「国際法などクソ食らえ」の隣国に取り囲まれた日本

地政学的に日本ほど「ろくでもない国」に取り囲まれている国家は世界でもまれだ。ロシア、中国、北朝鮮は言うに及ばず韓国含め、まさに現代の悲劇といって良い不運な取り合わせである。

そのロシア軍は24日ウクライナへの攻撃を開始した。ウクライナ外務省は、同国内の複数の都市が攻撃を受けたと発表した。首都キエフがミサイル攻撃を受けているという。バイデン大統領が世界大戦まで覚悟していないということを見抜いての強硬姿勢である。東部親ロ派地区を国家承認するなどなど明らかに国際法違反だが、そんなもの気にする国ではない。現にプーチン大統領は22日、記者会見で、ウクライナ東部の紛争をめぐる停戦や和解プロセスを定めた「ミンスク合意」について「もはや存在しない」と述べている。

「ミンスク合意」というのは2015年2月、ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの4カ国による首脳会談で停戦に合意したもので、ウクライナの隣国ベラルーシの首都ミンスクで実施されたのでその名がつくが、れっきとした停戦協定にである。ロシアは歴史的に自国の利益のためには国際法など平気で反故にする国である。

例えば、太平洋戦争末期、ソ連は日本と「日ソ不可侵条約」を結んでいたが、日本がポツダム宣言を受諾した8月15日から3日後の8月18日になって、一方的に破り、クリル諸島北端の占守島に上陸を始め、自衛のため応戦した日本軍と激戦が交わされた。樺太電話局の女性交換手たちは最後まで仕事をして最後に「さようなら」の声で自決した悲劇も伝えられた。ソ連軍はアメリカ軍が来ていないか確認しながら南下し、北海道も危なかったが多くの日本人の反撃で押し返したのが現在の北方領土を含む、ロシアとの「国境線」である。

国際法などそのときどきの「便法」に過ぎないのがロシアのやり方なのは他にも例がある。1939年、不可侵条約を結んだナチスドイツとソ連は、両方からポーランドへ侵攻して分割占領している。いまソ連をロシア、ドイツを中国に置き換えたらよく分かる。台湾、尖閣、沖縄、北方領土‥ポーランドの悲劇は明日の日本になる。

中国も鄧小平の「一国二制度」という都合の良い理屈で、資本主義と共産党独裁という水と油をまやかしで固めて、「後進国」として世界からODAや世銀援助を掻き集めては、輸出大国にのし上がり、世界が気づいたときには東・南シナ海に巨大な軍事基地を作り上げ、「一帯一路」の美名でヨーロッパにまで触手を広げてきた。

これまた香港返還時に英国と約束した約束など平気で反故にして、民主派を強権で押しつぶして平然としている。韓国も然り。自由陣営にいるフリをしているが中国べったりで反日だけが生きがいである。文在寅大統領のクビはあと1ヶ月もたたないうちにすげ変わるが、韓国大統領選の保守系最大野党「国民の力」候補、尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長が、大統領に就任すれば文在寅政権に対する捜査を行うと宣言したことに震え上がっている。

北朝鮮にすり寄った以外5年間、政治的にも経済的にもなんの実績もない大統領である。慰安婦問題でもろくな解決策も示さなかった。安倍-朴槿恵の日韓の慰安婦合意は、韓国側は、もう二度とこの問題を国際的にも持ち出さない、最終的、不可逆的な解決とするということを確認した画期的とも言えるものだった。日本側は戦時中の軍部の関与のもとに多くの女性の名誉と尊厳を深く傷つけたことについて、政府は責任を痛感しているとし、法的な責任や人道的な責任ということについては明確に触れることは避ける代わりに、日本政府は新たに韓国政府が作る「和解・癒し財団」に10億円を拠出するとしたものだ。

ところが今後「たかり」の相手を失うと猛烈に挺対協が反対したのを受け、国際法違反もいいところのちゃぶ台返しをやらかした。韓国最高裁の長官に判決など一度もない書いたことがない男を据え、判事も反日派に入れ替えた。これだけでも文在寅に「死刑」判決がでてもおかしくない。もっとも韓国の「死刑判決」はすぐ恩赦になるようだが。

火がついたウクライナ問題から、国際法違反を常とする国々の話になったが、もう一度ロシアに戻る。

ブログ子は大学で露西亜文学を専攻した。卒論はチェーホフだったが、当然トルストイやツルゲーネフも読む。その時の体験だが、例えば「罪と罰」で主人公のラスコーリニコフが吹雪のなか次の旅籠までえんえんと喘ぎながら独白するところがある。この描写に原文はざっと30ページである。ロシア語は難しい。英語なら初心者でもすぐ辞書を引けるが、ロシア語だと変化がはげしく例えば20文字くらいの単語があっても元の語は3,4文字という具合。そもそもロシア語の辞書が引けるだけで「中級者」である。

えらく時間がかかる。ところが日本だとどうか。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」( 『雪国』川端康成)。一行だ。土台、日露で「息継ぎ」が違うのである。交渉事でもそうで日本人はロシア人に太刀打ちできない、と実感した。

北大には「スラブ研究所」があった。ロシアというのは多くの民族で成り立ち、まとめてスラブ民族という。ここには亡くなったが木村汎教授がいて、その民族性から言って、ときの日本首相に北方領土からロシアとのパワーバランスについて鋭い忠告をしていて共感していたものだが、多くはこの民族的「息継ぎ」論からこの国との付き合い方をアドバイスしていた。

新聞記者になってからもソ連大使館(当時)とはよく付き合った。シベリア鉄道にハバロフスカからモスクワまで記者を乗せる企画があった。汽車の4人がけのコンパートメントはKGBの息のかかった人間3人が来ることがわかっている。大使館の広報部長と会って「自然の出入りにしてくれ」と頼むだけに銀座で一晩付き合った。

強いのなんの。バー数軒はしごしたが毎度ウイスキーの瓶一本きれいに開けてしまう。部長と二人で相手したが、見送ったとあと部長は歩道に崩れ落ちた。2,3日あと警視庁の公安まわりの記者から「何軒はしごしたそうですね」とバーの名前を上げて報告を受けた。刑事に尾行されていたのである。向こうも同じことをやっていたのだろうが。

身近な経験からいうのだが、何かというと、「外交で」というばかりの、岸田首相と林芳正外相では、とても彼らに太刀打ちできるものではない。国土は広大だが、ツアーリ時代の農奴制を引きずっている中流国家に過ぎない国である。外交ではなく経済で攻めるほかない国だと思う。

“下駄の雪”公明党 切るべし

自民党と公明党が連立を組んだのは1999年10月、小渕恵三首相のときだから、かれこれ22年余になる。連立誕生のきっかけは、98年参院選での自民党の惨敗だ。参院で過半数を失った同党は、政権を安定させるため、まず旧自由党、次いで公明党を与党に迎え入れた。その後、旧自由党が離脱して2003年から自公両党の連立体制が確立した。

“悪夢の民主党政権”3年3カ月の野党時代から脱出するという意味では効果があったことは認める。しかし、政権の「蜜の味」を知った公明党の“仏壇返し”は目に余る。たとえば、第二次安倍政権の末期、新型コロナウイルスの感染が拡大した20年4月、国民への現金給付をめぐり、山口代表は安倍首相に直談判し、「困窮世帯への30万円」から、かねて求めていた「全国民一律10万円」に変更させた。封印していた連立離脱カードを切る脅しをかけた。

昨年11月にも岸田政権下で「18歳以下のすべての子供に対する一律10万円給付」をゴリ押した。結局、岸田首相が山口代表と会談し、18歳以下への10万円相当の給付について、所得制限(年収960万円以下)を設ける方針で一致した。バラマキ批判に配慮した形だが、実際に給付対象から外れる世帯は全体のわずか1割程度にすぎず、ほとんど「一律給付」である。

何かというと「国の財布に手を突っ込んでバラまく」公明党の手口には飽き飽きした。自公連立の立役者だった野中広務が、「天下の愚策かもしれないが、(公明党に対する)国会対策費だと思ってほしい」と語ったのは有名な話である。

だが、ブログ子が許せないのは「度が過ぎた親中韓」と「憲法改正」という、現在日本にとっていちばん大切な政策への公明党の「逆張り」である。

習近平主席が中国全土に築き上げた監視カメラは約2億台。とりわけウイグル人の監視は厳しく、カメラにより24時間見張っているだけでなく、家族全員が地元警察によって「健康検査」を強要され、採血からDNAサンプルまでありとあらゆる身体検査で、考えられる限りの個人データを収集して弾圧している。

米国も欧州各国も、中国共産党のウイグル人弾圧をジェノサイド(大量虐殺)と認定し、日本の国会もようやく重い腰を上げ中国の人権侵害に関して抗議し非難する段取りにこぎつけた。ところが、公明党はこの非難決議案を徹底的に骨抜きにした。

例えば、非難決議案の元々のタイトルは「新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案」だったが、公明党は「人権侵害」を「人権状況」に変えた。「非難決議」から非難の二文字を削除してただの「決議」に修正した。非難される国として明記されたのはミャンマーだけで、中国は記載されなかった。

本文で「深刻な人権侵害が発生している」と断定した部分は「深刻な人権状況への懸念が生まれている」と柔らかい表現に直された。「弾圧を受けている人々からは」支援を求める声が上がっているというところは、「弾圧を受けていると訴える人々」と変えられた。弾圧を受けていると訴えているけれども、その訴えが本当かどうかはわからないというニュアンスにしたのだ。

原案には、衆議院としての決意も書きこまれていた。「(人権侵害や力による現状変更を)強く非難するとともに、深刻な人権侵害行為を国際法に基づき、国際社会が納得するような形で直ちに中止するよう」強く求める。「立法府の責任において、深刻な人権侵害を防止し、救済するために必要な法整備の検討に速やかに取り掛かる決意である」。公明党はこの二つの文章の全てを見事に削除した。(櫻井よしこ「日本ルネッサンス」1月27日号)

朝鮮半島への思い入れは創価学会の古くからの体質である。池田大作・創価学会名誉会長は東京都大田区の朝鮮人部落に生まれた。本名は成太作(ソン・テチャク)という。「大田区大森海岸の朝鮮部落の海苔の漁師出身」と本人が語っている。前創価学会会長の戸田城聖の元で、高利貸し会社「大蔵商事」の営業部長として辣腕を振るった。病気で寝ている人間を叩き起こして布団まで持って帰ったというエピソードが残っている。

朝日新聞が「地上の天国」と煽った北朝鮮帰還事業では在日朝鮮人9万3000人が海を渡ったが、実は「この世の地獄」であった。昨年には、脱北者5人が北朝鮮政府に計5億円の損害賠償を求めて東京地裁に起こした訴訟が今も審議中だ。これに対しても、池田大作は「北鮮帰還などというのも、やはり東洋広布の大前提なのですから」などと、創価学会の勢力拡大の機会として、帰国事業を肯定している。

憲法改正は自民党結成当時からの公約である。今ようやく「衆参議員3分の2」という大きな壁がクリアできそうな絶好の機会が訪れている。GHQでマッカーサーの腹心ホイットニー民政局長が1週間で書きあげたメモを元に、主語もない怪しげな日本国憲法ができたのだが、せめてまともな日本語の憲法に改正してもらいたいとブログ子など切望している。

安倍晋三元首相は任期中から憲法改正に執念を燃やしており、今も陰に陽に機会をうかがっている。ところが公明党は、憲法への自衛隊の明記などに慎重姿勢を崩していない。敵基地攻撃能力の保有にも否定的だ。

こんな公明党は切るべし、と思うのは私だけではあるまい。先の総選挙では日本維新の会が躍進した。次の参議院選でも躍進が予想される。今こそ「切る」ときだと思うのだが、何故か公明党は強気である。

 1月15日の地方組織幹部とのオンライン会議で、山口那津男代表は自民党との相互推薦を今回は行わない方針を伝えた。自民党幹部は慌てて修復に走り回ったものである。実に見苦しい。総選挙ではどこの小選挙区でも創価学会票が2-3万票ある。参院選でも力のない自民党候補にはこの学会票が欲しくてたまらない。その足元を見られているのだ。

実は公明党には大きな不安材料がある。遠山清彦元財務副大臣と太田昌孝元衆院議員の渋谷朗・元政策秘書の事件だ。貸金業の登録をせずに、新型コロナウイルス禍で経営が悪化した企業や個人の依頼を受け、日本政策金融公庫に融資を仲介。1000万円を超える手数料を得ていた貸金業法違反罪で昨年末に在宅起訴された一件だ。「クリーン」が看板の公明党のイメージにまるで反するダーティさだ。衆院議員の辞職に追い込まれたが、さらに東京・銀座の高級クラブに深夜に滞在、豪遊していたことが週刊文春の報道で発覚したことが創価学会婦人部を怒らせた。

加えて集票マシンとして強力だったその婦人部(今は女性部)が高齢化で力が落ちている。我が家でも家内の実家のお手伝いさんだった創価学会員は選挙前に住民票を関西から東京に移していたし、戻したあとの選挙でも必ず「よろしくね」と我が家の3票目当てに電話してきたものだが、いまは途切れている。

前回参院選の公明党の比例票は過去最低の約653万6000票で前々回から100万票以上減少。昨年の衆院選で比例票は増えたものの、投票率の上昇によるもので、得票率は低下している。

今こそ「下駄の雪」を振り落とせ。

韓国TV馬の脚にワイヤーつけて落馬シーン撮影の残酷

未だに怒りが収まらない。こんなことが許されている韓国はどうかしている。

事の顛末は1月22日に報じられた。韓国放送(KBS)の時代劇ドラマで落馬シーンを撮影するため、スタッフは馬の後肢に2,30メートルのワイヤーを付けて走らせたという。当然、馬はロープが伸び切ったところで頭からもんどり打って転倒する。迫真のシーンが撮れたろうが走らされた馬は死んだ。

この無残なドラマ撮影は昨年11月2日に行われた。時代劇「太宗李芳遠」第7回で、李成桂の落馬シーンだった。ちなみにKBSというのは日本のNHKにあたる国営TV局である。日本同様に大河ドラマを制作している。李成桂というのは李氏朝鮮の初代国王で、李芳遠というのは三代目
、徳川幕府に例えれば家康と家光にあたる。

駆り出された馬は元は競走馬だったが、成績不振が原因で京畿道の馬レンタル会社売られ、「カミ」という名前でタレント活動していた。主人公が乗る馬は別にいて、転倒シーン撮影の場面だけに、つまり危険なスタント役の馬として動員された。 ある関係者は「馬レンタル会社には通常、落馬シーンだけのために使う馬がいる。大半が廃馬たち、今日死んでも構わない馬を投入する。今回死亡した馬もそのような馬ではないかと思う」という。

韓国ドラマの制作現場では、馬の脚にワイヤーをかけ転倒シーンを撮るのは昔の時代劇で使われていた方法だいう。「馬の安全や休息権のようなものは現場で乗馬監督が提案しなければならないし、契約書でも要求しなければならないが、実際には行われていない」と述べた。

動物団体が公開した撮影当時の映像で明るみに出たのだが、「カミ」は劇中の人物である李成桂の代役であるスタントマン俳優を乗せて、後ろに縛り付けられたロープに脚を取られ猛烈な勢いで首から落ち、胴体が空中で回転しながら地面に投げ出され、苦しんでいる。

映像が公開された後、虐待に非難の声が高まると、KBSは「事故直後、馬が自力で立ち上がり、外見上負傷がなかったため、馬を(レンタル会社に)返した。最近の健康状態を確認したところ、撮影から1週間後に死亡したことを確認した」と謝罪した。

現場にいた馬レンタル会社代表も。「馬が倒れる場面は1回で撮影が終わり、馬が地面に頭を打ったように見えるが、最小限の安全装置があった。地面をある程度掘り、中にマットを設置した」と述べた。さらに「倒れた後、馬が自力で立ち上がり、健康に問題はないと思った。撮影直後、馬が死んだわけではなく、3~5日後に死亡したため、KBS側には知らせなかった」と付け加えた。

白々しい。両者で口裏を合わせたとしか思えない。映像を見ても、猛烈に地面に叩きつけられていて、クッション材が敷かれていたなどという形跡はまるでない。第一、投げ出されたスタントマンのところには数人が駆け依っているがピクリとも動かない「カミ」に駆けつけた人間は一人もいない。

TBSでこのテレビドラマを演出したプロデューサーは2014年のドラマ「鄭道伝」の責任プロデューサー(CP)で、このときも落馬シーンにワイヤーを使ったことがあるという。KBSは「事故だ」と釈明しているが、韓国では馬を小道具扱いするのは、長年テレビ制作現場に蔓延している制作慣行だと言える。

映像から(https://twitter.com/i/status/1485607137103740933)は「カミ」の首の骨は折れているしロープがかかった両後肢はこれまた脱臼ないし骨折と見て取れる。これほどの重症でも1週間生きることは考えられるが、大変な苦痛を伴う怪我だからまともな獣医なら「安楽死」を選ぶところだ。それすら怠り、1週間放置したとすれば許しがたい犯罪である。

動物団体「カラ」と動物自由連帯は、該当場面の撮影は動物保護法違反に当たるとし、告発した。カラは「動物も苦痛を感じる知覚力のある存在であり、生命は撮影現場で使われる小物や道具ではない」とし、「公営放送KBSは今回の状況を単なる謝罪で終わらせるのではなく、虐待に対する法的責任はもちろん今後動物安全保障に対する具体的なガイドラインを用意すべき」という立場を明らかにした。(ハンギョレ新聞)

韓国では2016年、朴槿恵元大統領の親友、崔順実が娘のチョン・ユラ(当時20)を名門、梨花女子大体育科学部に馬術の特待生として裏口入学させるは、財閥のサムスンに1億6000万円払わせてドイツの名馬を購入させるなどやりたい放題がバレて起訴されている。

この国の馬に対する残酷な仕打ちと己の利益のために動物をこき使う性癖を見ると、馬を飼う資格は皆無である。早々に世界の馬術界から追放すべきだ。

独裁国でオリンピックを開催させるな

北京五輪冬季大会が4日から始まる。しかしさっぱり盛り上がらない。昨夏の五輪でも採用されたコロナ対策の「バブル方式」(大きな泡で包むように、選手やコーチ・関係者を隔離、外部の人達と接触を遮断する)で取材する方も「ホテルと練習会場・会場以外には移動できない」こともあるのだろうが、直前1週間のテレビは消毒液まみれの様子ばかりで、見る気もしなかった。

しかし、その他の「雑報記事」では面白い側面を見せてくれている。その一つが、翡翠(ひすい)の「翠」の字が「禁止用語」になっているという。翡翠は中国と日本で特に珍重される宝石で、今大会の金銀銅メダルは、2008年の北京夏季大会と同じデザインで、安徽省で発掘された古代中国の翡翠の飾りを描いている。「五千年の偉大な中華文明」を象徴したつもりなのだろう。

では現地でどう扱われているか知りたいところだが、我が古巣の産経新聞はじめどこの特派員もそれに触れた記事を見ない。すこし説明が必要だろう。

中国語では翡翠の「翠」は、「羽」の下に「卒」が付いている。これが大問題なのだ。簡体字では「羽」も習近平の「習」も「习」となる。簡体字というのは字画が多い漢字だと庶民の教育普及に差し障りがあるからと、1950年代に創出した3000字あまりの「漢字」である。中華の「华」とか、「習」近平の「习」がそれにあたる。

「卒」 は中国将棋で日本の将棋の「歩」に当たる駒で、「小者」も指している。また「死」という意味もある。だから「习」が二つに「卒」で「習近平は2度死ぬ」「くたばれ習近平」という意味になる。これはまずかろうと、習近平の近習たちが忖度したのだろう。

何やらWHOのテドロス事務局長の忖度で、今猖獗を極めている「オミクロン株」の命名騒ぎと似ている。「オミクロン」は、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタから始まって、 オメガで終るギリシア語のアルファベットだが、この株が南アフリカ共和 国で登場した時に、インド生まれのデルタに次ぐニュウの順番に当たって いた。だが「ニュウ」と命 名したら、英語の「新しい(ニュウ)」と混同 するから一つ飛ばすほかな かった。

で、その次がクサイ「Xi」(ヅィ)だったが、習近平の中国語の発音が「Xi Jinping(ヅィ・ジンピン)」である。「Xi(ヅィ)株」ではまずかろうとテドロスが忖度して一字あとの「オミクロン」になった。

習近平のオリンピックを利用した「唯我独尊」は台湾問題でも露骨だ。台湾代表団の漢字表記は、妥協の産物ではあるが「中華台北」とされ、昨夏の東京五輪でも踏襲された。それを中国は今回、「中国台北」と勝手に変えた。一字違いで大違い。台湾が「中国の一部」であるとの印象を世界に植え付けようというわけだ。

開・閉会式で読み上げられる国名で「台湾」の呼称が一切排除されることを察知した中華五輪委は、開閉会式不参加を表明したが、国際オリンピック委員会(IOC)から「五輪憲章では参加する各国・地域は、関連式典への参加を含む責任を果たすべきだ」と圧力を受け翻意をやむなくされた。仲裁に入るべきIOCの「ぼったくり男爵」の異名をとるバッハ会長が中国一辺倒なのだから何をか言わんやだ。

ウイグルでの人権侵害を理由に自由主義諸国は北京五輪の「外交ボイコット」に踏み切った。かくて開会式には、ロシアのプーチン大統領やカザフスタンのトカエフ大統領ら世界の「悪役」たちと、中国の「債務の罠」にハマっているアフリカ諸国が勢ぞろいする。

違和感はもう一つある。禿山に人工雪をまいた競技会場である。中国北部にある北京の冬は日中でも連日マイナスだが、スキー場が開けるほど雪は降らない。北京周辺の2月の降水量は1カ月で4ミリほど、降水日数も月に3日ほどしかない。土台、冬季五輪会場には不向きなのに、「北京が夏季、冬季両方の五輪を初めて開催する都市」と自画自賛したいがために無理無理招致した。

万里の長城の観光基地である八達嶺からさらに北側にある2つの街、いわば「北狄」の地に、約300基の人工降雪機「スノーガン」を使って人工雪をまいた後、専用のトラックでゲレンデなどに広げる。人工降雪機自体は、過去の大会でも韓国の平昌五輪など雪が足りない部分に補充したりするのに使われているが、会場のほぼ全体が積雪ゼロの地に人工雪をばらまいての会場設営は北京が初めてである。

こうした人工雪は環境の観点から持続可能ではないとの批判も当然上がる。中国側は「造雪機は再生可能エネルギーで駆動しており、周辺の山の生態系を損なうことなく、使用した水は春の雪解けで地元の貯水池に戻る」と説明している。まあ、これを信じる者はいないであろう。「グリーンな大会を目指す」という北京の宣言に反すると指摘するのは仏ストラスブール大学のカルメン・デヨング教授(地理学)は、水が少ない地域で大量の電力と資源を使って雪をつくることは「無責任」だと非難。「それなら月や火星でも五輪を開催できる」と皮肉った。

冬季五輪そのものへの疑問もある。選手がスキー板のスポンサー企業のロゴをこれみよがしにカメラに向かって差し出すことから始まった商業主義は当初は批判的だったものの、今では当たり前の行動になった。リュージュやボブスレーのような競技は山の斜面に何万という氷柱を張り詰めてつくる。ジャンプ台を作るにもカネがかかる。まともに冬のスポーツと言えるのはノルディックぐらいのものである。

加えて温暖化である。このまま気温が上昇すると過去の会場、シャモニー、ソチ、アルベールビル、ソルトレイクシティ、バンクーバー・・・みな雪なし都市になるという。予測では2050年には積雪量を満たす冬季五輪会場は札幌市だけになるという。

ブログ子は1972年の札幌冬季大会のとき取材で大倉山のジャンプ台で繰り広げられた笠谷幸生以下「金銀銅メダル日本独占」の現場にいた。街中にトワ・エ・モアの「虹と雪のバラード」が流れていた。札幌は次の冬季五輪に立候補しようとしている。人工降雪機頼りの会場への批判は更に強くなるだろうし、立候補しようにも雪がないところばかりである。

遠からず札幌招致は実現するだろう。ロシアとか中国の独裁国は必ずオリンピックを自国体制の宣伝の場にする。オリンピック精神を忠実に守る大会運営ができるのは日本だけである。

マックはなぜ国産ポテトを使わないのか

マクドナルドが「マックフライポテト」の販売をSサイズのみに限定している。その理由というのが、ポテト材料の主な輸入先である北米とカナダでの大規模な水害と、コロナ禍での世界的な物流網への混乱の影響による輸入遅延が発生しているためという。

ブログ子は孫に付き合って年に三、四度口にする程度なのでどうということはないが、不思議に思ったのは、なぜジャガイモをわざわざ北米産のものを使うのかということだ。

学生時代、といっても半世紀以上前だが北海道で過ごした。夏などテント担いで道内をくまなく旅したが、お世話になったのが日本一おいしいジャガイモだ。道内いたるところにジャガイモ畑があり、どこの農家でも貧乏学生に気前よく分けてくれるので、帯広駅前などで飯盒で塩茹でして命をつないでいた。「男爵」と「メークイン」が主で、どちらもほくほくしている。北海道ではバターを乗せて食べる人が多いが、そちらは「男爵」、型崩れのしない「メークイン」は煮物などの料理に使う。

いま、夏場八ヶ岳にいるが長野県産ジャガイモも出回るのだが、中に紫のスが入ったり、水っぽかったりして今一つなので、北海道産を箱買いする。北の大地で見晴かす限り広大なジャガイモ畑を見てきたから、ジャガイモは100%国産でまかなえているとばかり思っていた。それがマクドナルドは船便ではるばる北米から運び、船便が届かなくなったといって大型輸送機を飛ばしてまで日本に運んでいる。

不思議なことだ。いまや穀物はじめ多くが外国頼みになった。小麦は大昔から米豪頼り、そば粉も長野産では間に合わず、北海道から運んでもまだ足らず中国産が多くなった。食糧安保の点からみても危ういことだ。エゴ丸出しの中国がそば粉を止めたら(大いにありうる)日本中の蕎麦屋が死ぬことだってある。ジャガイモまでその仲間入りするのか。

マクドナルドはアメリカ企業だから日本産のジャガイモを使わないのだろうかとも考えたが、違うという。実際、主力商品のハンバーガーは、主にオーストラリア産の牛肉を使用している。

実は北米産ジャガイモに頼る理由は、現在のジャガイモ品種と製造工程の変更が困難だからなのだという。マックフライポテトに使われているジャガイモは「ラセットバーバンク」という、アメリカで古くから栽培されている品種。特徴は大きいことと、そのままカットするだけで、フライドポテトの「長さ」に丁度良いサイズになる。マックも、日本での栽培を試みたようだが、気候の違いで大きく育たなかった。そのため、輸入せざるを得ない。

次に、法律と製造工程の理由がある。ポテトは、防疫上の理由で、生で日本に輸入することができない。為に現地でカットし素揚げした冷凍加工品を輸入している。その上で、製造工程を構築しているから、日本産を使うとなると、新たに生産ラインを作り直す必要に迫られる。

マックフライポテトの原価率は10%という高利益率商品、いわば「稼ぎ頭」である。完全に販売停止すれば、セット商品の利益が低下してしまう。なので、1か月間、Sサイズに限定販売し、現在の輸入量で凌ごうという作戦のようだ。

ブログ子と同じ「なぜ国産ジャガイモを使わない」という抵抗派は、国産ジャガイモ使用のバーガー店へ。

フレッシュネスバーガーは国産ポテトで顧客奪取を図っている。「フライドポテト増量キャンペーン」で従来の25%増しのポテトを提供している。マクドナルドと逆に「増量」できるのは、国産ジャガイモを使っているからだ。品種は、北海道産の「北海こがね」。特徴は、形状が長細いこと。揚げても変色しないこと。フライドポテトにはうってつけだ。、

弱腰の岸田政権、やっと佐渡金山を世界遺産推薦へ

岸田文雄首相は文化審議会が世界文化遺産の国内推薦候補に選んだ「佐渡島の金山」(新潟)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦する方向で最終調整に入った。政府高官が28日、明らかにした。韓国が戦時中に朝鮮半島出身者らへの「強制労働」があったなどと反発を強め、外務省が見送る方向で調整に入っていたが、自民党内や地元の意見も踏まえた。

首相は同日午後にも官邸で林芳正外相や末松信介文部科学相と協議し、決定する意向だ。さらに、その後記者団に推薦の理由などを説明する。(産経)
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ブログ子は親中韓で煮え切らない林芳正外相と外務省には腹を据えかねていた。韓国のデタラメな主張を是認するようなら金輪際自民党を許さない、と考えていた。左翼メデイアには自民党右派と呼ばれていたが安倍晋三元首相や高市早苗政調会長の「蹶起」が奏を効したようで、まずは筋を通す事になってよかった。

ユネスコに世界文化遺産に登録するため、推薦書を提出しなくてはならない期限は2月1日と迫っていた。ところが、外務省はなにを血迷ったか推薦の見送りを検討していた。朝鮮半島出身者が過酷な労働に従事したとして韓国が反発しており、令和5年の登録が見込めないというのが見送りの理由だ。

これはウソであることは高市早苗政調会長の1月24日の国会予算委員会での質問で明らかである。韓国外務省は「朝鮮半島出身者が強制労働させられた被害の現場だ」などとして即時撤回を求めているが、言いがかりも甚だしい。

申請対象は、あくまでも「江戸時代まで」だ。韓国が問題視する戦前、戦中とは時期が異なる。そもそも強制労働の現場だったとする認識自体が事実誤認だ。昭和15~17年に朝鮮半島出身者約1千人が佐渡金山で働いていた事実はあるが、給与などは支払われていた。江戸時代までと区切らなくても、韓国には理がない。政府は昨年、朝鮮半島出身者の強制労働の有無について「募集、官斡旋(あっせん)及び徴用による労務は、強制労働には該当しない」との答弁書を閣議決定した。推薦を見送れば、これを否定することになる。

高市早苗氏は
「今年(2022年)に出さないのであれば、もう来年以降は出したらいけないと思います。2月1日に政府から佐渡金山をユネスコに推薦していただければ、来年6月には結果が出るわけです。来年の夏を過ぎてしまいますと、ユネスコ世界遺産委員会の委員国のなかで任期切れになる国が出て、来年の秋からは新たに韓国が委員に入って来る。余計困難になる。」

「来年の6月に決まるということで、いまから約1年4ヵ月もあります。ユネスコ世界遺産委員会の委員国は21ヵ国で構成されています。そして、最後に多数決で3分の2以上の票を獲ればいいのです。つまり14ヵ国が賛成すればいい。日本も委員国ですから、そのうちの1か国は日本です。残り13か国にしっかり説明して納得してもらえばいいので、絶好のチャンスだと思います」

彼女の言うとおりである。これまで日本は慰安婦や長崎端島の「軍艦島」での戦時労働者についてきちんとした反論をせず中途半端な対応をしてきた結果、問題はこじれにこじれた。

ブログ子の父は佐賀県唐津市の出身である。親戚には端島炭坑で働いていた人もいて、朝鮮人も同じような待遇を受け仲良く運動会や島内の娯楽に参加していたと聞いていた。「慰安婦問題」ではこと売春だけに自ら名乗りてるものはいないから、挺対協の尹美香に日本からの拠出金をいいように利用されて、スーパーの己の買物代までピンはねされた。しかし「軍艦島」ではまだ大勢の元島民が生存しているから、証言者は続々と現れた。

真実は明らかになると思われたが、ゆすり・たかりを常習とする韓国は「強制労働」というウソを反日のマスコミと政府は改めようとはしなかった。NHKまでありえない「半裸で坑内でツルハシを振るう炭坑労働者」という映像を流した。抗議を受けてもいまだに「よその炭坑という証左は見つからなかった」と抗弁している。呆れたものである。

以下は朝鮮問題に詳しい西岡力・麗澤大学教授のコラムからだが、「強制労働」など韓国側の大嘘であることがよく分かる数字だ。

戦時動員期間に240万人の朝鮮人が内地に渡航したが、うち動員渡航者は60万人で、180万人は自分の意思で渡航した自発渡航者だ(内務省統計)。その上2~3年の契約が終わる前に約4割が条件の良い職場に移るために逃走した。朝鮮から雪崩のような出稼ぎ渡航があったのだが、それを戦争遂行に必要な事業所に秩序だって送ろうとしたのが戦時動員だった。「強制連行」「強制労働」などとは異なる歴史的事実だ(詳しくは西岡力編『朝鮮人戦時労働の実態』産業遺産国民会議)。

佐渡金山における朝鮮人戦時労働の実態について書こう。39年から行われた戦時動員で合計1519人の朝鮮人労働者が佐渡金山で働いた(平井栄一編『佐渡鉱山史』)。うち66%にあたる1005人は佐渡鉱業所の募集担当者が現地で行った「募集」に応じた者たちだ。第1陣の募集では「一村落二〇人の募集割当てに約四〇人の応募が殺到した」(相川町史編纂委員会編『佐渡相川の歴史・通史編・近現代』)という。

待遇も悪くなかった。賃金は内地人と同じ、坑内夫は採掘量に応じた出来高払いで、「精勤賞与」「勤労賞与」もあり、契約を更新すると奨励金が出た。家族持ちのための家族宿舎、単身者のための寮は無料で、1食50銭(実費不足分は会社負担)で食事が出た(佐渡鉱業所「半島労務管理ニ付テ」)。労働者のために鉱業所が直営農園で甘藷(かんしょ)、馬鈴薯(ばれいしょ)、野菜を栽培し養豚をしていた(新潟日報42年4月8日)。

終戦時には1096人が残っていたが、45年12月までに数人の佐渡在留希望者以外全員が帰還した(『佐渡相川の歴史』)。最近、韓国マスコミはきちんと賃金をもらっていなかった証拠だとして鉱業所が49年2月25日に朝鮮人労働者1140人に対する未払い金として23万1059円59銭を供託していた記録が見つかったと大きく報じた。しかし、これは反対に待遇がよかった証拠だ。

韓国の学者、李宇衍氏は45年の朝鮮人労働者の賃金は「少なくとも月一二〇円」(『反日種族主義との闘争』)と推計。未払い金は1人当たり203円で、2カ月分の賃金にもならない。退職手当や賞与なども含め、1人当たり1カ月分程度の賃金の未払いが戦後の混乱で生まれ、鉱業所は供託という手続きで、できる限りの対応をしていたことがわかる。

韓国相手にこれまでのような轍(てつ)を踏んではならない。歴史的事実を突きつけて、世界の世論に訴える努力をすべきときである。

脱原発を叫ぶ輩の無責任をあざ笑うトンガ火山噴火

南太平洋の島国・トンガの首都ヌクアロファの北約65キロにある海底火山「フンガトンガ・フンガハーパイ」が15日超絶大規模な火山噴火を起こした。太平洋は広大だが地球規模で見ると「たらい」みたいなものだから、衝撃波によると見られる「津波」が世界中を襲い周辺国では死者が出たり、日本でも多くの漁船が転覆した。

これが原因となって今後、異常気象が確実に起こる。1,2年以内に日本でも大凶作に見舞われるのが目に見える。なぜなら前例があるからだ。1991年にフィリピンのルソン島西のピナトゥボ火山で起きた噴火では、火山噴火にともなう噴出物が成層圏まで巻き上げられて太陽光が遮られ(パラソル効果)、世界的に気温が低下、2年後、日本では東北地方を中心に米が大凶作となって、米不足からタイ米を緊急輸入した。

こういう地球の大地殻変動を目の当たりにすると、やれ脱炭素社会だ、ゼロカーボンだ、地球の気候変動を促してしまうから温室効果ガスの筆頭である二酸化炭素を減らさねば、と声高に叫んでいる脳天気な連中の罪深い行動がいかに世界に害毒を流しているか、いっそう際立って見える。

ブログ子は、CO2ゼロという極端な目標は、経済を破壊するばかりか亡国の理論だと思っている。環境大臣になった小泉進次郎が衆院予算委員会で「(二酸化炭素などの)温室効果ガス削減の先進地域を国内に作りたい」と持論を展開していたのはつい10ヶ月ほど前である。

環境先進国であるドイツや、ドイツに導かれたEUに倣え、というのだが、そのドイツはどうなったか。メルケル首相の脱原発で、ロシアからの天然ガスの輸入に大きく依存しているが、ウクライナを巡る軍事的緊張が暗い影を投げかけている。ロシアと直結する海底ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の建設を進めてきた。ノルドストリーム2は昨年9月に完成し、稼働前の認可手続きに入っていた。

しかし、米国は「欧州のロシアへのエネルギー依存が強まる」として反対の立場をとっていて、新たに就任したべーアボック外相(緑の党)と対談した米ブリンケン国務長官はロシアがウクライナに侵攻すればノルドストリーム2の稼働停止を排除しない」とも述べた。おかげでドイツでは電気料金が63%もアップ、国民は怒り出した。

 輪をかけて、ドイツが主導してきた欧州連合(EU)域内の二酸化炭素(CO2)排出量取引制度も物価上昇に拍車をかけている。メルケル首相時代の産物で、発電所や航空会社などCO2排出量が多い事業者は、上限を超える量を排出する場合、その分の排出量を購入しなくてはならない。多くの企業はEUが求めるCO2削減目標に追いつかず、購入を余儀なくされている。昨年12月上旬に1トン当たり90ユーロと最高値を更新し、1年前の約3倍の水準だ。

 エネルギー供給のリスクを前に、ドイツ、フランスなどEU内では「何のエネルギーソースがクリーンなのか」という議論を始める始末。結果、欧州委員会が社会や経済の脱炭素化に寄与するエネルギー源として、天然ガスと原子力を公式に認定する方針を発表。フランスは原発をクリーンなエネルギーと認定した。ドイツはメルケル前首相の原発全廃の政策の手前「脱炭素化に貢献するグリーンな投資対象であるとは認定できない」と拒否したものの、天然ガスだけで電力価格の高騰に対処するのはまずもって不可能だろう。彼らが、いままで積み上げてきた脱炭素、脱化石燃料、脱原発といった各種議論は何だったんだという惨状である。

日本も「対岸の火事」と言ってられない。寒い冬を越すのに電力の使用量は跳ね上がる。この年末年始、東京電力での発電量だけでは足りず、中部電力などから電力を融通してもらい、何とか急場をしのいだものの、SDGs(持続可能な開発目標)の名のもとに環境破壊に繋がるエネルギー政策は改めようという機運はまだまだ盛んである。

カツカツの電力事情なのに、「2050年までにすべてEV車に」、「2050年までにカーボンニュートラル」と威勢のよい掛け声だけ聞こえるが、ブログ子はまるっきり信用していない。ブログ子がいるのは超寒冷地の山の中である。バッテリーは寒ければ仕様書の半分も電力はないであろう。自宅から山まで片道100キロ以上あるが一回充電で200キロ走れるEV車はまだない。EV車に急坂を登る馬力はあるのか、供給する電力はどこから生み出すんだ、という問に答えてもらいたい。

流石というか、トヨタ自動車の豊田章男社長が、記者会見や文春誌面で、ブログ子と同じく、EV車に充電するための電力はどうやって創り出すんだと怒り狂っていたが、まさに正論で、全国に充電網を張り巡らせるのにさらに膨大な二酸化炭素を排出することになる。スエーデンの小娘・グレタ嬢がまなじりを釣り上げようとこれは避けられない必然なのである。

そこそこ強い風が吹き、長大な海岸線をもつデンマークやノルウェーでさえ風力発電でエネルギー需要の4割しか賄えない。土台、これらの国の人口は600万人もない。一億人を超える日本やアメリカや中国で全面的に再生エネルギーに移行できるなどというのは夢のまた夢なのである。

電力消費がますます増える時代に、化石燃料はだめ、再生エネルギーもすぐには代替できない、ではどうするんだとなると、原子力発電所を運用して、核のゴミがどうにかなる技術を何とか開発しながらやりくりするしかないではないか。

親日国・トンガは壊滅的な被害が出ているかもしれないが、まだシカとした情報はない。インターネットが全滅しているという。日本はじめ多くの大国の光回線海底ケーブルがみなトンガを中継しているから、影響は世界に及ぶに違いない。

トンガの大噴火で世界のエネルギー政策がいかに脆い基盤の上に成り立っているかを見せつけてくれた。環境主義者たちは地球のマグマの前に粉砕されたといってよい。

日本人としての誇りを取り戻そう

新年あけましておめでとうございます。オミクロン株が再び猖獗を極めようとしていますが、なんとか穏やかな年明けです。昨夏、八ケ岳の山墅で転倒、頬骨、肋骨、下腿骨骨折で入院・手術のドジをやらかしましたが、今は元気にしています。

これまでのパンデミックがそうであったように、感染症は突然「自滅」して終結します。コレラ、ペスト皆そうでした。新型コロナもオミクロン株を最後に春には終わるであろうと、勝手に断定しています。

新年、ブログ子の胸にストンと落ちた評論は加瀬英明氏の下記の一文でした。出所はメモしていなかったのですが、多分、産経新聞だと思います。

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日本国民は日本人として誇りを取り戻そう
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            加瀬英明
 
 アメリカでは、白人、アメリカ人、男性、国家であることを恥じる キャンセル・カルチャーが、白人、民主党支持者、中産階級、高学歴のあいだで、草木を靡かせる力を持って、ワシントン初代大統領、独立宣言起草者・3代目大統領のジェファーソンが奴隷主だった、リンカーン大統領、第一次大戦時のウィルソ ン大統領が人種差別主義者だといって、 アメリカ大陸を発見したコロンブスをはじめとする銅像、街路、公園、 公共建造物などがつぎつぎと撤廃されている。

 人種、宗教、性差別といって、ポリティカル・コレクトネス(言葉 狩り)が暴走して、「ミスター、ミセス、ミス」は全員を「Mx(ミック ス)」、「メリー・クリスマス」を「ハッピー・ホリデイ」、「クリスマ ス・ツリー」を「ホリデイ・ ツリー」と言い替えねばならない。自らつくりだした贖罪意識という泥濘のなかを転げ回って、快感に浸っている。

 戦後の日本によく似ている。私は親しいアメリカの友人たちに、「アメ リカが日本占領下で日本の伝統を棄てるキャンセル・カルチャーを強いて、天に向かって唾を吐いたことが、ブーメランのように頭部に当たって脳震盪を起している」と、からかっている。

 天網恢恢(てんもうかいかい)だ。ブーメランはオーストラリア原住民の 木製、扁平弓型の狩り道具で、投げ手の元に戻ってくる。

 アメリカは野蛮な国だ。対日占領が粗暴なものだったのに驚くことはない。

 幣原喜十郎内閣が占領軍総司令部の「日本国憲法案」を鵜呑みにすることを強いられた閣議で、幣原首相が涙に咽せながら「国体(天皇)を護るために方法がない」と述べたのは、よく知られている。

 アメリカ軍による占領期間は僅か六年だった。自虐史観と日本国憲法が定着したのは、アメリカ軍の力によるものではない。保身のために占領軍の傀儡となった大新聞や、学者たちが積極的に協力したからだ。東京裁判は23人が昭和6(1931)年の満州事変から敗戦までアジアを侵略する共同謀議を行った“罪状”によって、裁かれた。

 だが、満州事変から真珠湾攻撃まで、昭和の日本にとってもっとも重要だった10年に首相が11人も交替した。1人1年以下だ。国家戦略も共同謀議もあったものでない。

 大東亜戦争という名称は、日本政府もマスコミも使用しない。東京裁判が進行中、連合国は日本が解放したアジア植民地を再支配しようとして侵 略していた。大東亜戦争は昭和20年8月に終わったとされているが、誤りだ。大東亜戦争をアジア諸民族が戦い続けて、インドネシア、ベトナム、マレーシアなどの諸国がつぎつぎと独立した

 大手新聞の販売部数が激減して不動産収入によって息を継ぎ、占領軍の 商女(ゆうぎ)だった学者も退場しつつある。日本の夜明けが近い。

林家三平「笑点」クビの当然

日本テレビ系の「笑点」で大喜利のレギュラーメンバーを務めていた落語家の林家三平(51)が、26日の放送で降板した。後任は来年1月1日の放送で発表するという。

やっぱりなあ、というのがブログ子の感想である。妙な縁で「笑点」とは50年ほど前、日本テレビが麹町にあった頃から付き合いがあった。それは毎年発売される「笑点カレンダー」がはじまりだった。

当時はソ連の時代だったが、ブログ子の新聞社のモスクワ支局から毎年10月頃になると、カレンダーとボールペンを大量に送ってほしいという依頼が来る。ちょっとした取材の謝礼に使って喜ばれるからで、ホントはトイレットペーパーも欲しいのだがかさばってとても郵送に耐えられないのでその二つで良いという。

ソ連のトイレットペーパーは「まるで画用紙で尻をこそぎ落とすよう」と言われていた。筆記具は鉛筆が主流で良質のボールペンなど皆無だった。カレンダーは日ソで祭日も違うし不便だろうと言うと、粗雑な印刷技術で日本の大昔の絵本のようなものしかないそうで美しい日本のカレンダーは大喜びされるという。特に日本の山や海の風景もの、中でもJALや美しい和服の美女ものが人気だがカレンダーなら何でも良いと言われた。

日本でカレンダー配布が始まるのが11月末で、大急ぎで集めるのだが、そのとき大量に協力してくれたのが日本テレビの「笑点カレンダー」だった。モスクワに着くのはぎりぎり年内、時には新年に入ることもあるが、支局に着いた時にはカレンダーもボールペンも三分の一ほどになっていた。途中で税関や郵便局員に抜き取られるからである。ソ連の崩壊も近い、と予感させた。そういえば今年2021年はソ連崩壊から30年だ。

そんなわけで「笑点」のディレクターや広報と付き合いがあり、毎週観ていたものだが数年前からブログ子も家族も誰も観なくなった。三平があまりにも下手くそで観てられなくなった。記事によると5年前の平成28年5月からメンバーに加わったとあるからその直後だ。

NHKの「とんち教室」(1949年1月3日から1968年3月28日にかけて19年間放送)を知っているが、石黒敬七(柔道家)、長崎抜天(漫画家)、玉川一郎(ユーモア作家)、春風亭柳橋 (6代目)、桂三木助 (3代目)、渋沢秀雄(渋沢栄一の息子。東宝元会長)など分野が違うのに揃ってトンチの才を競ったものである。そのトンチの才が三平にはない。

更に加えると、木久扇も「馬鹿キャラ」だけで番組をこなしているが一番のトンチではさっぱりである。「笑点」の視聴率もジリ貧というが、三平と木久扇が番組をだめにしていると言っても過言ではない。正月になると女子アナや女優・タレントの大喜利が恒例だが、これも面白くないというか、スイッチを切るレベルである。早くやめた方がよい。

「多くのバラエティー番組では台本がしっかり書かれているが、笑点では構成作家は答えを用意してません。解答者の落語家が考えます。三平さんの答えがイマイチなのは、視聴者にも指摘されていましたが、答えを出す量がそもそも少なかった。本人も先輩方とスキルが違うことを自覚していましたから、今回の降板になってしまった」(夕刊フジのコメンテーター)

12月19日の放送で「笑点から重大な発表があります」と春風亭昇太から話を振られた林家三平は「今年をもって一旦焦点から離れる決意をしました。この5年半、一度も座布団10枚取ったことがない。座布団10枚獲得するためにも勉強しなおして、芸の幅を広げて戻ってくる」と語ったが、トンチというものは勉強すれば磨かれるものでもなかろう。持って生まれた才能としか言いようがない。そうした意味で落語家には世襲というものが似合わないのだと思う。

余談になるが、ブログ子は落語を3つのパターンに分けている。一番上が「噺家」で古典落語を専らとする。二番目が「落語家」で新作もこなす。三番目が「落語屋」で少し落語を齧っただけでほとんどタレント活動を専らとする。

今年、人間国宝、柳屋小三治が亡くなったが「私は噺家です」と自らを定義していた。立川談志は「俺は落語家であって噺家ではない」と自認していた。

かれこれ30年ほど前だが、この小三治師匠と永六輔を私のクルマに乗せて富山の宇奈月温泉から同じ富山・城端(じょうはな)市まで運んだことがある。同僚の記者が新聞社を辞めて入婿としてこの地の寺の坊主になった。現役時代親しかった永六輔が「昔は落語はこうしたお寺でやっていたもんだ」と、小三治と組んで毎年、農閑期に「野休み落語会」を開いていたのだが、招かれたブログ子が頼まれて一時間半ほどの旅を一緒にした。

後部座席の二人の話の面白いこと。ブログ子の大好きな志ん生のなめくじ話から当代の噺家の裏話、芸談・・・再現できないのが残念だが、一部は彼の著書『芸人その世界』にあるが、あっという間の時間で、城端市から東京に戻る間も思い出し笑いしていたものだ。

女市長の暴走を止めた女性市議の名演説

3か月居ただけの腰掛け外国人にも投票権を与える武蔵野市の住民投票条例が僅差で否決されたことを書いた。市長の暴走を止めたのが、これまで市長提案にほとんど賛成に回っていた中立会派の女性市議の素晴らしい演説であったことが、音喜多駿・議院議員ブログで知った。同氏は小池百合子都知事のシンパであったが反旗を翻して今は維新から参院に入った人物であるが、よく勘所をとらえているのに感じ入った。

ブログによると、武蔵野市はいわゆる「リベラル」が強い自治体で、中道保守勢力は劣勢。委員会も賛成多数で可決し、情勢を覆すのは困難とも見られていた。その見通しを覆したのが、いわゆる中立会派の動向で、今回、反対に回った本多夏帆議員(写真左)の反対討論の内容は秀逸だった。

趨勢決めた本多夏帆議員が涙ながらに訴えたことは、外国人参加の是非というより、「住民投票制度それ自体」や「成立プロセス」に重きを置いて反対理由を述べた。

第一が、住民投票制度そのものへの周知・市民理解の不足。住民投票制度は議会が機能不全になっている時にそれを補うため有効とされる手法だが、その本来の目的がどこまで議論されているのか。

市長は議会答弁で「住民投票制度がここまで知られていないとは思わなかった。成立後に周知広報を徹底したい」と述べたが、周知広報するのは成立前にやることが必要不可欠ではないか━という正論からピシャリと主張が始まった。

第二の反対理由が、リスクマネジメント不足。日本人であれ外国人であれ「特定の意図を持った集団」が制度を悪用することは残念ながらありえる。それにどう対応するか、できるだけ入念な制度設計や規則が求められる。

にもかかわらず、本条例案には公平性を担保するための具体案が未だにない。意見が真っ二つに分かれる中で、これだけ「住民」の定義を幅広くとった(外国人も含めた)のだから、それ相応のリスクヘッジ策を提示するべきだったのに、そこを無視してしまった。この対応こそが、今回の案の実現可能性を最も損ねた部分だと、本多議員は喝破した。

そして第三の理由は、そもそもの政策目的と手段、プロセスの妥当性、優先順位。住民投票制度の目的は市民自治の推進であり、武蔵野市においては市政運営やまちづくりに参加する住民が「固定化」している、いつものメンバーだけになってしまっている点が課題だとされてきた。

しかしそもそも課題になっている「参加する市民の固定化」の部分、これを打開することなく今回のような大胆な施策に打って出た結果、市が二分されるような分断が生まれてしまった。まさに多様な意見を取り入れ、立ち止まるプロセスこそが必要だったのではないか…。

そして本多議員は最後に松下市長に対して、

「中立派の会派として、これまで市長の提案であるパートナーシップ制度や子どもの医療費助成の拡大など賛成してきました。(中略)

しかし、今回の案と今の状況でこれを可決することで、武蔵野市が目指す多様性を認め合うまちづくりが推進されるとは思えません。また、自分が推進したい案なら手続き論は甘く、反対したい案なら厳しくという姿勢は一貫性がないことからも、この決断へと至りました。」

と市長のダブルスタンダードにチクリと釘を指しながらも、今後も継続的に条例案を検討していくことには肯定的なスタンスで討論を終えた。

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ハリウッド映画にジェームス・スチュアート主演の「スミス都へ行く」(1939年。原題「Mr. Smith Goes to Washington」) というのがある。上院議員の穴埋めとして政治の世界に送り込まれた男が、 腐敗に気づき、たった一人で抵抗する。議案を葬る方策が、長時間演説で切り抜けるというストーリーだ。

日本で上映されたとき私は中学生くらいだったが、大阪・千日前の映画館で これが民主主義というものかと感動した覚えがある。

本多夏帆市議がどういう御仁か知らないが、 「行政書士。4歳1歳の子どもたちと夫との4人暮らし 」とある。同氏のもとには市長派からものすごい攻撃が殺到しているという。そのことへの反論ツイッターがまたいい。

「考えが合致しないのは分かります。でも、だからって、最低だとか馬鹿だとか、そういうのはやめません?」

左巻きは60年安保のときも、70年安保のときも、反対派に対し「低能」「馬鹿」と投げかけてきた。ブーメランで今同じ言葉が彼らに投げかけられている。

松下玲子市長に取って代わって本多夏帆議員にその席についてもらいたいものだ。

女の「平和・人権」論で国防問題にしゃしゃり出るな

東京都武蔵野市議会は21日、日本人と外国人を区別せずに投票権を認める住民投票条例案を反対多数で否決した。議長を除く25人で採決が行われ、賛成11、反対14。過半数は13で、条例案は廃案となった。態度を明確にしていなかった無所属議員2人が反対に回りかろうじて否決されたが危ういところだった。13日の市議会総務委員会では可決されていたが、本会議で判断が覆った。

ブログ子はかねてから条例案を提案した松下玲子市長の「外国人だからという理由で地域の課題に対して意見を表明する権利を奪う合理的な理由は見つからない」と強引に令和4年度中の施行を目指す姿勢を危うんでいたが、ひとまず良かった。


 条例案では、市内に3か月以上住む18歳以上の市民に投票権があると定め、留学生や技能実習生など在留資格を持つ外国人も含まれる。投票資格者に外国人を含む住民投票条例を持つ自治体は全国に43あるが、永住外国人に限るなどの要件を設ける自治体が多く、日本人と同様に3か月以上在住していれば投票できるとするのは、神奈川県逗子市と大阪府豊中市の2市にとどまる。

外国人と日本人を区別せずに投票権を認めるということは、国益を損なうということがの市長にはわかっていない。住民投票では、自衛隊誘致や原発建設など安全保障政策に直結するテーマが争点になることが多く、主権国家にとって危険な流れにつながる。本国に忠誠を誓う外国人住民に投票権を与えるのは重大な危険を伴う。

「税金を納めているのだから、市内に住む外国人にも投票を認めるべきだ」というのが、賛成派の主張だが、「外国人への投票権付与は、国民主権の侵害リスクを伴う」ものなのである。自治体には公権力の行使を伴う事務も多い。外国人の投票を認めれば、日本人住民の総意には反する結果が出ても、市は従わざるを得ず、住民の権利を侵害する事態も起こり得る。

松下玲子市長は東京都議を経て平成29年に市長に就任し、今年10月の市長選挙で自治労、 日共、立憲民主党、社民党、れいわ新選組、武蔵野・生活者ネットワー ク、緑の党が支持して、自民党、公明党、東京維新の会が推す候補を圧勝 して再選された。武蔵野市は菅直人元首相のお膝元で左派が強い。

彼らは「安全保障上の懸念」という声に「外国人が大挙して押し寄せて、自治体を乗っ取るなんて夢物語だ。地方政治に国防や安全保障に関わることなどない」と主張するが、台湾が目の前でその先の中国から指呼の間にある与那国島、すでに韓国人が大挙して押し寄せていて土地が買われている対馬など「危うい」ところはたくさんある。

外国人参政権が離島などの小さな自治体に広がっていけば、かなりの権限を外国人住民が持つことは現実的にありえる。また 外国人参政権は違憲の疑いが強い。地方政治の投票権であっても結果的に憲法違反につながるのだ。

外国人の政治活動が問題とされた昭和53年のマクリーン事件最高裁判決では、政治的な意思決定などに影響を及ぼす政治的活動を外国人に認めていない。武蔵野市のような条例案が通れば、外国人に対しても市政に参加する権利が認められたことになるから、住民投票のテーマではない市の重要な計画策定や条例の制定改廃についても意思表明の機会を設ける努力が必要となる。最高裁判決の趣旨から考えても、憲法違反の疑いは明らかだ。

「外国人に寄り添う」のもいいだろうが、尖閣に連日押し寄せる中国や、未だにありもしなかった従軍慰安婦・徴用工をわめき続ける韓国の行動を念頭に入れてからにしてもらいたい。

否決されたものの松下市長は、改めて条例案を検討した上で再提出する意向を示しているという。もういい、いいかげんにしろと言いたい。「平和」は念仏のように唱えていれば訪れるものではない。確固とした「軍事力」を持った国だけが自力で手に入れるものである。それが国際社会での力学である。

岸田首相、何をためらう「外交ボイコット」

米英豪加などファイブアイズ国家が北京五輪の外交的ボイコットを表明した。さて、日本はどうか。日本政府は「現時点では何も決まっていない」というが、開催まで、あと2カ月である。いつまで優柔不断を続けるのか。

9月の自民党総裁選出馬に当たり、香港や新疆ウイグル自治区での人権侵害に「毅然と対応する」と主張、新設した国際人権問題担当首相補佐官に中谷元・元防衛相を起用した。これはきちんと対応するのだろうと思ったら、「人権問題」担当の当の本人は 「制裁を伴ってどういうことが起こるかしっかり検証しないといけない。日本は対話と協力で対応してきた」とトーンダウンさせる始末だ。

来年(2022年)は日中国交正常化50周年の節目に当たるので波風を立てたくないという腹なのだろうが、中共政府はそんなことで日本への圧力を弱めたりはしない。尖閣諸島には連日海警船が押し寄せているし、招請されて中国に渡った大学教授を未だに拘束したままだ。

中国外務省の趙立堅報道官は25日の記者会見で、「中国は既に、日本の東京五輪開催を全力で支持した。日本は基本的な信義を持つべきだ」とあからあまに牽制している

腰が引けた日本は見透かされている。2008年8月の北京五輪はどうだったか。当時の国連事務総長に加え、英チャールズ皇太子も開会式への不参加を表明。フランスの外相も「EUは開会式への不参加を検討すべき」と発言し、実際に英国やカナダ、スペイン等々、世界各国の首脳が開会式への参加を控えたが、日本は歴代の首相の中でも媚中派ナンバーワンであった当時の福田康夫首相が笑顔で開会式に参加した。さすがに実現しなかったが、中国は当時の天皇陛下、皇族方のご出席まで要請していた。

1989年の天安門事件後に開かれたG7サミット(先進国首脳会議)でも日本は醜態を晒した。対中関係の維持を図る日本が、人権重視の欧米に「1対6」の構図で抵抗。中国への制裁で結束していた西側諸国の足並みを、一人で乱した。当時、中国外相を務めた銭其琛元副首相は後に、「日本は西側の対中制裁の連合戦線の最も弱い輪であり、中国が西側の制裁を打破する際におのずと最もよい突破口となった」と回顧した(『銭其琛回顧録』東洋書院)。

岸田首相は「聴く力」を看板にしている。しかしこのところ挫折の連続である。公明党主張を入れて決めた18歳以下の子供への一律10万円相当の給付金は「年内に現金5万円、年度末までにクーポンで5万円」が、事務経費に960億円という馬鹿な経費がやり玉にあがり、「自治体希望で10万円一括支給もOK」ときた。

新型コロナの新たな変異、オミクロン株の感染防止策をめぐっても、岸田文雄政権は迷走した。日本着国際線の新規予約を日本人を含めて停止するよう、各航空会社に要請したが、批判を受けて、たちまち修正した。

もし実施されていれば、海外に滞在していて、これから年内に帰国しようと思っている日本人は、予約済みの人を除いて、帰国できなくなってしまう。年末年始を控えて、一時帰国を検討中の在外邦人も多い。海外出張者も、いったん出国したら、いつ帰れるか、分からなくなる。

国家最大の使命は国民の生命と暮らしを守ることだ。「日本人が日本に帰国するのを政府が認めない」などという話は、ありえないし憲法違反で訴えられて然るべき話である。北朝鮮による拉致被害者の帰国に向けた国民大集会に出席した岸田首相は、「わたしの手で、必ず解決しなければならない」と決意を述べた(11月13日)が、なにか空々しい。

中国の報道官ごときに「信義」で脅かされた日本政府の対応はというと、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の橋本聖子参院議員か日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長の出席を検討していると言われる。今夏の東京大会に中国は閣僚級の苟仲文・国家体育総局長を派遣した。政府関係者によると、苟氏は中国オリンピック委員会トップも兼ねており、苟氏と同格の山下氏を派遣すれば、外交上の「返礼」を満たすとみている。

これで米国などと歩調を合わせた「人権重視」対応との説明ができるというのだろうが、狡猾な中国はそんなこと見透かしている。そんな姑息な手段はやめて堂々と正面から「外交ボイコット」に出るべきだ。

ジャーナリストの櫻井よし子さんは12日のインターネット番組「言論テ レビ」でこう語っていた。「東京五輪で森喜朗氏を(女性蔑視、差別だ と)激しく批判していた人たちは、中国のウイグル人に対するジェ ノサイド、民族集団虐殺に対して森氏より何十万倍も激しい批判をしてく れると信じたい」

また朝日新聞の社説では、外交ボイコットは「(政府は)付随的な意味しかない政府代表の参加をやめることで、中国への強腰と人権重視の看板をアピールしたいようだ。ただ、この措置が実際に問題解決につながる見通しはない。中国国民の胸中には人権意識よりも、米国への反発心を強く残しかねない」という。

ブログ子の経験では、何事も朝日新聞の逆を行えば正解である。この意味でも、早急に外交ボイコットに踏みきるべき時である。

「盲亀の浮木」の屁理屈を振りかざす腑抜け知事

秋田県の佐竹敬久知事は1日、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画断念を巡り、防衛省が秋田市で開く予定の住民説明会について「地元をだいぶ振り回したことへのおわびの言葉は絶対ほしい。防衛省側の出席者については、少なくとも政務三役に顔を出してもらいたい」と求めた。

30日午後6時10分ごろ、米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機が青森空港に緊急着陸した。防衛省関係者によると、着陸前に燃料タンク2個を同県深浦町の道路付近と岩木山(弘前市など)周辺の山林に投棄した(写真右 見つかった2個目タンク)。青森県の三村申吾知事は三沢基地のティモシー・マーフィー副司令官と県庁で面会。「一歩間違えれば大変な惨事だった。深く反省してほしい」と抗議、原因が判明するまで同型機の飛行停止を求めた。副司令官は「県民にご心配、ご迷惑をお掛けしていることを改めておわびしたい」と陳謝。岸信夫防衛相は1日夕、記者団の取材に応じ、「住民に不安を生じさせる、あってはならないことだ。大変重く受け止めている」と述べた。

◇ ◇ ◇

緊急時のタンク投棄は戦闘機のマニュアルにあることで、着陸時の大炎上を避けるため当たり前のことだ。これが沖縄だと沖縄タイムス、琉球新報というメディアを先頭に共産、社民、立憲民主の「オール沖縄」勢力が「住宅地までわずか数百メートル」といった「恐ろしや」騒ぎがいつも繰り返される。青森、秋田というのはそれに比べればまだ「マシ」な部類だと考えがちだが、そこでも以上のような、「盲亀の浮木」騒動である。

盲亀の浮木というのは、大洋を泳ぐ盲目の亀が浮木にぶち当たる確率で、千に一つ、万に一つもないこと。ただ最近ではアメリカの原子力潜水艦が大洋で浮上したところ大型貨物船にぶつかって艦長以下当直士官が更迭される事件があって、「百に一つ」くらいの確率になっている。

地方への権限移譲が進んで知事の裁量がおよぶ案件は以前より大幅に増えた。ただ、安全保障の問題は知事裁量を超える国政の問題である。それを大声で言うと騒ぎがさらに大きくなるのが日本の現状で、米軍の副司令官は「お詫び」するし、防衛相は「あってはならないことだ」と言わざるを得ない。

その結果どうなるか。
上で「イージス・アショア」(陸上イージス)が迎撃する際、ロケットの弾倉が住宅地に落下する恐れがないとは言えないと拒否した秋田県や山口県(写真右は山口県の反対デモ)のような「盲亀の浮木」論が幅を利かすことになる。

ごねられて政府は陸上イージスの導入断念、代替艦「イージス・システム搭載艦」2隻の導入方針を昨年12月に閣議決定した。しかし計画当時の総コストは4500億円ほどだったのが、試算してみたら少なくとも2倍の9千億円、あるいは1兆円とも。

さらには洋上で2隻がミサイル防衛に従事できる期間は年にわずか126日と一年の三分の一。整備などに充てる期間が必要なためだ。米軍が実施した迎撃試験の確率が低いという説も出てきた。

「張りぼて」説もある北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落とす装備にしては高すぎる。その間、中国が超音速大陸間弾道弾の実験に成功との報道も伝えられた。イージスでは対応できない軍事技術の進歩を前に、イージス計画は頓挫に追い込まれている。

平和ボケした日本は左翼・リベラルが振りかざす憲法を盾にした「専守防衛」から抜け出せない。現代戦は先制攻撃で一巻の終わりである。未だに「敵基地攻撃」などもってのほかなのだから、何をかいわんや、である。

くだらない「記者質問」が多すぎる

以前にはなかったことだが最近、記者会見がテレビ中継されることが多い。元新聞記者として見ていて、「質問が長すぎる。要するに何が聞きたいんだ」といらつき、腹立ち紛れにスイッチを切ることもある。

最近の例から挙げる。立憲民主党の枝野幸男前代表が先の衆院選で敗北した責任をとって辞任、12日に開かれた記者会見がネット中継されたときのことだ。ぐだぐだと「質問」する記者に、枝野代表が「ここはあなたの意見を聞く場ではない」ときっぱり拒絶したのだ。なんでも反対、口を開けば「政権を寄越せ」の代表が最後に見せた対応は立派だった。

再現するとこうだーーー。ネットメディア「インディペンデント・ウェブ・ジャーナル」(IWJ)の記者というのが、ながながと自説を繰り広げた。

「衆院選では意図的に隠されていたが、本質的な争点は緊急事態条項(の創設)を核とする自民党4項目の改憲か、その改憲案に反対かであったことは明らかだ。立民は自民党の改憲4項目に反対する改憲反対派としてこの国の市民、国民に重大な責任を負っているのではないか(中略)。後継の代表選に名乗りを上げた人物には、自民党より改憲に貪欲な姿勢をみせる方もいる。代表人事を誤ればこの国の未来を危うくする。(後継指名する場合)緊急事態条項は絶対に許さないと、今度こそこの問題を焦点に据えて野党共闘で戦うことを条件として提示するか」

この記者は左派らしく「(枝野代表は)辞任の必要はない」という主張も含めて質問時間はなんと3分を超えた。

枝野氏は「申し訳ないが、あなたの意見だと思う。記者会見はあなたの意見を聞かせてもらい、そのことに答える場ではない。あくまでも中立的立場の報道機関の皆さんに対して説明をする場だと思っている」と打ち切ろうとした。

IWJ記者は、なおも「質問は自らの意見でなく、常に市民から要請や意見を頂戴し、その事実に基づいて総合的に判断している」と反論したが、枝野氏は「私たちの考え方と百八十度違う社説を載せている社もいるが、そういう社もここでは中立性という立場に立った前提で質問をもらっている。そこを整理しないと会見が混乱する。そもそも選挙の争点はあなたが決めるものではない」。

このやりとりを受け、朝日新聞記者が応援のつもりか「中立性という言葉は恣意的な解釈の幅がありうる。ネットメディアやフリーランスを排除することはないのか」と質問。枝野氏は排除を否定したうえで「『こういう意見もあるがどうか』みたいな話は当然あるだろうが、それを延々と話してもらう場ではない」と答えた。

さらに別の同じ仲間と見られるフリー記者が「記者差別、排除につながる問題発言だ。(4年前の希望の党合流をめぐる)排除発言から生まれた立憲民主党の代表とは思えない暴言だ」と批判し発言の撤回も求めたが、枝野氏は応じなかった。

◇ ◇ ◇

自民党の高市早苗前総務相が党総裁選への出馬表明記者会見もひどかった。会場にいた「報道関係者」が森友学園をめぐる問題について「再調査するのか」「話さないのか」と怒鳴り声を上げた。高市氏は「一人の公務員が大変追い詰められ、命を絶った気の毒な事件だ。こういった改竄が絶対に起こらない体制を作る」などと説明したがおさまらず、さらに

「安倍晋三前首相への忖度か」「安倍氏の傀儡ではないか」と怒鳴り続けたため、別の報道関係者が「やめろよ」と制止に入った。高市氏は「そこまでやじり倒さないでください。本日はありがとうございました」と締めくくった。

男は横田一という左翼活動家で、小池百合子知事の記者会見で「(前原代表が)希望の党に公認申請をすれば、排除されないという説明をしたのですが、あなたは、安保、改憲を考慮して一致しない人は公認しないと言っている。どうなのか」と迫り、小池知事から「排除されないということはございませんで、排除いたします」という答弁を引き出した人物。

本人は、高市会見で大声を出したことを認めた上で「ルールやマナーを守っているばかりでは、聞くべきことが聞けなくなる。相手を怒らせて本音を引き出すというのは、インタビューの常套手段ですよ」としらばっくれる。

◇ ◇ ◇

毎日開かれる官房長官記者会見で長々と質問するので有名なのが東京新聞の望月衣塑子記者。政府高官が彼女の長ったらしい話を非難し、彼女の質問を完全に遮るということもよくある。彼女が北朝鮮について質問すると、菅義偉官房長官(当時)は「あなたの個々の質問にお答えする必要はありません」と言い返して、演台からつかつかと立ち去ったほどだ。

◇ ◇ ◇

11月15日に千代田区の日本記者クラブでの大谷翔平凱旋記者会見もひどかった。およそ1時間の会見は、NHKやネットでもライブ中継され、数多のメディアが思い思いの質問をぶつけた。しかし、その内容は高額納税者として日米の税制についての見解や、帰国後の初めての食事、プライベートでの結婚観についてなど……。本筋の野球からは外れた内容のものばかり。

米スポーツ専門放送局『FOX Sports』のアナリスト、ベン・バーランダー氏は、1分あまりにわたった冒頭の質問を自身のTwitterで「僕は流暢な日本語を話せないけど、この質問は長すぎる」と一刀両断。そのうえで、「「記者会見が今終わった。ショウヘイ・オオタニは彼らが尋ねた質問よりも遥かに価値がある。この男は、史上最も素晴らしいシーズンを過ごし、MVP受賞まで数日と迫っているんだ」と皮肉った。

もっとひどかったのは、 元日本ハムの投手で、野球解説者としてテレビに出ている岩本勉氏。自身があてられると、「会場の皆さん、世界でこれだけ活躍している大谷翔平選手が、華々しく日本に帰ってきてくれました。まずをもって大きな拍手をお願いします」と報道陣に拍手を求めた。さらに「ロングタイムノーシー ハウアーユートゥデイ(お久しぶりです。今日はご機嫌いかがですか)」と英語で語りかけて、まわりを唖然とさせた。

ブログ子は日本記者クラブの会員でもあり、少し知っているが、会員資格は「新聞記者で、入会には会員2人の紹介が必要で、毎月6000円(今は5000円)の会費納入者」で、会見場に入れるのは会員社及び会員である。野球解説者がどうして“取材者”として出席できたのか。おそらくテレビ番組の関係者が名義借りしたのだろう。

◇ ◇ ◇

ブログ子の観察だが、記者会見での「問題児、馬鹿質問」は政治問題では左翼・リベラル系、皇室問題では女性誌、スポーツ選手相手では運動部記者、タレント・女優相手では芸能記者が多い。

政治家の記者会見が面白くないのは確かである。経験で言うのだが、それには理由がある。総裁選などの立候補者、官房長官会見‥これらは政治部記者にとって「表向き」でしかない。本音はそれぞれの「番記者」が夜回りや、派閥の有力者を回って仕入れるしかない。誰が入閣予定者の名前を記者会見でしゃべるものか。

裏取材の世界だが、記者クラブ制度が閉鎖的だという批判にさらされている。また会見がそのままテレビやネットで中継されるのが普通となり、フリーランスの記者ややネットメディアの記者も参加する開放的な傾向にある。フリー記者で懸命に取材していてそれをぶつけてくる人もいるが、中には自分がテレビに写りたいがためとか、目立ちたい、持論を展開するだけといった、邪道に陥っている者など鋭い質問とは言い難い輩も少なくない。

ジャーナリストとは本来「新聞記者」の意で、自分で取材して、何らかの発表手段を持つ者である。「質が落ちた」というのは簡単だが、ここらで是正しないと、見限られることになるだろう。

新聞・テレビの凋落で選挙予測は的外れに

 衆議院議員総選挙は、自民党がやや議席を減らしたものの、単独で絶対安定多数を確保(261議席)、野党は立憲民主党が議席を減らして(96議席)枝野幸男代表のクビが飛び、日本維新の会が議席を4倍に増やした。

この選挙で惨めだったのが新聞、テレビなど報道各社による事前の情勢調査や予測記事がことごとく外れたことだ。

 報道各社の事前予測では、
▼「自民“単独過半数”は微妙な情勢」(25日、FNN)、
▼「自民の単独過半数維持は微妙」(28日、読売新聞)
▼「自民議席減・与党過半数の公算 立憲上積み視野」(21日、毎日新聞)
▽「自民が単独過半数確保の勢い、立憲はほぼ横ばい」(25日、朝日新聞)

終盤、具体的に議席数をあげる段階で、

▼「自民218~246、立民126~151、共産16~19」(産経)
▼「自民212~253、公明27~35、立民99~141」(NHK)
▼「自民231、公明33、立民137」(週刊文春)
▽「自民251~279、公明25~37、立民94~120」(朝日」

開票が始まった段階でも、
▼「自民240、公明30、立民111」(池上彰氏仕切るテレビ東京)

新聞は朝日以外は産経を筆頭に大外れもいいところ、テレビは全敗である。前回の総選(2018)でもメディアの予測は外れたが、今回ほど惨めなものではなかった。

ブログ子が現役の頃、何回か総選挙報道を経験したが、そのころ最も選挙予測で信頼されていたのは新聞では朝日、テレビではNHKであった。特にNHKは金に糸目をつけず、大規模に調査員を動員して全国規模でやるから正確さに定評があった。しかしデータは、報道の参考として政治部中心に回覧されていて直接放送されることはなかったので永田町関係者から「なんとか見せてもらえないか」と頼まれるほどだった。そのNHKすら今回は大外れだから、何をかいわんやである。

なぜ、こんなことになったのか?ブログ子には心当たりがある。

半世紀ほど前の旧聞に属するが、学生時代に札幌で朝日新聞の選挙予測のアルバイトをしたことがある。初任給1万5000円時代に調査票1枚1000円ほど、5枚で5000円くれるので魅力的なバイトで希望者は多かった。札幌支社の一室に集められ、まず統計学の「講義」を聞かされた。

統計学の理論では「階層化」が大事だということ。選挙なら男女別、年齢、居住地、職業(自営かサラリーマンか)など。この作業、サンプリングと呼んでいるが、統計学では200あればほぼ正確に出るとされるのだが、朝日では2000部調査票を集めていた。

具体的作業は、市役所の出張所にある住民票の簿冊を閲覧して、何番目の簿冊の、何番目の世帯主、そこから選挙権がある何番目の人・・・というふうに選び出し、その人物に直接調査票を書いてもらう。回収にまた出かけるのだが、勤め人だと夜遅いことがあるから帰るまで外で待っている。

こうした地道な調査を知っているから、同じメディア側に立つようになっても、朝日が「選挙報道の朝日」と自賛しても、さもありなんと認めてきた。他の新聞社も程度の差こそあれ同じようなサンプリングでデータを取っていたからそれなりに信頼度は高かった。NHKは加えて投票日の「出口調査」に力を入れてきたから午後8時の開票作業開始と同時に当確を打つなどみな自信満々であった。

ところが新聞はみな落ち目になった。部数減でカネがかかる選挙予測が負担になってきた。幸いなことにテレビはみな新聞社がダミーになって設立した経緯がある。取って代わって隆盛を誇るテレビに寄っかかるようになった。産経に例を取るとFNN調査、つまりフジテレビと協同調査となっているが殆どの調査金額はテレビ持ちといった塩梅である。これは他の新聞も同じである。

時を同じくして調査方法が手軽なRDD方式に取って代わり、これを専業とする調査会社に委ねるところが多くなった。これはコンピューターで発生させた電話番号に掛け、出た人から調査票に聞き取るもので、上述のサンプリングでいうと「階層化」がなってないという欠点がある。加えてこの調査方法では「聞き直し」の有無で大きな違いが出てくる。

「聞き直し」というのは「まだ決めていない」「どちらでもない」と答えた人に、再度、今はどうですかと問い直すことである。各社の調査で政党の支持率などでに違いが出ていることが多いが、「無党派層」から、その違いの分を引くとだいたいその誤差に該当するものである。

さて今回の議席予測で朝日が唯一、実際の議席に近かった理由だが、多くのメディアが頼った従来からの情勢調査の手法(RDD)ではなく、インターネットで回答を募る「ネットパネル調査」を基に小選挙区の予測をしたことによるという。朝日によると、調査会社4社に委託し(金を払って)各社に登録されている登録モニターを対象にした、と説明しているが、これまでこの方法は、サンプルが偏るために情勢調査には不向きとされてきた。第一、登録モニター対象というのでは、上述のサンプリングでいう階層化が出来ているとは言い難い。統計学的な理論的説明が必要であろう。

NHKが外れた理由だが、次第に増えている期日前投票の把握が出来ていないからではなかろうか。いくら金に糸目をつけないNHKでも、投票日までの長い期間、バイトに出口調査に当たらせるわけにも行かない。与野党の固定支持層はこの期間に投票に出向くであろうから、この数値が読み込めないということもある。

何かというと国の財布に手を突っ込む公明党

「18歳以下のすべての子供に対する一律10万円給付」をゴリ押ししている公明党。いい加減にせよとの声は世に満ち溢れている。

選挙期間中、公明党の山口那津男代表は「“未来応援給付”を提案しております。“未来応援給付”を訴えております。“未来応援給付”をやります!」と連呼して32議席を獲得した手前、引くに引けないのはわかるが、「連立政権」をいいことに毎度自民党に抱きついては国の財布から人気取りのバラマキ政策を繰り返すこの党に、国民は怒りすら感じているのがわからないのか。

先の総選挙では維新と国民民主以外、みなバラマキ公約を掲げた。自民党も然り。ただ高市早苗政調会長は「自民党の公約は公明党とはまったく内容が違う。わたしたちは本当にお困りの方に経済支援をするというもので、そうでない方に支援をするということは書いてない」と弁明していた。

公明党が「10万円一律給付」に固執するのは、選挙で一番世話になった創価学会婦人部への「お礼」であろう。今回の与党に厳しかった衆議院選挙でも公明党の当選者は3人増の32人だった。婦人部(現在は女性部)から「あれだけ応援したのに何の見返りもない」と言われるから引くに引けない事情がある。「学会員だけに配れ」とは言えないから、一律ということになる。

結局、岸田首相が10日午前、公明党の山口代表と会談し、18歳以下への10万円相当の給付について、所得制限を設ける方針で一致した。夫婦と子ども2人のモデル世帯では、年収960万円以上の高所得層を対象から外すことで決着した。

官邸に入る山口那津男代表。バラマキを押し通した。

バラマキ批判に配慮した形だが、実際に給付対象から外れる世帯は全体のわずか1割程度にすぎず、ほとんど「一律給付」である。年内に現金5万円を先行給付し、来春までに残る5万円を子育て関連に使途を限定したクーポンを配布する。対象家庭には年内に公明党からボーナスが出るわけだ。

この日の自公トップ会談では、マイナンバーカードの新規取得者などに最大2万円分のポイントを付与することも確認した。公明は3万円相当のポイント付与を求めていたから、1万円分譲った。このほか、住民税非課税世帯に、これとは別に現金10万円を給付することでも合意している。

公明党の高笑いが聞こえるような「手打ち」だ。この結果、バラマキ対象は約2000万人。ざっと2兆円が国の財布から出ていく。

これまでも公明党は、地域振興券や給付金といった評判の悪い公約を掲げ、連立政権という錦の御旗を押し立てては、実現してきた。地域振興券は「子育てを支援し、老齢福祉年金等の受給者や所得の低い高齢者の経済的負担を軽減する」というのが公明党の名目で、市区町村が発行した。15歳以下の子供がいるとか、一定の条件を満たした国民に2万円分が配られた。およそ6200億円の財源は国持ち、つまり税金で7000億円。

自公連立の立役者だった野中広務が、「天下の愚策かもしれないが、七千億円の国会対策費だと思ってほしい」と語ったのは有名な話だ。

今朝(10日)の産経抄に「パンとサーカス」の話が出ていた。このコラムは小生がよく知る田中規雄論説委員が書いている。こうある。

▼「パンとサーカス」は、古代ローマ帝国の詩人の言葉である。市民が権力者からパン(食糧)とサーカス(娯楽)を与えられ、政治に無関心となったさまを揶揄(やゆ)したものだ。

▼矢野康治財務事務次官が月刊誌に寄稿した論文でも、「最近のバラマキ合戦のような政策論」を批判するのにこの言葉を使っていた。もっとも詩人の亡くなった後も、ローマ帝国は400年近くも命脈を保つ。滅亡の原因になったわけではなさそうだ。

▼作家の塩野七生さんによれば、パンについては共和制時代の「小麦法」が始まりだった。国家が一定量の小麦を買い上げ、市民に配給する。最低の保障とはいえ、少なくとも飢餓が原因の集団死はまったく起こらなかった。サーカスは人気取りだけが狙いではない。皇帝が競技場で観衆の反応を確かめる、現在の世論調査の機能も果たしていたという(『ローマ人への20の質問』)。

▼パンとサーカスには、ともかく目的と効用があった。単なるバラマキではなかった。それにひきかえ、公明党の主張はどうだろう。18歳以下の子供に対して、一律10万円相当を給付するという。(以下略)

前回、このブログで「こんな面白い総選挙見たことない」と書いた。何かというと「辞めろ」、「政権交代せよ」とほざいていた支持率わずか6%の立憲民主党の枝野幸男代表がその座を追われたことは欣快至極ではあるが、同時に維新が4倍近く議席を伸ばして公明党を抜いて第3党に躍り出た。憲法改正に前向きな維新、国民民主入れると改正発議に必要な3分の2議席に達した。

公明党はバラマキだけでなく、憲法改正に後ろ向きで、なにより親中派である。今回の総選挙で公明党擁護の長老は概ね消えた。そろそろ公明党を切って、維新と連立を・・・という時期である。

こんなに面白い総選挙見たことない

立憲民主党の枝野幸男代表は2日午後の党執行役員会で、代表職を辞任する考えを表明した。敗戦が明確になったあとも 「野党共闘には一定の効果はあった。おおむね理解をいただけている」と続投の意向を示していたが、これまで時の総理相手に、何かというと「任命責任」と辞任を求めていただけに、それはないだろうという声は党内外にあふれていた。

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏は「野党がどういう責任を取るのか。枝野さんは代表を辞任するつもりはないと言われますけど、野党が政権選択選挙で負けたのに代表が、執行部が責任を取らないということならば、野党としても党として体をなさないと思いますね。いつも与党に対して責任、責任と言っているんですから。野党が唯一責任を取れる場面というのが選挙で負けた時に執行部が身を引くことでしょう」と迫っていた。福山哲郎幹事長も引責辞任する意向で立憲民主党首脳は総取っ替えになる。

/敗因は「立憲共産党」のこの二人

誰が考えても敗因は立憲民主党が9月末共産党と結んだ「合意」にある。衆院選で政権交代した場合、共産党から「限定的な閣外からの協力」を得るという。共産党は綱領で「日米安保廃棄」「自衛隊解消」を掲げる。枝野氏の「日米同盟を軸とした現実的な外交・安全保障政策を進める」という立場とは、大きく食い違う。「野合」そのものだ。

麻生太郎副総裁は「立憲民主党はいまや『立憲共産党』になった」。甘利明幹事長は「共産党が意思決定に直接、関与する政権は今までの日本にはなかった」と非難した。立民最大のスポンサーである、連合の初の女性トップとなった芳野友子会長は「共産党の閣外協力はあり得ない」と断言していた。

それにも関わらず、立民は全選挙区の7割以上にあたる213選挙区で共産党などと野党候補を一本化した。結果は自民党が想定外の勝利をおさめ、立憲民主党と日本共産党は想定外の大惨敗を喫した。2つの野党の合体について、支持したリベラル左翼のメディアや政治家よりも、国民の方が正確に理解していた。つまり、単なる政権交代への道ではなく、自由と民主主義の政治体制か、共産党の影響を強く受ける政治体制かの体制選択選挙そのものだったのだ。

事前予想では、メディアは自民党は公示前の議席数を大幅に減らすと報じた。自民党はこれを受けて獲得議席目標を「過半数の233議席の確保」に絞った。結果は261議席、絶対安定多数を得た。日本維新の会は4倍近くの41議席、公明党の32議席を入れて334議席。共産党と対立した3党が憲法改正に十分な数を得た。

他方、立民は大幅増を期待されたが、議席は14も減らして96だった。共産党も2議席減らした。大きく考えの異なる政党共闘のいかがわしさを国民が嫌ったのは明白だ。節操のない野党共闘の実態を国民は見抜いたのだ。

それにしても今回の総選挙、与野党で「大整理」が行われた。

与党では自民党の甘利明幹事長が小選挙区で敗北、比例で復活したものの潔く幹事長を辞任。自民党の元幹事長で石原派会長の石原伸晃氏も初めて敗北、永田町から去った。もっと前の総裁選に遡れば、「小石河連合」を組んだ小泉進次郎、石破茂、河野太郎という3人が粉砕された一件がある。脱原発、親中国、女系天皇を認めるという「自民党をぶっ壊す」一派が岸田文雄現首相に勝っていれば自民党はバラバラになるところだった。新中国の二階俊博前幹事長も切られた。

野党、立憲民主党の惨敗はそれ以上の「大整理」である。盤石の地盤だった辻元清美氏は維新の新人に破れた。他にも黒岩宇洋、今井雅人、川内博史各氏ら国会審議で政権批判やスキャンダル追及をしてきた「うるさい」のが落選した。

「泥舟」の社民党からうまく乗り移った辻元氏は「ソーリ、ソーリ!」と叫んで、もっぱらテレビ映りばかり気にするスタイルで運材rさせていた。昨年2月には、当時の安倍晋三首相に週刊誌報道をベースに質問し、安倍氏が「意味のない質問だよ」とやじを飛ばされたこともある。

黒岩氏は野党による官僚に対する「合同ヒアリング」の中心人物だ。「桜を見る会」前日に安倍氏の事務所が主催した夕食会をめぐる発信に対し、安倍氏が「真っ赤な噓」と反論したこともある。共産などとの「合同ヒアリング」は政府・与党の不祥事や政策の不手際があるたびに、関係する省庁の幹部職員らを会議室に呼び出して説明させる、いわばショーである。国会議員に強く反論できない立場の省庁職員を詰問する姿には、「やり過ぎだ」との批判も出ていた。

森友学園問題などで政府を追及してきた今井氏は、平成21年の旧民主党を振り出しに毎回政党を変え、いずれも比例復活で4回連続当選してきたが、立民で臨んだ今回は5回目の当選を果たせなかった。立民中堅は「最前線で批判ばかりしていた人が軒並み落ちた。路線を変えないと、支持は得られない」と語った。

ブログ子はかねて、「枝野幸男、福山哲郎、辻元清美、蓮舫がいなければ政党支持率はもっと上がる」と言ってきたが、今回蓮舫以外、みな姿を消した。きっと支持率は上がるだろう。ただ「蓮舫代表」だけはまっぴらだ。

ブログの亭主山上げ。更新途絶えます

毎年のことですが、ブログの亭主、八ケ岳に上がります。イチゴは夏の間、暑さを避けて高地に苗を上げるということをしますが、あれと一緒です。

まだ梅雨空ですがワクチン接種も2回目が済み一段落、ウイルスなど無縁の山墅が良かろうと、普段より早めの「山上げ」です。山小舎にはテレビなし、Wi-fiあるところは2キロ下のホテル、というところなので、情報とは隔絶されています。したがって、下山する晩秋までブログの更新は途絶えます。

東京オリンピック、総選挙、コロナ収束へ・・・この間、いろいろあるでしょうが下界のことは無縁です。

韓国の犯罪に見る「韓国らしさ」

ここ一両日の韓国の犯罪報道でいかにもこの国らしい、と感じ入った3例を紹介する。

地下鉄エスカレーターで男が女性に「小便テロ」

23日午後10時30分ごろ、インチョン(仁川)市内の地下鉄駅エレベーターで、前に立っていた20代の女性に向けて小便をした。背後から尿をかけられた女性は、男と揉み合いながらも身柄を確保。男を駅の職員室に連れて行き、警察に通報。

警察は‌20代の男を淫乱罪の疑いで在宅のまま捜査を進めていたが、男は翌日、自宅の花壇で遺体となって発見された。

警察関係者は「被疑者が死亡したことを受けて、公訴権無しとして事件を終結させる方針」と発表した。警察の「やれやれ感」が‏にじみ出ている。

知的障害者に集団暴行した韓国の女子高生、スマホいじりながら出廷

知的障害のある女子高校生をモーテルで集団暴行した10代の2人が28日、拘束前被疑者審問(令状実質審査)を受けるため、インチョン(仁川)地裁に出廷した。

2人は白のキャップを深く被り、マスクで顔のほとんどを覆った状態で、「障害のある友人に、なぜひどいことを?」、「責任は感じていないのか?」など取材陣の質問に答えることなく、無言のまま。もう1人の女子高生は取材陣の質問に沈黙するだけでなく、自身のスマホ画面をいじりながら足早に建物へ入っていった。

 警察によると、2人は去る16日午後9時ごろ仁川市のモーテルで知的障害3級の女子高生(16)を暴行し、顔などにけがを負わせた容疑。被害者の母親が娘と連絡が取れないことを心配してスマホのアプリケーションで位置を確認し、該当の場所に行くと、裸で汚物まみれになった娘を発見。警察に通報し、事件が発覚した。


 ③「反腐敗秘書官」が9億円の腐敗疑惑

韓国大統領府で、社会の不正対策を担う金起杓(キム・ギピョ)反腐敗秘書官(写真右

が27日、辞意を示し、文大統領が受理した。事実上の更迭。

約3カ月前に就任したばかりの金氏だが、就任後の保有資産公開で、約91億ウォン(約9億円)相当もの不動産所有が判明した。「投機目的で不動産を保有しているのではないか」と問題視されたが、金氏は否定し、違法性も明らかになっていなかった。

土地の不正投機疑惑は、文政権の支持率低下の一大要因となっている。マンションなどの不動産高騰に韓国国民が苦しむなか、韓国土地住宅公社職員らが値上がりを見込み、不動産を不正取得したとして、大量の逮捕者が出ている。疑惑は国会議員や家族にまで広がっており、与党「共に民主党」の議員も複数処分されている。

それにしても、よくもまあ、『反腐敗秘書官』というネーミングにしたものだ。ありもしない「従軍慰安婦」への謝罪と賠償の要求を求めて30年間、毎週在韓日本大使館前で)日本政府を相手にデモをして、その実、金はみな自分の懐に入れていた、「正義記憶連帯」(正義連)の代表、尹美香(今は除名されているが国会議員)の「正義」と同じパターンである。

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コロナ禍だが、韓国人と中国人が入国できないという「メリット」もある。密かにコロナが続くことを願っている。

地に堕ちたキャリアの犯罪

コロナ禍で売り上げが減った中小企業の関係者を装い、国の「家賃支援給付金」をだまし取ったとして、経済産業省のキャリア官僚2人が25日、詐欺容疑で警視庁に逮捕された。
自分たちが管轄する経産省の給付金制度を悪用した、まれに見る悪質なキャリアの犯罪である。

逮捕されたのは、同省経済産業政策局産業資金課の係長、桜井真(28)=東京都千代田区一番町=と、同局産業組織課の職員、新井雄太郎(28)=東京都文京区向丘1丁目=の2人。二人は慶応高校の同級生で、桜井容疑者が2018年入省、新井容疑者が20年入省。

逮捕された経産省の桜井真容疑者(左)と新井雄太郎容疑者(SNSより)


二人とも堂々たるキャリア官僚だが、だまし取った家賃支援給付金の管轄は経産省中小企業庁。つまり自分たちの「職場」で堂々と詐欺を働いたというのだ。

 2人は慶応高校時代の同級生で、桜井容疑者は慶応大学からメガバンクに就職したが、退職し、経産省に2018年入省した。新井容疑者は慶応大学から東京大学のロースクールに進学し司法試験に合格し、20年に同省に入省した。

捜査2課によると、19年11月二人の頭文字からとったと見られる「新桜商事株式会社」を設立。コロナ禍で売り上げが大幅に減った中小企業の関係者を装い、専用サイトから偽の賃貸契約書の画像データなどを提出するなどして給付金を申請し、今年1月上旬ごろに約550万円を詐取した疑いがある。新井容疑者が申請し、給付金の大半は桜井容疑者が受け取っていたとみられる。

 同課は「桜井容疑者は高級外車2台を所有している上、1か月分の給料に相当する約50万円の家賃の千代田区一番町のタワーマンション14階に住み、派手な生活をしているという情報で捜査を始めた。

新井容疑者の東京都文京区の自宅と親族宅と桜井容疑者の神奈川県の実家の計3か所へ月々200万円の家賃を支払っているというニセの賃貸借契約書を作成し、給付金をだまし取ったという。

申告書、添付書類などは新井容疑者が大半を作成したようだ。一方、カネを派手に使っていたのは、桜井容疑者で、高級時計や外車を購入していた」(捜査関係者)

桜井容疑者の住んでいた千代田区一番町の分譲タワーマンションは、不動産業者のサイトで見ると、約90平方メートルの物件で2億円近い値段がついている。

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最近、キャリア制度が問題になるが、ブログ子は大学4年まで知らなかった。同級生が当時の「国家公務員試験甲種」をうけるというので初めて知った。現在の「国家公務員総合職」試験である。それ以前は「国家公務員Ⅰ種、Ⅱ種試験」という時代もあった。エリート意識が高い外務省には、独自の「外務公務員採用Ⅰ種試験」というのもあった。雅子皇后陛下などその合格者で、ロンドンの2等書記官時代に「皇太子妃候補」だというので現地取材させたら「名刺を出しなさい」と追いかけられたものである。

ブログ子がそのすさまじい「格差」を目の当たりにしたのは新人記者として配属された三重県警本部だった。県警本部長に次ぐナンバー2は警務部長だが、新しく東京から新任が来たというので近鉄津駅頭に見に行った。県警ブラスバンドの演奏下、身重(初めての子供)の夫人を伴って降りてきたのは警察庁からの28か29歳だったかのキャリアで、最敬礼で迎えたのは間もなく定年という叩き上げの刑事部長だった。刑事部長からは「いい嫁さんを世話するがどうか」と言われていたが、なんだか気の毒になった。

先月亡くなった義兄は東大法学部卒のキャリアだった。実家は和歌山で蚊取り線香屋の長男だが家は3男に譲って東京に来た。それがよく言っていたのだが「キャリア試験の成績が二ケタでよくなかったので電電公社に入った」

一ケタだと大蔵省に行けるがそうでなければその他の官庁、義兄の場合、同じキャリア制度をとっていた「三公社五現業」(国鉄や専売公社)に行ったものである。

病気で長期休養をたびたびとっていたが、それで「出世」に影響があったかというと全然。民営化でNTTとなったが支社長やドコモなど子会社を「渡り歩く」こと4度か5度。そのたびに数千万円の退職金をもらっていたものである。

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先述の2人と同じ経産省の職員が25日麹町署に盗撮で逮捕された。4月23日午後5時45分ごろ、衆院2階の女子トイレの個室内にいた女性職員が盗撮に気づき、捜査で経済産業省職員が盗み撮りを認めた。

キャリア制度は大学進学率が0・8%程度の時代の産物である。また官僚にも「志」があった。先頭に立って国のために働くという「気概」もあった。今はどうか、上述のキャリアたちを見てもそんなもの微塵も感じられない。

年々、キャリア試験の受験者が減っているという。大学進学率90%、実力主義が今の趨勢ではもはや「超特急」階級などいらないのである。

日本医師会に頼らなければワクチン接種は早く進む

ブログ子は先週2回目のワクチン接種を受けた。あと数日経てば抗体ができて新型コロナへの防御率は治験報告にある「95%」になるだろう。コロナ何するものぞ!の気概すら湧いてきた。

首相官邸や厚生労働省によると、新型コロナワクチンの累計接種回数は6月24日時点で3721万回となった。少なくとも1回接種した人の割合は総人口の2割を超え、接種を2回完了した人が1000万人を超えた。政府が目指す「一日100万回」接種も連日達成している。

「読売新聞」の調査によれば先行接種した医療従事者の感染は9割も減少しているそうだ。この分ではオリンピック開催もなんとか乗り越えられそうな希望が見えてきた。それもこれも、3月から本格化したワクチン接種の効果だ。

こうも早くワクチン接種が加速したのは自衛隊が運営する東京と大阪の大規模接種センターが今月、対象の地域と年齢を拡大したことや、21日からは職域接種が本格化し、実施ペースがさらに速まったおかげである。

接種の加速に一役買っているのが、4月下旬以降、ワクチンの担い手となることが特例で認められた歯科医師、救急救命士、臨床検査技師の存在だ。ワクチンは現行法上、医師のほか、医師の指示の下で看護師らが接種できるが、医師や看護師だけでは早晩担い手が不足する。

「打ち手はいずれ足りなくなります。地元の歯科医師たちは接種への協力に理解を示しています。総理、今のうちにご決断を」と、医療従事者への先行接種も始まっていなかった2月3日夕、いち早く官邸で菅に歯科医師の活用を進言したのは、自民党参院議員で歯科医師の島村大だったという。(産経新聞)

連日記者会見を開いて国民に「三密回避」など偉そうに呼びかけていた日本医師会にも打診したが、会長の中川俊男は「ちょっと待て。簡単に決められる話じゃない」と‏尻込みするばかり。

菅首相は腰が重い日本医師会と、その顔色をうかがうばかりの厚生労働省に不満を募らせ、ついに「もう医師会にも厚労省にも頼まない」と官邸主導に舵を切った。

4月の訪米から帰国直後、ワクチン接種が進まないことに怒りを爆発させた菅は、歯科医師を皮切りに救急救命士、臨床検査技師と担い手を広げていったという。

「日本医師会では、歯科医師らが接種をするのはプライドが許さないようだった」(政府高官)が、もはや流れに抵抗することはできなかった。

その日本医師会を率いる日本医師会の中川俊男会長(69)だが、6月17日(木)発売の「週刊文春」で、自分が理事長を務めるさっぽろ脳神経外科病院の職員5人から、「不十分な感染対策の結果、クラスターの発生を招いた」と告発されているという。

「医は算術」が目に余る日本医師会についてはたびたびこのブログで指弾してきたところだが、この国難というべきコロナ禍でも、一向に役に立たないことがますます明白になった。日本医師会などないほうがマシなのである。

朝日の社説「東京五輪 中止の決断を首相に求める」にあきれた

「東京で五輪・パラリンピックを開くことが理にかなうとはとても思えない。人々の当然の疑問や懸念に向き合おうとせず、突き進む政府、都、五輪関係者らに対する不信と反発は広がるばかりだ。冷静に、客観的に周囲の状況を見極め、今夏の開催の中止を決断するよう菅首相に求める」とある。

朝日新聞が「上から目線」なのはいつものことだが、ブログ子は読むほどに「よく言うよ」と吐き気を催した。まず、この朝日新聞含め、読売新聞、毎日新聞、日経新聞、産経新聞、北海道新聞の6社は東京五輪のスポンサーである。五輪史上でもメディアがそろってスポンサーを務めるのは珍しいことだ。いわば、東京五輪の推進機関が突如裏切ってブレーキを掛けるということが許されるのか。

もちろん、世論の半数はここまでコロナ禍が拡大した現状では五輪開催は無理と考えているのは事実だ。しかし大ナタを奮って来日人数などを抑えることでなんとか開催できる方策はないかと関係者が日夜奮闘している。例えば、以下のように。

選手が1万5000人以上、コーチや関係者、メディアも含めて約8万3000人が来日すると予測されている。この人数を大幅に制約する方向で‏調整‏している。組織委と政府、東京都が連携する「対策会議」ではかなり厳格なルールを定め、

・海外から訪れる全ての大会関係者は、出発前の96時間以内に日本政府が指定する方法で2度の検査を実施し、指定の書式による陰性結果証明書を取得する。日本到着時は空港で検査を受ける。

・入国翌日から3日間は自室で隔離する。ただし、選手は陰性の証明など一定の条件を満たせば、入国後すぐに練習できる。

・日本滞在中は原則として毎日検査を実施する。2種類のスマートフォン向けアプリを活用し、検温結果や症状の有無などを毎日報告する。

・原則として行動は活動計画書に記した内容に限定し、観光地、店舗、レストラン、バー、ジムには行けない。移動手段は大会専用車両のみとし、原則として公共交通機関は利用不可。

・食事はウイルス対策が施されている施設やデリバリーに限る。

 そして、「プレーブックの規則に違反した場合、資格認定証の剥奪などの懲罰的措置を受ける可能性がある」と規定されている。行動ルールを破れば、オリンピックへの参加資格が失われる、という意味だ。

そこまで厳しくしても、五輪開催を目指すのは、コロナ禍でも人類が五輪を開催したという克服の証明を世界に示すことに意義を見出すからである。何より、招致にあたって東京都が世界に約束した「平和の祭典」である。約束を果たすことは日本の責務である。

社説にはこうもある。「何より大切なのは、市民の生命であり、日々のくらしを支え、成り立たせる基盤を維持することだ。五輪によってそれが脅かされるような事態を招いてはならない。まず恐れるのは、言うまでもない、健康への脅威だ。 誰もが安全・安心を確信できる状況にはほど遠い。残念ながらそれが現実ではないか」

よくぞ言ってくれた。ならば、朝日新聞社が主催する夏の甲子園も当然中止するのだろう。何しろ社説には「十全ではないとわかっているのに踏み切って問題が起きたら、誰が責任をとるのか、とれるのか。『賭け』は許されないと知るべきだ」と書いているのだから、当然、夏の甲子園も「賭け」はできないはずだ。6月になると早、県大会である。それまでに中止の発表がなければ、社説との整合性が取れないが、どうなのか。

社説にはこうもある。「五輪は政権を維持し、選挙に臨むための道具になりつつある」。ブログ子の見るところ、この社説「中止の決断を首相に求める」で朝日が言いたかったのはこの下りに尽きるのだろう。つまり五輪を「政局」に持って行きたいのである。

5月17日の朝日新聞には朝刊一面左肩で嬉しそうに「菅内閣支持急落33%」と大きな見出し。小見出しは「『安全安心な五輪』納得できぬ73%」。それまでも、社説やコラムなどで菅義偉首相の武漢ウイルス対策、緊急事態宣言、蔓延防止等重点措置の適用、ワクチン入手に至るまで、批判してきた。

これより前に、日本共産党の志位和夫委員長が東京五輪中止を言いだし、立憲民主党代表の枝野幸男氏が賛同し、朝日や毎日が支持する構図が出来上がっていた。つまりリベラル・左翼である共産・立憲民主路線の「東京五輪中止」に同じリベラル・左翼メディアがコラボしただけの話である。

それにしても朝日新聞というのは、これが日本の新聞かと疑う。従軍慰安婦のフェイクニュースを流して記事は取り消したもののいまだに謝らないし、今回の「五輪中止」社説といい、日本を貶めることに専念して飽きない。

一方、今朝こんな記事を見かけた。【産経ワシントン=黒瀬悦成】米紙ウォールストリート・ジャーナルは28日付の社説で、7月23日開幕予定の東京五輪に関し、「米国は同盟国である日本を助けるためにもっと多くのことができる」と指摘し、バイデン政権が五輪開催に向けて菅義偉政権を支援すべきだと主張した。

社説は、米国務省が24日に新型コロナウイルスの感染拡大を理由に日本への渡航警戒レベルを引き上げ、「渡航中止勧告」を出したことについて、日本が何万人もの出場選手や関係者を受け入れ始める中で「誤ったメッセージを送ることになる」と批判した。

また、バイデン大統領が菅首相と4月の首脳会談の後に発表した共同声明で「安心で安全な五輪とパラリンピックを実施するための菅首相の取り組みを支持する」と表明していたと指摘し、「バイデン氏が本気なら、渡航中止勧告の撤回が(五輪開催を支援する)良い出発点になるだろう」と指摘した。バイデン政権が日本にワクチンの緊急支援を申し出ることも提案した。

さらに、中国が来年の北京冬季五輪を主催することを想起すべきだとし、「権威主義諸国は自国の政治形態(の優越性)を誇示する場として五輪を活用してくる。東京五輪の失敗は中国政府にとってプロパガンダ上の大勝利となるだろう」と警告し、開催の政治的重要性を強調した。同時に、東京五輪の開催は、1年以上のロックダウン(都市封鎖)を経て「世界が再び動き出したという重要なメッセージを送ることになる」と訴えた。

ブログ子は東京オリンピックは、学生時代、札幌での4年間熱中した馬術しか興味がない。今大会、札幌でのマラソン競技コースは馬術部のそばを2度も3度も周回するのでテレビを見ようと楽しみにしている。

野党と朝日新聞のように、五輪を政局に利用するのではなく、五輪を無事に完了させるべく惜しみない努力を続ける方々に深甚なる敬意を表する。

「医は算術」 コロナ禍の日本医師会の大罪

 政府が設置する新型コロナウイルスワクチンの「自衛隊大規模接種センター」での接種が24日、東京と大阪で始まった。いずれの会場も待ちかねて行列を作っていた高齢者が大勢訪れたが、自衛隊の医官、看護師がキビキビと動き、順調にさばいていて一日1万5000人規模で接種が進む見通し。

またワクチン接種率が50%以下で開かれる東京五輪・パラリンピックの大会期間中に必要な医療従事者は1日最大で医師約230人、看護師約310人が必要になる見通しだが、これにも自衛隊が派遣されるという。毎度の「困ったときの自衛隊頼み」である。

東京・大手町の「自衛隊大規模接種センター」を訪れて、受付に並ぶ人たち(24日)

本来、こういう非常時に真っ先に先頭に立っているはずの日本医師会の姿はどこにもない。それどころか、大規模接種に必要な注射を打つのは医師免状所有者に限るという法令に縛られている。医師会が積極姿勢を見せないから獣医師、薬剤師(注射の準備)、看護師まで特例で集めてもまだ足りないと、各地で悲鳴が上がっている。

 大阪府内では新型コロナウイルスの感染が拡大した3月以降の「第4波」に、自宅で療養・待機中の患者が治療を受けられないまま亡くなるケースが、5月22日時点で計19人が確認された。全国の重症者は23日で1304人だ。各地で「医療崩壊」寸前だという。インドは別にしてイギリス、イタリア、アメリカでは人工呼吸器、人工心肺が必要な重症者は日本の10倍、30倍だったが、医療崩壊は起きていない。なのに、日本はたった1300人で医療崩壊だという。おかしくはないか。

日本医師会の中川俊男会長(69)はいつも「医療崩壊だ」と脅しては「国会議員は夜の会食 は禁止しろ」「国民は緊張感が足りない」とどやしつけてきたが、その本人が、まん延防止等重点措置中に政治資金パーティーを発起人として開いていた。そればかりか中川氏は「我慢のお盆休み」を国民に要請していた昨年8月に女性と〝すしデート〟をしていたと週刊新潮に報じられた。

まん延防止等重点措置や緊急事態宣言が遅いの早いのと、ろくでもないことにうつつを抜かしているテレビのワイドショーもさすがに呆れたか、毎度午後3時頃になると小池百合子東京都知事のフリップ片手の「三密回避」の記者会見と並んで中川日本医師会長と尾﨑 治夫東京都医師会長の記者会見を同時中継していたのをきっぱりとやめた。当たり前だ。

日本医師会はコロナという非常事態になんら先頭に立つ素振りは見せずじまいに来た。ブログ子の見るところ、そもそも日本医師会は、テレビに出てきて自粛を求めるような国民のお手本になるような組織ではないのだ。

これは以前も書いたことだが、日本は世界有数のベッド数を誇るが、そのほとんどは日本医師会の圧力(民営圧迫だとする)によって民間病院所有である。だから金になる差額ベッドばかり多い。そのため、病床は世界一の130万床あるが、コロナ患者に対応できるベッド数は実は3万にも満たない。これは全体の2%にもならない。残りのほとんどが寝たままでもカネになる 老人で占められている。

    公的病院(非営利病院含む)      民間病院

日本   約20%              約80%
アメリカ 約75%              約25%
イギリス 大半                一部のみ
フランス 約67%                約33%
ドイツ  約66%               約34%

それでも、コロナという災厄を前に日本医師会が戦いの先頭に立つというなら「医は仁術」の見本といえるのだが、この困難を前にしても彼らは一向に改めない。感染者の治療は公的病院に任せ、自分たち開業医は従来どおりのんびり「医は算術」暮らしを満喫している。難しい病気は基幹病院に送り込み、コロナ患者が来たらお断り、ワクチン接種は自衛隊任せ、である。

このGWにブログ子は八ケ岳の山荘で過ごした。周りを見渡せば「石を投げれば医者に当たる」そのもので、ご近所5軒のうち3軒が医者でみな医院は休診にして新緑の山で休暇を優雅に過ごしていた。新型コロナ患者を受け入れる特定の医療機関の病床が埋まり、医療従事者の手も回らない状態になっていることなど、我関せずである。これが日本の医療崩壊の現実である。

日本医師会は、日本で最強の圧力団体と言われているが、実態はといえば医者の団体ではなく、開業医の団体である。日本医師会は、「開業医の団体」と見られるのを嫌い、勤務医への参加を大々的に呼びかけ、開業医と勤務医が半々くらいになっている。が、勤務医が日本医師会に入る理由は、医療過誤などがあったときの保険「日医医賠責保険」に加入するためであることが多い。勤務医の大半は、「日本医師会が自分たちの利益を代表しているわけではない」と考えている。

もっとも、日本医師会のどこもがコロナに背を向けているわけではない。練馬医師会方式が話題になって、これを見習うところも出てきているが、これはワクチン接種の最前線に開業医が立つという方式で、かかりつけ医が接種に当たる。こういうところもあるにはある。しかし、新型コロナの患者を積極的に受け入れているのは、国公立病院や純然たる非営利の病院がほとんどであり、重症患者などの治療に懸命にあたっている医者のほとんどは勤務医である。こういう人たちには本当に頭が下がる。

橋下徹・大阪維新の会法律顧問が公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(5月18日配信)で、日本医師会などに頼らず、政治家、国会議員が、医療非常事態に立ち向かえる法律を作るしかない、と言っている。全面的に賛同するので以下に紹介する。

「医療は公共インフラです。もちろん弁護士もです。だからこそ、税金で人材を養成し、資格業、免許業として、独占的な仕事が保障されているのです。さらに医療の世界には超多額な税金が投入されています。2018年度の日本の医療費(国民医療費)は43.4兆円でしたが、そのうち11兆円が国の税金、5.6兆円が地方の税金から投入されています。もう立派な公の存在です。

他方、日本は国民皆保険制度として、民間経営の医療を主軸としています。開業医はもちろん病院も民間のものが8割です。そして民間医療には経営の自由が原則与えられています。この制度によって、日本全国に中小の病院や診療所が点在し、日本国民は自宅から徒歩圏内にあるあらゆる診療科の診療所や病院にアクセスでき、加えて保険証一枚で、低額で良質な医療を受けることができるという、世界に類を見ない医療の利便性を有します。

さらにさらに、高額医療費については、一定の上限額以上は免除されます(高額療養費制度)。数百万円の医療費がかかったとしてもひと月10万円にも満たない額で済むのです。これはほんと凄いことなんですよ。

ただこのような日本の医療制度の下で、ひとたびパンデミックなどの危機が生じたときには、それを受け容れることができないということが、今回のコロナ禍によって白日の下にさらされました。

開業医の診療所や中小の病院では対応できなくなったのです。さらに政治行政が、開業医や民間病院に対して指揮命令することができず、あくまでも「お願い」しかできないのです。病院側も色々な事情を持ち出し、コロナ対応することを拒否する事態が多発しました。

もちろんコロナ対応に頑張ってくれている医療従事者の方もたくさんいますが、その方々に著しい負担がかかっており、それが医療崩壊と言われるゆえんです。その医療崩壊を避けるために社会経済活動を抑止し、飲食店等特定の業種が営業停止に追い込まれています。

世界各国から見ると、日本の人口当たりの感染者数や重症者数は一桁も二桁も少ない。病床数も世界一です。世界各国は日本よりも一桁も二桁も多い感染者数であっても、なんとか医療はもっているのに、日本は医療崩壊だと叫ばれる。

こういうときには、設備や人材を適正配置するマネジメントが必要になります。そのための法律を作らなければなりません。」

朝日、毎日はジャーナリストとしての矜持がない

近頃は「物書き」と同義語に扱われているのが残念だが、「ジャーナリスト」とは新聞記者のことである。それを生業とする者がまず第一に心がけることは、報道することが「人のため」「世のため」になるのか、という一点である。

国が設置する新型コロナワクチン大規模接種センターのウェブ予約システムに、架空の接種券番号などを入力しても予約が可能な不備があることを実証するためと称して17日、AERAdot.(朝日新聞出版)と毎日新聞がわざわざ架空の接種券番号を入力して、システムに穴があることを報道した。日経クロステックも同様に具体的な予約方法の欠陥を詳しく報じた。

これらの報道を受け、政府はシステムの一部を改修する方針を示すとともに、接種会場の運営を担当する岸信夫防衛相は18日、「朝日と毎日に抗議する」とツイート。安倍晋三・前首相も「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える」とツイートした。 河野太郎ワクチン担当相も「一部の報道で、65歳以上でない方が面白半分に予約を取って65歳以上の方の予約を邪魔し、それを誇っているかのような行動があったので、自衛隊から抗議が出されたと承知している」と語った。

極めて妥当なコメントだが、立憲民主党はじめとする野党は違った。

立憲民主党の枝野幸男代表は18日の党会合で、朝日新聞出版と毎日新聞に抗議した防衛省を批判した上で、「システムの欠陥を指摘したメディアに『早い段階で気付かせてくれてありがとう』と言うのが本来の姿だ。意味不明な対応をしている」と述べた。福山哲郎幹事長も「適当な数字を入力しても予約できる考えられないシステムでスタートした」と指摘した。

小西洋之・参院議員(立憲)は「朝日と毎日の行為は、防衛省の予約システムに問題が生じかねないことを実証するための行為と思われる」と弁護した上で、 『極めて悪質な行為』等と防衛大臣自らが断じることは適切なのか質疑したい」とツイートした。

与野党対決の構図が、マスコミの左翼・リベラルVs保守・中道対決に持ち込まれたような喧々囂々たる事になっている。ブログ子に言わせると、この構図は、本来なんでもないような日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会での座談だった森喜朗元首相の「女性が入ると話が長い」を「女性蔑視」にすり替えて寝首を搔いたときの状況と同じである。朝日・毎日の「政権批判。菅首相叩き」に立憲民主党と共産党が乗っただけである。

ブログ子の見るところこの予約システムに欠陥があることは官邸記者クラブあたりで事前にわかっていたのだと思う。それでなければ3メディアが揃ってシステム欠陥の穴ほじりを試みることはなかった。だが「まとも」なメディアは書かなかった。

岸信夫防衛相は「予約システムにおいて、不正な手段よる虚偽予約を完全に防止するためには、市区町村が管理する接種券番号を含む個人情報を予め防衛省が把握し、入力される予約情報と照合する必要がある。このようなシステムを短期間で実現するには、国民の皆さんに迅速にワクチン接種を受けていただくという観点から困難であり、そして何より、予約システムを本センターで運営するにあたり、接種対象となる全国民の個人情報を防衛省が把握することは適切ではないと考え、採用しないこととした」と説明している。

拙速を第一に優先したためシステムに欠陥があることは記者クラブでのブリーフィングで説明されたか、内部通報があって記者たちは知っていた。わざわざその欠陥をあげつらって見せたのが朝日・毎日なのだ。

産経新聞の取材に対し、毎日新聞社は「『架空の数字を入力しても予約できる』との情報があり、防衛省への取材を進めるとともに真偽を確認するため実際に入力した上で記事化した。確認作業は公益性が高いと判断した。予約はすぐに取り消した」とした。

アエラドット編集部は「今回の記事は、ワクチン接種の予約システムの脆弱(ぜいじゃく)性と、今後予約システムを使った重大な不正行為が行われかねない恐れがあることを指摘したものだ。記者はシステムを使って予約した後、すぐにキャンセルしている」と説明した。

強盗が犯行後「金は返したからいいだろう」と開き直っているのと同じ論法である。

朝日と毎日のおかげで、本来のワクチン接種を希望する65歳以上の人の接種機会が何人分かが奪われ、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為であったことは明らかである。

AERAdot.の記事にはこうある。「極論すると、悪意を持った人物が、乱数的に任意の番号を次々と入力し、全ての枠を占拠することすら出来てしまう、危機管理も何もあったものじゃない。杜撰な仕組みです。予約枠だけ占拠して、当日誰も行かなければ、大量のワクチンがムダになりかねない、まさにワクチンテロが出来てしまいます。転売を始める人もいずれ出るかもしれません」

また システムの運営会社「マーソ株式会社」の経営顧問には菅首相の盟友、竹中平蔵氏が名を連ねていた・・・云々ともある。日ごろ政権の中枢にいる「悪」として竹中平蔵叩きに躍起になっている朝日の本来の狙いがどこにあるか、ミエミエである。

AERAdot.は記事をこう結ぶ。「官邸のトップダウンで突貫工事を防衛省にやらせ、こんな雑な仕事になったんでしょうが、これで本当に一日、1万人の高齢者接種を無事にさばけるのか。官邸の“やってる感”演出のために、翻弄されるのはいつも、これまで接種を担ってきた地方自治体と国民です」(政府関係者)

まったく、「盗人猛々しい」とはこのことだ。

イスラエルのロケット弾迎撃の正確さに驚く

イスラエルVsパレスチナ紛争がまたも激化、 「全面戦争」の懸念が高まっている。

 【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの軍事衝突は12日も続き、イスラエル有力紙ハーレツによると、同国軍はガザにあるハマスの拠点など500カ所の標的を空爆。ハマスは衝突発生以降、イスラエルにロケット弾850発を発射した。ガザでは子供14人を含むパレスチナ人少なくとも48人が死亡、イスラエルでは6人が死亡した。

 双方の戦闘はガザでパレスチナ人ら2100人が死亡した2014年の交戦以来の規模。イスラエルのネタニヤフ首相が11日、ハマスなどに「非常に重い代償を支払わせる」と述べたのに対し、ハマスの指導者ハニヤ氏は「抵抗する用意はできている」と応じた。国連のベネスランド中東和平特別調整官は「全面戦争」に拡大しつつあるとして両者に自制を求めた。

 ガザでは11日、空爆を受けた高層ビルが倒壊し、ハマスはこれを受けてイスラエル西部の商都テルアビブなどに攻撃範囲を拡大した。同国軍は9割前後のロケット弾を迎撃したとしているが、家屋などの損害も出ている。各地でイスラム教徒のアラブ系住民による抗議デモが起き、当局はシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)が放火された中部ロッドに非常事態宣言を出した。

 交戦は10日、エルサレム旧市街のイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」周辺でイスラエルの治安部隊と衝突したパレスチナ人330人超が負傷し、ハマスが報復にロケット弾を発射して本格化した。(2021.5.12産経)
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佐藤記者はブログ子が静岡支局長をしていた時に県政を担当していてカラオケ大好きな快男児でよく知っている。彼が「全面戦争」に発展しそうだというのだからその通りであろう。だがここでは別な面で思うところがあったので、イスラエルの軍事面での正確さに触れてみたい。

外電でみたのだが、ハマスが発射した850発のロケット弾を迎撃する様子を捉えたイスラエル側の市民が撮影した動画がすごい。(下記URLクリックで迎撃の動画へ)


https://twitter.com/i/status/1392185006966050817


イスラエル中部に住む人が5月11日夜にツイッターに投稿した動画には、夜空に閃光がまたたき、煙が上がる様子が捉えられている。平和なれした日本では花火と錯覚しそうだが、これはガザ地区から放たれた数百発のロケット弾を、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」のミサイルが迎撃している光景だ。

イスラエル軍によると、イスラエルのミサイル迎撃用防空システムであるアイアンドームは、テルアビブの人口の多いエリアを狙ったロケット弾のうち90%の迎撃に成功したという。確かに映像では、おびただしい数のロケット弾が雨あられと飛来して来るが、画面左側(イスラエル側)に到達するのは殆どない。いろんな角度で飛来するがことごとく迎撃されている様子が分かるのだ。

佐藤記者のレポートは昨年12月4日のこのブログでも「暗殺もAIで自動化の時代」として伝えた。ボディーガードに護られたイランの核科学者の車列をモサドが郊外で襲撃、現場に停車していた日産のピックアップに据え付けられていた無人機関銃で「「25センチしか離れていなかった同氏の妻は撃たず、ファクリザデ氏だけに20数発浴びせて殺害した」、うえ、3分間で全員消え失せたという驚異の手口だった。衛星経由でオンライン制御されていた上、高度なカメラとAIを使用していたと見られる。

「敵基地攻撃能力」を持つのは憲法上「是か非か」愚にもつかぬことにうつつを抜かす日本と違い、周囲皆敵に囲まれているイスラエルだけにすごいものだと、並外れた軍事力に感嘆した次第。

インドネシア潜水艦、最悪の「艦体破壊」

 【ジャカルタ時事】インドネシア海軍は24日、消息不明となっている潜水艦「KRIナンガラ402」について「沈没した」と認めた。潜水艦の内外に備わっている部品が回収されたためで、ユド司令官は記者会見で「大きな損傷の発生を示している」と述べた。

乗組員の脱出スーツが見つかったのが決定的だった

 回収された部品は、潜望鏡の潤滑剤や魚雷発射管の整流装置など。ナンガラ402が潜水した場所から約3キロの海域で、浮遊する燃料と一緒に発見された。軍の記者会見によると、無人潜水機が深度838メートルの海中で艦体を発見し、方向舵や船尾の一部を撮影した。

決定的だったのは、捜索で潜水艦脱出スーツが見つかったこと。海軍参謀長は、「このスーツは非常時の脱出用にのみ使われ、普段は箱の中に保管されている。だがそれが外に出ていた。乗員が装着しようとしたが、間に合わなかったと思われる」と語った。

同参謀長によると、潜水艦は深さ850メートルの海底で発見され、艦体は3つに分裂していた。停電で制御不能となり、設計上耐えられる水深(500メートルよりも深い場所へ沈没。強い水圧を受けて破壊したと見られる。

 ナンガラ402はバリ島沖で21日未明(日本時間同)、潜水を始めた直後に音信が途絶した。このとき、停電が起きた可能性がある。艦内の酸素は72時間後の24日未明(同)に尽きたと見られるが、それ以前に艦体破壊が起きたものと見られる。

 ロイター通信によると、潜水艦は大破した状態で水深約850メートルの場所にあるという。この潜水艦が水圧に耐えられる約500メートルよりも深く沈んだため大破したとみられる。

中カメラで撮影された、潜水艦のいかりとみられる物体(インドネシア海軍提供

 現場海域では24日もインドネシア海軍や米軍などが船舶や哨戒機で救助活動を実施していた。インドネシアのプラボウォ国防相は23日、オースティン米国防長官と電話で協議した際、米国の支援に感謝の意を示した。

◇ ◇ ◇

最悪の結果になった。この潜水艦はドイツ製の「KRIナンガラ」。1981年、インドネシアに引き渡され、建造後40年経過している。日本の潜水艦は建造後16年で退役しているから、ポンコツとはいえ、海洋国家を目指しているインドネシアでは予算難からさらに使うこととして韓国に改修を依頼して事故寸前に引き渡され、初航海していた。

回収された部品から推定されることは、「KRIナンガラ」は潜航中何らかの原因で電池室に浸水して電池が爆発したか、魚雷発射時に船体が破壊したか、などが考えられる。

それにしてもなぜ日本に救助要請がなかったのか。ロシアでも潜水艦事故に際しては日本に救助要請を‏出している。日本が最新鋭の潜水艦救難艦を持っていることを知っているからだ。インドネシア側は日本の「ちよだ」の存在を知っているのに、持っていないオーストラリアとシンガポールに救援要請をしたものの、日本にはしなかった。米国には航空機による捜索支援のみ頼んでいる。つまり、早い段階で船体破壊が起きていることを把握していたのではないか。だから日本から駆けつけても間に合わないと判断していたのではなかろうか。

通常動力型潜水艦建造技術に関しては日本はロシア、ドイツと並んで世界最強である。深度1000メートルでも壊れない耐圧力は日本の技術である鋼板「NS110鋼材」からもたらされる。加えて毎年1隻は進水している「そうりゅう」型は非大気依存推進である。普通の潜水艦は乗員と内燃機関に必要な空気を取り込むため、3,4日に一回は浮上しなければならないが、「そうりゅう型」は、液体酸素を積んでいて2週間は浮上しないで潜水できる。

インドネシア潜水艦は韓国で改修されたように韓国は潜水艦建造技術を誇っているものの、それはドイツの「21型」をライセンス生産しているだけで、自国の技術ではない。さらに潜水艦を輸出しているほどだが、電池不良で数日しか潜水出来ず、スクリュー音が基準値を超える騒音を出すなどクレームが絶えない。いずれにしても今回の事故で、韓国側の改修技術のずさんさに調査のメスが入ることになろう。

「そうりゅう型」に見られる優秀な日本の潜水艦は世界の海軍所有国からは垂涎の的で、オーストラリアなども導入を持ちかけたが実現しない。理由は、日本は「専守防衛」に縛られていて、敵基地攻撃はできない。自衛隊を認める憲法改正もできない。武器輸出などもってのほかである。その間隙をいいことに韓国は潜水艦輸出まで大手を振って商売しているのが現実なのである。

インドネシアの悲劇には同情と見舞いの言葉しかないが、これを機に、少しは日本の安全保障を考えてみるきっかけにすべきであろう。

今こそ日本の潜水艦救難艦「ちよだ」の出番

前回、北朝鮮の潜水艦について触れたばかりだが、今朝のニュースを見たらインドネシアの潜水艦が浮上せず行方不明だという。

【シンガポール=森浩】インドネシア軍は21日、53人が乗った潜水艦が同国バリ島沖で訓練中に行方が分からなくなり、捜索を始めたと明らかにした。

行方不明になったインドネシアの潜水艦

 ロイター通信や地元メディアによると、は21日午前4時半ごろ、バリ島の北方約95キロの海域で魚雷発射訓練を行っていたが、連絡が取れなくなったという。潜水艦はドイツ製の「KRIナンガラ402」で、1978年に建造された。インドネシア政府はオーストラリアとシンガポールに支援を求めている。(産経)

ブログ子の知る限りオーストラリア、シンガポールとも潜水艦救難艦は持っていない。この海域近くで持っているのは「ちよだ」など2隻持っている日本だけである。すでに出港準備命令が出ているとは思うが、一刻も早く駆けつけてもらいたい。

海上自衛隊の潜水艦救難艦「ちよだ」

インドネシアも日本が持っている救難艦のことは知っているとは思う。というのも、3年に一度「西太平洋潜水艦救難訓練」が行われていてインドネシもオブザーバーながら参加しているからである。潜水艦事故ではパワーバランスはさて置きまず人道第一主義である。

西太平洋周辺諸国の潜水艦救難能力の向上と各国海軍の信頼関係の構築を目的に実施されている軍事演習で、アメリカ、日本、韓国、オーストラリア、シンガポール、イギリスの6カ国の合意により、2000年に初開催され、当初は隔年で、2004年の第3回以降は3年ごとに開催され、次回は来年での予定だ。

2005.年8月4日、 ロシア海軍小型潜水艇がカムチャッカ半島南部沖の海域で浮上が不能になり、深さ約200メートルの海底で乗組員7人が閉じ込められた。ロシアは救出のため、日本に船舶の派遣を要請し、これを受けて、海上自衛隊では救難艦「ちよだ」など艦艇4隻を派遣した。

結果的には、米英の支援部隊の到着が早く、イギリスの無人潜航艇により、ケーブルを切断することにより、浮上解決し、海上自衛隊の部隊は現場に到着する前に反転帰投したが、その後ロシアから勲章授与など感謝の意思表示が示された。

インドネシア潜水艦が浮上しなくなった現場海域は相当深いという。救助方法は状況により3種類ほどあるが、「ちよだ」には深海救難艇が搭載されているなど対応能力は西太平洋ではトップである。

その後のニュースでは現場海域では油が浮上しているのが確認という。またこの潜水艦は韓国で改修され1ヶ月前に戻ってきたばかり。また鑑の潜水限界深度が250メートルに対し、海域の水深が500メートルであるなど悪い材料が揃っている。それにしても日本のメディアの反応の遅いこと。い出よ軍事記者!

北朝鮮「潜水艦」、韓国「超音速戦闘機」のまゆつば

日本のメディアに一番欠けているのはしっかりした軍事記者を育てていないことだ。ブログ子は政治・社会部育ちで軍事は專門ではないが横須賀艦隊司令(昔の連合艦隊司令長官にあたる)の海将から、日本がかろうじてロシア、中国、南・北朝鮮に対峙していられるのは、潜水艦隊のすぐれた力に由ることを教えられた。

そうした知識で、最近報じられた北朝鮮が大陸横断ミサイル搭載できる3000トンの潜水艦の進水間近というニュースと、韓国が建国4千年の歴史における最大兵器事業」と呼称する、独自開発した超音速戦闘機「KF21」の試作機が完成、文在寅大統領が出席してお披露目がおこなわれたというニュースには、いささか首をかしげている。

北朝鮮のハリボテ潜水艦

韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮が3000トン級の潜水艦の建造を終え、進水の時期を検討している段階にあると韓国政府消息筋が11日明らかにした。この潜水艦は、北朝鮮が2019年7月に金正恩総書記も視察したと伝えたもので、1800トン級の潜水艦を改造したものであり、全幅は7メートル、全長は80メートル程度の大きさで、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)3発を搭載可能で時期を見て「北極星3」などの発射の可能性もあると指摘した。

ブログ子の見るところ、韓国も日本と同じでろくな軍事記者がいないと見える。金正恩視察当時の写真を見れば分かるが、船体は稚拙な溶接技術で鉄板がツギハギである。これが潜水するとどうなるか。素人の私でも分かるが、波切り音がさぞかし騒がしいことだろう。世界一の聴音技術の日本からみればチンドン屋を乗せて潜航しているようなものである。

潜水艦で最大の秘密は船体の装甲の厚さである。一般公開などでハッチを見せることがあるが厚さがわからないようになっている。この写真からは判別できないが、溶接できる程度の厚さなのであろう。SLBM3発発射も、と報じているが、この程度で大型ミサイルを発射すれば船体がぶっ壊れるに違いない。

もうひとつ、韓国の超音速戦闘機「KF21」の試作機お披露目だが、文大統領は 「われわれの手で作った超音速戦闘機を持つことになった。KF21の名前には21世紀の空は自分で守るという意志が込められている。自主国防の新しい時代が開かれた」と胸を張ってみせた。

この戦闘機は航続距離2900キロで、飛行速度は音速の1・8倍。飛行試験などを経て、2026年の完成を目指す。量産化開始段階で国産部品の比率を65%以上にすることを目標としており、32年までに120機を実戦配備する計画だ。

韓国開発の「KF21]戦闘機

韓国独自開発と言っても、米国から核心技術の提供を拒否されて国産比率「65%」である。実態はもっと低く、50%を割っているだろう。何しろ韓国という国はブラックボックスつきで引き渡された戦闘機のブラックボックスを勝手に開けて、どうにも元に戻せなくなってやっと白状する国柄なので米国に信用がない。エンジンや兵器はまるごとアメリカ製である。

潜水艦でも米国の協力を得られなくてドイツから輸入したのはいいが、5隻のうち3隻がバッテリーが直せず稼働は2隻のみというありさま。戦闘機でも管理が悪くて現在稼働中の主力戦闘機など米国製部品の不足で飛行を断念するケースが過去5年で1000回を超えている。ステルスに欠かせないカーボン繊維は日本の東レの技術だが、自衛隊機にロックオンかけ仮想敵国扱いする国に引き渡すわけもない。

F35などの最新鋭戦闘機は「第5世代」と呼ばれる。「KF21」はレーダーで探知されにくいステルス性能などで劣るため「4・5世代」と位置づけられている

まあ、自己満足に近い韓国産「KF21」戦闘機なのだが、日本も笑ってはいられない。同じように米国から差別されているからだ。日本の「ゼロ戦」は優秀で米軍機はバッタバッタと撃墜された。「グラマンF6F」ができるまでやられ放題だったことを恨んでいたから、戦後、GHQは航空機の研究開発を厳禁した。

しかし、戦闘機であれ、旅客機であれ、航空機の生産をやめればその国の航空機製造技術は途絶えてしまう。その網をかいくぐって日本は初の国産旅客機として「YS11」を誕生させた。その後、「ゼロ戦」を生んだ三菱重工が国産旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」改め「スペースジェット」の開発を目指しているが、難航している。いろいろ理由はあるが、新しい飛行機に必要な型式証明はアメリカでしか認められていない。日本が作った日本の航空機の型式証明はアメリカでしか発行されないのだ。

話を戦闘機に戻すと、国内で唯一、戦闘機を製造する能力がある三菱重工業は防衛省からの発注を受けて、最新の戦闘機技術を盛り込んだ先進技術実証機「X2」を製造し、2016年に初飛行させた。国産エンジンの推力が小さいことから戦闘機への転用はできないが、レーダーに映りにくいステルス機の国産化は可能であることを実証した。

エンジンメーカーのIHIは「X2」にエンジンを提供した後、推力15トンという、戦闘機として十分な性能のエンジンを開発した。また三菱電機は世界でもトップレベルのレーダーを製造する技術を持っている。韓国と違って作る能力は持っているのだが、肝心な点で未経験である。

日本の先進技術実証機「X2」

実は、こうした日本の技術を単純に組み合わせるだけでは次期戦闘機としては成立しない。戦闘機の心臓部にあたるソフトウェアや武器システムは実戦経験のある国でなければ必要十分なものは開発できないとされている。

防衛省は2018年、米、英両政府に対し、次世代戦闘機として開発可能か提案を求め、ロッキード・マーチン社を選んだ。しかし日本には苦い過去がある。1980年代にF2戦闘機を日米で共同開発した際、米政府は米議会の反対を理由に提供を約束したソフトウェアの飛行制御プログラムを開示せず、日本側の開発費が高騰した。このときの主開発企業が三菱重工業であり、共同開発企業がロッキード・マーチン社である。

開発終了後も、米側は機体製造への参画を言い出して譲らず、日本政府から受け取る製造費は開発費と同じ割合の40%を主張。日本政府が折れて希望通りに支払った結果、約80億円で調達できる見込みだったF2は約120億円に高騰した。エンジン1基のF2が、エンジン2基のF15戦闘機より高い。防衛省はい2007年に三菱重工業での生産を終えた。

しかし、このとき日本の技術である機体を軽量化できる炭素複合材の製造技術が米国に流れ、ロッキード・マーチン社はF22戦闘機やF35戦闘機に転用して莫大な利益を上げている。

日米首脳会議で菅・バイデン両首脳はゆるぎない日米同盟を協調したが、日本の戦闘機開発についてはアメリカは依然として手かせ足かせを押しつけているのである。

やっと原発処理水の海洋放出決定

それにつけても与野党から中韓まで無知蒙昧な輩の多いことよ。

政府は13日、東京電力福島第1原子力発電所の敷地内にたまる処理水を海洋放出の形で処分すると決めた。2年後をめどに実施する。菅義偉首相は「廃炉を進めるにあたり避けては通れない課題だ。処理水の安全性を確実に確保するとともに、風評払拭に向けてあらゆる対策を行う」と述べた。

コロナからウイグル、ミャンマー、香港・・・なにかともたつき、日本の立ち位置をはっきり示せない菅内閣だが、こればかりは歓迎したい。菅首相の業績として今後輝くであろう。

それにしても立憲民主党を筆頭とする日本の野党と中韓の言いがかりは馬鹿丸出しである。手前のところの原発は福島を遥かに上回るトリチウム(三重水素)を放出しておきながら、駐韓日本大使をわざわざ呼び出して「許しがたい」と言ってみたり、いつもの日本大使館前の慰安婦像の前で菅首相が「汚染水」の蛇口をひねるパフォーマンスをしてみたり、罵詈雑言の言いたい放題である。

福島第1原発は2011年3月の東日本大震災の津波で炉心溶融事故を起こし、高濃度の放射性物質に汚染された水が発生している。東電が専用装置で主な放射性物質を取り除いてタンクにためている。敷地内のタンクは1000基を超え来年10月には敷地が埋まる。

韓国と日本の朝日新聞は「汚染水」と「処理水」の区別もしない。タンクにある「汚染水」の9割が三重水素(トリチウム)水である。何十にも濾過するし放射性物質は自然に減少するから、「処理水」はただの水でまず無害と考えていい。海に流して構わないが漁民は反対する。風評が怖いという言い分だ。こうして政治は10年も放置してきた。

日本のトリチュウム放出量が如何に微々たるものか一目瞭然

トリチウムを含む水の海洋放出は国内外の原発でも実施している。基本方針によると、放出前に処理水を海水で100倍以上に希釈し、国の基準値の40分の1程度、世界保健機関(WHO)の飲料水水質ガイドラインの7分の1程度にトリチウムの濃度を薄める。1年間に放出するトリチウムの量は事故前の福島第1原発で設定していた目安より下回るようにする。

その上、政府と東電は漁場や海水浴場などでトリチウムのモニタリングを強化する。海水サンプルの採取や検査に農林水産業者や地元自治体の関係者が加わる。海洋環境の専門家らでつくる会議も立ち上げ、モニタリングの確認や助言をしてもらう。
 
このため、米国務省のネッド・プライス報道官は「世界的に受け入れられている原子力の安全基準に沿った透明性のある決定を行った」と、日本政府の決定に賛同した。IAEAのラファエル・グロッシ事務局長も13日の声明で、「日本政府の決定は世界的な慣例に従っている」「(海洋放出の)前も、途中も、後も日本と緊密に連携する」とした。

科学的知識を知る人は誰でもこれで「十分だ」と思う。だが腹に一物抱える輩は承知しない。以下にそのコメント集を羅列してみる。

○立憲民主党の枝野幸男代表は「安全性や風評被害が生じる可能性、処理水の保管状況に関する説明がほとんどなされていない。地元への説明が不十分だ。政府は福島県民、漁師をばかにしているのかという怒りでいっぱいだ。県民の声を無視し、結論ありきで走っている」と批判した。
 
○県漁連の野崎哲会長は「福島の漁業者の意思として処理水の海洋放出を容認することはできない」と改めて海洋放出に反対する立場を伝えた。漁師が風評被害を危惧するのは分かるが、少しは科学的な思考をしてはどうか。小泉進次郎氏が初入閣し環境大臣に就任したが、彼は情緒的な発言に終始している。原田義昭前環境相が「海洋放出しかない」と発言したことについて、反対した福島県いわき市小名浜の漁連組合長を「すばらしい人」と持ち上げた上で「そうした人たちに寄り添っていくことが大切」と、唯一の解決策を否定してしまった。これでまた決断が先延ばしにされた。原子力規制委員会の田中俊一前委員長も、更田(ふけた)豊志委員長も、海洋放出について東電に決断を促していたのに、である。

○文在寅大統領は14日、相星孝一韓国大使に「地理的に最も近く、海を共有する韓国の憂慮はとても大きい」と述べ、海洋放出に関連し、国際海洋法裁判所への提訴も検討するよう指示したという。レームダック化してまたも「反日」でしか支持率アップを期待できない窮状は分かるが、提訴したところで日本の勝訴は見えている。第一、任期中には結論が出ないことを見越してのパフォーマンスなのだろう。

○韓国市民団体「脱核市民行動」は13日、ソウル市内の在韓日本大使館前で「原発処理水の海洋放出は“核テロ”」という糾弾大会を開いた。写真を見ると慰安婦像の前でほざいている。慰安婦も原発も、この国では何でも反日の材料になるのだから、教えても無駄だが、せいぜい別表のようなおのれの国の原発が垂れ流しているトリチュウムが日本の7倍だということを勉強してもらいたいものだ。

韓国ソウルの日本大使館付近で、福島第1原子力発電所の処理水で菅首相が蛇口をひねり海洋放出するパフォーマンスをする活動家ら(2021年4月13日)

○中国は「日本が責任を自覚し、科学的な態度で国際社会や周辺国、自国民の深刻な懸念に対応するよう求める」(趙立堅副報道局長)といつもの戦狼外交官ぶって偉そうに御託を並べていたが、中国は原発30基が稼働中でそのうちの一つ大亜湾原発だけでも42兆ベクレル(2002年)と福島の2倍である。30基となるとどれほどの放出量か。

○朝日新聞はいつものようにせっせと反原発を煽っている。曰く、韓国の聯合ニュースが「放出が30~40年続く見込みで韓国や中国など周辺国も憂慮している。一般国民向けの公聴会は一度も開かなかった」と日本政府の対応を批判していると転載。さらに、グリーンピース・インターナショナルは「地球、特に世界の海が多くの課題や脅威に直面している21世紀において、日本政府と東京電力が核廃棄物である放射能汚染水の太平洋への意図的な投棄を正当化できると考えていることは、言語道断」とするコメントや、当選して初登庁した青森県東通村長が「朝から嫌な気分になった」と言ったなど、事細かに各方面の反対の声を拾い集めている。

朝日は風評被害についても韓国からの「心配」を伝えるているが、それなら韓国の西海岸で取れる魚介類が日本の何倍のトリチュウムを包含しているか伝えたらどうだ。

美しい涙2つ。もらい泣きした。ありがとう

 会場は、五輪本番と同じ東京アクアティクスセンター(東京都江東区)。リオデジャネイロ大会に続く2度目の五輪切符を懸けた100メートルバタフライ決勝に、池江璃花子選手(20)は「ただいま」と言って臨んだ。出場できるだけで幸せだった、その日本選手権で優勝し、東京五輪の代表に内定した。

2019年2月に白血病を公表して闘病生活に入り、苦闘の末退院したものの体重は15キロも減った。自他共に今年の東京オリンピックは到底ムリと思った。本人も準決勝後に「しっかり上位に食い込めるようにしたい。今の自分は前から言っている通り、この東京五輪がメインではない。しっかり経験を積んで、準決勝よりも速いタイムで泳げたらいい」と話していた。

ゴール直後、電光掲示板を振り返り、自身の優勝とタイムを確認。左手を水面にたたきつけ、何度も右手でガッツポーズを作った。 「うれしさとか、色んな感情がこみ上げてきた」。直後のインタビューでは何度も涙を拭い、「つらくてしんどくても、努力は必ず報われるんだなと思いました」。練習再開からわずか383日。日本のエースは、再び世界の舞台に立った。

ゴーグルを外した瞳には涙があふれ、プールサイドで声を上げて泣いていた。ブログ子ももらい泣きした。もっと泣いても許されるよ、と画面に声を掛けていた。池江より10ヶ月後に膵がんの手術を受けて退院したものの体重は以前より22キロも減って、階段の上がり下りにも手すりを掴む始末だった。より体力を必要とする水泳選手だから、このレースがどれほど過酷なものかよく分かる。

練習再開から1年あまりでの華麗な復活劇だったが、世界の厳しさを知る池江は「このタイムで世界と戦えるかといったら、そうじゃない。さらに高みを目指したい」と、世界を見つめている。

彼女のためにも何が何でも東京オリンピックを開催させなければならない、多くの人がそう思ったに違いない。

この日、もう一つの男の涙を見た。

柔道の世界選手権(6月・ブダペスト)代表最終選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権最終日(福岡国際センター)で男子60キロ級で古賀玄暉(旭化成)が初優勝した。決勝で竪山将(パーク24)に延長の末、合わせ技で一本勝ちして初優勝した。

古賀は3月に53歳で亡くなったバルセロナ五輪金メダリスト、古賀稔彦さんの次男。同じ大会で父は87~92年に71キロ級、95年に78キロ級を制していて父子優勝を果たした。18年世界ジュニア選手権覇者の古賀は、父と同じ日体大を先月卒業し、4月に実業団強豪の旭化成入り。3月は父の看病と稽古を同時並行でこなしながら、今大会に向けては「全ての力を出して、思い切った柔道をする」と誓っていた。1回戦は送り襟絞めで一本勝ち。準決勝では大内刈りで一本勝ち。

父親は豪快な豪快な背負投げでファンを魅了した。それと同じく、オール一本勝ちを果たした古賀は、「何も恩返し出来ずに亡くなってしまったので、何としても優勝したいという気持ちで戦った。うれしい」と話して涙。父の生前は、試合の合間に必ず電話で連絡をもらっていたそうで、「それがないのは寂しかったが、覚悟は今まで以上に強くなっていたので、最後まで勝ちきることができた」と語った。

アスリートの涙は美しい。