防衛省は5日、米軍普天間飛行場所属の新型輸送機オスプレイが6日に空中給油訓練を再開すると発表した。昨年12月13日の不時着事故は給油訓練中のトラブルが原因で起きたため、同19日に飛行を再開した後も休止していた。
欧州を訪問中の稲田朋美防衛相は「米側が再発防止策を全て実施したことを確認した。防衛省・自衛隊の専門的知見や経験に照らしても妥当だ」との談話を発表し、再開に理解を示した。
これに対し、事故から1カ月弱で再開を容認したことに、沖縄県の安慶田光男副知事は「県民感情を考えたのか。日本政府は米軍の言いなりではなく県民の気持ちになってほしい」と強い不快感を示した。
事故発生時、このブログで「軍事音痴でオスプレイ反対をまき散らす輩 」ということを書いた。この事故は沖縄本島沖の空域で夜間に訓練中、乱気流でオスプレイのプロペラが給油ホースに接触し、損壊して飛行が不安定になり沖縄県名護市の浅瀬に不時着、機体は大破したものである。
オスプレイそのもののの安全性とは関係がない。にもかかわらず「安全性が確認されるまで飛行中止せよ」というのは筋違いもいいところである。想定外の乱気流に備えるためにも、さらに訓練を続けなければならないのが安全保障上の必須というものだ。
「県民感情を考えたのか」というなら「誰が国民の安全を考えるのか」というテーゼを考えるべきだ。被害者意識ばかりが目立つ。
沖縄県はどうしても己の県が「県民所得が全国最低」にしたいらしい。同じ日の産経新聞に「都道府県ごとの経済力を示す指標である沖縄県の1人当たり県民所得が、他県の例よりも所得が低くなる方式で計算されている」ことが報道されていた。
政府が28年に行った調査では、調査時点で最新の24年度の1人当たり県民所得ランキングで、沖縄県は全都道府県の中で最下位の47位の203万円5000円。ところが、これはトリックで、沖縄県独自の計算方式で作られている。ブービーの高知県より下になるようにしたもので、高知県(調査時点では45位)と同様の方式で計算し直すと、沖縄県の1人当たり県民所得は266万5000円で63万円増加し、全国28位に浮上、県内総生産も、公表されている3兆8066億円から4兆6897億円に上昇する。
政府が力を入れている観光立県もあってこのところ観光客が増加しているのに県民所得がいつもビリで、不思議に思っていたが、これでカラクリがわかった。翁長知事らは沖縄を日本一の貧乏県にしておきたいのだ。「沖縄返還後も基地問題を抱え、経済的な足かせになっている」ことを県内外に示したいのであろう。
沖縄には復帰直後から「おきしん」(沖縄振興特別措置法)で巨額の補助金が政府から出されていて、時限立法が切れた後も、政府の骨太方針に基づき、アジアの玄関口である沖縄を日本の経済再生の牽引役と位置づけ、沖縄振興策として、33年度まで毎年3千億円台の国の予算を投じている。
あれだけ盾突いている政府に、毎年知事以下が上京してきては陳情して「びた一文まからぬ」と横柄な態度で臨んでいる沖縄である。県民が「豊かになっては困る」わけがあるのだろう。
昨年暮れの29年度予算案でも、沖縄振興予算として前年比200億円減の3150億円を計上された。翁長知事はこれでも「他の県より多く交付されているわけではない」と毎度しゃあしゃあと言っている。27位の岐阜県と同じく「1700億円」まで下げるべきであろう。