インチキ拉致調査は初めからわかりきったこと

北朝鮮の国営メディアは12日、拉致問題を含む日本人に関する包括的調査の全面的中止と、拉致問題の再調査を行う「特別調査委員会」を解体すると発表した。

言いぐさが噴飯ものだ。「2016年2月12日より、ストックホルム合意に基づいて行ってきた全ての日本人に関する包括的調査を全面的に中止し、『特別調査委員会』を解体する」というのだ。

調査などハナからやってない。拉致というのは金正日総書記のトップダウンでやらかしたことで、それを息子の金正恩第1書記が認めるなどできるわけがないのだ。拉致被害者の支援組織「救う会」の西岡力会長は「拉致被害者は北朝鮮で特別管理されており、もともと調査をする必要はない。特別調査委の調査は形式的なものに過ぎず、解体しようがしまいが大きな影響はない。制裁の圧力と国際連携で『全員返す』と言わせるしかない」という。その通りだ。

北朝鮮艦艇のレーダーは日本製と確認された

北朝鮮艦艇のレーダーは日本製と確認された

早い話、交渉など無駄で朝鮮総連がせっせと送っている金と人と先端技術の物の流れを止める方が効果的なのだ。例えば11日に国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがまとめた報告書が発表されたが、金正恩第1書記によるミサイル試験発射の視察を報じた昨年2月の朝鮮労働党機関紙、労働新聞の写真で、朝鮮人民軍の艦船に日本の企業が開発したレーダーアンテナが搭載されているのが確認された。

今話題の国産ジェット機「MRJ」にせよ、ホンダジェットにせよ、H2Aロケットによる衛星打ち上げにせよ、日本では官民の幅広い裾野の精密工業が支えている。ところが北朝鮮はじめ中国にも韓国にもそれがない。盗むしかない。リベット1本も北では作れないから秋葉原には指令を受けた朝鮮総連の人間がうごめいている。今では機体の軽量化に欠かせない炭素繊維の技術は東レが持っているが、これを狙って熾烈なスパイ合戦が繰り広げられているのは軍事関係者なら周知のことだ。

先日東倉里から発射された弾道ミサイルにしても部品の多くはロシア製だといわれるが、IT部品、レーダー製品、ロケットの機体をつつむ金属・・・一つとして北朝鮮で作れない。日本から中国を経由して、時にはいったん中米に運んでまでせっせと集めた部品でできている。弾道ミサイルの量産を心配する向きがあるが、北の国内産業の未成熟ぶりからはとてもかなわないのは明らかだ。せいぜい数個作れるくらいなのだろう。

世界に狂気を振りまく男

世界に狂気を振りまく男(英independent)

そんな心配より、ろくでもない北朝鮮という狂気の国の崩壊を促すことの方が効果的なのである。拉致問題というカードで引き伸ばしをはかってきたが自らそれを打ち切った今こそ、金と物の流れを止めるときである。そうすれば早晩、瓦解する国なのである。

自民党は瓦解するのは一瞬、と知れ

大臣から一兵卒まで、自民党のオソマツが相次いでいる。

育休どころか永久に休め、の宮崎宮崎謙介議員

育休どころか永久に休め、の宮崎宮崎謙介議員

]自民党の宮崎謙介衆院議員が、妻で同党の金子恵美衆院議員の出産直前に不倫していたとする記事が、10日発売の週刊文春に掲載されることが9日、わかった。反対論が渦巻く中、とくとくと育児休業取得を宣言し、ブログで「これから2人で大切に育てていきたいと思います」と報告、さらには国会議員の育休の制度化を推進していた当の本人の不倫疑惑に、党内で批判が強まっている。

週刊文春に掲載予定の記事によると、宮崎議員は1月30日から31日にかけて、自身の選挙区である京都市内のマンションに30代の女性タレントと宿泊。宮崎議員は京都市長選の応援のため地元に戻っていたという。

宮崎議員は9日の衆院本会議に出席後、国会内で記者団に不倫疑惑について問われたが、無言のまま衛視に守られて駆け足で車に乗り込み、逃げの一手。文春報道について自民党執行部に報告済みだというが、ある幹部は「育休を訴えておきながら、これ(不倫疑惑)では自民党どころか国会議員全体のイメージダウンにもなりかねない」と憤った。

官邸筋は9日、自民党の宮崎謙介衆院議員が妻で同党の金子恵美衆院議員の出産直前に不倫していた疑惑について「かばう要素なし。育休どころか永久にお休みになるのでは(ないか)。『イクメン』どころか常識を疑う」と強く批判した。

iwaki一方、大臣の資質も怪しくなってきた。8日の審議では、岩城光英法相が答弁に窮する場面が目立ち、民主党議員から環太平洋経済連携協定(TPP)に基づき外国企業と訴訟となった場合、国際機関の仲裁裁判所と国内裁判所の判決の効力の優劣を問われ、答弁がかみ合わず、何度も審議が止まった。竹下亘予算委員長から何度も「答弁できますか」と催促される場面もあった。

この人、一応上智大学法学部卒だが、郷里の福島県いわき市に戻り警備員や市議、市長をつとめて法曹界とは無縁。野党はこの大臣の足を取ろうと、9日の審議でも引き続き岩城氏に質問を集中させたが、議論はかみ合ず、民主党内からは「役所が書いた答弁を読み上げるだけで、とうてい内容を理解しているとは思えない」との声が上がっている。

shimajiriこれまた同じ日に、島尻安伊子沖縄北方担当相が記者会見で、北方領土の元島民団体「千島歯舞諸島居住者連盟」の名称を読み上げる際、「歯舞」の部分で「はぼ……えー、なんだっけ」と言葉に詰まり、秘書官から「はぼまい」と小声で伝えられる場面があった。島尻氏は「手元の資料が団体名の途中で改行していて読みづらかった」などと弁明した。

この人は安倍首相がサヨクに翻弄される沖縄対策に起用したのだが、沖縄北方担当相という「北」も守備範囲である。当用漢字のどこを探しても歯舞を「はぼまい」と読むとは書いてない。アイヌ語の「ハ・アプ・オマ・イ(流氷が退くと小島がある)」に由来していて立派に根室市の一部なのである。

丸川珠代環境相もやり玉に挙がった。7日、長野県松本市で講演し、国が除染の実施基準を年間被曝ひばく量「1ミリ・シーベルト以下」としていることについて、「どれだけ下げても心配だと言う人たちが騒いだので、その時の細野環境相が何の科学的根拠もなく急に言っ(て決め)た」と述べたというので、民主党議員が「被災地の気持ちを害している」と批判。丸川氏は「なぜ1ミリに決めたのか十分に説明し切れていないと(いう趣旨で)言った。誤解を与えたなら、言葉足らずだったことにはおわびしたい」と陳謝した。

これなど除染の枠組みを作ったのは民主党政権で、当初は年間積算線量が20ミリ・シーベルト未満なら居住可能との見解だった。それを徹底除染を求める地元の要望に迎合して、1ミリ・シーベルトとした経緯があり、政府内には「達成困難な目標が今も住民の帰還を阻み、復興を遅らせている」との声もある。10日も当の細野氏が質問に立ったが、ブーメランで己に降りかかってくる問題なので大して盛り上がらずに終わっている。

自民党が下野したのは派閥抗争に明け暮れて、「なりたい人」ばかりが首相になり、そのうち中国のハニートラップにひっかかった(噂だが)りして自滅したことにある。国家観のない人間がトップにたったのが国民に愛想をつかされた。やっとまともな首相が出たから、政治と金で甘利大臣が辞任しても逆に支持率が51%に上がるのである。落ちるのは一瞬という怖さを知るべきである。

台湾と韓国へのこの温度差はどこから来るのか

台湾の地震で傾いたビル=6日(ロイター)

台湾の地震で傾いたビル=6日(ロイター)


6日午前3時(日本時間同4時)57分、台湾南部高雄市の地下約16・7キロを震源とするマグニチュード6・4の地震があった。この影響で、南部・台南市で17階建てビル1棟が倒壊し約100人が閉じ込められているもよう。

この一報が我が家のテレビニュースが伝えたとき家人の反応は「すぐ救助犬を連れてレスキュー隊が出発して!」というものだった。赤十字でもNHKでもいいから募金があればすぐ応じるとも。

東日本大震災のとき台湾の人たちは200億円というほかの近隣諸国とはけた違いの大金をいち早く届けてくれたことを、我が家をはじめ市井の人たちに至るまで今もって記憶にとどめているのである。

サイトの亭主は経営再建中のシャープに6千億円規模の拠出を提案していた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長が来日して、優先交渉権を得たと語るのを聞いて、「台湾ならいいか」と素人ながら受け入れるにやぶさかでない心境だった。

サイン入りの文書を手にする鴻海精密工業の郭台銘会長

サイン入りの文書を手にする鴻海精密工業の郭台銘会長

シャープの落日は経営者の無能によるところが大きいが、皆が心配しているのは液晶分野でシャープが持つ先端技術の海外流出を懸念するからだ。

現在のアイフォーンのディスプレーは液晶パネルで、JDI(ジャパンディスプレイ)、韓国LG電子、シャープの3社が供給している。今後は有機EL(電気を流すと発光する有機物を画素に使用する。液晶と違ってバックライトが必要ないため薄型化が可能で、黒色の発色に優れる)に向かうとみられるのだが、有機ELの欠点は、画面が焼き付く恐れがあり、技術的な難しさから、不良品が出る確率が高いことが課題だった。この分野での技術を持っているシャープは中国、韓国からも狙われている。

技術流出を心配する政府の意向を受けて官民ファンド、産業革新機構が支援する話が進んでいたが、何せ拠出金が鴻海の半分程度でシャープが必要とする資金援助には足りなかった。先端技術を奪取するだけしたらあとは放り出す中国と韓国のこれまでのやり方は日本は骨身にしみて懲りている。

外国企業に先端技術を持っていかれる心配はホンハイ精密工業とて変わらないが、これまでシャープの別の部門で同社と協力関係を持ったことがあったが、技術流出は一件もなかったというのも安心させる。

まだ決まったわけではないが、仮にシャープが鴻海側の傘下に入れば、現在の液晶パネルでも、今後の有機ELでも日本勢の前に、資金力と技術力を併せ持つ強力なライバルとして立ちはだかることも考えられる。

それでもいいではないか、台湾なら。と思わせるところが中国や韓国と違うところである。日本人は、かくて、台湾南部の大地震を我がことのように心配するのである。

鉄道会社は「泣き寝入り」の美徳に戻れ

認知症男性が徘徊中に電車にはねられ死亡した。この男性の家族にJR東海は賠償金を求め、一審も二審も「払え」と命じたが、男性の妻と長男が「認知症患者の家族に一層の過酷を強いるものだ」と最高裁に上告した裁判で弁論が終結、3月1日に判決が下される。

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 責任能力がない家族が鉄道会社への賠償責任を負うかが争われた訴訟の上告審弁論が2日、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)で開かれた。男性の妻と長男側は「認知症介護は家族の犠牲と負担で成り立っている。その中で家族に必ず監督責任を負わせれば、負担は一層過酷になる」として請求棄却を求めた。訴えたJR東海側は「2人には監督者として責任がある」として結審した。判決は3月1日。

 認知症患者を抱える家族がどこまで監督義務を果たすべきか最高裁として初判断を示す見込みで、判決は介護のあり方に影響を与えそうだ。

 男性の妻と長男が、民法714条の「監督義務者」として賠償責任を負うのかが争点。2人の代理人は弁論で「行為者に故意や過失がなければ、誰も責任を負わない事態は法が予定している。認知症患者の家族に監督者として厳格な責任を負わせるとすれば、家族は認知症患者と関わりを絶つしかなくなる」と1、2審判決を批判した。

1審名古屋地裁は、「目を離さず見守ることを怠った」と男性の妻の責任を認定。長男も「事実上の監督者で適切な措置を取らなかった」として2人に請求通りの720万円の賠償を命じた。2審名古屋高裁は「20年以上男性と別居しており、監督者に該当しない」として長男への請求を棄却。妻の責任は1審に続き認定し、359万円の賠償を命じた。

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ブログ子は小学校から高校まで大阪の南郊、南海高野線の「狭山」駅前に住んでいた。母が世話焼きで駅員に学資を出してやって大学に進むように勧めて何人かの面倒を見ていた。その一人Nさんが電鉄会社の幹部になり南海電鉄の補償担当の責任者になった。

Nさんがお茶を呑みに立ち寄っていうことには「鉄道自殺者や電車と交通事故を起こした人の家族には、泣き寝入りがほとんどですわ」といった。鉄道法では遺族なり保護責任者なりに補償を求めることができるが、身内が亡くなって悲しみにくれているお宅に行って賠償を言い出すことなどとてもできない。このころ子供の世界では線路に釘を置いてペチャンコにしてドライバーのようにするのが流行っていて補導されるのや、電車に石を投げて捕まるのがいて、こうした悪質な行為に対しては親に見せしめの賠償請求するが、ほとんどは取り立てることなくうやむやにすませたという。

みんな貧乏人ですからね、法律通りやったらその家庭はつぶれてしまう。鉄道会社は金持ちとは言わないまでも、それでつぶれることはない。泣き寝入りが一番丸く納まる方法だというのだ。関西は私鉄が多いが、他でもこのような対応だった。

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これが人間の知恵というものだ。法律を前面に押し立ててやれば上述の3審までいくケースのように六法全書片手にしゃっちょこばったものになる。認知症の人を身内に抱える家庭は今後ますます増える。明日は我が身、である。一昔前、といってもそれほど昔でもないが、地方の一私鉄でもこれほどの人情を持ち合わせていた。国鉄の時代は動労が権利を前面にろくでもない闘争をして国鉄が立ち行かなくなってJRに民営化された。己が職場の電車にペンキで落書きしまくったが、この修理費を動労に請求したという話は聞かない。泣き寝入りしていたわけだ。JR東海は権利を押し立てるのでなく、人情で対応したらどうだ。

この男への憤激がまだおさまらない

前回このブログで書いた、新井礼人(あやと)ちゃん(3)を殺害した永富直也(20)への怒りがまだおさまらない。鬼畜、人でなし、畜生にも劣る、と並べてみてもそんな言葉など遠く及ばない人間性のかけらもない犯行である。そんなおり、我が意をとらえたような新聞コラムをみつけた。
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読売新聞「編集手帳」

吉野弘さんに『眼(め)・空・恋』と題する詩がある。〈私は断言する/見るに値するものがあったから/眼が出来たのだと〉。値するものとは、たとえば美しい空であり、恋人だという◆〈今一つ私は断言する/美しいものは/眼の愛に射られて/より美しくなってゆくと>。わずか3年余りの生涯である。その子にも、見るに値するものがこの世にあっただろうか。まなざしの愛で射抜いてみたいほど美しい何かに出会えただろうか◆東京都大田区の新井礼人ちゃん(3)である。「にらんだ」と、ただそれだけの理由で、同居している母親の交際相手(20)から凄まじい暴行を受けて死んだ◆短い人生の最後に、目はどんな風景をみたのだろう。「飛び降りて死んでしまえ」と連れ出されたベランダか。床に突き立てられた包丁か。体ごと投げつけられたガラスケースか。繰り返し顔を打つ男の手か。脳天や肩に降ってくる格闘ワザ「かかと落とし」の足か。これを虐待死とは呼ばせない。虐殺である◆新聞に、あどけない目をした遺影が載っている。罪に見合う罰に思いをめぐらせるとき、ある二文字が脳裏を離れない。
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ブログ子は「死刑」の二文字を思い浮かべた。前回刑罰の強化を訴えたが、この男は「やることやった 人生に悔いはない」とうそぶいているという。20歳そこそこのヤクザ人生で悔いがないとは頭の程度がわかるというものだ。警察は傷害致死罪で処理しようとしているがとんでもない。この罪名ではほとんど懲役8年以下で出てくる。礼人ちゃんへの恐ろしい犯行内容を見たとき、とても見合う刑期ではない。殺人罪、それも被害者数を1人とカウントするのではなく、多くの人を殺めたと同じだと判断すべきでないか。反省のかけらもなくケロッとした無表情なこの男の顔など2度と見たくない。

幼児虐待の重罪化を急げ

新年からまたも幼児虐待事件が続いている。なかでも体が震えるほどの怒りを禁じえなかったのが、東京都大田区大森南のマンションで今年同棲を始めたばかりの女性の3歳の幼児を殴り殺した、永富直也(20)という男の残虐な所業である。

新井礼人ちゃん

新井礼人ちゃん

7日午前0時ごろ、東京都大田区大森南のマンションの一室で、「子供に熱があり、反応がない」と母親(22)から119番通報があった。消防が駆けつけたところ、この部屋に住む新井礼人(あやと)ちゃん(3)が布団の上で心肺停止状態で見つかり、病院に搬送されたが、間もなく死亡した。


送検される永富直也容疑者=28日大森署

送検される永富直也容疑者=28日大森署

礼人ちゃんには全身に多数のあざがあり、警視庁大森署は同日、傷害容疑で母親と同居している無職、永富直也容疑者(20)を逮捕した。礼人ちゃんの死因は外因性の硬膜下血腫。搬送時は、顔面や尻などに数時間前から数日前についたとみられるあざがあり、左耳内部から出血していた。母親は当初、搬送後に診察した医師に対し、「公園の滑り台から落ちた」と説明したが、虐待の疑いがあるとして医師が同署に通報した。 

永富は、住吉会系暴力団組員で「25日午後夕食中に自分にガンをつけてきたので頭にきた。平手打ちはしつけとしてやった」と供述しているという。

まともな人は「ガンをつける、などというヤー公用語などわからないだろうが、「相手の目を睨み付ける」ことである。関西では、メンチ切る、メンを切るいう言い方をある。三重県で新人記者時代、早朝ヤクザの逮捕劇に同行したことがあるが、ブログ子に「こいつ面を切りやがって」、アパートの2階で飛びかかられたが、意味が分からなかった。

shounenそれにしても3歳の幼児にガンを切ったと襲い掛かるこの男の頭の程度に吐き気を催す。あろうことか、礼人ちゃんを脅すのに包丁を床に突き刺して、正座させて殴っていた。さらに正座をさせて、かかとを振り下ろす「かかと落とし」をしたほか、投げ飛ばしもした。あえて禁忌語を使うがもう気違いである。身長195センチ、体重120キロという大男だそうだ。10年前にはこの体格を生かして空手の千葉県少年大会で優勝したことがる(写真右)。思うに体格のわりに勝つことができず挫折感からヤクザになったのだろう。

もう一件の幼児虐待事件もひどいものだ。埼玉県狭山市のマンションで藤本羽月(はづき)ちゃん(3)が顔にやけどを負った状態で死んでいるのが見つかった事件で、保護責任者遺棄容疑で1月14日逮捕された母親の彩香容疑者(22)と内縁の夫、大河原優樹容疑者(24)が、携帯電話の無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使って羽月ちゃんへの虐待方法を相談するやりとりをしていた。

捜査関係者によると、両容疑者の携帯電話には「家に帰ったら(こういう虐待を)しよう」という趣旨のメッセージが残されていたという。目や鼻を含む顔全体をやけどしており2人が熱湯を浴びせた容疑が濃い。

◇ ◇ ◇
それにしても、各紙の新聞記者、特に社会部員は何をしているのか。事実を報じるだけではすまないはずだ。ブログ子のころはこうした悪質事犯の場合、罰則強化の立法化をはかったものだが、各紙一向にその動きがない。そのころの自民党はこうした地元での集票に役立たないことには動きが鈍いので、社会党や民社党を「使った」。まだ正義に立ち上がる心意気を持ち合わせていたものだ。いま民主党はじめ野党を見ると働きかけてもまず無駄だろうから、与党の方が動きがいいのではないか。

東名でトラックの無謀運転で愛児2人を焼き殺された母親の奮闘で悪質運転による事故には刑罰が強化された。今回はその母親たちが加害側なのだから頼りにならない。メディアが立ち上がらねばならない時だ。

地図から「卍」マークが消える

2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、国土地理院は「外国人向け」の地図で使用する地図記号を新たに作ることを決めた。

同院によると、地図記号に世界的な基準はなく、日本人になじみのマークでも外国人は分かりづらい場合がある。在日大使館職員や留学生、外国人旅行者ら計1千人の意見も聞き、▽街中の案内板や標識で使われている「ピクトグラム」(絵文字)と一致させる▽地図上で3ミリ程度の小さなサイズでも表示できる――ことを原則とした。そして旅行に関係する18施設について外国人向けの新たな記号を作った。

名称未設定 1国内の地図でホテルは丸で囲んだ「H」で示すが、ヘリポートや病院と間違いやすく、ベッドに横たわる人の姿に変えた。観光地に多い寺院の地図記号は「卍」だが、ナチス・ドイツのマークを連想させるという意見が多数寄せられたため、三重の塔のデザインとした。交番は現在の警棒を2本交差させた「×」から敬礼する警察官、地図記号がないコンビニエンスストアはサンドイッチやペットボトルを模した記号にした。

新記号はあくまでも外国人向けで、日本人向けの地図では従来の記号を使う。また、多摩川を単なるローマ字表記ではなく「Tama River」と示すなど地形や種類を表す部分を英語に置き換える地名表記の基本ルールも作った。

◇ ◇ ◇

ブログ子の母方の実家は山形・米沢だが、ここの家紋は「卍」(まんじ)だった。生意気な学生のころ法事があり、集まった人たちの羽織にこの紋所があるのをみて「ヒトラーと一緒だ」と声にしたら一斉ににらまれた。その後学習したが「卍」の由来はインダス文明の頃にまで遡り、3000年もの聖なる歴史がある。英語では「スワスティカ」と呼ばれ、これはサンスクリット語の「スヴァスティカ」に由来し、「幸運」または「幸福」といった意味がある。「卍」はヒンドゥー教や仏教で吉兆を表すシンボルで武則天の長寿 2 年(693年)、「卍」を「萬」と読むことが定められた。吉祥万徳の集まる所の意味で、ゆえにお寺さんの紋に多く近くでは浅草寺の仏さんに胸にたくさんこの文字を見ることができる。

101105swastikas-「卍」は紋章では「左まんじ」と呼ばれるものだが、これを裏返した「右まんじ」という紋がある。ナチスドイツの「ハーケンクロイツ」(鉤十字)としばしば間違われるが、ナチスの方はこの「右まんじ」、さらに正確にいうなら右に傾けるので「丸に隅立て右卍」である。西欧でも吉兆のしるしとされている。

ブログ子は国土地理院が「あくまで外国人用表記で日本の地図では従来と同じといっているから、良しとするが、日本では「卍」変更案に反対する人もいる。

・「じゃあテロリストがユニオンジャックを掲げたら、イギリスも国旗を変えるの?」
・「観光客に 卍 の意味を教えたら?」

海外の人々は、どう思っているのだろうか? このことを報じた海外ニュースサイト『The Guardian』と『Mail Online』のコメント欄を見てみると、

「記号を変えるのではなく、観光客に違いを教えてあげた方がいいと思う」
「他の文化に触れるとき、それを変えようとするのではなく、学び、理解しようとすべき」
「地図上で 卍 を見ても、特に混乱はしないけど?」
「卍 とナチスのシンボルは、向きが逆だからね!」
「インドを訪れたとき 卍 が使われているのを見て、初めはビックリした。でも “違う意味があるんだろうな” ってすぐに思ったよ」

蛇足だが「卍」や「凸凹」の筆順はむずかしい。正確に書ける人はまずいないのではないか。「卍」の筆順はこうである。
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モラルなきテレビ局の「焼き直し」報道

「週刊文春」編集部は22日、甘利明経済再生担当相の金銭授受疑惑を報じたテレビ番組「報道ステーション」(テレビ朝日系)が、同誌の記事を引用しながら雑誌名を明らかにしなかったとして、同番組に抗議文を送った。

「報道ステーション」は降番する予定の古舘伊知郎がまだキャスターを務めているが、1月20日と21日、「週刊文春」(1月28日号)の記事「甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した」を基に大臣の疑惑を報道したが、引用元を明らかにしなかった。同編集部は「報道に携わる者の倫理として、視聴者に正確な情報を伝えるという観点からも、引用先を明示することが求められる」などとして、謝罪と再発防止を要求。1月26日午後5時までに回答を求めている。

テレビ朝日広報部は「抗議文を受け取ったのは事実。対応については現在検討中です」としている。検討中も何もあるまい。即刻謝罪するのが普通だ。

ブログ子はワイドショーや、こうしたキャスターと称する者が跋扈する報道番組など見ないことにしている。マスコミの一翼にいた者として番組作りの手管は隅々まで知っている。モーニングショーやアフタヌーンショーという番組はその日の新聞の朝刊を見て作っている。新たな取材や「深堀り」(番組名にあるが)などあるわけがない。テレビの前のおばちゃんにわかりやすく、テロップや図版にして、それをもとにコメンテーターというのが当たりさわりのないコメントをまき散らしているだけである。

パリのテロ事件を前にして、古舘伊知郎は《一方でですね、有志連合の、アメリカの誤爆によって無辜の民が殺される(中略)これも反対側から見るとテロですよね》といい、「キャスターは批判的であるべきだ」とうそぶく。今では「報ステよりたちが悪い」と評される週末の「サンデーモーニング」(TBS系)のコメンテーターや「NEWS23」のアンカーを務める岸井成格のように「メディアとしても(安保法案の)廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」とのたまう輩が出現する。新聞で署名入りで書くのならまだしも、公共の電波で叫んではいけないことも区別がつかない。

メディアのモラル崩壊を示すもう一つの例が「SMAP分裂騒ぎ」を報じた日刊スポーツ(朝日新聞系)、スポーツニッポン(毎日新聞系)である。それぞれ上で挙げた問題テレビ局と同じ系列だ。この問題は「週刊新潮」(1月21日号)が、「特集 解散への全内幕」と題して詳細に報じたスクープである。「新潮」の発売日は木曜日だが、新聞広告原稿は火曜日に各新聞社に持ち込まないといけない。これを見てから2紙は大急ぎで水曜日朝刊に「スクープ」として叩き込んだのだ。2紙ともネタ元の週刊新潮の名前などどこにもない。ニュースの出所をはっきりさせるのは新聞記者のイロハのイである。恥を知れと、週刊新潮がねじ込んでもよさそうなものだ。2紙ともぐうの音もでないであろう。

「週刊誌にこう書いてあるがどうだ」という質問はもう止めろ

21日発売の「週刊文春」(1月28日号)に、甘利経済再生相(神奈川13区)や秘書が、土地トラブルの補償を巡る口利きの見返りとして建設会社側から違法献金を受けたとの記事が掲載されることがわかった。

記事は、都市再生機構(UR)とトラブルになった千葉県白井市の建設会社の総務担当者が2013年5月、甘利氏の公設秘書にURへの口利きを依頼し、同年8月に謝礼の現金500万円を渡したと記述。このほか、大臣室で甘利氏本人に50万円入り封筒を手渡すなど、甘利氏側への資金提供や接待は計1200万円分に上ったとしている。

関係者によると、総務担当者は同年8月、「受け取ってほしい」と事務所に1000万円を持参。公設秘書が500万円だけ受け取り、甘利氏側と元秘書の神奈川県議への各100万円の献金として処理し、残り300万円は返金したという。

総務担当者は文春に実名で証言。20日、同誌編集部を通じて「記事内容を裏付けるメモや録音データがある。内容はすべて真実だ」とコメント。一方、UR広報室は「甘利事務所からの口利きなどはなかったと認識している」と話している。
 政治資金収支報告書によると、甘利氏が代表の自民党支部は、この建設会社から13年に107万円、14年に169万円の寄付を受け、資金管理団体「甘山かんざん会」は総務担当者個人から13~14年に計18万円の寄付を受けている。

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頭が痛い甘利氏

頭が痛い甘利氏


甘利氏は報道について「お騒がせしている。今朝、記事を読んだ」と答弁。会社関係者から平成25年11月に大臣室で、26年2月に神奈川県大和市の地元事務所でそれぞれ50万円を受け取ったとする報道には、「会社の社長一行が大臣室を表敬したのは事実だ。記憶があいまいなところがあるので、きちんと整理をして説明したい」などと、いずれも面会は認めたが、現金受け取りは明確には否定しなかった。

報道内容は多分本当であろう。そこで今後の対策だが、甘利大臣はTPP交渉をアメリカ相手に怒鳴りまくるようにしてまとめた功績者である。本来ならこれをステップに総裁選まで狙える立場にあったが、難しくなった。国政の要職にあるものが地方の建設会社に口利きをしたというケースであるが、職務権限とのからみでいうとこれを証明するのはかなり難しい。中央突破ができるかもしれないが倫理的に攻められると問題は別だ。安倍首相は更迭も含めて考えずばなるまい。

それはそれとして、質問に立った民主党の安井美沙子氏の攻め口がまたも「週刊誌にこう書いてあるがどうだ」の一本槍でげんなりした。先日指弾したばかりだが、民主党の緒方林太郎議員のあほらし質問とまったく同じである。拉致被害者の蓮池薫さんの兄で家族会元事務局長の蓮池透さんによる著書「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社)を引用。「本には首相は拉致を使ってのし上がったと書いてあるがどうか」と質問した。

昔の野党は独自の取材網を持っていた。爆弾男の異名をとった社会党の楢崎弥之助という議員がいた。部落解放同盟の取材網を使っていきなりぶつけるので、彼が質問に立つときは与党もマスコミも耳をそばだてたものだ。それに比べると現在の野党、特に民主党の体たらくと来たら「週刊誌に書いてあるがどうだ」式の無責任なものばかりだ。いい加減にしろと叫びたい心境だ。ブログ子はこれで衆参同時選挙の確率がさらに高まったとみる。

見ず知らずの2人の青年の即興ピアノ演奏に聴きほれる

パリの駅構内に置かれたピアノを一人の青年が軽やかに弾き始める。やがて、リュックを背負ったもうひとりの男性が登場、演奏している様子をじっと見つめていたが、やがてピアノに手を伸ばし一緒に演奏を始める。最初は探りながら控えめにピアノを弾いていた2人だが、次第にお互いの息が合っていき、情熱的でパワフルな演奏へと変化、その様子はたまあま居合わせた周囲の人にも伝わっていく。

終盤に差し掛かり、2人の演奏は激しくついで優しくトーンダウン。最後に「ジャーン」と締めくくると……駅に居合わせた観衆から盛大な拍手が!再生回数が1月中旬で1000万万回になろうかという即興名演奏である。

以前、ホームレスの男性が駅の無料ピアノに向かっての演奏に聞きほれる動画を紹介したことがあるが、フランスにはこうした名ピアニストがたくさんいるようである。

SMAP解散報道にブログ子も参加

巷はSMAPで大騒ぎである。家人は「あんな踊りも歌下手なグループどうでもいい」とテレビを見ようともしない。ブログ子は彼らの歌を一つも知らないし、そもジャニーズ事務所所属ということも初めて知ったくらいで、まるで門外漢なのだが一連の報道に登場する2つの名前を知っているのでこの騒動に参入することにした。

SMAP解散報道 人気グループ「SMAP」の分裂・解散危機騒ぎは13日の水曜日に日刊スポーツ(朝日系)とスポーツニッポン(毎日系)に大きく報道されたのが始まりだが、実は「週刊新潮」(1月21日号)が、「特集 解散への全内幕」などと題して詳細に報じたスクープだという。「新潮」の発売日は木曜日だが、新聞広告原稿は火曜日に各新聞社に持ち込まないといけない。これを見て出し抜いた(花田紀凱の週刊誌ウオッチング)のだという。」

その後の内幕報道は各紙てんでばらばらだが、昨年週刊文春が「ジャニーズ分裂後継者争い メリー喜多川恫喝」という記事が出たとき、メリー喜多川(89歳。ジャニーズ副社長)氏が週刊誌記者の面前にSMAPの担当マネジャーである飯島三智さん(58)を呼びつけて「お前が派閥つくってんのか」って怒鳴りちらしたのが発端のようだ。

ブログ子には名前と顔の識別ができないのだが

ブログ子には名前と顔の識別ができないのだが

その後、自分の娘、藤島ジュリー景子(49)ジャニーズ副社長)を跡継ぎにすることのどこが悪い、ウチには派閥問題などないのだと女帝ぶりを発揮、いたたまれなくなった飯島女史が2月で退社することになり、SMAP育ての親に中居正広(43)、稲垣吾郎(42)、草彅剛(41)、香取慎吾(38)の4人がついていき、木村拓哉(43)が残留を決めたという。

まだ和解の道を探る動きもあるようだが、そちらは芸能面にまかせるとして、ブログ子はメリー喜多川という名前を知っている
。古巣の新聞社は系列テレビ局やラジオ局とグループを作っていて、ロンドンからローラースケートのミュージカルをやるグループを呼ぶことになった。その新聞社側の責任者としてグループ会議に出たとき横にいたのがメリー喜多川女史である。

なんでバタくさいカタカナ名前なのかといぶかる芸能音痴のブログ子にテレビ局の人間が、元は四谷の円通寺坂入口のバーのマダムで親がアメリカに渡って向こうで育ったため・・・と彼女の由来を教えられた。弟のジャニーが芸能事務所「ジャニーズ事務所」を興すと、彼女もバーを閉店して事務所の経理を担当、バーの客だった東京新聞記者(後に作家。皇太子の御学友としてしばしばマスコミに登場。故人)の藤島泰輔と結婚したので本名は「藤島メリー泰子」、一人娘が今回渦中の藤島ジュリー景子さんである。

会議ではグループ会議のメンバー相手に一人で「指図」していた。ジャニーズ事務所はこのとき川崎麻世を主役にするため宣伝に力を入れていたが、ロンドンまでグループの記者やカメラマンを引き連れて団長として出かけたブログ子に「すばらしい子でしょ」と水を向けられるので閉口した。英国に行ったことは行ったのだが、その川崎麻世というタレントはずっとロンドンから離れた郊外の体育館でローラースケートの練習中で会ったこともなかったのだ。

3,4回会議やパーティーで一緒になったが強引なこと、誰でも目下の人間としか見ないでかい態度を見たので今回、週刊誌記者相手に傲慢にふるまう話を聞いても、さもありなんと思う。それにしても89歳でゴーイングマイウエイは驚きである。

もう一人の名前だが、今回のSMAP騒ぎでテレビに芸能レポーターとして登場する「井上公造」に記憶がある。ブログ子は20年位前になろうがスポーツ紙の編集責任者の発令を受けた。初日、編集局に行くと「辞めたいという記者がいるのですがどうしますか」という。スポーツ紙だけだが芸能担当という部署がある。文化部は作家や画家や文芸評論だが、芸能はまるっきりタレントや俳優のゴシップが専門で広言はできないが下に見られているところがある。

新聞記者を辞めて梨本勝(故人)の芸能事務所に引き抜かれたという。担当の者が、本人を呼んで会いますかというので事情を聴こうかとも思ったが、やめた。わざわざ新聞記者より芸能事務所を希望する者がいるかと驚いたのだが、契約社員だというし辞めたいものを引き留めても長続きしないだろうからと即決でハンコを押した。年齢など知らないが定年後も仕事があるという点では、彼の選択は正解だったのだろう。

安倍首相マジ切れ!も当然。民主党議員のオソマツ質問

新聞の見出しには「安倍首相マジ切れ!」とあった。ブログ子もテレビ中継を見ていたが、下司な質問にだんだん腹に据えかねていく首相の表情が伝わってきた。民主党の緒方林太郎というオソマツ議員は、かつて「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」家族会)の副代表を務めた蓮池透氏が書いた「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社)という本を持ち込み質問したのだが、著者に取材したのならともかくただ本にこう書いてあるがどうだ、というだけ。新聞記者ならこんなことをしたら一発でジャーナリスト失格の烙印を押されるところだが、この議員は臆面もなく議場で首相にぶつけた。

その前に蓮池透という人のぶったまげるような「変節」があって家族会から強制退会させられていたことも知らない人が多かったと思うので付け加えると、弟が拉致されたときこの人は東京電力社員で、その後出向先の日本原燃では燃料製造部副部長に昇進し2006年には東京電力原子燃料サイクル部の部長にまで出世、福島第一原発の3号機と4号機の保守を担当していたほどの原発通。はじめは北朝鮮強硬派だったが次第に軟化、同時に安倍批判に回り現在では表題のような著作やサヨクへの接近が目立つようになっていた。「弟が帰国したので目標を失った」と酷評する人もあるほどだ。東電も退社、2010年には家族会から退会処分を受け、3人の子供をもうけた夫人とも離婚しているという。

新聞記事によるとやり取りは以下だ。(産経)

 

安倍首相にアホな質問をする民主党の緒方林太郎議員(左手前から2人目)

安倍首相にアホな質問をする民主党の緒方林太郎議員(左手前から2人目)

安倍晋三首相が12日の衆院予算委員会で、声を荒らげて激怒する場面があった。きっかけは、野党議員の「(首相は)拉致を使ってのし上がったのか」という誹謗(ひぼう)中傷ともとれる質問。首相は当初、「議論する気にもならない」とかわしていたが、平成14年の拉致被害者帰国の経緯をめぐる自身の説明に異論をはさまれると「私の言うことが違っていたら、国会議員を辞める」と自らの進退にまで言及。夏の参院選を意識し、国益を度外視しても政敵の実績に傷をつけようと試みる野党の姿勢に、最後は堪忍袋の緒が切れたようだった。(沢田大典)

 質問したのは民主党の緒方林太郎氏。緒方氏は、拉致被害者の蓮池薫さんの兄で家族会元事務局長の蓮池透さんによる著書「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社)を引用。「拉致問題はこれでもかというほど政治利用されてきた。その典型例は安倍首相だ」との一節を紹介し、「首相は拉致を使ってのし上がったのか」と質問した。

 これに対し、首相は「その質問自体が、この問題を政治利用しているとしか思えない」と、努めて冷静に答弁した。

 首相にとって拉致問題の全面解決は、父・晋太郎元外相の秘書時代から取り組んできた最重要課題だ。記者会見などでも「拉致問題は安倍政権で必ず解決する」と繰り返し述べ、強い意欲を持っている。

 首相は14年に当時の小泉純一郎首相の訪朝に官房副長官として同行し、拉致被害者5人の帰国を実現させた立役者だ。そのことによって、政治家として全国的な知名度を得た。しかし何よりも、日本の主権を侵害する拉致行為に対峙(たいじ)することは、首相に限らず、すべての政治家が取り組むべき国益そのものの課題だ。

 そうした問題を「政治利用」と矮小(わいしょう)化され、次第に我慢ならなくなったようだ。14年に帰国した拉致被害者5人を日本にとどめる判断をした経緯が議論になると、首相は身ぶり手ぶりも交え、熱弁を振るった。

 首相はかねて、フェイスブックで「私は職を賭してでも『日本に残すべきだ』と判断し、小泉総理の了解をとり5人の被害者は日本に留まりました」などと自身の判断を説明してきた。

 これに対し緒方氏は、本の中に、首相は5人が北朝鮮に戻るのを止めようとせず、5人が日本に残る意思を曲げないため結果的に日本に残るため尽力したとする趣旨の記述があることを紹介し、真偽をただした。

 首相は「他の拉致被害者に聞いてもらえれば分かる。国論を二分しようという(北朝鮮の)策謀に引っかかってはだめだ」と反論。「私が言っていることが真実だとバッジをかけて言う。違っていたら私は国会議員を辞める」と断言した。首相は緒方氏に対し「独自の取材を全くせずに、私の名誉を傷つけようとしている。極めて不愉快だ。1人の本だけで誹謗中傷するのは、少し無責任だ」とも述べ、怒りが収まらない様子だった。

◇ ◇ ◇
緒方林太郎議員が質問者失格という理由は、確かめもせず持ち出した本をもとに、安倍首相の答弁に、「では、蓮池さんが嘘を言っているのか」と迫る手法である。これでは、蓮池本ならずとも、「便所の落書き」と評される三流新聞やゾッキ本を手に「こう本に書いてあったけど、どうなのよ?」と質問するようなものである。国会でこんな質問を許していいのかということだ。

民主党の焦りはわかる。政党支持率は直近の(NHK1月12日)数字では自民党37・5%。民主党8・1%である。夏の参院選挙までこの程度で推移するだろうし、衆参同時選挙ともなると大敗必至である。緒方林太郎議員は外交官試験(現在は廃止)を通って外務省に入った人物だそうだがこの程度では先が思いやられる。

女子高生1人だけの為に列車が停まる秘境駅、卒業と同時に廃止へ

今朝のNHKで詳しくルポしていたのでご覧になった方もいるだろうが、JR北海道・石北本線の旧白滝駅が、3月26日のダイヤ改正で廃止される。終戦直後の1947年に開業、70年近く使われてきた無人駅だが、主な利用者は通学に使う女子高生1人だけ。彼女が卒業するのに合わせて、駅がなくなるという。たった一人のために列車を停めてきたJR北海道も、それを全国ニュースで流すNHKも、いかにも日本的でよかった。

たった一人のために列車が停まる駅

たった一人のために列車が停まる駅


旧白滝駅は鉄道ファンから「秘境駅」と呼ばれており、近くには数軒の民家があるだけ。上りは1日3本止まるが、下りは1本だけだった。同駅を利用するのは遠軽高校3年生の原田華奈さん(17)一人だけだ。昭和30年代には駅のホームいっぱいになるほどの住民がいたという。待合室は近くの山から切り出した材木で住民が建てたものがいまだに現役だ。

雪かきや掃除に近くの住民夫妻が、華奈さんの送り迎えは軽トラで父親が、それぞれ協力してきた。「多くの人たちのおかげで通学できた」という感謝のコメントも清々しかった。卒業後は自宅を離れて看護学校に通い看護師を目指すそうだ。

imagesIP5D859Yブログ子は学生時代2,3度ここを通って美幌や網走に行ったことがあり、美幌峠を越えるのに便乗したトラックの荷台で低体温症と凍傷で動けなくなり、見知らぬ人の家でストーブをがんがん焚いて看護してもらった覚えがある。人間一人では生きていけないことを教えられた土地だ。

隣の駅も廃止され合わせて石北線の57.0kmの間に1駅だけという状態となる。都会で塾だ予備校だと通えるところと違い勉学だけに相当の力がいることなどなかなか理解されないだろうが、かえってたくましい人間が育つものだ。

この秘境駅と女子高生の話は中韓両国でも紹介されていて、両国のネットユーザーから称賛の声が書き込まれているという。
韓国では「女の子1人のための配慮が感動的」「本当に温かい話だ。ほほえましい」「韓国だったらすぐに閉鎖されている」「子どもを産めと口先だけで言いながら、島しょ地域の廃校を推進中のヘル朝鮮(韓国をやゆした言葉)とは全く違う」「これが日本と韓国の違い」などの書き込みが相次いだ。

中国でも話題となり、「人情味があるな」「愛があふれてる」「確かに日本のこういう血の通った公益事業は素晴らしい。日本人の精神は学ぶべき」「中国ではあり得ない。口だけでは国民の信用は得られない」「これが本当の意味での人民への奉仕」「歴史と政治を除けば、日本に対しては好感が満ち満ちている」などのコメントが寄せられている。

山本太郎とおバカな仲間たち

生活の党と山本太郎となかまたち代表の山本太郎参院議員は8日、参院本会議に出席した上で北朝鮮の核実験に抗議する決議の採決を棄権した。決議自体は生活を含め全会一致で採択された。

理由について、「参議院の決議文は、衆議院のものに比べ、わが国独自の制裁を強める姿勢が読み取れる」と自身のブログで説明した。なら賛成に賛成すればよかろうに、「わが国独自の『追加的制裁』は危険だ」「相手側の挑発に対して、より独自の強硬姿勢を示す事は、挑発に乗った形になる。わが国との緊張状態は、より強まる。それは、相手側の思惑にハマった事に等しい」などと珍説を披歴した。この党は参院会派として採決に賛成したが、代表の山本太郎のみが賛成しなかった。どうなっているのか首をかしげざるを得ない。理屈も行動も噴飯ものではないか。

山本太郎は昨年2月の本会議でも、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が日本人を殺害したとする事件を「断固非難する」とした決議でも採決直前に退席、棄権した。

テレビで名を売り国会にという今はやりのパターンで国会議員になったのだが、声を大にして原発反対を叫んでいたのだから決議に賛成しするのかスジというものだろう。日本の原発は反対でも、北朝鮮の核は賛成ということでは自己撞着もいいところである。中核派など新左翼の支援を受けているから北に遠慮があるのかもしれない。

議員に向かい手を合わせて焼香のポーズで叱責処分

議員に向かい手を合わせて焼香のポーズで叱責処分

それにしてもろくでもないパフォーマンスが過ぎる。 2013年10月31日、園遊会において、今上天皇に書簡を直接手交したり、昨年の参院本会議での安倍晋三首相の問責決議案採決の際に、喪服を着用して焼香するしぐさをした。「参院の品位と節度を失墜する行為だ」と議長から叱責を受け、同党の小沢一郎代表からも「『本気でやっているのはわかるけれども、それをふざけてると取られてしまえば、君のやっていることが元も子もなくなる』といわれた」と本人が語っているくらいだから、党の中でも浮いている存在だ。

3年前の衆院選で小沢一郎の生活の党が獲得議席を2に減らす惨敗を喫し、国会議員数4となって政党要件を失って政党助成金も受けられなくなっていた年末に、窮余の策として一匹狼の山本を誘いこんでかろうじて面子を保ったものの、政党名は「生活の党と山本太郎となかまたち」という長ったらしいものになったいきさつがある。おかげでその後NHKはじめ新聞はこのバカらしい寿限無寿限無党名に煩わせ続けている。

今年参議院選挙があるが、山本太郎は非改選議員で任期はまだ半分ある。早く消えてもらいたいものだが、当分ろくでもないパフォーマンスに悩まされるのだろう。

こんなにリラックスしてええんかい

穏やかな正月はずーっと寝正月。「慰安婦」日韓合意、サウジアラビアがイランと国交断絶、北朝鮮「水爆」実験と大ニュースが続きましたが、勝手にしてくれとブログを書く気にもならず、起きては日本酒、酔ってはうたた寝。

ブログ子ほどしたたかになると、韓国がまた蒸し返す確率は50%だな。かつて中東を飛行機から見下ろしていたことがあるが、数時間ずーーと赤茶けた大地ばかり。スンニ派だろうがシーア派だろうがこんな不毛の大地で争う人間て愚かな存在であることよ。北朝鮮の若大将の髪型は「覇気ヘア 」というらしいが、あと何年かしたらムッソリーニのような終末をむかえるのではないかなどなど、酒のつまみに考えるのである。

神田で呑んだ間柄の加藤達也・産経前ソウル支局長の賀状には「一昨年8月以来の”懸案”年末完全終結しました。1年4か月の間ご心配をおかけしました・・・」とあり、無罪判決を勝ち取ったとき快哉を叫んだが、ますます酒がうまくなったものである。

こんなにりらっくすしてええんかい

こんなにりらっくすしてええんかい

気が付いたら松が取れていたのだが、そんなこんなのブログ子の正月の心境を的確に表したネコの動画があった。「そんなにリラックスしてええんかい」という、実にのびのびとした画像をお届けする。今年もよろしく。

https://www.youtube.com/watch?v=rRVx3NLv7zQ&feature=em-subs_digest-g-vrecs(クリックで動画にジャンプ)

10億円で「慰安婦像」と「告げ口外交」に終止符

暮れも押し詰まって、御用納めの日にわざわざ韓国に出向くのだからそれなりの妥結に向かうのだとは思っていたが、結果は表題のようなことになった。10億円でろくでもない韓国の行動に歯止めがかかるなら良しとしなければならいだろう。

合意を受け韓国の尹炳世外相(右)と握手する岸田外相

合意を受け韓国の尹炳世外相(右)と握手する岸田外相


岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は28日午後3時過ぎからの共同会見の内容はこれまで断片的に報道されてきたことで、安倍首相はほとんど固まった段階で岸田外相を韓国に送り出したのだろう。

合意文書によると、日本政府は同問題で「責任を痛感」するとともに、安倍晋三首相が「心からおわびと反省の気持ち」を表明。元慰安婦支援のため、韓国政府が財団を設立し、日本政府の予算で10億円程度の資金を一括拠出する。慰安婦問題について両国は不可逆的に解決することを確認するとともに、互いに非難することを控えることで一致した。10億円は「国家賠償ではない」(岸田外相)と強調した。

岸田外相は、慰安婦問題について「当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している」と指摘。さらに、安倍晋三首相の言葉として「慰安婦として多くの苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べた。従来から何べんも繰り返した言葉で、なんら妥協したものではない。ただ、毎度、韓国が蒸し返して、しかもその落としどころをしょっちゅう変えるという「動くゴールポスト」を演出してきた。

慰安婦にもこれまで何度も金を出してきたが、韓国政府が受け取って渡さなかったり、アジア助成基金なるものも慰安婦側が日本の公式謝罪なしなら受け取らないなど、うんざりするほど屁理屈を繰り返してきた。最大の問題、日本大使館前の慰安婦「少女像」について尹外相は、「関連団体と協議して韓国政府として適切に解決するよう努力する」と強調、慰安婦問題に関して今後国際社会で日本批判を自制することも約束した。

民間団体が設置したもので政府が口出しできないと逃げを打ってきた韓国政府が「努力」というものの約束したからには裏で圧力団体「韓国挺身隊問題対策協議会」を抑えられるという確信があってのことだろうから、あとは向こうの出方をみきわめればよいことだ。10億円の使い道も韓国がつくる財団が慰安婦の医療や心のケアにあたるというもので女性たちに直接渡るものではないようだから、いつもの「ゆすり」ではなく使われると信じよう。

まあ、日本側はこれまで何べんも繰り返してきたことを再度口にして、謝罪と反省を公言したわけで、それに加えて10億円の支出なら安倍外交の勝利といってよい出来栄えである。

中国の人災現場はみなショーである

20日午前11時40分ごろ、広東省深圳市北部郊外にある工業団地の近くの山で土砂崩れが発生し、工場や宿舎30棟あまりが倒壊、多数が生き埋めとなった事故。同市と周辺都市から駆けつけた複数の消防団が生命探知機などを使って1500人態勢で捜索しているが70人以上が行方不明となっている。

不法投棄され高さ100メートルほどに積みあがった残土が雨水を吸って崩壊、土砂崩れが起きたもので、政府は人災と断定、崩れた残土置き場を管理していた市の緑化事業関連会社の男性幹部1人を拘束した。残土置き場の事業は2013年夏に地元当局が入札を実施、市の別の不動産関連会社が落札し、この緑化関連会社に75万元(約1400万円)で転売したという。実際の管理は、この会社が行っていた。

おそらくは汚職の上に汚職を重ねて残土が山積みにされたのだろうが、下っ端の会社幹部一人を拘束してその上で甘い汁を吸っていた共産党幹部が追及されることはないのだろう。国営新華社通信によると政府は23日、国土資源相をトップとする調査チームを発足させたそうだが、まあ行きつく先はいつものあやふやな結論だろう。

最近、『権力闘争がわかれば中国がわかる』(さくら舎)という本を読んだ。著者の福島香織さんは以前、産経の香港支局長や中国総局記者をしていた女性で、現在は退社してフリーのジャーナリストをしているが、現役のころから突撃取材ぶりが面白くて愛読していた。彼女のいうには表題のごとく中国のことは権力闘争の面から解析するとよくわかるという、習近平主席がすすめる「反腐敗キャンペーン」の「蠅も虎も退治する」という大衆受けする政治もみな権力闘争だ。

「中虎」の薄煕来、周永康、徐才厚、郭伯雄ら「4人組」を失脚させ、連座して200名以上の『幹部』を拘束したが、庶民の期待する『大虎』すなわち江沢民、曽慶紅、李鵬らは今後追求の手が及ぶと見られるが、関連する共産党幹部は大変な数に上る。それらがみな保身のために動く。

Excavators are seen during rescue operations at an industrial estate hit by a landslide in Shenzhen, Guangdong province, December 23, 2015. REUTERS/Kim Kyung-Hoon       TPX IMAGES OF THE DAY      - RTX1ZU0G

Excavators are seen during rescue operations at an industrial estate hit by a landslide in Shenzhen, Guangdong province, December 23, 2015. REUTERS/Kim Kyung-Hoon TPX IMAGES OF THE DAY – RTX1ZU0G


深圳の現場も彼女の解説を読んでからみるとよくわかる。いい例が世界を仰天させた重機の大量動員である。何百台というパワーショベルが崩落現場の上に所狭しと並んでいる。下で埋まっている人間が押しつぶされると抗議の声が上がったが当局は構わず作業を進めた。

ブログ子は当初 残土を崩すため上と下の重機は連携して土を下へ下へと下ろしているのだろうと思った。しかし動画を見て分かったが、それぞれの重機は互いに連携することなく勝手に穴を掘っているのである。最上段の重機など土の堆積量からみて数十メートル掘らなければ、つまり穴の底まで達しなければ埋まった建物まで行きつかないと思われる。

「命の握手」というキャプションが付いた救出写真

「命の握手」というキャプションが付いた救出写真

つまり、これは当局が現場の住民や国民の不満が爆発するのを恐れて、やってますよというのを見せるためのショーなのである。23日早朝、1人が救出された。重慶市から出稼ぎに来ていた田沢明さん(21)。骨折や皮膚の壊死はあったが、意識はしっかりしていた。崩れた建物の隙間にいて空気が確保でき、周りに食べ物もあったことが生存につながったとみられる。田さんも中から石ころで音を発して外部に救出を求めていた。

新華社は、武装警察官が土中から出た男性の手を握る様子を「命の握手」と大々的に伝えた。住民の不満は高まっているようだが、そうした動きは市民が勝手に発信する微博(ウェイボー)などのソーシャルメディアでしかうかがい知れない。報道管制が徹底していてこういう当局の意向に添った写真しか許されないのである。

終電で乗り過ごしたとき、賢い酔っ払いは‥

忘年会シーズンに合わせて、東京・多摩西部を中心に路線バスを運行する西東京バス(本社・八王子市)が、JR中央線の中央特快最終電車で終点の高尾駅にたどり着いてしまった乗客を“救済”するバスの運行を始めた、という。

高尾駅の終バス

高尾駅の終バス


中央線は、新宿駅を午前0時11分に出発する中央特快高尾行きを利用して寝過ごしてしまうと、高尾駅到着は0時55分で、接続する上り電車はない。また、高尾山にほど近く、周辺に夜を明かすことができる施設も少ないため、週末などは駅近くで立ちつくす人も少なくないという。この救済バス、12日は6人、19日は24人が利用したそうだ(写真右)。

親切な世の中になったものだ。酔っぱらって終電で家のある駅を乗り過ごすこと4度5度、いや数え切れないブログ子の若き頃、ベテランを自称していて、「初心者」によく以下の心得を伝授したものである。

ブログ子は大阪育ちである。首都圏の人には耳慣れない駅名だろうが、社会部仲間などとキタやミナミで飲んでべろべろになって、難波駅にたどり着く。南海高野線の終電に乗るのだが、下車駅の狭山という駅まで40分ほどある。熟睡するにちょうどいい時間である。当然乗り過ごす。今ではかなり大きな駅になったようだが、大阪平野の南端に位置する河内長野という4つ5つ先の駅で目が覚めれば宿もあるしタクシーもある。

ところがここで目覚めることはまずない。やがて電車は山間部に入っていく。三日市とか千早口とか、天見とかいう、来年の大河ドラマ真田幸村の舞台になったところだが、急激に気温が下がってくる。冬でも夏でもだいたいこのあたりで目が覚めるのだが、あわてて下車する者は初心者である。

真田幸村が隠れ住んだようなところだから、駅前には宿もなければタクシーもない。下りたら途方に暮れるのだ。ブログ子のようなベテランはどうするか、悠然とさらに先の橋本駅まで乗り越すのだ。ここはもう和歌山県で、すぐそばを紀ノ川が流れている。有吉佐和子の「華岡青洲の妻」の舞台である。

まだ慌ててはいけない、駅前にはタクシーがあるが、来た道を山越えで戻るからべらぼうな時間と金がかかる。そこで賢者は宿泊を選ぶ。駅長に頼むとしかるべき駅前旅館と掛け合ってくれる。むこうは馴れたもので深夜の酔っ払いのために布団を敷いて待っている。

すってんてんまで飲んでいるから金がない。どうするか。母親に電話する。おふくろも慣れたもので、最寄りの狭山駅の駅員に頼んで始発の運転士に現金を託してくれる。田舎の私鉄なのでみな親切で、運転士か駅長が旅館までその金を届けてくれる。そこで支払って、来た鉄路を戻るのだが、自宅のある駅は通り過ごして、まっすぐ終点の難波駅まで行く。そして何食わぬ顔をして新聞社に出勤するのである。

かくのごとき秘策を多くの後輩記者に伝授してきたものだが、今ではバス会社が「帰りの便」の心配をしてくれる。軟弱な酔っ払いが増えるわけである。

こちらも まずはよかった「産経前支局長に無罪判決」

韓国の朴槿恵大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する判決公判が17日、ソウル中央地裁であり、李東根(イ・ドングン)裁判長は無罪判決(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

ブログ子は法廷が有罪判決を出した場合、国際関係の中で韓国がどれだけ孤立無援になるか考えると、まずありえないとは思った。ただこの国が政府も司法も「反日無罪」一本やりであることから『執行猶予付き有罪判決』の政治的決着に出るのではないかと憂慮した。これまでの例でも枚挙にいとまがないからだ。

無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也前ソウル支局長

無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也前ソウル支局長

ところがはっきりとした無罪判決だった。李裁判長はソウル大法学部卒の49歳。ドイツの司法制度に関する著作があり、国際感覚に優れているとの評価がある人物だったことも幸いした。アメリカはじめ自由主義国家から韓国の「報道の自由」のあり方に山のような憂慮が寄せられたことも大きかった。誹謗目的の有無が焦点となる中、米国人記者のドナルド・カーク氏、西日本新聞の植田祐一ソウル支局長、上智大の田島泰彦教授が弁護側証人として出廷し、「刑事訴追されなければならないような記事ではない」などと証言したことも大きく勘案されたと思う。

誰が考えてもおかしな裁判であった。名誉毀損事案は日本では当事者の告発が普通だか韓国では、右翼団体リーダーの告発でソウル中央地検が情報通信網法における名誉毀損(7年以下の懲役または5千万ウォン=約530万円=以下の罰金)で在宅起訴した。市民の告発で受理される不可思議。であるならば、朴大統領が否定すればよさそうなものだが今に至るもだんまりというのも情けない話である。大統領府の意思を疑われても仕方がない。これくらいの事案で加藤前支局長を長期間出国停止にしたこともうなづけない。

とびきり仰天したのは裁判の冒頭で披瀝された韓国外交省が検察を通じて裁判所に提出した要請という文書である。「日本側からは政経あるいは政府関係者を含む各界の人々が多様なチャンネルを通じ、韓日国交正常化50周年にあたり韓日関係改善のなかで、事件が相当な障害要因になっていることを指摘、両国関係発展という大局的な次元で、日本側の要請を真摯に考慮されることを望みたい」というのだ。

行政が司法に要請など日本ならありえないことである。つまりこの国では日常茶飯事的に大統領府や世論や行政が司法に介入しているのである。こんなことでは彼らのいう「従軍慰安婦」なるものの先行きもすべて政治的パフォーマンスであることになる。

前に書いたが、ブログ子は後輩である加藤達也記者とは神田で何度も一緒に呑んだ仲である。記者会見で見るようなしっかりした好青年である。原稿もしっかりしていて将来が嘱望される。落ち着いたらもう一度呑みに行きたい。

 

まずはよかった、「夫婦同姓」合憲判決

夫婦が同じ姓を名乗る民法の規定について最高裁大法廷は合憲とする初判断を示した。夫婦が同一姓にすることは社会に定着し「家族の呼称として意義がある」と認め、「強制」などとする見方を否定した。また姓を変えることの不利益は旧姓の通称使用が広まることで「緩和され得る」とした。

最高裁大法廷

最高裁大法廷


夫婦同姓は、けっして男女差別を助長したり、個人の人格を傷付けたりするような制度ではないことが明確にされたわけだ。原告団長の塚本協子さん(80)は「名前は譲れない命そのもの。別姓を望む人たちを救済してください」と訴える。榊原富士子弁護団長は、「氏は人生に深く根ざし、失えば個人の尊厳が失われる」と叫ぶが、はたしてそうだろうか。

「別姓を望む人たち」は通称使用でなんら不自由なく活躍している例はブログ子の周りの女性記者にもたくさんいる。2、3度再婚してその都度姓を変えていたのではやってられないという人や、旧姓で名前が売れている人だが、ことさら「救済」する必要があるとは思えない。現行で十分だ。「名前は命そのもの」「氏は人生に深く根差す」‥その通りではあるが、ことさらに言い募る別姓論者の方が家族制度を破壊するのではないか。

最高裁判決はメディアのスタンスもあぶりだした。翌日の紙面を見ると。「司法の踏み込んだ判断に期待した人たちからは落胆の声が漏れる。女性の社会進出が進み、変わり続ける現実に、法律はいつ追いつくのか」(毎日新聞)。「判決は日本での女性の権利が後退したと見なされる。日本は夫婦別姓が法的に認められない数少ない先進国だ」(英紙ガーディアン)。

朝日も、15人の裁判官のうち、反対した女性裁判官3人全員と2人の男性裁判官に焦点をあてて「女性のみが自己喪失感などの負担を負っており、例外規定を認めないことは憲法が保障する個人の尊重や男女の平等に根ざしていない」という反対意見や「違憲とするだけでなく国の損害賠償責任も認めるべきだ」(山浦善樹裁判官)などをことさらに取り上げている。朝日の社是もまた夫婦別姓であることが見え見えである。

共産党の穀田恵二国対委員長は「判決は夫婦同姓の強制を行うことになり、女性差別の規定。不当な判決だ」と語っている。夫婦別姓論者はそろって共産党と同一轍(わだち)であることを見ると、彼らがもくろむところもまた見えてくる。

「1+1」の計算ができない民主×維新

民主党と維新、統一会派で合意

民主党と維新、統一会派で合意

民主党の岡田代表と維新の党の松野代表が会談し、来年夏の参議院選挙での連携を強化するため、来年の通常国会に向けて統一会派を結成することで正式に合意し、今後、野党勢力の結集を目指して、各党などに協力を呼びかけることを確認した。(11日、写真右)

岡田氏は「両党での1足す1が、3にも4にもなるようなパワーを発揮して安倍政権の暴走をしっかりチェックしたい」と語ったが、算数ができないようである。

維新が分裂して「大阪維新の会」と「維新の党」に分かれたとき、このブログで「庇を借りて母屋を取るニヤけた男2人」 というのを書いた。みんなの党の渡辺喜美代表がスポンサーから借りた8億円の使い道で指弾されて落選したとき、8億円のおかげで当選したみんなの党の14人を引き抜いて結いの党を結党し、さっさと維新の党に合流、共同代表に収まった江田憲司と借金漬けのくせにフェラーリを離さない松野頼久のことを揶揄したものだ。

松野代表は統一会派のさきに民主党がつくる新党を夢見ているようだが、だれがそんな手に乗るかと民主党内ではせせら笑っているようだ。

直近の世論調査(産経新聞社とFNNによる12、13両日調査)によると、安倍晋三内閣の支持率は47・8%で前回より3・6ポイント上昇、自民の支持率も4ポイント増の37・9%だった。結党後初の調査となったおおさか維新の支持率は4・4%。維新は1・1%。民主の支持率は9・4%と一ケタ台、民主と維新の新党構想に対しては54・7%が「新党を作るべきではない」と答えた。

維新の支持率は大阪維新の会の4分の1の1・1%である。これでは「1+1」の計算は、よくて「1」へたすれば「0」にしかならないのが明白だ。つまり雲散霧消である。

色事師、石田純一のおかしな平和論

色事師、石田純一の平和論

色事師、石田純一の平和論

上のようなタイトルを掲げるとまたぞろ「芸能人は政治に口出しするなという差別主義だ」などといわれるのだろうが、俳優の石田純一(61)が安保関連法の廃止を求める学生グループ「SEALDs(シールズ)」などがひらいた集会に出てきては、どこから聞いてきたのか、盛んに「反知性主義」なることばを叫んでいる。

「ちょっと酒を飲んでも、街を歩いていても、『君の言っていたことは間違っている。中国が攻めてきたら丸腰でどうやって戦うんだ』とよく言われる」。こうした懸念が「反知性主義」なのだという。「SEALDs(シールズ)」は共産党の下部組織「民青」が名前を変えただけと認識しているが、彼らが盛んに安保関連法を「戦争法案」と言い募る口車に乗っただけでどこまでわかっているのか疑わしい。この法案は、ことあるごとに国会承認を求めているといっても聞く耳を持たない。

聞きかじってきたことが丸わかりの場面があった。朝鮮半島有事や台湾海峡有事を想定した周辺事態法は、安保関連法の一部として重要影響事態法に改められた。自衛隊の活動範囲に地理的制約がないことを明確にした上で、支援対象を米軍以外にも拡大し、支援メニューも増やしたのだが、これについても石田純一は壇上から大声で「重要『環境』事態法」と叫んでいた。

この周辺事態法はあくまでも自衛隊による米軍への後方支援を定めた法制であり、「自衛権の行使」とは異なる。ところが石田純一によると、「小渕(恵三元首相)さんも言っていた。『日本の周辺だ。ここは守れる』。これを個別的自衛権という」というから訳が分からない。

彼の解説より芸能評論家の解説の方がよく分かった。「彼はどうすればマスコミが自分を取り上げるか、よく分かっており、自分自身をうまくプロデュースできる人なんです。デモや集会への参加も、政治的な意図よりも、話題になるかどうかを計算しているんです」(芸能評論家の肥留間正明氏)。不仲がささやかれる妻、東尾理子(40)が関西ローカルのバラエティー番組で、「2回も離婚して、何人も子供を育てて、慰謝料や養育費を払い続けて、主人は貯金なんかないですよ」(夕刊フジ)。安保法制反対も営業活動の一環とみるほうがよさそうだ。

多くの「サユリスト」がいる吉永小百合も近頃盛んに平和論をぶっている。先日、テレビ朝日系「報道ステーション」に出演し、「武器を持たな いということが、積極的平和主義だと思います」と発言していた。古舘伊知郎キャスターは「そうですね」と嬉しそうに応じていたが、一方的に平和条約を破棄して樺太・満州に攻め込んで殺人と強姦を繰り返したソ連を思い出してもらいたいものだ。現在だって朝鮮半島や中国情勢をみて通じる話かどうか分かりそうなものだ。積極的平和主義ではたぶん強姦されるのだが、それでいいのか。サユリストでなくても悲しい話だ。

ブログ子は吉永小百合とは並んで食事をしたことがある。それほど親しいわけではなく、ある作家の法要の席で隣り合って雑談しながら洋食を食べただけだが。このところメディアへの露出が多いのは今日12日封切の山田洋次監督の「母と暮せば」に出ている関係だ。長崎の原爆で死んだ息子と残された母親の物語で吉永が母親役を演じているのだが、武器を持たない積極的平和主義が通じる世の中かどうかじっくり考えてもらいたいものだ。

久しぶりに剛腕の政争を見た

自民、公明両党は10日、平成29年4月の消費税率10%引き上げ時に導入する軽減税率(8%)の対象を生鮮食品と加工食品を含めた食料品全般とすることで大筋合意。この項を書いているときにはまだ決定していないが、当初案にはなかった外食まで含めて、必要となる財源は1兆3000億円規模になるという話もある。

いくら公明党融和策とはいえ当初の4000億円から一気に1兆3000億円の大盤振る舞いである。増えた9000億円の税収はどうするのか、財務省でなくとも心配になるが、ここではそれはわきに置く。

抵抗する財務省と、その意を受けた自民党税調を向こうに回して、更迭、はては役人の官邸出入り禁止など力ずくで押し切った菅義偉官房長官の剛腕に久しぶりに「政治力」というものを見た。
俺に黙って総理に会うとはどういうことだ
財政はその昔の大蔵省の時代から役人が仕切ってきた。自民党税調はその意を受けて根回しするのがパターンだった。今回も財政規律至上主義を前面に出して財務省は「4000億円が限度」と言ってきた。

剛腕の第一は安倍首相である。今年10月、安倍晋三首相が6年間も税調会長として君臨した野田毅氏を、電話一本で更迭した。野田氏は今夏、財務省幹部とともにマイナンバー制度を活用して増税分を上限付きで還付する案をぶち上げたが、公明党の支持母体の創価学会が「痛税感の緩和にならない」と反発。これを受けたものだった。

ところが、税調会長の後任に指名した宮沢洋一氏が野田氏以上に税制の原則論にこだわり、財源は社会保障・税一体改革の枠内で捻出できる「4千億円以内」に抑えるよう主張した。平成24年に一体改革の3党合意にサインした谷垣禎一幹事長と、国の財政健全化を重視する稲田朋美政調会長が宮沢氏を後押しした。党税調と党3役の意向が一致したとあっては普通はこれで決まりである。

実際、安倍首相もこれで行こうとしたようだ。首相が20カ国・地域(G20)首脳会議など外遊の最中、20時間だけ一時帰国した11月17日、稲田氏は安倍首相に電話をかけ、「軽減税率の財源は、あくまで一体改革の枠内でいいんですよね」と尋ねた。首相は「それで結構。安定財源を充てなければならない。谷垣さんが妥協しないよう、しっかり支えてほしい」と答えている。同日には、谷垣、稲田両氏と二階俊博総務会長、高村正彦副総裁、宮沢氏らが党本部で密会し、一体改革の枠内を堅守する方針を確認している。

zaigenこれをひっくり返したのが菅官房長官の「第二の剛腕」である。安倍晋三首相が谷垣幹事長ら自民党幹部と会談した11月24日朝。会談を知った菅義偉官房長官は、「俺に黙って総理に会うとはどういうことだ」と声を荒らげた。さらに、宮沢洋一税調会長が記者団に「首相は『一体改革で捻出できる4千億円の枠内』に理解を示した」と説明したことを知り、さらに激怒。約2時間後の記者会見では「私は『枠内』とは聞いていない」と異例ともいえる打ち消しに出た。

さらに、菅氏ら官邸サイドは財務省に対し、4千億円の1・5倍となる6千億円の財源を確保するよう厳命。麻生太郎副総理兼財務相は29日、都内のホテルで開いた立党60年記念大会で、同席したベテラン議員に「菅は勇み足をした」と苦々しく語った。

だが菅氏の攻勢はとまらない。財務省の田中一穂次官を議員会館の自室に呼び「対象品目を広げられるよう、財源を探してほしい」と重ねて指示。田中氏が4千億円以上の支出に難色を示すと、「財務省はできないとしか言わない」と協議を5分で打ち切り、田中氏を退席させ、田中氏と同省の佐藤慎一主税局長に「官邸への出入り禁止」を通告した。(産経)

さらに菅氏は、周辺には軽減税率制度が整わなければ29年4月の消費税率10%への増税を見送る可能性を示唆する発言を繰り返すようになる。頑強だった党執行部の切り崩し工作にも乗りだし、8日に自民党の二階氏と電話などで協議。これ以降、二階氏は周囲に「公明党への選挙協力費として、財源の上積みは避けられない」と語り出す。

 
自民党内には、自分たちの頭越しに巨額の財源捻出を決めた菅氏に対し、「まるで独裁政治だ」(幹部)とやっかむ声も聞かれるという。

公明党の強引さには首をかしげるが、来年の参議院選挙では公明党の協力なしには戦えない現実がある。そのためには財源も、税調も、官僚もあるものか。その一点突破、これが菅官房長官の「政治力」である。役人を振り回す政治家は田中角栄以来である。

野坂昭如 ノーリターン

「火垂るの墓」などで知られる直木賞作家で、タレントとしても活躍した野坂昭如さんが9日午後10時37分ごろ、心不全のため東京都内の病院で死去した。85歳。

nosaka「焼跡闇市派」でもなく「無頼派」でもないが野坂昭如の訃報にはいささかの感慨がある。最初に出会ったのは新宿ゴールデン街の文化人が集まるバーだった。当時ブログ子がよく連れだって飲み歩いていた作家の田中小実昌が連れてきた。同じ直木賞作家だということや、焼け跡派として共有するものがあったのかもしれない。田中は進駐軍用将校クラブでバーテンダーをしていたことがあるし、野坂も「火垂るの墓」にあるように神戸大空襲で家を焼かれ、疎開先の福井県で義妹を栄養失調で失うなど戦後の辛酸をなめた。また片や窃盗容疑で起訴され、簡易裁判所で罰金刑(田中)、万引きなどが発覚し、少年院(野坂)という非行歴も引き付けたのかもしれない。

このバーでブログ子はおかまと大喧嘩した。しつこく絡むので「おかまは嫌いだ」と言ったら近所の仲間4人ほど引き連れてきてそばの電車道に呼び出された。酔っぱらっているのでこまかいやり取りは覚えていないが、おかまといっても屈強な男だからまず勝ち目はない。田中小実昌がこのあたりの「顔」であることを生かして取りなしてくれたので事なきを得た。席に戻ると野坂昭如が「おかまには一発”かま”してやれ」とへべれけの舌で洒落のめした。

ブログ子は「八ヶ岳の東から」というホームページを書いている。そのなかで 「マッチ売りの少女」というのを書いた。大阪社会部で釜ヶ崎を担当したときのことで天王寺公園に出没する怪しの人影を紹介した。マッチ1本灯(とも)している間だけ、スカートの中を覗かせる「営業」だが、これを読んだ大学の文学部で日本文学を専攻、野坂昭如の小説「マッチ売りの少女」の研究・調査をしているという学生氏から教わったのだが、ブログ子とほぼ同じころ野坂昭如も釜ヶ崎のドヤ暮らしをしていて、この時の体験で書いたものだという。

その後パーティーで顔を合わせるくらいで深い話もしなかったが、1990年10月、大島監督と女優・小山明子の結婚30周年を祝うパーティーで泥酔状態の野坂がいいきなり大島監督を殴る事件があったあたりから、あっちの世界に入ったような感じだった。2003年に脳梗塞で倒れたあと、自宅でリハビリを続けながら、すこしずつ書き物をしていたという。訃報を聞いて野坂40代、ブログ子30代のゴールデン街の決闘を思い出した次第。

「PM2・5」とともに中国自壊の始まり

いやはやものすごいものである。初の「赤色警報」が出された北京では8日、微小粒子状物質(PM2・5)の平均濃度が1立方メートルあたり300マイクロ・グラムを超え、日本の環境基準の約9倍となった。中国が独自に算定、つまり自己都合の「大気汚染指数」に換算しても約6倍に相当する。

北京市は、同指数が「200」を超える状態が72時間以上続くと予想される場合、赤色警報を発令すると定めている。だが、11月27日から12月1日にかけて今回を上回るレベルの汚染が続いたにもかかわらず、赤色警報が発令されていなかった。今回はもはや覆い隠すことも不可能になったということだろう。

当然、死者も出ているのだろうが、その数を発表することなどこの国ではありえない。今から63年前のロンドンで名物のスモッグが大発生した。1952年12月5日から9日の5日間、亜硫酸ガスを含んだスモッグがロンドンを覆い、4000名がこの5日間で亡くなり、次の数週間でさらに8000名が死亡、合計で1万2000名がスモッグで命を失い、10万人以上が呼吸器疾患となった。これから類推すると空恐ろしい犠牲者が出ているのではないか。

「PM2・5」で真っ黒な中国

「PM2・5」で真っ黒な中国


中国がしらばっくれた12月1日前後の最悪大気汚染の様子をNASAが宇宙から撮影した画像がある。中国大陸が「赤色警報」に包まれているのが一目瞭然である。「Fog]とあるのはスモッグで、「Haze」(ヘイズ)とあるのがそれより上のPM2・5と思えばよいだろう。「Beijing」(北京)とあるあたりすぐ右側に日本の九州がきれいに見えているが、汚染が日本に及ぶのは時間の問題である。

大気汚染だけでなく経済も急降下の一途だ。成長率の鈍化はよく報道されるところだが、それ以上に、切実なのは、資金の対外流出である。経済分析に疎いブログ子は産経・田村秀男記者の解説を信じているが、それによると「中国の外貨準備は昨年6月末をピークに減り続け、ピーク時に比べ昨年12月末で1500億ドル減、今年3月末2630億ドル減となった。世界一の外準保有を誇っていてもみせかけに過ぎず、内実は外貨窮乏症に悩まされている。多国間銀行であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の看板を掲げて、国際金融市場からの借り入れを容易にしようという算段なのだろう。中国はこのほど、3度目の政策金利引き下げに踏み切った。この利下げは景気ばかりでなく経済政策自体の八方ふさがりの表れであり、自滅のシグナルである」

いたずら犬の「恐縮」集

犬とつきあって面白いことの一つに、彼らは人間でいうところの「恐縮」ということを知っていることである。
以前も紹介したことがあるが、いたずらを見つかった時の、彼らの「恐縮」シーンの動画。
20151124-guilty-dogs
http://useloos.com/mediaplayer/?itemid=38474    (左のURLクリックで飛びます)
恐縮するならはじめからそんなことしなければよいと思うところだが、「わかっちゃいるけどやめられない」のが彼らの本能である。我が家ではゴールデンリトリバーの「エディー」が幼いころいつもこれで叱られていた。
留守にしていて、帰宅したら家のピアノが傾いていた。飼い主にほっておかれた腹いせか、ピアノの脚を齧り切ったのである。

その時の表情が、動画にある彼らの恐縮ぶりと一緒である。切なくも、なつかしい。

「新語・流行語大賞」はもういらない

今年話題となった言葉に贈られる「2015新語・流行語大賞」の年間大賞とトップテンが1日、「現代用語の基礎知識」を発行する自由国民社から発表された。年間大賞には、来日中国人が大量に買い物する「爆買い」と打率3割、30本塁打、30盗塁を達成したプロ野球の柳田悠岐選手(ソフトバンク)と山田哲人選手(ヤクルト)の「トリプルスリー」が選ばれた。

「爆買い」はわかるが、「トリプルスリー」ってなんや。ブログ子はスポーツ面をよく読む方だが、発表まで知らなかったし、口にしたのを読み聞きしたこともない。それはまだしも、トップ10には、「アベ政治を許さない」「一億総活躍社会」「SEALDs(シールズ)」といった政治関連の言葉が3語が選ばれた。

発表会には、「アベ政治を許さない」の発案者としてやってきた、作家の澤地久枝さんが「『アベ政治を許さない』(に関する活動)を毎月3日にやる。皆さんも参加を」と発言。ちゃっかり政治的アピールに余念がなかったという。

こうした選考ぶりにネット上では「政治的に偏りがある」など否定的な声が上がっており、大賞事務局にも「政治関連が多い」などの意見が多く寄せられているという。

恣意的な流行語の選考ばかり

恣意的な流行語の選考ばかり


事務局によると、候補語は同編集部が読者アンケートを参考に約100語を選定。選考委員会メンバーが採点した上で話し合いで50語に絞り込む。メンバーは委員長でジャーナリストの鳥越俊太郎氏に加え、委員で東京大学名誉教授の姜尚中氏、歌人の俵万智氏、女優の室井滋氏、漫画家のやくみつる氏、クリエーティブ・ディレクターの箭内道彦氏、主催する自由国民社の清水均編集長の7人。「左」で定評ある人物がぞろぞろ。

選考委員長を務めるジャーナリストの鳥越俊太郎氏は選評文で「今年は自民・公明が支える安倍政権が衆・参両院で安保法制を強行採決した結果、国民の反対運度(原文のママ)も広がり、政治関連の言葉がどうしても多数となった」といけしゃあしゃあと述べているが、委員長権限での「自家自讃」がみえみえだ。

なお、昨年の同賞でも、年間大賞に「集団的自衛権」と「ダメよ~ダメダメ」が選ばれ、鳥越氏は選評で「アベノミクスに始まり、集団的自衛権の閣議決定とどれをとっても国民の過半数が反対している。なのに安倍政権は? ん~ダメよ~ダメダメ」などと選考にかこつけて政権批判に余念がなかった。

もともと新聞・テレビとも年末になると、その年を総括する言葉をまとめる企画が恒例であった。拾いだすのにブログ子も苦労したものだ。そこを一雑誌社が「代弁」してくれるとあって、新聞社はもちろん「壇上で一度に『絵』にしてくれる」とテレビ局全局も便乗して、マスコミ全部の企画のような恒例行事になったものだ。

でも、こんな意図的に作られる「流行語大賞」などもういらない。

冥王星にみる天文学の進歩

多くの人が太陽系の惑星を「水・金・地・火・木・土・天-海・冥」と太陽に近い順に覚えたはずです。それが周回軌道が変わったといって、順位が「冥・海」の順になり、それどころか2006年には冥王星は惑星から外れてしまいました。

それほど天文学の進歩は早いのですが、それを如実に示す写真があります。ブログ子が高校生時代「地学」で習ったときは冥王星 (英語名 Pluto)には衛星がありその名は「カロン」といい、写真下の左のように曖昧模糊とした存在でした。ブログ子は尿管結石の手術を受けたことがありあり、その時取り出した結石のように、みるからにとげとげしく痛そうな映像でした。

冥王星の衛星「カロン」にみる天文学の進歩。左が1978年当時、右が2015年。

冥王星の衛星「カロン」にみる天文学の進歩。左が1978年当時、右が2015年。


日本語名の「冥王星」は、日本人の野尻抱影が提案した名称で、なにか多くの謎を含んだ冥界のような存在であったのですが、科学の進歩で観測技術がハッブル宇宙望遠鏡から今では探査機ニュー・ホライズンズによって精細な映像が見られることとなりました。

2015年現在、「カロン」の詳細な写真が右です。写真の左右でこれほどの天文学の進歩があるわけです。

原節子、「引退」を守って52年

新聞各紙はこぞって号外を出した

新聞各紙はこぞって号外を出した

原節子(本名・会田昌江=あいだ・まさえ)が9月5日に95歳で死去していたことが2か月後の11月26日にわかった。にもかかわらず新聞各紙は号外を発行した。

若い人にはわからないだろうが、そうした扱いもむべなるかなという存在だった。ブログ子は八千草薫のファンで自分のホームページでさんざその馬鹿っぷりを書き散らしているのでそれほどのショックはないのだが、原節子は「引退」を発表して52年間、それを守り通したことに感嘆するのである。

今回の報道で各社写真を掲載しているが、いずれも昭和20年~30年のスクリーンの写真である、スナップに至っては昭和25年前後の撮影が「一番新しい原節子像」ときている。(右下写真はその一枚)

昭和25年のスナップ

昭和25年のスナップ

引退を発表した昭和38年というのはブログ子が新聞社に入った年である。そんな発表があったという記憶もないが、それから52年、こちらも引退してこんな雑文を書き散らしている。半世紀も隠遁、隠棲生活を守るというのは並大抵のことではない。

漢詩の世界では陶淵明の「帰去来の辞」の「田園 將に蕪れなんとす 胡(なん)ぞ歸らざる」や屈原が汚濁の世に絶望して身を投げた「汨羅(べきら)の淵」を思うところだ。「隠遁」も「隠棲」も世間から「隠れて暮らす」ことだが、前者は「 世の中から逃げ出すように」暮らすことで屈原に近く、後者は「ひっそりと目立たないように」暮らすことで陶淵明に近いか。原節子の生き方は後者の「隠棲」に近い。

もちろんマスコミが放っておくはずがなく、写真週刊誌だか遠くから望遠レンズで隠し撮りしたことがある。表情も定かでなく、ただその手法のあざとさばかりが目に付いた。なにも逃げ隠れしていたわけではなく、近所の男性(76)に「よると、数年前まで、帽子をかぶり、家の前を掃除する原さんをしばしば見かけた。「自然な様子であいさつを返してくれた。大スターというより、普通の主婦という印象だった」という。新聞などもよく読んで世情にも通じていたらしい。

私生活も未婚でゴシップ種がなく、“永遠の処女”とも言われた。これに加えて以上のような隠棲ぶりへの好奇心が重なって神秘性を増した女優だった。引退の理由も明らかにしなかったが、ブログ子は「殉死」したのだと思っている。昭和38年12月12日に生涯独身だった小津安二郎が60歳の誕生日に亡くなった。原節子は通夜に駆けつけて号泣した。記帳には本名の「会田雅江」と書いている。原節子は43歳で恩師に「殉死」したのである。