をめぐる訴訟では日本企業に賠償支払いを命じた韓国最高裁判決に基づき、原告側に日本企業の資金が支払われた。文在寅が啖呵を切って破棄した日韓スワップ協定もあっさり復活させた。そして、上述のホヤに代表されるように、いまだに平然と東北の水産物輸入禁止を続けている韓国に一言の文句も言わない。

どうせ、岸田政権の余命は半年あるかないかだ。はっきり「中韓に食わせる魚などない!」と言い返したらどうだ。

れいわ新選組の大石晃子は「思い上がったクソ女」

SNSへの投稿で名誉を傷つけられたとして、元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏が、れいわ新選組共同代表の大石晃子衆院議員に880万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が13日、東京高裁であった。相沢真木裁判長は、名誉毀損の成立を認めて大石氏に22万円の支払いなどを命じた1審・東京地裁判決を取り消し、請求を棄却した。

 判決によると、大石氏は2019年12月、ジャーナリストの伊藤詩織さんが山口氏から性的被害を受けたと訴えた問題で、山口氏が伊藤さんを反訴したことについて「伊藤詩織さんに対して計画的な強姦を行い、1億円超のスラップ訴訟を伊藤さんに仕掛けた、とことんまで人を暴力で屈服させようとする思い上がったクソ野郎」などと投稿(ツイート)した。

 1審は「クソ野郎」との表現は「激しい侮辱で人身攻撃にあたる」としたが、高裁は「品性に欠けるが、最大限の侮辱表現とは言えない」と指摘。名誉毀損にはあたらないと判断した。(読売)

この判決に勝ちほこった大石晃子は判決後、笑顔で会見し「完全勝利となりました。ツイートが、適法な公正な論評であったことが高裁によって認められた。裁判所が、この論評には合理的があるよねっていうことを言っているのは、非常に画期的」と述べた。

◇ ◇ ◇

ブログ子はれいわ新選組の連中の品のない言動には辟易している。代表の山本太郎は能登半島地震の被災地に乗り込んでカレーを食って帰ってきたと批判されるや、「いち早く現地を知るのが大事だ。岸田首相も早く行け」と現地で見てきた状況をとくとくと披歴したが、どれも東京にいても言える程度のことばかりだった。

その下にいてともに「共同代表」だそうだが、今回の大石晃子(46)ともう一人櫛渕万里(56)という2人の女議員も負けていない。衆院議院運営委員会理事会に呼び出され、山口俊一委員長から厳重注意を受けたばかりである。

2024年度予算案の採決が行われた本会議で「国民は増税!自民党は脱税!犯罪者集団の政権がつくった予算では、国民は幸せになりません。反対です!」と叫んだり、牛歩戦術をしたり、プラカードを掲げたりした。

 櫛渕議員は「私は後悔はありません。私たちが犯罪者であるような扱いをされたというのは非常に不当」。大石議員の方も「(処分を決めた)議運のメンバーの中に、裏金議員がいるんですよね。なんでその人たちに、厳重注意のお仕置きプレイをされなきゃいけないんだ…と正直、心の中で笑ってましたね。『何言ってるの、そんなことがしらふで言えるな』というのが感想。なんでお前らに怒られなきゃいけないんだよ。こっちが怒っているんだよ」と反省の色など皆無。

大石晃子という人物だが大阪府立北野高校から阪大工学部卒業して大阪府庁入庁。2008年1月の大阪府知事選挙で橋下徹が当選してさい、始業前の朝礼を提案したものの、始業前の朝礼は超過勤務になる」と指摘されたことを明かし、「ならば勤務時間中のたばこ休憩や私語は全部減額させてもらう」と言った。これに対し大石が立ち上がり、「(私達が)どれだけサービス残業をやっていると思っているのですか。あなたはきれいなことを言っているが、職員の団結をバラバラにするようなことを言っている」と批判したのが大手新聞で報じられたり、映像がテレビなどで流されて話題となった。曰く付きの「左巻き」である。

ところで、表題の「思い上がったクソ女」である。我ながら品がないと思う。だが、くだんの高裁判決文で相沢真木裁判長が「クソ野郎との表現はいささか品性を欠くが『クソ』という言葉自体が『クソ忙しい』のように強調の意味などで使われる場合もある。品性に欠けるが、最大限の侮辱表現とまでは言えず名誉毀損にはあたらない」と述べているので、「安心」して使わさせてもらった次第。

「上げ馬神事」、このブログで指摘の通りに改善された

昨年6月、このブログで「『上げ馬神事』は馬の能力を無視した虐待である」という一文を書いた。その後、多くのメディアで批判が相次ぎ、主催者側は批判点を取り入れて大幅に改善して今年5月に実施するそうだ。書きっ放しはよくないと思うので、後日譚を報告する。

書いた要旨は以下のようなことだ。

ブログ子が新人記者の頃受け持ち区域だった三重県桑名市の多度大社で毎年5月に行われる「上げ馬神事」は毎年約10万人が見物に訪れる行事だ。約700年前の南北朝時代に始まったとされる伝統行事で、当時2度ほど現地で取材して記事にしたことがある。地元の青年が馬に乗り50メートルほど疾走したのち、高さ2メートルほどの土壁を飛び越えられた回数で、稲作が豊作か凶作かを占う。しかし、近年事故が相次ぎここ十数年で計4頭がけがをして安楽死させられた。

改善前の馬の能力を超える「死の2㍍土塁」

ブログ子は学生時代馬術をしていて障碍飛越競技に参加していた経験から、この神事は「無茶だ」とその理由を3つ挙げた。

①「700年前と現在では馬の種類がまるで違っている」こと。②「障害飛越競技としてみた場合、馬が踏み切るスペースがない」こと。③「騎手の未熟が馬の飛越を邪魔している」こと。

①については、昔の馬は現在とはまるで違う在来種と呼ばれる馬種である。保護活動のおかげで国内に少し残っている木曽駒がそれに該当する。馬体はポニーほどと小さいが、足腰が強く、武士を乗せて合戦するほど活躍を見せた。しかし、日本の馬は日清日露戦争で大改造される。旅順の203高地の戦いに見られるように、大砲を運び上げるのに馬が使われた。在来種は小さくて適さず、アラブ種と掛け合わされた馬が使われた。アラブ種というのは、映画、「アラビアのロレンス」に登場する馬で、馬格が大きく足腰が強い。ほかにもペルシュロン種などという1トン近くある馬種もある。

②多度神社では馬は50メートルほど疾走すると斜度20度ほどの急坂に差し掛かる。そこを駆け上って高さ2メートルほどの土壁を飛び越えることを要求される。在来種は走り方も違って「側対歩」(そくたいほ)という走法である。反動が少なく狭いところも駆け上がり、走り抜けることができる。これに対し現在はアラブ種や競馬場から払い下げられたサラブレッド種の大型馬である。「上げ馬神事」のコース設定は在来種向けに作られているから、後肢で踏み切るスペースもない。オリンピック競技では2㍍くらいの障碍飛越はあるが、平地での飛越である。急坂を登ってなお2㍍もの高さの土塁を飛越させるのは馬の能力を超えている。

③騎手は4月に選ばれた地元の青年が1か月ほど練習して挑戦する。だが本番にある2メートルの土壁の飛越練習はない。1か月間練習するのは振り落とされないよう鞍に座ることだけである。ブログ子が半世紀前に見たときには上り坂で早くも落馬する者がかなりいた。成功体験がないまま本番に臨んでいるのである。

馬は飛越の時大きく首を後ろにのけ反らすもので、この時騎手は前傾して自分の首を馬の首の横に付けるのだが、未熟な騎手だと落馬しかかっているから逆に馬の首にしがみつく。これでは飛越を邪魔するだけで、馬は土壁に激突するしかなくなる。最上部には振り落とされた騎手を受け止める役目の若い衆が左右に控えているので人間はケガしないが、馬は極端に狭いところに追い込まれて身動きが取れない。

以上のようなことを列挙して、「馬学」がわかる獣医学者や馬術関係者の意見を取り入れて、改善すべきだと結んだ。

その後の動きを2月22日の毎日新聞の記事で紹介する。

( 毎日新聞 )
 三重県桑名市の多度大社の伝統行事「上げ馬神事」について、大社と氏子でつくる御厨(みくりや)総代会は、昨年8月以来、斜面を緩めるなどの改善案を県に提出。獣医や馬術競技の専門家ら有識者9人を交えた会合を同10月以降、計3回開き、改善案の有効性や動物愛護にかなうかどうかを検討した22日、斜面の頂上の土壁(約2メートル)を撤去した上で5月4、5日に開催すると発表した。馬の安全のための改善措置として、専門家の提言を受け入れた。

 改善措置の検討に関わった県馬術連盟の河北浩峰理事長は記者会見で、土壁について「馬術のトレーニングを積んだ馬でも難しい高さだった」と指摘し、撤去の必要性を説明した。

「改善されすぎ」ではあるが・・・

 改善措置は他に、神事に参加する馬に斜面を事前に走らせて慣れさせることや、竹むちを廃止し、乗馬などで使われる柔らかい素材のものに変更することなどが盛り込まれた。

 平野直裕権宮司(ごんぐうじ)によると、改善措置について地元の人たちにも既に説明した。今年は3地区から9頭が参加する予定。一方、2地区は「動物福祉への配慮が足りなかったことを強く認識し、議論を深めるため」として、今年は参加しない。

◇ ◇ ◇

改善された現在の姿を写真で見ると高さ2㍍の土壁は完全になくなっていている。まるで「素通り」状態で障害物とは思えない。「改善しすぎ」とも見えるが、まあ、安全面から言えば、当面、仕方がないか。

世界は「EVブーム」から一転して「EV墓場」へ

電気自動車(EV)への転換に積極的だった欧米、中国の自動車大手に、戦略転換の動きが広がっている。急激なEV需要の鈍化を受けてのもので、独メルセデス・ベンツは2030年までに新車販売をすべてEVとする計画をあっさり撤回した。米ゼネラル・モーターズ(GM)や米フォード・モーターもEV投資の延期を決めた。1月には仏ルノーがEV新会社「アンペア」の新規株式公開(IPO)を中止。米ブルームバーグ通信は2月27日、米アップルがEVの開発を打ち切ると報じた。

変わって売れているのはハイブリッド車だという。鳴り物入りでEVブームに突入した当初から、トヨタ自動車の豊田章男会長は「EVの市場シェアは最大でも3割、残りはハイブリッド車など」という未来予測をしていた。世界のメーカーが全面的にガソリン車の製造をやめる中でEVは最小にとどめ、ガソリン車とハイブリッド車に傾注してきた先見の明が光るようになった。

ブログ子はそれほどクルマに詳しいわけではないが、ブームの当初からEV車にはまゆツバだった。理由は寒冷地での経験からだ。このブログのタイトル「Mt・8 Blog」にある通り私は年のうち半分ほど八ケ岳で暮らしている。最初にひどい目にあったのはスキーをするべく山墅に入った2月だ。この時は4駆のディーゼル車だったが、朝エンジンがかからない。業者を呼んだら「軽油はマイナス10℃くらいで凍ります。来るとき3号軽油というのに全量入れ変えなければ」と教えられた。

米・イリノイ州のテスラの充電施設で極寒のため充電できず放置された「EVの墓場」

次はバッテリーが朝方動かなくなった。札幌で4年間過ごしたので、下宿の親父さんが夜バッテリーを外して部屋の中に取り込み毛布を掛けて保温したのを朝方に取り付けていたのを見ていたので、バッテリーが極寒に弱いということは知っていたのだが、それから20数年経っていたのに大して進歩していないことに驚いたものだ。

さらに20年ほど経った昨年末でもバッテリーが極寒に弱いということが改善されていないことが明白になった。世界一のEVメーカーとなったBYDを擁し、昨年1年間に輸出した自動車の総台数でも、日本を抜いて世界1位の中国。12月中旬、東北部から内モンゴル、中国最西端に位置するウイグル自治区を襲った寒波は最低気温が氷点下40度以下になった。

一般的に中国の電気自動車は1回の充電で400~500㎞の走行が可能とされているが、中国東北部の寒冷地では性能が落ち、暖房を節約しても半分の200~250㎞しか走れず、スピードを出すとさらに航続距離は短くなる。しかも、酷寒のために電気駆動システムが作動しないトラブルも多発した。例えば、スマートフォンや指紋認証で始動させるスマートキーが作動せず、そのため路上に放置された車が目立ったという。その結果、SNSには「EVの夢に騙された。次に購入するのはガソリン車だ」と訴える投稿が拡散したという。

BYDが中国で売り上げが伸びたのは巨額の補助金と減免税制度。上からの強制割り当てという裏のカラクリからである。日本でも売っているが、BYDが日本で販売したEVは23年1月が20台、2月が37台…1~11月の累計販売台数はたったの1237台である。

ノルウェーは世界でもっともEVが普及している国の一つで、22年の乗用車新車販売で、約8割をEVが占めた。EV大国でいま問題になっているのが、充電の困難さだ。ノルウェーはEVの公共充電器を国策で次々につくり、22年には約2.4万カ所になった。しかし、それでも設備が足りず、街中の充電器には長蛇の列ができている。

EVの充電は時間がかかる。技術的には急速充電も可能だが、バッテリーの寿命が短くなるので忌避されており、結局は長い時間をかけて普通充電するのだ。また寒い地域ではヒーターをよく使うため、電気の使用量も多い。ただでさえ手間がかかるのに、充電してもすぐにまた充電が必要になるという使い勝手の悪さでは、ユーザーからネガティブな意見が相次ぐのも納得だ。

そしてEVは、もっと根本的な問題も抱えている。そもそもCO2の削減にどれだけ役立つのかが疑問なのだ

EV信者は環境にやさしいと喧伝してきた。これもまやかしである。なるほどEVそのものは電気で走るため、CO2を排出しない。ところが、皮肉なことに世界の電力の6割以上は石油や石炭などの化石燃料からつくられている。一見クリーンに見えるEVも発電方法はクリーンではなく、イメージほど地球環境にやさしくないのだ。

CO2排出量を減らすのに、EVに乗れと政府や業界が音頭を取るのはインチキである。トヨタのハイブリッド車SUVは、40リットル給油すれば1000キロ走ることができる。エンジンと電気モーターを内蔵するHVは、従来のガソリン車と比較して走行距離あたりの燃料消費量が格段に少ない。

さらに言うなら山墅は標高1760」㍍にある。東京の自宅は標高33メートルだ。毎回1700メートルも登攀していることになる。EV車は平地走行はまだしも登坂力ではガソリン車に及ばないのも明白である。

アメリカのマーケット調査会社の24年の自動車消費者調査では、次に購入を希望する車はエンジン車が大半で、EVへの関心は弱い。米国では純内燃エンジン車(ガソリン・ディーゼル)が67%、HVが16%、EVが6%。ドイツは純内燃エンジンが49%、HVが10%、PHVが11%、EVが13%。中国は純内燃エンジンとEVがともに33%で並んだが、HVの18%、PHVの13%を含めたエンジン車合計は6割を超える。

こうしてEV車の欠点を羅列してみるとブログ子ならずともハイブリッド車に世界が食指を動かすのは無理かなぬことだと思えるのである。「EVへの流れに乗り遅れた日本」と書きまくってきた自動車評論家の弁明を聞かせてもらいたいものだ。

それ見たことか、韓国にしてやられた日本外交の無惨

岸田首相は「外交の岸田」をキャッチフレーズにしてきた。それに対し、何を言うかと、昨年6月7日のこのブログで「韓国『レーダー照射事件』での妥協は禍根を100年残す」http://h-h-a.org/miyazaki/?p=4395を書いた。韓国という信用ならざる国に、自衛隊艦船に戦闘行為を意味するレーダー照射事件を起こした韓国軍の嘘八百に厳重に向き合うことなく、うやむやにしたまま、握手して、ついには文在寅が「もう、日本になど世話にならない」と足で砂掛けるように破棄した日韓スワップ協定まで復活させた岸政権を批判した。

今、韓国の欺瞞の象徴的事例として挙がっているのは、日本企業に賠償を命じた韓国最高裁判決である。今朝(2月25日)の産経社説「主張」を引用する。

韓国最高裁判決後、記者会見を開き日本側に賠償と謝罪を要求する原告団=2023年12月21日

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「徴用工」をめぐる訴訟で日本企業に賠償支払いを命じた韓国最高裁判決に基づき、原告側に日本企業の資金が支払われた。

原告側は「日本企業による事実上の賠償」という認識だが、全くの誤りだ。国際法に反する判決によって日本企業の財産が不当に奪われたもので、断じて容認できない。

不当に財産を奪われたのは日立造船である。同社は賠償命令に応じなかったが、資産差し押さえなどの強制執行を防ぐため供託金を納めていた。原告側代理人は供託金の差し押さえ手続きを進め、供託金約670万円全額を手にした。これを放置すれば、他の日本企業への圧迫も生じるだろう。

林芳正官房長官は「日韓請求権協定に明らかに反する判決に基づき、日本企業に不当な不利益を負わせるもので極めて遺憾だ」と述べた。外務省は韓国の駐日大使を呼び抗議した。岸田文雄政権は韓国にさらに強い態度で臨み、損害回復の措置を講じさせなければならない。

先の大戦末期の朝鮮人労働者らが当時の徴用を「強制労働」として賠償を求めた同種の訴訟は、12件で日本企業側への賠償命令が確定している。

判決は「強制動員被害者」と断じたが史実を歪曲している。当時は朝鮮人も日本国民だった。昭和19年9月以降、国民徴用令に基づき日本の工場などで働いた朝鮮人労働者がいたが強制労働ではない。賃金の支払いを伴う合法的な勤労動員で、内地人にも適用された。

さらに、日韓間の請求権問題は国交正常化時の協定で「個人補償を含め完全かつ最終的に解決」済みだ。日本側が賠償するいわれは少しもない。

韓国政府は昨年3月、日本企業の「賠償」を韓国政府傘下の財団が肩代わりする解決策を発表した。尹錫悦大統領は日本企業に財団への資金拠出を呼びかけている。だが、日本企業の拠出は、韓国側の歪曲した歴史認識の追認につながり、両国関係に禍根を残す。絶対にあってはならないことだ。

韓国政府は原告側への支払いは財団が行うという立場だ。その約束を守るつもりなら、韓国側だけの拠出で支払いを済ませるべきだ。日立造船の損害も急ぎ償ってもらいたい。それは日韓国交の基盤を守ることにもつながる。(25日付け産経「主張」)

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元徴用工」訴訟をめぐり20日、日立造船が韓国の裁判所に預けていた供託金6000万ウォン(約670万円)が原告側に渡った。1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」していた問題で、日本企業に初めて「実害」が出た。

「危惧したことが現実となってしまった。『日本外交の敗北』だ」と松原氏は語気を強めた。

予兆はあった。1月に就任した韓国の趙兌烈外相は「日本の民間企業も同じ船に乗る思いで問題解決に参加してくださるよう期待する」と述べた。尹錫悦大統領も今月7日、公営放送KBSテレビで「韓日関係の改善を願う両国の企業人の協力」を呼び掛けていた。日本企業に不当な支払いを求める姿勢が垣間見えた。

松原氏は9日、韓国側の発言を受けて、「被告を含む日本企業が、韓国の財団への資金拠出を求められることを含意していると考えられるか」など、7項目にわたる質問主意書を政府へ提出していた。

日立造船の供託金が原告側に奪われた20日、林芳正官房長官は記者会見で、「日韓請求権協定に明らかに反する判決に基づき、日本企業に不当な不利益を負わせるもので極めて遺憾だ」と述べた。

上川陽子外相も21日午前(日本時間同日夜)訪問先のブラジル・リオデジャネイロで韓国の趙外相と会談し、「強い遺憾の意」を表明した。

岸田政権の十八番「遺憾砲」だが、供託金を手に入れた原告側は「日本企業による事実上の賠償」と勝ち誇っている。

松原氏は「岸田政権はなぜ、1月の趙外相や、今月の尹大統領の発言を受け、即座に韓国の駐日大使を呼ばなかったのか。今回の実害は、日本の駐韓大使を帰国させるべきほどの重大な事案だ。『ポスト岸田』として注目される上川外相にも今後のダメージになるだろう」と批判した。

そもそも、尹政権は昨年3月、韓国最高裁が日本企業に命じた賠償支払いについて、「韓国政府傘下の財団が肩代わりする」と表明した。それを岸田政権も受け入れて日韓関係正常化にかじを切った。まさに、舐められて、裏切られたのではないのか。

松原氏は「林氏は昨年、韓国側の解決策を受け入れた際の外相であり、『遺憾だ』と述べるだけでは済まされない存在だ。『日本は国際的に不可逆的な取り決めをしても、相手が破れば受け入れる国』という前例をつくったに等しい」と憤る。

ちなみに、安倍晋三政権では、国民や日本企業の財産を守るため、日本企業に実害が生じた場合の「対抗措置」として100前後の選択肢をリストアップしていたという。
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ブログ子の怒りは、以上のようにすべて松原仁議員が代弁してくれているので、触れないが、同じく「日本外交の敗北」であるとの認識だ。

ろくでもない文在寅政権が次から次とへ繰り出した反日政策はどうなったか。従軍慰安婦、徴用工問題、旭日旗、軍艦島、竹島、佐渡金山から日韓スワップ問題・・・数え上げればきりがない。皆根拠を失って向こうから歩み寄るしかなくなった。つぶれるのを待つだけでよかったものを、ご丁寧にも一方的に歩み寄っているのが岸田政権である。

レーダー照射事件など韓国軍はいまだに謝罪などしていないのである。これでよいのか?対韓外交。いつまで「遺憾砲」などという馬鹿の一つ覚えをやっているのか。

「。」が怖い若者

何のことかわからない方が多いと思う。ブログ子など「後期高齢者」は国語力の減退とか、日本語の乱れ、などとして馬鹿にしがちだが、若者の一部では、文末の「。」が威圧的だとして、ハラスメント扱いされているという。

ことの発端は2月6日の産経新聞の「文末の句点に恐怖心…若者が感じる『マルハラスメント』 SNS時代の対処法は」という記事である。以下に概要を紹介する。

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LINE(ライン)などSNSで中高年から送信される「承知しました。」など文末に句点がつくことに対し、若者が恐怖心を抱く「マルハラ」が注目されている。若者は文末にある句点が威圧的に感じ、「(相手が)怒っているのではないか」と解釈してしまう傾向にあるという。マルハラとは、「マルハラスメント」の略称。「承知しました。」「はい。」「連絡ください。」など、中高年から送られてくるメッセージの文末に句点がついていることに対し、若者が距離感や冷たさを感じて恐怖心を抱くという。

会社員の23歳女性は「読みやすくするための句点でルールだと理解しているが、区切られてシャットアウトされている印象がある。会話が続けにくい」。千葉県内の大学に通う21歳の女性は「テンションがわかりにくく、リアクションがないので怖い感じがする」と違和感を口にする。

若者のSNS利用に詳しいITジャーナリストで成蹊大客員教授の高橋暁子さんは「中高年世代はガラケー世代で、主にメールを使用していたため文章が長く、読みやすくするために句読点が多くなる傾向にある」とし、「一方で、若者はリアルタイムでのやりとりが当たり前となっており、チャットのようなやり取りを行う。短めの文章で句読点を打つタイミングで送信するため、句点を使用する機会が少ない」と分析する。

さらに、「若者同士の会話では、句点は怒っていることを意味する際にも使用される。そのため、若者は普段あまり見かけない文末の句点に怒っているのではないかと怖さや威圧的に感じているのでは」と指摘する。

メールに長く親しんできた中高年とSNSを駆使する若者との間をめぐり、SNS利用に対する認識の違いが影響していると指摘する。中高年にとっては、仕事などを通じて若者とLINEでやりとりする機会もあるが、ハラスメントとして認識されないためにはどうすればいいのか。高橋さんは「(若者とやり取りをする際は)句点を除いてあげる。代わりに、『!』や笑顔の絵文字を1つ付けるといい」とアドバイスしている。(村田 幸子・東京編集局メディア編成本部デジタル報道部記者)

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 この報道が話題となると、「句読点を多用するのは『おばさん構文』」とネット上で話題になり、多くのメディアで特集された。歌人の俵万智さん(61)も8日、自身の「X」(前ツイッター)を更新。俵さんは、「句点を打つのも、おばさん構文と聞いて…」とこの件に言及。「この一首をそっと置いておきますね~」と、一首を投稿した。

 「優しさにひとつ気がつく ×でなく○で必ず終わる日本語」

「バツ」でなく「マル」で終わるのが日本語だ…と、その優しさを表現した。

以下はブログ子の見解である。

「句読点」という言葉も、「。」「、」のどちらが句点で読点かの区別も今の若者は知らないと思うのだが、明文化されてはいないものの決まり事がある。まず読点の使い方だが「主語が長くなった時」に使うものであり、「意味が変わるタイミングでは読点を使わない」ものである。次に句点についてだが、記事の中でおじさん構文の例として挙げられている、「承知しました。」「はい。」「連絡ください。」という句点は、文法的には不必要である。なぜなら「」(鍵括弧)内の文章の末尾には句点を使わない、というのが決まり事だ。「承知しました」「はい」で充分なのだ。

例外として「」(鍵括弧)内で「。」止めするときが3つある。一つ目は倒置法だ。「すずめの声が、聞こえるよ」と書くときに、ひっくり返して「聞こえるよ、すずめの声が。」と書く時の表記だ。「君はどこに行くのか」を倒置法で書くと「どこに行くのか、君は。」となる。「が」や「は」で終わらせると不自然になるからだ。ついで「吾輩は猫である。」という用言止めのとき、3つ目は「吾輩は猫。」という体言止めの時である。

文法的には間違いなのに、なぜおじさん構文に「。」止めが増えたのか?ブログ子は以前から、「。」止めを多用するのに疑問を抱いていたのでわかるのだが、「犯人」はコピーライターである。

だいぶ前だが、銀座を歩いていて資生堂のショーウィンドー前で「日本の女性は美しい。」というコピーを見かけた。ここは季節の変わり目ごとに取り換えられるのだが、その後のコピーもこの種の「。」止めがほとんどだった。余韻を持たせるためだろうかと思ったりしたものだ。

京都の「そうだ 京都、 行こう。」は今年で30年目。2024年のポスター

コピーライターが一斉に飛びついたのは、デスティネーションキャンペーン「そうだ 京都、 行こう。」の名コピー以来である。ここで使われている句読点は「断定」と「決意」が明確に伝わってくる。デスティネーションキャンペーンというのはJRが昭和50年ごろから和歌山県を最初に始めたもので、ブログ子は当時、日本新聞協会の「レジャー記者会」の幹事で、毎年選ばれる重点キャンペーン地区の道府県に出かけていたが、ほとんどの県のキャッチコピーで「。」止めが流行した。

ということで、「マルハラ」の元凶はコピーライターであるというのがブログ子の考えなのだが、もちろん異論はあるだろう。かつて同じ夕刊フジ編集局で机を並べていた田中規雄編集委員が書いてる「産経抄」によると、という和文にはもともと句読点がなく、新聞でさえ文末が「。」切れで統一されるのは戦後のことだった、という。

そして作家、井上ひさしの『私家版 日本語文法』から引いたプロレスの力道山の手紙を紹介している。

 「其の後御変り御座居ませんか私は御蔭様で元気で毎日練習して居ります故御安心下さい又出発の際色々と御世話に成り厚く御礼申上げます私は来る十七日インデアン人と初試合をやります毎日暑いので海につかりぱなしです。どうぞ皆々様に宜敷くお伝へ下さいお願い致します又お手紙差上げますでは元気でアロハ」

全文は10個の文からなり、途中で用いた記号は「。」が1つという。「句点(マル)も読点(テン)もないのに文意は明瞭」とは井上ひさしの評価である

言葉は時代とともに変化する。昔とは真逆の意味に使われているものに「情けは人の為ならず」がある。本来は「人に情けをかけるとまわりまわって自分にその情けが返ってくるよ」の意味だが、「人に情けをかけるとその人のためにならないよ」の意味だとする人が7割というのが現代である。

「LINEとかコミュニケーションアプリの特徴って連続的にトークがずっと残っているというコミュニケーションの特性がある。こうした連続性を有するコミュニケーションを前提とした媒体に育ってきていると、句点が入ることはバスッとその連続性みたいなものが断たれて、関係が切られたような感じがしたり、これは何か厳しいことをしっかり言われているみたいな、そういう感覚にとらわれるんだと思う」(明星大学大学院・藤井靖教授=ABEMA TIMES)

せっせと国を貶める社民党・福島瑞穂

あまり報道されなかったが、社民党の福島瑞穂党首が1月18日に中国を訪問した。中国人民抗日戦争記念館を見学し、「社民党は憲法改正に反対であり、憲法の精神を貫徹するために全力で努力する」と述べ、中国共産党序列4位の王滬寧政治局常務委員とも会談し、「福島第一原発の処理水放出に反対することで一致」したそうだ。

王滬寧は習近平政権内で「統一戦線工作」を担当する人物である。統一戦線工作とは、「主要敵を内部分裂させ、友好勢力を増やす策略」、つまりプロパガンダ工作での責任者だ。まるまる中国の術中に嵌まったわけだ。

帰国してからも自民党の麻生太郎副総裁の発言を巡り、直接的な批判を避けた上川氏の対応に「言った男が100%悪い。自民党の他の女性議員が麻生氏に抗議するなどして上川氏を支えるべきだ」と述べるなど、口角泡を飛ばすいつものような言説を繰り返しているが、いまや政党支持率2%、「所属議員、福島瑞穂たった一人」である。

何をほざいても次の選挙で消えるであろう社民党など国民は聞く耳など持たないだろうから、いいようなものの「バカも百回言えば本当(真実)になる」のが政治の世界である。注意せねばならない。

その一つが秋田県産のコメの新品種「あきたこまちR」へのいわれなき風評被害である。従来の「あきたこまち」に比べ、土壌に含まれる重金属のカドミウムをほとんど吸収しない特徴を持つのだが、育種の過程で放射線を使っていることを理由に、「危険だ」とする誤った認識を福島瑞穂が先頭になって広めているのだ。

昨年8月から始まった東京電力・福島第一原発の処理水の海への放出をめぐり、中国は政府やメディアを挙げて「核汚染水」と言い募り、日本からの魚介類の輸入を止めたままだ。国際機関が何度もトリチウム検査して問題がないことを証明しているが知らんぷりで輸入禁止措置を続けている。これと同じ「バカ話」である。

「あきたこまちR」がなぜ生まれたかを知らない人もいるだろうから説明する。人体に有害なカドミウムは自然界に広く存在する。日本の四大公害病の一つ富山県神通川流域「イタイイタイ病」の原因物質である。稲はカドミウムを吸収しやすく、日本人が食品から摂取するカドミウムの4~5割がコメに由来するとされる。国内におけるコメに含まれるカドミウムの基準値は1キログラム当たり0.4ミリグラム(0.4ppm)以下と法律で定められている。これを超えると流通できない

秋田県は鉱山が多かったこともあって、カドミウムが多い。水田面積のおよそ2割に当たる1万8000ヘクタールが、カドミウムが農産物に含まれないよう対策を講じる必要がある「農用地土壌汚染対策地域」に指定されている。県は吸収を抑える栽培方法を生産者に指導したり、基準値を超えたコメを全量買い入れて、流通しないようにしてきた。

稲がカドミウムを吸収しないようにする対策として、別の土地から土を持ってくる「客土」や、カドミウムを吸収させる植物を植える対策を取ってきたが、いずれも費用がかさんだり、作付けの時期が限定されるなどのデメリットが多かった。

秋田県は「コシヒカリ環1号」に「あきたこまち」をかけ合わせる交配方法で、理論上は99.6%「あきたこまち」の遺伝子を持ち、品種の特徴はほぼそのままに、カドミウムをほとんど吸収しないという新たな特長を持たせた「あきたこまちR」を生み出した。2025年から全面的に切り替わる。

ただこの過程で、「コシヒカリ」に放射線の一種である重イオンビームを照射する。既存の品種に放射線を照射して、突然変異を人為的に誘う手法だ。「放射線育種」というこの方法は、50年以上前からある一般的な育種の方法で、梨の「ゴールド二十世紀」などもこの技術で生み出された。

福島瑞穂は2023年11月9日、SNSのX(旧Twitter)に「消費者の権利を守りたい!」というメッセージとともに、「あきたこまちR」への作付け転換を問題視する文章を投稿した。その中で放射能への危惧があるとして、①安全性の立証を求める、②カドミウムによる土壌の汚染をまずなくすべき、③農家が「あきたこまちR」と「あきたこまち」を選べるようにすべき、と要求している。

①は処理水を汚染水と言い張る中国同様の無理筋というもので、すでに証明されているのに屋上屋を求める「悪魔の証明」そのものである。

②について「水俣病のように、長い間因果関係が立証されていないとして無視され続けたため、甚大な被害が発生したことを考えれば、公害も食べ物の安全も、予防原則に立つべきだと考えます」と言い張る。これまで長年行われてきた育種方法で生まれた品種と、重金属のメチル水銀による中毒性疾患である水俣病を同じようにとらえる科学音痴そのものである。

③についても「『あきたこまちR』は特許料、品種許諾料を支払わない限り、栽培できないお米になります。負担は高く、収穫量が少ないのですから、農家にとっては不利な品種となります」というのだが、ウソである。秋田県は「従来と何ら変わりはありません。収量についても従来の「あきたこまち」と同等だと公表している。

瑞穂(みずほ)とは、みずみずしい稲穂のことである。稲が多く取れることから瑞穂の実る国ということで、「瑞穂国」(みずほのくに)、「豊葦原千五百秋水穂国」(とよあしはらの ちいおあきのみずほのくに)が日本国の美称である。あやかって、みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、さては日本の南極観測基地「みずほ基地」まで使われている美しい表現だ。

福島瑞穂は宮崎県出身である。きっと両親は、高千穂の伝説の地にゆかりの麗しい日本を思って名付けたのだろうが、その娘は、「瑞穂の国」を貶めるのに懸命である。泉下で泣いているに違いない。

トランプが怒るのももっともだ!という、このグラフ

先に「安倍晋三は偉かった」でも触れたが、「もしトラ」の心配の件。

NATO加盟国はGDP比2%の防衛費を負担する義務を負っているが、それを払っていないことに記者から「加盟国がロシアからの攻撃を受けたとしてもアメリカは防衛しないのか」という趣旨の質問をされ、トランプは「防衛しない。むしろロシアに対して望むようにするよう促すと答えた」ことが世界を震撼させている。

ホワイトハウスはただちに声明を出し、「同盟国への侵攻を促すのは恐ろしいことであり、正気とは思えない」と強く非難したほか、NATOのストルテンベルグ事務総長も「NATOに対するいかなる攻撃に対しても一致して強力に反撃する」と反発するなど、トランプ発言は世界で物議を醸している。

世界がロシアのウクライナ侵略に一致して戦っているときに、とんでもない発言ではあるが、落ち着いて下記の一覧を見るならば、もっともな意見であることにも気づく。(図はイギリスの「Daily Mail」紙から)

NATOから遠く離れたアメリカが断トツの「3・49%」拠出しているのに、ほとんどの国は1%台である。図で太字の国が「2%」をクリアしているところで、さすがにロシアと国境を接している「恐怖に近い」ところはポーランドの「3・9%」を筆頭にクリアしているものの、3%未満という「かろうじて」クラスだ。イギリスなど太字圏内ではあるものの 「2・07%」でやってる感あるのみ。

いつもNATO内で偉そうに発言してるフランスなど「1・9%」にすぎないしイタリアも「1・46%」しか出していない。

噴飯物はトルコである。NATO加盟を切望するスエーデンに対し、拒否権があるのをいいことにエルドアン大統領はトルコの少数派であるクルド人や反体制活動家、ジャーナリストなどを受け入れているとスウェーデンとフィンランドを振り回しているが、トルコが出しているのはたった「1・31%」である。

日本もこうした「したたかな」国を少しは見習ったらどうか。日本はNATOに入っていないが誘いの声はある。入ったらすなおにアメリカにつぐ拠出国になっているのだろう。国連に日本は2022年の分担金において日本は第3位の2億3080万ドルを負担している。 これは約8%にあたり、常任理事国であるイギリス、フランス、ロシアより多いが、ほとんど世界相手の発言などしない。ただただ世界の「財布」にされているだけだ。ここでも「安倍晋三ありせば…」と思う。

安倍晋三は偉かった(その2)

もしトランプが大統領に返り咲いたら…という「もしトラ」の心配が言われ出したのは新年早々だった。初戦のアイオワ州党員集会、第2戦のニューハンプシャー州予備選で勝利し2月24日には、対立候補のニッキー・ヘイリー元国連大使(52)の地元であるサウスカロライナ州で予備選が開かれるが、世論調査ではトランプ氏が大きくリードしている。

対する民主党の現職、バイデン氏だが、経済政策や中東政策が不評で人気は低迷。さらに現職のフランス大統領をマクロン氏ではなく、30年も前に退任したミッテラン氏と言い間違えるは、パレスチナ自治区ガザへの人道支援物資搬入に向けて外交努力を尽くしていると語る中で、エジプトのシシ大統領が「イスラエルとの国境を開けたがらなかった」と言おうとして、「メキシコのシシ大統領(ロペスオブラドール大統領)」と語るなどかねて心配されていた認知症の症候が止まらない。若年層や黒人、中南米系の支持離れも指摘されて「もしトラ」どころか「ほぼトラ」が真実味を帯びてきた。

ブログ子も「ほぼトラ」によりもたらされるであろう、世界を相手にしたトランプの「卓袱台(ちゃぶたい)返し」を心配する一人だ。その第一はウクライナ戦争からの撤退である。トランプは大統領在任中から、欧州が応分の国防費を負担せず、米国が欧州防衛のコストを一方的に背負わされていると不満を漏らしていた。「トランプはウクライナを捨ててロシアのプーチンと手を握る。在欧米軍も減らすだろう」という恐怖がいま欧州を覆っている。プーチン大統領が国連憲章や国際法規を踏みにじり、力で奪い取った領土をロシア領と認めるという最悪の結果もトランプならやりかねない。

イスラエル・パレスチナ戦争も様変わりする。アラブ諸国とイスラエルの和解(2020年の「アブラハム合意」)が彼の自慢の種だったから、パレスチナは黙らせられ、ガザ全土にイスラエル支配が及ぶかもしれない。中東諸国は強権主義のトランプとは相性がいいから、人道よりも石油権益が優先するアメリカの行動に同調するだろう。

プーチンと同じく習近平もトランプ復権を歓迎する一人という論調もあるが果たしてそうか。2018年にトランプは、知的財産権の侵害を理由に中国からの輸入品の一部に4度にわたる制裁関税を課すなど、習近平体制と対立した。トランプは4日、米FOXニュースのインタビューで、「対中60%関税」について問われ、「それ以上になるかもしれない」と答えている。彼は選挙公約で、米国に雇用と富を取り戻し、中国など他国への依存を解消する「トランプ相互貿易法」を掲げている。そうなると中国の株価暴落や不動産不況など経済悪化に拍車がかかる恐れがある。彼なら中国の対米貿易黒字の半減と引き換えに、台湾をソデにすることもぐらいやりかねない。現に、台湾ではこのようなシナリオが恐れられている。 
 
一番大事な日本への影響である。在任中「日本は日米安保にただ乗りしている。もっとカネを出せ」と言った。「日本がカネを出さなければ米軍は引く」とまで脅し文句をかけてきた。しかし安倍首相からゴルフカートの上で、日本は十分以上にカネを払っていることを縷々説得され、珍しく納得した。

さきに 日鉄は、USスチールを今年6~9月に買収を完了させる計画を発表した。「鉄は国家なり」の箴言を思い出させ、なんとか成功させたいものだが、トランプは早くも1月31日に「即座に阻止する。絶対にだ」と強くアピールした。日本政府の後押しが待たれるところだが岸田首相は、この件について一言のコメントもない。ブログ子ならずとも「ああ、安倍首相在りせば…」とため息が出るばかりである。

1月29日、産経ワシントン駐在客員特派員・古森義久の「返り咲きをねらうトランプ氏の対日政策は危険か」という記事を読んだ。ブログ子は彼がロンドン支局長時代から知っているが、骨の髄から共和党びいきである。その彼がトランプ陣営の政策研究機関「アメリカ第一政策研究所(AFPI)」の構想として次のように書いている。

このシンクタンクのアジア部門に問うたところ、対日政策に関する文書を明示してくれた。「米日同盟は21世紀の米国第一外交政策の成功の基礎を築く」と題する同文書はこれからの米国のアジア政策では日本との軍事同盟が不可欠と強調し、米国への巨大な脅威である中国の軍事攻勢に対して日米同盟は重要な抑止策だと明記されている。

その上で、日本が安倍晋三元首相の政権下で対米同盟を強化し、岸田政権もその路線を継いだことに感謝している。要するに、日米同盟の破棄どころか堅持と強化なのである。トランプ氏が次期政権を担う場合の対日政策を占う有力な資料だろう。

トランプ前政権による日本との同盟重視は明白だった。日米関係の歴史でもトランプ・安倍時代は最も堅固で緊密な同盟の絆を築いた。トランプ氏が就任前の選挙戦で述べていた日米同盟の片務性への不満も、日本側が軍事寄与を増して防衛協力を強めることへの期待だった。就任後は尖閣防衛をはじめ、現実の同盟強化策を次々と打ち出した。

日本への友好という点でのトランプ氏の実績は北朝鮮による日本人拉致事件解決への協力だった。国連総会演説での「優しい日本人少女の解放」の訴えから、金正恩氏への直接の要求、さらには被害者家族たちとの度々の会談と、日本側の当事者たちは決して忘れないと感謝を絶やさない。

最後に古森特派員は「トランプ氏が国際課題に背を向ける孤立主義者だと断じる向きにはトランプ前政権こそが歴代米政権の政策を変え、中国の無法な膨張への厳しい抑止策をとった事実を挙げておこう。」と結んでいる。

要するにトランプの政策は安倍晋三時代に築き上げたものを踏襲するというのだが、果たしてそうか。日鉄のUSスチール買収計画に対する「即座に阻止する」という言動を見ても、「アメリカ・ファースト」そのものである。

ブログ子個人としてはトランプになってよさそうなのは、アメリカはもちろん中国、欧州を席巻しているEV(電気自動車)一本やりの風潮が変わることである。ブログ子はEV車ブームには眉唾である。トヨタが欧米のように全面的なEVシフトなどせずせいぜいハイブリッドどまりでいまだにエンジン車をつくり続けていることに喝采している。理由はEV車が弱い寒冷地である八ケ岳にいることや標高1800メートルまで上がり下りする馬力の点だがそれは措く。

「私がホワイトハウスに戻ったら、いんちきジョー(バイデン大統領)による『電気自動車(EV)オシ』を終わらせる」と明言しているのがトランプである。そうなれば、日本の基幹産業である自動車産業には強い追い風となる。

◇ ◇ ◇

それにしても安倍晋三は偉かったとつくづく思う。功績として挙げられるのは集団的自衛権の見直しとか、平和安全法制の整備とかがあるが、あの難物のトランプ相手にゴルフ相手をして肩を抱きかかえての信頼関係を築き、G7では激論の中でメルケル独首相やジョンソン英首相の間に割って入り共同声明作成にこぎつけた場面は、まさに世界をリードする日本の姿だった。

「トランプさんと話せたのは安倍さんだけだったね」と言われる今、つくづく惜しい人材を失ったものだと思う。

安倍晋三は偉かった(その1)

派閥の最後を評して「馬糞の川流れ」と言ったのは金丸信である。自民党派閥パーティー収入不記載問題で、岸田文雄首相が派閥解消を求め、これに従って6派閥のうち4派閥が解散を決めた。残るのは「麻生派」と「茂木派」だが、前者はまだ1人だが「茂木派」は続々と離脱者が出て幹部含め8人が脱走して、存続の危機だ。まさに「馬糞の川流れ」である。

これで積年の弊害である派閥がなくなるかと言えばとんでもない。ブログ子は長く自民党を見てきたが、1989年の「リクルート事件」を受けてみそぎの派閥解消に始まり何度もあった。いずれも1,2年のうちには「政策集団」とか「勉強会」とか言ってすぐに復活して今に至っている。できっこない話である。

派閥には効能もあって、当選3回くらいから大臣の椅子を二つ三つ派閥から出せる「人事」と、盆暮れの氷代、餅代など「金」の面で頼りにされる。いわゆる「三バン」(地盤、看板、かばん=金)がない、「出来の悪い」議員にとって派閥ほど重宝なものはないからである。

安倍派がダメなのは、ただブームに乗っただけの安倍チルドレンが大量に流れ込んだだけだからである。ダメな議員が多いことは安倍晋三自身も認めていた。ブログ子は安倍幹事長時代に自民党本部に呼ばれて、ネット講座で彼らを教育する仕事をしたことは、以前このブログで書いた。北方領土問題の根っこであるポツダム宣言受諾後一方的に樺太から攻め込んできたソ連や、竹島や尖閣の戦後史を解説した。

そんなわけで少しは安倍派に詳しいつもりだが、安倍首相が凶弾に倒れた後、派閥の代表を選ぶ段になって立候補した塩谷立(しおのや・りゅう)なる人物を知らなかった。結局、塩谷「座長」で、派内で中心的な立場にある高木毅国対委員長、松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長の「5人衆」の集団指導体制になったが、一国のリーダーが務まる人物かと言えば、首をかしげるばかりだ。

何より安倍首相が下野したあと、総裁選に自派からでなく無派閥の高市早苗を強力に推したことでもわかる。総裁選出馬のおかげで岸田政権下では経済安全保障担当相となり、女性であればなんでもOKの風潮もあり次期首相に近い人物として名前があがるが、さっそくミソを付けた。

大阪・関西万博の開催延期を岸田文雄首相に進言したものの、批判をあびるとすぐさま「岸田首相の方針に従う」と180度転回。X(ツイッター)に経緯を投稿し「(能登半島地震の)被災地復旧も万博も完璧にやりきることが日本の名誉を守るためには必要だと思っていた」と釈明に及ぶ始末。安倍晋三あっての高市早苗なのである。

その安倍晋三元首相の母で、岸信介元首相の長女の安倍洋子さんが4日、死去した。95歳。平成3年に晋太郎氏が死去したあと後を継いだ晋三氏の政治活動を支え続けてきた人だ。安倍派壊滅いよいよ決定的である。

4日の日曜日に行われた二つの市長選で自民党の黄昏が鮮明だ。京都市長選で自民、立民、公明、国民が推薦する元内閣官房副長官の松井孝治氏(63)が初当選を果たしたものの「政治とカネ」を巡る政権不信の逆風は思いのほか強く、共産が実質支援する弁候補に猛追され、薄氷の当選だった。

同じく4日投開票の前橋市長選では、新人で前群馬県議の小川晶氏(41)(無所属)が、4選を目指した現職の山本龍氏(64)(無所属=自民、公明推薦)を破り、初当選を果たした。自民、公明両党推薦の現職が約1万4千票差で野党系新人に完敗したのである。こちらも、自民派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡る政治不信が背景にあったと指摘される。4月末予定の衆院補欠選挙や次期衆院選が控える中、保守地盤が強く「自民王国」と呼ばれる群馬県ですらこのざまである。

「馬糞の川流れ」は自民党そのものにも迫っている。

逃亡半世紀、連続企業爆破事件の桐島聡が名乗り出る

 ブログ子は自分のホームページ「八ケ岳の東から」を書いているのだが、26日、突然閲覧数(ページビュー)が1万以上跳ね上がった。理由はわかっている。今ではほとんど知っている人もいないと思うが爆弾闘争に明け暮れた「東アジア反日武装戦線」について詳述しているからだ。

1970年代に起きた連続企業爆破事件で、警視庁が、爆発物取締罰則違反容疑で指定重要指名手配している桐島聡容疑者(70)が26日名乗り出た。

捜査関係者によると、警視庁が情報を把握したのは25日。桐島は末期の胃がんで以前から通院していたが、今月に入り、路上にうずくまっていたところを周囲の人に声をかけられ、湘南鎌倉病院に運び込まれ偽名で入院していた。ここ数日で容体が悪化していて、現在、危篤の状態にあるという。「俺は最後だから捕まえてくれ。せめて最後くらいは本名で迎えたい」と病院関係者に打ち明け、病院から通報を受けた神奈川県警が警視庁に連絡、公安部が大慌てで情報収集に乗り出した。

ほとんど資料がなくDNA鑑定などによる身元確認には時間がかかる見込みだが、捜査員が25日中に本人と接触したところ、桐島容疑者であることを認めたという。また本人しかわからぬ家族構成の詳細を話していることからまず間違いないとみられる。

東アジア反日武装戦線の「狼」は、1974年(昭和49年)8月30日に三菱重工ビルを爆破したグループだ。白昼、東京・丸の内にある三菱重工本社ビルの正面玄関前に2個の時限式ペール缶爆弾を仕掛けて爆発させ、通行人など8人を殺害し、380人に重軽傷を負わせた重大事件だ。

ブログ子は大手町の新聞社で勤務中だった。現場近くの東京駅で飯を食べていて爆発音でいち早く駆けつけたものの、現場にガスボンベを積んだトラックがあり倒れた血まみれのサラリーマンを介抱する人があのガスボンベが爆発した、というのでガス爆発事故だと本社に一報をいれたくらいだ。

この爆破事件を皮切りに、東アジア反日武装戦線は連続爆破テロに突き進んでいく。(昭和)50年に入っても間組の本社及び大宮工場、韓国産業経済研究所、オリエンタルメタルKK、間組作業所、江戸川橋梁間組工事現場と続発した。桐島は三菱重工事件には関与しておらず韓国産業経済研究所爆破などへの関与で手配された。

東アジア反日武装戦線事件では、産経新聞は昭和50(1975)年5月19日付朝刊で、「爆破犯 数人に逮捕状」という大スクープ(写真上はその日一面)を放った。「伝説の事件記者」ともいわれた福井惇・警視庁キャップが精鋭を率い、同庁幹部に「あの記事を超える事件の特ダネを知らない」と言わしめたものである。ブログ子は福井さんとは頻繁に酒を酌み交わす仲で、サブキャップも、事件のカギをにぎる『腹腹時計』を入手した記者も知っているのでホームページに詳細に書いた。それが為ここ2,3日読まれているので閲覧数がピンと跳ね上がったようだ。

何しろ50年前のことである、事件のことを知る人も少ないし、それを書く記者とてスクラップみながら書いていることだろう。各紙伝えているが、警視庁発表以外のことからは出ない。上で書いたが一番詳しいのは産経新聞なので、興味ある人は電子版でもいいからそちらをご覧になるとよい。

自衛隊派遣を「後手」と批判する朝日新聞と立憲・泉党首の救いがたい無知

前回書いた能登半島地震の現地に押しかける「迷惑な輩」の続きでもあるが、自衛隊派遣を「遅い」の「逐次投入の愚」と批判するメディア、特に朝日新聞と野党党首などの「軍事音痴」の言動に辟易している。

ブログ子は軍事記者ではないが、昔で言えば「連合艦隊司令長官」にあたる海将の知遇を得て日本の安全保障が潜水艦隊で守られていることを知っている。また東富士演習場で戦車に乗ったので陸将や、防衛庁(当時)の防衛課長らとの付き合いで部隊運用の現場を見ているので彼らの発信が「愚行」であることがわかるのだ。

能登半島地震への政府の初動対応について、立憲民主党の泉健太代表は5日、「自衛隊員が逐次投入になっているのは遅い」と発言した。各紙はこの「逐次投入」発言を取り上げ、政府や自衛隊の対応を間接的に批判している。

8日の朝日新聞は「現場の部隊は2日の約1千人を皮切りに、3日に約2千人、4日に約4600人、5日には約5千人、6日には約5400人、7日には約5900人に増員した。ただ、11年の東日本大震災では発災の翌日に約5万人から約10万人に、熊本地震では2日後には当初の約2千人から約2万5千人へと、首相や官房長官らのトップダウンで増員を決めている」と書き、ご丁寧にも(太平洋戦争時の)ガダルカナル島の戦いで、部隊を小出しにして撤退を続けた旧日本軍になぞらえた補足解説して泉健太を“援護射撃”した。

軍事では、兵力を一点集中で投入する「兵力集中」が常識で、兵力を小出しにして攻撃を仕掛けた結果、敵に各個撃破される「逐次投入」とか「五月雨式」とも呼ぶ部隊運用は悪手とされる。兵站(後方支援)が不十分なのに、大部隊を一気に突入させたら、武器・弾薬、食糧の補給が続かず、最悪の場合は全滅する。ガダルカナルはやむを得ない面があってのことだが、それは措く。

軍事と災害派遣とを同一視するのには無理があるにせよ、泉健太や朝日新聞のいうようにもし数万人の自衛隊員を一気に投入したらどうなるか、能登半島の地図を見れば明らかである。

半島の先の輪島市や珠洲市までアクセスは南からのルートしかなくそれもたった1本の幹線だけである。しかも土砂崩れで寸断されている。ただでさえ大渋滞する道路に、深緑色の自衛隊トラックが大挙して押し寄せれば、大混乱に陥るのがオチだ。海路も津波と海底隆起の影響で接岸が難しい状況であり、そうなるとヘリ空輸か徒歩しかなく、輸送量は極めて限られる。現に初動の1千人は支援物資をリュックに詰めて徒歩で奥に進み被災者に食料を届けている。ホバークラフトで海上から重機を運び上げヘリで山越えして物資を奥地に運んでいるではないか。

大部隊がやっとの思いで現地に到着しても、平地が少なく、宿営スペースの確保も至難の業だろう。さらに大部隊の活動を維持するために不可欠な、食糧・燃料などの補給ルート(兵站線)の構築・確保も最重要である。これらを考えれば、1000人からスタートし、後方支援を強化しつつ、徐々に2000人、5000人、6000人と逐次投入するほうが、実に無理のない理にかなった“作戦”なのだ。

 補給体制や被災地の実情も熟慮せず、単純に「1万人送れ」と喧伝するのは机上の空論で、政治的パフォーマンスとのそしりも免れない。まさに「愚将は兵隊を語り、賢将は兵站を語る」の格言そのものである(JBpress深川 孝行氏)。

自衛隊は車両の”ガス欠”に備え、自前のタンクローリーも準備して現場で燃料補給する

もっと大事なことは、1万人の衣食住から風呂まで自前で賄う自衛隊の「自己完結力」である。自衛隊をはじめ世界中の軍隊は、原野や森林などを舞台とした「野戦」への備えが大前提で、前回書いたれいわの山本太郎、立憲民主・杉尾秀哉のようにスーパーやコンビニ、弁当屋や自動販売機、さらには病院やガソリンスタンドを利用するお気楽なことは想定していない。

特に陸自の部隊は、食糧や飲料水、燃料、各種日用品はもちろん、宿営用資材や炊飯用器材、浄水器、大型洗濯機、入浴施設や医療サービス、トイレなど、「衣食住」に必要なものを、ほぼ全部自前で賄う能力を持つ。これが「自己完結力」である。加えてヘリや重機を積めるホバークラフト型の揚陸艦艇など運輸・土木工学能力まで持っている。能登半島に押し寄せる善意の押し付け型人間が無用かつ非難されるのは、単にこの「自己完結力」がないくせにやってくるからである。

岸田首相の現地入りが遅いとまで難癖つける野党とメディアもある。はっきり言えば、これも必要ないと断言できる。トップが行ったところで何か役立つことなど何一つない。神戸淡路大震災や東日本大震災、熊本大地震で学んで行政の横の支援体制が即刻、機能するようになっていることは一つの現場で全国からの名前が入った救急隊、県警が協力し合って活動している写真を見てもわかる。海外メディアは即時全国規模で機能しているこの日本の災害現場を驚異の目で伝えている。

朝日新聞と泉健太は、大嫌いなのはわかっているが、少し軍事知識を学んでから発信した方がよい。

能登半島に押し寄せる「ジコチュー」災害ボランティア

能登半島地震の被災地に押しかけて炊き出し用のカレーを食べて帰ってきたれいわ新選組の山本太郎が「物資が乏しい中、作ってくれたカレーは普段の何万倍もおいしいものだった」と語っているのに辟易していたら、すがすがしいニュースに接した。

1月13日、滑川市の複合施設でおこなわれた、炊き出し約1600食分の準備作業。50人ほどが参加するなか、滑川市の水野達夫市長は随行職員なしで1人で参加。2時間ほど、黙々とネギを切り続けたという。

ボランティア会場だった施設の関係者がSNSで《野菜カットを手伝えるだけ手伝って、休憩時間に参加者と対話》《政治家の現場視察の手本だと思った》と、ネギを切る様子を投稿したことで、SNSで市長の行動を称賛する声が相次いだ。1月17日、北陸の地元紙「北國新聞」が伝えた。

さらに、富山県の地元テレビ局「チューリップテレビ」が1月17日に市長のコメントを伝えていて、水野市長は戸惑いながら「褒めすぎですよね。本当に当たり前のことを当たり前にやっただけで……」と語ったという。

先の山本太郎は一部の国会議員から批判されたことについて「先を越されたことを悪魔化しようという世界が永田町。私は自分がやるべきことをやった。行きたいんだったらさっさと行けよ」と語気を強めた。強引な現地入りで視察したことで分かったことは「次の日にも、総理大臣自身が空から視察することが可能だった。これまで様々なひどい災害があったけども、その中でもトップクラスのものだという認識を総理大臣自身が持てるはずだった。そういう意識を持たなかったからこそ、永田町周辺で官僚からの報告を受けるということだけを続けたんだと思います」と酷評してみせた。

とんちんかんなのは彼ばかりではない。TBS報道局記者出身の立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は「百聞は一見にしかず」として、被災地入りして「こうして各所が寸断されていることが分かります。遠回りのルートで予定場所に向かいますが、手前に『この先通行止め』の看板を設置するなど案内がほしい」と侵入禁止を知らせる赤いコーンが横並びになった写真を投稿した。これには「道路の交通障害情報は開示されている。事前に調査もしないで行く方が悪い」と手厳しい批判にさらされた。

立憲民主党の蓮舫参院議員も負けていない。政府がまず被災地の要望を待たずに物資を送る「プッシュ型支援」として令和5年度の予備費から47億3790万円の支出を決めたら「能登半島地震の予備費使用がわずか40億円とは。大阪万博の、わずか半年使用されるだけのリングに344億円が投じられるのを比較してもありえない。予備費使用がこの額なのか。積算根拠を確認しています」と政府の対応に疑問符をつけた。

首相は当初からこの金額はあくまでプッシュ型支援を強化するための当面の経費であると説明していた。「当座」であることぐらいブログ子でも知っている。現に翌週には激甚災害指定で「1兆円規模」の復興予算になることが公表されている。国会議員でありながらそんなことも知らないのかと泣けてくるお粗末さだ。

道路が寸断されているので自衛隊員は支援物資をリュックに詰めて徒歩で山越えをして被災者に届けている。彼らの足は水でふやけてボロボロだという。靴下を新しいものに変えるのは自費だという。押しかけてくる「第二の山本太郎」は、行くなら替えの靴下でも届けたらどうか。

「土砂に呑まれた妻子4人の葬儀で涙する夫」に慟哭す

  「寒かったね。怖かったね。すぐに助けてあげられず、ごめんね」。大間(おおま)圭介さん(42)は、最愛の妻と可愛い盛りの3人の子供たちに震える声で語りかけた。4人は祭壇の写真の中で笑っている。土砂崩れで亡くなった。

圭介さん一家は金沢市の自宅から、能登半島の突端に近い石川県珠洲(すず)市仁江(にえ)町の妻の実家に帰省し、総勢12人でにぎやかな元日を過ごしていた。最初の地震の後、圭介さんは様子を見ようと外に出た。そこへ裏山が崩れた。居間にいた妻のはる香さん(38)、長女優香さん(11)、長男泰介(たいすけ)さん(9)、次男湊介(そうすけ)ちゃん(3)がのみこまれた。

 近所の住民たちも加勢して必死に捜した。義理の兄とその長男は救出され無事だった。だが妻と我が子がいない。3日になって、温度を測れる赤外線サーモグラフィーを親戚が持ってきた。かざすと、わずかに温度が高い場所があった。

 「生きているかもしれない」。駆けつけた消防隊員や自衛隊員と一緒に土砂を掘った。4日にはる香さんと優香さん、5日に泰介さんと湊介ちゃんが見つかったが助からなかった。義理の祖父は救出後に帰らぬ人となり、義理の祖母は遺体で見つかったという。義理の両親は今も行方不明のままだ。

 14日午前11時から金沢市内で圭介さんの妻子4人の葬儀が営まれた。参列者に深々と頭を下げるなど気丈に振る舞っていた圭介さんだが、喪主あいさつでは「あのサーモグラフィーの温かさは何だったんだろう。妻と子供が早く助けてほしいと訴えていたのではないか。大切な宝物が奪われてしまった」と涙をぼろぼろとこぼした。

 はる香さんとは結婚13年目。「僕を夫として選んでくれて本当にありがとう」と感謝した。末っ子の湊介ちゃんは仮面ライダーが大好きで、石川県警の警察官の圭介さんが帰宅すると真っ先に出迎え、「高い高い」をせがんできた。まだ小さかった湊介ちゃんには「将来は何になっているかな。何だって夢をかなえられたのにね」と語りかけた。(毎日新聞1月15日)
◇ ◇ ◇
 ブログ子は、この記事を読んで涙あふれるのを止められなかった。最大震度7を観測した能登半島地震に幼い我が子を奪われた父親の心情は如何ばかりか。

そして、これとそっくりの場面に立ち会った数十年前の「飛騨川バス転落事件」の現場を思い出した。昭和43年(1968)8月18日午前2時11分、岐阜県加茂郡白川町地内の飛騨川沿いの国道41号で、豪雨のため立ち往生していたクルマ の列に向け土砂崩れが発生、バス2台が川の中に押し流された。死者104人を出したわが国最大のバス事故である。

この事故でブログ子は社会部記者として大阪本社からクルマで現地に派遣され、遺体安置所の「雑感」担当をした。事故の概要や原因、責任の所在などを書く「本記」に対してその他の現場状況を書く記者を「雑感」担当という新聞社用語である。

小学校か中学校かの体育館だったが、2晩めだったか、かなり身許も判明してきて嗚咽と悲鳴と線香の煙が支配している中で、目前の40代前くらいの 男性がひとつの棺の前で身じろぎもせずたたずんでいた。声をかけて驚いた。「これは家内です。あと娘2人を待ってます」という。 家族は、と聞くと「家族4人です」。息をのんだ。家族ほぼ全滅の悲劇だ。しかし、この男性は大声で泣くでもなく淡々と「神の試練です」という。仙台 で暮らしていて夫人の実家に帰っていた3人が犠牲になったのだ。言葉のはしばしからクリスチャンなのはわかったが、少し冷たいのではないかとさえ 思えた。

さらに2晩過ごした昼過ぎ。遺体はかなり流されて伊勢湾の河口近くで見つかるようになっていた。片手しか見つからなくて、自宅から持参したコップから とった指紋で名前が確認された遺族が「片手だけでお葬式をします」というようになっていた。そんな時、現場に「遺体がひとつあがった。こどものようだ」と いうニュースが流れた。私も駆けつけた。あの男性もいた。

消防団員がこどもの遺体を抱きかかえて、はるか下の岸辺に立っていた。そのときである。あの男性が「XX子!」と叫ぶと50メートルはあろうかという崖を駆け下りた。 転んだときのためにみんなが手を差し出す用意をしていたが、一度も転ばず駆けつけ、我が子を抱きしめた。周りの男がもらい泣きをするなか、この人はまた崖を登り始めた。 それにしても不思議だった。あの距離からどうして我が子と分かったのだろうか。書くのもはばかられるほど痛みが激しく、私には男女の別もわからなかった。それに4日 もたっているのに、下流に流されず現場近くで見つかったのも不思議だった。

妻子4人を亡くした珠洲市の現場と妻子3人を亡くした飛騨川の現場とのあまりの類似性に、心が揺さぶられた。自然災害の現場は常に「獰悪」(どうあく)である。人間はただ頭を垂れるしか術がない。

「奇跡の脱出」を可能にしたもう一つ要因

前回のブログで、海上保安庁機と日本航空機の衝突事故で379人の乗客が18分で全員脱出した奇跡は機長とCAら乗務員の立派な働きぶりによると讃えた。その通りで間違いはないが、もう一つ日本の技術力があってのことで、海外の航空関係者の間ではもっぱらこちらに注目が集まっている。

JALはじめ日本のエアラインでは「90秒ルール」というのがあって、事故後90秒以内に乗客を脱出させる訓練が厳しく実施されている。少し航空機に詳しい人なら、「今回全員退避までに18分かかっている。間に合わないではないか」と思う向きもあろう。機種によって脱出口が違うし乗客数も違う。「90秒ルール」は定員100人程度の場合の目標と考えるのがよいだろう。379人もが無事に脱出したのはやはり奇跡には違いがない。

それを可能にしたもう一つの要因というのは「CFRP」(炭素繊維複合材)という素材である。Carbon Fiber Reinforced Plasticsといい、英語順に訳して炭素・繊維・強化・合成樹脂だ。軽量で引張強度に優れた新素材として、航空宇宙、電気自動車、風力発電、建築分野などで用いられている。

CFRPは繊維と樹脂という性質の異なる材料の組み合わせであり、繊維の配向方向や材料種類を変えることで剛性や強度を変えることが出来る。例えばアルミよりも軽く、また、方向によっては鉄以上の剛性を実現することも可能になった。

今回の事故が発生したJAL旅客機の機種はエアバスA350-900。A350は世界の航空機の中で炭素繊維複合材料の割合が最も高く、現在約570機が運航されていて、翼を含む機体の53%がこの炭素繊維複合材料でできている。 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などによると、航空専門家らは「炭素繊維複合材料の燃焼点はこれまで航空機製造に多く使われてきたアルミニウムより低いが、これとは別に火災が広がる速度を落とす特性がある」と話す。このため、機体外部で発生した火や熱の機内進入を抑え、乗客・乗員脱出の「ゴールデンタイム」を稼いだということだ。

炭素繊維複合材料でできた航空機が全焼するほどの大型事故が発生したのは今回が初めてで、素材の安全性が初めて実際に検証されたという見方もできる。ある航空ジャーナリストは英紙テレグラフに「今回の事故で炭素繊維複合材料が火災拡大を遅らせるということが実際に確認された」と述べた。ある航空エンジニア専門家は同紙に「(旅客機に使われた)炭素繊維が熱遮断機能を提供した」と語った。

今回の事故機の「CFRP」は帝人だが、日本で最初に炭素繊維をつくったのは東レである。ブログ子の中学校の時の国語の先生の夫君が東レの副社長だったので、開発当初からこの素材のことは知っていた。年初、東レの株はさぞかし値上がりしているだろうと5日の株価を見てみたら、日経平均がかなり値崩れしている中で値上がりしていた。思ったほどでなかったのは子会社の検査データ改ざんによるものらしい。

日本人だからできた「18分で全員脱出」の奇跡

元日の「令和6年能登半島地震」についで2日「羽田空港JAL機と海上保安庁の航空が衝突・炎上事故」と日本の新しい年は災難の幕開きとなった。

災難の中ではあるが、羽田の事故では、日航機の乗客367人全員が18分で全員脱出したことを米英メディアは「奇跡」などと驚きと称賛を持って伝えている。

ブログ子は仕事柄、多くの航空事故に立ち会った。カナダ航空機墜落(1966年3月4日)、BOAC機富士山墜落(1966年3月5日)という二日続けての事故に始まり、全日空機、自衛隊機との雫石での空中衝突(1971年7月30日)、「機長何をするんですか!」の日航機羽田沖墜落(1982年2月9日)、日航ジャンボ機御巣鷹山墜落(1985年8月12日)…後の2つは直接取材指揮をとったので特に記憶に強い。

その過程でJALの幹部、ジャンボ機機長たち、客室乗務員と知り合った。中には今年も賀状を交換しているほどだ。ブログ子は一般では経験することがないだろうが、シュミレーターながらジャンボ機を房総沖から羽田空港に着陸させるまで操縦桿を握ったこともある。この時は羽田空港滑走路で爆発炎上させた。スピードを落とそうと右足ペダルを踏んだのだが、クルマと違って航空機では尾翼の方向舵操作になっていて滑走路を外れたのだが、コクピットに警報音と火災警報がわんわん鳴り響きパニックになった覚えがある。今回の事故もかくやと思う。

当然、普段の訓練も知っている。旅客機の乗員は年1回は機体の片側から脱出シューターを降ろして乗客全員を短時間で脱出させられるよう訓練されている。脱出シューターも以前は滑りすぎて乗客が遠くに放り出され、かえって怪我をした事例から布地や滑走角度を何度か改められているほどだ。

米ニューヨーク・タイムズ紙は航空専門家の話として、緊迫した状況下で「乗員が乗客全員を脱出させたのはまさに奇跡だ」と指摘。乗客と乗員の協力が成功した証しだとした。米CNNテレビも衝突時や、煙に包まれる日航機内の様子を繰り返し放送。女性キャスターは乗客に犠牲者がいなかったことについて「驚くべきことだ」と伝えた。専門家は乗客が荷物を持たずに脱出シューターから機外に出ていたことなどを挙げ、「お手本のような対応」だったと語った。 英BBC放送でも、キャスターや有識者が乗客の全員脱出は「奇跡的」と表現。避難誘導した乗員を「極めて効率的だった」「素晴らしい仕事をした」と褒めたたえた。(共同)

JAL機乗客提供動画などからわかる機内の様子は相当緊迫していたことがわかる。

 機内左後方の座席にいた東京都瑞穂町の会社員(28)によると、直後に翼の脇から火が出ていることに気づいた。煙が機内に入ってきて、炎の熱さもじわりと感じた。着陸後1分もたたずに煙が漂い始め、すぐに機内に煙が充満していた。

 「落ち着いてください」「鼻と口を押さえて、低い姿勢になってください」。客室乗務員が呼びかけると、多くの乗客は煙を吸わないように身をかがめた。(写真右はその様子をとらえた画像)。混乱した乗客からは、「早く出せ」「(出口を)開ければいいじゃないですか」と怒声も上がった。

 その後、最前列の2か所と最後尾左側の非常口が開いて脱出が始まり、乗客は押し合うように脱出用シューターに向かった。客室乗務員は、「順番に脱出してください」と冷静な対応を求めていたという。中央付近の座席にいた男性客は着陸から10分ほど、後方にいた男性客は15分ほどで無事に脱出できた。

 日航によると、機長らは逃げ遅れがないか1列ごとに確認し、とどまっていた乗客には前方への退避を促した。後方の非常口の開放は、乗務員が機転を利かせて行ったという。

 乗客の脱出が完了し、機長らが最後に滑走路に降り立ったのは、着陸から18分後の午後6時5分だった。それから約10分後、機体は大きな爆発音とともに激しい炎に包まれた。

「奇跡の脱出」は日ごろの訓練があってはじめて出来たことだ。当たり前のようなことがなかなか出来ないのが現実である。現に1986年6月福岡空港で起きたガルーダ・インドネシア航空の事故ではCAが真っ先にしかも荷物を持って脱出してしまった例もあるほどだ。

もう一つほぼ全員が日本人だったことも大きい。ことさらに国名は挙げないが、他を押しのけ、時には殴りかかっても我れ先に殺到する群衆行動が当たり前の国は世界に多いのだ。日本人は素直にCAなど乗員の指示に従う。それが一番効率的な団体行動だということを知っているからだ。

事故原因だが、管制官との交信記録をみると海上保安庁の航空機長の誤認によるものという見方が強い。

【交信記録】
17:43:02  JAL516 東京タワー(管制)、JAL516 スポット18番です
      東京タワー JAL516、東京タワー こんばんは。滑走路34R(C滑走路)に進入を継続してく    ださい。出発機があります
17:43:12 JAL516 JAL516 滑走路 34Rに進入を継続します
17:43:26 DAL276 東京タワー、DAL276 誘導路上Cにいます。停止位置に向かっています
        東京タワー DAL276、東京タワー こんばんは。滑走路停止位置C1へ走行してください
DAL276 滑走路停止位置 C1 DAL276
17:44:56 東京タワー JAL516 滑走路 34R 着陸支障なし。
17:45:01 JAL516 滑走路34R 着陸支障なし JAL516
17:45:11 JA722A タワー、JA722A C誘導路上です
東京タワー JA722A、東京タワー こんばんは。1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください
17:45:19 JA722A 滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう
17:45:40 JAL179 東京タワー、JAL179 滑走路停止位置C1へ走行しています
東京タワー JAL179、東京タワー 3番目。滑走路停止位置C1へ走行してください
JAL179 滑走路停止位置C1へ走行、離陸準備完了
17:45:56 JAL166 東京タワー、JAL166 スポット21番です
東京タワー JAL166 こんばんは。2番目、滑走路34R進入を継続してください。出発機あり。160ノットに減速してください
17:46:06 JAL166 減速160ノット、滑走路34R 進入を継続。こんばんは
17:47:23 東京タワー JAL166、最低進入速度に減速してください
JAL166 JAL166

17:47:27 3秒無言

事故が起きたC滑走路は当時、2人の管制官が担当し、両機に指示を出していた。

交信記録では管制官が2日午後5時45分に海保機に英語で、「1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と指示し、海保機長は「滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう」と回答。海保機はその後、滑走路に進入し、日航機と衝突した。

元日航機長の土井厚氏によると、離陸する航空機は通常、緊急時にも余裕を持って停止できるよう滑走路全体を使って離陸するが、海保機は滑走路の途中を指す「C5」から離陸する「ショートフィールドテークオフ(短距離離陸)」を要望していたことが読み取れるという。この状況から土井氏は「海保機は早めに離陸したいという状況だったのではないか」と分析する。

さらに、土井氏は海保機長が「1番目」と復唱している点について、管制官は離陸の順番が1番目という意味で伝達していたが、「海保機長は1番目と復唱しており、急ぐ思いもあり、1番目と言われたから入っていいと錯覚した可能性がある」と推察する。

また、管制官は日航機の次に到着する便に対し、減速を求める指示を出している。土井氏は「管制官は日航機を着陸させた後に海保機を離陸させようとしていた。プロペラ機でも安全に出発できるよう次の到着便にゆっくり来てくださいと指示している」とする。

土井氏は、事故は一つの間違いではなく、さまざまな原因が連鎖して起きるとし、「海保機長が管制官の指示をどう判断したのか、海保機のボイスレコーダーがあるなら検証する必要がある」と述べた。(産経 大渡美咲記者) 

三大激痛のうち2つを発症した年末に思う

「三大激痛」と言われるものがある。 1,尿管結石. 2,痛風発作. 3,心筋梗塞. 、である。「3」は胆石や帯状疱疹が入ることがあるが、1と2は不変である。ブログ子はその2つの激痛を体感したのだが、どういうわけか年末の寒い時の暴飲暴食と関係があるようで、この時期になると思い出す。

尿管結石は日吉にあった新聞社の寮で午前2時ごろ発症した。あまりの激痛に歩くのもままならず数百メートル這うようにして医院のドアを叩いた。だいぶたって医者が起きてきてペッタラペッタラとスリッパの音が聞こえたが、「どうして走ってこないのか」と怒鳴りたいくらいである。やっと診察室に入ったら、「痛い痛い」と言いながら胆石の患者が入ってきて、医者はそちらの診察を先にするという。もう怒りで一杯だった。

「多分、尿管結石でしょう。こんな時間の急患に多いです」とブスコバンという尿管拡張剤を注射されたが、注射器の半分ほど入った段階で痛みはスッと消えた。帰りは口笛を吹いて帰った。

尿管結石は何度も発症するという困った性質がある。このあと1年後には新宿区の聖母病院で摘出手術を受けた。痛い時の手術なら甘受するがなんともなくなってから切るというので「脱走」し、総婦長から厳重注意されて7ミリほどの結石を「記念」にもらった。さらに2,3年後に大学付属病院に駆け込んだ。「尿を試験管に取ってください」と言われトイレで用を足したらカチンと音がして結石が排出され、手術を免れた。

さらに10年ほど後に発症したが、手術方法が進歩して超音波を患部に発射するという破砕手術が主流になっていて、防衛庁長官紹介(当時)で世田谷の自衛隊中央病院でダンダンダンダンと1800回ほど結石に照射(結構痛い)して一晩念のため入院して事なきを得て今に至っている。

痛風の方は原因ははっきりわかっている。鳥羽国際ホテルに取材で出かけた。ディナーには松坂牛コースと伊勢海老とアワビの海鮮料理の2コースがありますと言われた。生来意地汚くできているので、両コースを一度に頼んだ。翌日帰京して東横線に乗っていたら発症した。足の親指が痛くて靴を脱ぎ靴下だけでコンコースを歩いていたら皆振り返って靴をぶら下げた奇人を見ていた。練馬の親戚の医院に駆けつけて「どうも外反母趾のようだ」と申告したら「お前さんハイヒールでも履く趣味があるのかい。この尿酸値は立派な痛風だよ」と言われた。

話が変わるが、毎年秋にイグ・ノーベル賞の発表がある。 人々を思わず笑わせ、考えさせてくれる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」はノーベル賞をもじって名付けられ、毎年、ユーモアにあふれた10部門の個人やグループに贈られる。1991年に始まり、今年で33回目を迎えたが、日本人研究者は17年連続で受賞という優秀な成績を挙げている。

一見、役に立たない研究や失敗続きの研究にこそ、無限の価値が潜んでいるということを示していてブログ子は大好きだ。今年は日本人の連続受賞は途絶えたが、日本でも公式イベントが12月17日、東京都江東区の日本科学未来館で開かれたニュースを見た。

このうち、2018年に医学賞を受賞した研究に尿管結石はジェットコースターに乗れば「出る」というものがある。研究を行ったのはデイビッド・ワーティンガー医師とマーク・ミッチェル医師。患者がフロリダ州にある遊園地のディズニーワールドから帰ってくるなり、「先生!ビッグサンダーマウンテン(ディズニーワールドにあるジェットコースターの1つ)に乗ったら石のうちの1つが通ったよ!」とワーティンガー医師に報告してきた。

ビッグサンダーマウンテンは「鉱山列車が、荒野を急旋回する」ことがテーマのライド。日本の東京ディズニーランドにもあるがブログ子はオーランドのディズニーワールドで乗ったことがあるが、この時は発症していなかった。

受賞した医師は、3Dプリンターで尿路のシリコン模型を作り、大きさの異なる3つの石や尿も含め、ある尿路結石患者の腎臓系を忠実に再現した。その模型をリュックに入れ、腎臓のある辺りの位置で抱え、医師自身で20回、ひたすらジェットコースターに揺られた。

 患者の言っていたことは本当だった。腎臓模型の中で確かに石が通ったのだ。ワーティンガー医師は、ジェットコースター後方の席に座った時のほうが、前方の席に座った時よりも、腎臓から尿路へ結石が移りやすいことを確認した。

 石の大きさにかかわらず、前方座席では17%の確率で通った一方で、後方座席では64%の確率で通った。後方座席のほうが揺れが激しいから、と推測している。

 ビッグサンダーマウンテンはライドのテーマからもガタガタ動くように設計されており、乗客は横に細かい振動で揺さぶられる。一方、スペースマウンテンなどは速度が速過ぎて、加減速のたびにかかる重力により、反対に石が固定されてしまうと、ワーティンガー医師は推測している。時速65キロメートル以上であれば良いが、時速160キロメートルでは速過ぎるらしい。

 医師たちは、一度石が通った後も定期的にジェットコースターに乗ることで、大きな石の発生の予防にもつながるだろう、と結論付けた。ジェットコースターに乗ることで直径6ミリメートル以上の石が通る確率は1%程度なので、6ミリメートル以下の石なら試す価値あり、とのことだ。

 カルシウムや尿酸が尿路に蓄積してできる結石。原因は不明な場合が多いが、動物性タンパク質の過剰摂取はリスクを上げるとされている。日本人では男性で7人に1人、女性で15人に1人が一生のうちに一度は尿路結石ができるとされている。

御用納めというのに、東京地検特捜部が朝日新聞にリークしての安倍派叩きに躍起になっている。政治資金パーティー収入の一部「不記載」にすぎないのだが、朝日は「安倍派裏金事件」と言い募る。

安倍派が「出来損ない」議員が多いわけはこのブログでも書いた。これ以上屋上屋を重ねても不愉快なので、年の瀬、ブログ子の「三大激痛」騒ぎの顛末をお目にかけた次第。

職業に貴賎あり (その2)

「職業に貴賎なしというのはウソである」と喝破したのは山本夏彦翁である。「職業に貴賤あり」とのタイトルで以前このブログで書いた(http://h-h-a.org/miyazaki/?p=3379)ので「その2」としたが、今回書く賎業は新宿歌舞伎町などにはびこるホストクラブとそれに銜え込まれて売春に身を落とす若い女性たちである。

ルポを読むと、「歌舞伎町の大久保公園周辺では、女性たちが片隅に立って並んでいる。座っている人もいれば、外国人女性の姿もある。男が『条件は?』というと、女が数字を告げる。そのまま二人はどこかへ消えていく」とある。ブログ子はこのあたりに行きつけの焼き肉店があったので知っているが、その頃は普通の公園だった。大久保公園に多くの女性“立ちんぼ”が目立つようになったのは、コロナ禍が始まった頃だという。

先月一か月で警視庁が検挙した“立ちんぼ”は数十人に上る。異常な数である。しかも、こうしたのは東京だけでなく大阪・キタの兎我野・太融寺周辺の「アメリカン通り」でも大勢の“立ちんぼ”が見られるという。ここもブログ子はよく知っている。20代の社会部記者時代、クリスマスイブに、タクシー汚職で逮捕まじかの代議士が泊るホテルの下で、一晩中見張ったところだ。

身を落とす多くはホストクラブで多額の「売掛金」を抱えて、その返済のため身を売るようになった女性だ。ホストクラブなどというところに行けばどうなるかくらいの分別がつかないのか。不思議に思いホストクラブ経営の男性「G」氏の対談を読んでみたら、なるほど、巧妙な仕組みがあるようだ。

以下、そのホストクラブのベテランの見立てである。
 ──ホストにハマる女性たちは、俗に「ホス狂い」などとも呼ばれます。どのような女性がホストにハマっていくのでしょうか? 

G氏 : どちらかというと豊かな家庭から出てきた女性が多いですね。一人暮らし、地方の出身、ちょっとメンタルが弱く、一生懸命勉強してきたような、男性経験が少ない女性です。親もしっかりしていて、大学や大きな会社への就職が決まり東京に出てきた。そういう真面目な女性が引っかかる。地方出身が圧倒的に多く、全体の8割以上。

 ──女性たちはどのようにしてホストにハマり、売掛金を増やしていくのでしょうか? 

G氏 : ホストは巧みな恋愛詐欺商法を使います。まず、SNSなどを通じてターゲットを引き付け、自分たちが配信しているものにリツイートやハートを付けたりしたら、『1回会いませんか』とメッセージを送り、巧みな話しぶりで3000円の体験入店まで持っていく。女の子が初来店した段階で「この娘ならあそこに売れる」「このくらい稼げそうだ」という想定まで立てる。『この娘はキャバ(キャバクラ)』『この娘はデリヘル(デリバリー・ヘルス)』なんて考えながら値踏みをする。

 初日は、体験入店でいい気分にさせてLINEを交換するぐらいで十分です。「今日は運命の出会いだったね」などとメッセージを送り、翌日の「おはよう」から始まって、日に100回くらいメッセージを送っていく。女の子からしたらかっこいい男の子から優しいお姫様扱いをしてもらえるので気持ちがいい。

 2回目の来店では3万円使い、「やっぱり私この人が好きだ」と女性は実感する。ホストはこの段階で女性客をホテルに連れて行き、体の関係を持ちます。まず惚れさせる。これが常套手段です。よく売れそうな娘を仕込んでいくのです。3回目の来店では、ボトルを入れて、30万円くらいポロっと出してしまう。

 ──二十歳の女の子が、その段階で30万円出せるのですか? 

G氏: 支払いは後払いです。30万円でも、300万円でも、後払いだから出せる気になってしまう。これが売掛です。実際は「後から体を売って返してもらう」という構造です。男と女の関係になっているからどうしても会いたくてまた店に来てしまう。「今日は手持ちだけでいいよ」「後はツケで」「君は俺の女だから」などと言葉を並べる。

 この段階になると、もはや外から口を差し挟むことはまずできません。マインドコントロールです。ホストには店の先輩が洗脳ノウハウを教え込むし、マニュアル本の存在もあります。みな訓練してやっていることです。

 ──ホストクラブに一度でも行くことが危険ということですか? 

 G氏: そうです。ホストクラブはハイエナ集団です。全部やられますよ。貢がせる金額は、以前は1000万円や2000万円というレベルでしたが、最近はその額が上がり、9000万円あまり貢いでいるケースも。8年くらい貢いだ人もいるし、2年間くらい海外で売春をして稼いでくる女性もいます。
◇ ◇ ◇

さすがに国会でも規制の動きが出てきた。塩村文夏参院議員を中心に、ホストにハマっている娘を持つ親などから窮状をヒアリングしてきた立憲民主党は、国や自治体に相談体制の整備などを求める法案の骨子をまとめ、今国会への「悪質ホスト対策法案」提出した。

「この案は、売春防止法や消費者契約法など現行法の範囲内で取り組みを進めるもので、問題の根底にある『売掛金』規制にまでは踏み込めなかった。ホストクラブだけを狙い撃ちにして売掛金を規制するのは法の下の平等に反する、という根強い批判があるためです。問題の認知を広めることに目的を置いた法案で、実効性に乏しい内容になってしまった」(政治部記者)

東京都新宿区は歌舞伎町の主要ホストクラブの代表者らと会合を開き、ホストクラブ側が4月までに売掛金による支払いを廃止する方針を明らかにした。客への売掛金をホスト個人に肩代わりさせる慣習もなくすという。

区内のホストクラブ約300店舗のうち歌舞伎町の約220店舗が加盟するホストクラブ18グループが参加。会合では、来年4月までに売掛金をなくす、高額な支払いをするために過酷な勤務をあっせんする反社会勢力との関係を断絶するなどを約束した、と新聞記事にある。新宿区だけでホストクラブが300もあること自体異常である。

ブログ子に言わせればいずれも「やってる感」を見せるだけのまやかしだ。土台、女をダシに食ってる連中が飯のタネを簡単に手放すものか、誰にでもわかる茶番である。

冒頭に紹介した山本夏彦はこうも言っている。「私は衣食に窮したら、何を売っても許されると思うものである。女なら淫売し ても許される。ただ、正義と良心だけは売り物にしてはいけない」

はっきり言うが、これは賎業である。賎業には賎業の対処法がある。誰が何と言おうとホストクラブなどというものを抹殺することである。

一気に政局へ 岸田政権の後に誰もいない事態

自民党の「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していた疑惑。どの派閥もやっていることで「そのうち…」と思われたが、東京地検特捜部の本気度が明らかになって、ターゲットとみられる松野博一官房長官(61)を更迭する運びとなった。岸田首相はこれで逃げるつもりのようだったがどうしてどうして、西村康稔経済産業相(61)、塩谷立・元文部科学相(73)、萩生田光一・同党政調会長(60)、高木毅国会対策委員長(67)、世耕弘成参院幹事長(61)も派閥側から還流を受けていた疑いがでてきた。安倍派幹部6人全員が追及を受ける事態だ。

自民党最大派閥「安倍派」(99人)解体の危機だが、ブログ子は「これでよかった」と思う。このブログで前々回「安倍派が『魔の3回生』など落第生ばかり抱えた訳」を書いた。これを見てもらえば、安倍晋三首相の下で大勝したばかりに、出来の悪い安倍チルドレンがドバっと衆議院議員となり多くが安倍派になだれ込んだわけがわかると思う。

ブログ子は安倍晋三・幹事長に頼まれて、戦後史を何一つわかっていない1年生議員にネット教育したことがあるので、出来の悪いことはよく知っている。今では「魔の4回生」だが、その後の不祥事の数々は皆さんがご存じのとおりである。

安倍派は陣笠の下の者の出来が悪いばかりか上の者の出来も悪かった。上述の追及を受けている安倍派幹部6人の名前を見てもわかる通りだ。世耕弘成はNTT出身である、役員をしていた義兄の下にいたので少し知っている。また聞きだが「並み」の出来だという。あとは名前だけで知らない。

よく次期首相候補として名前が挙がる萩生田光一はその気で見ていたが見掛け倒しだった。いい例が文部科学大臣に抜擢された時だ。左傾した学術会議に断を下すかと思ったらスルーである。教科書検定ではこれまた左の検定委員会の言いなりだった。自虐歴史観を正そうという「新しい歴史教科書をつくる会」の中学教科書だけ取り上げて405箇所の欠陥箇所を指摘、1箇所も反論を認めず「不合格」の宣告をした。これにより今なお慰安婦問題など偏った教科書が教室で使われている。

安倍派が「6人衆」ともども、つぶれても何の影響も出ないだろうが、岸田政権はもう持たない。キックバックは1000万円程度だと「記載訂正」くらいで逃げられる。特捜部が松野博一官房長官をターゲットにしているというのはそれ以上、億単位の金を手にした証拠があるとみられる。「政権ナンバー2」が司直の手にかかるとなれば岸田政権は持たない。一気に政局である。

ところが自民党にはろくなタマがいない。野党が政権を取るチャンスだがこれまた絶望的だ。立憲民主党など自民党ともども議席を減らすのは必至という情けない政局である。不勉強なメディアでは「小石河」の名前が挙がるがブログ子の見るところ何をかいわんやである。石破茂は「後ろから鉄砲を撃つ」男として有名だ。何より首相づくりの場面に力を持つ麻生太郎が大嫌いで許すはずがない。小泉進次郎は言葉を並べているものの中身がまったくない「迷言」ばかり目立ち、ネット上では「進次郎構文」などと揶揄されるばかりでとても務まりそうにはない。残る河野太郎もデジタル相でマイナンバーカードを振りかざしてスタンドプレーは目立つが実績は何もない。何より親父が悪い。従軍慰安婦なるものを認め軍の関与まで認めた「河野談話」が今なお禍根を残しているのに、その息子を総理大臣にしたらどうなることか。

消去法で浮上してくるのが上川陽子外相や高市早苗経済安全保障大臣である。あらゆる会議や会社で「女性比率が低い」とやり玉にあがるご時世である。時流にかなっているというメリットもある。

誰が総理になったところで、かつて日本の総理大臣が1年ごとにくるくる変わった悪夢の再現になるのではないか。

政界のねずみ男、鈴木宗男の「1億円集金能力」の裏側

政治資金パーティーの収入額が公表され、トップの麻生派収入総額2億8658万円以下、自民党6派閥の「稼ぎっぷり」にメディアの批判が集まっている。

パーティー券の購入で名前や住所などが公表されるのは1回につき20万円を超える場合だけで、名前を知られずに事実上の政治献金ができる仕組みで「企業献金の抜け道になっている」というのだが、何をいまさら。立憲民主党の安住淳国対委員長すら記載漏れで謝罪しての通り、政治資金規正法の裏道など大昔からわかっていることで、新聞記者の不勉強が目立つだけである。

それより、ブログ子はリストの8番目にある「鈴木宗男 1億1439万円」に注目する。並みいる派閥に伍して個人でこれだけの集金力があるのはなぜか、政治記者ならそこを調べるべきであろう。

この人、ロシアのウクライナ侵攻をめぐって、先のサミットでは「ウクライナだけを呼んで、一方の当事国ロシアに声をかけないでは話し合いにならない」、「国力の差からロシアが負けることはない」とむき出しのロシア擁護派である。身を寄せている維新から「行くな」と言われているのに強引にロシア入りして、除名処分を受けるところだったが、10月10日、通告に来た馬場伸幸代表に先に離党届を出して機先を制すなど、海千山千ぶりである。

ブログ子は「鈴木宗男」については中川一郎の自殺時から知っている。次期首相を目指したニューリーダーの一人が1938年(昭和58年)1月9日、札幌のホテルで縊死した。死因についてはいろいろ言われたが、その一つに、秘書の鈴木宗男が親分に盾ついて同じ地盤から出馬するのを気にかけて…というのがあった。

単なる秘書という枠を超えて画策する人物だということはいろいろ証言があったが、確たる証拠とてなく沙汰やみになった。しかし親分が「北海のひぐま」の異名を取ったのに習って「ねずみ男」という呼び名は残った。

その後の政界活動について述べるいとまがないが、彼の票田は北方領土問題である。1992年に始まる「ビザなし交流」を契機として旧島民の墓参りが始まるや国会議員として初めて国後島訪問し、のち日本政府が4億円超の資金を出し、完成させた宿泊施設は通称「ムネオハウス」と呼ばれた。またここは鈴木宗男の秘書による入札妨害事件の舞台ともなった。しかし、現在では日本人の訪問は途絶え、「友好の家」と名を変えて、胸に一物ある中国人の宿泊施設になっているとか。

さて本題の「鈴木宗男 1億1439万円」である。どこから集まったのか。釧路、根室、斜里、羅臼、網走といった彼の選挙区であることは容易に察しが付く。この海域は戦後ソ連による漁船拿捕が相次いだところで、「1984年に領土問題を棚上げして結んだ「日ソ漁業協定」が現在も続いている。

サンマ、イカ、スケトウダラに始まってカニや昆布まで日にちを決めて漁船が一斉に漁場に向かう写真は風物詩となっているから見た人も多いと思うが、一方、ロシア側の胸先三寸でふたたび拿捕が始まる危険をはらんでいる。

そこで、登場するのが「鈴木宗男」である。ロシア側は間違いなくこの人物を利用することは間違いない。

ブログ子は旧ソ連時代「ソ連大使館広報部長」とは銀座を飲み歩く仲だった。「シベリア鉄道1週間の旅」という企画が持ち上がった時、このままではKGB(秘密警察)要員が列車の4人掛けシートを占めるのはわかりきっていたので、自由に一般市民に乗り降りさせてほしいという取材上の要望をかなえてもらうためである。当人もほぼKGBだろうから、念のため警視庁の公安にも接触を伝えておいた。

バー一軒でボトル一本開ける酒豪がぽつりと漏らした一言は北方領土にも彼らの工作が及んでいることを意味していた。KGB(カーゲーベー)のソ連からロシアになってFSB(連邦保安庁)になったがやっていることは同じである。

どう利用するかだが、これからは推測であるが、「鈴木宗男」を「ロシア大使館釧路領事部」といった扱いにするのではないか。KGBの手口だと、いざ拿捕というときに、密通した漁船名リストを持っているか、あらかじめ決めた旗印を掲げさせるかなどが考えられる。

「鈴木宗男 1億1439万円」には北方漁場でこうした事情をよくわきまえている漁業関係者たちが、いざというときの保険をかけての献金の意味ではないか。

ブログ子の推測が杞憂であればよいが。

語るに落ちる 元慰安婦・李容洙95歳のウソ

韓国人元慰安婦らが日本政府を相手取り、損害賠償を求めた訴訟で23日、ソウル高裁は原告の請求を却下した1審・ソウル中央地裁判決を取り消し、請求通りに元慰安婦の原告1人あたり2億ウォン(約2300万円)の支払いを日本政府に命じる判決を言い渡した。

やれやれ、またかと、いまだに「ゆ(揺)すり・たか(集)り」体質から脱却できない韓国というさもしい国に溜息がでる。朝日新聞が一役買った「従軍慰安婦」なるものは、存在しなかったことは今では歴史的に証明されている。韓国内の良心的研究者たちもそう断じている。日本軍による公的な慰安婦の強制連行を否定的に論じた著書「帝国の慰安婦」を書いた韓国・世宗大の朴裕河(パク・ユハ)名誉教授(66)の上告審判決で、韓国最高裁は先月26日、「無罪とみるべきだ」として審理を高裁に差し戻したばかりである。

上の写真は23日の逆転勝訴の判決を受けて支援者らと喜び合う原告の李容洙(日本読み『り・ようしゅ』=韓国読み『イ・ヨンス』)である。「日本は心から謝罪し、原告らに法的な賠償をすべきだ」と意気揚々と語っているところだ。

だが、語るに落ちるとはこのことであろう。髪は黒々肌はつやつや、手に皺もなく80代、いや70代と言っても通じる。1928年12月13日生まれ、まもなく「95歳」になるとは誰が信じるか。それもそのはず、その証言はほとんどウソで固めたものである。

「1944年、16歳の時、軍人が夜半に押し入り刃を突き付けて連行され、船で台湾に連れていかれ、ここで慰安婦にされ性病も移された」と言うのだが、敗戦濃厚なこの時期に日本兵がわざわざ少女を台湾まで連行するか、慰安婦にするなら台湾でいくらでもいるだろう、と疑問を持った評論家の秦郁彦が問い詰めたところ、ぽろぽろとつじつまが合わないウソが出てきた。

決定的なのは元挺対協代表、尹美香国会議員の証言だ。この二人、元は慰安婦問題では「共闘」していた仲だったが、2015年の韓日(慰安婦)合意で朴槿恵政権が受け取った10億円の分配で仲間割れした。尹美香は慰安婦問題を利用して国会議員にまで上り詰めた人物だが、私用のコンビニの支払いまで慰安婦問題で得た金を使ったことでいくつも起訴されている。

その尹美香が2020年5月9日、李容洙の経歴詐称を公表した。「(イ・ヨンスが)1992年に告発の電話をかけてきた時、蚊の音ほどの声で震えながら、『私は被害者ではなく、私の友達が…』と話し出した当時の状況を昨日のことのように覚えている」とした。年齢詐称が大きくなるにつれ、日本兵に連れ去られたのは自分ではなく、友達の話、と言い出したわけだ。

戦後78年。「ピー屋」(兵隊用語で慰安所のこと)に居た女性も90歳をはるかに超えていよう。現に今回の原告16人のうち生存しているのは李容洙ただ一人だという。このことが何より彼女のウソを証明している。

韓国の「反日無罪」は度を越している。日本は「三権分立 」が確立しているが、大統領制度の韓国では大統領の権限がその上にある。だから文在寅前大統領のように、判決文など一度も書いたことがない人間を最高裁判所長官に据えることも可能である。おかげでどれだけ「反日」判決が出たことか。

加えて、ハンギョレ新聞を筆頭にこぞって反日を煽り立てる左傾マスコミが控えている。日本駐在の特派員は重箱の隅をつつくように反日ネタを探してきては書きまくる。その記事量が多いほど評価されるというからあほらしい。

もう一つ平気でウソをつく軍部も反日に加勢する。いい例が「レーザー照射事件」である。2018年(平成30年)12月20日15時頃、能登半島沖の日本海において韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」(クァンゲト・デワン、DDH-971)が海上自衛隊のP-1哨戒機に対し、攻撃を意図する火器管制レーダー(射撃指揮システムで使用されるレーダー)を照射した。音声や映像の動かしがたい証拠があるのに、韓国軍は「日本の本の哨戒機が低空威嚇飛行をした行為そのものが非常に危険な行為であった」として逆に謝罪を求めてきた。

こうした高圧的な態度は「文在寅の犯罪」に数え上げられるが、昨年一転して尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領になって日米韓の同盟を強化する姿勢に変わった。3カ国による共同訓練や北朝鮮のミサイル情報のリアルタイム共有など矢継ぎ早に打ち出してきた。しかし、今ここに至っても、韓国軍はレーザー照射については一言も謝罪していないのだ。

それなのにことし6月4日 、 シンガポールで行われた浜田靖一防衛相と韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防相との会談の結果、照射の事実解明を棚上げしたまま、類似事案の再発防止を図ることで手打ちときた。

文在寅時代「もはや日本からの支援などいらない」と啖呵を切って打ち切ったはずの日韓スワップ協定も再開を決めた。岸田首相の支持率は危険水域まで落ち込んだ。「外交の岸田」だそうだが、何を言うか。こうした韓国への「大甘」態度を批判的に見ている国民が多いということではないか。

「じゃこ天」騒ぎ 愛媛県知事のいなせなこなしに感心

当用漢字では使えないが本来の漢字「鯔背」と「熟す」と書くとわかるだろうが、愛媛県の中村時広知事の対応にいたく感心した。

 ことの発端は、10月23日、秋田県の佐竹敬久知事が秋田市での会議で愛媛県の特産品「じゃこ天」を「メインディッシュがいいステーキだと思って開けたら、じゃこ天です。貧乏くさい。酒もうまくない」などと四国の食事を酷評したことだ。

ブログ子は関西育ちで愛媛県には何度か足を運んだことがあるが「じゃこ天」なるものは知らなかった。はるか離れた秋田県でじゃこ天を貧乏くさいと貶すほど食べられているわけを知りたいくらいだ。

最近のぎくしゃくした風潮からは、怒髪天を衝く反発があってもおかしくないところだが、愛媛県の中村知事の反応は違った。 「刺激的な発言だったが、悪気があったわけでなく、笑わせようとしたのだろう。報道され、じゃこ天の知名度は格段に上がった。禍福は糾(あざな)える縄のごとし。人間万事塞翁(さいおう)が馬。何がどう変わるか分からない。お互い未来志向で明るくいこう」

中村知事は松山市長時代に、秋田市長だった佐竹知事とともに全国市長会の役員を担ったことがあり、旧知の間柄だったのも幸いした。佐竹知事はその後、4県の知事宛てにおわびの書簡を送ったところ、5県での物産展の開催を提案された。

さっそく11月15日、東京都内で物産展が開かれ、冒頭で佐竹知事は「本当に申し訳ない。四国の方々の寛大な気持ちに恥じ入る」と改めて謝罪。一方、中村知事も「あんまり気にされんでください」といたわるなど和気藹藹(写真上)。会場では5県の特産品セットが50個用意され、イベント開始前に完売。知事らが購入者に手渡した。秋田県出身という40代の女性は「高知のユズポン酢しょうゆが好きなので買いに来た。四国の知事の心が広くて助かった」と話していたという。

このブログでも再三書いてきたがろくでもない知事が多い。訳が分からないリニア反対で「掘って出てくる水を一滴残らず川に戻せ」の川勝平太静岡県知事。慰安婦像の展示や昭和天皇の肖像を燃やすシーンがある映像作品などに支援を惜しまない大村秀章愛知県知事。直近では東京五輪招致のためIOC委員に官房機密費から1冊20万円でアルバム作った」とぺらぺらしゃべった馳浩石川県知事。さらに言えば辺野古埋め立てに盾ついて中国まで挨拶に行った玉城 デニー沖縄県知事。枚挙にいとまがない。

知事というのは昔で言えば「殿様」である。殿様はその土地土地に密着していたから領地の安泰第一でめったなことでは暴走しないものだが、戦後は「よそ者」ばかりで、己が意固地に邁進するせいだろう。愛媛県知事のような鯔背な男が増えることを切望する。

安倍派が「魔の3回生」など落第生ばかり抱えた訳

自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会、99人)に不祥事が続いている。税金滞納問題を受けて13日に財務副大臣を更迭された神田憲次衆院議員、女性記者に対するセクハラ疑惑や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係をきちんと説明できないまま細田博之前衆院議長も10日に死去した。

「青木の法則」というのがある。内閣官房長官を務めた青木幹雄が提唱したもので「内閣支持率と政党支持率の和が50ポイントを下回ると、政権が倒れる」とされる危険水域だが、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が11、12両日に実施した合同世論調査によると56・8%である。あと7ポイントほどしかない危険水位に近づいている。

「魔の3回生」という出来の悪い議員集団がある。今回更迭された神田憲次もそうだ。その「3回生」はその後再選されているので「魔の4回生」と呼ぶべきだろうが、それは措く。このグループは折々、時の政権の足を引っ張って苦境に陥れてきた。麻生太郎が副総裁時代に「気をつけよう、暗い夜道と3回生。あぶねーヤツいる」と喝破した連中である。

 代表的なのは、同僚議員だった妻が出産入院中の不倫が発覚して議員辞職した宮崎謙介、秘書に対する「このハゲーーー!」のパワハラで有名になった豊田真由子、路チューが報じられた中川郁子と門博文、今年6月に秘書が車検切れの車で当て逃げ事故を起こした時に本人も同乗していた武井俊輔元外務政務官も「魔」の一員で、挙げればきりがない。近くではフランスへの女性議員の海外出張時に、SNSに物見遊山ぶり丸出しの写真を投稿して「エッフェル姉さん」の異名をとった松川るい参院議員もそうだ。

 民主党政権への逆風が吹き荒れていた2012年の衆院選では、安倍氏の再登板で自民党が圧勝し、新人119人が当選した。その後の14年「アベノミクス解散」、17年「国難突破解散」でも自民は衆院選で大勝した。彼らは「安倍チルドレン」と呼ばれた安倍氏の下での衆院選しか経験していない。「地盤」「看板」「鞄」の「三バン」がない上に「常識」がないのは当時から危惧されていた。

議員の劣化は「魔の3回生」以前から問題視されていた。ブログ子は安倍晋三・幹事長の時に自民党本部に呼ばれた。「ネットで政治史などの講座で教育強化できないか」というのだ。私が夕刊フジのデジタル版「ZAKZAK」を立ち上げたことが業界3位の代理店を通じて耳に入っていたらしい。

自民党の幹事長は「二ケタ億円」の自由になる金庫を持っている。必要な金はここから出るということだった。サーバーを借り上げて若手議員対象に有料のネット講座を開設し、新聞社の政治部長と安倍幹事長の対談で自民党の55年体制以降の流れや、ポツダム宣言受諾後の武装放棄後にもかかわらずソ連が満州と北方領土に侵攻したいきさつ、朝鮮戦争の経緯、台湾問題など保守政党の議員なら知っておくべき政治史を流した。2年ほど続いたが彼らの反応は鈍かった。

「魔の3回生」は各派閥に分散したが一番多く入ったのが安倍派である。安倍派(清和政策研究会、99人)は元「細田派」といった。今月死去した細田博之前衆院議長である。自民党最大派閥ではあるが、「安倍晋三」一人突出してあとは「烏合の衆」に近かった。それが凶弾に倒れた。後をどうするという段になったらトップに立てる人材もなく、塩谷立座長の下、松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長、高木毅国対委員長5人の集団指導体制だという。

派閥というのは端的に言えば、親分を総理にするための集団である。それが5人もいるというのでは、もはや派閥の体をなしていない。遠からず分解するのであろう。

自民党弱体化の元凶は「魔の3回生」ばかりではない。もはや「家業」になっている世襲議員の多さ、派閥の長のリーダーシップの不足・・・いろいろあるが、共通しているのは選良としての「志」の低さである。

ブログ子は無党派層の自民党離れの象徴として「日本保守党」に注目している。大手メディアは無視しているが、党員数が5万人を優に超えたという。党費は年6000円で、自民党より2000円も高いのに、だ。新橋駅頭や秋葉原、名古屋の街頭演説には物凄い聴衆が集まった。大阪梅田では陸橋の上まで人で埋まり、危険だとして警察から中止要請が出たという。

ブログ子は旗揚げ当時「夕刊フジ新党」と呼んでいた。発起人の百田尚樹代表(67)、有本香事務総長(61)ともに夕刊フジを舞台にする論客だったのと、政治の弛みにたまりかねての結党宣言も夕刊フジ紙面だったためだ。

新党というのはスタート直後はブームになるが尻すぼみが多い。党勢拡大を急ぐあまり「タマ」不足(人材難)が露呈するからだ。公明党を上回る勢いだった「日本維新」が最近あちこちの選挙で敗退しているのもそうだ。「日本保守党」も舌禍が心配な河村たかし名古屋市長を抱え込んだあたり少し危惧するが、今後「いいタマ」を揃えられるかどうか。

岸田内閣支持率下落の原因は日本の「国柄」を示せないからだ

岸田内閣支持率は共同通信の世論調査では28・3%(3~5日実施)にまで落ち込んだ。危険水域だ。その原因について、「1人あたり所得税と住民税で4万円減税」というしょぼい政策や総理や閣僚を含む「特別職」の国家公務員の給与を引き上げる「お手盛り」批判を挙げるメディアが多い。

何を馬鹿なこと言っているか。ブログ子もたった一回4万円減税などしょぼいと思う。が、ありがたがるのは公明党ぐらいでそんなことで政権批判する人間はいない。給与引き上げと言ったって総理の年額支給4000万円に対し「総理は年間で46万円、閣僚は32万円アップ」である。日本国を引っ張る対価としては微々たるもので返納などと言わず、堂々ともらえばいい。

岸田政権が評価されないのは、「鵺(ぬえ)のような」、つまり”何だかよくわからない”政権運営にある。安倍晋三政権にあったような日本という国の姿勢を世界に示す性根が見られないのである。

直近の例を挙げる。イスラエル・パレスチナ戦争とろくでなし国家、中国が沖縄県・尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内に無断で「海洋ブイ」を設置したことに対しいまだに撤去に踏み切れないでいる、まさにその鵺のような姿勢が国民に見透かされているのである。

ハマスの攻撃でイスラエル側に1400人の死者(その後ハマスの戦闘員がカウントされていたと1200人に修正)、パレスチナ側死者1万人超。

我が国の対応ときたら「イスラエル及びパレスチナ自治政府間の直接交渉が現在中断されていることを憂慮するとともに,双方に対し交渉の再開を強く要請する」である。 これはもう立派な戦争である。勝つか負けるかしかないのが戦争だ。それなのに『双方に自制を求める』はないだろう。

「G7の中で日本は欧米と違う。アメリカはユダヤの人たちの影響力があり、大統領選挙も控えている。イギリスは”三枚舌外交”の歴史、ドイツはホロコーストの歴史がある。日本は是々非々でいいのではないか」(外務省関係者)関係者)。この期に及んで日和見は許されないのに、こののんびりぶりは耐えられない。

ブログ子の私見だが思い切って国連軍の派遣を日本が中心となって働きかけできないか。ロシア・ウクライナ戦争を見てもわかる通り、国連が全く機能していない。常任理事国に拒否権を与えているためである。ソ連時代グロムイコ外相が容赦なく拒否権を行使して「ミスター・ニエット(英語のNO)」の異名をとったが今回もロシアは乱発している。それというのも国連組織そのものが第二次世界大戦の戦勝国会議であるからだ。ゆえに日本とドイツは常任理事国にはなれない。

これを改組する意味でも日本が先頭に立って音頭を取るべきだ。中東の石油に依存している日本はイスラム諸国に強く出られないのはわかるが、せめてこの機に国際政治の場で先陣を切ってほしい。

中東戦争では先進国はアメリカに倣ってイスラエル支持だったが、今回はパレスチナに肩入れする国際世論が多くの国で起きている。イスラエル建国時に世界で真っ先に承認したのはアメリカのトルーマン大統領だが、国の政財界、司法に多くのユダヤ人を抱え「特別な関係」(ケネディー大統領)は現在もそのままだが、シカゴなど多くの都市でイスラエルの強硬姿勢を非難するデモが起きている。

英ロンドンでも11日、中心部のハイドパークにパレスチナの旗や「フリー・パレスチナ(パレスチナに自由を)」などと書かれたプラカードを掲げ、50万人が「今すぐ停戦を」とシュプレヒコールを上げた。フランスのマクロン大統領も、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザの空爆や民間人殺害について「正当性がない」として停止を求めた。

ナチスのホロコーストの過去を持つドイツはイスラエル支持が「国是」でショルツ首相はいち早くイスラエル寄りの発言をしているが、今月4日にはベルリンではおよそ9000人が、政府にガザ停戦などを実現するよう訴えるデモを繰り広げている。

尖閣諸島に設置した中国のブイの問題だが、海上保安庁などの情報では、ブイは尖閣諸島の北西約80キロ、日中中間線の日本側にあり、直径が10メートルとかなり大きく、7月1日から2日にかけて中国の大型ブイ作業船「向陽紅22号」が設置していった。日本は「国連海洋法条約」違反を理由として外交ルートを通じて中国に抗議を行うとともに即時撤去を求めた」(松野博一官房長官)だけ。

11月1日の参院予算委員会で、日本維新の会の東徹氏が「日本の撤去要求を中国側が聞き入れないなら、実力で撤去すべきだ」と主張したが、上川陽子外相は国連海洋法条約など国際法に関連規定がないとして放置したまま。

しびれを切らした高市早苗経済安保相が「日本が撤去しても違法ではない」と私見を述べたが、その通りだ。上川外相の見解は「規定がないから撤去できない」だが、逆に言えば「国際法で、撤去してはいけないと書かれていないのであれば、撤去してもいい」となる。(政治評論家・高橋洋一氏)

青山氏は「中国側は、ブイを設置された後の日本側の動きを見ている。今回だけでなく、何度もやっているはずだ。ブイを撤去すれば中国は当然騒ぐが、それに対して覚悟ができているかの問題だ。日本が国家の〝意思〟を示すしかない」(夕刊フジで評論家・青山繁晴氏)。

9月26日、フィリピン沿岸警備隊は、同国のEEZ内である南シナ海のスカボロー礁に中国海警局が設置した「浮遊障壁物」を敢然として撤去した。フィリピンの方が国家としてよほど「毅然としている」ではないか。

ブログの亭主、「山上げ」で更新中断します

ささやかなこのブログ「Mt.8 Blog」を愛読ありがとうございます。東京も暑くなってきたので、恒例のように八ヶ岳の山墅に引きこもります。

アナログの世界で、テレビなし、Wi-Fiなし。テザリングでメール30本をダウンロードするに30分という有様ですのでブログの更新を中断します。再開は下山する秋以降になります。

書きたいことはたくさんあって、例えば今日日韓財務相会談だそうです。かねて心配していた通り、日韓スワップを復活する運びです。ろくでもない文在寅政権が一方的に「もう日本の助けはいらない」と蹴っ飛ばしたのを岸田政権は忘れたのでしょうか。韓国はいまだにレーザー照射を謝らないばかりかやったことすら認めていないのにも関わらずです。2日前には韓国をホワイト国待遇に復帰させました。戦略物資のフッ化水素など3つの半導体材料を「第三国」つまり中露へ横流ししている疑惑がその理由だったはずです。その疑惑がなくなったなどついぞ聞かないのに、この融和策は許せない、というのが世論でしょう。岸田政権の支持率が14%下落した原因が奈辺にあるか、この甘さのツケは秋の総選挙に出るでしょう。

ウクライナ戦争についてもしばらく書いていませんが、ブリゴジンの乱ではワグネルはモスクワまで200キロ地点まで疾風のごとく迫りました。11時間で800キロ、高速道路を走るスピードです。つまりロシア南部にはまともなロシア軍などいなかったのです。

クリミア半島の北と東の2本の補給路はウクライナ軍に破壊されて復旧は7月、とプーチンは強がっていますがまず無理でしょう。ブログの亭主が下山する晩秋にはクリミア半島とセバストポリ軍港は奪回できるのではないか、そんなことを考えながら山に上がります。

「上げ馬神事」は馬の能力を無視した虐待である

約700年前から続く「上げ馬神事」のあり方が、議論を呼んでいる。三重県桑名市の多度大社で毎年5月に行われる「上げ馬神事」に関し、一見(いちみ)勝之知事は、最近十数年で計4頭がけがをして安楽死させられたと明らかにした。県によると、安楽死した馬は平成22年に1頭、26年に2頭。今年も1頭が安楽死させられた。骨折や脳挫傷が理由。「事故の頻度が多い。対策を講じるべきだと主催者側に伝える」と述べた。

「上げ馬神事」は南北朝時代に始まったとされる伝統行事で、毎年約10万人が見物に訪れる。地元の青年が馬に乗り50メートルほど疾走したのち、高さ2メートルほどの土壁を飛び越えられた回数で、稲作が豊作か凶作かを占う。

ブログ子は新人記者の時、三重県津支局に配属された。4年半ほどいたがそのうち2年ほど四日市通信部で、多度大社が近く、2回「上げ馬神事」を取材して送稿した。大学時代4年間馬術部にいて障碍飛越競技をしていたので馬のことがわかるのだが、当時から「この祭りは無茶だ」と思っていた。馬の能力を無視しているからである。

無茶だ、という理由は三つある。一つ目は「700年前と現在では馬の種類がまるで違っている」ことである。二つ目は「障害飛越競技としてみた場合、馬が踏み切るスペースがない」こと。三つ目は「騎手の未熟が馬の飛越を邪魔している」ことだ。

一つ目。「源義経」を一躍有名にした戦法に「鵯越の逆落とし」(ひよどりごえのさかおとし)という奇襲攻撃がある。一ノ谷の背後にある断崖絶壁から、騎乗したまま坂を駆け下りて平家の軍勢を壊滅させたものだが、この時の馬は現在とはまるで違う在来種と呼ばれる馬種である。保護活動のおかげで国内に少し残っている木曽駒がそれに該当する。馬体はポニーほどと小さいが、足腰が強く、武士を乗せて上述のような活躍を見せた。

その後、日本の馬は日清日露戦争で大改造される。旅順の203高地の戦いに見られるように、大砲を運び上げるのに馬が使われた。在来種は小さくて適さず、アラブ種と掛け合わされた馬が使われた。アラブ種というのは、映画、「アラビアのロレンス」に登場する馬で、馬格が大きく足腰が強い。ほかにもペルシュロン種などという1トン近くある馬種もある。靖国神社には彼らの慰霊碑があるが大東亜戦争まで軍馬90万頭が死んだ。

ブログ子の馬術部では10頭ほど繫養していたが、8割がアラブ種だった。足腰が強いので飛越能力が高い。しかし現在は9割がサラブレッドである。乗馬用など需要が少なく、生産者はみな競走馬のサラブレッドしか扱わないのだ。いまで仕方なくは乗馬用もサラブレッドを調教し直して使っている。多度神社も同じで周辺の乗馬クラブから借り上げたのだろうがサラブレッドしか調達できないのだ。

走り方も違う。在来種は「側対歩」(そくたいほ)という走法で反動が少なく狭いところも駆け上がり、走り抜ける。競馬中継で見るサラブレッドが一斉にゴールに飛び込むシーンで見られるのは「襲歩」(しゅうほ)という、2肢の蹄しか同時に地面にかない走法である。水平方向には早いが飛越能力の上からは劣る。「上げ馬神事」のコース設定は在来種向けに作られているのである。

左の急坂を駆け上がる

二つ目。馬は50メートルほど疾走すると斜度20度ほどの急坂に差し掛かる。そこを駆け上って高さ2メートルほどの土壁を飛び越える。五輪では2メートルほどの障碍物はある。高い飛越能力が必要だが不可能ではない。馬は土壁の前でいったん馬体を収縮させ、前肢2本を土壁の上に投げ出して、後肢2本で踏み切って乗り越える。しかし、多度大社ではそのとき馬が踏み切るスペースがないのである。

急坂を登ってさらにこの高さを飛び越えるというのは至難の業だ

ブログ子が見た時の経験では成功するのは5頭に1頭くらいの割合であった。本能がさせるのだろうが、どこで踏み切ったのかわからなかったが、馬の方が瞬時に判断して踏切点を見つけたのだろう。

三つ目。騎手は4月に選ばれた地元の青年が1か月ほど練習して挑戦する。だが本番にある2メートルの土壁の飛越練習はない。1か月間練習するのは振り落とされないよう鞍に座ることだけである。ブログ子が半世紀前に見たときには上り坂で早くも落馬する者がかなりいた。成功体験がないまま本番に臨んでいるのである。

馬は飛越の時大きく首を後ろにのけ反らすもので、この時騎手は前傾して自分の首を馬の首の横に付けるのだが、未熟な騎手だと落馬しかかっているから逆に馬の首にしがみつく。これでは飛越を邪魔するだけで、馬は土壁に激突するしかなくなる。最上部には振り落とされた騎手を受け止める役目の若い衆が左右に控えているので人間はケガしないが、馬は極端に狭いところに追い込まれて身動きが取れない。

上の写真など騎手はまだ鞍上にあるが、馬は土壁に激突している。横隔膜破裂で即死するか、よくて前肢骨折が免れないシーンである。骨折で安楽死させたのが4頭だという。一般の人は馬が骨折した場合は安楽死と思い込んでいるが間違いである。時折、中央競馬で骨折馬に獣医が現場で筋弛緩剤を打つ場面の遠景が写されるせいだろう。

馬は骨折ぐらいでは死なない。人間と同じでギプスと添え木で手当てすれば半年ほどの養生で回復する。あれは馬主がその後の経済性を考えて獣医に安楽死を依頼するからである。ブログ子のいた大学には獣医学部があったので、骨折した馬の手当てを獣医と相談することができた。温泉療法やプールで泳がすなど手間はかかったが普通の障碍飛越はこなせるほど回復したものである。

馬の歩法に4種ある。常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)、襲歩(しゅうほ)である。馬術としてこの神事をみたとき、必要なのは「駈歩」だけである。ところが、ブログ子が見たとき、スタート直後から若い衆が篠竹で馬の尻を鞭打っていた。いきなり「襲歩」に追い込んでいた。ほとんど「狂奔」状態で高い土壁に激突する馬がかわいそうでならなかった。

「上げ馬神事」は続ければいい。ただ、日本の馬に対する知識や馬術に関する理解がないまま、700年の伝統だけを守って「神事」が行われていることが問題なのである。その結果、馬の運動能力に反するコース設定となり、ほぼ100%の動物虐待になっている。早急に専門家の意見をいれて改善をはかるときである。

これは珍しい「成功」例。ブログ子も昔、この角度からの写真を撮った

LGBT法案などという気色の悪い法律をつくるな

 性的少数者(LGBT)への理解の増進に関する法案が今日16日成立した。普通、法案というものは利益を受ける当事者側が大喜びして、利益に無縁の側が不満もつものだが、今回は両者とも「反対」というのだからわかりづらい。野党の反対に加え、自民の山東昭子前参院議長、青山繁晴参院議員、和田政宗参院議員の3氏が採決時に退席した。

超党派議員連盟の会長代理として議論を主導してきた稲田朋美衆院議員

この法案は、自民、公明両党と、日本維新の会、国民民主党の4党の修正協議でまとまったものだ。拙速も拙速。むりやり(片方に言わせれば骨抜き)通したこの4党の責任は大きい。岸田首相は立憲民主が今日提出する不信任案を受けて解散するとみられていたが、急遽「今国会中の解散はない」と任期切れの10月まで引き延ばした。世論調査で出ている自民党が大幅に議席を減らすという予測におじけづいたのだろう。

LGBT当事者からも反対の声があがるややこしい次第になったのはなぜか。かいつまんで言うと、これまで国会には、3つのLGBT法案が出てきた。1つ目は、もともとの自民党案である「元祖LGBT理解増進法」。2つ目は、野党案である「LGBT平等法」(以前「LGBT差別解消法」と呼ばれていたもの)。3つ目は、与野党協議によって手直しされた今回成立した「修正LGBT理解増進法」。この3つ。

ゲイを公表している側からは、自民党案の元祖LGBT理解増進法については「性同一性を理由とする不当な差別はあってはならない」と規定していてよくできていたという評価だった。ところが、LGBT活動家が「理解増進は生ぬるい」と。「差別禁止でなければダメなのだ」と言いいだし、結果、「性同一性」の表現を、維新・国民案の「ジェンダーアイデンティティ」に改めた。

ブログ子が「気持ち悪い」と表現する一つ目の理由は、この外来語である。日本の法律に「ジェンダーアイデンティティ」なる外来語が組み込まれるのは初めてではなかろうか。排斥論者だはないが「性同一性」でなぜだめなのか与党に聞きたい。

ともかく、与野党協議によって「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」という文言が入ることに よってどうなるか。上述のゲイを公表している人からはアメリカの水泳界の問題が提起されている。

「アメリカの水泳界には、トランス女性であるリア・トーマス選手がいますが、彼女はアメリカの大学の水泳選手権で金メダルを獲りまくっているのです。身長は190センチあり、身体はまったくの男性です。手術はしておらず、その上から女性用の水着を着ているのですね。そして女子更衣室でも男性器を隠さずに歩いているそうです。他の女子選手が『何とかして欲しい』とコーチに頼んだのですが、『我慢するしかない』と言われてしまった。裁判で訴えられたらコーチ側が負けてしまうからです」

水泳界ばかりでなく、インターハイ、国体、などあらゆる大会で問題が出てくることは容易に予想できる。現に、悪意を持った男性が「女性だ」と自称し、女子トイレなどを利用する事案は現実に起きている。こうした行為は現行法で禁じられているが、新法を盾に、現行の禁止規定を「不当な差別だ」と主張する口実に使われかねない。

公衆浴場や温泉地で、女性を自称して女風呂にカメラ片手に見た目「男」が堂々と入ってきてもどうしようもないのが目に見えている。

 法案に、LGBTに関する教育を「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ行う」と記したことも問題だ。過激な主張を掲げる団体が学校に圧力をかけ、発育を無視した性教育を迫る事態が外国では起きているという。

「例えば学校の教育の現場で、まだ思春期にもなっていない子どもたちが、LGBTを理解させるという意味で、“おとぎ話の王子様は男性と結婚しました”というような教材を使っているという海外の報告もある」(自民党 西田昌司参院議員)

日本社会はもともとLGBTに鷹揚だった。本能寺の変で織田信長とともに死んだ森蘭丸など大名の寵愛を受けた小姓など数え上げればきりがない。古代ギリシャでは少年愛が当たり前だった。昔はともかくとして近くを見れば、現在、歌舞伎界を揺るがしている、両親が死んで本人は生き残った市川猿助(47)の服毒事件なども同性愛事件としてみればわかりやすい。

20年前ほどだが歌舞伎担当の同僚記者から聞いた話だが、凄まじい嫉妬の世界で女形(おやま)が恋敵に刃物を振るうなどしょっちゅうだという。この時の話題は女形という芸域がそうさせるのか、天性の性癖かということだったのだが、彼が亡くなったとき横浜の斎場には歌舞伎界のそうそうたる顔ぶれの花輪が10数個、新聞社や松竹の花輪を圧して並んでいた。そのとき誰が「たち」で誰が「ねこ」なのか名札を見ながら考えたものだ。

ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(令和元年死去)による性加害問題も日々芸能面を賑わしている。黙殺してきたジャニーズ事務所とテレビ各局が指弾されているが、何をいまさらという思いだ。これまた20年以上前の話になるがブログ子など門外漢だったが彼の性癖は耳にしていた。

当時ブログ子はフジサンケイグループの新聞社側にいたのだが、大規模なイベントなどではテレビ、新聞、ラジオなどグループの代表が集まって広報などについて会議が開かれる。いつもブログ子のすぐ左にはジャニーズを代表してメリー・喜多川氏が、右前には吉永小百合の夫、であるグループの共同テレビ社長の岡本太郎氏がいたのを覚えているが、グループ員でもないのにジャニーズ事務所が一人取り仕切っていて、誰も発言できない雰囲気だった。まして、ジャニー喜多川の性癖など知っていても口することなどタブーであった。ほかの民放テレビ局も同じで全局ジャニーズに依存していたのだ。

自民党の法案提出者は「法案は理念法で、新しい権利を加えるものではない」と説明している。そのとおりで、もともと「LGBT理解増進法案」は「理念法」という部類に属する。「理念法」というのは、社会問題や政策課題などに対する国としての理念が記され、国や地方自治体、企業などに取り組みを促す法律のことをいう。国民に新たな権利を与えたり、罰則について定めた規定もない。

なんの利点もなく、逆に新法を契機に 恣意的な解釈が横行し、性や結婚に関する民法などの規定を巡って違憲訴訟が相次ぐ恐れがある法律などつくる意味がない。

日本の社会は諸外国に比べLGBTの人たちにはるかに寛容であった。それをことさらあげつらって混乱を招くより、今まで通りにしていれば何事もなく済む性質のものなのである。成立したのは仕方ない。こんなもの無視して取り合わないことである。

韓国「レーダー照射事件」で妥協は禍根を100年残す

日韓の紛争は過去何度もある。すべて韓国が一方的に騒ぎを起こしては、やがて収まりがつかなくなり日本側に「未来志向」を持ち掛ける。大甘の日本がそれを受け入れていったんは収拾するが、やがてまた韓国側がやらかす。この繰り返しである。

今回また、韓国海軍駆逐艦による、海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件に絡み、岸田文雄政権は事件のケジメも付けずに、なし崩しで事態収拾を図ろうとしている。ろくでもない文在寅政権が反日に狂奔したあと、か細い支持率ながら日米韓の安全保障を大事にしようとする尹錫悦政権が誕生した。この流れを止めたくない気持ちはわかるが、このまま妥協すれば、日韓に100年の禍根を残すことになる。断じて反対だ。

韓国海軍駆逐艦による火器管制レーダー照射の映像

レーダー照射事件は、「反日」暴挙が相次いだ文在寅政権下の2018年12月20日に発生した。日本海の能登半島沖で、海自のP1哨戒機に、韓国海軍の駆逐艦「クァンゲト・デワン」級が攻撃を意図する火器管制レーダー(射撃指揮システムで使用されるレーダー)を照射した。これがどれだけ大変な戦闘行動かはすこし軍事のことがわかる人間なら.ひっくり返って驚く事案だ。

当然、日本政府(安倍内閣)は文在寅に対し「哨戒機に対する火器管制レーダー照射があった」と抗議した。しかるに韓国政府は「使用していたのは探索レーダーで、哨戒機を追跡する目的ではない。北朝鮮の遭難船のためにレーダーを稼働したのを日本側が誤解した」と否定したうえ。「韓国海軍艦艇に日本の海上自衛隊機が低空飛行で接近し『威嚇飛行』を行った」と開き直った主張をし、日本に謝罪を求め、その証拠として航跡のイメージみたいなものまで出してきた。

日本のP1哨戒機の行動はすべて明らかになっている。なんの問題もなかった。それを威嚇と言い張るのであれば、世界の常識では「旭日旗」同様もはや海軍とは言えないレベルの強弁だが、韓国はいまだにこの主張を通しているのである。李国防相は直後の韓国の国会で、「照射はしなかった」と発言するなど、韓国は事件自体を認めていないのだ。

この事件後の2019年2月には韓国軍内部で日本の航空機に対する対応指針が通達され、自衛隊機が警告に応じず、近距離を飛べばレーダーを照射するという軍指針を発表した。2度警告しても近付く自衛隊機には、現場の判断で照射を認めるという「追跡レーダー照射」基準である。つまり、ウソを糊塗する行動基準まで軍部が作成したのである。日本政府は「異常な内容」と驚愕したものだ。

かくも理不尽な韓国相手に妥協はありえない。日経新聞が31日朝刊で報じたところでは、韓国側が事件後に作成した自衛隊機へのレーダー照射を容認した「軍指針」を撤回する代わりに、日本側は韓国側に事実認定の表明は求めず、日韓の防衛協力を進める方向で協議するという。浜田靖一防衛相と、韓国の李鐘燮国防相は、近くシンガポールで会談、両政府の協議が詰めの段階に入っているという。

内容が報道通りなら、事件を棚上げして韓国の言い分を丸飲みするようなものだ。反日無罪などという勝手な理屈をこね繰り返した文在寅前政権下の出来事だが、安全保障政策で前政権よりも現実的な姿勢をとる尹錫悦現政権になった現在でさえ韓国は照射の事実を認めていない。

韓国は、入港時の国際慣例である自衛艦旗の旭日旗掲揚を拒否した問題で、5月に海自艦が旭日旗を掲揚しての釜山寄港を認め、正常化させた。米韓は4月、米戦略原子力潜水艦の韓国寄港などの方針を表明し、足並みをそろえた。日米韓の結束に向け、レーダー照射問題を訴える日本側にも譲歩が求められていた。「韓国の姿勢が昨年と全然、違う」。防衛省関係者が言うように韓国側が正常になりつつあるのは認める。いいことだ。

酒井良海上幕僚長(写真右)は6日の記者会見で、火器管制レーダーを照射した問題を巡る対応方針を説明した。「なにより再発防止が重要だ。未来志向で連携を強化し地域の安全保障環境の安定に日米韓がともに取り組む」と述べた。「現在の安保環境を踏まえると18年以前のレベル以上に強固な連携体制を早期に確立する方が国益だ」と説いた。防衛省幹部は「立場が違う以上、追及すれば話ができない。思うところは飲み込むしかない」と苦しい胸の内を明かす。

岸田政権の意向を汲んでの発言だろう。しかしこれまで韓国に何度煮え湯を呑まされてきたか。従軍慰安婦、徴用工問題、旭日旗、軍艦島、竹島、佐渡金山から日韓スワップ問題・・・数え上げればきりがない。結果はどうか。皆根拠を失って向こうから歩み寄るしかなくなったではないか。日本は対岸の一人芝居に近い「奴踊り」を見ているだけでおのずと自らの非に焼け焦げていくのがパターンである。日本はこの国には理非曲直を正すだけでいいのである。無用な斟酌はこの国には必要ない。

「外交の岸田」だという。確かになんでもないはずだった「G7広島サミット」がゼレンスキー・ウクライナ大統領の原爆資料館訪問で大金星に格上げされた。ブログ子に言わせればついているだけである。首相公邸での一族忘年会で愚かな息子の首相秘書官らの寝っ転がり写真が出たくらいどうってことはない。

だが、愚かな韓国相手に今度また同じ轍を踏むなら、九仞の功を一簣に虧くことになる。近づく解散総選挙では痛い目にあうであろう。