暮れも押し詰まって、御用納めの日にわざわざ韓国に出向くのだからそれなりの妥結に向かうのだとは思っていたが、結果は表題のようなことになった。10億円でろくでもない韓国の行動に歯止めがかかるなら良しとしなければならいだろう。
岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は28日午後3時過ぎからの共同会見の内容はこれまで断片的に報道されてきたことで、安倍首相はほとんど固まった段階で岸田外相を韓国に送り出したのだろう。
合意文書によると、日本政府は同問題で「責任を痛感」するとともに、安倍晋三首相が「心からおわびと反省の気持ち」を表明。元慰安婦支援のため、韓国政府が財団を設立し、日本政府の予算で10億円程度の資金を一括拠出する。慰安婦問題について両国は不可逆的に解決することを確認するとともに、互いに非難することを控えることで一致した。10億円は「国家賠償ではない」(岸田外相)と強調した。
岸田外相は、慰安婦問題について「当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している」と指摘。さらに、安倍晋三首相の言葉として「慰安婦として多くの苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べた。従来から何べんも繰り返した言葉で、なんら妥協したものではない。ただ、毎度、韓国が蒸し返して、しかもその落としどころをしょっちゅう変えるという「動くゴールポスト」を演出してきた。
慰安婦にもこれまで何度も金を出してきたが、韓国政府が受け取って渡さなかったり、アジア助成基金なるものも慰安婦側が日本の公式謝罪なしなら受け取らないなど、うんざりするほど屁理屈を繰り返してきた。最大の問題、日本大使館前の慰安婦「少女像」について尹外相は、「関連団体と協議して韓国政府として適切に解決するよう努力する」と強調、慰安婦問題に関して今後国際社会で日本批判を自制することも約束した。
民間団体が設置したもので政府が口出しできないと逃げを打ってきた韓国政府が「努力」というものの約束したからには裏で圧力団体「韓国挺身隊問題対策協議会」を抑えられるという確信があってのことだろうから、あとは向こうの出方をみきわめればよいことだ。10億円の使い道も韓国がつくる財団が慰安婦の医療や心のケアにあたるというもので女性たちに直接渡るものではないようだから、いつもの「ゆすり」ではなく使われると信じよう。
まあ、日本側はこれまで何べんも繰り返してきたことを再度口にして、謝罪と反省を公言したわけで、それに加えて10億円の支出なら安倍外交の勝利といってよい出来栄えである。
20日午前11時40分ごろ、広東省深圳市北部郊外にある工業団地の近くの山で土砂崩れが発生し、工場や宿舎30棟あまりが倒壊、多数が生き埋めとなった事故。同市と周辺都市から駆けつけた複数の消防団が生命探知機などを使って1500人態勢で捜索しているが70人以上が行方不明となっている。
不法投棄され高さ100メートルほどに積みあがった残土が雨水を吸って崩壊、土砂崩れが起きたもので、政府は人災と断定、崩れた残土置き場を管理していた市の緑化事業関連会社の男性幹部1人を拘束した。残土置き場の事業は2013年夏に地元当局が入札を実施、市の別の不動産関連会社が落札し、この緑化関連会社に75万元(約1400万円)で転売したという。実際の管理は、この会社が行っていた。
おそらくは汚職の上に汚職を重ねて残土が山積みにされたのだろうが、下っ端の会社幹部一人を拘束してその上で甘い汁を吸っていた共産党幹部が追及されることはないのだろう。国営新華社通信によると政府は23日、国土資源相をトップとする調査チームを発足させたそうだが、まあ行きつく先はいつものあやふやな結論だろう。
最近、『権力闘争がわかれば中国がわかる』(さくら舎)という本を読んだ。著者の福島香織さんは以前、産経の香港支局長や中国総局記者をしていた女性で、現在は退社してフリーのジャーナリストをしているが、現役のころから突撃取材ぶりが面白くて愛読していた。彼女のいうには表題のごとく中国のことは権力闘争の面から解析するとよくわかるという、習近平主席がすすめる「反腐敗キャンペーン」の「蠅も虎も退治する」という大衆受けする政治もみな権力闘争だ。
「中虎」の薄煕来、周永康、徐才厚、郭伯雄ら「4人組」を失脚させ、連座して200名以上の『幹部』を拘束したが、庶民の期待する『大虎』すなわち江沢民、曽慶紅、李鵬らは今後追求の手が及ぶと見られるが、関連する共産党幹部は大変な数に上る。それらがみな保身のために動く。
深圳の現場も彼女の解説を読んでからみるとよくわかる。いい例が世界を仰天させた重機の大量動員である。何百台というパワーショベルが崩落現場の上に所狭しと並んでいる。下で埋まっている人間が押しつぶされると抗議の声が上がったが当局は構わず作業を進めた。
ブログ子は当初 残土を崩すため上と下の重機は連携して土を下へ下へと下ろしているのだろうと思った。しかし動画を見て分かったが、それぞれの重機は互いに連携することなく勝手に穴を掘っているのである。最上段の重機など土の堆積量からみて数十メートル掘らなければ、つまり穴の底まで達しなければ埋まった建物まで行きつかないと思われる。
つまり、これは当局が現場の住民や国民の不満が爆発するのを恐れて、やってますよというのを見せるためのショーなのである。23日早朝、1人が救出された。重慶市から出稼ぎに来ていた田沢明さん(21)。骨折や皮膚の壊死はあったが、意識はしっかりしていた。崩れた建物の隙間にいて空気が確保でき、周りに食べ物もあったことが生存につながったとみられる。田さんも中から石ころで音を発して外部に救出を求めていた。新華社は、武装警察官が土中から出た男性の手を握る様子を「命の握手」と大々的に伝えた。住民の不満は高まっているようだが、そうした動きは市民が勝手に発信する微博(ウェイボー)などのソーシャルメディアでしかうかがい知れない。報道管制が徹底していてこういう当局の意向に添った写真しか許されないのである。
忘年会シーズンに合わせて、東京・多摩西部を中心に路線バスを運行する西東京バス(本社・八王子市)が、JR中央線の中央特快最終電車で終点の高尾駅にたどり着いてしまった乗客を“救済”するバスの運行を始めた、という。
中央線は、新宿駅を午前0時11分に出発する中央特快高尾行きを利用して寝過ごしてしまうと、高尾駅到着は0時55分で、接続する上り電車はない。また、高尾山にほど近く、周辺に夜を明かすことができる施設も少ないため、週末などは駅近くで立ちつくす人も少なくないという。この救済バス、12日は6人、19日は24人が利用したそうだ(写真右)。
親切な世の中になったものだ。酔っぱらって終電で家のある駅を乗り過ごすこと4度5度、いや数え切れないブログ子の若き頃、ベテランを自称していて、「初心者」によく以下の心得を伝授したものである。
ブログ子は大阪育ちである。首都圏の人には耳慣れない駅名だろうが、社会部仲間などとキタやミナミで飲んでべろべろになって、難波駅にたどり着く。南海高野線の終電に乗るのだが、下車駅の狭山という駅まで40分ほどある。熟睡するにちょうどいい時間である。当然乗り過ごす。今ではかなり大きな駅になったようだが、大阪平野の南端に位置する河内長野という4つ5つ先の駅で目が覚めれば宿もあるしタクシーもある。
ところがここで目覚めることはまずない。やがて電車は山間部に入っていく。三日市とか千早口とか、天見とかいう、来年の大河ドラマ真田幸村の舞台になったところだが、急激に気温が下がってくる。冬でも夏でもだいたいこのあたりで目が覚めるのだが、あわてて下車する者は初心者である。
真田幸村が隠れ住んだようなところだから、駅前には宿もなければタクシーもない。下りたら途方に暮れるのだ。ブログ子のようなベテランはどうするか、悠然とさらに先の橋本駅まで乗り越すのだ。ここはもう和歌山県で、すぐそばを紀ノ川が流れている。有吉佐和子の「華岡青洲の妻」の舞台である。
まだ慌ててはいけない、駅前にはタクシーがあるが、来た道を山越えで戻るからべらぼうな時間と金がかかる。そこで賢者は宿泊を選ぶ。駅長に頼むとしかるべき駅前旅館と掛け合ってくれる。むこうは馴れたもので深夜の酔っ払いのために布団を敷いて待っている。
すってんてんまで飲んでいるから金がない。どうするか。母親に電話する。おふくろも慣れたもので、最寄りの狭山駅の駅員に頼んで始発の運転士に現金を託してくれる。田舎の私鉄なのでみな親切で、運転士か駅長が旅館までその金を届けてくれる。そこで支払って、来た鉄路を戻るのだが、自宅のある駅は通り過ごして、まっすぐ終点の難波駅まで行く。そして何食わぬ顔をして新聞社に出勤するのである。
かくのごとき秘策を多くの後輩記者に伝授してきたものだが、今ではバス会社が「帰りの便」の心配をしてくれる。軟弱な酔っ払いが増えるわけである。
韓国の朴槿恵大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する判決公判が17日、ソウル中央地裁であり、李東根(イ・ドングン)裁判長は無罪判決(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
ブログ子は法廷が有罪判決を出した場合、国際関係の中で韓国がどれだけ孤立無援になるか考えると、まずありえないとは思った。ただこの国が政府も司法も「反日無罪」一本やりであることから『執行猶予付き有罪判決』の政治的決着に出るのではないかと憂慮した。これまでの例でも枚挙にいとまがないからだ。
ところがはっきりとした無罪判決だった。李裁判長はソウル大法学部卒の49歳。ドイツの司法制度に関する著作があり、国際感覚に優れているとの評価がある人物だったことも幸いした。アメリカはじめ自由主義国家から韓国の「報道の自由」のあり方に山のような憂慮が寄せられたことも大きかった。誹謗目的の有無が焦点となる中、米国人記者のドナルド・カーク氏、西日本新聞の植田祐一ソウル支局長、上智大の田島泰彦教授が弁護側証人として出廷し、「刑事訴追されなければならないような記事ではない」などと証言したことも大きく勘案されたと思う。誰が考えてもおかしな裁判であった。名誉毀損事案は日本では当事者の告発が普通だか韓国では、右翼団体リーダーの告発でソウル中央地検が情報通信網法における名誉毀損(7年以下の懲役または5千万ウォン=約530万円=以下の罰金)で在宅起訴した。市民の告発で受理される不可思議。であるならば、朴大統領が否定すればよさそうなものだが今に至るもだんまりというのも情けない話である。大統領府の意思を疑われても仕方がない。これくらいの事案で加藤前支局長を長期間出国停止にしたこともうなづけない。
とびきり仰天したのは裁判の冒頭で披瀝された韓国外交省が検察を通じて裁判所に提出した要請という文書である。「日本側からは政経あるいは政府関係者を含む各界の人々が多様なチャンネルを通じ、韓日国交正常化50周年にあたり韓日関係改善のなかで、事件が相当な障害要因になっていることを指摘、両国関係発展という大局的な次元で、日本側の要請を真摯に考慮されることを望みたい」というのだ。
行政が司法に要請など日本ならありえないことである。つまりこの国では日常茶飯事的に大統領府や世論や行政が司法に介入しているのである。こんなことでは彼らのいう「従軍慰安婦」なるものの先行きもすべて政治的パフォーマンスであることになる。
前に書いたが、ブログ子は後輩である加藤達也記者とは神田で何度も一緒に呑んだ仲である。記者会見で見るようなしっかりした好青年である。原稿もしっかりしていて将来が嘱望される。落ち着いたらもう一度呑みに行きたい。
夫婦が同じ姓を名乗る民法の規定について最高裁大法廷は合憲とする初判断を示した。夫婦が同一姓にすることは社会に定着し「家族の呼称として意義がある」と認め、「強制」などとする見方を否定した。また姓を変えることの不利益は旧姓の通称使用が広まることで「緩和され得る」とした。
夫婦同姓は、けっして男女差別を助長したり、個人の人格を傷付けたりするような制度ではないことが明確にされたわけだ。原告団長の塚本協子さん(80)は「名前は譲れない命そのもの。別姓を望む人たちを救済してください」と訴える。榊原富士子弁護団長は、「氏は人生に深く根ざし、失えば個人の尊厳が失われる」と叫ぶが、はたしてそうだろうか。
「別姓を望む人たち」は通称使用でなんら不自由なく活躍している例はブログ子の周りの女性記者にもたくさんいる。2、3度再婚してその都度姓を変えていたのではやってられないという人や、旧姓で名前が売れている人だが、ことさら「救済」する必要があるとは思えない。現行で十分だ。「名前は命そのもの」「氏は人生に深く根差す」‥その通りではあるが、ことさらに言い募る別姓論者の方が家族制度を破壊するのではないか。
最高裁判決はメディアのスタンスもあぶりだした。翌日の紙面を見ると。「司法の踏み込んだ判断に期待した人たちからは落胆の声が漏れる。女性の社会進出が進み、変わり続ける現実に、法律はいつ追いつくのか」(毎日新聞)。「判決は日本での女性の権利が後退したと見なされる。日本は夫婦別姓が法的に認められない数少ない先進国だ」(英紙ガーディアン)。
朝日も、15人の裁判官のうち、反対した女性裁判官3人全員と2人の男性裁判官に焦点をあてて「女性のみが自己喪失感などの負担を負っており、例外規定を認めないことは憲法が保障する個人の尊重や男女の平等に根ざしていない」という反対意見や「違憲とするだけでなく国の損害賠償責任も認めるべきだ」(山浦善樹裁判官)などをことさらに取り上げている。朝日の社是もまた夫婦別姓であることが見え見えである。
共産党の穀田恵二国対委員長は「判決は夫婦同姓の強制を行うことになり、女性差別の規定。不当な判決だ」と語っている。夫婦別姓論者はそろって共産党と同一轍(わだち)であることを見ると、彼らがもくろむところもまた見えてくる。
岡田氏は「両党での1足す1が、3にも4にもなるようなパワーを発揮して安倍政権の暴走をしっかりチェックしたい」と語ったが、算数ができないようである。
維新が分裂して「大阪維新の会」と「維新の党」に分かれたとき、このブログで「庇を借りて母屋を取るニヤけた男2人」 というのを書いた。みんなの党の渡辺喜美代表がスポンサーから借りた8億円の使い道で指弾されて落選したとき、8億円のおかげで当選したみんなの党の14人を引き抜いて結いの党を結党し、さっさと維新の党に合流、共同代表に収まった江田憲司と借金漬けのくせにフェラーリを離さない松野頼久のことを揶揄したものだ。
松野代表は統一会派のさきに民主党がつくる新党を夢見ているようだが、だれがそんな手に乗るかと民主党内ではせせら笑っているようだ。
直近の世論調査(産経新聞社とFNNによる12、13両日調査)によると、安倍晋三内閣の支持率は47・8%で前回より3・6ポイント上昇、自民の支持率も4ポイント増の37・9%だった。結党後初の調査となったおおさか維新の支持率は4・4%。維新は1・1%。民主の支持率は9・4%と一ケタ台、民主と維新の新党構想に対しては54・7%が「新党を作るべきではない」と答えた。
維新の支持率は大阪維新の会の4分の1の1・1%である。これでは「1+1」の計算は、よくて「1」へたすれば「0」にしかならないのが明白だ。つまり雲散霧消である。
「ちょっと酒を飲んでも、街を歩いていても、『君の言っていたことは間違っている。中国が攻めてきたら丸腰でどうやって戦うんだ』とよく言われる」。こうした懸念が「反知性主義」なのだという。「SEALDs(シールズ)」は共産党の下部組織「民青」が名前を変えただけと認識しているが、彼らが盛んに安保関連法を「戦争法案」と言い募る口車に乗っただけでどこまでわかっているのか疑わしい。この法案は、ことあるごとに国会承認を求めているといっても聞く耳を持たない。
聞きかじってきたことが丸わかりの場面があった。朝鮮半島有事や台湾海峡有事を想定した周辺事態法は、安保関連法の一部として重要影響事態法に改められた。自衛隊の活動範囲に地理的制約がないことを明確にした上で、支援対象を米軍以外にも拡大し、支援メニューも増やしたのだが、これについても石田純一は壇上から大声で「重要『環境』事態法」と叫んでいた。
この周辺事態法はあくまでも自衛隊による米軍への後方支援を定めた法制であり、「自衛権の行使」とは異なる。ところが石田純一によると、「小渕(恵三元首相)さんも言っていた。『日本の周辺だ。ここは守れる』。これを個別的自衛権という」というから訳が分からない。
彼の解説より芸能評論家の解説の方がよく分かった。「彼はどうすればマスコミが自分を取り上げるか、よく分かっており、自分自身をうまくプロデュースできる人なんです。デモや集会への参加も、政治的な意図よりも、話題になるかどうかを計算しているんです」(芸能評論家の肥留間正明氏)。不仲がささやかれる妻、東尾理子(40)が関西ローカルのバラエティー番組で、「2回も離婚して、何人も子供を育てて、慰謝料や養育費を払い続けて、主人は貯金なんかないですよ」(夕刊フジ)。安保法制反対も営業活動の一環とみるほうがよさそうだ。
多くの「サユリスト」がいる吉永小百合も近頃盛んに平和論をぶっている。先日、テレビ朝日系「報道ステーション」に出演し、「武器を持たな いということが、積極的平和主義だと思います」と発言していた。古舘伊知郎キャスターは「そうですね」と嬉しそうに応じていたが、一方的に平和条約を破棄して樺太・満州に攻め込んで殺人と強姦を繰り返したソ連を思い出してもらいたいものだ。現在だって朝鮮半島や中国情勢をみて通じる話かどうか分かりそうなものだ。積極的平和主義ではたぶん強姦されるのだが、それでいいのか。サユリストでなくても悲しい話だ。
ブログ子は吉永小百合とは並んで食事をしたことがある。それほど親しいわけではなく、ある作家の法要の席で隣り合って雑談しながら洋食を食べただけだが。このところメディアへの露出が多いのは今日12日封切の山田洋次監督の「母と暮せば」に出ている関係だ。長崎の原爆で死んだ息子と残された母親の物語で吉永が母親役を演じているのだが、武器を持たない積極的平和主義が通じる世の中かどうかじっくり考えてもらいたいものだ。
自民、公明両党は10日、平成29年4月の消費税率10%引き上げ時に導入する軽減税率(8%)の対象を生鮮食品と加工食品を含めた食料品全般とすることで大筋合意。この項を書いているときにはまだ決定していないが、当初案にはなかった外食まで含めて、必要となる財源は1兆3000億円規模になるという話もある。
いくら公明党融和策とはいえ当初の4000億円から一気に1兆3000億円の大盤振る舞いである。増えた9000億円の税収はどうするのか、財務省でなくとも心配になるが、ここではそれはわきに置く。
抵抗する財務省と、その意を受けた自民党税調を向こうに回して、更迭、はては役人の官邸出入り禁止など力ずくで押し切った菅義偉官房長官の剛腕に久しぶりに「政治力」というものを見た。
財政はその昔の大蔵省の時代から役人が仕切ってきた。自民党税調はその意を受けて根回しするのがパターンだった。今回も財政規律至上主義を前面に出して財務省は「4000億円が限度」と言ってきた。
剛腕の第一は安倍首相である。今年10月、安倍晋三首相が6年間も税調会長として君臨した野田毅氏を、電話一本で更迭した。野田氏は今夏、財務省幹部とともにマイナンバー制度を活用して増税分を上限付きで還付する案をぶち上げたが、公明党の支持母体の創価学会が「痛税感の緩和にならない」と反発。これを受けたものだった。
ところが、税調会長の後任に指名した宮沢洋一氏が野田氏以上に税制の原則論にこだわり、財源は社会保障・税一体改革の枠内で捻出できる「4千億円以内」に抑えるよう主張した。平成24年に一体改革の3党合意にサインした谷垣禎一幹事長と、国の財政健全化を重視する稲田朋美政調会長が宮沢氏を後押しした。党税調と党3役の意向が一致したとあっては普通はこれで決まりである。
実際、安倍首相もこれで行こうとしたようだ。首相が20カ国・地域(G20)首脳会議など外遊の最中、20時間だけ一時帰国した11月17日、稲田氏は安倍首相に電話をかけ、「軽減税率の財源は、あくまで一体改革の枠内でいいんですよね」と尋ねた。首相は「それで結構。安定財源を充てなければならない。谷垣さんが妥協しないよう、しっかり支えてほしい」と答えている。同日には、谷垣、稲田両氏と二階俊博総務会長、高村正彦副総裁、宮沢氏らが党本部で密会し、一体改革の枠内を堅守する方針を確認している。
これをひっくり返したのが菅官房長官の「第二の剛腕」である。安倍晋三首相が谷垣幹事長ら自民党幹部と会談した11月24日朝。会談を知った菅義偉官房長官は、「俺に黙って総理に会うとはどういうことだ」と声を荒らげた。さらに、宮沢洋一税調会長が記者団に「首相は『一体改革で捻出できる4千億円の枠内』に理解を示した」と説明したことを知り、さらに激怒。約2時間後の記者会見では「私は『枠内』とは聞いていない」と異例ともいえる打ち消しに出た。
さらに、菅氏ら官邸サイドは財務省に対し、4千億円の1・5倍となる6千億円の財源を確保するよう厳命。麻生太郎副総理兼財務相は29日、都内のホテルで開いた立党60年記念大会で、同席したベテラン議員に「菅は勇み足をした」と苦々しく語った。
だが菅氏の攻勢はとまらない。財務省の田中一穂次官を議員会館の自室に呼び「対象品目を広げられるよう、財源を探してほしい」と重ねて指示。田中氏が4千億円以上の支出に難色を示すと、「財務省はできないとしか言わない」と協議を5分で打ち切り、田中氏を退席させ、田中氏と同省の佐藤慎一主税局長に「官邸への出入り禁止」を通告した。(産経)
さらに菅氏は、周辺には軽減税率制度が整わなければ29年4月の消費税率10%への増税を見送る可能性を示唆する発言を繰り返すようになる。頑強だった党執行部の切り崩し工作にも乗りだし、8日に自民党の二階氏と電話などで協議。これ以降、二階氏は周囲に「公明党への選挙協力費として、財源の上積みは避けられない」と語り出す。
自民党内には、自分たちの頭越しに巨額の財源捻出を決めた菅氏に対し、「まるで独裁政治だ」(幹部)とやっかむ声も聞かれるという。
公明党の強引さには首をかしげるが、来年の参議院選挙では公明党の協力なしには戦えない現実がある。そのためには財源も、税調も、官僚もあるものか。その一点突破、これが菅官房長官の「政治力」である。役人を振り回す政治家は田中角栄以来である。
「火垂るの墓」などで知られる直木賞作家で、タレントとしても活躍した野坂昭如さんが9日午後10時37分ごろ、心不全のため東京都内の病院で死去した。85歳。
「焼跡闇市派」でもなく「無頼派」でもないが野坂昭如の訃報にはいささかの感慨がある。最初に出会ったのは新宿ゴールデン街の文化人が集まるバーだった。当時ブログ子がよく連れだって飲み歩いていた作家の田中小実昌が連れてきた。同じ直木賞作家だということや、焼け跡派として共有するものがあったのかもしれない。田中は進駐軍用将校クラブでバーテンダーをしていたことがあるし、野坂も「火垂るの墓」にあるように神戸大空襲で家を焼かれ、疎開先の福井県で義妹を栄養失調で失うなど戦後の辛酸をなめた。また片や窃盗容疑で起訴され、簡易裁判所で罰金刑(田中)、万引きなどが発覚し、少年院(野坂)という非行歴も引き付けたのかもしれない。
このバーでブログ子はおかまと大喧嘩した。しつこく絡むので「おかまは嫌いだ」と言ったら近所の仲間4人ほど引き連れてきてそばの電車道に呼び出された。酔っぱらっているのでこまかいやり取りは覚えていないが、おかまといっても屈強な男だからまず勝ち目はない。田中小実昌がこのあたりの「顔」であることを生かして取りなしてくれたので事なきを得た。席に戻ると野坂昭如が「おかまには一発”かま”してやれ」とへべれけの舌で洒落のめした。
ブログ子は「八ヶ岳の東から」というホームページを書いている。そのなかで 「マッチ売りの少女」というのを書いた。大阪社会部で釜ヶ崎を担当したときのことで天王寺公園に出没する怪しの人影を紹介した。マッチ1本灯(とも)している間だけ、スカートの中を覗かせる「営業」だが、これを読んだ大学の文学部で日本文学を専攻、野坂昭如の小説「マッチ売りの少女」の研究・調査をしているという学生氏から教わったのだが、ブログ子とほぼ同じころ野坂昭如も釜ヶ崎のドヤ暮らしをしていて、この時の体験で書いたものだという。
その後パーティーで顔を合わせるくらいで深い話もしなかったが、1990年10月、大島監督と女優・小山明子の結婚30周年を祝うパーティーで泥酔状態の野坂がいいきなり大島監督を殴る事件があったあたりから、あっちの世界に入ったような感じだった。2003年に脳梗塞で倒れたあと、自宅でリハビリを続けながら、すこしずつ書き物をしていたという。訃報を聞いて野坂40代、ブログ子30代のゴールデン街の決闘を思い出した次第。
いやはやものすごいものである。初の「赤色警報」が出された北京では8日、微小粒子状物質(PM2・5)の平均濃度が1立方メートルあたり300マイクロ・グラムを超え、日本の環境基準の約9倍となった。中国が独自に算定、つまり自己都合の「大気汚染指数」に換算しても約6倍に相当する。
北京市は、同指数が「200」を超える状態が72時間以上続くと予想される場合、赤色警報を発令すると定めている。だが、11月27日から12月1日にかけて今回を上回るレベルの汚染が続いたにもかかわらず、赤色警報が発令されていなかった。今回はもはや覆い隠すことも不可能になったということだろう。
当然、死者も出ているのだろうが、その数を発表することなどこの国ではありえない。今から63年前のロンドンで名物のスモッグが大発生した。1952年12月5日から9日の5日間、亜硫酸ガスを含んだスモッグがロンドンを覆い、4000名がこの5日間で亡くなり、次の数週間でさらに8000名が死亡、合計で1万2000名がスモッグで命を失い、10万人以上が呼吸器疾患となった。これから類推すると空恐ろしい犠牲者が出ているのではないか。
中国がしらばっくれた12月1日前後の最悪大気汚染の様子をNASAが宇宙から撮影した画像がある。中国大陸が「赤色警報」に包まれているのが一目瞭然である。「Fog]とあるのはスモッグで、「Haze」(ヘイズ)とあるのがそれより上のPM2・5と思えばよいだろう。「Beijing」(北京)とあるあたりすぐ右側に日本の九州がきれいに見えているが、汚染が日本に及ぶのは時間の問題である。
大気汚染だけでなく経済も急降下の一途だ。成長率の鈍化はよく報道されるところだが、それ以上に、切実なのは、資金の対外流出である。経済分析に疎いブログ子は産経・田村秀男記者の解説を信じているが、それによると「中国の外貨準備は昨年6月末をピークに減り続け、ピーク時に比べ昨年12月末で1500億ドル減、今年3月末2630億ドル減となった。世界一の外準保有を誇っていてもみせかけに過ぎず、内実は外貨窮乏症に悩まされている。多国間銀行であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の看板を掲げて、国際金融市場からの借り入れを容易にしようという算段なのだろう。中国はこのほど、3度目の政策金利引き下げに踏み切った。この利下げは景気ばかりでなく経済政策自体の八方ふさがりの表れであり、自滅のシグナルである」
犬とつきあって面白いことの一つに、彼らは人間でいうところの「恐縮」ということを知っていることである。
以前も紹介したことがあるが、いたずらを見つかった時の、彼らの「恐縮」シーンの動画。
http://useloos.com/mediaplayer/?itemid=38474 (左のURLクリックで飛びます)
恐縮するならはじめからそんなことしなければよいと思うところだが、「わかっちゃいるけどやめられない」のが彼らの本能である。我が家ではゴールデンリトリバーの「エディー」が幼いころいつもこれで叱られていた。
留守にしていて、帰宅したら家のピアノが傾いていた。飼い主にほっておかれた腹いせか、ピアノの脚を齧り切ったのである。
その時の表情が、動画にある彼らの恐縮ぶりと一緒である。切なくも、なつかしい。
今年話題となった言葉に贈られる「2015新語・流行語大賞」の年間大賞とトップテンが1日、「現代用語の基礎知識」を発行する自由国民社から発表された。年間大賞には、来日中国人が大量に買い物する「爆買い」と打率3割、30本塁打、30盗塁を達成したプロ野球の柳田悠岐選手(ソフトバンク)と山田哲人選手(ヤクルト)の「トリプルスリー」が選ばれた。
「爆買い」はわかるが、「トリプルスリー」ってなんや。ブログ子はスポーツ面をよく読む方だが、発表まで知らなかったし、口にしたのを読み聞きしたこともない。それはまだしも、トップ10には、「アベ政治を許さない」「一億総活躍社会」「SEALDs(シールズ)」といった政治関連の言葉が3語が選ばれた。
発表会には、「アベ政治を許さない」の発案者としてやってきた、作家の澤地久枝さんが「『アベ政治を許さない』(に関する活動)を毎月3日にやる。皆さんも参加を」と発言。ちゃっかり政治的アピールに余念がなかったという。
こうした選考ぶりにネット上では「政治的に偏りがある」など否定的な声が上がっており、大賞事務局にも「政治関連が多い」などの意見が多く寄せられているという。
事務局によると、候補語は同編集部が読者アンケートを参考に約100語を選定。選考委員会メンバーが採点した上で話し合いで50語に絞り込む。メンバーは委員長でジャーナリストの鳥越俊太郎氏に加え、委員で東京大学名誉教授の姜尚中氏、歌人の俵万智氏、女優の室井滋氏、漫画家のやくみつる氏、クリエーティブ・ディレクターの箭内道彦氏、主催する自由国民社の清水均編集長の7人。「左」で定評ある人物がぞろぞろ。
選考委員長を務めるジャーナリストの鳥越俊太郎氏は選評文で「今年は自民・公明が支える安倍政権が衆・参両院で安保法制を強行採決した結果、国民の反対運度(原文のママ)も広がり、政治関連の言葉がどうしても多数となった」といけしゃあしゃあと述べているが、委員長権限での「自家自讃」がみえみえだ。
なお、昨年の同賞でも、年間大賞に「集団的自衛権」と「ダメよ~ダメダメ」が選ばれ、鳥越氏は選評で「アベノミクスに始まり、集団的自衛権の閣議決定とどれをとっても国民の過半数が反対している。なのに安倍政権は? ん~ダメよ~ダメダメ」などと選考にかこつけて政権批判に余念がなかった。
もともと新聞・テレビとも年末になると、その年を総括する言葉をまとめる企画が恒例であった。拾いだすのにブログ子も苦労したものだ。そこを一雑誌社が「代弁」してくれるとあって、新聞社はもちろん「壇上で一度に『絵』にしてくれる」とテレビ局全局も便乗して、マスコミ全部の企画のような恒例行事になったものだ。
でも、こんな意図的に作られる「流行語大賞」などもういらない。
多くの人が太陽系の惑星を「水・金・地・火・木・土・天-海・冥」と太陽に近い順に覚えたはずです。それが周回軌道が変わったといって、順位が「冥・海」の順になり、それどころか2006年には冥王星は惑星から外れてしまいました。
それほど天文学の進歩は早いのですが、それを如実に示す写真があります。ブログ子が高校生時代「地学」で習ったときは冥王星 (英語名 Pluto)には衛星がありその名は「カロン」といい、写真下の左のように曖昧模糊とした存在でした。ブログ子は尿管結石の手術を受けたことがありあり、その時取り出した結石のように、みるからにとげとげしく痛そうな映像でした。
日本語名の「冥王星」は、日本人の野尻抱影が提案した名称で、なにか多くの謎を含んだ冥界のような存在であったのですが、科学の進歩で観測技術がハッブル宇宙望遠鏡から今では探査機ニュー・ホライズンズによって精細な映像が見られることとなりました。
2015年現在、「カロン」の詳細な写真が右です。写真の左右でこれほどの天文学の進歩があるわけです。
若い人にはわからないだろうが、そうした扱いもむべなるかなという存在だった。ブログ子は八千草薫のファンで自分のホームページでさんざその馬鹿っぷりを書き散らしているのでそれほどのショックはないのだが、原節子は「引退」を発表して52年間、それを守り通したことに感嘆するのである。
今回の報道で各社写真を掲載しているが、いずれも昭和20年~30年のスクリーンの写真である、スナップに至っては昭和25年前後の撮影が「一番新しい原節子像」ときている。(右下写真はその一枚)
引退を発表した昭和38年というのはブログ子が新聞社に入った年である。そんな発表があったという記憶もないが、それから52年、こちらも引退してこんな雑文を書き散らしている。半世紀も隠遁、隠棲生活を守るというのは並大抵のことではない。
漢詩の世界では陶淵明の「帰去来の辞」の「田園 將に蕪れなんとす 胡(なん)ぞ歸らざる」や屈原が汚濁の世に絶望して身を投げた「汨羅(べきら)の淵」を思うところだ。「隠遁」も「隠棲」も世間から「隠れて暮らす」ことだが、前者は「 世の中から逃げ出すように」暮らすことで屈原に近く、後者は「ひっそりと目立たないように」暮らすことで陶淵明に近いか。原節子の生き方は後者の「隠棲」に近い。
もちろんマスコミが放っておくはずがなく、写真週刊誌だか遠くから望遠レンズで隠し撮りしたことがある。表情も定かでなく、ただその手法のあざとさばかりが目に付いた。なにも逃げ隠れしていたわけではなく、近所の男性(76)に「よると、数年前まで、帽子をかぶり、家の前を掃除する原さんをしばしば見かけた。「自然な様子であいさつを返してくれた。大スターというより、普通の主婦という印象だった」という。新聞などもよく読んで世情にも通じていたらしい。
私生活も未婚でゴシップ種がなく、“永遠の処女”とも言われた。これに加えて以上のような隠棲ぶりへの好奇心が重なって神秘性を増した女優だった。引退の理由も明らかにしなかったが、ブログ子は「殉死」したのだと思っている。昭和38年12月12日に生涯独身だった小津安二郎が60歳の誕生日に亡くなった。原節子は通夜に駆けつけて号泣した。記帳には本名の「会田雅江」と書いている。原節子は43歳で恩師に「殉死」したのである。
ブログの亭主の趣味でときどき「動物もの」の話題を挿入している。以前ネコが放浪の末家に戻ってきては、「入れてくれ !」と騒ぎ立てる光景を特集したところ、好評を博した(一部で)。で、その第2弾。
勝手な奴らだけど、しょうがないなあ、というその姿態いろいろ。
http://labaq.com/archives/51859592.html (左のURLクリックでサイトに飛びます)
法でさばけない犯罪がある、とはこのブログでしばしば書いてきた。
22日、埼玉県の深谷市から熊谷市にかけての利根川で81歳と74歳の夫婦が死亡しているのが見つかり、警察は川の中で低体温症で倒れていた47歳の三女が無理心中を図ったとして、殺人と自殺ほう助の疑いで逮捕した。
三女は約10年前から認知症の母親を介護してきた。新聞配達で生計を支えてきた父親は、1カ月前に体調を崩して、仕事を辞め、生活の見込みが立たなくなり、父親が『死にたい』というので軽乗用車ごと3人で川に入った「車が止まったので一緒に歩いて水の中に入った」と話しているという。
新聞では実名で報道されているが、助かった三女のこれからを考えるととても実名を載せることはことはできない。殺人と自殺ほう助という罪名は大罪である。執行猶予が付くことを願うが、もし裁判官が実刑を科したならブログ子はためらいなく「人非人」と呼ぶ。このような「犯罪」を裁ける人間などいない。
それにしてもどうして生活保護の申請をしてくれなかったのだろうか。いつも思うことだが実直で、まじめに人生を送ってきた人ほど他人の世話になりたくないと考える。まだまだ不十分ではあろうが、この人たちの申請を却下する行政がこの世にあるとは思えない。
翻って多くの市町村の窓口にはイージーな生活保護申請が殺到している。生活保護の2013年度の不正受給は4万3230件で、前年度より1321件(約3%)増えて過去最多を更新した。支給日にはパチンコ屋と居酒屋が満員になり、暴力団の不正受給も後をたたない。
人づてに聞いた話だが、認知症に加えて人を罵倒したり蹴ったりするせいでデイケアから断られるほどの人を喜んで迎え入れる施設があり、ここでは費用が一日2万円を超えるという。介護保険で本人負担1割だから家族は手間省きに送り込む。儲かるから介護施設は雨後の筍のようにふえる。一方で、くたくたになりながらも親の世話を続ける人たちがいる。「わかっているが、時に声を荒げたり手を上げてしまう」という人もいる。
家人がいうのだが、「誰の世話にもならず生活がおくれるのはありがたいが、そうした人の介護保険料は割り引いてほしい」厚生労働省にはぜ
厳重な警戒下に置かれていたはずの靖国神社でトイレが爆破された。爆破といってもドアが壊れた程度で鉄パイプと乾電池が見つかっていたというから日本の過激派の犯行くさい。日本の過激派は基地に向けたロケット弾発射をしているが2、30年前からこの程度の破壊力にとどまっている。パリの連続テロなどの破壊力と比べると幸い「軽微」にとどまっているが、プラスチック爆弾などが海から入ってくるかもしれない。
テロとの戦いでは情報収集力の強化など遅まきながら対策が練られてきたが、攻める側より守る側が圧倒的に難しいという一面がある。しかも攻める側の何百倍、何千倍もの金がかかると来ている。
守るは難し、というその弱さを見せつけたのが下の写真。
1月16日、トルコのアンタルヤにて閉幕した G20サミット。テロ事件が頻発しているトルコでの開催ということで、治安当局は厳重警戒であたっていた。世界20カ国の首脳が一堂に会するメイン会場はとりわけセキュリティも万全だったはずだ。けれども、その警備陣を楽々と突破したのが……ニャンコ!。
会場はこれから登場する首脳たちを待ってざわざわしていたものの、まだ誰もいないステージの裏から2匹のネコが悠々と登場、もう1匹も続いて前面から檀上に。3匹は、しばらくウロチョロしたあげく、飾りつけの花の匂いを嗅いだりして、ゆったりと退場した。
多くのカメラマンがいたので一斉に「G20 の壇上にネコが登場」と報じ、世界の笑いを誘った。しかし安全上から見るとこれはトルコ警備陣の大失態。ネコやイヌに爆薬や携帯を持たせて刑務所や人ごみに潜り込ませる犯行はいっぱい報告されているのである。
パリ近郊のサンドニのアパートで18日早朝、警察特殊部隊が突入した際、テロ容疑者らとの銃撃戦で、奇襲作戦に参加した警察犬のディーゼルが犠牲となった。
フランス国家警察のツイッターによると、ディーゼルは7歳のメスで、爆発物探知犬として訓練を受けていた。同日早朝から現場に急行し、犯人の女に撃たれて命を落とした。銃撃戦で警察側は5人が負傷したが、ディーゼルが唯一犠牲になった。ディーゼルはベルギー産の牧羊犬マリノワ種。18日の早朝、テロ容疑者を急襲した際、アパートで爆発物を探す任務に当たった。しかし女の容疑者が自動小銃で発砲した末に自爆した際、死んだ。フランス国家警察は「ディーゼルは奇襲作戦実行中に、テロリストに殺害された。ディーゼルは作戦に不可欠だった」と功績をたたえ、インターネット上では殉職を惜しむ声が相次いでいる。
中にいたのはパリ同時多発テロの首謀者とされる過激派組織「イスラム国」(IS)メンバーのモロッコ系ベルギー人、アブデルハミド・アバウド(27)といとこでパリの居酒屋で女給をしていたアスナ・アイトブラセン(26)の二人。女はパリ生まれのモロッコ人とされるが、真っ先に飛び込んだ警察犬に自動小銃を浴びせたのち体に巻いていた爆薬で自爆した。
ディーゼルの殉職をきっかけに「#JeSuisChien」(私は犬だ)というハッシュタグが生まれ、「こういう動物への感謝の気持ちは永遠」など感謝と追悼の気持ちを書き込んだ人で異例の5万件もの書き込みが殺到、同じく自爆した犯人の女については、「煙草を吸いドラッグの売人をしていたあばずれ女」 など罵倒の書き込みがあふれている。
*ハッシュタグとは #記号と、半角英数字で構成される文字列のことを Twitter上ではハッシュタグと呼ぶ。発言内に「#○○」と入れて投稿すると、その記号つきの発言が検索画面などで一覧できるようになり、同じイベントの参加者や、同じ経験、同じ興味を持つ人のさまざまな意見が閲覧しやすくなる。
ディーゼルの殉職はさらに波紋を広げ、22日、ロシアはフランスとの連帯を示すため、ジャーマン・シェパードの子犬1匹をフランスに贈ると発表した。
ロシアのウラジーミル・コロコリツェフ内相が、子犬の贈呈についてフランスのベルナール・カズヌーブ内相に書簡を送ったと語った。子犬は生後2か月で、勇者として知られるロシアの民話の登場人物「ドブルイニャ・ニキーチッチ」にちなみ、「ドブルイニャと名付けられているという。往々にして悲劇の現場からは英雄が生まれる。パリ同時多発テロで妻を亡くした仏人ジャーナリストが、テロリストに向けてつづったフェイスブック上の文章に、共感が広がっているという。ブログ子も一読して深く胸にしみわたった。声高に叫ぶのではなく、ジャーナリストとして抑えのきいた静謐な文章で誰よりも強く訴えかけるものがある。
書いたのは、パリ在住の仏人映画ジャーナリスト、アントワーヌ・レリスさん(34)。13日夜にコンサートホール「ルバタクラン」で起きたテロで妻エレンさん(35)を失った。文章は妻の遺体と対面した直後に書かれた。レリスさんは17日、仏ラジオに「文章は、幼い息子を思って書いた。息子には、憎しみを抱かず世界に目を見開いて生きていってほしいから」と語っている。
「金曜の夜、最愛の人を奪われたが、君たちを憎むつもりはない」という書き出しで始まる文章は、「君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈したことになる」とあり、「君たちの負けだ。幼い息子の幸せで自由な日常が君たちを辱めるだろう。彼の憎しみを勝ち取ることもないのだから」と、1歳半の息子と2人で普段通りに暮らし続けることがなによりテロリストに打ち勝つと宣言する内容になっている。
「君たちに私の憎しみはあげない」
金曜の夜、君たちは素晴らしい人の命を奪った。私の最愛の人であり、息子の母親だった。でも君たちを憎むつもりはない。君たちが誰かも知らないし、知りたくもない。君たちは死んだ魂だ。君たちは、神の名において無差別な殺戮(さつりく)をした。もし神が自らの姿に似せて我々人間をつくったのだとしたら、妻の体に撃ち込まれた銃弾の一つ一つは神の心の傷となっているだろう。
だから、決して君たちに憎しみという贈り物はあげない。君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈することになる。君たちは、私が恐れ、隣人を疑いの目で見つめ、安全のために自由を犠牲にすることを望んだ。だが君たちの負けだ。(私という)プレーヤーはまだここにいる。
今朝、ついに妻と再会した。何日も待ち続けた末に。彼女は金曜の夜に出かけた時のまま、そして私が恋に落ちた12年以上前と同じように美しかった。もちろん悲しみに打ちのめされている。君たちの小さな勝利を認めよう。でもそれはごくわずかな時間だけだ。妻はいつも私たちとともにあり、君たちが決してたどり着けない自由な魂たちの天国で再び巡り合うだろう。。
私と息子は2人になった。でも世界中の軍隊よりも強い。そして君たちのために割く時間はこれ以上ない。昼寝から目覚めたメルビルのところに行かなければいけない。彼は生後17カ月で、いつものようにおやつを食べ、私たちはいつものように遊ぶ。そして幼い彼の人生が幸せで自由であり続けることが君たちを辱めるだろう。彼の憎しみを勝ち取ることもないのだから。
スピード超過で打線転覆した仏TGV[/caption]パリ同時多発テロと時を同じくして発生したため、目立たなくなっているが、仏のTGVが脱線転覆して死者10人超を出した大事故はフランスが喧伝していたTGVの安全神話が一瞬にして吹き飛んだという点で、大問題である。とりわけ韓国ではこのニュースに真っ青になているのではないか。何しろこのTGVで日本のリニアの向こうを張って在来線で時速600キロを目指していたのだから。
TGVの事故は、フランス北東部ストラスブール近郊エクベルスハイムで14日起こった。試験走行中の仏高速鉄道TGVが脱線、 脱線した車両は、橋の下の幅約40メートルの運河に転落した。連結車両はバラバラになり、少なくとも10人が死亡、37人が負傷し、5人が行方不明になっている。一報では負傷者のうち12人が重体されていたが、その後死傷者が増えているのかもしれないが、パリ同時テロのニュースのため続報がない。
車両は来年春から営業運転に使用される次世代TGVの試験の一環で、高速鉄道路線を時速350キロ前後で走行していた。TGVの死亡事故は、約30年前の開業以来初めてで、日本の新幹線の50年間無事故に対抗して盛んに安全を宣伝していたが、一瞬にして吹き飛んだ。しかも、車両には試験走行のため技術者ら49人が乗っていて、当初それ以外の一般の乗客はいなかったといっていたが、なんと子どもを数人を乗せていたことや、カーブで350キロ以上のスピードを出していたと見られるなどでたらめな試験走行ぶりが明らかになってきている。
韓国の高速鉄道はKTXの開発段階から、仏TGVのシステムを採用していた。日本の新幹線も売り込んだが、例によって韓国政府の「反日政策」で新幹線システムは相手にされなかった。TGVはヨーロッパの起伏の少ない地形を前提としており、起伏が激しく湿度も高い韓国の風土には不向きだと指摘されていたのだが…。
中国も韓国も外国から導入した技術をすぐさま自国の技術として売り込む。韓国ではすぐさま世界の鉄道の速度競争に参画した。現在、鉄輪式鉄道では、今回事故を起こしたフランスのTGV(時速574キロ)、中国の和諧号(時速487キロ)、そして日本の新幹線(時速443キロ)なのだが、韓国では「HEMU-430X」、通称・ヘム(海霧)と呼ばれる車両が2013年春、試験走行で時速421キロの最高速度を達成、世界で4番目のスピード鉄道に名乗りをあげた。
そればかりか、韓国・国土交通省はこのヘムで、時速600キロ級の高速列車の開発を目指すと宣言した。新幹線の最高速度が443キロだから、それを上回るばかりか来月トンネル工事に着手する日本のリニア中央新幹線の最高設計速度・時速500キロを超えるという猛スピードである。しかもこれを在来線でやるというのだから、聞くだに恐ろしい計画だ。
それでなくとも韓国ではすでに新幹線事故が頻発している。2007年1月には高速鉄道車両として世界初の正面衝突事故を起こした。釜山駅構内で、ソウル行きのKTXと回送中のKTXが正面衝突し、乗客数十人が負傷した。2011年22月には光明駅近くで開業後、初の脱線事故があり、2013年8月には東大邱駅でムグンファ号と2台のKTXがからむ三重衝突事故が起きている。
他人事ながらこの国の新幹線にはとても乗る気にはならない。しっかりとフランスの事故原因を学んでほしいものだ。
朝日新聞は今回のイスラム国によるパリ同時多発テロを見て少しは考えを変えただろうか。いつもながらの民意と逆張りを社是とする新聞だけにまあそれはないだろうが、宗教と文化を異にする人を移民という形で受け入れることの危険はまざまざと見せつけられた。
朝日新聞は「難民を受け入れない日本は、冷たい国」とさんざん書きまくってきた。パリテロの犯人がシリアのパスポートを持っていて、難民に紛れてギリシャに入国、ここで難民申請をしていた人物であったという報道に対して、「自爆する人間がわざわざパスポートを持参するだろうか」と16日紙面で書いている。大量に難民を受け入れているドイツはじめこれから万単位で分担させられるEU諸国で反対運動が起きていることに対して、反移民をあおるため作為的にパスポートをでっち上げたと言わんばかりの論調である。
人権派を任ずる朝日は「難民 世界と私たち」という連載で、「昨年の難民申請5000人に認定されたのは11人」(8月3日)、「シリアからの難民申請63人に認定はたった3人」(9月28日)
もっともらしい数字を持ち出して、「日本は難民に冷たすぎる。もっと条件を緩和して受け入れろ」という論調を展開してきた。毎日新聞も追随して「金だけ支援。入国はNO ”鎖国日本”に厳しい視線」(10月6日)、とあおってきた。
いかにも日本の受け入れ態勢がなってないという記事だが、実態はどうか。週刊新潮11月12日号を読むと、これら朝毎2紙の記事はとんでもない話であることがわかる。認定に携わった人たちの証言はこうだ。
イランからの男の申請者は「イスラムからキリスト教へ改宗したので国に帰れば殺される」というのだが、調べるとクリスマスはどんな日かも知らなければ、キリストの母は誰かの問いにも答えられない。日本で酒を覚えたばかりに改宗した人だった。難民申請者のほとんどはニセ申請者と不法就労者で、あわよくばこのまま日本で働き口を見つけたいという輩ばかりなのだという。関係者によると山のようなニセモノから11人とか3人の認定者を見つけ出したことの方がすごいことだとされているほどだ。
日本の難民認定が本来の意味を失い、外国人の出稼ぎのツールとして使われているのだ。認定されるのが針の穴を通すほど困難でも彼らは平気なのは、申請しておけば可否の判断まで3年はかかりその間、日本で働ける制度になっているからだという。
こうした数字の背景を知りながら、朝日は「日本は難民に冷たい国」と書く。職業的売国奴ではないか。
危険を冒しても、地中海を渡ればあとはどこまでも地続きのヨーロッパと違い、日本は幸い島国で怒涛のような難民・移民を経験したことはなかった。「移民に冷たい」というがどうして、朝鮮半島から60万人の「移民」を受け入れているではないか。これだけでももろもろのトラブルの原因になり、多くの事件に悩まされている。似たようなモンゴロイド系でもこれだけの禍である。姿、形、宗教が違う人が押し寄せたらどうなるか分かったものではない。軽々しく移民受け入れを増やせなどというものではない。
朝日、毎日は「金だけ支援、入国はNO、鎖国日本」と書くが、それでいいのである。
三菱航空機が開発する国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が11日午前9時35分ごろ、愛知県営名古屋空港(同)から飛び立った。国産旅客機の初飛行は戦後初のプロペラ旅客機「YS-11」以来、53年ぶり。平成20年の事業化から7年以上かけて、ようやく初飛行にこぎ着けた。
離陸した機体はスマートで流体力学の究極のシルエットも美しくその瞬間胸が高鳴る興奮を味わった。ブログ子は直接航空担当記者をしたことはなかったが、JALジャンボ機の御巣鷹山墜落時はじめひところ相次いだ航空機事故のほとんどを取材した。ロンドンにBOACに招かれてコンコルド機に乗り、ジャンボ機(ボーイング747型機)が初めて日本に入った時には試乗してシュミレーターながら房総沖から羽田着陸まで「操縦」した。
「YS-11」には数え切れないほど乗った。今でも名機だと思うがそんなに乗った理由は、札幌に行くときは社命で東亜国内航空機に乗ることになっていたからだ。新聞社は戦後どこも航空部を持っていて盛んに取材に使ったが、のち分離され東亜国内航空会社となり大株主となったため優待券をたくさん持っていて年度内に消化するため、他社のジェット機を横目にこのプロペラ機で北海道に出張したのである。航続距離が短く、羽田から一気に飛べなくていったん青森の三沢基地に下りて給油したが、千歳でなく札幌市内である丘珠飛行場に着陸するのでかえって便利でもあった。
アニメ「風立ちぬ」は零戦の設計者・堀越二郎氏がモデルである。今に至るも名機中の名機に数えられる零戦は三菱重工業で作られた。米軍を苦しめた飛行機だけに終戦とともに 日本の航空機生産と研究開発はGHQによって一切禁止された。米国が航空機産業の復活を恐れたのである。禁止はサンフランシスコ講和条約発効の1957年まで続いた。この12年間の空白が日本の航空機産業にとって致命的な打撃となった。プロペラ機からジェット機へという世界の技術革新の大波からも取り残され、主に米国製の旅客機を買うだけの顧客に甘んじることになった。
失業した航空機技術者たちの多くは、ちょうど勃興期を迎えていた自動車産業や建築業界、コンピューターの開発者として拡散していった。それが現在の日本製自動車、ゼネコン、造船などの発展につながったのだが、航空機産業そのものは世界から取り残された。そんな中で、国産のターボプロップ機「YS-11」の開発気運が高まり、「輸送機設計研究会」がスタートした(YSは輸送機と設計の頭文字)。零戦の堀越氏はじめ戦前の技術者が集結し、1号機が64年に就航した。
名機の誉れ高く計182機を生産し、約10カ国に輸出したものの、生産を担当する日本航空機製造(株)が官民の寄せ集めで責任体制が明確でなく、官僚の天下りが増え、結局360億円の赤字を出し同社は解散した。作ったものの売り込む力が足りなかったのだ。こうして日本の民間航空機産業はその後半世紀の休眠を余儀なくされた。
日本の航空機産業の売上高は約1.3兆円で、自動車産業の50兆円やエレクトロニクスの13兆円、造船の2.7兆円にも及ばない。こうした中でようやく立ち上がったのがMRJなのである。日本の悲願がかかっている。
MRJはボーイングやエアバスという巨大2社との競合を避け、カナダとブラジルのメーカーが牛耳る小型機市場の一角に食い込む戦略を立てている。フィリピンまで届く足を持っているがリージョナルつまり地域間の近距離に100人以内の乗客を運ぶことを目的にしている。「YS-11」のセールス下手を学習して、今回はすでに世界のエアラインに407機の成約を得ている。600機の採算ラインに手が届くところまで来ている。
北海道の新千歳空港にプロ野球・北海道日本ハムファイターズが掲げた巨大広告に「北海道は、開拓者の大地だ」とあったことに北海道アイヌ協会(札幌市)の阿部一司副理事長が「歴史や国際的な動きをもっと勉強してほしい。人権への配慮がなく、まだわかってもらえないのかと情けなくなった」とクレームをつけた。球団は即座に9日、「配慮に欠けた。おわびする」と撤去した。
行き過ぎである。人権とか差別を前面に出して攻められると行政も企業もひとたまりもなく降参する。確かにアイヌ民族は北海道を中心に先住していた。.明治以降に北海道開拓が本格化したことで、先住の土地を追われるなどした歴史があり、ひどい差別があったであろう。しかし、入植者も先住民もともにフロンティア・スピリットの開拓者精神で原野を切り拓いていったのも事実である。
ブログ子はひところ猛威を振るった「言葉狩り」を思い出した。歴史書に「士農工商」とあるのが指弾され、新聞に「部落」とあれば「集落」に書き換えられた。多くの作家も作品や評論の中の「差別用語」を摘発され、時に土下座させられた。辟易した遠藤周作に対応を任されたことがある。「私が自分で対応する」と立ち向かったのは曽野綾子ただ一人である。
メディア側も弱腰に終始、記者全員に研修を義務付けた新聞社もある。「糾弾」の嵐が吹き荒れ、知っている例では時事通信社長が土下座した。これを主導したのは部落解放同盟だが、今ではすっかり影を潜めた。しかし現在ではアイヌ協会がとみに活動を解同と同化させているように見える。
ブログ子は北大のOBだが大学構内にある北方文化研究室の前を通るたびに、アイヌ民族の視点からアイヌ語を理論的に研究し、『分類アイヌ語辞典』を著したアイヌ出身の知里真志保博士の業績に敬意を払った。ところが現在では、研究のため集めたアイヌの頭骨が雑に扱われていると、人権派から攻撃されていると聞く。
表現の自由とか学問の自由とかまで持ち出すのはどうかと思うが、人権と差別を錦の御旗に押し立てての言葉狩りには大いなる危惧を持つ。
中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統は7日、シンガポールで1949年の中台分断後、初の首脳会談を行った。ビッグニュースだと大騒ぎだが、台湾については李登輝元総統の言しか信用しないことにしている。その李氏が「馬英九は何をやらかすかわからない」と言っているのだから、ブログ子はあがきのパフォーマンスとみている。
来年1月に迫った総統選では野党の民進党の蔡英文主席の勝利が確実視され、国民党は敗退する。あせった馬英九が中台接近を演出したい思惑と、台湾の若い世代が人権と民主主義を踏みにじる習近平政権に反感を募らせていることへの融和策という両者の打算から生み出されたものだ。
案の定、馬総統の要求に習主席はほとんどの課題で具体的な回答を避け、一致したのは中台双方で「一つの中国」の原則を確認したとされる「92年コンセンサス」を「堅持」することと、中台のホットラインくらい。馬総統は中国が台湾向けに配備している弾道ミサイルを後退させるよう求めたが、習主席は「台湾に向けたものではない」とはぐらかし、アジアインフラ投資銀行(AIIB)加入問題でも「適当な方法」での加入に言及するにとどめた。大して中身のないセレモニーに終わった。
ブログ子は反対派が座り込んで馬英九総統と習近平国家主席の写真を焼いているのをみて別な感慨を持った。プラカードを見ると「売国奴・馬英九というところが「賣國」という旧字で、「反対」も「反對」と書かれている。新聞の見出しを見ても国名は「臺灣」であり、声援するは「聲援」で決して簡体字を使っていない。
香港では民主派寄りのテレビ局HKTVでこんなシーンが放送されたという。
「このメニュー、どうしてサラダのこと『色拉』と書いているの?」。香港のコーヒーショップで客の女性はさらに続けて、店員に「ここは大陸(中国本土)じゃないわ。香港なのよ。香港なら『沙律』でしょ。香港人なら繁体字で書きなさいよ!」と食ってかかった。(産経新聞)
「簡体字」は中国で1950年代に制定された簡略漢字、これに対し伝統的な漢字は繁体字(正体字)という。49年の新中国成立後、共産党政権は識字率の向上を目指して難解な漢字を庶民にも使いやすくし、教育程度を高めるため簡体字の普及を進めた。日本でも戦後、当用漢字の一部が簡略化され、「廣」が「広」となったが、中国ではさらに簡略に「广」という具合である。
これに対し香港や台湾では、学校教育から社会生活、公文書に至るまで繁体字が使われているが、観光客急増など中国本土からの影響拡大で中国本土風の表現や、簡体字がじわじわと浸食し始めている。そうしたことから「簡体字は見ていてキモい」などと若い世代中心に反感が広がっている。香港も台湾も繁体字を守り続けることで、中華文化の正統な伝承者であるとの強い意識がある。
確かに行き過ぎの面がある。例えば幹、乾、干の3つの漢字では、発音が近いという理由で「干」の字に“統合”された。しかし、「干部(幹部)」「干燥(乾燥)」では見ても意味不明である。本来の漢字の魅力まで失うことになったこれが「きもい」とされる所以だ。
別表は「きもい」理由である。中国の簡体字に対しそれぞれ馬鹿にしたコメントが右側に並んでいるが、要するに元の漢字が分からなくなってしまい、表意文字としての漢字の成り立ちがまるで無視されていることへの反感である。
韓国も漢字文化圏の一角だったが国策としてハングルという表音文字を選んで漢字を捨てた。今では同音異義語が20も30もあって、もとの漢字を知らないばかりか研究者でも古文書が読めない世代が増えつつある。
こうしたことに香港や台湾では「漢字を廃止することは単に文字を廃止することとは違う。漢字によって受け継がれてきた文化を捨てることになる。漢字は中国文化の宝であり、韓国人は今頃後悔しているだろうが、すでに手遅れだ。この点において日本人は韓国人より賢い選択をした」などという声がネットに多く見られる。
日本留学などで少し日本を知ると、漢字ばかりでなくひらがながあり、カタカナがあり、それらを使いこなす小中学生をみて驚嘆するという。
香港や台湾の字画の多い旧字を見ていると書くのが大変だなあと思い、あちらのパソコンはどうなっているのだろうか一度見てみたい気がする。
安倍首相と韓国の朴槿恵大統領による2日の日韓首脳会談では、会談後の共同記者会見や、合意事項などを明記した共同文書などの発表はなく、首脳同士の食事会も開かれなかった。
韓国政府は中国の求めに応じ、中国の李克強リークォーチャン首相の訪韓を「公式訪問」と位置づけ、個別の夕食会も設定したのに対し、日韓首脳の昼食会は見送られた。
韓国側が固執する慰安婦問題については「早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致した」ものの、具体的中身や方向性には言及しなかった。韓国側は「早期妥結」について、安倍首相に「年内」と明言することを求めたが、首相はこれを突っぱねたという。さらに朴氏主催の昼食会などを交換条件に譲歩を迫ってきたが、日本側はこれも拒んだ。安倍首相は周囲にこう苦笑したという。
「昼飯なんかで国益を削るわけにはいかない」
昼食会を蹴飛ばしたため、首脳会談後、安倍首相はソウル市内の焼き肉店で駐韓大使らと昼食をとった。店側によると、首相一行は韓国牛の霜降りロースのセットと味付けカルビを注文。昼食時間は首脳会談と同じ約1時間45分で、「カルビは残さずに食べた」という。
アメリカに日本と協調路線を取るように迫られての日韓首脳会談である。サシで会うのが嫌なので中国入れての3か国会談の途中に日韓首脳会談ときた。妥協せざるを得ないのは韓国の方なのに、それでもなおもこれだけの小細工を弄してくるのが韓国外交である。
日本側は「慰安婦問題は、日本は日韓基本条約を含めたさまざまな条約の中で、解決済みと」で押し通した。朝日新聞が誤報を認めたにもかかわらずいまだに公式(政府の)謝罪を言い募る韓国には日本は辟易している。相当な補償金すら韓国に渡っている。ただ韓国政府が慰安婦に渡していないだけである。
「早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致した」というのを意訳すれば「このまま塩漬けにする」ということである。しかし今回の首脳会談を受けて朝日新聞は「補償などは法的に解決済みでも、何らかの形での元慰安婦への支援は可能だということに含みを残している。現に元慰安婦に償い金を支給したアジア女性基金が平成19年に解散した後も外務省が続けるフォローアップ事業がある」と言い募っている。まだ「追い銭を払え」というのだ。どうかしている、朝日新聞は。
国連は世界平和への唯一のよりどころと思っている人が多いが、どうしてどうして、権謀術数うずまく伏魔殿である。今年10月、中国がユネスコに申請した「南京大虐殺の文書」というのが、日本政府が懸念を伝えたにもかかわらず、記憶遺産に登録されたばかりだが、こんどはわざわざ日本に来て「日本の女子中学生・高校生の13%が援助交際に関わっている」とのたまった国連特別報告者がいる。
ブログ子は日本記者クラブの会員なので事前に案内があったが、およそ触手が動くテーマでなかったのでメールはゴミ箱に入れた。後日その発言内容を知って仰天した。
発言は「児童の性的搾取問題の専門家」という、マオド・ド・ブーア=ブキッキオ女史が10月26日に東京・内幸町の日本記者クラブで行った会見で飛び出した。女史は「日本には多くの性的搾取の形態がある」として、違法とされていないものの深刻な性的搾取につながる危険性の高いものとして援助交際を挙げ「女子生徒の間で流行(はや)っており、およそ13%が関わっている」と述べた。
女史はオランダ人だが国連の「子どもの売買、児童売春、児童ポルノ」に関する特別報告者として公式に来日したので日本記者クラブでの会見となったのだが 「13%」の根拠については何も説明なし。産経新聞がジュネーブの国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に問い合わせたところ、「13%」を「概算」と表現した上で「残念ながらこの収益の大きいビジネスに関わっている未成年者数の公式な概算はない」と回答した。また、特別報告者が「概算」に着目したのは援助交際が「憂慮すべき現象」であるからで、関係機関による実態調査の必要性が強調されるべきだと説明したそうだ。
ブーア=ブキッキオ女史の発言を問題視した山田太郎参院議員(日本を元気にする会政調会長)は外務省、警察庁、厚生労働省、文部科学省にも確認したが、根拠となるようなデータはないとの回答を得たという。根拠もなしに数字を出して「実態調査の必要性がある」とは驚いたいいぐさだ。
また記者会見では通訳が女史の「サーティーン・パーセント」を「30パーセント」と誤訳するおまけ付き。かくのごとき怪しい人物だが、国連特別報告者による会見での発言であるだけに、山田氏は「多くの人が事実だと思う」と懸念しており、外務省を通じて国連に発言の訂正と謝罪を求める申し入れを行うという。
ところで、「南京大虐殺」の記憶遺産登録の方だが、拠出金の支払い停止論の高まりにユネスコ(国連教育・科学・文化機関)も驚いたのか世界記憶遺産の登録手続きの見直しに着手したという。登録候補の文書の内容に複数の国が関与する場合、関係国で事前に協議した上で申請する仕組みを義務化する改革案が検討されていて、来春のユネスコ執行委員会で改革案が承認されれば、次回2017年の記憶遺産の選考から適用される可能性がある。
ユネスコといえばブログ子が現役のころ、アフリカから選出されたユネスコのトップがニューヨークの高級ペントハウスを借り切って贅沢三昧をくりひろげ、怒ったアメリカが拠出金を拒否したことがある。現在の潘基文事務総長は無能の評が高まるばかりで、次期韓国大統領選しか頭にないようで中国の抗日戦争勝利70年記念式典に朴槿恵大統領と並んで出席したり、国連事務職員に韓国人を割り当て以上に採用したり選挙準備に余念がないようである。
国連を理想の高みに置いている方々は、国連というのは以上のように「その程度の組織」であることに括目(かつもく)した方がよい。
ノーベル平和賞に対抗して中国の大学教授らが創設した「孔子平和賞」の今年の受賞者に、ジンバブエのムガベ大統領(91)が選ばれたが、当人は受賞を辞退した。この賞は「中国の価値観で世界平和に貢献した人物」に贈られるそうだが、選ばれた人物を見ると毎年、笑える。そのせいか、たいていの受賞者は世界の笑いものになりたくないのだろうが早晩、辞退している。我が日本の村山富市元首相が最終選考まで候補として残ったものの、健康上の理由で辞退した。受賞式風景をぜひ見たかった。残念だ。
ジンバブエのでたらめぶりは毎度このブログでも取り上げているのでご承知の方も多いだろうが、繰り返す。1980年のイギリスからの独立時(旧国名ローデシア)から30年以上権勢を振るい、欧米から「独裁者」と非難されているムガベ大統領だが、中国の手厚い庇護のもと君臨して来た。昨年6回目の「再選」を果たしたが、側近を一度に8人粛清したりの強権と、投票箱すりかえという出鱈目な選挙だった。
ムガベ夫妻は香港とシンガポールに豪邸を所有しており、国民が飢えて死にかけても自分たちだけは贅沢三昧。グレース夫人というのが曲者で前夫と別れて、40歳ちかく年齢の違うムガベ大統領と再婚したのだが、内実は大統領が見染めてダンナから取り上げたもの。この前夫はその「功績」で現在、北京駐在ジンバブエ大使である。夫人はコンゴのダイヤモンド鉱山を所有していて、指にはそのでっかいダイアの指輪が輝いている。気が強くてパリやNYで買い物をしている姿を撮影していたパパラッチが追いかけられ、その指輪でバッサリ切られて大怪我をしたこともある。
喜んで受賞するかと思いきや今回は辞退した。ジンバブエのメディアによると、ムガベ氏の報道官は孔子平和賞が中国政府と無関係であることが分かり、関わらないことに決めたという。
「孔子平和賞」は、ノーベル平和賞を人権派の劉暁波が受賞したのに対抗し て、中国が急遽でっちあげたもので、賞金も僅か10万元(190万円)。2010年12月に「突 如」設立が発表され、第一回の受賞者が台湾の国民党政治家、連戦 (国民党名誉主席、親中統一派)だった。連戦は狐につままれたような表情で、コメ ントもせず、授賞式に出席しなかった。
世界の冷ややかな目に、その後の選考は中国政府系の機関を離れ、香港 の「孔子平和研究所」とかいう民間団体に移管された。
第2回の受賞はプーチン、3回目はアナン国連前事務総長、4回目は釈一誠 という中国仏教界指導者という写真も公表されなかった人物。第5回目は鳩山由紀夫の名前も挙がっていたが、キューバのカストロに決 まった。カストロ議長さえ、授賞式に出席しなかった。
そして今年の6回目は日本の村山富市元首相とジンバブエのムガベ大統領に授与 されることが決まったが、村山の辞退に引き続き、かのムガベも辞退した、という次第。ついでに、今年ムカベ大統領の他に孔子平和賞の最終候補に挙がっていたのは、富豪のビル・ゲイツ氏や潘基文国連事務総長、韓国の朴槿恵大統領ら9人という。
顔ぶれを見ると、選ばれるのが「恥」というのが「孔子平和賞」の実態である。
維新の党が分裂した。橋下徹大阪市長は24日に開いた維新の党の「臨時党大会」で同党の解党を決議し、政党交付金の国庫への返納を目指すと表明した。「維新の党を作った者の責任」として必ず実行する考えを示し、「有権者の皆さん本当に申し訳ありませんでした」と謝罪、「維新の党は日本の国にとって百害あって一利なし」とも投稿し、松野頼久代表と陰で操っている江田憲司前共同代表らを批判している。相変わらず人心掌握に巧みなところを見せているが、世論は60%以上が分裂に批判的で、迫っている大阪府市同時首長選挙の行方も楽観できない。
ブログ子は維新の党の行方がどうなろうと大した関心はないが、片方の主役、江田憲司と松野順久という2人が虫唾が走るほど嫌いである。唇が薄く眉が下がった見るからにペテン師の風貌もさることながら、新党に潜り込んではひっかきまわしさんざその党の金を使いまわしては政界再編を画策する、その政治手法が嫌いなのだ。
例えば江田憲司。通産官僚だが役所時代から東大法学部卒をひけらかして大言壮語するので「嫌われ者」で通っていた。選挙下手だったが2008年に「官僚国家日本を変える元官僚の会」(脱藩官僚の会)を結成し、代表幹事に就任。2009年1月、自民党を離党した渡辺喜美のもとにすり寄り、みんなの党幹事長に座った。みんなの党ブームに乗り神奈川8区から出馬し、大勝して4選。
ところが渡辺喜美代表がスポンサーから借りた8億円の使い道で指弾され(選挙で子分の面倒を見るのに使ったのだが公にできず、為に野に下って落選)るや、みんなの党の14人を引き抜いて結いの党を結党し、さっさと維新の党に合流、共同代表に収まった。
2015年5月17日、維新の党が最大の政治課題として掲げてきた大阪都構想が大阪市特別区設置住民投票で否決され、党最高顧問の橋下徹大阪市長は市長任期終了後に政界を引退することを宣言し、江田も責任を取り党代表の辞職を表明した。そのときのセリフは「(橋下氏は)大阪の宝であり、日本の宝。あんなに突破力のある政治家はいない。いつかまた必ず必要にされる」とよいしょしたのだが、その舌の根も乾かぬうちに分裂騒ぎに発展した。
当初、維新の執行部では大阪系議員に限り「分党」を認める案で合意する寸前だった。そこに立ちはだかったのが、新党組とそりが合わない江田憲司前代表。合意寸前の両陣営に対しちゃぶ台返しをして(14日産経の記事)「これは戦争だ。何を恐れているのか」と松野氏らを叱咤したという。
もともと政界には江田嫌いが多い。永田町関係者は「かつて通産省にいた江田氏は橋本龍太郎首相のもとで首相秘書官を務めていました。実はそのころから嫌われ者なんです。虎の威を借る狐とでもいいますか、とにかく態度がでかいし、性格が悪い」と話す。
みんなの党の渡辺喜美前代表(62)が8億円借入金問題で騒がれたとき、「情報を流したのは江田じゃないか」と指摘する声があった。渡辺が集めた金を使っておきながら、恩人を刺すなど見下げ果てた行動だが、『江田ならやりかねない』というのが永田町関係者の間ではもっぱらだった。
敵の敵は味方、とばかり、橋下徹大阪市長は9月21日、昨年解党したみんなの党の代表を務めた渡辺喜美前衆院議員と名古屋市内で会談した。会談で江田氏に関する話題が出たかどうかについて聞かれると「あったか、なかったかも含めて申し上げないことにしたい」と述べるにとどめたが、裏切りの内容でも聞き出したのかもしれない。。
江田に操られている松野頼久・維新の党代表も危ない存在だ。父親は政界の寝業師だった松野頼三だが、本人は12億円もの借金を抱える、赤絨毯の借金王と言われている。大借金でもフェラーリとベンツは手放さない。永田町ではホステスと見紛うほどのド派手な格好が注目を集めたこともある素子夫人に頭が上がらなとかで大借金もかなり無理をして、高級住宅が並ぶ渋谷区松濤に家を建てたためだという。壁面に石のタイルを貼りつけ、一見すると博物館のような建物で地下には夫人の趣味でカラオケルームが備え付けられているとも。
政党交付金欲しさの泥仕合だが、それが振り込まれる銀行通帳と印鑑は大阪組が握っているとあっては、大阪組に有利である。残留組はみんなの党ブームや維新ブームにあやかった連中で選挙に弱いとあっては、合流先の民主党の岡田克也代表代表も腰が引けるであろう。
ブログ子は10月中旬山を下りた。山(八ケ岳)に上がって足掛け4か月、パソコンもなければ新聞も何日か遅れで目にする生活だったが、それみたことかと思わせられたのが「韓国ポスコ、新日鉄住金に完敗」のニュースだった。
このブログでも何度か取り上げて、日本での裁判(ポスコの日本法人相手なので東京地裁)なので勝算あり、2014年12月にも判決が出ると書いてきた。今回9月15日付の読売新聞のスクープだったので中央紙は押しなべて小さい扱いだったが、ブログ子は行きつけの温泉、長野県小海町の八峰の湯で記事をを読んだ。下山して1面トップだった読売の記事を探したが見つからないので以下、夕刊フジからの転載である。こちらは読売報道を受けて悔しそうに報道している韓国紙の報道を受けた形になっている。
韓国の鉄鋼最大手ポスコに特殊な鋼板の製造技術を盗用されたとして、新日鉄住金(旧新日本製鉄)が東京地裁などで起こした訴訟をめぐり、ポスコが新日鉄住金に和解金の名目で3000億ウォン(約304億円)を支払う方針だと韓国紙が報じた。韓国企業が海外企業の機密侵害について支払う金額としては過去最高レベルとなり、四半期で赤字になる恐れもあるという。一時は日本企業を上回っていた業績も低調で、株価も急落、韓国の検察当局から捜査を受けるなど創業以来最大の危機を迎えている。
ハンギョレ新聞によると、ポスコは今後、鋼板の輸出の際に技術使用料を支払い、地域別の輸出量も新日鉄住金と協議する。新日鉄住金は日本や米国などで起こした関連訴訟を取り下げることにしたという。
訴訟の対象となったのは、電気を家庭に送る変圧器などに使われる「方向性電磁鋼板」。電力インフラに欠かせない変圧器の心臓部である「鉄心」に使われ、技術の粋を凝らした“鉄の芸術品”ともいわれる。旧新日鉄の独壇場だったが、2005年ごろからなぜかポスコの製品技術が急激に向上。シェアも拡大してきた。ポスコの技術盗用疑惑が浮上したのは07年。韓国・大邱での刑事訴訟で、ポスコの機密情報を中国メーカーに流したとされるポスコ元社員が「技術は、もともとは新日鉄のものだ」と衝撃的な証言を行った。
旧新日鉄は、製造技術を持ち出したとされる元部長級社員の自宅から、ポスコとの通信履歴などの証拠を裁判所を通じて確保。不正に入手した情報を基に同品質の製品を造ったとして12年4月、ポスコなどに約1000億円の損害賠償と製造販売の差し止めを求める訴訟を起こしていた。
3000億ウォンの和解金負担はポスコにとって深刻だ。14年の最終利益5566億ウォン(約565億円)の約54%にあたる。前出のハンギョレは、「和解金の支払いが第3四半期の業績に反映されると四半期の業績が赤字となる可能性が高い」とするポスコ幹部の話を紹介した。
業績への打撃は一時的なものにとどまらない。ポスコは今後、方向性電磁鋼板の技術を使う際には新日鉄住金側に使用料を支払うことになるため、輸出競争力で劣ることになるのは確実だ。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「ポスコはそもそも旧新日鉄の前身である八幡製鉄や富士製鉄から技術支援を受けたことで始まっている。その後、独自の基礎技術を育てないまま成長してきたツケがここにきて一気に噴出しているのではないか」と指摘した。
漢江の奇跡は1965年、韓国は日本と日韓基本条約を結んだことにより、日本から無償金3億ドル・有償金2億ドル・民間借款3億ドル以上(当時1ドル=約360円。現在価格では合計4兆5千億円相当の援助で成り立った。同時にポスコ(浦項)の高炉建設など惜しみない技術援助でその後の韓国の自動車(薄板)、造船(厚板)の基礎になったのだが、感謝するどころか自国技術として世界に売り込みを図るなど中国と同じように「恩を仇で返す」所業の数々は目に余るものがあったが、今回の「敗訴」(和解というが勝算がないから和解に持ち込んだというのが正解だ)により、誰のおかげで発展してきたか白日の下にさらされた。