「奇跡の脱出」を可能にしたもう一つ要因

前回のブログで、海上保安庁機と日本航空機の衝突事故で379人の乗客が18分で全員脱出した奇跡は機長とCAら乗務員の立派な働きぶりによると讃えた。その通りで間違いはないが、もう一つ日本の技術力があってのことで、海外の航空関係者の間ではもっぱらこちらに注目が集まっている。

JALはじめ日本のエアラインでは「90秒ルール」というのがあって、事故後90秒以内に乗客を脱出させる訓練が厳しく実施されている。少し航空機に詳しい人なら、「今回全員退避までに18分かかっている。間に合わないではないか」と思う向きもあろう。機種によって脱出口が違うし乗客数も違う。「90秒ルール」は定員100人程度の場合の目標と考えるのがよいだろう。379人もが無事に脱出したのはやはり奇跡には違いがない。

それを可能にしたもう一つの要因というのは「CFRP」(炭素繊維複合材)という素材である。Carbon Fiber Reinforced Plasticsといい、英語順に訳して炭素・繊維・強化・合成樹脂だ。軽量で引張強度に優れた新素材として、航空宇宙、電気自動車、風力発電、建築分野などで用いられている。

CFRPは繊維と樹脂という性質の異なる材料の組み合わせであり、繊維の配向方向や材料種類を変えることで剛性や強度を変えることが出来る。例えばアルミよりも軽く、また、方向によっては鉄以上の剛性を実現することも可能になった。

今回の事故が発生したJAL旅客機の機種はエアバスA350-900。A350は世界の航空機の中で炭素繊維複合材料の割合が最も高く、現在約570機が運航されていて、翼を含む機体の53%がこの炭素繊維複合材料でできている。 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などによると、航空専門家らは「炭素繊維複合材料の燃焼点はこれまで航空機製造に多く使われてきたアルミニウムより低いが、これとは別に火災が広がる速度を落とす特性がある」と話す。このため、機体外部で発生した火や熱の機内進入を抑え、乗客・乗員脱出の「ゴールデンタイム」を稼いだということだ。

炭素繊維複合材料でできた航空機が全焼するほどの大型事故が発生したのは今回が初めてで、素材の安全性が初めて実際に検証されたという見方もできる。ある航空ジャーナリストは英紙テレグラフに「今回の事故で炭素繊維複合材料が火災拡大を遅らせるということが実際に確認された」と述べた。ある航空エンジニア専門家は同紙に「(旅客機に使われた)炭素繊維が熱遮断機能を提供した」と語った。

今回の事故機の「CFRP」は帝人だが、日本で最初に炭素繊維をつくったのは東レである。ブログ子の中学校の時の国語の先生の夫君が東レの副社長だったので、開発当初からこの素材のことは知っていた。年初、東レの株はさぞかし値上がりしているだろうと5日の株価を見てみたら、日経平均がかなり値崩れしている中で値上がりしていた。思ったほどでなかったのは子会社の検査データ改ざんによるものらしい。

日本人だからできた「18分で全員脱出」の奇跡

元日の「令和6年能登半島地震」についで2日「羽田空港JAL機と海上保安庁の航空が衝突・炎上事故」と日本の新しい年は災難の幕開きとなった。

災難の中ではあるが、羽田の事故では、日航機の乗客367人全員が18分で全員脱出したことを米英メディアは「奇跡」などと驚きと称賛を持って伝えている。

ブログ子は仕事柄、多くの航空事故に立ち会った。カナダ航空機墜落(1966年3月4日)、BOAC機富士山墜落(1966年3月5日)という二日続けての事故に始まり、全日空機、自衛隊機との雫石での空中衝突(1971年7月30日)、「機長何をするんですか!」の日航機羽田沖墜落(1982年2月9日)、日航ジャンボ機御巣鷹山墜落(1985年8月12日)…後の2つは直接取材指揮をとったので特に記憶に強い。

その過程でJALの幹部、ジャンボ機機長たち、客室乗務員と知り合った。中には今年も賀状を交換しているほどだ。ブログ子は一般では経験することがないだろうが、シュミレーターながらジャンボ機を房総沖から羽田空港に着陸させるまで操縦桿を握ったこともある。この時は羽田空港滑走路で爆発炎上させた。スピードを落とそうと右足ペダルを踏んだのだが、クルマと違って航空機では尾翼の方向舵操作になっていて滑走路を外れたのだが、コクピットに警報音と火災警報がわんわん鳴り響きパニックになった覚えがある。今回の事故もかくやと思う。

当然、普段の訓練も知っている。旅客機の乗員は年1回は機体の片側から脱出シューターを降ろして乗客全員を短時間で脱出させられるよう訓練されている。脱出シューターも以前は滑りすぎて乗客が遠くに放り出され、かえって怪我をした事例から布地や滑走角度を何度か改められているほどだ。

米ニューヨーク・タイムズ紙は航空専門家の話として、緊迫した状況下で「乗員が乗客全員を脱出させたのはまさに奇跡だ」と指摘。乗客と乗員の協力が成功した証しだとした。米CNNテレビも衝突時や、煙に包まれる日航機内の様子を繰り返し放送。女性キャスターは乗客に犠牲者がいなかったことについて「驚くべきことだ」と伝えた。専門家は乗客が荷物を持たずに脱出シューターから機外に出ていたことなどを挙げ、「お手本のような対応」だったと語った。 英BBC放送でも、キャスターや有識者が乗客の全員脱出は「奇跡的」と表現。避難誘導した乗員を「極めて効率的だった」「素晴らしい仕事をした」と褒めたたえた。(共同)

JAL機乗客提供動画などからわかる機内の様子は相当緊迫していたことがわかる。

 機内左後方の座席にいた東京都瑞穂町の会社員(28)によると、直後に翼の脇から火が出ていることに気づいた。煙が機内に入ってきて、炎の熱さもじわりと感じた。着陸後1分もたたずに煙が漂い始め、すぐに機内に煙が充満していた。

 「落ち着いてください」「鼻と口を押さえて、低い姿勢になってください」。客室乗務員が呼びかけると、多くの乗客は煙を吸わないように身をかがめた。(写真右はその様子をとらえた画像)。混乱した乗客からは、「早く出せ」「(出口を)開ければいいじゃないですか」と怒声も上がった。

 その後、最前列の2か所と最後尾左側の非常口が開いて脱出が始まり、乗客は押し合うように脱出用シューターに向かった。客室乗務員は、「順番に脱出してください」と冷静な対応を求めていたという。中央付近の座席にいた男性客は着陸から10分ほど、後方にいた男性客は15分ほどで無事に脱出できた。

 日航によると、機長らは逃げ遅れがないか1列ごとに確認し、とどまっていた乗客には前方への退避を促した。後方の非常口の開放は、乗務員が機転を利かせて行ったという。

 乗客の脱出が完了し、機長らが最後に滑走路に降り立ったのは、着陸から18分後の午後6時5分だった。それから約10分後、機体は大きな爆発音とともに激しい炎に包まれた。

「奇跡の脱出」は日ごろの訓練があってはじめて出来たことだ。当たり前のようなことがなかなか出来ないのが現実である。現に1986年6月福岡空港で起きたガルーダ・インドネシア航空の事故ではCAが真っ先にしかも荷物を持って脱出してしまった例もあるほどだ。

もう一つほぼ全員が日本人だったことも大きい。ことさらに国名は挙げないが、他を押しのけ、時には殴りかかっても我れ先に殺到する群衆行動が当たり前の国は世界に多いのだ。日本人は素直にCAなど乗員の指示に従う。それが一番効率的な団体行動だということを知っているからだ。

事故原因だが、管制官との交信記録をみると海上保安庁の航空機長の誤認によるものという見方が強い。

【交信記録】
17:43:02  JAL516 東京タワー(管制)、JAL516 スポット18番です
      東京タワー JAL516、東京タワー こんばんは。滑走路34R(C滑走路)に進入を継続してく    ださい。出発機があります
17:43:12 JAL516 JAL516 滑走路 34Rに進入を継続します
17:43:26 DAL276 東京タワー、DAL276 誘導路上Cにいます。停止位置に向かっています
        東京タワー DAL276、東京タワー こんばんは。滑走路停止位置C1へ走行してください
DAL276 滑走路停止位置 C1 DAL276
17:44:56 東京タワー JAL516 滑走路 34R 着陸支障なし。
17:45:01 JAL516 滑走路34R 着陸支障なし JAL516
17:45:11 JA722A タワー、JA722A C誘導路上です
東京タワー JA722A、東京タワー こんばんは。1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください
17:45:19 JA722A 滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう
17:45:40 JAL179 東京タワー、JAL179 滑走路停止位置C1へ走行しています
東京タワー JAL179、東京タワー 3番目。滑走路停止位置C1へ走行してください
JAL179 滑走路停止位置C1へ走行、離陸準備完了
17:45:56 JAL166 東京タワー、JAL166 スポット21番です
東京タワー JAL166 こんばんは。2番目、滑走路34R進入を継続してください。出発機あり。160ノットに減速してください
17:46:06 JAL166 減速160ノット、滑走路34R 進入を継続。こんばんは
17:47:23 東京タワー JAL166、最低進入速度に減速してください
JAL166 JAL166

17:47:27 3秒無言

事故が起きたC滑走路は当時、2人の管制官が担当し、両機に指示を出していた。

交信記録では管制官が2日午後5時45分に海保機に英語で、「1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と指示し、海保機長は「滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう」と回答。海保機はその後、滑走路に進入し、日航機と衝突した。

元日航機長の土井厚氏によると、離陸する航空機は通常、緊急時にも余裕を持って停止できるよう滑走路全体を使って離陸するが、海保機は滑走路の途中を指す「C5」から離陸する「ショートフィールドテークオフ(短距離離陸)」を要望していたことが読み取れるという。この状況から土井氏は「海保機は早めに離陸したいという状況だったのではないか」と分析する。

さらに、土井氏は海保機長が「1番目」と復唱している点について、管制官は離陸の順番が1番目という意味で伝達していたが、「海保機長は1番目と復唱しており、急ぐ思いもあり、1番目と言われたから入っていいと錯覚した可能性がある」と推察する。

また、管制官は日航機の次に到着する便に対し、減速を求める指示を出している。土井氏は「管制官は日航機を着陸させた後に海保機を離陸させようとしていた。プロペラ機でも安全に出発できるよう次の到着便にゆっくり来てくださいと指示している」とする。

土井氏は、事故は一つの間違いではなく、さまざまな原因が連鎖して起きるとし、「海保機長が管制官の指示をどう判断したのか、海保機のボイスレコーダーがあるなら検証する必要がある」と述べた。(産経 大渡美咲記者) 

三大激痛のうち2つを発症した年末に思う

「三大激痛」と言われるものがある。 1,尿管結石. 2,痛風発作. 3,心筋梗塞. 、である。「3」は胆石や帯状疱疹が入ることがあるが、1と2は不変である。ブログ子はその2つの激痛を体感したのだが、どういうわけか年末の寒い時の暴飲暴食と関係があるようで、この時期になると思い出す。

尿管結石は日吉にあった新聞社の寮で午前2時ごろ発症した。あまりの激痛に歩くのもままならず数百メートル這うようにして医院のドアを叩いた。だいぶたって医者が起きてきてペッタラペッタラとスリッパの音が聞こえたが、「どうして走ってこないのか」と怒鳴りたいくらいである。やっと診察室に入ったら、「痛い痛い」と言いながら胆石の患者が入ってきて、医者はそちらの診察を先にするという。もう怒りで一杯だった。

「多分、尿管結石でしょう。こんな時間の急患に多いです」とブスコバンという尿管拡張剤を注射されたが、注射器の半分ほど入った段階で痛みはスッと消えた。帰りは口笛を吹いて帰った。

尿管結石は何度も発症するという困った性質がある。このあと1年後には新宿区の聖母病院で摘出手術を受けた。痛い時の手術なら甘受するがなんともなくなってから切るというので「脱走」し、総婦長から厳重注意されて7ミリほどの結石を「記念」にもらった。さらに2,3年後に大学付属病院に駆け込んだ。「尿を試験管に取ってください」と言われトイレで用を足したらカチンと音がして結石が排出され、手術を免れた。

さらに10年ほど後に発症したが、手術方法が進歩して超音波を患部に発射するという破砕手術が主流になっていて、防衛庁長官紹介(当時)で世田谷の自衛隊中央病院でダンダンダンダンと1800回ほど結石に照射(結構痛い)して一晩念のため入院して事なきを得て今に至っている。

痛風の方は原因ははっきりわかっている。鳥羽国際ホテルに取材で出かけた。ディナーには松坂牛コースと伊勢海老とアワビの海鮮料理の2コースがありますと言われた。生来意地汚くできているので、両コースを一度に頼んだ。翌日帰京して東横線に乗っていたら発症した。足の親指が痛くて靴を脱ぎ靴下だけでコンコースを歩いていたら皆振り返って靴をぶら下げた奇人を見ていた。練馬の親戚の医院に駆けつけて「どうも外反母趾のようだ」と申告したら「お前さんハイヒールでも履く趣味があるのかい。この尿酸値は立派な痛風だよ」と言われた。

話が変わるが、毎年秋にイグ・ノーベル賞の発表がある。 人々を思わず笑わせ、考えさせてくれる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」はノーベル賞をもじって名付けられ、毎年、ユーモアにあふれた10部門の個人やグループに贈られる。1991年に始まり、今年で33回目を迎えたが、日本人研究者は17年連続で受賞という優秀な成績を挙げている。

一見、役に立たない研究や失敗続きの研究にこそ、無限の価値が潜んでいるということを示していてブログ子は大好きだ。今年は日本人の連続受賞は途絶えたが、日本でも公式イベントが12月17日、東京都江東区の日本科学未来館で開かれたニュースを見た。

このうち、2018年に医学賞を受賞した研究に尿管結石はジェットコースターに乗れば「出る」というものがある。研究を行ったのはデイビッド・ワーティンガー医師とマーク・ミッチェル医師。患者がフロリダ州にある遊園地のディズニーワールドから帰ってくるなり、「先生!ビッグサンダーマウンテン(ディズニーワールドにあるジェットコースターの1つ)に乗ったら石のうちの1つが通ったよ!」とワーティンガー医師に報告してきた。

ビッグサンダーマウンテンは「鉱山列車が、荒野を急旋回する」ことがテーマのライド。日本の東京ディズニーランドにもあるがブログ子はオーランドのディズニーワールドで乗ったことがあるが、この時は発症していなかった。

受賞した医師は、3Dプリンターで尿路のシリコン模型を作り、大きさの異なる3つの石や尿も含め、ある尿路結石患者の腎臓系を忠実に再現した。その模型をリュックに入れ、腎臓のある辺りの位置で抱え、医師自身で20回、ひたすらジェットコースターに揺られた。

 患者の言っていたことは本当だった。腎臓模型の中で確かに石が通ったのだ。ワーティンガー医師は、ジェットコースター後方の席に座った時のほうが、前方の席に座った時よりも、腎臓から尿路へ結石が移りやすいことを確認した。

 石の大きさにかかわらず、前方座席では17%の確率で通った一方で、後方座席では64%の確率で通った。後方座席のほうが揺れが激しいから、と推測している。

 ビッグサンダーマウンテンはライドのテーマからもガタガタ動くように設計されており、乗客は横に細かい振動で揺さぶられる。一方、スペースマウンテンなどは速度が速過ぎて、加減速のたびにかかる重力により、反対に石が固定されてしまうと、ワーティンガー医師は推測している。時速65キロメートル以上であれば良いが、時速160キロメートルでは速過ぎるらしい。

 医師たちは、一度石が通った後も定期的にジェットコースターに乗ることで、大きな石の発生の予防にもつながるだろう、と結論付けた。ジェットコースターに乗ることで直径6ミリメートル以上の石が通る確率は1%程度なので、6ミリメートル以下の石なら試す価値あり、とのことだ。

 カルシウムや尿酸が尿路に蓄積してできる結石。原因は不明な場合が多いが、動物性タンパク質の過剰摂取はリスクを上げるとされている。日本人では男性で7人に1人、女性で15人に1人が一生のうちに一度は尿路結石ができるとされている。

御用納めというのに、東京地検特捜部が朝日新聞にリークしての安倍派叩きに躍起になっている。政治資金パーティー収入の一部「不記載」にすぎないのだが、朝日は「安倍派裏金事件」と言い募る。

安倍派が「出来損ない」議員が多いわけはこのブログでも書いた。これ以上屋上屋を重ねても不愉快なので、年の瀬、ブログ子の「三大激痛」騒ぎの顛末をお目にかけた次第。

職業に貴賎あり (その2)

「職業に貴賎なしというのはウソである」と喝破したのは山本夏彦翁である。「職業に貴賤あり」とのタイトルで以前このブログで書いた(http://h-h-a.org/miyazaki/?p=3379)ので「その2」としたが、今回書く賎業は新宿歌舞伎町などにはびこるホストクラブとそれに銜え込まれて売春に身を落とす若い女性たちである。

ルポを読むと、「歌舞伎町の大久保公園周辺では、女性たちが片隅に立って並んでいる。座っている人もいれば、外国人女性の姿もある。男が『条件は?』というと、女が数字を告げる。そのまま二人はどこかへ消えていく」とある。ブログ子はこのあたりに行きつけの焼き肉店があったので知っているが、その頃は普通の公園だった。大久保公園に多くの女性“立ちんぼ”が目立つようになったのは、コロナ禍が始まった頃だという。

先月一か月で警視庁が検挙した“立ちんぼ”は数十人に上る。異常な数である。しかも、こうしたのは東京だけでなく大阪・キタの兎我野・太融寺周辺の「アメリカン通り」でも大勢の“立ちんぼ”が見られるという。ここもブログ子はよく知っている。20代の社会部記者時代、クリスマスイブに、タクシー汚職で逮捕まじかの代議士が泊るホテルの下で、一晩中見張ったところだ。

身を落とす多くはホストクラブで多額の「売掛金」を抱えて、その返済のため身を売るようになった女性だ。ホストクラブなどというところに行けばどうなるかくらいの分別がつかないのか。不思議に思いホストクラブ経営の男性「G」氏の対談を読んでみたら、なるほど、巧妙な仕組みがあるようだ。

以下、そのホストクラブのベテランの見立てである。
 ──ホストにハマる女性たちは、俗に「ホス狂い」などとも呼ばれます。どのような女性がホストにハマっていくのでしょうか? 

G氏 : どちらかというと豊かな家庭から出てきた女性が多いですね。一人暮らし、地方の出身、ちょっとメンタルが弱く、一生懸命勉強してきたような、男性経験が少ない女性です。親もしっかりしていて、大学や大きな会社への就職が決まり東京に出てきた。そういう真面目な女性が引っかかる。地方出身が圧倒的に多く、全体の8割以上。

 ──女性たちはどのようにしてホストにハマり、売掛金を増やしていくのでしょうか? 

G氏 : ホストは巧みな恋愛詐欺商法を使います。まず、SNSなどを通じてターゲットを引き付け、自分たちが配信しているものにリツイートやハートを付けたりしたら、『1回会いませんか』とメッセージを送り、巧みな話しぶりで3000円の体験入店まで持っていく。女の子が初来店した段階で「この娘ならあそこに売れる」「このくらい稼げそうだ」という想定まで立てる。『この娘はキャバ(キャバクラ)』『この娘はデリヘル(デリバリー・ヘルス)』なんて考えながら値踏みをする。

 初日は、体験入店でいい気分にさせてLINEを交換するぐらいで十分です。「今日は運命の出会いだったね」などとメッセージを送り、翌日の「おはよう」から始まって、日に100回くらいメッセージを送っていく。女の子からしたらかっこいい男の子から優しいお姫様扱いをしてもらえるので気持ちがいい。

 2回目の来店では3万円使い、「やっぱり私この人が好きだ」と女性は実感する。ホストはこの段階で女性客をホテルに連れて行き、体の関係を持ちます。まず惚れさせる。これが常套手段です。よく売れそうな娘を仕込んでいくのです。3回目の来店では、ボトルを入れて、30万円くらいポロっと出してしまう。

 ──二十歳の女の子が、その段階で30万円出せるのですか? 

G氏: 支払いは後払いです。30万円でも、300万円でも、後払いだから出せる気になってしまう。これが売掛です。実際は「後から体を売って返してもらう」という構造です。男と女の関係になっているからどうしても会いたくてまた店に来てしまう。「今日は手持ちだけでいいよ」「後はツケで」「君は俺の女だから」などと言葉を並べる。

 この段階になると、もはや外から口を差し挟むことはまずできません。マインドコントロールです。ホストには店の先輩が洗脳ノウハウを教え込むし、マニュアル本の存在もあります。みな訓練してやっていることです。

 ──ホストクラブに一度でも行くことが危険ということですか? 

 G氏: そうです。ホストクラブはハイエナ集団です。全部やられますよ。貢がせる金額は、以前は1000万円や2000万円というレベルでしたが、最近はその額が上がり、9000万円あまり貢いでいるケースも。8年くらい貢いだ人もいるし、2年間くらい海外で売春をして稼いでくる女性もいます。
◇ ◇ ◇

さすがに国会でも規制の動きが出てきた。塩村文夏参院議員を中心に、ホストにハマっている娘を持つ親などから窮状をヒアリングしてきた立憲民主党は、国や自治体に相談体制の整備などを求める法案の骨子をまとめ、今国会への「悪質ホスト対策法案」提出した。

「この案は、売春防止法や消費者契約法など現行法の範囲内で取り組みを進めるもので、問題の根底にある『売掛金』規制にまでは踏み込めなかった。ホストクラブだけを狙い撃ちにして売掛金を規制するのは法の下の平等に反する、という根強い批判があるためです。問題の認知を広めることに目的を置いた法案で、実効性に乏しい内容になってしまった」(政治部記者)

東京都新宿区は歌舞伎町の主要ホストクラブの代表者らと会合を開き、ホストクラブ側が4月までに売掛金による支払いを廃止する方針を明らかにした。客への売掛金をホスト個人に肩代わりさせる慣習もなくすという。

区内のホストクラブ約300店舗のうち歌舞伎町の約220店舗が加盟するホストクラブ18グループが参加。会合では、来年4月までに売掛金をなくす、高額な支払いをするために過酷な勤務をあっせんする反社会勢力との関係を断絶するなどを約束した、と新聞記事にある。新宿区だけでホストクラブが300もあること自体異常である。

ブログ子に言わせればいずれも「やってる感」を見せるだけのまやかしだ。土台、女をダシに食ってる連中が飯のタネを簡単に手放すものか、誰にでもわかる茶番である。

冒頭に紹介した山本夏彦はこうも言っている。「私は衣食に窮したら、何を売っても許されると思うものである。女なら淫売し ても許される。ただ、正義と良心だけは売り物にしてはいけない」

はっきり言うが、これは賎業である。賎業には賎業の対処法がある。誰が何と言おうとホストクラブなどというものを抹殺することである。

一気に政局へ 岸田政権の後に誰もいない事態

自民党の「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していた疑惑。どの派閥もやっていることで「そのうち…」と思われたが、東京地検特捜部の本気度が明らかになって、ターゲットとみられる松野博一官房長官(61)を更迭する運びとなった。岸田首相はこれで逃げるつもりのようだったがどうしてどうして、西村康稔経済産業相(61)、塩谷立・元文部科学相(73)、萩生田光一・同党政調会長(60)、高木毅国会対策委員長(67)、世耕弘成参院幹事長(61)も派閥側から還流を受けていた疑いがでてきた。安倍派幹部6人全員が追及を受ける事態だ。

自民党最大派閥「安倍派」(99人)解体の危機だが、ブログ子は「これでよかった」と思う。このブログで前々回「安倍派が『魔の3回生』など落第生ばかり抱えた訳」を書いた。これを見てもらえば、安倍晋三首相の下で大勝したばかりに、出来の悪い安倍チルドレンがドバっと衆議院議員となり多くが安倍派になだれ込んだわけがわかると思う。

ブログ子は安倍晋三・幹事長に頼まれて、戦後史を何一つわかっていない1年生議員にネット教育したことがあるので、出来の悪いことはよく知っている。今では「魔の4回生」だが、その後の不祥事の数々は皆さんがご存じのとおりである。

安倍派は陣笠の下の者の出来が悪いばかりか上の者の出来も悪かった。上述の追及を受けている安倍派幹部6人の名前を見てもわかる通りだ。世耕弘成はNTT出身である、役員をしていた義兄の下にいたので少し知っている。また聞きだが「並み」の出来だという。あとは名前だけで知らない。

よく次期首相候補として名前が挙がる萩生田光一はその気で見ていたが見掛け倒しだった。いい例が文部科学大臣に抜擢された時だ。左傾した学術会議に断を下すかと思ったらスルーである。教科書検定ではこれまた左の検定委員会の言いなりだった。自虐歴史観を正そうという「新しい歴史教科書をつくる会」の中学教科書だけ取り上げて405箇所の欠陥箇所を指摘、1箇所も反論を認めず「不合格」の宣告をした。これにより今なお慰安婦問題など偏った教科書が教室で使われている。

安倍派が「6人衆」ともども、つぶれても何の影響も出ないだろうが、岸田政権はもう持たない。キックバックは1000万円程度だと「記載訂正」くらいで逃げられる。特捜部が松野博一官房長官をターゲットにしているというのはそれ以上、億単位の金を手にした証拠があるとみられる。「政権ナンバー2」が司直の手にかかるとなれば岸田政権は持たない。一気に政局である。

ところが自民党にはろくなタマがいない。野党が政権を取るチャンスだがこれまた絶望的だ。立憲民主党など自民党ともども議席を減らすのは必至という情けない政局である。不勉強なメディアでは「小石河」の名前が挙がるがブログ子の見るところ何をかいわんやである。石破茂は「後ろから鉄砲を撃つ」男として有名だ。何より首相づくりの場面に力を持つ麻生太郎が大嫌いで許すはずがない。小泉進次郎は言葉を並べているものの中身がまったくない「迷言」ばかり目立ち、ネット上では「進次郎構文」などと揶揄されるばかりでとても務まりそうにはない。残る河野太郎もデジタル相でマイナンバーカードを振りかざしてスタンドプレーは目立つが実績は何もない。何より親父が悪い。従軍慰安婦なるものを認め軍の関与まで認めた「河野談話」が今なお禍根を残しているのに、その息子を総理大臣にしたらどうなることか。

消去法で浮上してくるのが上川陽子外相や高市早苗経済安全保障大臣である。あらゆる会議や会社で「女性比率が低い」とやり玉にあがるご時世である。時流にかなっているというメリットもある。

誰が総理になったところで、かつて日本の総理大臣が1年ごとにくるくる変わった悪夢の再現になるのではないか。

政界のねずみ男、鈴木宗男の「1億円集金能力」の裏側

政治資金パーティーの収入額が公表され、トップの麻生派収入総額2億8658万円以下、自民党6派閥の「稼ぎっぷり」にメディアの批判が集まっている。

パーティー券の購入で名前や住所などが公表されるのは1回につき20万円を超える場合だけで、名前を知られずに事実上の政治献金ができる仕組みで「企業献金の抜け道になっている」というのだが、何をいまさら。立憲民主党の安住淳国対委員長すら記載漏れで謝罪しての通り、政治資金規正法の裏道など大昔からわかっていることで、新聞記者の不勉強が目立つだけである。

それより、ブログ子はリストの8番目にある「鈴木宗男 1億1439万円」に注目する。並みいる派閥に伍して個人でこれだけの集金力があるのはなぜか、政治記者ならそこを調べるべきであろう。

この人、ロシアのウクライナ侵攻をめぐって、先のサミットでは「ウクライナだけを呼んで、一方の当事国ロシアに声をかけないでは話し合いにならない」、「国力の差からロシアが負けることはない」とむき出しのロシア擁護派である。身を寄せている維新から「行くな」と言われているのに強引にロシア入りして、除名処分を受けるところだったが、10月10日、通告に来た馬場伸幸代表に先に離党届を出して機先を制すなど、海千山千ぶりである。

ブログ子は「鈴木宗男」については中川一郎の自殺時から知っている。次期首相を目指したニューリーダーの一人が1938年(昭和58年)1月9日、札幌のホテルで縊死した。死因についてはいろいろ言われたが、その一つに、秘書の鈴木宗男が親分に盾ついて同じ地盤から出馬するのを気にかけて…というのがあった。

単なる秘書という枠を超えて画策する人物だということはいろいろ証言があったが、確たる証拠とてなく沙汰やみになった。しかし親分が「北海のひぐま」の異名を取ったのに習って「ねずみ男」という呼び名は残った。

その後の政界活動について述べるいとまがないが、彼の票田は北方領土問題である。1992年に始まる「ビザなし交流」を契機として旧島民の墓参りが始まるや国会議員として初めて国後島訪問し、のち日本政府が4億円超の資金を出し、完成させた宿泊施設は通称「ムネオハウス」と呼ばれた。またここは鈴木宗男の秘書による入札妨害事件の舞台ともなった。しかし、現在では日本人の訪問は途絶え、「友好の家」と名を変えて、胸に一物ある中国人の宿泊施設になっているとか。

さて本題の「鈴木宗男 1億1439万円」である。どこから集まったのか。釧路、根室、斜里、羅臼、網走といった彼の選挙区であることは容易に察しが付く。この海域は戦後ソ連による漁船拿捕が相次いだところで、「1984年に領土問題を棚上げして結んだ「日ソ漁業協定」が現在も続いている。

サンマ、イカ、スケトウダラに始まってカニや昆布まで日にちを決めて漁船が一斉に漁場に向かう写真は風物詩となっているから見た人も多いと思うが、一方、ロシア側の胸先三寸でふたたび拿捕が始まる危険をはらんでいる。

そこで、登場するのが「鈴木宗男」である。ロシア側は間違いなくこの人物を利用することは間違いない。

ブログ子は旧ソ連時代「ソ連大使館広報部長」とは銀座を飲み歩く仲だった。「シベリア鉄道1週間の旅」という企画が持ち上がった時、このままではKGB(秘密警察)要員が列車の4人掛けシートを占めるのはわかりきっていたので、自由に一般市民に乗り降りさせてほしいという取材上の要望をかなえてもらうためである。当人もほぼKGBだろうから、念のため警視庁の公安にも接触を伝えておいた。

バー一軒でボトル一本開ける酒豪がぽつりと漏らした一言は北方領土にも彼らの工作が及んでいることを意味していた。KGB(カーゲーベー)のソ連からロシアになってFSB(連邦保安庁)になったがやっていることは同じである。

どう利用するかだが、これからは推測であるが、「鈴木宗男」を「ロシア大使館釧路領事部」といった扱いにするのではないか。KGBの手口だと、いざ拿捕というときに、密通した漁船名リストを持っているか、あらかじめ決めた旗印を掲げさせるかなどが考えられる。

「鈴木宗男 1億1439万円」には北方漁場でこうした事情をよくわきまえている漁業関係者たちが、いざというときの保険をかけての献金の意味ではないか。

ブログ子の推測が杞憂であればよいが。

語るに落ちる 元慰安婦・李容洙95歳のウソ

韓国人元慰安婦らが日本政府を相手取り、損害賠償を求めた訴訟で23日、ソウル高裁は原告の請求を却下した1審・ソウル中央地裁判決を取り消し、請求通りに元慰安婦の原告1人あたり2億ウォン(約2300万円)の支払いを日本政府に命じる判決を言い渡した。

やれやれ、またかと、いまだに「ゆ(揺)すり・たか(集)り」体質から脱却できない韓国というさもしい国に溜息がでる。朝日新聞が一役買った「従軍慰安婦」なるものは、存在しなかったことは今では歴史的に証明されている。韓国内の良心的研究者たちもそう断じている。日本軍による公的な慰安婦の強制連行を否定的に論じた著書「帝国の慰安婦」を書いた韓国・世宗大の朴裕河(パク・ユハ)名誉教授(66)の上告審判決で、韓国最高裁は先月26日、「無罪とみるべきだ」として審理を高裁に差し戻したばかりである。

上の写真は23日の逆転勝訴の判決を受けて支援者らと喜び合う原告の李容洙(日本読み『り・ようしゅ』=韓国読み『イ・ヨンス』)である。「日本は心から謝罪し、原告らに法的な賠償をすべきだ」と意気揚々と語っているところだ。

だが、語るに落ちるとはこのことであろう。髪は黒々肌はつやつや、手に皺もなく80代、いや70代と言っても通じる。1928年12月13日生まれ、まもなく「95歳」になるとは誰が信じるか。それもそのはず、その証言はほとんどウソで固めたものである。

「1944年、16歳の時、軍人が夜半に押し入り刃を突き付けて連行され、船で台湾に連れていかれ、ここで慰安婦にされ性病も移された」と言うのだが、敗戦濃厚なこの時期に日本兵がわざわざ少女を台湾まで連行するか、慰安婦にするなら台湾でいくらでもいるだろう、と疑問を持った評論家の秦郁彦が問い詰めたところ、ぽろぽろとつじつまが合わないウソが出てきた。

決定的なのは元挺対協代表、尹美香国会議員の証言だ。この二人、元は慰安婦問題では「共闘」していた仲だったが、2015年の韓日(慰安婦)合意で朴槿恵政権が受け取った10億円の分配で仲間割れした。尹美香は慰安婦問題を利用して国会議員にまで上り詰めた人物だが、私用のコンビニの支払いまで慰安婦問題で得た金を使ったことでいくつも起訴されている。

その尹美香が2020年5月9日、李容洙の経歴詐称を公表した。「(イ・ヨンスが)1992年に告発の電話をかけてきた時、蚊の音ほどの声で震えながら、『私は被害者ではなく、私の友達が…』と話し出した当時の状況を昨日のことのように覚えている」とした。年齢詐称が大きくなるにつれ、日本兵に連れ去られたのは自分ではなく、友達の話、と言い出したわけだ。

戦後78年。「ピー屋」(兵隊用語で慰安所のこと)に居た女性も90歳をはるかに超えていよう。現に今回の原告16人のうち生存しているのは李容洙ただ一人だという。このことが何より彼女のウソを証明している。

韓国の「反日無罪」は度を越している。日本は「三権分立 」が確立しているが、大統領制度の韓国では大統領の権限がその上にある。だから文在寅前大統領のように、判決文など一度も書いたことがない人間を最高裁判所長官に据えることも可能である。おかげでどれだけ「反日」判決が出たことか。

加えて、ハンギョレ新聞を筆頭にこぞって反日を煽り立てる左傾マスコミが控えている。日本駐在の特派員は重箱の隅をつつくように反日ネタを探してきては書きまくる。その記事量が多いほど評価されるというからあほらしい。

もう一つ平気でウソをつく軍部も反日に加勢する。いい例が「レーザー照射事件」である。2018年(平成30年)12月20日15時頃、能登半島沖の日本海において韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」(クァンゲト・デワン、DDH-971)が海上自衛隊のP-1哨戒機に対し、攻撃を意図する火器管制レーダー(射撃指揮システムで使用されるレーダー)を照射した。音声や映像の動かしがたい証拠があるのに、韓国軍は「日本の本の哨戒機が低空威嚇飛行をした行為そのものが非常に危険な行為であった」として逆に謝罪を求めてきた。

こうした高圧的な態度は「文在寅の犯罪」に数え上げられるが、昨年一転して尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領になって日米韓の同盟を強化する姿勢に変わった。3カ国による共同訓練や北朝鮮のミサイル情報のリアルタイム共有など矢継ぎ早に打ち出してきた。しかし、今ここに至っても、韓国軍はレーザー照射については一言も謝罪していないのだ。

それなのにことし6月4日 、 シンガポールで行われた浜田靖一防衛相と韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防相との会談の結果、照射の事実解明を棚上げしたまま、類似事案の再発防止を図ることで手打ちときた。

文在寅時代「もはや日本からの支援などいらない」と啖呵を切って打ち切ったはずの日韓スワップ協定も再開を決めた。岸田首相の支持率は危険水域まで落ち込んだ。「外交の岸田」だそうだが、何を言うか。こうした韓国への「大甘」態度を批判的に見ている国民が多いということではないか。

「じゃこ天」騒ぎ 愛媛県知事のいなせなこなしに感心

当用漢字では使えないが本来の漢字「鯔背」と「熟す」と書くとわかるだろうが、愛媛県の中村時広知事の対応にいたく感心した。

 ことの発端は、10月23日、秋田県の佐竹敬久知事が秋田市での会議で愛媛県の特産品「じゃこ天」を「メインディッシュがいいステーキだと思って開けたら、じゃこ天です。貧乏くさい。酒もうまくない」などと四国の食事を酷評したことだ。

ブログ子は関西育ちで愛媛県には何度か足を運んだことがあるが「じゃこ天」なるものは知らなかった。はるか離れた秋田県でじゃこ天を貧乏くさいと貶すほど食べられているわけを知りたいくらいだ。

最近のぎくしゃくした風潮からは、怒髪天を衝く反発があってもおかしくないところだが、愛媛県の中村知事の反応は違った。 「刺激的な発言だったが、悪気があったわけでなく、笑わせようとしたのだろう。報道され、じゃこ天の知名度は格段に上がった。禍福は糾(あざな)える縄のごとし。人間万事塞翁(さいおう)が馬。何がどう変わるか分からない。お互い未来志向で明るくいこう」

中村知事は松山市長時代に、秋田市長だった佐竹知事とともに全国市長会の役員を担ったことがあり、旧知の間柄だったのも幸いした。佐竹知事はその後、4県の知事宛てにおわびの書簡を送ったところ、5県での物産展の開催を提案された。

さっそく11月15日、東京都内で物産展が開かれ、冒頭で佐竹知事は「本当に申し訳ない。四国の方々の寛大な気持ちに恥じ入る」と改めて謝罪。一方、中村知事も「あんまり気にされんでください」といたわるなど和気藹藹(写真上)。会場では5県の特産品セットが50個用意され、イベント開始前に完売。知事らが購入者に手渡した。秋田県出身という40代の女性は「高知のユズポン酢しょうゆが好きなので買いに来た。四国の知事の心が広くて助かった」と話していたという。

このブログでも再三書いてきたがろくでもない知事が多い。訳が分からないリニア反対で「掘って出てくる水を一滴残らず川に戻せ」の川勝平太静岡県知事。慰安婦像の展示や昭和天皇の肖像を燃やすシーンがある映像作品などに支援を惜しまない大村秀章愛知県知事。直近では東京五輪招致のためIOC委員に官房機密費から1冊20万円でアルバム作った」とぺらぺらしゃべった馳浩石川県知事。さらに言えば辺野古埋め立てに盾ついて中国まで挨拶に行った玉城 デニー沖縄県知事。枚挙にいとまがない。

知事というのは昔で言えば「殿様」である。殿様はその土地土地に密着していたから領地の安泰第一でめったなことでは暴走しないものだが、戦後は「よそ者」ばかりで、己が意固地に邁進するせいだろう。愛媛県知事のような鯔背な男が増えることを切望する。

安倍派が「魔の3回生」など落第生ばかり抱えた訳

自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会、99人)に不祥事が続いている。税金滞納問題を受けて13日に財務副大臣を更迭された神田憲次衆院議員、女性記者に対するセクハラ疑惑や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係をきちんと説明できないまま細田博之前衆院議長も10日に死去した。

「青木の法則」というのがある。内閣官房長官を務めた青木幹雄が提唱したもので「内閣支持率と政党支持率の和が50ポイントを下回ると、政権が倒れる」とされる危険水域だが、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が11、12両日に実施した合同世論調査によると56・8%である。あと7ポイントほどしかない危険水位に近づいている。

「魔の3回生」という出来の悪い議員集団がある。今回更迭された神田憲次もそうだ。その「3回生」はその後再選されているので「魔の4回生」と呼ぶべきだろうが、それは措く。このグループは折々、時の政権の足を引っ張って苦境に陥れてきた。麻生太郎が副総裁時代に「気をつけよう、暗い夜道と3回生。あぶねーヤツいる」と喝破した連中である。

 代表的なのは、同僚議員だった妻が出産入院中の不倫が発覚して議員辞職した宮崎謙介、秘書に対する「このハゲーーー!」のパワハラで有名になった豊田真由子、路チューが報じられた中川郁子と門博文、今年6月に秘書が車検切れの車で当て逃げ事故を起こした時に本人も同乗していた武井俊輔元外務政務官も「魔」の一員で、挙げればきりがない。近くではフランスへの女性議員の海外出張時に、SNSに物見遊山ぶり丸出しの写真を投稿して「エッフェル姉さん」の異名をとった松川るい参院議員もそうだ。

 民主党政権への逆風が吹き荒れていた2012年の衆院選では、安倍氏の再登板で自民党が圧勝し、新人119人が当選した。その後の14年「アベノミクス解散」、17年「国難突破解散」でも自民は衆院選で大勝した。彼らは「安倍チルドレン」と呼ばれた安倍氏の下での衆院選しか経験していない。「地盤」「看板」「鞄」の「三バン」がない上に「常識」がないのは当時から危惧されていた。

議員の劣化は「魔の3回生」以前から問題視されていた。ブログ子は安倍晋三・幹事長の時に自民党本部に呼ばれた。「ネットで政治史などの講座で教育強化できないか」というのだ。私が夕刊フジのデジタル版「ZAKZAK」を立ち上げたことが業界3位の代理店を通じて耳に入っていたらしい。

自民党の幹事長は「二ケタ億円」の自由になる金庫を持っている。必要な金はここから出るということだった。サーバーを借り上げて若手議員対象に有料のネット講座を開設し、新聞社の政治部長と安倍幹事長の対談で自民党の55年体制以降の流れや、ポツダム宣言受諾後の武装放棄後にもかかわらずソ連が満州と北方領土に侵攻したいきさつ、朝鮮戦争の経緯、台湾問題など保守政党の議員なら知っておくべき政治史を流した。2年ほど続いたが彼らの反応は鈍かった。

「魔の3回生」は各派閥に分散したが一番多く入ったのが安倍派である。安倍派(清和政策研究会、99人)は元「細田派」といった。今月死去した細田博之前衆院議長である。自民党最大派閥ではあるが、「安倍晋三」一人突出してあとは「烏合の衆」に近かった。それが凶弾に倒れた。後をどうするという段になったらトップに立てる人材もなく、塩谷立座長の下、松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長、高木毅国対委員長5人の集団指導体制だという。

派閥というのは端的に言えば、親分を総理にするための集団である。それが5人もいるというのでは、もはや派閥の体をなしていない。遠からず分解するのであろう。

自民党弱体化の元凶は「魔の3回生」ばかりではない。もはや「家業」になっている世襲議員の多さ、派閥の長のリーダーシップの不足・・・いろいろあるが、共通しているのは選良としての「志」の低さである。

ブログ子は無党派層の自民党離れの象徴として「日本保守党」に注目している。大手メディアは無視しているが、党員数が5万人を優に超えたという。党費は年6000円で、自民党より2000円も高いのに、だ。新橋駅頭や秋葉原、名古屋の街頭演説には物凄い聴衆が集まった。大阪梅田では陸橋の上まで人で埋まり、危険だとして警察から中止要請が出たという。

ブログ子は旗揚げ当時「夕刊フジ新党」と呼んでいた。発起人の百田尚樹代表(67)、有本香事務総長(61)ともに夕刊フジを舞台にする論客だったのと、政治の弛みにたまりかねての結党宣言も夕刊フジ紙面だったためだ。

新党というのはスタート直後はブームになるが尻すぼみが多い。党勢拡大を急ぐあまり「タマ」不足(人材難)が露呈するからだ。公明党を上回る勢いだった「日本維新」が最近あちこちの選挙で敗退しているのもそうだ。「日本保守党」も舌禍が心配な河村たかし名古屋市長を抱え込んだあたり少し危惧するが、今後「いいタマ」を揃えられるかどうか。

岸田内閣支持率下落の原因は日本の「国柄」を示せないからだ

岸田内閣支持率は共同通信の世論調査では28・3%(3~5日実施)にまで落ち込んだ。危険水域だ。その原因について、「1人あたり所得税と住民税で4万円減税」というしょぼい政策や総理や閣僚を含む「特別職」の国家公務員の給与を引き上げる「お手盛り」批判を挙げるメディアが多い。

何を馬鹿なこと言っているか。ブログ子もたった一回4万円減税などしょぼいと思う。が、ありがたがるのは公明党ぐらいでそんなことで政権批判する人間はいない。給与引き上げと言ったって総理の年額支給4000万円に対し「総理は年間で46万円、閣僚は32万円アップ」である。日本国を引っ張る対価としては微々たるもので返納などと言わず、堂々ともらえばいい。

岸田政権が評価されないのは、「鵺(ぬえ)のような」、つまり”何だかよくわからない”政権運営にある。安倍晋三政権にあったような日本という国の姿勢を世界に示す性根が見られないのである。

直近の例を挙げる。イスラエル・パレスチナ戦争とろくでなし国家、中国が沖縄県・尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内に無断で「海洋ブイ」を設置したことに対しいまだに撤去に踏み切れないでいる、まさにその鵺のような姿勢が国民に見透かされているのである。

ハマスの攻撃でイスラエル側に1400人の死者(その後ハマスの戦闘員がカウントされていたと1200人に修正)、パレスチナ側死者1万人超。

我が国の対応ときたら「イスラエル及びパレスチナ自治政府間の直接交渉が現在中断されていることを憂慮するとともに,双方に対し交渉の再開を強く要請する」である。 これはもう立派な戦争である。勝つか負けるかしかないのが戦争だ。それなのに『双方に自制を求める』はないだろう。

「G7の中で日本は欧米と違う。アメリカはユダヤの人たちの影響力があり、大統領選挙も控えている。イギリスは”三枚舌外交”の歴史、ドイツはホロコーストの歴史がある。日本は是々非々でいいのではないか」(外務省関係者)関係者)。この期に及んで日和見は許されないのに、こののんびりぶりは耐えられない。

ブログ子の私見だが思い切って国連軍の派遣を日本が中心となって働きかけできないか。ロシア・ウクライナ戦争を見てもわかる通り、国連が全く機能していない。常任理事国に拒否権を与えているためである。ソ連時代グロムイコ外相が容赦なく拒否権を行使して「ミスター・ニエット(英語のNO)」の異名をとったが今回もロシアは乱発している。それというのも国連組織そのものが第二次世界大戦の戦勝国会議であるからだ。ゆえに日本とドイツは常任理事国にはなれない。

これを改組する意味でも日本が先頭に立って音頭を取るべきだ。中東の石油に依存している日本はイスラム諸国に強く出られないのはわかるが、せめてこの機に国際政治の場で先陣を切ってほしい。

中東戦争では先進国はアメリカに倣ってイスラエル支持だったが、今回はパレスチナに肩入れする国際世論が多くの国で起きている。イスラエル建国時に世界で真っ先に承認したのはアメリカのトルーマン大統領だが、国の政財界、司法に多くのユダヤ人を抱え「特別な関係」(ケネディー大統領)は現在もそのままだが、シカゴなど多くの都市でイスラエルの強硬姿勢を非難するデモが起きている。

英ロンドンでも11日、中心部のハイドパークにパレスチナの旗や「フリー・パレスチナ(パレスチナに自由を)」などと書かれたプラカードを掲げ、50万人が「今すぐ停戦を」とシュプレヒコールを上げた。フランスのマクロン大統領も、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザの空爆や民間人殺害について「正当性がない」として停止を求めた。

ナチスのホロコーストの過去を持つドイツはイスラエル支持が「国是」でショルツ首相はいち早くイスラエル寄りの発言をしているが、今月4日にはベルリンではおよそ9000人が、政府にガザ停戦などを実現するよう訴えるデモを繰り広げている。

尖閣諸島に設置した中国のブイの問題だが、海上保安庁などの情報では、ブイは尖閣諸島の北西約80キロ、日中中間線の日本側にあり、直径が10メートルとかなり大きく、7月1日から2日にかけて中国の大型ブイ作業船「向陽紅22号」が設置していった。日本は「国連海洋法条約」違反を理由として外交ルートを通じて中国に抗議を行うとともに即時撤去を求めた」(松野博一官房長官)だけ。

11月1日の参院予算委員会で、日本維新の会の東徹氏が「日本の撤去要求を中国側が聞き入れないなら、実力で撤去すべきだ」と主張したが、上川陽子外相は国連海洋法条約など国際法に関連規定がないとして放置したまま。

しびれを切らした高市早苗経済安保相が「日本が撤去しても違法ではない」と私見を述べたが、その通りだ。上川外相の見解は「規定がないから撤去できない」だが、逆に言えば「国際法で、撤去してはいけないと書かれていないのであれば、撤去してもいい」となる。(政治評論家・高橋洋一氏)

青山氏は「中国側は、ブイを設置された後の日本側の動きを見ている。今回だけでなく、何度もやっているはずだ。ブイを撤去すれば中国は当然騒ぐが、それに対して覚悟ができているかの問題だ。日本が国家の〝意思〟を示すしかない」(夕刊フジで評論家・青山繁晴氏)。

9月26日、フィリピン沿岸警備隊は、同国のEEZ内である南シナ海のスカボロー礁に中国海警局が設置した「浮遊障壁物」を敢然として撤去した。フィリピンの方が国家としてよほど「毅然としている」ではないか。

ブログの亭主、「山上げ」で更新中断します

ささやかなこのブログ「Mt.8 Blog」を愛読ありがとうございます。東京も暑くなってきたので、恒例のように八ヶ岳の山墅に引きこもります。

アナログの世界で、テレビなし、Wi-Fiなし。テザリングでメール30本をダウンロードするに30分という有様ですのでブログの更新を中断します。再開は下山する秋以降になります。

書きたいことはたくさんあって、例えば今日日韓財務相会談だそうです。かねて心配していた通り、日韓スワップを復活する運びです。ろくでもない文在寅政権が一方的に「もう日本の助けはいらない」と蹴っ飛ばしたのを岸田政権は忘れたのでしょうか。韓国はいまだにレーザー照射を謝らないばかりかやったことすら認めていないのにも関わらずです。2日前には韓国をホワイト国待遇に復帰させました。戦略物資のフッ化水素など3つの半導体材料を「第三国」つまり中露へ横流ししている疑惑がその理由だったはずです。その疑惑がなくなったなどついぞ聞かないのに、この融和策は許せない、というのが世論でしょう。岸田政権の支持率が14%下落した原因が奈辺にあるか、この甘さのツケは秋の総選挙に出るでしょう。

ウクライナ戦争についてもしばらく書いていませんが、ブリゴジンの乱ではワグネルはモスクワまで200キロ地点まで疾風のごとく迫りました。11時間で800キロ、高速道路を走るスピードです。つまりロシア南部にはまともなロシア軍などいなかったのです。

クリミア半島の北と東の2本の補給路はウクライナ軍に破壊されて復旧は7月、とプーチンは強がっていますがまず無理でしょう。ブログの亭主が下山する晩秋にはクリミア半島とセバストポリ軍港は奪回できるのではないか、そんなことを考えながら山に上がります。

「上げ馬神事」は馬の能力を無視した虐待である

約700年前から続く「上げ馬神事」のあり方が、議論を呼んでいる。三重県桑名市の多度大社で毎年5月に行われる「上げ馬神事」に関し、一見(いちみ)勝之知事は、最近十数年で計4頭がけがをして安楽死させられたと明らかにした。県によると、安楽死した馬は平成22年に1頭、26年に2頭。今年も1頭が安楽死させられた。骨折や脳挫傷が理由。「事故の頻度が多い。対策を講じるべきだと主催者側に伝える」と述べた。

「上げ馬神事」は南北朝時代に始まったとされる伝統行事で、毎年約10万人が見物に訪れる。地元の青年が馬に乗り50メートルほど疾走したのち、高さ2メートルほどの土壁を飛び越えられた回数で、稲作が豊作か凶作かを占う。

ブログ子は新人記者の時、三重県津支局に配属された。4年半ほどいたがそのうち2年ほど四日市通信部で、多度大社が近く、2回「上げ馬神事」を取材して送稿した。大学時代4年間馬術部にいて障碍飛越競技をしていたので馬のことがわかるのだが、当時から「この祭りは無茶だ」と思っていた。馬の能力を無視しているからである。

無茶だ、という理由は三つある。一つ目は「700年前と現在では馬の種類がまるで違っている」ことである。二つ目は「障害飛越競技としてみた場合、馬が踏み切るスペースがない」こと。三つ目は「騎手の未熟が馬の飛越を邪魔している」ことだ。

一つ目。「源義経」を一躍有名にした戦法に「鵯越の逆落とし」(ひよどりごえのさかおとし)という奇襲攻撃がある。一ノ谷の背後にある断崖絶壁から、騎乗したまま坂を駆け下りて平家の軍勢を壊滅させたものだが、この時の馬は現在とはまるで違う在来種と呼ばれる馬種である。保護活動のおかげで国内に少し残っている木曽駒がそれに該当する。馬体はポニーほどと小さいが、足腰が強く、武士を乗せて上述のような活躍を見せた。

その後、日本の馬は日清日露戦争で大改造される。旅順の203高地の戦いに見られるように、大砲を運び上げるのに馬が使われた。在来種は小さくて適さず、アラブ種と掛け合わされた馬が使われた。アラブ種というのは、映画、「アラビアのロレンス」に登場する馬で、馬格が大きく足腰が強い。ほかにもペルシュロン種などという1トン近くある馬種もある。靖国神社には彼らの慰霊碑があるが大東亜戦争まで軍馬90万頭が死んだ。

ブログ子の馬術部では10頭ほど繫養していたが、8割がアラブ種だった。足腰が強いので飛越能力が高い。しかし現在は9割がサラブレッドである。乗馬用など需要が少なく、生産者はみな競走馬のサラブレッドしか扱わないのだ。いまで仕方なくは乗馬用もサラブレッドを調教し直して使っている。多度神社も同じで周辺の乗馬クラブから借り上げたのだろうがサラブレッドしか調達できないのだ。

走り方も違う。在来種は「側対歩」(そくたいほ)という走法で反動が少なく狭いところも駆け上がり、走り抜ける。競馬中継で見るサラブレッドが一斉にゴールに飛び込むシーンで見られるのは「襲歩」(しゅうほ)という、2肢の蹄しか同時に地面にかない走法である。水平方向には早いが飛越能力の上からは劣る。「上げ馬神事」のコース設定は在来種向けに作られているのである。

左の急坂を駆け上がる

二つ目。馬は50メートルほど疾走すると斜度20度ほどの急坂に差し掛かる。そこを駆け上って高さ2メートルほどの土壁を飛び越える。五輪では2メートルほどの障碍物はある。高い飛越能力が必要だが不可能ではない。馬は土壁の前でいったん馬体を収縮させ、前肢2本を土壁の上に投げ出して、後肢2本で踏み切って乗り越える。しかし、多度大社ではそのとき馬が踏み切るスペースがないのである。

急坂を登ってさらにこの高さを飛び越えるというのは至難の業だ

ブログ子が見た時の経験では成功するのは5頭に1頭くらいの割合であった。本能がさせるのだろうが、どこで踏み切ったのかわからなかったが、馬の方が瞬時に判断して踏切点を見つけたのだろう。

三つ目。騎手は4月に選ばれた地元の青年が1か月ほど練習して挑戦する。だが本番にある2メートルの土壁の飛越練習はない。1か月間練習するのは振り落とされないよう鞍に座ることだけである。ブログ子が半世紀前に見たときには上り坂で早くも落馬する者がかなりいた。成功体験がないまま本番に臨んでいるのである。

馬は飛越の時大きく首を後ろにのけ反らすもので、この時騎手は前傾して自分の首を馬の首の横に付けるのだが、未熟な騎手だと落馬しかかっているから逆に馬の首にしがみつく。これでは飛越を邪魔するだけで、馬は土壁に激突するしかなくなる。最上部には振り落とされた騎手を受け止める役目の若い衆が左右に控えているので人間はケガしないが、馬は極端に狭いところに追い込まれて身動きが取れない。

上の写真など騎手はまだ鞍上にあるが、馬は土壁に激突している。横隔膜破裂で即死するか、よくて前肢骨折が免れないシーンである。骨折で安楽死させたのが4頭だという。一般の人は馬が骨折した場合は安楽死と思い込んでいるが間違いである。時折、中央競馬で骨折馬に獣医が現場で筋弛緩剤を打つ場面の遠景が写されるせいだろう。

馬は骨折ぐらいでは死なない。人間と同じでギプスと添え木で手当てすれば半年ほどの養生で回復する。あれは馬主がその後の経済性を考えて獣医に安楽死を依頼するからである。ブログ子のいた大学には獣医学部があったので、骨折した馬の手当てを獣医と相談することができた。温泉療法やプールで泳がすなど手間はかかったが普通の障碍飛越はこなせるほど回復したものである。

馬の歩法に4種ある。常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)、襲歩(しゅうほ)である。馬術としてこの神事をみたとき、必要なのは「駈歩」だけである。ところが、ブログ子が見たとき、スタート直後から若い衆が篠竹で馬の尻を鞭打っていた。いきなり「襲歩」に追い込んでいた。ほとんど「狂奔」状態で高い土壁に激突する馬がかわいそうでならなかった。

「上げ馬神事」は続ければいい。ただ、日本の馬に対する知識や馬術に関する理解がないまま、700年の伝統だけを守って「神事」が行われていることが問題なのである。その結果、馬の運動能力に反するコース設定となり、ほぼ100%の動物虐待になっている。早急に専門家の意見をいれて改善をはかるときである。

これは珍しい「成功」例。ブログ子も昔、この角度からの写真を撮った

LGBT法案などという気色の悪い法律をつくるな

 性的少数者(LGBT)への理解の増進に関する法案が今日16日成立した。普通、法案というものは利益を受ける当事者側が大喜びして、利益に無縁の側が不満もつものだが、今回は両者とも「反対」というのだからわかりづらい。野党の反対に加え、自民の山東昭子前参院議長、青山繁晴参院議員、和田政宗参院議員の3氏が採決時に退席した。

超党派議員連盟の会長代理として議論を主導してきた稲田朋美衆院議員

この法案は、自民、公明両党と、日本維新の会、国民民主党の4党の修正協議でまとまったものだ。拙速も拙速。むりやり(片方に言わせれば骨抜き)通したこの4党の責任は大きい。岸田首相は立憲民主が今日提出する不信任案を受けて解散するとみられていたが、急遽「今国会中の解散はない」と任期切れの10月まで引き延ばした。世論調査で出ている自民党が大幅に議席を減らすという予測におじけづいたのだろう。

LGBT当事者からも反対の声があがるややこしい次第になったのはなぜか。かいつまんで言うと、これまで国会には、3つのLGBT法案が出てきた。1つ目は、もともとの自民党案である「元祖LGBT理解増進法」。2つ目は、野党案である「LGBT平等法」(以前「LGBT差別解消法」と呼ばれていたもの)。3つ目は、与野党協議によって手直しされた今回成立した「修正LGBT理解増進法」。この3つ。

ゲイを公表している側からは、自民党案の元祖LGBT理解増進法については「性同一性を理由とする不当な差別はあってはならない」と規定していてよくできていたという評価だった。ところが、LGBT活動家が「理解増進は生ぬるい」と。「差別禁止でなければダメなのだ」と言いいだし、結果、「性同一性」の表現を、維新・国民案の「ジェンダーアイデンティティ」に改めた。

ブログ子が「気持ち悪い」と表現する一つ目の理由は、この外来語である。日本の法律に「ジェンダーアイデンティティ」なる外来語が組み込まれるのは初めてではなかろうか。排斥論者だはないが「性同一性」でなぜだめなのか与党に聞きたい。

ともかく、与野党協議によって「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」という文言が入ることに よってどうなるか。上述のゲイを公表している人からはアメリカの水泳界の問題が提起されている。

「アメリカの水泳界には、トランス女性であるリア・トーマス選手がいますが、彼女はアメリカの大学の水泳選手権で金メダルを獲りまくっているのです。身長は190センチあり、身体はまったくの男性です。手術はしておらず、その上から女性用の水着を着ているのですね。そして女子更衣室でも男性器を隠さずに歩いているそうです。他の女子選手が『何とかして欲しい』とコーチに頼んだのですが、『我慢するしかない』と言われてしまった。裁判で訴えられたらコーチ側が負けてしまうからです」

水泳界ばかりでなく、インターハイ、国体、などあらゆる大会で問題が出てくることは容易に予想できる。現に、悪意を持った男性が「女性だ」と自称し、女子トイレなどを利用する事案は現実に起きている。こうした行為は現行法で禁じられているが、新法を盾に、現行の禁止規定を「不当な差別だ」と主張する口実に使われかねない。

公衆浴場や温泉地で、女性を自称して女風呂にカメラ片手に見た目「男」が堂々と入ってきてもどうしようもないのが目に見えている。

 法案に、LGBTに関する教育を「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ行う」と記したことも問題だ。過激な主張を掲げる団体が学校に圧力をかけ、発育を無視した性教育を迫る事態が外国では起きているという。

「例えば学校の教育の現場で、まだ思春期にもなっていない子どもたちが、LGBTを理解させるという意味で、“おとぎ話の王子様は男性と結婚しました”というような教材を使っているという海外の報告もある」(自民党 西田昌司参院議員)

日本社会はもともとLGBTに鷹揚だった。本能寺の変で織田信長とともに死んだ森蘭丸など大名の寵愛を受けた小姓など数え上げればきりがない。古代ギリシャでは少年愛が当たり前だった。昔はともかくとして近くを見れば、現在、歌舞伎界を揺るがしている、両親が死んで本人は生き残った市川猿助(47)の服毒事件なども同性愛事件としてみればわかりやすい。

20年前ほどだが歌舞伎担当の同僚記者から聞いた話だが、凄まじい嫉妬の世界で女形(おやま)が恋敵に刃物を振るうなどしょっちゅうだという。この時の話題は女形という芸域がそうさせるのか、天性の性癖かということだったのだが、彼が亡くなったとき横浜の斎場には歌舞伎界のそうそうたる顔ぶれの花輪が10数個、新聞社や松竹の花輪を圧して並んでいた。そのとき誰が「たち」で誰が「ねこ」なのか名札を見ながら考えたものだ。

ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(令和元年死去)による性加害問題も日々芸能面を賑わしている。黙殺してきたジャニーズ事務所とテレビ各局が指弾されているが、何をいまさらという思いだ。これまた20年以上前の話になるがブログ子など門外漢だったが彼の性癖は耳にしていた。

当時ブログ子はフジサンケイグループの新聞社側にいたのだが、大規模なイベントなどではテレビ、新聞、ラジオなどグループの代表が集まって広報などについて会議が開かれる。いつもブログ子のすぐ左にはジャニーズを代表してメリー・喜多川氏が、右前には吉永小百合の夫、であるグループの共同テレビ社長の岡本太郎氏がいたのを覚えているが、グループ員でもないのにジャニーズ事務所が一人取り仕切っていて、誰も発言できない雰囲気だった。まして、ジャニー喜多川の性癖など知っていても口することなどタブーであった。ほかの民放テレビ局も同じで全局ジャニーズに依存していたのだ。

自民党の法案提出者は「法案は理念法で、新しい権利を加えるものではない」と説明している。そのとおりで、もともと「LGBT理解増進法案」は「理念法」という部類に属する。「理念法」というのは、社会問題や政策課題などに対する国としての理念が記され、国や地方自治体、企業などに取り組みを促す法律のことをいう。国民に新たな権利を与えたり、罰則について定めた規定もない。

なんの利点もなく、逆に新法を契機に 恣意的な解釈が横行し、性や結婚に関する民法などの規定を巡って違憲訴訟が相次ぐ恐れがある法律などつくる意味がない。

日本の社会は諸外国に比べLGBTの人たちにはるかに寛容であった。それをことさらあげつらって混乱を招くより、今まで通りにしていれば何事もなく済む性質のものなのである。成立したのは仕方ない。こんなもの無視して取り合わないことである。

韓国「レーダー照射事件」で妥協は禍根を100年残す

日韓の紛争は過去何度もある。すべて韓国が一方的に騒ぎを起こしては、やがて収まりがつかなくなり日本側に「未来志向」を持ち掛ける。大甘の日本がそれを受け入れていったんは収拾するが、やがてまた韓国側がやらかす。この繰り返しである。

今回また、韓国海軍駆逐艦による、海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件に絡み、岸田文雄政権は事件のケジメも付けずに、なし崩しで事態収拾を図ろうとしている。ろくでもない文在寅政権が反日に狂奔したあと、か細い支持率ながら日米韓の安全保障を大事にしようとする尹錫悦政権が誕生した。この流れを止めたくない気持ちはわかるが、このまま妥協すれば、日韓に100年の禍根を残すことになる。断じて反対だ。

韓国海軍駆逐艦による火器管制レーダー照射の映像

レーダー照射事件は、「反日」暴挙が相次いだ文在寅政権下の2018年12月20日に発生した。日本海の能登半島沖で、海自のP1哨戒機に、韓国海軍の駆逐艦「クァンゲト・デワン」級が攻撃を意図する火器管制レーダー(射撃指揮システムで使用されるレーダー)を照射した。これがどれだけ大変な戦闘行動かはすこし軍事のことがわかる人間なら.ひっくり返って驚く事案だ。

当然、日本政府(安倍内閣)は文在寅に対し「哨戒機に対する火器管制レーダー照射があった」と抗議した。しかるに韓国政府は「使用していたのは探索レーダーで、哨戒機を追跡する目的ではない。北朝鮮の遭難船のためにレーダーを稼働したのを日本側が誤解した」と否定したうえ。「韓国海軍艦艇に日本の海上自衛隊機が低空飛行で接近し『威嚇飛行』を行った」と開き直った主張をし、日本に謝罪を求め、その証拠として航跡のイメージみたいなものまで出してきた。

日本のP1哨戒機の行動はすべて明らかになっている。なんの問題もなかった。それを威嚇と言い張るのであれば、世界の常識では「旭日旗」同様もはや海軍とは言えないレベルの強弁だが、韓国はいまだにこの主張を通しているのである。李国防相は直後の韓国の国会で、「照射はしなかった」と発言するなど、韓国は事件自体を認めていないのだ。

この事件後の2019年2月には韓国軍内部で日本の航空機に対する対応指針が通達され、自衛隊機が警告に応じず、近距離を飛べばレーダーを照射するという軍指針を発表した。2度警告しても近付く自衛隊機には、現場の判断で照射を認めるという「追跡レーダー照射」基準である。つまり、ウソを糊塗する行動基準まで軍部が作成したのである。日本政府は「異常な内容」と驚愕したものだ。

かくも理不尽な韓国相手に妥協はありえない。日経新聞が31日朝刊で報じたところでは、韓国側が事件後に作成した自衛隊機へのレーダー照射を容認した「軍指針」を撤回する代わりに、日本側は韓国側に事実認定の表明は求めず、日韓の防衛協力を進める方向で協議するという。浜田靖一防衛相と、韓国の李鐘燮国防相は、近くシンガポールで会談、両政府の協議が詰めの段階に入っているという。

内容が報道通りなら、事件を棚上げして韓国の言い分を丸飲みするようなものだ。反日無罪などという勝手な理屈をこね繰り返した文在寅前政権下の出来事だが、安全保障政策で前政権よりも現実的な姿勢をとる尹錫悦現政権になった現在でさえ韓国は照射の事実を認めていない。

韓国は、入港時の国際慣例である自衛艦旗の旭日旗掲揚を拒否した問題で、5月に海自艦が旭日旗を掲揚しての釜山寄港を認め、正常化させた。米韓は4月、米戦略原子力潜水艦の韓国寄港などの方針を表明し、足並みをそろえた。日米韓の結束に向け、レーダー照射問題を訴える日本側にも譲歩が求められていた。「韓国の姿勢が昨年と全然、違う」。防衛省関係者が言うように韓国側が正常になりつつあるのは認める。いいことだ。

酒井良海上幕僚長(写真右)は6日の記者会見で、火器管制レーダーを照射した問題を巡る対応方針を説明した。「なにより再発防止が重要だ。未来志向で連携を強化し地域の安全保障環境の安定に日米韓がともに取り組む」と述べた。「現在の安保環境を踏まえると18年以前のレベル以上に強固な連携体制を早期に確立する方が国益だ」と説いた。防衛省幹部は「立場が違う以上、追及すれば話ができない。思うところは飲み込むしかない」と苦しい胸の内を明かす。

岸田政権の意向を汲んでの発言だろう。しかしこれまで韓国に何度煮え湯を呑まされてきたか。従軍慰安婦、徴用工問題、旭日旗、軍艦島、竹島、佐渡金山から日韓スワップ問題・・・数え上げればきりがない。結果はどうか。皆根拠を失って向こうから歩み寄るしかなくなったではないか。日本は対岸の一人芝居に近い「奴踊り」を見ているだけでおのずと自らの非に焼け焦げていくのがパターンである。日本はこの国には理非曲直を正すだけでいいのである。無用な斟酌はこの国には必要ない。

「外交の岸田」だという。確かになんでもないはずだった「G7広島サミット」がゼレンスキー・ウクライナ大統領の原爆資料館訪問で大金星に格上げされた。ブログ子に言わせればついているだけである。首相公邸での一族忘年会で愚かな息子の首相秘書官らの寝っ転がり写真が出たくらいどうってことはない。

だが、愚かな韓国相手に今度また同じ轍を踏むなら、九仞の功を一簣に虧くことになる。近づく解散総選挙では痛い目にあうであろう。

なんだ!この無礼で的外れな質問する記者連中は

広島市で開かれていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)が閉幕したことを受けて岸田文雄首相が開いた議長国会見で、記者席から「総理!逃げるんですか!」との声があがり、首相は一度は離れた演台に戻って会見を再開する場面があった。

会見は14時30分から30分間を予定していたが、前の予定が長引いて14時42分にスタート。約23分にわたって冒頭発言し、日本メディアから2問、外交メディアから2問ずつ質問を受けた。この時点で、予定よりも10分長い40分が経過。司会者が終了を告げる中、一人の記者が、

「総理、待ってください。核軍縮ビジョンについて聞かせてください。1問だけでいいので。総理!逃げるんですか」

無礼な質問をした最前列の記者(左手を挙手している男)

岸田首相は一度は演台を離れ、書類を入れたファイルを秘書官に渡したが、「逃げるんですか」と言われた直後に「一言だけ答えよう、じゃあ」と演台に戻った。

「核軍縮ビジョンについて答えろという質問でありました」と切り出し、G7として核軍縮に焦点を当てた初めての独立文書「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンの考え方に基づいて、G7で努力していこう、こういったことを確認した」などと、メモなしで3分30秒ほどかけて説明した。

ブログ子は中継を見ていたが、ずいぶん失礼な記者だなと思った。最前列の記者だったので内閣記者会所属と分かる、どうせ、朝日か毎日の人間だろうと思っていた。23日のアゴラの記事で、この人物は元朝日新聞の尾形聡彦記者(下の写真右)だと知った。

迷惑質問の常連、東京新聞・望月衣塑子(左)と朝日新聞・尾形聡彦(右)はネットメディア仲間

安倍晋三や菅義偉首相時代にはた迷惑な質問で記者会見を劣化させた東京新聞の望月衣塑子記者と一緒に現在はネットメディアをやっているというから、まあ同じ穴のムジナであろう。望月衣塑子たるやサミット前にこんなツイートもしている。アメリカが同盟国が保有するF-16戦闘機のウクライナ供与を認めるという報道に「まさか、日本が保有するF16戦闘機を米国は出させるつもりではないだろうか」。もうバカとしか言いようがない。

G7広島ではではゼレンスキー大統領も会見したが、その冒頭で出た質問もひどかった。地元テレビ局のRCC中国放送だ。

「被爆者の中には、”継戦の為の兵器の支援要求も大事かも知れないが、被爆地広島に来たのに戦争を終わらせる和平は話し合えないのか。違和感がある”との声もあるが?」

自分の考えでの質問ならまだしも、被爆者たちの声と、陰に隠れて筋違いの非難をぶつける二重に無礼な質問だ。

これにはゼレンスキーも顔を曇らせて直接は答えず、「原爆資料館で見た広島の光景はバフムトに重なる。石段に焼け付いた人影が印象的だった」と答えるにとどめていたが、むっとしたことだろう。バフムトは破壊されつくして生き物の姿はない。ほとんど原爆を落とされたのと同じだという。

一方的に侵略したのはロシアである。国の存続をかけて命がけで武器を取っているウクライナに問いかける話ではない。お前、ロシアに行ってプーチンに言えよ!と言いたいくらいだ。被爆者団体は二つに割れている。そのうち(夢のまた夢)核廃絶に踏み込まないG7は評価しないという一派の代弁でしかない。

RCC中国放送は偏向はなはだしい関口宏 のサンデーモーニングをいまだに垂れ流しているTBS系(毎日)のテレビ局である。残念ながらブログ子の長女の連れ合いはここの中堅幹部で、聞くところによるといまや毎日新聞の影響力は微塵もないようだが、地方では別らしい。

朝日新聞は、昔は安保条約にも自衛隊にも反対だった。空論であったことが明白になった現在、反省もなくまだ「G7諸国が核兵器禁止条約に入らないと核廃絶への道筋ができない」と空論をうそぶいている。プーチンが核を使うと脅している今、「核兵器を全部なくせ」なんてこと通じるか。

やりたい放題 中国に対抗する「スパイ法」の構築が喫緊

北京市で日本の製薬大手・アステラス製薬の現地法人幹部の男性(50歳代)が拘束された事件。釈放どころか日本側の領事面会要求に、新型コロナウイルス対策を理由にモニター越しで行う強硬ぶりだ。習近平政権は2014年以降、国家安全法や反スパイ法を新たに制定し、外国人の監視や取り締まりを強化。スパイ行為などで拘束された日本人は計17人に上る。

19年9月の岩谷將(のぶ)・北海道大教授の場合、中国社会科学院の招待で北京に滞在中に身柄を押さえられている。岩谷氏は防衛省防衛研究所や外務省で勤務経験もあり、中国当局が訪中のタイミングを虎視眈々と狙っていた可能性が高い。アステラス製薬の場合も帰国直前の逮捕だった。

3月25日に拘束されたアステラス製薬の50歳代の日本人男性は、中国滞在歴が通算20年を超え、日系企業団体「中国日本商会」の副会長も過去に務めていた。北京の日系企業の間では有名な人物で、医薬分野を中心に中国の当局者や企業幹部とも交友が深かった。男性を知る日本人駐在員は「歯に衣着せぬ発言の人だったが、スパイ活動をしていたとは思えない。親しい中国人が当局にマークされたなど幅広い人脈が虎の尾を踏む形になったのではないか」と懸念する。

折から親中派でなる林芳正外相が訪中、秦剛外相などと会談したが「中国との間では主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、突っ込んだ意見交換を行いたい」と言った。どこが「突っ込んだ」主張なのか歯がゆいといったらない。

中国の「日本人狩り」は今に始まったことではない。ブログ子は1990年後半に中国入りしたことがある。親しかった警視庁公安関係者が「それはきっちりマークされるでしょうな」と言った。特段の情報取材などではなく、北京、上海、蘇州を回り漢詩の旅と観光が主で、キャノンがアジアヨーロッパから出るプリンターのカーボン処理工場が大連にあるので、それを見学するだけのものだった。

だが産経新聞記者というだけでマークされることは自分でもわかっていた。新聞記者の鑑だと思うが、先輩に柴田穂記者がいた。紅衛兵らによる文化大革命について、1964年に決まった「日中双方の新聞記者交換に関するメモ」で北京支局長を務めた。朝日、NHKが当局発表ものを垂れ流す中で、柴田記者一人北京の街を歩き回り壁新聞を拾い読みしてこれは毛沢東と反毛沢東派による権力闘争と看破し取材報道、為に中国を追放となった。

この時代、産経というだけで要注意人物にされたのである。気になって各地で急に振り向いて尾行のあるなしを確かめたりしたが、そんなへぼ尾行するわけもない。だが大連で確信した。夜9時ごろ女の声でカタコトの日本語で「お誘い」の電話が来た。「デーレン(大連」)をすこし案内しましょうか」といった内容だったが、この部屋に日本人がいることはフロントしか知らないはずで、ピンときた。

翌日夕方大連市内で屋台を囲んだ大人が吐き散らすエビの山を漁る子どもを見かけ写真を撮ろうとしたがやめた。中国の貧困を意識して撮影したといわれたら言い訳できない。近くの旅順で203高地など日露戦争の戦跡を見たかったがこれもやめた。軍事施設を撮影する目的と言われかねなかったからだ。

大した情報を持っていないのは当の本人が一番知っているが、それでも拘束しとけば人質交換という形で役に立つのがこの世界である。現に、中国のスパイとして人質を取っている国では、中国側と交換という形で自国民を奪還しているところもある。

中国は軍事大国への道を驀進しているが、すべてはスパイ行為で手に入れたものである。例えばステルス戦闘機「J(殲20)」はスパイか模倣かは別にしてロシアのステルス実験機MIG144が下敷きだし、2014年、最新鋭のJ-31が初めて一般公開されたがこれなどアメリカのF-35のパクリである。空だけでなく海もまたそうだ。中国初の空母「遼寧」はソ連で設計されたアドミラル・クズネツォフ級航空母艦「ヴァリャーグ」の未完成の艦体を中国がウクライナからスクラップとして二束三文で購入し、カタパルトなど大改修して空母に仕立て上げたものだ。

日本人をはじめとする外国人拘束の根拠になっている中国の反スパイ法は14年11月に施行され、最高刑は死刑だ。しかし、同法には、具体的にどのようなことをすればスパイ行為だと認定されるのかは明記されていない。その上、スパイ行為はもとより、その任務の受託、幇助(ほうじょ)、情報収集、金銭授受なども罪だとされる。

22年末には改正案が公表され、40条の現行法から71条編成へと大幅に内容が加えられた。現行法にある「国家機密の提供」だけでなく、スパイ行為が疑われる人物・組織が所有・使用する電子機器やプログラム、設備などの調査権限も規定し、「重要な情報インフラの脆弱性に関する情報」もスパイ行為の対象であると規定する。

つまり、中国当局がその気になればなんでもこの法律でスパイ罪で拘束できる便利この上ない代物である。いつの時代でも人・物・金・情報が集まるところがスパイの巣窟になってきた。モロッコだった時もあるしフレデリック・フォーサイスの映画「オデッサファイル」のオデーサ(ウクライナ)だった時もある。今世界一のスパイ天国はこの東京である。人・物・金・情報に加えてスパイを取り締まる法律が一つもないという天国である。世界中のスパイが東京に蝟集している。

 政府は12日に閣議決定した答弁書で、早稲田大や立命館大など国内の少なくとも13大学に、中国政府による「孔子学院」設置が確認されていると明らかにした。イギリスはじめ多くの国は「孔子学院はスパイ組織である」と認定閉鎖命令を出しているなかで日本だけは放置している。おかしくはないか。

日本では中国のスパイ行為は野放し。なのに、「中国の国内法に外国政府は口が出せない」などという事態があっていいものか、自明である。

立憲のバカ質問「うな丼食ったから即刻更迭」にあきれる

谷公一国家公安委員長は25日の自民党議員のパーティーで、岸田文雄首相の選挙応援演説会場に爆発物が投げ込まれ、襲撃された事件を巡り、自らの視察先で警察庁から連絡を受けた後も「うな丼をしっかり食べた」とあいさつした。兼務する防災担当相として南海トラフ地震の被災地と想定される高知県を視察中で、これから食べようという時に警察庁から電話があったそうだ。

さっそく立憲民主党の宮口治子参院議員は翌26日の本会議で「危機感も緊張感もない人物に要人警護の責任を担わせてよいのか。『うな丼大臣』は即刻更迭をしてほしい」と求めた。

バカは宮口治子一人かと思ったら同党の安住淳国対委員長が「コメントするのも恥ずかしい。国家公安委員長として緊張感が足りない。会合でうけを狙った冗談かもしれないが、センスはない。国家公安委員長に何よりも先にと伝えているのに、当の本人は何の反応もせず食べてたというんだから、こういう人の下で警察全体が緊張感を持って(5月のG7広島)サミットなどをやれますか」と指摘した。

あきれたものである。このボロ政党の考え方だと、国家公安委員長たるものは「その時」、すぐ箸を置いて謹慎するかおろおろと歩き回っていればお気に召すようだ。都道府県含め何人もの公安委委員長を知っているが、公安関係のあらゆる情報は真っ先に届けられる。鉄道や飛行機に乗っていてもだ。たいていは報告の一方通行である。

戦国武将、真田幸村は出陣前に腹ごしらえのために北信・東信地域に伝わる郷土料理「こねつけ」をしっかり食べた。死を前にした大坂夏の陣(1615年)では兄の信幸と別れの盃とともに食した。腹が減っては戦はできぬ、の習いである。

もっとも谷・国家公安委委員長にはそこまでの悲愴感はなかったようで、ただ会場の受けを狙っただけだったようだ。物のたとえで言うときは、今の国会議員、特に立憲民主党の程度のほどを理解しておかねばならないのだ。

岸田文雄首相は26日、「谷氏は必要な指示、情報収集を行ったと聞いている。引き続き職務にあたってほしい」と述べ、更迭を拒否、続投させる考えを示した。当たり前だが、ついでに立憲民主党の二人に「国会にふさわしい質問をするよう」釘を刺してほしかった。

23日に投開票された衆参5補欠選挙で立憲民主党は衆院千葉5区、山口4区、参院大分選挙区に公認候補を擁立したが、「全敗」という最悪の結果に終わった。執行部は責任を取るものと思ったら、岡田克也幹事長は「(与党が)勝ったとはいえ、接戦だったよねということは言っておきたい。執行部の責任については、代表が責任をとるとかいう話ではない。私も代表から言われない限りは幹事長を続ける。次の衆院選でしっかり結果を出したい」としらばっくれた。引責しない理由については「補欠選挙だからだ」だそうだ。

同じく惨敗した共産党も責任を取る気はさらさらない。55年体制に胡坐をかいた社会党は議場の過半数を埋めたほどの議員数から福島瑞穂一人、政党要件を満たせず消滅の危機にある。立憲民主党もひたひたとその後を追っている。

静岡のシャイロック知事の孤立じわじわと

リニア中央新幹線の整備で、静岡県の川勝平太知事が大井川の流量減少などを懸念して県内工区の着工を認めない問題を巡り、大井川流域である島田市の染谷絹代市長、藤枝市の北村洋平市長、牧之原市の杉本基久雄市長が国交省を訪れ、県とJR東海の協議に今後は国が積極的に関与するよう要望した(写真左下)。要望書は関連する10市町の連名。

これまで県や流域10市町などは大井川利水関係協議会を構成しているが、これまではJR東海と協議に当たっては市町側の窓口として県がすべてを代行するとしてきた。川勝知事の「一滴残らず戻せ」という勝手な要求に、JR東海側が打開策として漏出分を上流から戻す案を出したにもかかわらず、いたずらに引き伸ばしを図るばかりの県の態度に、市町側が不信感を募らせており、国の関与を強めることで議論の透明化や加速化を図りたいと
の行動で、県の孤立化が一段と鮮明になった形だ。

もともと、言うことが嘘だらけ、詭弁ばかりの無理筋だったシャイロック知事は次第に追い詰められてきている。前回書いたように、静岡市長にリニア推進派で川勝知事のもとで副知事を勤めた難波喬司氏が当選したことも追い風になりそうだ。

ところで、このブログを読んでいるという数少ない方からメールをもらった。学生時代馬術をやっていたのだが、同じ趣味の方で、どうして静岡に傾注するのか、なにか理由があるのかというものだった。Tさんに答える形で、私と静岡県との関わりを少し説明しておこうと思う。

新聞社で編集局次長をしていた50歳のころ上役の副社長に疎んじられ、3段階ほど降格の静岡支局長に出された。人生至る所晴天あり、を信ずるので喜んで赴任した。

このときの知事は斉藤滋与史氏で参議院から知事に転じて2期目。兄の大昭和製紙会長、齊藤了英はゴッホの「ひまわり」など2点を244億円という途方もない金額で競り落としたものの「死んだら2枚の絵とともに焼いて欲しい」と言ったので顰蹙をかった人物だ。

他の役員が進言して本社に戻ったので、静岡にはわずか1年しか居なかったのだが、知事とは気脈が通じ、月に2回ほどは大昭和が持っているゴルフ場で知事とプレーする仲だった。

斎藤知事の後は石川嘉延知事だが、彼が自治省(当時)の総務部長から静岡県知事選に出ると言って、どこで聞いたかブログ子のところに来て参謀を依頼された。シンボルカラーを黄色で行け、とアドバイスしたら、その通り4期16年を「黄色いネクタイ」で過ごした。

二人の知事の知遇を得て名前は忘れたが「静岡親善大使」「静岡応援隊」のようなものを仰せつかり毎年年の瀬に、芝浦の料亭で懇親会に招かれ進言するようになった。大学で馬術部にいたのだが3年後輩が「静岡県富士山こどもの国」の総合設計者で石川知事のとき開園したという事もあってますます静岡県との縁が深まった。

川勝平太知事は彼が浜松の県立大学教授をしているときに石川嘉延知事が引っ張ってきて引き立てた男である。しかしご存知のようなろくでもないことをするので、知事室に電話して、毎月のように送付されてくる郷土のニュース山盛りの「静岡便り」を以後打ち切ってくれと「絶交」して今に至っている。

静岡県は東西に長い。東海道・山陽新幹線は静岡県内で最多の6つも駅がある。多くは乗客数が4000人ほどと少ないのにだ。静岡は駿河国、遠江国、伊豆国という3つの国に分かれていて県中部、西部、東部では言葉や気質、産業構造が三者三様。

地域の人柄を表す言葉に「駿河乞食・遠州泥棒・伊豆の飢え死に」というのがある。飢饉などが起きたとき、駿河の人はお上に頼って物乞いをし、遠州(遠江)の人は泥棒をしてでも自分の力で食べ物を手に入れる。そして伊豆の人はのんびりし過ぎているのかそのまま餓死してしまうという意味だ。

静岡の一年間、毎夜のように知事と同じ居酒屋「今年竹」やバーをハシゴしたが、長い物には巻かれろの小商人気質が染み付いている土地柄だった。

そんなおとなしいところに、なんの縁もない信州人の男が来て「一滴残らず水を戻せ」とほざいている。そろそろ静岡県人も噴火するときであろう。

リニアの工事妨害を続けるシャイロック知事に鉄槌を!!

ベニスの商人シャイロックばりに、「トンネル工事で出る水を一滴残らず静岡に戻せ!!」とリニアを妨害する川勝平太静岡県知事の無理難題についてはこのブログでも何度も書いてきた。

品川〜名古屋間をわずか40分で結ぶ「リニア中央新幹線」は国民の期待を背負ういわば国策事業である。2027年に開業予定だったが、この知事一人の屁理屈で工事が大幅に遅れて開業の見通しが立たない。

リニアが通るのは県内8.9キロ、リニア全線の2%にも満たない区間だが「静岡県民の命の水だ。湧出する全量を元に戻せ」というのが川勝知事だ。JR東海の試算によれば、工事によって静岡県内を流れる大井川の水が、毎秒約2立方メートル県外へ流出する。

JR側は、流出量と同じ量を大井川に戻す方策を提示しているが、川勝知事はなぜかウンと言わない。なぜか。この問題で一人、当初からこの知事に楯突いている元静岡新聞社記者で、社が知事派なので退社して地域ニュースサイト「静岡経済新聞」を立ち上げ、現在は雑誌「静岡人」編集長をしている小林一哉氏はこういう。

「川勝知事の言う『62万人の命の水』について、改めて検証をしました。真実を一つ一つ紐解いていくと、大井川の広域水道を利用しているのは26万人であり、その26万人も工事の着工で水不足に悩まされることはないことがわかりました。知事の言うことはまったくのデタラメだとわかったんです」。

なぜ川勝氏は頑なにリニアを認めないのか。そこには県側がかねてよりJRに熱望している「静岡空港新駅」との関連性が見え隠れするという。

要するに「命の水」は口実で、知事が目論む取り引きの材料にすぎないのである。こんな勝手な理屈を許す訳にはいかない。

9日投開票された静岡市長選で、元静岡県副知事の難波喬司氏(66)=自民、立民、公明、国民推薦=が当選した。リニア中央新幹線問題では「推進」を表明している人物である。

一方、これまで川勝知事を支持してきた県や流域10市町などでつくる大井川利水関係協議会は3月27日の会合で、水利権を持つ東京電力側とJR東海の協議入りを了承した。リニア推進に舵を切ったのだ。だが、翌28日に県は「疑問点がある」などとして、「意見を取りまとめてJRに文書で照会する」とさらに引き伸ばし作戦に出た。この期に及んでもゴネる川勝知事に一部の首長は不信感を隠さなくなった。いまでは政府関係者も「こんなの行政ではない」と憤っている

今月1日に就任したJR東海の丹羽俊介社長が12日、就任あいさつのため静岡県庁を訪れ、川勝平太知事と面会した。「地域の方々と丁寧にコミュニケーションをとることで懸念を解消していきたいと申し上げ、早期着工への理解と協力を求めた」と話した。

これに対しても、川勝知事は「静岡工区は科学的、工学的にきっちりと議論していくことを再確認した」と話し、着工の前提となる調査や検証の徹底と納得のゆく説明の必要性を改めて強調した。

科学的、工学的にきっちりと結論が出ているのに、このざまだ。この愚かな知事には「納得のゆく説明」など通じない。政治的に「断罪」すべきときではないか。

爆殺の瞬間まで動画で流れる元KGB同士の戦い

ロシア第2の都市サンクトペテルブルクのカフェで2日午後、、親プーチン政権派の著名軍事ブロガー、「ブラドレン・タタルスキー」(本名マクシム・フォミン)が爆殺された。

タタルスキーは、通信アプリ「テレグラム」でロシアによるウクライナ侵略の経過を報告していた。インタファクス通信によると、露治安当局は同日、爆発物を使って殺害した疑いで、同市在住の20代の女、ダリア・トレポワ容疑者=写真右=を拘束した。

露メディアの報道によると、カフェでは当時、支持者らが交流するイベントが開かれていた。トレポワ容疑者が持ち込んだ贈り物が爆発したとみられる。爆発で少なくとも30人が重軽傷を負った。トレポワ容疑者には昨年、反戦デモに参加して拘束された過去があるという。

露外務省のザハロワ報道官は、殺害にウクライナ側が関与した可能性を示唆。一方、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「ロシア内部の闘争だ」とし、関与を否定した。

露経済紙コメルサントによると、タタルスキーはウクライナ東部ドネツク州で1982年に生まれ、2011年、銀行強盗の罪で服役。14年に勃発したウクライナ東部紛争に際して刑務所から脱走し、親露派武装勢力側で戦闘に参加した。後に恩赦を受け、露国内に移住。昨年2月に始まったウクライナ侵略でも親露派武装勢力の部隊に参加したほか、テレグラムなどで前線の戦況などを発信し、56万人以上のフォロワーを獲得「全員を殺し、全てを奪う」など過激な発言も行っていた。

露国内では昨年8月、露民族派思想家、アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘、ダリアさんの運転する車が爆発し、ダリアさんが死亡している。このときも露治安機関「連邦保安局」(FSB)は、ウクライナの情報機関が主導したテロ事件だと主張、一方、ウクライナ側は関与を否定した。

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FSBはソ連時代の秘密警察機関であり対外諜報機関であるKGB(カーゲーベー)の後継機関である。このときはウクライナもKGBの最有力の構成員だった。両国が敵対関係になって、ウクライナの側の要員はウクライナ保安局(SBU)となった。いわば元KGB同士で、「007」ジェームス・ボンドを上回る諜報、暗殺のプロである。

その後ロシア側のFSBは反プーチン派を何人か暗殺しているが、多くは有毒物質や化学物質が使われている。ノーバヤ・ガゼータ紙のアンナ・ポリトコフスカヤ記者は2004年、機内で出された紅茶を飲んで意識不明の重体になった。2006年にロシアの元スパイのアレクサンドル・リトビネンコ氏は亡命先のロンドンで飲んだ緑茶に猛毒の放射性物質「ポロニウム210」が混入されており、3週間後に死亡した。

動画ではタタルスキーがこのイベントで金色の自分の彫像を贈られる場面が写っているが、この彫像の腕の部分に200グラムのTNT爆薬が仕込まれていたと思われる。受け取ってすぐ爆発したが、即死したのはタタルスキー本人だけで女性は無事だったことから、無線操縦で外部の人間が起爆させた可能性も指摘されている。

こんな事ができるのはプロの仕業以外に考えられない。ロシア側が言う通りウクライナ側の犯行としたら、「お主もようやるのう」である。

墓穴を掘った立憲・小西洋之のサル芝居

「墓穴を掘る」とは、死後に入るための墓穴を自分で掘る行為から来ている。立憲民主党はブーメラン政党という別称を持っているとおり、舌鋒鋭く突撃するものの最後には自分自身で破滅に向かうのを常としてきた。

同党の小西洋之参院議員は「総務省の最高幹部に共有された超一級の行政文書」との触れ込みで、安倍政権当時、テレビ番組に圧力をかける目的で放送法の解釈を変更すべく、官邸側と総務省が協議した文書を振りかざしたときからマユツバとの声が多かった。高市早苗・経済安全保障担当相に辞職を迫る”越権行為”を支持したのは朝日、毎日などいつものメディアくらいだった。

高市早苗大臣に「捏造」と断定され、風向きが変わった焦りからだろう。問題のサル発言が飛び出した。

29日、週1回の開催が定着している衆院憲法審査会について「毎週開催は憲法のことなんか考えないサルがやることだ。何も考えていない人たち、蛮族の行為だ。野蛮だ」と公言した。

小西洋之は参院憲法審の野党筆頭幹事を務めている。それなのに憲法審について「憲法を真面目に議論しようとしたら毎週開催なんてできるわけがない。私は憲法学者だが、毎週議論などできない。いつ最高裁判決や外国の事例を研究するのか。衆院なんて誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけだ」と言ったものである。

自民党安倍派の塩谷立会長代理は「とんでもない発言だ。.衆院がだいぶ怒って『なんとかしろ』と言っているようだが、淡々とやるしかない」と述べ、別の安倍派幹部は「小西氏を参院憲法審の野党筆頭幹事から差し替えるぐらいしないと、衆院側は納得しないのではないか」と語った。

野党も同じで「衆院憲法審に対する侮辱だ。謝罪を求めるべきだ。私たちは真剣に議論を積み重ねてきている。それをサルだの蛮族だのといわれると我慢ができない」(維新の三木圭恵議員)

国民民主党の玉木雄一郎代表は、SF映画「猿の惑星」を引き合いに「小西氏だけ別の星にいるのか。われわれがサルなら、われわれは『猿の惑星』にいるような気がする。猿の惑星はサルの方が知能が高く、人間を奴隷化したりする。発言の撤回と謝罪を求める」と語った。

立憲民主党の長妻昭政調会長はまずいと思ったようだがかと言って支持もできず「党の考え方ではない事実関係を確認し、どういう意図でか確認したい」」と逃げるばかり。「私は憲法学者だ」と言ったことへの真偽を確かめろという声も上がっている。

本人はこの期に及んでも意気軒昂で、「サル」発言を報じた報道機関に関して「放送法に違反し偏向報道を続けるNHKとフジテレビに対し、放送法などあらゆる手段を講じて、その報道姿勢の改善を求めたい。当然、産経とフジテレビについては今後一切の取材を拒否します」とツイッターに投稿して火に油を注いでいる。

この人物、郵政・総務官僚出身だが、奇矯な言動で物議を醸してきた。2014年3月にはNHK経営委員の顔ぶれについて、東北地方の代表者がおらず、全国各地方の公平性の考慮を規定している放送法に違反するとして長谷川三千子、百田尚樹両経営委員の罷免を要求したり、2014年7月の憲法解釈変更の閣議決定について、「安倍晋三首相が行ったことは法令解釈ではない。日本の法秩序を根底から覆すクーデターだ。憲法を何も分からない首相とそれを支える外務官僚を中心とした狂信的な官僚集団」と発言した。

本場オーストラリアでは、ブーメランは強力な刃物で、戻るや人間の首を刎ねるほど強力だという。

野球の醍醐味がてんこ盛り

ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)は日本時間22日、決勝が行われ、日本が前回覇者の米国を3―2で破り、2連覇を果たした2009年大会以来3大会ぶり3度目の優勝を飾った。1次ラウンドから7戦全勝でMVPには大谷翔平が輝いた。

その瞬間、世田谷の自衛隊中央病院の待合室にいた。いつもなら早く呼ばれたいと思うのだがこの日は、逆で。他の人どうぞお先に、との思いだったが、8回登板したダルビッシュが一死から昨季本塁打王のシュワーバーに右中間へのソロ本塁打を喫し1点差に詰め寄られたところで名前を呼ばれてしまった。医師が「どうでした?」と体調を聞いて来たので「今、1点差に詰められた」と言ったら、笑って大方を来週に回して開放してくれたので、劇的な最後を見届けることができた。

決勝戦は投手戦で見応えがあった。 2番手で3回から登板した戸郷 翔征は、先頭のトラウトをフォークで空振り三振。その後2死一、二塁としたが、前の打席で先制ソロを放っているターナーを再びフォークで空振り三振に仕留めるなど、2回を投げて無安打無失点に抑えた。米野球ファンの間で「ピッチングニンジャ」として有名な投球分析家のロブ・フリードマン氏は、ターナーを空振り三振に仕留めた映像とともに「Shosei Togo, Filthy 85mph Splitter」(えげつないスプリット)と紹介した(スポニチ)という。

2点リードの8回にダルビッシュが6番手で登板。シュワーバーにソロを浴びて1点差に迫られるも、最少失点に抑えて大谷翔平に繋いだ。診察室の前のテレビには自衛隊員を含む人の輪ができていた。先頭打者に四球を出したが、続く1番ベッツを二ゴロ併殺打に仕留めると、エンゼルスの同僚の2番トラウトには160キロの速球を連発して空振り三振でゲームセット。テレビの前では拍手が起こった。

試合前、選手が集まるロッカールームで栗山英樹監督から「翔平、お願いします!」と声をかけられると「1個だけ、憧れるのを辞めましょう。憧れてしまったら超えられない。今日は僕たちは超えるために来た。トップになるために来た。今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう。さあいこう!」と気合を注入したという。

大谷翔平のこの一言で、皆奮い立ったという。大谷ばかりでなく今回の「侍JAPAN」には「大和魂」が目立った。ラーズ・ヌートバー選手の異常な人気沸騰は、彼に「大和魂」の発露を見たからだろう。メンバーに入ったときは「ヌートバー、WHO?」という扱いだったが、回を重ねるごとに人気が沸騰した。

ブログ子が気に入ったのは両親とアメリカ暮らしで英語しか話せない彼が、日本人の母親に一所懸命「君が代」を習ってきたというエピソードからだ。。試合前の国歌斉唱では母・久美子さんから習い歌詞を覚えてきたという「君が代」を他の選手の誰より一生懸命に歌っているのがヌートバーだ。来日後に覚えた日本語で一番好きな言葉は「キョウダイ」だという。

試合前の円陣で声出し役に指名されると、輪の真ん中に歩み出ると、片膝を立てて身を乗り出しチームメートに語りかけた。

「キョウダイとして家族として残り6試合。昨日の夜で緊張は解けてる。今日は自由に動き回りましょう」。 締めは両手の平を大きく広げて手振りをつけながら日本語で叫んだ。「ガンバリマス! さぁ、行こうー!!」

スタンドからの大声援に応え、帽子を取って深々と四方に頭を下げる。この日一番大きな“ヌーイング”が送られたヒーローインタビューのお立ち台では、右拳を突き上げて日本語で「ニッポンだいすき!みんなありがとー!」と絶叫し大歓声を浴びた。

メジャーの試合でも見せるコショウをひくパフォーマンス「ペッパーミル」でベンチを盛り上げたのもヌートバーだ。ここのパフォーマンスが大谷から始まり侍ジャパン、そしてファンにも浸透。日本の結束の証として、チームに勢いと勇気を持ち込んだ。

ダルビッシュ有がヌートバーへの思いを明かす。「異国の地でやるっていうのは難しいことなんですけど、そういうことを全く感じさせず、自分からこの国、チームに対して飛び込んでやる、という気持ちが見えますし感じるので……。僕たちもその勇気であったりパワーをしっかりもらっているなと思います」

 ダルビッシュ自身もイランと日本の両方にルーツを持ち、現在はアメリカで活躍している。異文化の壁を乗り越える難しさを理解した上で、その壁をいとも簡単に乗り越え、自ら心を開くヌートバーの気概を感じ取っている。

「大和魂」は何も純粋の日本人特有というものではない。古い話だが、元WBA・WBC世界スーパーライト級王者、藤 猛(ふじ たけし、本名:ポール・タケシ・藤井)は日本語を話せないれっきとしたアメリカ人である。しかも米軍属であった。

しかしリングで勝利するや片言の日本語で「オカヤマのおバアちゃん、(僕が勝った瞬間を)見てる?。ヤマトダマシイね。勝ってもかぶってもオシメよ」と言ったものである。でもちゃんと、「大和魂」と「勝って兜の緒を締めよ」は伝わって日本で流行語になった。

決勝戦はもちろん面白かった。栗山監督などが言うように、大谷翔平が九回表にマウンドに上がり、エンゼルスの同僚で「現役最強打者」のトラウトを三振に打ち取った「夢のような対決」も素晴らしかった。が、野球としてしびれたのは準決勝のメキシコ戦での源田壮亮(西武)の「源田の1ミリ」と「源田の背走キャッチ」という超ファインプレーだ。

七回は一塁走者のメキシコ・トレホが好スライディング、セカンドの源田がきわどくなったタッチを決めて、三振併殺に仕留めたプレー。一度はセーフと判定されたが、リプレー検証で覆った。写真を見ても確かに1ミリプレーだ。試合後サッカーのワールドカップ(W杯)で話題となった「三笘の1ミリ」になぞらえ、「源田の1ミリ」と話題になった。

九回も飛球を背走して好捕した。4―5と日本が1点を追う9回一死の守備で日本の4番手・大勢が7番・トレイホに打たれた打球はフラフラっと内外野の間に上がった飛球となった。源田は背走したまま追走し落下点にピンポイントでグラブを差し出す〝GPSキャッチ〟でピンチの芽を摘んだ。

 試合後のインタビューで大谷が「源田さんもそうですけど、身を粉にしてチームのために頑張ってくれている」と最敬礼した守備の要が、期待に応える好守で9回裏のサヨナラ劇を呼び込んだ。

ガーシーで蒸し返される「参院無用論」

「ガーシー」こと東谷義和が、国会議員として72年ぶりとなる「除名処分」になった。不逮捕特権を失うや、たちまち警視庁は暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)などの容疑で逮捕状を請求した。今後、旅券返納命令が出されるだろうし、従わねば国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配される。現在、逃亡先のアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに居座っているもののいずれ強制送還される運命だ。

犯罪者が国会議員になったといった方が早い男の末路は見えているが、ろくでもない人間が「国会の権威を貶めた」傷は深い。もともと「参院不要論」が叫ばれていたが、これで「国会の盲腸」を切れとの声は更に高まるであろう。

ブログ子は成り行きから2人の参議院議員の選挙運動を手伝ったことがある。その経験からして、参院は「無能の輩」の巣窟だと思っている。

自分から買って出たことはないが新聞記者時代からいろんな選挙と関わってきた。三重県四日市市長選、福島県相馬市長選、静岡県知事選など地方選挙から衆参選挙の何人かの議員の「参謀」役でアドバイスした。プロではないから一銭の金も受け取ってはいない。

参議院選挙では時期は違うが2人の指導役をした。いずれも警察官僚から衆議院議員に転じた亀井静香との縁である。選挙区の広島から兄を参議院に入れたいという。最初はダメだったが二度目に当選した。次は福井県選出の某参院議員で元警察官僚だったので6年目の改選が危ないのでなんとかしてほしいということだった。

会ってみて驚いた。とりあえずインターネットで発信することを勧めてホーム・ページを作ったのはいいが、何を書いていいのかわからないと、平然として言うのだ。この地方は蟹が名物だから、その思い出を少し綴ってみてはというと一行も書けない。仕方ないから電話で本人と話して選挙区の漁港のカニの出荷量が増えていことと議員としての活動をこちらが書いた。

次回はというと何も思いつかないというから、北陸新幹線の福井延長との関わりを書いた。といっても2年も前の参院速記録を取り寄せて見つけた本会議で「要望」したことを手柄風に・・・といった具合でほとほと手を焼いた。当選したら、ホーム・ページは塩漬けで当選御礼の電話1本よこさない。

参議院議員になると、年間で議員歳費と調査研究広報滞在費を合わせた約3400万に、政党交付金や立法事務費を乗っけた約4500万円が濡れ手に粟で懐に入ってくる。多くは領収書もいらないし、バレても修正しました、で逃げられるし、さらに追及されても大臣やら政務官という役職を辞任するだけで議員の資格を奪われることはない。

明治時代には、国会は衆議院と貴族院とで構成されていた。第1回衆議院議員総選挙で投票できたのは、直接国税を15円以上納める男子だけ。貴族院は、その名のごとく貴族階級から選ばれて選挙とは関係なかった。その貴族院が、戦後参議院と名を変えただけで、「良識の府」などというのは自分らで言ってるだけで、上述のように中身はおそまつな人たちで構成されているのが実態だ。

無能でも務まって、年間4500万円がもらえるのだから、永久就職先としてこれ以上のものはない。ガーシーのお陰であぶり出された「参院無用論」、これを奇貨として、潰すか大幅改革を進めるか、考えるときである。

無意味な「言葉狩り」 英国でも

「チャーリーとチョコレート工場」などで知られるイギリスの作家、故ロアルド・ダール氏の作品中の表現が、出版社によって変更された。登場人物の容姿や体重に関する記述などが削除されており、激しい論争が起きている。リシ・スーナク首相も批判の声を上げている一人だ。

英紙テレグラフによると、「チャーリーとチョコレート工場」に登場するオーガスタス・グループの容姿は「巨大」(enormous)と表現され、全ての本から「太った」(fat)という言葉が削除された。「The Twits」(邦題「アッホ夫婦」)では、ミセス・ツィット(アッホ夫人)についての「醜くて野獣のよう」という描写から「醜くて」(ugly)が削除され、シンプルに「野獣のよう」となった。「変なアフリカの言語」という表現からは「変な」(weird)が削除された。

ディズニー映画にもなった「BFG」(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)はロンドンの児童養護施設で暮らす10歳の女の子ソフィーは、ある夜中に巨大な何者かにベッドから毛布ごと持ち上げられて、またたく間に遠い見知らぬところに連れ去られてしまう。 着いたところは人間に知られていない<巨人の国>というストーリだが、BFGが着ているコートの色は黒ではなくなり、「white as a sheet」(顔が真っ青、シーツのように白い)という表現は「still as a statue」(じっとしている)に変更された。「クレイジー」や「狂っている」(mad)という言葉も削除されたと、テレグラフは伝えている。

これに対し、「意地の悪さがダール作品をとてつもなく面白くしている。暴力やきれいではないもの、友好的ではない表現をすべて取り除くことは、その物語の精神を取り除くことになる」‥と猛反対が起こりスナク首相も同調する騒ぎになった。

出版社パフィンは「現代の読者により適したものに更新した」と言っていたが、猛烈な反対の前にたまらず「オリジナルのままで引き続き出版する」と折れたという。

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ブログ子がロアルド・ダールの短編集「KISS KISS」を読んだのは数十年前だが、面白さに圧倒された。東大英文科を出た後輩記者が「ゼミで皆で読んだがとにかく面白い」というので、13篇を原文で読み飛ばした。当時は邦訳がなく、やがて開高健の「キス・キス」が早川書房から出たのだが、そうだったのか、と英語力不足を嘆いたものだ。

なかの一遍『女主人』は、バースの町に赴任した青年ビリーは、ちよっとかわった中年婦人の家に下宿する話。ほかにも二人下宿人がいるはずなのに、その気配がない。女主人との会話の中で、何年か前に失踪した学生たちとこの二人に共通項があるのに気づく。女主人を問い詰めようとすると、飲んだばかりの紅茶のせいか、意識が朦朧としてきた…。

怖ーーい結末が予想される。そのとおりであるが、この一遍で英語と米語は違うこと、開高健の邦訳にも多くの誤訳があること‥を知った。後年、英文学を専門とする先生方が指摘しているが、英国を深く知らないと読み方が変わってくることなど、さすが英文科のテキストに使われるだけのことはあると、実感した。

例えば、
The name itself conjured up images of watery cabbage, rapacious landladies, and a powerful smell of kippers in the living-room.とあるところだが、

「下宿屋という名前自身が、水っぽいキャベツや、強欲なおかみ、さては下宿人たちのものすごい臭いを彷彿とさせる。」(開高健訳)

「kipperには、若僧、ガキ、という意味もあるが、並列の具合からして”ニシンの燻製の臭さ”(英国ではよく朝食に出る)ととるのが筋。(翻訳家 柴田耕太郎)

といった具合である。

また少しそれるが、部落解放同盟による「言葉狩り」が最盛期のころ、遠藤周作がエッセーで「近くに住む隠亡が」と書いた。直後、文化部デスクが「士農工商芸能人」と書いて、編集責任者としてブログ子が解同と交渉する羽目になった。

交渉内容は書けないが、1,2か月後収めたものの、並行して同業他社の新聞3社が同じような「言葉狩り」で交渉していたから、マスコミの重荷だったことは確かである。

ロアルド・ダール作品は今の価値観で見たら、黒人差別、性差別、体型侮辱・・・いっぱいである。だからといって、みな今風に書き換えたらそれはもう、改竄以外の何物でもない。第一「面白さ」などみな消えてしまう。今後はともかく、過去を「差別」の目で見ないことだ。

辻元清美は「育ちが悪い」

最初に言っておくがブログ子は「育ちが悪い」人間が嫌いである。「育ちが悪い」を判断するには色々あるが、その一つが箸の持ち方だ。

その「箸の持ち方」がまるででたらめな立憲民主党の辻元清美参院議員が先月の参院予算委員会で質問に立った。落選した衆院からくら替え後初めての国会論戦に勇んだのか、岸田文雄首相に対し、「ソーリ、ソーリ」と連呼するいつもの辻元節でうんざりした。

 昨年10月の衆院選で落選したときはブログ子は「やれやれ」と安堵したものだが、やはり「ただの人」ではいたたまれないのと、人材難の立憲民主党の内情から昨年7月の参院選で国政に復帰してきた。

約1年ぶりの国会質問を前に「きのうは緊張してほとんど眠れなかった」とかで、質疑では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍晋三元首相の関係の調査などを迫ったが、岸田氏にかわされる場面が目立った。

「総理の口癖は、『様々』なんですよ。『様々な』議論とか、『様々な』意見と総理がおっしゃるとき、大体ごまかすときなんですね。私との質疑では『様々な』議論、『様々な』意見という言葉は封印していただきたい。これをまず申し上げておきます」

ところが岸田総理はその言葉をわざと使って「『様々な』…失礼。『様々』と言っちゃいけなかったですね、ごめんなさい。この10年間を見ましても、子ども・子育て政策については、社会の変化の中で『様々な』議論が行われてきました‥」と余裕でかわしていた。

社会党を壊したのは福島瑞穂だし、立憲民主党を壊したのは辻元清美、蓮舫、山尾志桜里で、野党はみな女難で傾いている。社民党は消滅寸前、辻元落選、不倫と離婚で国会を去った山尾志桜里は今は菅野(かんの)姓で弁護士と、いずれも落魄してあまり名前も聞かなくなった。

辻元清美が「育ちが悪い」と言った手前、その証拠を挙げておく。趣味は「うどん食べ歩き」と1月22日のツイッターに〈さぁ、今日は香川だ。やっぱりまずうどんやろ。〉という投稿とともに、うどんを箸ですくいあげる写真を投稿した。誰が見てもでたらめな箸の持ち方である。

指摘されると〈実は小学生のときに中指をケガして以来、こうなってしまいました……〉と翌日に言いわけしたそうだが、箸を使うに中指はほとんど力が入らない。後出し言い訳であろう。辻元清美を弁護して安倍晋三元首相も箸の持ち方が悪いと言い募る人もいるらしい。少し崩れているが辻元清美ほどデタラメではない。

ちなみに、岸田文雄首相、菅義偉・前首相は正しい持ち方をしている。麻生太郎・元首相は食通なだけあって、食べ方が美しいことで知られている。首相の芽はほとんどなくなった石破茂・元幹事長は箸の持ち方が独特で“ちょっと怪しい”と囁かれているそうだ。

死せる西山太吉を褒める勿れ

(新聞報道)
昭和47年の沖縄返還を巡る密約を報道し、国家公務員法違反で有罪となった元毎日新聞記者、西山太吉氏が2月24日、心不全のため北九州市内で死去した。91歳。山口県出身。葬儀は近親者のみで行う。

毎日新聞政治部記者だった46年、外務省の女性事務官から沖縄返還での日米密約に関する機密公電のコピーを入手、報道した。

その後、コピーを当時の社会党国会議員、横路孝弘氏に提供し、横路氏が47年3月の衆院予算委員会で、佐藤栄作内閣を追及したことで、公電の出所が判明。同年4月に事務官とともに国家公務員法違反容疑で警視庁に逮捕、起訴された。東京地裁は49年、無罪判決を言い渡したが、東京高裁は51年に懲役4カ月、執行猶予1年の逆転有罪判決を下し、53年に最高裁で確定した。

平成12~14年にかけ、密約を示す米公文書が相次いで見つかったのをきっかけに17年、違法な起訴や誤った判決で名誉を傷つけられたとして、国に謝罪と損害賠償を求めて提訴。20年に最高裁で西山氏の敗訴が確定した。

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今月刊行された、読売新聞グループ本社代表取締役主筆である渡辺恒雄氏へのロングインタビューを元にしたノンフィクション『独占告白 渡辺恒雄~戦後政治はこうして作られた~』(新潮社)を読んだばかりだった。その中で「太(ふと)キチ」(女性秘書をたらしこんでの取材が明らかになった当時の巷間の呼び名)がナベツネについて語っていた。

「派閥のトップ記者どころじゃない、もう派閥を代表するような記者、大野派のとにかく傑出したナンバーワン記者ですよね。だから政治記者の中でも有名でしたよ。とにかく『読売に渡辺あり』であり、渡辺恒雄は格別な待遇でした」

ナベツネ96歳、「太キチ」91歳。戦後政治史の語り部も超高齢で、昭和も遠くなりにけりだが、リベラル左翼が彼の死を「よいしょ」する風潮には大いに違和感を感じる。このブログで前回、前々回と「オフレコ破りの毎日と共同通信はそんなに偉いのか」を書いたばかりだが、「太キチ」はやはりそんなに褒められた存在ではないと思う。

ブログ子があれこれ書くより、週刊新潮の「変見自在」で高山正之が書いているのを見てもらったほうが早いので再録する。昨日、ブログ子がいた夕刊フジのOB会「おれんじ会」で同席し昔話をしたばかりである。

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毎日新聞は屑    高山 正之
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米占領地、沖縄が間もなく返還されようという昭和47年春。

 先日、物故した社会党の横路孝弘が国会質問に立って「4000万ドルの闇金が米国に支払われた」とそれを示す密約文書を振りかざして政府を糺した。実際は占領を解く謝礼金で、有体に言えば沖縄買取金の一部だった。

 世間も佐藤栄作も吃驚はしたが、ただ横路だってアルザスロレーヌくらいは知っていたと思う。仏領時代はロレーヌと呼んだ領土は独が取るとロートリンゲンになる歴史を4度も繰り返してきた。戦争で取られたら戦争でしか取り返せないものなのだ。

 沖縄も同じ。取り返すなら米国とまた一戦交えねばならない。それを僅かなカネで買い戻すのに成功した。背景は島民4人に一人が米軍に虐殺された深い傷跡があった。だから島民は「ハワイより素晴らしい沖縄」(ポール・キャラウェー)にするための都市計画も医療福祉も徹底的に反発した。

米国民にすると言えば大方の民は泣いて喜ぶ。喜ばない沖縄の民に米国は呆れ、かくて戦火なしの返還につながった。横路はそれが分からなかった。

 一方、栄作は怒った。誰が外交文書を盗み、領土買戻しの偉業を汚したのか。社会党はあれで口が軽い。すぐに毎日新聞西山太吉の名が出てきた。手口もバレた。太吉は外務省女性事務官と懇ろになって彼女に文書のコピーを持ち出させていた。

 女を口説いてネタを取るのは一概に悪いとは言えない。問題はその先だ。太吉は特ダネを取りながらなぜか書かなかった。何週間も寝かせてから横路の許に持ち込んだ。それで栄作を政権の座から引き摺り下ろそうとしたのは一目瞭然だった。

 太吉は記者の肩書を使って政局を作ろうとした。毎日新聞が太吉擁護に言い立てた「国民の知る権利」は全く的外れだった。おまけに太吉はネタ元の女性事務官の名を隠しもしなかった。酷い話だ。

 この事件の二昔前、売春汚職があった。廓を閉じる売春防止法阻止のために業者が自民党議員にカネをばらまいていた。折しも検察内部では馬場派と岸本派が対立していた。岸本派の伊藤栄樹が「宇都宮徳馬を引っ張る」とガセネタを撒いた。馬場派の河合信太郎がそれを読売の立松和博記者に漏らし、読売はガセとは知らず派手に報じた。

 検察は立松を逮捕し、馬場派からのリークを自供させようとした。立松は頑としてネタ元を明かさず、のちに自殺した。太吉にはそんな記者の倫理はなかった。外務省の女性はすぐ逮捕された。女は太吉が酒で彼女を酔わせて犯し、その弱みに付け込んで文書を持ち出させていたことを明かした。

 太吉は情交後、埼玉に帰る女に500円札を渡したという。それで駅までタクシーで行って地下鉄で帰れという意味だった。太吉は記者でもない、ただのケチな男だ。

 毎日新聞にはホントに碌な記者がいない。例えば浅海一男だ。この男は支那戦線で「向井、野田両少尉が百人切りを競った」という与太記事を書いた。二人は戦後、それで戦犯とされ、処刑された。決め手は浅海が「記事は事実」と嘘を繰り返したからだ。浅海は偽証の謝礼に廖承志から永住権と北京の豪邸を貰った。

 先日、首相秘書官が非公式会見で同性婚を素直に気持ち悪いと語った。この種の会見ではメモすら禁止だ。書いても「官邸筋」とかぼかす。だからルールを弁(わきま)えない外人記者は入れない。そんな場で本人が「オフレコ」と言ったら「何も書かない」のが約束だ。

 しかしそこに毎日の記者がいた。秘書官に鎌をかけ、乗らせて語らせ、ばっさり実名報道した。他紙も「言ってはならぬこと」とか後追いしたが毎日に倣ってはならない。

 毎日にまともな記者などいないのだから。

「H3ロケット」どうしても「失敗」にしたいお粗末記者

2月17日のJAXAの次世代主力ロケット「H3」初号機の打ち上げを注視していた。糸川博士のペンシルロケットに始まる日本の宇宙科学の歴史を思い出しながら。

結果はご承知の通りで、ロケットの機体システムが異常を検知し、補助ロケットへの着火信号が送信されなかったため、発射中止となった。ブログ子は白煙の中にロケット本体がそそり立ったままなので、これは電気系統の異常だろう、すぐ再打上げできると踏んで安堵した。

ところが共同通信の配信を受けている新聞では「失敗」と大きく見出しをとっていた。そんな目で見なくともよかろうと思っていたが、その後、JAXAの会見で共同通信記者の発言の馬鹿らしい内容を知り、今どきの科学記者のレベルはこんなものなのかと一気に噴火、この記事を書くことにした。

JAXAのH3プロジェクトチームプロダクトマネージャであるJAXAの岡田匡史氏が出席しての会見中、共同通信の記者が「失敗なんじゃないか」と追及した。これに対し岡田氏は「何か著しく不具合があったわけじゃないです。ロケットというものは基本安全に止まる状態でいつも設計しているので、その設計の範囲の中で止まっている。そこに照らし合わせますと失敗とは言い難いと思います」と丁寧にこたえた。

するとこの記者は「つまりシステムで対応できる範囲の異常だったんだけれども、起こるとは考えられなかった異常が起きて、打ち上げが止まった。こういうことでいいですね。わかりました。それは一般に失敗といいます。ありがとうございます」と突き放すように切って捨てた。

翌、18日の全国紙の見出しは以下のとおりだ。みな真っ当である。

<朝日新聞> 新型「H3」打ち上げ中止
<毎日新聞> H3発射直前で中止
<読売新聞> H3打ち上げ直前中止
<日経新聞> H3打ち上げ「中止」
<産経新聞> H3打ち上げ中止

ところが共同通信の配信が多い地方紙は揃って「失敗」となっている。如何に恣意的かわかろうというものだ。

何が何でも「失敗」にしたいこの共同通信記者には実業家の堀江貴文氏も「切れた」ようで、どこで調べたか「鎮目宰司」というこの記者の実名を明かして非難していた。

前々回のこのブログで首相秘書官の性的マイノリティーに対する発言を一方的に「オフレコ破り」した毎日新聞と共同通信を批判したが、この通信社は昔から「真っ赤っ赤」で有名だった。国や憲法や制度などを一方的に引きずり下ろすのを得意にしてきた。

我が山墅がある長野県の「信濃毎日」は昔、山路愛山が主筆で厳正中立の大言論を展開したものだが、今ではただの左翼紙である。ここばかりでなく地方紙の多くは共同通信の配信を受けているところが殆どで、政治原稿から社説まで「左」である。ブログ子の振り出しは三重県の津支局だったが、ここの「伊勢新聞」は労組の幹部まで共同通信から「配信」受けていたくらいだ。

地方紙が読者減でつぎつぎ倒れていて、畢竟、共同通信も収入減で社員300人削減など合理化を迫られている。まともなのが残っているのかと思いきや、こういう不出来な記者が末席を汚しているわけだ。

それにしてもこの記者の相手をした岡田匡史・プロジェクトマネージャーは立派だった。「きょうという日を待っていたミッションオーナーや、見守ってくださっていた方が大勢いる。申し訳ないと思っているし、われわれもものすごく悔しい。一緒に頑張ってきた人に残念な思いをさせてしまった。子どもたちも待ってくれていた。『ごめんね』と言いたい」と言葉を詰まらせて目頭を押さえた(写真左)。

たかだか2メートルほどのペンシルロケットの打ち上げから始まった日本のロケット打ち上げ技術は今や世界一流である。国際宇宙ステーションには日本人の宇宙船長が活動中だ。それを支えているのはこうした一途な技術者である。

共同通信の「鎮目宰司」記者は彼らにもう少し「敬意」をもったらどうか。

中国のスパイ気球に見る日本の能天気

防衛省が日本上空を飛行した物体を「「中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定される」と発表したことについて 中国外務省・汪文斌副報道局長(写真右)は「日本は確固たる証拠がないのに中国の顔に泥を塗った。中国は断固として反対する」といつもの強面で突っぱねた。

戦狼外交の常とは言え、アメリカには「気象衛星が逸れた」とウソをつき、日本には証拠があるのかと開き直るところを見ると、この異形の国のスパイ行為に間違いないとし言いようがない。中国は数年前から日本はじめ世界各国に偵察気球飛ばしていたのである。

それにしても日本のこの「緩(ゆる)さ」は何たることか。防衛省によると、偵察気球の飛来は、2019年11月に鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市、2020年6月に宮城県仙台市、2021年9月に青森県八戸市上空の3回。酷似した気球は、昨年、沖縄でも目撃されている。中国は平和ボケ日本をいいことに毎年のようにスパイ気球を飛ばして平然としていたのだ。

 松野官房長官は「過去に我が国領空内で確認されていた特定の気球型の飛行物体については、その所属を含めた詳細について所要の分析を継続してきた。さらなる分析を重ねた結果、これらの飛行物体は中国が飛行させた無人偵察用気球と強く推定されたことから公表を行った」というが、アメリカで断固として撃墜行動をとったことを受けての後追いであることは明白だ。

宮城県では当時、“謎の白い球体”として騒動になった。(写真左)しかし「UFO(未確認飛行物体)か?」と新聞テレビの社会面で扱われたくらいで済ませていた。

村井嘉浩知事は防衛大学卒で、陸上自衛隊でヘリのパイロットだった人だが、6日の記者会見で、「似ていると言われれば似ているが…。今でも正体不明」と述べ「県などは調べようもなく、どうしようもなかった」(村井知事)という。

15日の国会でも当時の防衛大臣だった河野太郎・現デジタル大臣が矢面に立たされた。立憲民主党・大西健介議員が「(2020年)6月19日は『24時間365日、レーダーその他で監視体制を続けております』と答えている。ところが23日は『どこに行ったか定かではございません』。これはどういうことか」と聞かれたのに、

 河野防衛大臣(当時)「どこに行ったかは定かではございませんが、自衛隊の気象班が保有しているものではないということは確認しております」

大西議員が更に「また日本に戻ってくる可能性は?と聞くと、「気球に聞いて下さい」

重ねて大西議員が「気球は日本の安全保障に影響を与えるものではないということか」と聞くと、「ん?どの気球?。「(Q.通り過ぎた気球)安全保障に影響はございません」と素っ気ないというか逃げ逃げというか、とぼけた答弁に終止した。

はっきり言うと、日本政府は、中国から気球が飛んできていることにすら気づいていなかったのだ。アメリカ軍が戦闘機で4つのスパイ気球を撃墜してから、やっと「そういえば日本でも・・・」と行動に出ただけである。=写真右はサウスカロライナ州で戦闘機(右の飛行雲)に撃墜される寸前の中国の気球

もっとも今回の気球騒動でいい面もある。領空侵犯した気球や無人機を撃墜できるよう、政府が自衛隊法の運用を見直し、武器使用の要件緩和を検討し始めたからだ。そもそも従来の自衛隊法では、出所不明のものに撃墜命令は出せない。また国内に被害が及ぶことが明確でない限り、撃墜は不可能になっていた。

加えて自衛隊法84条は領空侵犯への措置として「退去させるために必要な措置を(自衛隊に)講じさせることができる」と規定している。武器使用を有人機を前提にした運用で気球などの無人機への対応については無策だった。

お人好しの日本国憲法といい、殺されて初めて反撃を認めるという専守防衛といい、世界はごろつきで溢れている現状に、日本は到底対抗できない。ブログ子など、とっくのとうからロシアと中国を「仮想敵国」に指定している。日本国も見倣ったら如何か。

◇ ◇ ◇

もう一つ付け加えることがある。中国の気球についての朝日新聞と毎日新聞の社説である。

朝日は「今は対決をあおるより、あるべき米中関係のあり方を冷静に議論するときだ。安定秩序に資する実のある対話を深めてほしい」

毎日は「両国間の緊張を高めた責任は中国にあるが、価値観や認識の違いを抱える両国だからこそ、意思疎通を重ね、緊張をこれ以上高めないように外交努力を尽くさねばならない」

能天気を通り越して、「馬鹿じゃなかろか」としか言いようがない。

オフレコ破りの毎日と共同通信は「偉い」のか

 性的少数者や同性婚をめぐる差別的な発言があったとして、岸田文雄首相は首相秘書官、荒井勝喜氏を更迭した。

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問題の発言は2月3日夜。報道各社の記者約10人が取り囲んでいた中だった。やりとりは、次のようものだった。 
記者 岸田文雄首相は国会で同性婚制度導入に関し「社会が変わっていく」と答弁した。

荒井氏   社会の在り方が変わる。でも反対している人は結構いる。秘書官室は全員反対で、私の身の回りも反対だ。

記者 世論調査で若手の賛成が増えている。

荒井氏 何も影響が分かっていないからではないか。同性婚導入となると、社会のありようが変わってしまう。国を捨てる人、この国にはいたくないと言って反対する人は結構いる。

記者 悪影響は思いつかない。

荒井氏  隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ。人権は尊重するが、選択的夫婦別姓よりは同性婚の方がインパクトが大きい。
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ブログ子など共感するや大である。そんな事言うと現在大手を振って跋扈している人権擁護派、LGBT擁護の左翼人種に糾弾されそうだ。だがこちらは公職にある荒井氏と違って、新聞社を辞めて10有余年、無為徒食。幸いにも追われるポジションもない。

「人権テロ」と言って良い風潮に逆らう一文を書きたいが、今回取り上げるのはそのことではない。以上の発言は記者団とのオフレコの席たったということだ。世に出たのは毎日新聞と共同通信のオフレコ破りからである。メディアにとってこちらのほうが命取りだと思う。

オフレコ破りを援護する意見はこうだ。 「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ、という発言は、明らかに性的少数カップルに対する差別であり、憎悪を放つヘイト発言とも言える。荒井氏は、首相の国会での演説や答弁などの作成に携わるスピーチライーターも務めている、とのことだ。そうした人が、これだけ人権意識に欠落した発言をした事実は、報じるに値する公共性・公益性があると言えよう」(江川紹子ジャーナリスト・神奈川大学特任教授)

この人は神奈川新聞にいたオウム評論家だ。いつの間にか政治評論家に変身してしかも大学教授というのには驚いたが、父親は産経新聞整理部にいた共産党員だった。産経にも共産党はいるのである。

彼女は知らないかもしれないが、オフレコ破りは認められているのである。ただし後述のような一定の検討の後である。

その前にオフレコはなんで生まれたかということを書く。ブログ子も今回の舞台になった国会記者会館で内閣記者会にいたこともあるが、日常の取材で首相以下本音を吐くことなど期待できない。せいぜい役人が書いた模範解答文を読んでオシマイである。新聞記者はどうしても公表される部分の裏側を知らねばならない。そのため夜討ち朝駆けするのだが、向こうもこっちもたまったものではない。

政治家と記者クラブの間の溝を埋めるべく考え出されたのがオフレコである。オフレコ(英語: off the record、記録にとどめないこと)とは、談話などを公表しないこと、または非公式なものとすることを指す報道用語で、日本新聞協会編集委員会はオフレコについて「ニュースソース(取材源)側と取材記者側が相互に確認し、納得したうえで、外部に漏らさないことなど、一定の条件のもとに情報の提供を受ける取材方法で、取材源を相手の承諾なしに明らかにしない『取材源の秘匿』、取材上知り得た秘密を保持する『記者の証言拒絶権』と同次元のものであり、その約束には破られてはならない道義的責任がある」と述べている

双方が事前に約束することなく発言者が発言し、発言後に「オフレコ」とマスコミ側へ依頼又は脅迫しても、オフレコの条件を満たさない、とも。

これに該当するものに、2011年7月、 松本治一郎の孫で部落解放同盟(中央本部)副委員長出身の民主党議員である松本龍復興相の発言がある。テレビカメラやメディア記者らの前で開催された村井嘉浩宮城県知事との対談において、暴言をした後、記者らに向かって「今の最後の言葉はオフレコです。絶対書いたらその社は終わりだからな」と脅迫した一件。東北放送が報道して、松本は世論の批判を受けて、復興担当大臣を辞任した。

こうした約束事でオフレコが成り立っているのである。一般にはわかりにくいだろうが、新聞記事に以下の表現があれば誰の発言かわかるのである。

政府首脳 (官房長官、首相の可能性もある)、政府高官 (官房副長官、官房長官の可能性もある)、首相周辺(首相秘書官など)、政府筋(官房副長官、首相秘書官)、党首脳(党首、党幹事長)、党幹部(党三役)、○○周辺 (○○の秘書)、○○省首脳 (次官級)、○○省幹部(局長級、審議官)

オフレコ発言は発言者の了解を得なければ、原則としてオフレコ解除をしてはならないものである。ではどういうときにオフレコを破って報道できるか。発言者と記者(記者クラブ)の約束事で成り立っているのだから信義がある。しかしあまりにも重大で報道しなければならないというケースもある。その時は記者が勝手に判断するのではなく、記者クラブ全体で合議に至れば、発言者に通告して記事にすることができる。

今回、毎日新聞はどうか。「オフレコの取材をした記者が非常に宜しくない発言だと受け止めて、上司に公開すべきではないか、と報告した。それを政治部長他の幹部が急遽議論、オフレコの場での発言であっても看過出来ない重大な問題である。決まりを破ることを辞さないと合議で決め、その旨を荒井氏に伝えるという手順を踏んで報道した」(毎日新聞・佐藤千矢子政治部長)。つまり記者クラブを通すことなく、毎日一社で決めた、と得意顔する。

この発言はTBSのワイドショーでのものだが、そばには時事通信出身のコメンテーター、田崎史郎がいた。彼は、小沢一郎がかつてオフレコの席で、「海部俊樹は馬鹿」「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」などといったのを『文藝春秋』(1994年10月号)で明かし、オフレコ発言の暴露を咎められて、時事通信から減俸と出勤停止の処分を下された、当の本人だ。この番組では「オフレコ破り」の二人がガン首揃えていたわけだ。

正義ヅラして、公共性、公益性にかなう、報じるに値するオフレコ破りと彼らが強弁しようと。これまでさんざ苦労してなんとかこれまで築いてきた情報源と報道側の「信頼関係」を壊したのは疑いない。今後は当局側の「木で鼻をくくったコメント」が続出する可能性が高く、今後の取材にも影響するのであろう。

「れいわ新選組」と「NHK党」は国会から失せろ

れいわ新選組の山本太郎代表(48)はうつ病を理由に議員辞職した水道橋博士(60)の残り5年半の任期に1年ごとに議員を交代させるローテ制の導入を表明した。個人の得票順で3位以下だった大島九州男▽長谷川羽衣子▽辻恵▽蓮池透▽依田花蓮-の5人が1年ごとに辞職し、繰り上げで順番に参院議員を務めるという。

山本太郎代表とめでたく国会議員になりそうな蓮池薫氏

重度障害者を押し立てて参議院選挙で得票率4・37%(全国)で議席を得る手口についてはこのブログで以前にも批判した。山本太郎代表はタレントで、水道橋うんぬん氏もお笑い出身ということ以外知らない。拉致被害者家族連絡会事務局長を解任された蓮池透の名前はよく知っている。「日本政府は少なくとも4度、北朝鮮を騙した」「拉致問題により、狭いナショナリズムが醸成された」など、と横田早紀江さんらと違う言動が目立ち、家族連絡会からは敬遠されていると聞く。

こんな人たちが1年交代で国会議員を務めるのかと思うとげんなりする。何ができるというのか。山本太郎は「憲法に禁止とは書いてない」と開き直るが、当たり前だ、だれがそんな邪道を想定するものか。

彼は昨年4月に衆院議員を辞職し参院選にくら替え出馬という奇手で当選したが、そのときも「議席の私物化では」と物議を醸した。禁じ手で、法の網をすり抜ける手口を考え出す常習犯なのである。

もうひとつ、この党には大石あきこという人物いる。2022年6月の衆院予算委員会で、鬼の面や紐に繋がれた犬の写真を提示して、岸田文雄首相を「資本家の犬、財務省の犬」「飼い主を間違えたら駄目だ」と口汚く批判して委員長から注意された。たった4万3000票で当選した「狂犬」のようなのがこの党の「共同代表」というのだから、あきれる。

「NHK党」もどうにもならない政党だ。現在は同じく先の参院選で当選したガーシー(本名・東谷義和)議員=比例代表=が中東のドバイに居座って一度も国会に登院しない問題で、自民、立憲民主の両党から今後も登院しない場合は国会法124条に基づき、懲罰委員会にかけられそうだ。

ガーシーという人物も氏素性がわからない。なんでも動画投稿サイトで著名人を中傷、脅迫したという訴えをもとに、警視庁が任意の事情聴取を要請している。すでに、暴力行為法違反(常習的脅迫)容疑などで関係先のいくつかが家宅捜索を受けた。帰国したら逮捕されるのが嫌で逃げているとも言われるが、そんな男が国会議員というのもふざけた話だ。

 NHK党の立花孝志党首は、「国会に来なくても、めちゃくちゃ仕事しています。どうぞ懲罰委員会やってください。一番重い除名をするというのは時期尚早」と話している。その本人たるやドバイに居座って(懲罰に向け動く立憲・維新両党に対し)SNSに、「俺一人の歳費とめて、なんか世の中よくなんの?いまオレのこと槍玉にあげることが、お前らに票入れた国民の望むことなん?そー思ってるなら、相当頭悪いから、もー議員辞めや笑笑。お前らと喧嘩すんのに、なんの躊躇もなくやれるんで、いくらでも吠えて下さい。こちらには何も響きません笑笑」とほざいている。こんなのが「めちゃくちゃ仕事している」というのか。

この立花党首というのも今ひとつわからない男だ。以前NHKの職員だったそうだが、党名を「NHK受信料不払い党」とか「NHKから国民を守る党」、自分が出馬した都知事選では、自らが代表となって新規に立ち上げた「ホリエモン新党」、その後も「議席を減らします党(代表)」と変えて、今では「現在は何党?」と冷やかされるほど、メディアを翻弄し尽くしてきた。

「コロナは風邪」と言ってみたり、座右の銘に「金と知恵は使えば使うほど増える」「金と女と票は追えば追うほど逃げる」を挙げるなど支離滅裂だ。

ブログ子は新聞記者時代多くのNHK記者と付き合いがあった。豊富なNHKの経費には圧倒された。例えばこちらが取材用にホンダの50ccのカブが来たと言って喜んでいるとき、NHKには軽自動車の「スバル360」だったし、こちらのカメラがジャバラ式のフィルム装填のコニカパールのとき、NHKはポラロイドカメラといった具合である。

強制徴収のテレビ視聴料で有り余る金を良いことにアナウンサーや報道記者は民間の社長以上の年収1000万円~2000万円以上がざっくざっく。それでもNHKならではの番組作りには共感している。ネイチャー物などよく見ているが厳冬の北海道の雪原にテント張って何ヶ月もキタキツネや野鳥やクマを追いかける取材は民放には真似できないのをよく知っているからだ。

NHKが国民から聴取料をとる制度はイギリスのBBCを真似したものだが、英国ではBBCを他の民放並みにしようという動きが出ているそうだ。NHKには高給を食みながら従軍慰安婦ものや天皇戦争犯罪ものなど13本も作った女プロデューサーがいる。こういう現実を知るとNHK民営化論に賛成したくもなるが、「N党」のむちゃくちゃには同意出来ない。

ガーシーが懲罰委員会に掛けられて議員辞職させられたとしても、「NHK党」は痛くも痒くもない。仮に議員辞職した場合でも、彼は比例代表で当選しているので、すぐ下の候補が繰り上げ当選することになる。党の議員の数は減らないし、政党交付金も変わらないのだ。「れいわ新選組」と同じ構図である。

こんな政党に投票した国民の顔が見たい。