「音楽教室からも著作権料」とはあこぎが過ぎる

日本音楽著作権協会(JASRAC)が、来年1月からピアノやギターなどの音楽教室から楽曲の演奏に伴う著作権使用料の徴収を始めるという。

著作権料の正当な徴収というと、聞こえはよいが、膨れ上がった職員の給与と、文部省(文化庁)からの天下り役員の報酬に消えるだけで、著作権所有者への支払いは雀の涙という図式が見える。

ブログの亭主は40年ほど前に、当時虎の門にあった日本音楽著作権協会に日参して交渉にあたったが不愉快な思いしかない。

当時、加藤登紀子の「知床旅情」が大ヒットした。これに絡み、長調と短調の曲、それそれのヒット時期と景気の好不況との関連を調べた。「知床旅情」のような短調の曲が流行るときは世の中不況だということを縷々記事にした。編集局長賞をもらった。それはともかく、記事の中でこの歌の歌詞を紹介しようと思った。流行りたてで皆、歌詞を知らないからだ。

ニュースで歌詞を使用するときは使用料はいらないとされていたが、当時著作権という考えが広まってきていて、念のため日本音楽著作権協会に伺いを立てようと虎の門にあった協会を訪ねた。応対した係員のいうには「規定はないが新聞は1部につき1円もらう」という。タブロイド夕刊紙は爆発的にサラリーマンにヒットしていて数十万部出ていた。この理屈では数十万円払わねばならない。

なら、「ニュースの中で使うのだし、歌詞使用はアタマの2行程度にするから払わない」と言ったら、歌詞の引用がたとえ2行でも全体でも同じだという。そんなあほな、と思ったが間もなく輪転機が回るという時刻である。やむをえず30万円ほどにまけてもらったが、経理から大目玉を食らった。

JASRACによると、徴収の対象は、営利で生徒を募集している教室。支払い方法は、JASRACの管理楽曲を自由に利用できる包括利用許諾契約か、1曲ごとに支払う形態を選べる。包括利用許諾契約の使用料率は、業者の年間受講料収入の2・5%を検討している。今年7月までに「使用料規程」を文化庁に届ける方針という。包括利用許諾契約というのは現在NHKなど膨大に使用するところが採用している。零細な音楽教室に当てはまるわけがない。一曲ずつ課金するというのだがどうして調べるのか。また職員を雇わねばなるまい。いかにも役人が考えだしそうな、現実離れした方策だ。

「音楽教室の講師をしております。レッスンで生徒たちが弾く曲からもお金をとられるのであれば、もう現代の作曲家さんたちの曲は使いたいと思わなくなってしまいます。当然楽譜も買わないと思います」など批判や困惑の声が上がっているという。その通りだろう。

まともな意見の宇多田ヒカル

まともな意見の宇多田ヒカル

歌手の宇多田ヒカルさん(34)は、自身のツイッターを更新し、「もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな」と投稿した。まことに道理にかなった発言で、多くの作曲家、作詞家も共感しているのだが、これに対しても、JASRAC広報部は「多くのミュージシャンは信託契約を結んでJASRACに著作権を預けている。無料で使って、と声を上げただけでは、徴収を止めることはできない。信託契約を破棄する必要がある。」と杓子定規な返答だ。

2015年度のJASRAC徴収額は1116億円である。この原稿を書くので調べたら、虎の門にあったビルよりはるかに立派なビルを渋谷に建てている。人件費と天下り役員の退職金のために、零細な音楽教室をいじめるのはやめろ。

暗殺、拉致、拷問を常とする国々に囲まれて

マレーシア紙に載った事件直後、倒れこんだ金正男氏の姿

マレーシア紙に載った事件直後、倒れこんだ金正男氏の姿

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏(45)が13日朝、マレーシアのクアラルンプール国際空港で北朝鮮工作員に毒殺された事件。手先に雇われたとみられるベトナムとインドネシアの女2人が逮捕され、北朝鮮の工作員4人が手配された(うち1人逮捕)がまだ噴射された毒物がVXなのかそのほかのものかも特定されていない。

北朝鮮のカン・チョル駐マレーシア大使は17日深夜(日本時間18日未明)、声明を発表し、マレーシア政府に遺体の即時引き渡しを要求、さらに「われわれの許可や立ち会いもなく、一方的に検視を行った」と強く非難し、遺体の検視結果の受け入れを拒否すると強調した。そのうえ、マレーシアの対応を「(北朝鮮に)危害を加えようとする敵対勢力と結託していることを示唆するものだと政府と韓国を名指しで非難し、問題を国際法廷に提起する」と息巻いた。

殺害して目的を達成したのに、なおも遺体引き取りに固執するのはなぜか。「凌遅の刑」に処するためではないか。清の時代まで中国で行われた処刑の方法のひとつで、生身の人間の肉を少しずつ切り落とし、長時間にわたって激しい苦痛を与えたうえで死に至らす刑。歴代中国王朝が科した刑罰の中でも最も重い刑とされ、反乱の首謀者などに科された。

朝鮮もこれをそっくりまねた。例えば日本に亡命していて上海に誘い出されて暗殺された朝鮮の金玉均の例だ。彼は李氏朝鮮の改革を訴えて、朝鮮は清国から離れて独立して日本のように近代化すべきだと訴えていた。巧妙に日本から上海に誘い出されて、そこで殺され、遺体は清国軍艦で朝鮮に送られ、朝鮮の守旧派の閔(ビン)一派により凌遅の刑を受け、胴体は川に流され、首は晒され、両手と両足また手首と足首は、別々のところに晒された。頭山満や犬養毅らの有志が朝鮮から持ち帰った金玉均の衣服の一部を埋葬して、東京の青山墓地に墓がある。
北朝鮮もそっくりこの刑罰を引き継いでいる。故・金正日総書記の妹婿で、北朝鮮のナンバー2であった張成沢は、金正恩に”分派活動”(裏切り)の汚名を着せられ、2013年12月に処刑されたがその方法がすさまじい。処刑場に引き出され、総重量2トン近い機関銃が張氏に向け、90発の弾丸を叩き込んだ。原形も留めず粉々にして、さらには四散した死体を、兵士たちが火炎放射器で消し炭にして回った。判決文にある、「死んでも祖国に埋まる所がない」という文言はこういう形で実行された。

北朝鮮は金正男氏の遺体を持ち帰って、同じ凌遅の刑を完成させたいのだろう。ひどいものである。

中国では人権派弁護士たちがつぎつぎ拉致されている。よくてよろよろで釈放されるがそのまま姿を消すのもいる。中には香港から連れ出されて尋問される人権派の書店主がいる。チベット、ウイグル民族への虐待は隠しても続々と漏れ出てくるが残虐性が高まるばかりである。

ロシアも秘密警察、KGB(現在はロシア連邦保安庁=FSB)がはびこっている。 2015年2月27日深夜、モスクワの赤の広場に近い橋をウクライナ人の女性友人と歩いていたボリス・ネムツォフ氏が、背後から銃撃され死亡した。エリツィン政権で第1副首相を務め、一時は後継候補と見られていた人物で、生前はプーチン政権批判を口にしていた。

今月に入っても奇怪な事件が続いている。プーチン大統領に批判的な政治団体「開かれたロシア」の事務局長、ウラジーミル・カラムルザ氏(35)が2日にモスクワで倒れて病院に搬送されて以来、人工呼吸器につながれ、腎臓透析を受けている。何らかの物質による「急性中毒」と診断されたまま真相はやぶの中。氏は、上述のように射殺された野党指導者ネムツォフ氏とも親しかった。

日本は、こうした狂気の国々に囲まれている。地政学的に逃げようもない。つくづく難儀な立場である。

見苦しいぞ、左巻き「口説の徒」

米紙も「最も戦略的に大きな野心を抱いた日本のリーダー」 と評価した日米首脳会談

米紙も「最も戦略的に大きな野心を抱いた日本のリーダー」 と評価した日米首脳会談

握手嫌いのトランプ大統領が自ら手をさしのべて安倍首相と握手した。19秒続 いた。共同声明、記者会見をみても、アメリカの日本批判は完全に抑えられた ばかりか、尖閣諸島は日米安保条約の守備反意であることが明記され、中国向けに核 の傘による日本の安全保障が、ちゃんと文言に盛られていた。途中で飛び出した北朝鮮の暴挙にも2人がそろって会見、「同盟国日本を100%指示する」である。あれだけ非難していた自動車や為替操作の経済の話は「0%」で、両国のN02同士の話し合いにゆだねることで合意、とあっけないものだった。

そのうえ週末だからとフロリダの「冬のホワイトハウス」へ招待し、ゴ ルフを18ホール、さらに2人だけで9ホール、なんと27ホールもプレイに興じた。2晩ぶっつづけの歓待である。

トランプ大統領は「VERY VERY VERY   GOOD CHEMISTRY」と表現した。 「とても、とても、大変に、ウマがあった」といい、今後の国際会議ではいつも日米首脳会議をやろうとまで約束した。ケミ ストリィが合うというのは肌合いが合うという意味で、潔癖症で握手も控える人がここまで言うのだからまさに破格のもてなしと外交であった。

ウォールストリート・ジャーナルは国際面トップで、「トランプ氏は、会談を通じてアジア太平洋の地域の同盟を強固なものとしようとしている」と強調した。そのほかのメディアもおおむね蜜月ぶりを驚き、かつ評価している。日本国内でもほぼ同じ評価だ。

ところが、いつものようにひねくれたコメントをする勢力がいる。

共産党の志位和夫委員長は「安全保障政策でも、経済政策でも、異常な“トランプ追従”が際立つ。(首脳会談で日米同盟の一層の強化を確認したことについて)、『海外で戦争する国』づくりをさらに推進するという誓約にほかならない。(安倍首相が「高い技術力で大統領の成長戦略に貢献し、新しい雇用を生み出す」と訴えたことについて)、異常な『貢ぎ物外交』というほかない」と切り捨てた。

常日頃、唯我独尊の理論を振りかざす政党だから、またかと聞いていればよい。だが、是々非々を掲げた民進党の蓮舫代表はとんちんかんとしかいいようがない理屈を披歴した。

「安倍総理は、一貫して(米国側に)TPPを粘り強く説得をしていくと言っていたが、あっさりと二国間の交渉という形に落ち着いた。なぜ姿勢が急に変わったのか、説明してもらいたい。TPPは昨年の国会で、無理に通す必要は全くなかったということは、むしろ明らかになった。(中東アフリカ諸国からの入国禁止の大統領令をめぐり)世界中から、トランプ大統領がまた人権を侵害するような行動をしないか、厳しいまなざしが向けられている中、トランプ大統領とにこやかにゴルフに興じている日本の総理というのは、私は誇れるものではないと思う」

ゴルフ外交そのものを認めないというのだから話にならない。ではどうすれば民進党は「外交」になるのか逆に聞きたいものだ。

このところ影が薄い自由党の小沢一郎共同代表もちゃちゃを入れてきた。12日、東京都内で開いた自身の政治塾で講演し、日米首脳が経済対話の枠組み新設で合意したことについて。「安倍政権は米国と対等な交渉をできない。お金で何とか機嫌を取ろうとしているが、貿易交渉になったら、米国は強い要求を出してくるのではないか」と述べた。 田中派7天皇と他党や人を強面で恫喝してきて「対等な交渉」など経験したことがない人がこれである。
日米間の安全保障上の協力に関しては「在日米軍駐留経費の負担だけではなく、日本は軍備の増強を求められるだろう」と指摘した。(共同)
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次は朝日新聞である。昨年11月の米ニューヨークのトランプタワーでの初会談で、こんな会話があった。

安倍首相が 「実はあなたと私には共通点がある。「あなたはニューヨーク・タイムズ(NYT)に徹底的にたたかれた。私もNYTと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った…」

これを聞いたトランプは右手の親指を突き立ててこう言った。 「俺も勝った!」

その朝日新聞だが、「世界の首脳が、予測不可能」なトランプ米大統領との間合いに頭を悩ます中、安倍晋三首相は何よりも仲良くなることに全力を注いだ。米国内外から『差別』『憲法違反』などと批判を浴びる大統領令などの問題を抱え、苦境に立つトランプ氏にとって、何の異論もなく称賛してくれる外国の首脳は希少な存在だ。米メディアからは「おべっか」などと冷ややかな声も出ている。」

「安倍晋三首相は今回の訪米で、トランプ米大統領との信頼関係を図るため、『「ゴルフ外交』」を利用した。日米の利害が対立するときに備え、両首脳が率直に意見を交わすことができる関係を築いておきたいとの狙いがある。ただ、このタイミングでゴルフに興じることが世界にどう受け止められるのか、首相には熟慮してほしかった」(フロリダ・パームビーチ=高橋福子記者)

「熟慮してほしい」のはどちらなのか、賢明な読者の方には自明のことだろう。

ひょんなことであのトランプタワーの場所を知った

今もっとも有名なビルといえばNYのトランプタワーだろう。安倍首相が世界の首脳に先駆けて真っ先に招き入れられたペントハウスとして新聞をにぎわし、連日「トランプは私たちの大統領ではない」というプラカードのデモ隊が押しかけている。
5番街はブログ子も何度もうろついたので、かねがね、どこだろうと思っていたものの、特段調べもしなかったのだが、下記のニュースでしっかりと場所がわかった。あのティファニー本店の隣だった。だったらよく知っている。娘に「ハート型のネックレス」とやらを所望され大枚はたいて何個か買い込んだところだ。
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トランプ余波でティファニー、トップ辞任 「トランプタワー」隣の本店警備強化が打撃

ティファニーの本店。右がトランプタワー

ティファニーの本店。右がトランプタワー

米宝飾品大手ティファニーは5日、キュメナル最高経営責任者(CEO)が辞任したと発表した。業績不振が理由とみられ、トランプ米大統領が就任直前まで住んでいた「トランプタワー」の警備強化で、隣にある本店の売上高が急減したことも打撃となった。

ニューヨーク中心部の5番街にあるティファニー本店は、世界全体の売り上げの10%近くを占める旗艦店。米国では11月下旬の感謝祭から12月のクリスマスにかけて個人消費が盛り上がるが、昨年はトランプタワー近隣の店舗に立ち寄る人は警察官に行き先を尋ねられ、手荷物を検査されたこともあり、11~12月の本店の売上高は前年同期に比べて14%減った。世界全体の売上高も2%減となった。(共同)

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たった一つの店舗で「世界の売り上げの1割を占める」というのはわかる。ブログ子だってなけなしの金をはたいてネックレスの売り上げに貢献したのだから。しかしトランプタワーの警備が強化されたくらいで売り上げが落ちてトップの首が飛ぶほどのものなのか、そんなに脆いものかという思いだ。他の理由もあるのではないか。

それはともかく、安倍首相はトランプ大統領との首脳会談に臨むためアメリカに旅立った。ワシントンに到着後、現地時間の10日午後(日本時間11日未明)にホワイトハウスで約45分間、日米首脳会談に臨む。会談後はトランプ氏と並んで共同記者会見を行い、昼食会に出席する予定だ。

frorida会談では自動車貿易などの通商政策や、日米同盟のあり方などが主要テーマとなる見通しだ。その後、両首脳は大統領専用機「エアフォース・ワン」でトランプ氏の別荘があるフロリダ州パームビーチに移動し、昭恵夫人とメラニア夫人を交えて夕食を共にする。翌日は日中にゴルフを楽しみ、夜は再びトランプ氏主催の夕食会が計画されており、ほぼ丸2日間を一緒に過ごす日程となっている。

大統領就任後つぎつぎと大統領令にサイン、「まさか」と思われたTPP離脱、はては7か国からの移民差し止めで司法と全面戦争・・・これほど喧嘩っ早い大統領は見たことがないが、あと8年、世界はこの人と付き合わねばならない。安倍首相は任期延長を考慮しても数年は関係維持に努めなければならない。ほんとに民主党政権でなくてよかったと思う。

パームビーチはブログ子もゴルフやデイトナビーチのカーレース場の行き帰りに立ち寄ったが、その先マイアミへは治安が悪化していて「行くな」と言われてやめた。カリブ海の島国からの避難民が押しよせていた。散歩などしようものなら後ろからよくてこん棒、下手すれば拳銃だというのだから忠告に従わざるを得なかった。アメリカの「多様性」の一端を見たものである。

トランプの移民嫌いはあのあたりで形成されたのではないかと思う。それにしても安倍首相はとんでもない男と「国益」を賭けてゴルフするわけで、身どもなど恐ろしくてとてもクラブも握れない。成功を祈るや切である。

潜水艦救難母艦「ちよだ」の進水と佐久間艇長

「ちよだ」の進水式(昨年11月)

「ちよだ」の進水式(昨年11月)

前回に続いて潜水艦の話。 昨年11月、三井造船玉野事業所(岡山県玉野市)で、海上自衛隊の新型潜水艦救難艦「ちよだ」が進水した。と同時に佐久間艇長の話を思い出した。世界一といわれる海自の潜水艦救難技術だが、ここに至るまでには107年前の潜水艦沈没事故で佐久間艇長が書き残した遺書の精神が、今もなお連綿と引き継がれているのだ。

「 花は散りても香(か)を残し 人は死しても名を残す 天晴れ佐久間艇長は ・・・」と歌われた第六潜水艇(艇長 佐久間勉 大尉)の悲劇は1910年(明治43年)4月15日発生した。第六潜水艇は岩国を出航し、広島湾へ向かう途中、潜航実験の訓練を行った。ガソリンエンジンの煙突を海面上に突き出して潜航運転するもので、現代のシュノーケルと同じものだが、誤って煙突の長さ以上に潜航したために浸水が発生、17メートルの海底に着底した。

佐久間艇長は、空気が乏しくなり、薄れゆく意識の中で、死の直前まで手帳に書き続けたメモを残した。

小官の不注意により
陛下の艇を沈め
部下を殺す、
誠に申し訳なし、

されど艇員一同、
死に至るまで
皆よくその職を守り
沈着に事をしょせり

これの誤りもって
将来潜水艇の発展に
打撃をあたうるに至らざるやを
憂うるにあり、

・・・

謹んで陛下に申す、
我が部下の遺族をして
窮するもの無からしめ給わらん事を、
我が念頭に懸かるものこれあるのみ、

全文39ページ。苦しい息の中で、文字は正確、文章は簡潔明瞭。
翌日、引き揚げられたが、佐久間艇長以下、乗組員14人のうち12人が配置を守って死んでいた。残り2人は本来の部署にはいなかったが、2人がいたところはガソリンパイプの破損場所であり、最後まで修理に尽力していたことがわかった。

この事故の少し前にイタリア海軍で似たような事故があった。そこでは、乗員が脱出用のハッチに折り重なったり、他人より先に脱出しようとして乱闘をしたまま死んでいたことから、第六潜水艇の乗員について「潜水艦乗組員かくあるべし」とたたえられた。感動したセオドア・ルーズベルト大統領によって国立図書館の前に遺言を刻んだ銅版が設置され、イギリスの王室海軍潜水史料館には佐久間艇長と第六潜水艇の説明板がある。戦後も、ある駐日英国大使館付海軍武官は、今に至るも英国軍人に尊敬されている日本人として佐久間を挙げている。
「将来、潜水艇の発展に打撃を与うることなきを」の遺言を日本は守り続け、海上自衛隊の潜水艦救難のためのプロジェクトは、昭和30年と、早い時期から始めている。昭和30年というのは、海自がアメリカから潜水艦「くろしお」SS-501を貸与された年で、5年後には潜水艦救難用チャンバーを備えた初代「ちはや」を建造している。

この、ワイヤーとチャンバーを接続する方式は欠点がある。救助チャンバーから作業員が海中に出て、人力で行うため潜水深度に限界があり、また人員の加圧・減圧に時間がかかった。さらに、遭難している潜水艦の深度によっては、救助された乗組員は、いきなり圧力の変化を体に受け潜水病の危険がある。

深海での救難を想定した「ちよだ」搭載のDSRV

深海での救難を想定した「ちよだ」搭載のDSRV

そこで開発されたのが、「ちよだ」から搭載されたDeep Submergence Rescue Vehicle (DSRV)。はっきり「深海」救難を想定していて、釣り鐘を降ろすのではなく、小型の潜水艇を上に付けて、そこに乗り移るという仕組み。この救難艇の規格は世界共通になっていて、どこの国の潜水艦であっても救難できるように統一されている。

日本ではまだ潜水艦救難出動はないが世界では時々発生していて、2000年の8月12日、ロシア海軍の原子力潜水艦「クルスク」が、バレンツ海において演習中、艦首魚雷発射管室の爆発が原因で沈没し、乗員111人が全員死亡した。

自衛隊が出動したのは2005年、やはりロシアの、深海救難艇がカムチャッカ沿岸で身動きが取れなくなった。事故発生時、ロシア海軍は外国に救助依頼しなかった「クルスク」事故の教訓から、すぐ外国に救難を要請した。駆けつけたのはアメリカ、イギリス、日本の救難艦だったが、「ちよだ」の船足が遅く、着いた時には、現場に一番に到着した英海軍の無人探査機「スコーピオ」が絡まった鋼線を切断し、自力で浮上していた。

◇ ◇ ◇

今回、進水した「ちよだ」は艦名でいうと5代目だが、海上自衛隊としては、昭和60(1985)年、初代となる潜水救難母艦「ちよだ」が就航して以来2代目となる。先代より大型化し、全長128メートル、最大幅20メートル、基準排水量は5600トン。ディーゼルエンジンを2基搭載し最大速力は20ノットと速い。

潜水艦救助のためのDSRV(深海潜水艇)や自立型の無人潜水装置ROVといった装備などの艤装を行い平成30年(2018)3月頃、先代「ちよだ」と交代する予定。搭載する深海救難艇を大型化することで一度に16人を救出できる。手術用のベッドを2床、病床を10床設置する。

トランプは思いのほか戦略家ではないか

そう思ったのは、 トランプ米大統領が1月26日放送のFOXニュースのインタビューで海軍の潜水艦を増やす方針を示した上で、メーカーに値下げを求める考えを強調したとロイター通信が報じたからだ。

トランプ米大統領は「候補者」の時から「米軍の再建」を施政方針に掲げている。南シナ海で海洋進出を強める中国に対抗するため海軍力を増強する構えで、インタビューでは「潜水艦が不足している。新しい潜水艦を建造するつもりだが、価格が高すぎる」と述べたという。

価格の問題は後述するとして、一般には海軍力増強というと米国の原子力空母や中国の空母「遼寧」といった大鑑巨砲を思い浮かべるだろうが、実は鍵を握るのは潜水艦なのである。中国の「遼寧」は、ウクライナで建造中止となった旧ソ連製空母「ワリャーグ」を鉄屑として購入し、あろうことかこれを再生して中国初の空母「遼寧」として就役させたもので、これをもって「時代遅れの大鑑巨砲」と揶揄されるが、陰では着々と原子力潜水艦の充実を図っている。

ブログ子の軍事知識は、戦後ゼロから出発した日本の海上自衛隊にあって、海面下の戦いの重要性を認識して着々と潜水艦隊を作り上げ「日本潜水艦隊の父」と呼ばれる「K海将」(故人)から得たものだ。氏が昔なら「連合艦隊司令長官」にあたる横須賀艦隊司令や六本木に防衛庁があった時代、防衛課長の席にお邪魔して雑談した。防衛課長室に入るときチラっと脇の部屋を見たら太平洋や日本海の大きな地図の上に小さな艦艇の模型が配置されているのを見た。潜水艦などの現在の位置情報という最高機密ではないかと思ったが、知らぬ顔をしていた。それほど信頼されて奥に通されたということだろう。

現在、日本の通常型潜水艦は世界最高峰レベルにある。横やりが入って実現しなかったが、オーストラリアが日本製潜水艦を導入しようとしたくらいである。原子力潜水艦は潜水艦と原子力技術の双方を持つ国でしか製造できないため保有国は限られ、現在、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インドの6ヶ国のみ保有している。日本は建造能力はあるが核アレルギーで世論が許さない。

原潜の利点は、通常型潜水艦では行なえない弾道ミサイルの発射プラットフォームとして使える(戦略ミサイル潜水艦)点だ。アメリカ海軍は21世紀に入って、弾道ミサイル搭載型を、巡航ミサイルの発射プラットフォームである巡航ミサイル潜水艦へと改造を急いでいる。これにより中国本土にあるミサイル発射基地は瞬時にして破壊できる能力を持つといわれている。中国が埋め立てて海洋基地化を図っている南シナ海のスプラトリー諸島 (南沙諸島)、東シナ海にしても同じである。圧倒的海軍力(=潜水艦)を持っているから中国を恐れなくてもいい理由はそこにある。

その潜水艦能力を増強するというのだからトランプ大統領の軍事知識もかなりのものである。そこで冒頭に掲げた高い建造費についてである。大統領就任前、最新鋭ステルス戦闘機F35や大統領専用機「エアフォースワン」についても値下げを航空機メーカーに要求。ロッキード・マーチンやボーイングは直ちに降参してコスト削減に取り組む姿勢を示した。

アメリカの軍需産業の高い言い値にペンタゴンが唯々諾々としてきたのは否めない。それにつられた高値で日本やNATO諸国に輸出できるからますます経営は安泰だったが、トランプ大統領はこの「聖域」に手を突っ込んた。メーカーも従うしかなかった。

アメリカの原子力潜水艦製造の2大メーカーと言えば、ノースロップグラマンとゼネラルダイナミクスだが、これまた値下げ要求を呑むしかないだろう。 原子力潜水艦の原子炉は100%加圧水型で 米国唯一のPWR(加圧水型原子炉)製造メーカーだったウェスチングハウス社は、 業績不振からイギリスの企業体に売却され、さらにイギリスから日本の東芝に売却された。同盟国の間をたらいまわしである。ただその東芝がアメリカでの原発建設で巨額の赤字を出し銀行団からの緊急融資をうけるという経営危機にある。

ステルス機F35の部品の3,4割が東レの炭素繊維をはじめとする日本製だというのは広く知られたことだが、原子力潜水艦でもまた同様である。部品の大部分が日本製で、下請OEMで東芝や三菱重工が造っているといっても過言でない。つまり日本の技術力がないとアメリカの原子力潜水艦は造れない現実がある。日本との軍事同盟を強化する以外にアメリカの安全保障もまた強化されないのだ。

そんなわけで、ブログ子など一連のトランプ発言を聞いていて、安全保障では結構やるのではないか、と期待感を持つのである。

 

盗っ人猛々しいにもほどがある

観音寺の長崎県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」

観音寺の長崎県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」

長崎県対馬市の観音寺から2012年10月に盗まれ、その後、韓国で発見された県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」の所有権を主張する韓国の寺が、像の引き渡しを韓国政府に求めていた訴訟で、大田地裁は26日、像を韓国の寺に引き渡すよう命じる判決を言い渡した。

引き渡しを求めていたのは、韓国中部・瑞山(ソサン)にある浮石(プソク)寺。この寺は仏像が14世紀の高麗時代に同寺で作られ、倭寇に略奪されたと主張していた。寺で作られたという根拠など皆無にもかかわらず、地裁は「仏像が作られた後、浮石寺がある地域に倭寇が5回侵入したとの記録がある」ことを根拠に浮石寺への引き渡しを命じた。

仏像を盗み韓国に持ち込んだ男らは韓国で起訴されている。韓国の司法が犯罪行為と認めた泥棒行為を、今回の判決では正当化している。「歴史問題を絡めれば日本には何をやっても許される」といった世論に迎合したものだ。

菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で、「極めて残念だ。速やかに仏像が日本に返還されるよう、韓国政府側に適切な対応を求めていきたい」と述べ、韓国政府も即日控訴した。

判決に勝ち誇る韓国の寺の住職と支持者たちょ

判決に勝ち誇る韓国の寺の住職と支持者たち

あきれた裁判である。韓国の司法の後進性は、先に産経の加藤達也支局長が朴槿恵大統領の空白の7時間を報じた記事を起訴したことにも表れているが、上級審で完全に敗訴し、少しは懲りたかと思ったが、全然体質が変わっていない。

少しまともに考えれば、この事件では、韓国政府の海外文化財返還公式窓口である「国外所在文化財財団」の理事長が「文化財と関連した不法行為は容認してはならない。浮石寺の仏像の場合、日本に戻すのが正しい」と語っている(2014年4月)。このあたりまではまだ「まとも」だった。

にも関わらず、大田地裁の文(ムン)宝頃(ボギョン)裁判長は「略奪や盗難で対馬に渡ったとみるのが妥当」と数百年前の出来事を見てきたかのように断じ、「浮石寺の所有と十分に推定できる」とした。同じ大田地裁が、仏像窃盗団に有罪判決を出しながら、返還は認めないという非常識な司法判断だ。巷間「泥棒にも三分の理」という。だが、裁判所が率先して屁理屈を並べて「三分の理」を認めてどうする。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の文化財不法輸出入等禁止条約では、盗難文化財の原則返還を定める。日韓はともに、同条約の批准国だ。二重三重に「国際常識・一般常識」と相いれない、ルーピーな判決なのだ。

日ごろ、従軍慰安婦の嘘をまき散らした朝日新聞と同一論調をとる毎日新聞ですら「日本側の我慢は限界に来ている」と対馬の悩みとともに以下のように報じている。

× × ×
今年1月21、22日に行った世論調査では、日本が韓国駐在大使を一時帰国させたことに、74%が「支持する」と回答した。ただ、対馬にとって韓国は、切っても切れない隣国だ。

長崎県によれば、平成27年に対馬に宿泊した韓国人は延べ22万人だった。島への全宿泊者延べ77万9千人の3割近くを占める。対馬の観光産業を、韓国人が支えているのは間違いない。

「仏像の件だけでなく、旅行客のマナーなどで不満は持っている。ただ、地理的にも歴史的にも切っても切れない関係だ。島でお金を落とすのであれば、それが誰でも歓迎する」。旅館を経営する男性は、こう語った。

島最大の夏祭り「対馬厳原港まつり」では、「朝鮮通信使行列」が行われる。仏像窃盗後の25年は取りやめたが、26年から再開した。祭りを主催する対馬厳原港まつり振興会の山本博己会長は「誤解されることも多いが、韓国をたたえるためのものではない。かつて対馬を治め、日本と朝鮮の仲立ちをした宗家の功績を振り返るものだ。判決を受けた対応は、仲間と話し合って決めたい」と語った。

国境の島の苦悩が、ここにある。対馬の仏像 原状回復が国際常識だ。(毎日新聞2017年1月27日 東京朝刊)

稀勢の里、四字熟語使わなかっただけ上出来

過去の横綱の口上

過去の横綱の口上

稀勢の里が25日、大相撲の横綱に昇進した。ブログ子はもう一場所様子を見てからのほうがよかったと思うが、どうしても19年ぶりの日本人横綱を誕生させたかった日本相撲協会の思いが勝った。琴奨菊が昨年初場所で14勝1敗で初優勝、10年ぶりの日本人力士の優勝と大喜びして大関にしたものの、本人が浮かれすぎて奥さんとのアツアツぶりや連日のパーティーぶりが報道されたとおもったら、今場所関脇に陥落である
なったものは仕方がないが、稀勢の里をほめるとしたら、口上が 「横綱の名に恥じぬよう、精進いたします」と至ってシンプル、過去の横綱が身につかぬ「四文字熟語」を口にする「悪弊」から抜け出したことだろうか。

息子2人の横綱昇進時に「四文字熟語」を連発させ、マスコミが毎回取り上げるようになったのは先代若乃花が花籠部屋から分家独立して二子山部屋を創設した時からである。マスコミ受けを意識して「絵になるような」「テレビ受けするような」企画をつぎつぎ打ち出した。その一つが「四文字熟語」である。

最初の伝達式は、41代横綱千代の山が昇進した1951(昭和26)年だが、当時はいたってシンプルで「横綱の名を汚さぬよう、これからも一生懸命稽古し、努力します」(61代横綱北勝海)と述べるにとどまっていた。それが二子山部屋全盛時代の94年
以降、貴乃花が大関昇進時の「不撓不屈(ふとうふくつ)」に加えて「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」。以後は「堅忍不抜(けんにんふばつ)」(若乃花)、それ以降も右に倣えで「精神一到」(白鵬)、「全身全霊」(日馬富士)といった具合だ。

身についたものならいいが親方や漢文に通じた後援会関係者から教わった一夜漬けだから本人にとっては上の空。曙のときなど「横綱のナニを汚さぬよう」とか言ってみんな笑いこらえてたし、三代目若乃花のように堅忍不抜を「けんしんふばつ」と言い間違えた。

大相撲報道に半世紀以上携わってきた元NHKアナウンサーの杉山邦博さん(86)は「難解な四字熟語をあたかも座右の銘のように引用するのは、個人的には好きじゃない」という。稀勢の里が四字熟語を使わないことは確信していたといい、「不器用な人物像がよく表れていた。力士の原点に返るような口上を述べた彼に、拍手を送りたい」。

落書きに「鞭打ち刑」を導入したらどうか

旧聞に属するが大晦日の新聞に名古屋で落書きしていた若い男2人が捕まった記事が出ていた。

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この不愉快な落書き犯にむち打ち刑を

この不愉快な落書き犯にむち打ち刑を

名古屋市中区の繁華街でビルの外壁に落書きをしたとして、愛知県警が男2人を建造物損壊容疑で逮捕した。2人は「デザイナー」などと自称。落書きはグラフィックアートの「作品」として、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に公開していたという。

逮捕されたのは愛知県西尾市の会社員の男(22)と住居不詳の無職少年(19)。2人は12月中旬の午前2時ごろ、同区錦2丁目で、それぞれ違うビルの外壁にスプレーで落書きし、建造物を損壊した疑い。

落書きされた2棟のビルは2階建ての建物をはさんで隣り合っており、2人は間の建物の屋根に上って落書きをしたという。通報を受けて中署員が駆けつけたところ、別の少年2人が付近におり、4人で落書きしていたことを認めたという。4人はグラフィックアートの愛好者が参加するSNSなどを通じて知り合ったという。事前に下絵を準備してスプレーやマーカーを使ってビルの外壁などに描いていた。落書きは「作品」として写真を撮り、SNSに載せるなどして、互いに見せ合っていたという。2人は全国の繁華街でも落書きしていたという趣旨の供述をしている

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名古屋の事件だが、この手の趣味の悪い「作品」は全国で見られる。アルファベットが重なり合っていて、文字に影をつけたりする共通の流儀があるが意味などはとてもくみ取れるものではない。ただただ不愉快なだけである。

原宿・表参道あたりは彼らの格好のターゲットらしく、数年前、森英恵の孫が捕まった(未成年で補導)とき、これで一帯はきれいになるのかと思ったが、どうして、その後も続々と「作品」は商店のシャッターや、電柱、歩道橋、石垣にスプレーラッカーで汚されているから、仲間は多いのだろう。
現在の刑法では微罪扱いで、落書き犯はすぐ釈放されるから、すぐまた落書きが増える。そこでこうした「不逞の輩」にはむち打ち刑を導入するのはどうか。

むち打ち刑はサウジアラビア、インドネシア、シンガポール、マレーシアなどイスラム教国で現在も行われている。不純交際、窃盗などに対して行われるが、動画を見たら女性が泣き叫びながら鞭打たれていたからそうとう痛い。二度としないと誓うほどのものらしい。

昨年サウジアラビアで、インターネット上でイスラム教を侮辱したとして有罪判決を受けた活動家の公開むち打ち刑が執行された。ムチ打ち1000回の刑で、50回ずつ、20回に分けて執行され、その初回、サウジ西部ジッダで公開された動画を見たら、公共広場へ連れ出され、手枷と足枷をされ群衆の前で、15分間も打たれ続け苦痛に顔をゆがめていた。

人権派が多い日本ではとてもお勧めできないと思うが、不愉快な落書きを見るたびに、導入してもらいたいと思うのだ。

屁の突っ張りにもにもならない新聞社説

週刊新潮を読んでいて面白い記事を見つけた。年末・年始の新聞社説の比較論考である。以前このブログで「成り注」原稿、つまり、「成り行きが注目される」と結論付ける記者をこっぴどく叱りつけた話を書いた。かねてから「屁の突っ張りにもならない」との定評がある新聞社説を比較論考したもので、筆者はニーチェの研究で知られる哲学者、適菜収(てきな・おさむ)氏。ブログ子は朝日。毎日、日経を読まなくなって久しい。したがって、こんなろくでもない社説を書いていたことも知らなかった。共感する方も多いと思うので、少し長いが採録する。最後のオチには笑った。

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毒にも薬にもならない「新聞社説」は害悪だ    哲学者 適菜収

新聞を読めば頭がよくなるというのは、都市伝説というより悪質なデマである。主要全国紙の朝刊発行部数だけでも2300万部に上ることからもそれは明らかだ。不特定多数の人間に新聞を購読させるためには、下のレベルに合せるしかない。クオリティーを高めれば、ついていけない読者は離れていく。新聞がくだらないのは構造的な問題だ。

もっとも新聞批判もワンパターンーなものが多い。「新聞は読むところがない」「社説は毒にも薬にもならない」と揶揄すること自体が野暮であり、マクドナルドにまずいとケチをつけても仕方がないのと同じ。

ただし、ここで注意が必要だ。本当に社説は「毒にも薬にもならない」のか?。 昨年末の四大紙、朝日、毎日、読売、日経の社説を眺めた限り、そうとは思えない。社説は「毒にしかならない」のである。

社説の構造はどれも同じだ。テーマに関する複数の論点を並べ、きちんと目が行き届いていることをアピールした後、社としての凡庸な統一見解を述べる。さらにこれをいくつかのパターンに分類することができる。

一番多いのは「だからどうした系」

「安全性や効能が確認された薬や治療方法は、みんながその恩恵を受けられる。そんな日本の公的医療保険の良さを残しながら、制度を維持していく方策に知恵を絞らねばならない」(薬価見直し納得できる仕組みに「朝日」12月5日)などと当たり前のことを滔々と述べる。

「子どもの実態を最もよくつかんでいるのは、ほかならぬ現場である。(中略)学校そして教員は、目の前の子どもたちに向きあい、それを踏まえた教育を行ってほしい」(新指導要領現場の不安にこたえよ「朝日」12月25日)

「利用する側も、ネットには玉石混交の情報があふれているとの認識を持つことが、改めて求められる」(情報サイト公共性をどう守るか「朝日」12月H日)

「年末に相次ぐ凶行は、改めてテロの脅威と背中合わせにある世界の厳しい現実を物語る。どんな背景であれ、暴力は断じて容認できない」(相次ぐテロ国際結束の再構築を「朝日」12月22日)

いずれも文章化する意味がわからない。

「北朝鮮の核開発の手を止めさせるためには、日米韓を中心とした関係国が、これまで続けた放置の状態を改め、何らかの関与の行動に出るほかない」」と奇妙な日本語で主張する朝日の社説のオチは「積もり積もった不信感を解くのは決して容易ではないだろうが、すべての関係国が努力を尽くす以外、道は開けない」(北朝鮮核問題 現状打破へ対話模索を 12月19日)。小学生の投書じゃあるまいし、」いい加減にしろよ。

断トツにアホだったのは、「東日本で地震『怖さ』思い出す契機に」(「朝日」11月23日)
「一つ一つの災害に謙虚に学び、個人も企業も社会も着実に対策を講じる。今日にも起きるかもしれない次の災害に備えるには、それしかない」

そんなこと言われても困るよね

「無責任系」に「放火系」

念のため言っておくと、記者の能力が低いのではない。逆だ。大手新聞社に勤めているのは二流のエリー卜であり、平均的日本人より国語力は高い。だからこそビジネスと割り切り、恥知らずな文章を日々量産できるのである。
「今後も見守っていくべきだ」などと結論を宙に投げ出す「無責任系」も多い。だったら。最初から黙って見守っていればいいのだが、読者を一緒に問題を見守っている気分に浸らせることができる。
これは「NHKに何を求めるかを、もっと国民レベルで考えなければならない」(NHK受信料本格的な値下げ議論を「毎日」11月27日)、「将来にわたる『国のかたち』を決めるという自覚を私たちも含め持たねばなるまい」(退位議論の集約に知恵を絞れ「日経」12月2日)といったふうに使う。

似ているのが、「したい系」。「カストロ氏の死を機に、理想と挫折が交錯した20世紀の歴史を振り返り、改めて世界の未来を考えたい」(カストロ氏死去、平等社会の夢、今なお「朝日」11月27日)。「カレーを食いたい」と言っているのと同じで、勝手に食ってろという話。

「放火系」は、新聞社が騒ぎにしたいものを「注目が集まっている」「今後問題になりそうだ」と煽るタイプ。 一番笑ったのは、「PKO新任務は安全と両立を」(「日経」11月17日)。

「12月で日本の国連加盟から60年となり、PKO参加も来年で25年の節目だ。危険をいかに最小化しつつ意義ある国際貢献をするかについて、与野党で改めて議論を深めるべき時期にきている」

25年も経っているのに「議論を深める時期」とはこれ如何に。要するに彼らは四半世紀の間この類のフレーズを使いまわしてきたのだ。こうしたものが日々世間にばら撒かれることで、「空気」や「気分」が発生する。居酒屋では仕事帰りのサラリーマンが、朝読んだ社説の内容を繰り返す結果どうなるか。究極の思考停止と無責任社会が完成するのである。こうした問題にわれわれはどのように向き合えばいいのか。今後とも見守っていきたい。

韓国で「乗馬=悪」が蔓延 

韓国・朴槿恵大統領の友人、崔順実被告(60)による国政介入事件が「乗馬」に思わぬ悪影響を及ぼしている。「陰の実力者」であった母の威光を最大限活用した数々の疑惑が浮上する娘、鄭(チョン)ユラ容疑者(20)=デンマークで不法滞在の疑いで拘束=の、乗馬を通した乱脈ぶりが判明している。それによって韓国の乗馬界のイメージを大いに失墜させ、大衆化を図り活性化しつつあった韓国の馬産業は壊滅的なダメージを被っている。

「金も実力のうち」そのままの馬術の実力

「金も実力のうち」そのままの馬術の実力

言わずと知れた「裏口の女王」のせいである。「金も実力のうち」と言ってのけて、名門女子大には教授陣を買収して「馬術」の推薦枠で裏口入学、2014年の仁川アジア大会乗馬団体戦では審判団を買収しての金メダル。馬術の実力はといえば、馬術人口の少ない韓国でもせいぜい12位以下だったようで、「金」の力で10人以上追い抜いてのトップの座だ、まさにやりたい放題。ドラ娘が転落するのは自業自得として、馬術のイメージまでダーティーになるのは、学生時代馬術に親しんだ者としてやりきれない思いである。
韓国通信社ニューシス(電子版)によると、韓国の農林畜産食品部(省に相当)は2012年に馬産業育成の5カ年総合計画を推進。馬産業の経済規模は年々拡大し15年に3兆2303億ウォン(約3100億円)。に達し、成長尺度を測る飼養頭数は15年に対前年比511頭増の2万6330頭と明るい展望を示していた。また、15年の乗馬施設は対前年比53カ所増の457カ所、乗馬人口も同2378人増の4万2974人となった。

ちなみに日本では、ネット上にクラブ情報が載っている乗馬クラブ だけでも800程度、 未収録クラブがあることを想定したら1,000施設ほど。日本の乗馬人口は、月1度はしっかり乗馬している人数で30万人ほど。乗馬人口は250万人のドイツ、400万人超のイギリスには及ばないものの日本はアジアでNO1の馬術愛好国である。

日本での馬術は戦後、学生馬術が中心だtったが馬術東京五輪開催を機に急速に一般に広まった。韓国でもこれを見習って馬術の裾野を広げつつあったのだが、不埒な小娘のおかげで水泡に帰す羽目になっている。
それだけの努力は一定の成果を示しつつあった。それを水泡に帰す危機に追いやっているのが、崔順実被告の娘、ユラ容疑者なのだ。彼女と乗馬関連を巡る不正と疑惑が連日報じられている。アジア大会の乗馬団体戦で金メダルを獲得したことで名門・梨花女子大に体育特待生として入学。その際、教育部の監査によって、15年度の体育特技者選抜でユラ容疑者を合格させるため、ユラ容疑者より点数の高かった2人を不合格にした不正があったことが判明している。

また、文化体育観光部がまとめた韓国乗馬協会特別監査結果によると、同協会は彼女のためにありもしない代表の練習に参加するのを理由に学校を3カ月休学する虚偽の公文書を作成するなど特別待遇を提供していた。ユラ容疑者は高校3年時、わずか17日しか出席していなかった。さらにサムスンは彼女の乗馬支援のために280万ユーロ(当時のルートで約3億2000万円)を送金していた。

これだけの優遇に、就職や大学入学に苦労する若者の怒りが爆発。社会的に乗馬に対して否定的な見方が広がり、「乗馬業界は不正の温床という烙印」が一般化した。「乗馬=悪」の印象の蔓延で乗馬クラブの週末の予約率が約40%削減、さらに、乗馬服を着たままビアホールに出掛ければ、隣のテーブルの人から「乗馬をする人が国を台無しにした」と言われるとか。

またユラ容疑者の不正入試の影響で、乗馬専攻は「すべて不正入学」という認識が広がったとされ、「すでに乗馬学科をなくす高校、大学が続々と出ている」とニューシスは伝える。そのため若手有望株が行き場を失う事態に。五輪など大きな大会に出場するには練習費などで多額な費用が掛かるのが現実。「企業の支援がなければ困難な状況で絶望的だ」と乗馬関係者のコ嘆き節だ。

入れ墨を隠そうともしない

入れ墨を隠そうともしない

15年5月に男の子を出産したユラ容疑者は、朝鮮日報によると、母とともにドイツ滞在中にサムスンからの資金で馬場馬術用に調教済みの高額な馬を購入したり、ブランド品の馬具をふんだんに買い込んでいた。さらにはトイレットペーパーなど生活必需品、ベビー用品などもサムスン資金で購入していたという。公私混同の乱脈ぶりもひどいが、学生の身でドイツで同棲生活を送り、夜な夜な開くパーティには入れ墨姿のドレスで登場するなど乱脈な生活ぶりが浮き彫りになっている。

入れ墨をした女子馬術選手など世界を見渡しても聞いたことがない。ひどいものである。

潘基文、この唾棄すべき変節漢

国連を去る潘基文=昨年12月30日

国連を去る潘基文=昨年12月30日

中央日報(韓国紙)は13日、同国大統領選に出馬意欲を見せている潘基文・前国連事務総長が、従軍慰安婦問題の日韓合意で日本が韓国に拠出した10億円をめぐり、ソウルの日本大使館前の少女像撤去が条件なら「(日本に)金を返してやらねばならない」と述べたと報じた。

潘氏は、12日に韓国に移動した飛行機内で同紙に「10億円が少女像の撤去と関連したものなら、日本がああだこうだ言っているが(合意は)間違ったものだ。それならいっそ金は返してやらねば。話にならない」と述べた。(共同)

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国連事務総長時代は朴槿恵大統領に近いのが「売り」で、与党セヌリ党から朴後継として大統領選への出馬をもくろんでいた。だから2015年12月の日韓合意を歓迎、評価していた。しかし、朴政権が「死に体」となるやこの変わり身である。盧政権の外相時代から「油うなぎ」のあだ名があり、思想信条より世論に左右される典型的なポピュリストである。事実、朴政権初期の対日強硬だった時期は自身も反日発言を行っていた。まるで「自分」というものがない。風見鶏よろしく世論を見ながら次々と変節していく。実に見下げ果てた男としかいいようがない。

日韓合意を歓迎、評価していた点を突かれると、かつての自身の発言を「合意に至ったことを歓迎したわけで、具体的に何がうまくいったのかを話したのではない」と平然と言い訳をする。もとは外交官出身で盧武鉉政権(2003~08年)下で外相を、その後10年間は国連事務総長を務めたのだから、外交・国際問題に精通しているはずで、日本公館前に慰安婦像を置くことが、外国公館の安寧と尊厳を守るように定めたウィーン条約に違反していることを知らない訳はない。

二階幹事長は10億円返還について、それなら貰う前に言うのが筋。貰ってから、アレコレ言うのはおかしい、とたしなめていたが、10億円を返したからと言って国と国の合意をご破算にできるというこの国独特の自己中心的発想が国際的に通じるものかどうか誰一人気づかない。統合失調症的なおか しな国だ。

潘基文は国連事務総長として最悪の評価だった。最も評価を下げたのは職務の中立性だ。日本はアメリカに次ぐ第2位の国連分担金供出国だが、それに比例する国連職員を出していない。日本の分まで多くの韓国人を縁故採用して顰蹙を買い、国連職員組合が批判文書を出したほどだ。

中立的立場であるはずの国連事務総長。なのに、ロシアのクリミア併合で国際社会がロシア批判を強めるなかで、モスクワでの「対独戦勝記念式典」に出席するは、さらに2015年9月3日中国北京での「抗日戦争勝利・世界ファシズム戦争勝利70周年記念式典」にも日本が抗議する中、朴槿恵大統領と並んで天安門上にまるで「戦勝国づら」して嬉々としてパレードを見学した。

国連事務総長は「後進国」(発展途上国)から選ばれる、こういう時は「後進国」で、経済その他では「先進国」を使い分ける韓国の節操のなさにもあきれるが、国が国なら個人もそうで、潘基文も二枚舌でやってきた。慰安婦問題でも朝日新聞の誤報をうのみにしたクマラスワミ報告書で「軍隊性奴隷制(military sexual slavery)」を修正するどころかユネスコを舞台にした「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録では朝鮮人労働者に強制労働があったと認めさせようとする画策まで黙認した。

一方で、国連事務総長が動かなくて誰の仕事かと言われる、核問題や難民問題への関与はまったくせず、ニューズウィーク誌に「その無能は際立っている」と非難されたほどだ。

潘基文前事務総長の弟とおいの親族2人が10日、ベトナムにある高層ビルの売却をめぐり賄賂を提供したなどとして、ニューヨークの連邦裁判所に起訴された。関与のほどはわからないが、これから金がらみの話も出てきそうである。

次の大統領選では4候補のいずれも朴槿恵政権を全面否定なのはわかるが、そろって反日である。「反日無罪」の国柄でそうでなければ勝てないというのも悲しいが、なかでも最も強硬なのは支持率一番の文在寅氏で、次いで李在明氏、さらに安哲秀氏、潘基文氏だ。どれが来てもろくでもない大統領だが、「潘基文」だけはまっぴらだ。

中韓の「鼻持ちならない」トイレ文化

我が国が世界でもトップクラスの「トイレ先進国」であることは、来日した中国人が競ってトイレを買って帰ることを見てもわかる。2,3年前八ケ岳の我が山墅にオーストラリア大使館の公使がやってきた。山の上なので「貯蓄型」である。それで、大の時は少し下のホテルに行けと教えた。帰ってきてほめちぎることに「こんなすばらしいトイレはみたことない」。ウォーム、洗浄、流しがボタン一つで作動するごく普通のものだが、ないものが二つあったという。人影をセンサーで感知して近づくと便器の蓋が自動で上がること。男子用なのにイクメン用にか赤ん坊を座らせる椅子が壁についていてしかも親の顔が見られるようにこちら向きになっていたという。

別に驚くほどのことでもないと思っていたが、昨日、韓国発のニュースで来年の平昌五輪に向け、全国の高速道路のサービスエリア内の「韓国型トイレ」の改造にやっきになっているというのがあった。かねがね信じがたい文化だと思っていたが、とうとう気が付いたかと思った。

ソウルのオフィスビルにあるトイレ。すぐそばにむき出しで。

ソウルのオフィスビルにあるトイレ。すぐそばにむき出しで。

韓国では使用したトイレットペーパーを便器に流すのではなく、設置されたそばの「ごみ箱」に捨てる風習がある。「トイレットパーパーはごみ箱へ」と注意書きされていることもある。尻を拭き、汚物がこびり付いた紙をここに捨てろということだ。「ごみ箱」には蓋がないから座った側にむき出しで汚物が見える。

中央日報によると、トイレにごみ箱を置くのは「韓国独特の文化」だとしている。起源として、新聞紙や質が悪いちり紙を使用した際、便器が詰まるのを防ぐためにごみ箱を置いたのが始まり、とか、昔汲み取り業者が肥料として農家に売るときにいつまでも畑に残る紙類を嫌ったせいとか諸説あるが、確かなものは分からないようだ。韓国の下水は質が悪いちり紙が詰まるのかというとそんなことはなく、民間でそうした「伝説」があるだけだとも。

2012年4月にソウル市内の地下鉄駅でごみ箱を試験的に撤去したら「不便」という苦情が殺到し、2カ月で再設置に至った。さらに世界規模のコーヒーチェーン店、スターバックスでも、便器の横にごみ箱が置かれていたいうくらいれっきとした「韓国文化」である。

中国の女性用。これなど仕切りがあるだけまし。

中国の女性用。これなど仕切りがあるだけまし。

中国となるとさらに羞恥心がないという文化が加わる。山峡下りに出かけた知人の女性が「信じがたい」と言って帰国してきた。普通のホテルだったが朝行ったら腰を抜かすほど驚いた。広いところに穴が10数個空いているだけ。仕切りもなければ男性用でいう金隠しもない。中国人同士しゃがんで雑談しながら用を足していた。旅先こうしたところばかりですっかり便秘になってしまったという。

ブログ子も万里の長城を見に行って公衆便所に入った。真ん中に水が流れる溝があってこれをまたいで用を足す。一応仕切りはあるが上半身は互いに見える。驚いたのはここでしゃがんで「大」をする者がいるのである。中国では区別をしないのかと外に出て見たらちゃんと「大」専用があった。ホテルは日本と同じ水洗だったがわきにゴミ箱があった。開けてみたことはないが、あれは韓国式と同じだったかと、今頃思う。

ついでにもう一つの「鼻持ちならない」隣国、ロシアのダイナミックなトイレ文化を紹介しよう。ソ連だったころの話だが、自分の新聞社の企画として、真冬にシベリア鉄道でウラジオストックからモスクワまでの大陸横断の旅を紹介した。乗った同僚記者の原稿に「ロシア号」のトイレ事情があった。厳寒の下、トイレは使用ごとに凍り付き「黄金柱」が成長する。2日に一回ぐらい停車駅でハンマーを持った女性車掌が叩き割るとあった。「本当かい」と聞いたら、「嘘を書いたというのですか」と怒られた。

何か哀れを催す70歳革マル闘士

革マル派の関係先の捜索=葛飾区青戸3

革マル派の関係先の捜索=葛飾区青戸3

賃貸住宅の更新の際に偽名で作った書類を提出したとして、警視庁と神奈川県警は10日、有印私文書偽造・同行使容疑で、革マル派の植田琢磨議長(70)が住民登録している神奈川県の団地の1室と、東京都葛飾区の関係先の計2カ所を家宅捜索した。

警視庁公安部は植田議長について、本名は「新田寛」と特定。植田議長は平成8年に黒田寛一前議長から引き継いで革マル派最高幹部となったが、実名が判明するのは初めて。

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このニュースを聞いてブログ子は過激派にもとうとう高齢化の波が押し寄せたかと、ものの哀れを感じた。いまどき中核派だ革マル派だといっても世間に理解してもらえないだろう。人生のほとんどを「革命ごっこ」に費やす意味なんてあるわけはないが、党派間ゲバルトの犠牲者は113人、負傷者4600人(2005年時点)である。遊びの「ごっこ」の領域を超えているから深刻ではある。「新田寛」氏の、転向もしないでこの歳まで革命の夢を追い、本名を隠してアジトを転々とする人生を思うとどうしてもものの哀れを感じざるをえない。

ブログ子は60年安保世代である。当時は唐牛健太郎全学連委員長が率いていた。ブログ子は北大での同級生だった(向こうが年上だが彼がドッペってきた)。革マル派のヘルメットの「Z」は全学連からきているが、全学連が路線対立して分派が分派を呼んで、1963年に分裂した両派だが、..いつしか過激派になるのは70年安保あたりからである。査問、リンチから死者が出たことが発端となり、お互いのメンバーを殺し合うようになった.。

もともとは同じ根っこだったが、トロツキー派と、反スターリン派に分派、前者が中核派、後者が革マル派というモンスターに育った。トロッキーもスターリンも過去の彼方だが、「血が近いものほど憎みあう」の例え通り、殺し合いはすさまじかった。1973年から3年間ぐらいがピークで、新聞記事を探せば夥しい闘争史が出てくる。2003年ごろにはほぼ終息しているが、今でも時々、大学や郵便局に潜んでいる闘士の襲撃劇が新聞をにぎわしている。

新聞記者時代、中核派の「千早城」(豊島区千早町にあった)がたびたび警視庁から手入れされるのに立ち会ったが、取材記者でも両派の違いを説明できるものなど皆無だった。それくらいわけがわからぬほど分裂していったのである。

革マル派は正式には「日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(略称:革共同・革マル派)という。対立する日本共産党からは「ニセ左翼暴力集団」、中核派からは「反革命ファシスト集団・カクマル」、社青同解放派からは「反革命革マル」などと呼ばれている。ちなみに中核派の正式名称は「革命的共産主義者同盟全国委員会」という。

革マル派は捜索を受けたことについて「警察権力による不当な捜索を弾劾する。不当性は明らかである。新田寛議長が植田琢磨議長というペンネームなどというのは、笑止千万の妄言である」とのコメントを出した。

「時代錯誤」の言葉しか浮かばない。

ついに堪忍袋の緒を切った日本

釜山領事館前に設置された慰安婦像

釜山領事館前に設置された慰安婦像

 菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、年末に韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置された国際法違反への対抗措置として、(1)駐韓日本大使,、在釜山日本総領事の一時帰国(2)日韓通貨交換(スワップ)の取り決め協議の中断(3)在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ(4)日韓ハイレベル経済協議の延期-の4項目を発表した。

巷から拍手喝采の声が聞こえる。ありもしない「従軍慰安婦」をでっちあげ、教科書にまで記載するから若者まで「反日無罪」をいいことに騒ぎ立ててきた。平成27年12月28日の日韓外相会談で結ばれた「慰安婦問題日韓合意」で日本軍の従軍慰安婦問題を最終かつ不可逆的に決着させるという約束も守らぬばかりか、「慰安婦に10億円」も日本からさっさと金だけもらって知らん顔で、北朝鮮の傘下団体とみなされる「挺体協」による釜山の日本領事館前への「慰安婦像設置も地方行政の問題と逃げてきた。

4項目の対抗措置があるが、多くは外交上のメンツは丸つぶれだが実害はあまりない。唯一、ボデーブローのように効いてくると思われるのが、スワップ協議の中断だ。スワップとは各国の中央銀行が互いに協定を結び、自国の通貨危機の際、自国通貨の預入や債券の担保等と引き換えに一定のレートで協定相手国の通貨を融通しあうことを定める協定だ。ウォン暴落のリスクがあるのは韓国で日本には円暴落の懸念はない。実質的には日本銀行によるウォンへの信用保証で、韓国への一方通行である。ウォン暴落のリスクが減れば、資金調達が容易になるので、日本企業の韓国競合企業を日本政府が支援するようなアホらしいものなのだ。

今回のスワップ中断に韓国側通貨当局は「韓日通貨スワップにこだわる理由はない 。今後日本が望むなら協議を再開することができる」と笑わせるコメントを出した。

日韓スワップ協定では過去にも中断の経緯がある。平成24年8月、当時の李明博大統領が、島根県の竹島に上陸し、天皇陛下の謝罪まで要求したため700億ドルまで引き上げていた拡充策を、平成24年10月に取りやめた。朴大統領も、米中首脳らとの会談で日本批判を繰り返す「告げ口外交」で日本国民の感情を逆なでして日韓関係が冷え込み、1昨年2月に満期を迎えた協定の延長議論は出ず、打ち切られた。

それが昨夏、日韓通貨スワップ再開の議論が急浮上した背景には、金融市場の混乱と韓国経済の柱である輸出産業の不振がある。かつて低価格戦略で世界を席巻した韓国製の家電や自動車は人件費高騰によるコスト高が深刻化し、国際競争力を失いつつある。昨年8月末には、韓国最大手、世界7位の海運会社である韓進(ハンジン)海運が経営破綻した。

昨年6月には、英国民投票でEU離脱派が勝利。事前予想を覆す結果に投資家のリスク回避姿勢が強まり、ウォンや人民元などの新興国通貨が軒並み売られた。ウォン安に歯止めが掛からなくなり、物価が急騰する「ハイパーインフレ」を招いてしまう恐れもある。韓国政府は将来の通貨危機を懸念し、8月、日本に協定再開の議論を求めてきたのである。

その時の韓国の報道たるやこうだ。「(韓国)副首相が切り出すと麻生(太郎)財務相はすぐ待っていたかのようにこれを受け入れた」(中央日報)。さらに、「日本も中国の影響力が過度に大きくなるのを牽制するためにも韓国との協力を強化する必要がある」とする大学教授のコメントまでついていた。

通貨スワップが打ち切られた際、東亜日報(同)は社説で「資金力を武器に韓国を手なずけしようとする日本の態度は後味が悪い」「日本に手をさしのべてもらうことが再びないよう、外貨流動性管理に万全を期さなければならない」などと息巻いていた。

一事が万時「反日無罪」なのが韓国である。朴槿恵のあとを決める大統領選がある6月後に日本はスワップを再開する、と韓国側は楽観しているようだがとんでもない。後釜はいずれも反日世論へのポピュリズムばかりで慰安婦問題日韓合意を見直す構えだ。再開などしなくてよい。そればかりかウイーン条約違反を理由に大使館も釜山領事館も閉ざして半分「断交」にすることだ。日本にはなんの痛痒もない。

被害者意識ばかり、沖縄振興3000億円をカットせよ

 防衛省は5日、米軍普天間飛行場所属の新型輸送機オスプレイが6日に空中給油訓練を再開すると発表した。昨年12月13日の不時着事故は給油訓練中のトラブルが原因で起きたため、同19日に飛行を再開した後も休止していた。

ospray欧州を訪問中の稲田朋美防衛相は「米側が再発防止策を全て実施したことを確認した。防衛省・自衛隊の専門的知見や経験に照らしても妥当だ」との談話を発表し、再開に理解を示した。

これに対し、事故から1カ月弱で再開を容認したことに、沖縄県の安慶田光男副知事は「県民感情を考えたのか。日本政府は米軍の言いなりではなく県民の気持ちになってほしい」と強い不快感を示した。

事故発生時、このブログで「軍事音痴でオスプレイ反対をまき散らす輩 」ということを書いた。この事故は沖縄本島沖の空域で夜間に訓練中、乱気流でオスプレイのプロペラが給油ホースに接触し、損壊して飛行が不安定になり沖縄県名護市の浅瀬に不時着、機体は大破したものである。

オスプレイそのもののの安全性とは関係がない。にもかかわらず「安全性が確認されるまで飛行中止せよ」というのは筋違いもいいところである。想定外の乱気流に備えるためにも、さらに訓練を続けなければならないのが安全保障上の必須というものだ。

「県民感情を考えたのか」というなら「誰が国民の安全を考えるのか」というテーゼを考えるべきだ。被害者意識ばかりが目立つ。

沖縄県はどうしても己の県が「県民所得が全国最低」にしたいらしい。同じ日の産経新聞に「都道府県ごとの経済力を示す指標である沖縄県の1人当たり県民所得が、他県の例よりも所得が低くなる方式で計算されている」ことが報道されていた。

政府が28年に行った調査では、調査時点で最新の24年度の1人当たり県民所得ランキングで、沖縄県は全都道府県の中で最下位の47位の203万円5000円。ところが、これはトリックで、沖縄県独自の計算方式で作られている。ブービーの高知県より下になるようにしたもので、高知県(調査時点では45位)と同様の方式で計算し直すと、沖縄県の1人当たり県民所得は266万5000円で63万円増加し、全国28位に浮上、県内総生産も、公表されている3兆8066億円から4兆6897億円に上昇する。

政府が力を入れている観光立県もあってこのところ観光客が増加しているのに県民所得がいつもビリで、不思議に思っていたが、これでカラクリがわかった。翁長知事らは沖縄を日本一の貧乏県にしておきたいのだ。「沖縄返還後も基地問題を抱え、経済的な足かせになっている」ことを県内外に示したいのであろう。

沖縄には復帰直後から「おきしん」(沖縄振興特別措置法)で巨額の補助金が政府から出されていて、時限立法が切れた後も、政府の骨太方針に基づき、アジアの玄関口である沖縄を日本の経済再生の牽引役と位置づけ、沖縄振興策として、33年度まで毎年3千億円台の国の予算を投じている。

あれだけ盾突いている政府に、毎年知事以下が上京してきては陳情して「びた一文まからぬ」と横柄な態度で臨んでいる沖縄である。県民が「豊かになっては困る」わけがあるのだろう。

昨年暮れの29年度予算案でも、沖縄振興予算として前年比200億円減の3150億円を計上された。翁長知事はこれでも「他の県より多く交付されているわけではない」と毎度しゃあしゃあと言っている。27位の岐阜県と同じく「1700億円」まで下げるべきであろう。

除夜の鐘が騒音という心貧しい人たち

鎌倉・円覚寺の除夜の鐘

鎌倉・円覚寺の除夜の鐘

大晦日である。2,3年前から「紅白」を見なくなったので、その後番組「行く年くる年」で聞こえてくる各地の除夜の鐘の音がブログ子にとっては百八つの煩悩を払って新年を迎える唯一の行事になった。

ところがその「除夜の鐘」まで、騒音に聞こえる人たちがいるという。新聞記事によると、東京都小金井市の寺では、近隣住民から「除夜の鐘がうるさい」という苦情が寄せられ、26年には住民側が民事調停を申し立て、除夜の鐘を鳴らす際には住民側が指定する防音パネルを設置することや、除夜の鐘以外は鳴らさないことなどで合意したが、防音パネル作るにも費用がかかるので、一切鐘を鳴らさなくなった。

苦肉の策として、大みそかの昼間に鳴らす寺も出てきた。静岡県牧之原市にある大澤寺(だいたくじ)のサイトには「夜間衝く鐘の音に対する波津地区のどなたからのクレームの電話があったことから父の代で終了した除夜の鐘。それを昨年から時間を大幅に繰り上げて再開した」経緯がつづられている。

「うるさいバカヤロー! いつまで鳴らしているんだ」。十数年前から大みそかから元旦にかけて除夜の鐘を鳴らしていると、怒鳴り声をあげてすぐに切れる匿名電話が数件、毎年のようにかかってきていたという。「お叱りを受けるなら止める」。先代住職の決断で除夜の鐘は中止に。それからの大みそかは、いたずらでも鳴らされないようにと撞木はロープで鐘楼に縛りつけられてきた。

大澤寺の鐘は戦時中に供出したが、昭和30年に檀家と協力し苦労して再び鋳造したものだ。内側には寄進した檀家の名前がびっしりと刻まれている。現住職の今井一光さん(58)は、「先代の父が中止を決断したが、せっかくの鐘がもったいない。寄進していただいた方にも申し訳ない」、平成26年秋に檀家の世話人会に再開を提案した。

午後2時から「除夕の鐘」として復活、27年は檀家の婦人部らの協力で豚汁や焼きイモなどが振る舞われ、約130人の家族連れや高齢者らでにぎわった。「この年になって初めて鳴らした」と感激している高齢者もいたという。
◇ ◇ ◇

春には桜の花びらの絨毯を踏みしめて歩く。秋にはイチョウやプラタナスやケヤキの落ち葉を踏むと聞こえるかそけき音に季節の変わり目を知るのだが、これとてゴミに見える人たちがいる。ブログ子の近くでも、庭先に桜の大木を持つ人が、恐縮した素振りで花びらや落ち葉を掃き集めているのを見る。率先して「落ち葉もいいですね」と声をかけることにしている。

昔の日本人は格別に風情があったとまで言いたくないが、なにか心貧しい世相を感じる。長い人生をそんな乾いた性根で生きてどうなる。

真珠湾に始まり、真珠湾で「戦後」が終わった

peal安倍晋三首相が27日(日本時間28日)に米ハワイ・真珠湾で行った演説は格調高いもので感銘を受けた。

昭和20年8月15日、6歳だったブログ子は疎開先の山形・米沢の母の実家の庭先で織物工場の従業員の後ろのほうで玉音放送を聞いた。意味は分からなかったが、泣いている番頭さんをみて大変なことだとは思った。この日、いよいよ戦争が激しくなったので午前中から人夫を動員して庭の築山の松の大木の下に防空壕を掘り始めた。午後からはその埋め戻し作業だった。

敵国だった米国が戦後いち早く援助の手を差し伸べたくだりでは、大阪で過ごした食糧難の時代でも「まずい」という印象しかなかった脱脂粉乳の給食を思い出した。高校の親友はフルブライト奨学金でアメリカに留学した。アメリカの恩恵は身近だった。

その後アメリカも日本にいいことばかりしてくれたのではないことも知った。GHQが1週間で書き上げ押し付けた日本国憲法やゼロ戦への恐怖から日本人が長らく航空機製造はじめ空を飛ぶことをを妨害してきた負の遺産もある。それとて敗戦というものの代償と思い、我慢もしよう、そう思った。

安倍首相は「寛容の心、和解の力を、世界はいま、いまこそ必要としています」と演説でこう述べるなど、「寛容」という表現を7回用いた。5月の被爆地・広島に続いて12月にオバマ米大統領と並んで真珠湾で戦没者の慰霊を行ったことで、米政府との間では歴史問題をめぐる不毛な対立は今後、なくなるはずだ。

「これで戦後は完全に終わりになるかな。いつまでも、私の次の首相まで戦後を引きずる必要はない」。真珠湾訪問を発表した5日夜には、周囲にこう語っていた(産経、阿比留記者)そうだ。

米国との関係でいえば、戦争はこれで「歴史の領域」に入った。同時にこれは75年後の今なお歴史認識という外交カードを切り続ける中国と韓国への訴えでもある。だが現実はどうか。これしかないと、歴史カードを繰り出す相手方の事情を考慮してもこの両国には「寛容と和解」という言葉は通じそうにない。

欧米メディアが「両首脳は詩的で感動的な演説」と評価する中で、中国・華春瑩報道官は「パフォーマンスばかりでは和解実現は難しい、真珠湾を訪問しただけで第二次世界大戦の歴史を全て清算できると思っているなら独りよがりだ」といい、複数の韓国メディアが「戦争に対する謝罪や反省に関する言及はなかった」と批判していて、「次は韓国を訪問し、慰安婦被害者に謝罪するべきだった」と相変わらずの姑息さ丸出しだ。

中国の王毅外相と華春瑩報道官はあきれた論調をいつも展開する。王毅外相など己の中国がさんざ弾圧してきた、新疆ウイグル自治区などで頻発する暴力事件について「中国はテロの被害者だ。政治、外交、軍事などの手段で根絶する」といけしゃあしゃあと強弁する。その口先も乾かぬうち、28日午後、同自治区ホータン地区カラカシュ県で4人の「暴徒」が車で共産党県委員会の関係施設に突入し、手製の爆発物を起爆させ、1人が死亡、3人が軽傷を負った。襲撃した4人はその場で射殺された。(中国新疆ウイグル自治区の政府系サイト「天山網」)

上が上なら下も「右に倣え」である。24日夜、北海道・新千歳空港の国際線ターミナルで大雪による欠航に腹を立てた中国人乗客らが騒ぎを起こしたことについて、在日中国大使館(東京)の張梅報道官(この人も女性)は27日、「日本メディアはあまりにもあおり過ぎではないか。このような小さな一件が、中日両国の国民感情に影響するとは思えない」と指摘した。

ならばその時の動画を見せよう。女性が多かったが集団ヒステリーのようにわめきたて、空港職員につかみかかり蹴とばしているのはみな中国人である。この夜空港で夜明かしを余儀なくされた人は1万1600人だが、「自然現象には逆らえない」と誰一人文句も言わなかった。文句をいって騒ぎ立てたのは100人ほどの中国人だけである。この「小さな一件」の民度をみて、王毅、華春瑩両氏の顔と並べてみると、「寛容と和解」など夢のまた夢ではある。韓国については論評にも値しない。自滅を待つのみである。

「今日をもって、『パールハーバー』は和解と同盟の記念日になりました」と最後の首脳会談前に安倍首相はこう語りかけ、オバマ氏に手を差し伸べた。大統領も「その通り」と答え、首相の手を握り返した。

戦後が終わったのである。

お気楽に「平和」を云う人よ、この写真を見よ

「平和」を唱えるのならば確固たる自衛手段を構築してからにせよ、というのは、悲しいかな世界の現実である。残念ながら日本にはお経のように「平和」を唱えていれば平和が保てるという人達がいる。そういう人はXマスにジングルベルを歌えばサンタがプレゼントを届けてくれると信じているのと同じレベルだ。

人権だ、個人情報だ、プライバシーだと言い募り、残酷なもの怖いものにはフタをして見ないでおこうとする風潮は年ごとに高まり、死体が写っている現場写真には覆いが掛けられて「一部ショッキングな映像があります」とあり、了解した人だけクリックするようなものもある。なんでも事実はそのまま報道するはずのメディアですらそうである。

ニュースからピンクまでなんでも(動画を含めて)報道しているオランダの「Biertijd」というブログを時々覗いている。「ビールのつまみ」とでもいおうか編集者がそのときこれだと思ったものがアトランダムに取り上げられる。その中に「今週の写真」として、目をつむることなく「現場」からの写真を取り上げているのだが、トルコでロシア大使が暗殺され、犯人の警官が遺体の横で銃を構えている写真の次に掲載されているのがこの一枚。

IS兵の遺体を足蹴にする政府軍兵士とそれを見守るこモスルの子供たち

IS兵の遺体を足蹴にする政府軍兵士とそれを見守るこモスルの子供たち

IS(イスラム国)に制圧されていたイラクのモスルに12月18日政府軍特殊部隊が突入して奪還した。モスルのアルバリッドでの写真と説明があるが、半分がれきに埋もれたIS兵士の遺体を足蹴にしながら警戒する政府軍兵士の後ろからのぞき込む子供たちである。そばにレーキがあるから埋葬しようとしたが穴が小さすぎて途中で放り投げたともみられるが、戦場に子供を含めた市民が混在しているのである。この政府軍はロシアが支援していて、近くにいる反政府軍はアメリガが支援している。ISと三つ巴の戦場の残酷な現場を平然と眺める子供たち。この子らが大きくなってまたどちらかの陣営に参加するのである。

難民となって押し寄せた先では同じ週に起きたドイツ・ベルリンのクリスマス市場へのテロのように憎悪の行為が繰り返される。ドン・キホーテのような日本の平和主義者たちはもう一度この写真を脳裏に焼き付けておくことだ。

「落合は去れ!」 でやっと去った落合博満GM

ここまでファンに嫌われたら

ここまでファンに嫌われたら

写真は今年9月1日の東スポに掲載された、ナゴヤドーム右翼側外野席で、「落合は去れ!」とのボードを掲げる中日ファンの姿である。その落合博満ゼネラルマネジャー(GM)(63)が来年1月末でやっと退任することになった。

この記事で落合がここでも不人気なのを知った。記事ではボードを掲げていたN氏(68=会社経営)は「これは私たちの気持ちを表しているボード。ファンサービスはしなくてもいいという落合GMに辞めてもらうことで、中日が生まれ変わってほしいという私たちなりの“応援”ですよ。このガラガラのナゴヤドームにした責任は誰にあるのか。ファンあってのドラゴンズ。どちらが真剣にドラゴンズのことを考えているかということ」

さらに「私はガキのころから根っからのドラファン。それなのに落合GMになってから心から愛する気持ちが薄れてしまった。谷繁監督をかばうつもりはないが、GMでありながら監督だけに責任を負わせたり、自分はキャンプも見ない。(一軍の)試合も遠征も行かず、ファン感謝デーにも来ない。球団を金儲けの道具にしか見ていないようなやり方は許せない」と憤激するコメントも添えられていた。

ブログ子はあまり野球を見ないが、新聞社でスポーツ紙の編集責任者だった時代がある。異動してすぐ新しく中日担当となった記者が陳情にやってきた。曰く「中日以外の担当にしてほしい。落合監督だけはいやだ」というので初めてその不人気ぶりを知った。その後、自分の野球記念館をつくったが来る人もなく閉館とか、信子夫人が野村克也夫人と並んで「三大悪妻」に挙げられるなどの報道をみて、やってるやってると傍からみていた。

ochiai嫌われる理由は唯我独尊、自信過剰、他人を受け入れない性格・・・数えればきりがない。それがこれまで首がつながっていたのはワンマン経営者に取り入る独特のジジ殺しの才覚だという。しかし成績が悪すぎた。14年が4位、15年が5位。そして今季は19年ぶりの最下位。それはドラゴンズファンだけでなく中部電力やトヨタ自動車、東邦ガスなど地元企業の落胆と大きな反発を招いた。

2013年オフ、本社上層部は「落合の野球はおもしろくないという“ファン離れ”が激しくなって、落合監督をクビにした。その彼がGMになっても球団再建が出来るわけがない」と大反対の声をあげた。だが、白井文吾オーナー(中日新聞社代表取締役会長)は、その声を抑え落合氏を「GM」に招いた。

球団内部でも不満が充満していた。本来GMの仕事である新外国人選手の招聘もすべて森ヘッドに任せきりにし、一度も海外へ視察にも行かなかった。確執があったとはいえ谷繁監督へのバックアップも不十分。監督派のコーチは佐伯貴弘守備コーチ(46)ただ一人(監督とともに休養-解任)。森ヘッドをはじめ加藤秀司1軍チーフ打撃兼総合コーチ(68)らそのほとんどをGMの息のかかったコーチで固めた。

そしてドラフトではスカウトたちの意向を無視して選手を指名するなど、編成部からの反発も年々大きくなった。ドラフトに関しては監督時代から、会議当日にスカウトたちの推薦する選手ではなく自分の気に入った選手を指名させた。そのときの口癖が「いいからとれ」。GMになってもその癖は変わらなかったという。

これほど嫌われる野球人というのも珍しい。

軍事音痴でオスプレイ反対をまき散らす輩

米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイが沖縄県名護市沖に不時着し大破し た事故で、沖縄県は17日、今回の事故を「墜落」と位置付けることを決めた。 県の統計資料上、「墜落」に分類して記載する。(時事)

あきれたものである。 何が何でも「事故」を「墜落」と断定して、「オスプレイ=怖い」との反対運動に結び付けたい沖縄県の作為的な操作である。同時に救いがたい軍事音痴ぶりを恥ずかしげもなくさらけ出している。さらに「機体の安全性が確認されるまで飛行中止させよ」と、伊江島にいる、もう一機の基地までの回航(19日)すら認めないという。

米軍は、19日伊江島からの回航を実施するとともに、不時着水は空中給油中に給油ホースに接触したオスプレイのブレードが損傷したことが原因とみられるため、空中給油は運用停止を継続。再教育、手順の確認、地上におけるシミュレーションなどの手順が完了した後に空中給油も再開する方針だ。

この事故、在沖縄米軍トップのニコルソン沖縄地域調整官が14日述べているように「空中給油訓練中のオスプレイのプロペラが給油機の給油ホースに当たり、ホースが切断された。パイロットは米軍普天間飛行場(宜野湾市)に戻ろうとしたが、機体の維持が困難と判断、人家を避けて現場の浅瀬に不時着を試みた」ものの、傾いて岩にプロペラがあたり大破したもので、どうみても「墜落」にはあたらない。

ニコルソン調整官が「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきで表彰ものだ」と述べたというので、今度は沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事が「植民地意識丸出しだ」と吠えた。噴飯物の論理で、この副知事こそ被植民地意識の持ち主のようだ。

ブログ子はかねてから安全保障に関わる発言はきちんとした軍事知識と地域のパワーバランスを見た大局的見地を持ってから口にしろと書いてきた。メディアにも当てはまる。

例えば朝日新聞のニュースサイトに掲載(14日23時58分にアップ)された「オスプレイ、空中給油中にプロペラ損傷 『最善の決断』」のイメージ図。

朝日の空中給油図

朝日の空中給油図

記事は14日23時58分にアップされた。イメージ図は、「プロペラに絡まり切断?」などの注釈が添えられ、左のようなイラストが掲載されている。輸送機のぷらんぷらんした給油ホースをオスプレイのプロペラの狭い間隔をかいくぐってまるで空中軽業師のように差し込むイメージで、これではホースが切断されるのも無理もないと思わせる。
実際のオスプレイの空中給油

実際のオスプレイの空中給油

しかし現実のオスプレイへの空中給油は右下の写真のように行われる。空中で揺れ動くホースではなく、双方ともかなり強固な金属製ノズルを互いに差し出して行われる。どちらかが気圧差で高度を上下させたり、双方の大気速度が合わなければ接触する可能性はある。軍隊では「完全に安全」ということは何時でも保障されないのは今回の事故でも明らかで、そのために訓練をするしかない。

そうした軍事的常識を顧みない報道はNHKでもそうだ。19日の午前2時のラジオニュース、7時のテレビニュースで執拗に反対派のコメントばかり並べて危険を煽り立てていた。沖縄では「事故現場から700メートルしか離れていない、怖くて寝ておられない」という声。さらにオスプレイが配置されている横田基地近くの反対運動として「こんなのが来るのは許せない」といわせて「飛行に踏み切れば反発強まる」と長時間放送を締めくくっていた。

安全保障の問題にいわれのない情緒的反応をまぜこぜで報道するのはもはや意図的と言わざるを得ない。

「北方四島」で思うギリヤーク人の顔

ソ連共産党の一党独裁放棄の時期などにモスクワ特派員を務めた斎藤勉・産経新聞大阪代表が、北方四島での「共同経済活動」実現に向けた協議開始で日露が合意したことについて「ひっくり返りそうになるくらい怒りがわいてきた」と発言。領土問題で進展がない一方、事実上の経済援助となった内容を批判した。安倍晋三政権についても「歴史の正義をなげうとうとしている」と厳しく指摘した。(産経)

ロシアが四島を占拠した経緯といい、今回の「いいとこ取り」の合意といい「火事場泥棒」より穏やかな言葉を探せずにいる。どれだけ筆先を丸めても、「不法占拠」という事実は変えられない。それを脇に置いて、強まる両国の信頼などあるまい。(産経抄)

日ロ首脳長門会談

日ロ首脳長門会談


斎藤代表も産経抄子もブログ子の元同僚であり、後輩なので「一方的に領土を強奪された国家犯罪。犯罪である以上、4島耳をそろえて返してもらう以外にない」という主張に共感し応援するところが多いのだが、他の手段が浮かばない以上、ここは安倍首相の乾坤一擲に任せるしかないと思う。

ブログ子は、プーチン・安倍両首脳の共同会見を見ていて、網走で会ったギリヤーク人たちの顔が浮かんだ。北方四島からは2万7000人の日本人が強制的に日本に「引き揚げ」させられた。テレビ、新聞とも日本人だけのように報道しているが、実はほかの北方民族もソ連に追われて日本に来ている。根室だけでなく網走、釧路に彼らは移住した。

いま戦後70余年だが、ブログ子が彼らに会ったのは「戦後30年」くらいの時である。北方四島には日本人のほか樺太アイヌやニブヒ(ギリヤーク)、オロッコなどの北方民族の人々が住んでいたことが忘れられているというので、その代表者たちと会った。ちなみにギリヤーク人というのは今では「ニヴフ」(あるいはニヴヒ、ニブフ、ニブヒ)と呼称している。またオロッコというのは蔑称だというので、今ではウイルタと呼ばれる。

多くはモンゴロイド系で日本人と同じような顔つきをしているが、会った人の中には民族名を忘れたが、西欧人のような人もいて、多くの民族がアリューシャン列島を伝って南に南に下りてきたことを実感したものである。彼らもまた、ソ連軍の悪逆非道を訴え、一日も早く島に帰りたいと口をそろえていた。

ブログ子はロシア語をかじったので少しロシア人がわかるのだが、日本人と違ってスラブ民族というのは一筋縄ではいかない。プーチンが会談ですこし笑顔を振りまいたというので希望的観測をいだくお人よしの日本メディアなど太刀打ちできっこない。フョードル・ドストエフスキーの長編小説「罪と罰」で主人公ラスコーリニコフが吹雪の中、馬車や旅籠をさまよい歩くだけの描写と心理の葛藤だけで34ページである。首脳会談16回くらいでどうにかなると考えるのは日本人だけである。

ロシア経済はどん底である。困っているのはあちらである。経済協力1兆数千億円で「いいとこ取り」されないよう願うばかりである。息継ぎの長い彼の国相手では、安倍長期政権でないととても渡り合えるものではない。ギリヤーク人が言っていた。「昨日、島を後にした気持」、この時戦後30年である。とりあえず「戦後100年」を目途にするくらいの気持でちょうどよい国だと思う。

電通がそんなに過酷な会社なんて信じられない

電通の女子新入社員が自殺、過労死と認定された事件、7日の朝、東京・汐留の電通本社ビルに東京労働局の担当者約30人が家宅捜索に踏み込んだ。高橋まつりさん=当時(24)=の遺族が過労自殺を公表して1カ月、支社、子会社も含めた立ち入り調査から強制捜査へと進んだ。

電通本社

電通本社

電通は9日、約60年にわたって社員手帳に記されてきた社員心得「電通鬼十則」を、2017年版の手帳から削除すると正式に発表した。

ブログ子は新聞社に40余年いた。この間電通の社長、局長、支社長以下、営業で新聞社ごとにほぼ「常駐」している担当など何十人と付き合ってきた。ある社長とは新橋のラーメン屋をひいきにしてしょっちゅう一緒したし、飲み会、海外旅行、ゴルフ、毎年の電通新年会、電通運動会に至るまで顔を出して中には家族同士の付き合いをして、今でも年賀状のかなりの数はOBからのものだ。その半分ほどの人数だが博報堂の人間とも付き合った。

ほかの人より電通を知っていると思うのだが、彼らとの交際を振り返ってみて、どう考えても電通が過酷な職場だとは思えないのである。ブログ子と飲み屋で夜中まで酔いつぶれた電通マンの勤務を「残業」と認定しても、、自殺までするほど過酷な働きぶりだとは到底思えない。

そこで調べてみたのだが、高橋まつりさんは2015年12月25日金曜日、つまりクリスマスに都内にある電通の女子寮4階の手すりを乗り越えて飛び降り、亡くなった。彼女はインターネット広告を担当する部署に所属していた。試用期間後に正社員になると、10月以降1カ月の時間外労働が労基署認定分だけでも約105時間に。過労死ラインとされる80時間を大きく上回っていた。

推察するに、電通の中でも電子メディア部門特有の過酷さがあったのではないか。紙媒体と違い24時間対応を余儀なくされるのと、クライアントとの交渉がどうしても個人単位になるので余人に容易に引き継げないから、一人で背負うことが多くなるのではないか。

ブログ子は新聞社で初のWEB媒体をスタートさせた。ZAKZAKといったがこのスタートは1996年8月だった。この直前電通はじめ多くの広告会社を集めてインターネットとは何か、広告収入がアクセス数に比例する仕組みなどを一から説明した憶えがある。WEBの方はものすごい反響でその年の12月電通にやっと電子メディア局ができた。いまもその通りの名かどうか知らないが、この時の電子メディア局の予算(収入)が10億円そこそこだった。将来伸びるとは言われたものの現在のような巨大なスケールに発展するとは予想外のことだった。第一Googleがまだ日本に上陸していなかったのだから。

今回外された「電通鬼十則」がこのころ大手を振って喧伝されていた。4代目社長吉田秀雄によって1951年につくられた電通マンの行動規範とも言えるもので、真似をする企業が多かった。なにしろ世は「モーレツ時代」だった。

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

ブログ子が付き合った連中は「鬼十則」とはかけ離れた者が多く、よく「おい十則を読んだことあるのか」と冷やかしたくらいだ。直後。浜離宮そばに現在の超高層ビルを建てた。おりしもNYの「9.11テロ」である。東京湾に直面しているビルなので「飛行機が突っ込むにはうってつけの立地条件だ。あまり社にいないほうがいいそ」と脅したりしたくらいだ。

高橋さんのツイッターには、
<休日出勤えらいなぁとか思って出社したけど、うちの部に限っては6割出社してた。そりゃ過労で死にもするわ>(10月12日)
<誰もが朝の4時退勤とか徹夜とかしてる中で新入社員が眠いとか疲れたとか言えない雰囲気>(10月15日)
<やっぱり何日も寝られないくらいの労働量はおかしすぎる>(10月27日)
<土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい>(11月5日)
<1日20時間とか会社にいるともはや何のために生きてるのか分からなくなって笑けてくるな>(12月18日)

ブログ子は「1日20時間会社にいる」ことがザラだった。一つのニュースを仕上げるとなると簡単には他に引き継げない、自分だけの段取りでやることが多いという仕事ゆえだ。それでも自殺しないで生きながらえている。働き方が激変したとしか思えない。

胸糞悪い蓮舫代表の「舌鋒鋭い虚言」質問

民進党の蓮舫代表と安倍晋三首相との初の党首討論をテレビ中継で見た。正直、「民進党はこの女性代表ではダメだ」と思った。

「息をするようにウソをつく。昨年、安全保障法制を強行採決したじゃないですか!」「気持ちのいいまでの忘れる力を何とかしてくださいよ」「首相の答えない力、逃げる力、ごまかす力。まさに『神ってる』」と畳みかけてドヤ顔するところは、民主党政権時代の空疎な「仕分けの女王」そのものだった。

舌鋒鋭く嘘質問

舌鋒鋭く嘘質問

首相に国会という場で嘘つき呼ばわりする神経がわからないが、いまだに二重国籍問題で明言を避けている「どこかの国」ではそういうものかと思えばすむ。しかし根拠がないことを断言する「嘘」は許されない。

「有効求人倍率は改善されたかもしれないが、東京に一極集中しているからだ。地方に仕事がない」と決めつけた。だが、安倍政権で有効求人倍率は初めて全都道府県で1以上を達成した。「地方に仕事がない」とは言えない。また 首相が「強行採決をしたことがない」と発言したとも決めつけた。しかしこれは今年10月の国会答弁で首相が「強行採決をしようと考えたことはない」と述べただけで、勝手な妄想を前提に批判を展開ているにすぎない。(産経)

「息をするようにウソをつく。昨年、安全保障法制を強行採決したじゃないですか!」と叫び、「気持ちのいいまでの忘れる力を何とかしてくださいよ」と息まいた。約3年3カ月の民主党政権時代は、衆参両院の委員会で計24回も「強行採決」を行っているのである。

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案をめぐる討論では、前回ブログ子が書いたように「日本にカジノはいらない」と道義的、国民性を前に堂々と反対論を展開するかと思いきや、「山口代表は夏、キューバのカジノ施設をごらんになった」などと同調した公明党批判発言をする。当たっているならまだしも、当の山口代表が「キューバでカジノは見ていない。明らかに違う。自身は討論に立たないため、反論も補正もできない。公明党の立場を引用するのであればもっと正確にやってもらいたい」と注文を付けた。これまた虚偽の思い込みでの質問なのである。

民進党が長時間労働を規制する法案を提出していることで「自民党が審議入りを拒否している」と指弾したが、国会でその責任を首相に求めても仕方ないことをこの人はわかっていない。首相が「私は独裁者ではない。議員立法は委員会で(審議入りを)判断してほしい」と説明したように、法案の扱いを決める権限は立法府の与野党にある。行政府の長である首相が口を挟めば、逆に「三権分立を侵している」と文句を言うだろう。
経済政策への批判も展開したが、安倍首相が、経済が停滞した民主党政権時代を念頭に「反省から始まらない限り、皆さんに対する支持は戻りませんよ」と皮肉っていたが、その通り。民進党まっぴらごめんは政党支持率 「自民党42% 民進党7% 」( 読売新聞12月6日)1ケタによく表れている。

最後に「首相の答えない力、逃げる力、ごまかす力。まさに『神ってる』」と今年の流行語を使って、記者団には「自分なりに聞きたいことは聞けた」と自賛したがはたしてそうか。

前大阪市長の橋下徹氏は自身のツイッターで、「民進党蓮舫さん、人格攻撃はよくないよ。人を嘘つき呼ばわりしたら、蓮舫さんなんか二重国籍問題ではバリバリの嘘つきだ。国民はしっかり見ている。詐欺罪で有罪判決を受けながら僕を詐欺師呼ばわりした辻本清美とやはり同類か!政策論争に徹すべき」などと批判していた。山尾志桜里・政調会長と女性3人並んで「民進党”姦”(かしまし)3人女」で民進党自沈を期待する

日本にカジノはいらない

カジノやホテル、商業施設などの統合型リゾート(Integrated Resort、略称:IR))を推進するための法案(カジノ解禁法案)は、2日の衆院内閣委員会で採決が行われ、自民党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。

衆院内閣委で、IR法案が可決され、退席する民進党議員=2日午後

衆院内閣委で、IR法案が可決され、退席する民進党議員=2日午後

 

ブログ子はカジノには大反対で、民進党は反対の立場だったから頼りにしたいところだが、いつもの「何でも反対」だから、ここは公明党が反対多数なので無理だろうと思っていた。ところが公明党は土壇場で自主投票で採決に臨み、1人が賛成し、2人が反対、結局、自民、公明、維新の賛成で可決された。公明党には裏切られた思いだ。

自民党の二階俊博幹事長は先週、井上義久幹事長に成立を目指す意向を水面下で伝え、圧力を強めた。来年の通常国会で内閣委は天皇陛下のご譲位に関する法案を扱う可能性が高い。そうなれば後回しは必至で、自民党は14日まで延長された今国会は成立に向けた千載一遇の好機と判断したようだ。いわば作戦勝ちだが、まだつぶす方策はある。自民党は閉会日の14日に成立を図る考えだが、参院内閣委員長は民進党議員だ。「何でも反対」政党頼みとは無念だが、ここは踏ん張ってもらいたいものだ。しかし民進党も党内はこの問題では割れていてどうなるか・・・

法案は2013年12月に提出され、14年11月の衆院解散で廃案になった。15年4月に再提出された後、審議されない状況が続いてきた。自民党は、観光や地域経済の振興といったカジノ解禁の効用を強調している。しかし、海外でも、カジノが一時的なブームに終わったり、周辺の商業が衰退したりするなど、地域振興策としては失敗した例が少なくない(読売)。

カジノには様々な「負の側面」がある。ギャンブル依存症の増加や、マネーロンダリング(資金洗浄)の恐れ、暴力団の関与、地域の風俗環境・治安の悪化、青少年への悪影響などだ。だが、法案は、日本人の入場制限などについて「必要な措置を講ずる」と記述しているだけ。カジノは、競馬など公営ギャンブルより賭け金が高額で客が借金を負って犯罪に走り、家族が崩壊するといった悲惨な事例は今から予測できる。

隣の韓国はカジノを先に認めているが、自国民の立ち寄りには厳しく対処している。日本では盛んなパチンコすら自国内では認めていない。そのパチンコ業界も衰退の一途をたどっている。

パチンコメーカーらが集まる業界団体である日本遊技機工業組合は今年6月、既に市場に流通しているパチンコ機59万台を「検定時と性能が異なる可能性がある」として回収した。日本にある約300万台のパチンコ機のうちおよそ25%にあたる膨大な台数だ。 パチンコ機の不正な性能変更が行われていたからだ。どうしてこうなったかといえば、小さな入賞を極力減らし、逆に『大当たり』に出玉を集中させる事によって「ギャンブル性を高める」方向で行われたからである。

その結果、 依存症気味のパチンコ客1人当たりの平均投入金額は1989年が月額平均5万円程度であったのに対し、現在は月間20万円程度にまで跳ね上がっている(出所:レジャー白書)。博打性が高まりついていけない客が離れることで業界全体が沈んでいる。郊外でも潰れたパチンコ屋を多く見かけるようになったのはこのためである。

日本のパチンコ業界は3分の1が北朝鮮系でせっせと金正雲(キム・ジョンウン)に金を送っている。残り3分の2の多くは韓国系と台湾系で日本人は多くはない。つまりカジノを導入してもこれらの「問題国」がパチンコの代わりに進出してくることが予想される。北朝鮮の経済制裁を解除するようなものだ。

観光客が見込めるなどというが、他のことで誘致をはかればよいことで、カジノには百害あって一益もないことを国会議員はもっと知るべきだ。

「誤報の朝日新聞」が確定

ブログ子も新聞社にいたからよくわかるのだが、ほかの新聞がかかわることはあまり報道しない。互いに相談したわけでもなく、遠慮してのことでもなく、まして日ごろ「正義の味方」を振りかざしている手前、明日は我が身と恐縮してということでもない。まあ暗黙の了解事項といおうか。しかし、これはよくない。今回も朝日新聞がまたも誤報をやらかしたことが、最高裁判決で確定したのだからきちんと報道すべきだろうに、今回も当事者の読売新聞でしかわからないというのは褒められたことではない。

問題の記事。朝日の完敗に終わった

問題の記事。朝日の完敗に終わった

 

朝日新聞は2012年3月15日の朝刊1面と社会面で、巨人軍が1997~2004年度に6選手と、当時のプロ野球界の申し合わせ(最高標準額)を計27億円超過する計36億円の契約金で入団契約を結んでいたなどと報道。翌16日朝刊2面には、「臭いものにふた 続く不正」などの見出しで、巨人軍を非難する編集委員の署名記事も掲載した。

これに対し巨人軍は朝日新聞社に損害賠償などを求めた訴訟を起こした。 1審・東京地裁判決は、記事が真実だったとして巨人軍の請求を棄却したが、今年6月の高裁判決では、朝日記事では、巨人軍の一部選手との契約は、球界を統括する日本野球機構(NPB)から「厳重注意処分」を受けるような非難されるべき行為だったと報じているが、12球団の申し合わせを踏まえて導入された出来高払いを制度化したものであり、「NPBから処分を受ける可能性はなく、記事は真実ではない」と判断した。

双方が上告した最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は24日付の決定で、上告を退け、名誉毀損の成立を認め、朝日新聞社に330万円の支払いを命じた2審・東京高裁判決が確定した。 さらに、朝日新聞記者がNPB関係者に裏付け取材をせずに、「大幅な申し合わせの超過は許されない」と誤解したまま記事を書いているとし、編集委員の記事と合わせて巨人軍の名誉を毀損したと結論づけた。
これを受けて読売巨人軍は「朝日新聞が必要な取材もせずに報道した記事により、当球団の名誉が毀損されたと認定した判決が、最高裁で確定したことは妥当だと考えます。当球団は、記事を真実と誤って認定した朝日新聞の『報道と人権委員会』に、見解の見直しを求めます」というコメントを出した。

これについての朝日新聞のコメントが驚くべきものだ。

朝日新聞社広報部の話「巨人軍が6選手と最高標準額を大幅に上回る契約金を支払う契約を結んでいた、とする記事の根幹部分は真実だと認められた、と受けとめています」

いやはや大した開き直りである。こうした強気のもととなっているのが、朝日の「報道と人権委員会」 (人権委)なるものである。この「誤報記事」ではこの人権委が朝日の誤報を追認する「見解」を出している。契約金報道では、巨人軍と選手4人が12年4月、記事の是正を人権委に申し立てた。しかし、3か月もたたずに「記事は、すべて真実である」との「見解」を出した。

人権委は、朝日新聞が2001年に設立した第三者機関で、現在は、憲法学者の長谷部恭男・早大教授や元最高裁判事の宮川光治弁護士ら3人がメンバー。10年12月の朝日新聞記事では、人権委について「第三者の公平な視点で報道内容を検証」などとアピールし、当時の委員の一人は「法廷で争われる場合よりも、もっと取材や報道の中身に切り込んでいる」と自負していた。(読売報道)
この人権委の「見解」が裁判では「全くの誤り」とされたのだから、さっそく人権委を再開させてお詫びでもするのかと思ったら、今なお再審査の手続きは設けられていないという。 人権委事務局は読売の取材に対し、「必要な調査、審理を尽くした上で、 (12年の)見解をまとめている」とコメントした。

腹に据えかねた読売新聞は社会面でこの人権委なるものについて、疑問を呈している。

「人権委は報道被害の救済を目的に設置されたはずなのに、被害者側の主張を無し、朝日の言い分だけに依拠して記事を追認した。第三者機関の機能を果たしておらず、救済どころか、報道被害を拡大させたと言わざるを得ない。朝日記事が名誉毀損に当たるという司法判断が確定した以上、再検証を行い誤りを正すことでしか、第三者機関としての信頼回復の道はないずだ」

全くその通りである。これまでの朝日の誤報は目に余る。詐話師、吉田清治による「慰安婦の強制連行報道」や福島原発で作業員が命令に違反して撤退と報じた「吉田調書」誤報問題・・・取り消しても取り消しても続発する朝日の誤報。ほかのメディアは今回の読売巨人軍の裁判勝利と朝日の体質をもっと報道すべきではないのか。

よく言った「民進党は田舎のプロレス」

萩生田光一官房副長官は23日、民進党など野党の国会対応について「あの人たちが声をからして質問書を破りながら、腹の底から怒っているかといったら田舎のプロレス。ロープに投げて、帰ってきて空手チョップで1回倒れてみたいなやり取りの中でやっている。ある意味、茶番だ」と批判した。 また「強行採決など世の中にありえない。審議が終わって、採決を邪魔する人たちがいるだけだ」と述べた。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)承認案の4日の衆院特別委員会での採決を念頭に置いた発言とみられるが、政府高官の野党の国会対応への批判は異例で、野党の反発を招きそうだ。(毎日新聞)

民進党など野党寄りの毎日新聞だから「野党の反発を招きそうだ」などと誘い水をかけているが、なに国民の多くは「よく言った」と賛同しているだろう。ブログ子もpk2016110502100002_size0国会中継を見ていたが、茶番だと感じた。右の写真はその時委員長席に詰めかけた野党議員の光景だ。よく見ると動員されたらしい民進党女性議員はニヤニヤ笑いながら事務方が用意したプラカードを掲げているが、一人として委員長に見せている者はいない。全員こちら側にあるテレビカメラに向けている。要するにテレビカメラを意識したパフォーマンスでしかないのだ。

案の定、民進、共産、自由、社民の野党4党が猛抗議したのを踏まえ、萩生田光一官房副長官は24日、自らの発言を撤回し、謝罪した。早期収拾に向けて対応したものだが、すでに共感の輪はあまねく広がっている。

民進党はいまや落ちぶれて見る影もないかつての社会党と同じ斜陽街道を突き進んでいる。直近での安倍・トランプ会談へのコメントぶりを見てもわかる。

安倍首相は17日夜(日本時間18日午前)、トランプ氏とニューヨークのトランプタワーで会談後、「共に信頼関係を築いていくことができる確信を持てる会談だった」と総括した。そのうえで、内容は、トランプ氏が就任前であることや非公式会談であるとして明かさず、「私の基本的考えを話した」と説明するにとどめたが、「信頼できる指導者と確信した」と強調したと産経新聞は伝えている。世界の首脳のうちで真っ先に会談したというので欧米のメディアはこぞって報道している。

.abe-trumpこれについて民進党の蓮舫代表は、「首相はトランプ氏と最初に会った先進国のトップなので、率直に評価はする」と述べたものの、「『信頼できる指導者だと確信した』と発言された。何をもって信頼できるのか。ぜひ詳しく説明してほしい。わが国の国益にかかる話はどこまで主張し、どういう返事があったのか。非公式会談ではあるが、首相は説明する義務がある」と話した。それをいうなら蓮舫代表は、自分の国籍問題を「詳しく説明する義務がある」のではないか。

さらに同日、民進党の安住淳代表代行に至っては「当選して1週間後に飛んでいくというのは、朝貢外交でもやっているつもりではないか。私は評価しない。公務として行っている以上、しっかりと説明責任を果たしてもらわなければならない」と蓮舫代表同様の見解を述べた。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報が「安倍、トランプに“朝貢”」との見出しを掲げた記事を読んだのだろう。朝貢とは、外国の使者などが来朝して朝廷に貢物を差し出すことだ。古代中国の周辺国は各王朝に朝貢を行っていたが、日本はただの一度も朝貢をしなかった国であることをこの民主党議員は知らないようだ。

民進党の野田佳彦幹事長は19日、埼玉県朝霞市で開かれた党会合で、安倍晋三首相がトランプ次期米大統領と会談したことについて、「安倍さんは焦り過ぎではないか。今の大統領はオバマさんだ。いきなりトランプさんに会いに行くのは国際的な儀礼に反している」と語った。民主党政権時代、ルーピー鳩山由紀夫、イラ菅直人とろくでもないのが続いたあとやっと「まとも」なのが・・・と評価された人にしてこの体たらくである。

直近の(23日、朝日新聞)政党支持率をみると、
自民36(37)▽民進8(10)▽公明3(3)▽共産4(3)▽維新2(2)▽自由0(0)▽社民0(0)。カッコ内は前回。 他の新聞より自民党がいつも10ポイント低く出る朝日新聞にしてこれである。

馬術のイメージを貶めた韓国の占い師の娘

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人、崔順実(チェ・スンシル)容疑者(60)の国政介入疑惑。歴代大統領の先例にならって悲惨な末路は避けられそうにない。とりわけ100万人が参加したともされるデモに若者らを駆り立てたのは崔容疑者の娘、鄭(チョン・ユラ氏(20)への特別待遇疑惑だという。

「金も実力のうち」との給うて話題のチョン・ユラ嬢(ネットから)。新旧違いすぎるのは韓国では普通の整形か。

「金も実力のうち」との給うて話題のチョン・ユラ嬢(ネットから)。新旧違いすぎるのは韓国では普通の整形か。

それにしても品のない母娘である。出欠などで不正があったとして高校卒業資格の取り消しを16日に発表したソウル市教育庁幹部は 「崔容疑者は教育にも介入し、教壇をむちゃくちゃにした」と怒りをあらわにした。高校3年当時、17日しか出席していないのに、乗馬大会への出場などと偽って141日間が公欠扱いになっていた。崔容疑者が教師に現金を手渡したり、欠席の多さを指摘した教師に「お前なんて教育相に言って代えてもらえる」と罵声を浴びせたこともあったという。

母がそうなら娘の方もひどいもので、フェイスブックに「能力がないならお前の両親を恨め。私の親のことでつべこべいうな。金も実力だよ」と書き込んだ。馬術の特待生として梨花女子大に裏口入学したが、名門の女子大自体、娘の受験ではじめて特待生枠に馬術を加えるというインチキぶりだ。入学後も、ドイツで乗馬訓練を受けているといって一度も出席せず、本来なら留年なのに、担当教授が代わりにレポートを書いてやって黙って単位を与え進級させていた。

馬術は金がかかるものーというイメージを広めてくれた娘の乗馬姿

馬術は金がかかるものーというイメージを広めてくれた娘の乗馬姿

金をめぐる話もひどいものだ。崔順実容疑者は自分の娘を2020年東京五輪に出場させようとたくらみ、財閥サムソンを巻き込み「第二のキム・ヨナとして育てる」特別強化プロジェクトを立ち上げた。仁川アジア大会で娘が団体戦で金メダルを取った直後、サムスンは14年10月に大韓乗馬協会を通じて「800億ウォン(約72億円)プロジェクト」と称してトレーニングや五輪出場支援体制を特別に組んでいた。その大韓乗馬協会会長にはサムスン電子の社長が就任していたというからとんでもない出来レースである。

サムスンから資金を受け取ったビデク・スポーツは、崔順実容疑者と娘が株式の100%を持つ会社だ。実際には社員1人だけの会社で、その1人というのは娘の乗馬コーチだという。あちこちから出させた金で馬術一筋というのならまだしも、2014年以降一度も馬には乗ってない。それもそのはずで、2015年6月ドイツで男児を出産していて、相手の名前は出していないが入籍しているという。とても馬術を続けられる体ではない。

ソウルで行われた大規模デモでは「朴大統領は辞めろ」のシュプレヒコールがとどろいたが、韓国紙、中央日報のコラムによると、若い人が怒りの声を挙げたのは「鄭ユラ氏の『特恵人生』に向かった怒りが朴大統領に対するもの以上だった」と書いている。デモには、多くの高校生らも参加し「努力すれば報われると教わってきたが、ユラ氏を見れば、虚脱感を覚える」などと口々に怒りを表したという。

◇ ◇ ◇

ブログ子は学生時代馬術部にいた。昨日も幹事をしているOB会の集まりに出たばかりだが、この母と娘には韓国の若者以上に腹が立つ。馬術が金まみれのスポーツとみられることにやりきれない思いだ。札幌で4年間馬に乗ったが、なにしろ金のない国立大学だから部費は月額300円だった。その代り青草刈りや部の運営費稼ぎのアルバイトにかなりの時間を費やした。

確かに現在オリンピックの馬術は金がかかりすぎる。我が大学馬術部からは東京五輪の馬術代表選手を出したが、国やJRAなどからの金銭的援助がなければとても馬など買えないのが実情だ。

五輪での馬術競技は馬場馬術、障碍飛越、総合馬術がある。馬場馬術は馬の調教ぶりが審査されるもので、フィギアスケートの「規定」と似ている。日本では五輪のたびに”高齢選手の星”とメディアに登場する法華津寛選手の出場枠と同じだ。年齢、男女の別がない馬術なので、チョン・ユラ氏はもし五輪に出たら(もう不可能だが)法華津選手と同じ試合場になるのだが、飛越競技の馬より調教の程度が高いものを要求されるので馬の値段がグンと高い。彼女は17億~18億ウォン(約1億5000万~1億6000万円)の馬を何頭も購入していた。韓国の馬術レベルは国際的には低いが、乗用馬の価格はアジア大会レベルで7億ウォン台、五輪レベルで20億ウォン台とされる。

法華津選手はリオ五輪を欠場したが馬はニュージーランドで2、3000万円で買い、ドイツで繋養させて、本人もほとんどドイツに住んで試合に出ている。チョン・ユラ氏もドイツ暮らしをしている。なぜそうなるのか。

馬術は軍用の騎兵から始まった。このためドイツ、オーストリア、フランス、イタリア、スペイン、英国などが今なお競技の主流を占めていて、彼らの都合の良いようにルールを改正して、五輪出場もポイント制をとっていて、高得点を持ってないと出場できない。そのポイントをとる競技会がほとんど上述の国々で開催されているので、ヨーロッパに拠点を置かざるを得ないのだ。だから金がかかる。

オリンピックの掉尾を飾る競技として大賞典障碍飛越競技がメインスタジアムで行われるのが恒例だったが、今では姿を消した。競技場が蹄(ひづめ)で荒れるのとすぐあとに閉会式の準備が差し迫っていることが要因だが、航空機で馬を運ぶ手間や金、世界的に馬術をする国が少ないこと、などからどんどんオリンピックのお荷物になってきているのである。馬術に親しんだ者として残念でならない。

出来損ないの親やガキが増えた

二つのニュースを読んでいてふつふつと湧き上がる怒りと、それから襲ってくるやり場のない切なさにため息が出た。日本人というものが劣化しているのではないかとさえ思う。

堺市北区の住民登録上は4歳の梶本樹李(たつき)ちゃんの遺体が、大阪府千早赤阪村の国道沿いにある川で見つかった。父親の鉄筋工、卓容疑者(35)=傷害致死容疑で再逮捕=と母親の無職、千穂容疑者kajimoto%e3%83%bcfuufu(32)=保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕=の所業は鬼畜にも劣る。

遺体は死後約1年が経過。身長約1メートルの3歳以上5歳未満の男児で、発見時の体重は9・4キロだった。樹李ちゃんは大阪府松原市に住んでいた昨年12月中旬ごろ、卓容疑者の暴行で死亡したとされる。死亡後について、卓容疑者は「遺体は自宅で保管していた。今年5月下旬ごろ、異臭がしてきたので川辺に埋めた」と供述している。遺体の捨て場所について何度も嘘をついてやっと本当の埋め場所を自供した。

千穂容疑者は「昨年12月ごろ、長男の頭を殴ったり、ビンタしたりしていた。翌日、寒さを訴えて震え上がった後、呼吸が止まった」と話しているという。この夫婦は衰弱した樹李ちゃんを医療機関に受診させなかったうえ、生きているように見せかけて松原市から児童手当計35万円を詐取した。また2人の親戚で行方不明になっている幼児が複数人いるともいう。

◇ ◇ ◇.

東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒(13)が避難直後から小学校でいじめを受けていた事件もひどい。神奈川県警から同級生との金銭トラブルについて直接情報提供があったのに放置していた学校や市教育委員会の対応が問題になっているが、その前に加害の児童たちの悪質さに救いがない。「いじめ」などを通り越して立派な犯罪である。
生徒側の代理人などによると保護者は2014年7月、県警に同級生から金銭を要求されたことを相談。県警がゲームセンターの防犯カメラ映像などを調べたところ、加害者側が1回あたり10万円単位の金銭を浪費していたことが分かった。「(原発事故の)賠償金があるだろ」などといって金を要求、当初は1回5万円ほどだったが、次第に増え、最終的に合計額は約150万円に上った。生徒は保護者に打ち明けられず、生活費を持ち出していたという。 脅し取った金銭は交通費や飲食費、遊興費に使われた。

代理人の弁護士は15日、「ばい菌扱いされてつらかった」などとつづった男子生徒の手記を涙声で公表した。読んだこちらも胸に迫るものがある。

shuki手記は不登校になっていた昨年7月、小6の時に書いた。小2で自主避難した直後から名前に菌を付けて呼ばれるなどのいじめを受けており、「ばいきんあつかいされて、ほうしゃのうだとおもっていつもつらかった。福島の人はいじめられるとおもった」とつづった。

小5の時に「(原発事故の)ばいしょう金あるだろ」と言われ、同級生らの遊興費などを負担したことについては「ていこうするとまたいじめがはじまるとおもってなにもできずにただこわくてしょうがなかった」としている。

いじめの内容では「いつもけられたり、なぐられたりランドセルふりま(わ)される、かいだんではおされたりしていつもどこでおちるかわかんなかったのでこわかった」と訴えた。

学校側に何度訴えても対応してもらえなかったことにも触れ、「いままでいろんなはなしをしてきたけどしんようしてくれなかった」「(先生に)むしされてた」と悔しさをにじませた。

手記の後半では「いままでなんかいも死のうとおもった」としつつ、「でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」と書いている。
2011年10月11日に滋賀県大津市内の皇子山中学校(メディアでは匿名扱い)の当時2年生の男子生徒がいじめを苦に自宅で自殺するに至った事件でも、加害者側の悪質さが目立った。加害者側は反省の色もなくさっさと隣の京都市の中学に転向して、女性市長と市教委が「再発防止につとめ・・・」と頭を下げたもののさしたる善後策とてないまま今に至っている。

こうした事件では加害側の少年・児童もさることながらその親たちの家庭環境もきちんと捜査し。またメデイア側も教育機関の手落ちを責めるだけでなくその背景についても報道すべきだ。違う側面が浮かび上がって来るはずだ。