我が大麻体験記

images那覇地検は15日、元女優の高樹沙耶(53)=本名・益戸育江=を沖縄県石垣市の自宅で乾燥大麻を数十グラムを所持していたとして、大麻取締法違反の疑いで同居していた男性2人とともに那覇地裁に起訴した。3人とも吸引していたことはさっさと認めている。大麻取締法では吸っても罰せられないことを知っているからである。

2002年、フリーダイビング競技で水深53メートルの日本新記録(当時)を打ち立てた時はすごい女性がいるものだと感心した。やってみればわかるが、ものの4メートルほど潜っただけで水圧で耳がおかしくなり、耐えられなくなるのが普通だ。その女性と今度逮捕された女性が同一人物だとは捕まってから知った。

今年5月の参議院議員選挙に新党改革より東京都選挙区から出馬したとき、 「大麻は生薬です」「危ない麻薬ではありません」「清浄効果もあり、日本では神聖な植物とされてきました」と訴え、党の荒井広幸代表も国会で癌医療における大麻使用について質問に立ち「管理を厳格にして大麻(カンナビノイド)を研究したらいかがか? 医療用・産業用に限定して研究ぐらいはさせていただきたい」と訴えていた。

新党改革はブログ子の見るところ、小沢一郎率いる「生活の党と山本太郎となかまたち」(その後自由党に改名)などよりよっぽどまともだと思うのだが、大麻では票にもならず全員落選で党そのものが蒸発してしまった。

高樹沙耶と荒井広幸の二人がいうことは実は正しい。戦前の日本薬局方には大麻主成分のカンナビノイドがちゃんと薬として記載され、緑内障や欝治療に処方されていた。神社の聖域を示す注連縄(しめなわ)も、相撲力士のまわしも麻なら、大嘗祭で陛下が身につけられるのも大麻で織られたものだ。その麻が戦後、不浄の麻薬とされたのは進駐軍(GHQ)の通達のせいである。ヒロポンを可として大麻を非とする理不尽をいまだに続けているアホラシさは同じGHQが1週間で作り上げた日本国憲法をいまだに押し頂き一片の改正も許さないという輩と同じ轍の上にある。

ブログ子は大麻(マリファナ)を吸ったことがある。20年以上前になろうが、勤めていた新聞社のメディアグループがローラースケートもののミュージカルを招請することになりその新聞テレビの取材団長としてロンドンのアポロ劇場に行った。最前列で見ていたら、左隣から煙草が回ってきた。芸能界ではなんでもなく吸引されていることは知っていたので、大麻とは察しがついた。だが、十数人に回しのみされていて吸い口は唾でぐちゃぐちゃ、左隣のミュージカルの実力者だという女性の真っ赤な口紅までついていた。とてもくわえる気になれなくてそのまま右に回した。大麻は怖くないが当時は粘膜伝染とされたエイズのほうが怖かった。

左隣に座っていた女性が幕引きの後、日本では手にに入るのかと聞くから「いいや」というと、袋に入った大麻草をくれた。カメラマンがフィルムの空き箱に入れ替えてくれたのを帰国後吸ってみた。ハイライトのたばこを半分大麻と入れ替えて吸ったが、幻覚もなければ、妄想もなし。精神的に落ち着いたり、痛みを和らげたり、楽しい気分になったりする人もいるらしいが、もともと痛みもないし世の中そんなに楽しいことなどあるはずがないと思っている方なので何の効能も確認できなかった。大麻は1年ほど棚ざらしになっていたが義母にゴミと思って捨てられた。

日本の工事現場は素晴らしい!

JR博多駅前で8日朝発生した大規模陥没事故は、地表近くまでの埋め戻し作業がほぼ終わり、10日朝から通信ケーブルやガス管などの復旧に向けた作業が始まった。あれだけの大陥没を3日後にほぼ埋め戻した作業の裏では、資材を集め、搬送した業者の奮闘があった。

発生から2日、10日夜にはここまで埋め戻された

発生から2日、10日夜にはここまで埋め戻された

あまりの手際よさにネットでは賛嘆の声が飛び交っている。処理土の生産プラントを持つ建設業「環境施設」(福岡県筑紫野市)など作業に携わった人たちの「プロの心意気」の一端は産経新聞の記事ですこしわかると思うので、下にリンクを貼っておく。

http://www.sankei.com/affairs/news/161110/afr1611100024-n1.html

水の中でも固まる処理土は作り置きができない。生産した片端からミキサー車で運ぶ。フル生産したものを九州全土からかき集めたミキサー車で現場に運び、48時間後には作業用の重機が入るための斜面まで完成させた。電線や、下水管や、ガス管などのライフラインをつなぎ合わせて、14日朝には舗装をもとのように終える予定だという。

ブログ子はこの夏、八ケ岳の山墅の前の水道管取り換え工事と砂を入れ替えて舗装するまで10人ほどの作業員の働きぶりをつぶさに観察して、あまりの手際よさに感動した。彼らをお茶に招いてありあわせの茶菓子で接待して、日本の作業現場のどこが素晴らしいか、アメリカや英仏でで見た作業ぶりと比較してその差をいくつか述べた。

大型の重機が何台か動かすのだが、免許がそれぞれ違う。大抵は一人で何種類も持っていて、あちこち飛び移って操縦している。ダンプの運転手は運転席から下りてこぼれた土砂を掃き集めたり、下に降りて水道管の専門家の手伝いをして切断するパイプの押さえ役をしたりする。大きな側溝を小型クレーンで動かす手伝いもする。要するに、作業現場の人たちは、皆この日やる予定の手順や工程をみな飲み込んでいるのである。だから先回りしてほかの人の作業を手伝うこともできる。

アメリカなどではどうか。職能別の組合ということもあるが、重機の操縦士は「それだけ」しかしないし、ダンプの運転手は土砂が満杯になるまでマンガ本を読んでいる。その日に工事がどこまで進めるのかなど誰も興味を持たない。日本なら作業が遅れれば5時半になってもみな手を休めないが、よその国では時間が来ればさっさと帰る。

日本の工事現場では互いにカバーしあうし、手順も共有していて、目的意識を持っている。そこが素晴らしいのである。日本では当たり前であり、誰も褒めないが、実はここが世界に冠たる日本の工事現場なのである。福岡のような、あれだけの大陥没事故を60時間余りで元に戻すことができる国など世界にはどこにもないのである。

トランプでもなんとかなるさ

トランプショックで株は1000円も安くなり、為替も1ドル=105円台の円安になったが、一夜明ければ、もとに戻った。「トランプでもなんとかなるさ」と落ち着きを取り戻したのだ。

trump大方の人はクリントンが競り勝つとみていたと思う。前日、ワシントンにいる友人からメールが来た。「永いアメリカ生活で何が起こっているのか大体の見当は付けられるようになった。DTのような人が共和党の候補者になり、上院議員さらには閣僚の一員として永い間ワシントンにいた新鮮味のないHCが民主党の候補者になった。どちらもアメリカに夢を持たせる人ではないのが残念だ。どもどちらかよいかとなると躊躇なくHCを選ぶ。選挙結果もそうなると思う」

50年余アメリカに暮らし世銀の幹部や日本の大学教授も務めた人でもこうである。ブログ子もネットでABCの速報を見ながらそうなるだろうと思った。アレ?と思い始めたのは、オハイオで、ついでフロリダでトランプが勝ったあたりからである。

実は我が家に届いていたのは圧倒的トランプ・フィーバーだった。義兄がテネシー州・ナッシュビルにあるタイヤメーカーの社長をしていた縁で、家内ともどもこの地を訪ねたことがあり、親しくしている牧場の女主人や有名なバンダービルト大学の関係者などから帰国後も声が届くのだが、「ヒラリー大っ嫌い!」「オバマ消えろ」というのばかりだった。保守的な南部7州で共和党の牙城ゆえ、アメリカの「一部の」政治潮流だだとばかり思っていた。アメリカの本流とはとても思えなかったのである。

メディアは分析に忙しいが、朝日新聞は「白人層の怒り・疎外感…『異端』トランプ氏を押し上げる」と題して「米国社会の底流にマグマのようにくすぶっていた既成政治への怒りが、ドナルド・トランプ氏を大統領の座にまで押し上げた。有権者の反乱とも言える動きの主役となったのは、政治に置き去りにされ、中流層から落ちこぼれる不安を抱えた白人たちだった」と書く。

はたしてそうだったか。ワシントン支局で机の上で書いているような気がしてならない。上のテネシーの例で分かるようにけっして「プア・ホワイト」(貧しい白人)ばかりがトランプを押し上げたのではない。豊かな人やインテリもトランプ支持に回ったのだ。

思うに、アメリカを牛耳っている東部エスタブリッシュメント、特に弁護士や医者やエリートが人権やグローバリズムでアメリカをひっかきまわしていることへの反感だったのだと思う。その代表格のヒラリーや、クリントン前大統領、オバマ現大統領への虫唾が走る思いがトランプをホワイトハウスへ押し上げたのだ。

それにしても安倍首相の反応は早かった。安倍首相は10日午前、米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ次期大統領と電話で約20分間会談し、17日にニューヨークで会談する方向で一致した。トランプ政権の中枢と人脈をつくるため「特使」を出発させた。いずれもこれまでの日本政府にない即決の対応だ。
翻って、国会はどうか。TPP法案についてどうせ反古になるなるものを通す必要があるのかと野党はごねている。挙句、山本有二農水相の不信任案を民進党など4党共同で出すのだそうだ。世界を見通す展望というものがまるでない。民主党政権でなくてよかったとつくづく思う。

電話会談で首相は「米国がより一層偉大な国になることを確信する」と祝意を伝えたのに対し、トランプ氏は謝意を示したうえで「安倍首相の今日までの経済政策の業績を高く評価している。今後数年間、ともに働くことを楽しみにしている。日米関係は卓越したパートナーシップであり、この特別な関係をさらに強化していきたい」と語った。レームダックの韓国大統領にも「米韓同盟は強化する」と太鼓判を押した。

案ずるより産むがやすし、トランプでもなんとかなるのである。

大川小津波訴訟遺族の「控訴するな」は許されない

控訴するな、と石巻市役所前で訴える児童の遺族たち=30日

控訴するな、と石巻市役所前で訴える児童の遺族たち=30日

東日本大震災の津波で児童、教職員計84人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校を巡り、児童23人の遺族19家族が市と県を相手取り約23億円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁(高宮健二裁判長)は10月26日、学校側の過失を一部認め、14億2658万円の支払いを命じた。

この判決で敗訴した石巻市と宮城県は相次いで控訴することを決めたが、これに対して原告側弁護士と遺族たちは「控訴するな」猛反発して、遺児の顔写真やプラカードを掲げて県や市に押しかけている。遺族側が感情的なのは理解するが、日本が参審制の国であることを一番知っている弁護士が法制度を無視するこうした行動は許されるものではない。

判決は、現場にいた教師たちは津波襲来によって「児童に危険が生じることを予見したと認められる」とした。その一方で、事前に危機管理マニュアルで避難場所や方法・手順を明記していなかった安全対策の不備や、当時不在だった校長、唯一の生存教諭らが被災後に救命救助を要請しなかったことなど、市教委と学校の事後対応に関しては注意義務違反を認めなかった。
宮城県の村井嘉浩知事は判決に対して、「知りうる情報をもって最大(限)の選択をした。(判決は)教員の責任を重くしてしまっている」と批判。広報車の情報だけを理由に予見できたと認定したのは過去の津波訴訟判決と整合性がとれない点などを挙げ、「亡くなった児童の命も地域住民や教職員の命もその重さに変わりはない。児童らを救おうとした教職員を一方的に断罪することは受け入れられない」と述べた。 また判決が「教員は避難してきた地域住民に対する責任を負わない」と指摘したことについても、「児童と住民全員を安全に避難させようとしたはずの努力を否定したものだ控訴した理由を語っているが、その通りである。
大川小の全校児童108人のうち児童74人が死亡・行方不明となった。これほど悲惨な学校災害はない。しかし、地震発生後、約50分間校庭で待機した後、校庭より約6メートル高い北上川に架かる橋のたもとへ避難を始め、津波にのまれた。なぜすぐそばの裏山に逃げなかったのか、謎は多い。解明を待つ意味で控訴する意味はある。

74人の遺族のうち訴訟に加わったのは23人だという点でも、多くの遺族には葛藤があったのだと思う。遺族の一人が「まるで亡くなった先生たちだけに罪を押し付け、ほかの人には責任がないみたいな判決です」 とつぶやいたという。なおさら、控訴する意味がある。

豊洲市場問題で「群盲象を撫でる」者たち

築82年と老朽化の激しい築地市場の移転問題は、30年近い調整を経て豊洲新市場に移転を果たすはずが、都政の手続き論や土壌汚染問題など今や「氷漬け」状態だ。テレビや新聞の報道ぶりを見ていると、どうも的違いの方向に論点が行っているとしか思えない。

豊洲市場の建物としての安全性などを検証する「市場問題プロジェクトチーム(PT)」の第2回会合(10月25日)で、設計を行った「日建設計」が安全性について説明した。その結果、PTとして、建物の床の厚さや積載荷重に問題はないとの判断を示した。地下空間を設けたことによる耐震性についても法的に問題ないとした。本来「150ミリ」を前提に耐震性などを計算するところが誤って「10ミリ」で計算されていたものの、実際にはきちんと150ミリで建設されていたという。建築士ならイロハのイの構造計算で問題がないのならどうということないではないか。

おかしなことに、反対派らしい建築関係者がまくし立てていたが、模型を持ち込み、地下のコンクリート枠を外してみせてグラグラするところを、「豆腐の上に建てるようなもの」と言っていたが、構造を勉強した者ならこんな正反対の結論が出るはずがない。なにか恣意的につぶそうとしている者がいるようだ。

toyosu-chika次に、地下空間にたまった水の問題だ。、共産党都議団が行った豊洲新市場地下の水質検査(10月14日)では、「ヒ素が検出された」と大騒ぎして見せていたが、その量たるや「基準値の10分の1」にも満たない、どこでもそれくらいの数値であることには口をつぐんでいた。また「強アルカリ性反応」が出たと驚いて見せていたが、コンクリートがそもそもアルカリ性であり、水に接すると石灰分が溶解し、水もアルカリ性になるのは当たり前の話である。

ヒ素や鉛も極めて厳格すぎるぐらいの環境規制をさらに下回るもので、シアン化合物も検査方法が不十分なもので、要するに豊洲市場は、健康に影響のない汚染レベルにまで改善しているのである。左翼が国会で騒いでいた「戦争法案」と同じレベルのプロパガンダに全国紙やテレビ局が乗っかって騒いだら、豊洲の魚は、放射性物質の影響がないのに風評被害に遭った福島の魚と同じ道を歩むのではないか。

一方、豊洲市場の施設の下に盛り土がなかったことでの都の行政としての責任問題は別である。「いつ」「誰が」が特定され、 「(責任者も経緯も特定できない)空気のような問題から、かなり絞り込めた」と1日の記者会見で、小池百合子知事は市場長ら8人の責任を問うという。

都が1日に公表した第2次自己検証報告書によると、2009年2月、都は敷地全面に盛り土をする整備方針を機関決定。しかし、豊洲市場の整備を担当する新市場整備部は、10年11月から始めた建物の設計づくりの段階から、建物下に盛り土をしないことを前提に作業を進めていた。

背景について報告書は、国が進めていた土壌汚染対策法の改正に「市場当局が神経をとがらせていた」と指摘。将来的に汚染土壌が見つかり、同法での対応が求められた場合に備え、重機などを搬入するモニタリング空間を地下につくる基本認識が生まれたとした。報告書は、同部が都の整備方針を覆す独自の決定をした「場」を11年8月の部課長会だったと特定。関係者証言から、会議を主催した新市場整備部長がモニタリング用の地下空間の設置を部の方針として確認したと認定した。
部長は「(モニタリング空間を)つくらないのはダメだと言っただけ」と反論しているが、報告書は「方針の遵守や上司への報告・説明、(有識者による)技術会議などに確認するべき立場にあったが職責を全うしていない」と断じた。

それならそれで、もっともな理屈である。盛り土や耐震能力への知識もなく、大規模建築物を設計した経験もない自称有識者によって「盛り土」が提起された。それを技術的に、また将来の法令順守からみて都庁の技術屋が是正した。これなら至極当然のことだ。ただ「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)を怠ったのは落ち度だから、これだけを処分すればよいことだ。

plt16081620300002-p1

移転反対派が煽っている、汚染や耐震性能の不足などの問題は、科学的知識があれば上述のように簡単に崩れ去る程度の問題だ。メディアが一緒になって煽るようなことではない。移転が遅れれば一日何百万円も補償などで消えていく。御覧のように建物はほとんど出来上がっている。さっさと移転を進めることだ。

また朝日新聞が誤報で「おわび」

朝日新聞は2014年、いわゆる従軍慰安婦報道や、東京電力福島第一原発事故の「吉田調書」報道などで、記事を取り消し、「誤報新聞」と言われているほどだが、こんどまたやらかした。

厚生労働省の「年金試算」を批判した記事に誤りがあったとして、26日付朝刊に「おわび」を掲載し、記事を訂正した。記事は塩崎厚労相の国会答弁を「曲解」して書かれており、識者は「記者は自分の考え方に合致した部分だけを記事に拾い上げたものだ」」と指摘している。

この事実を唯一きちんと報道している読売新聞によると、誤りがあったのは、朝日が22日付朝刊I面で、「年金 不適切な試算/厚労省 支給割合高く算出」との見出しで報じた記事。現役世代の平均的な賃金に対する年金額の割合を示す「所得代替率」について、厚労省が「不適切な計算方式を使い」と記載し、同省側か高く算出したかのように報じた。同省が別の方式で計算した場合、所得代替率は50・9~53・9%に低下するとも記述し、将来的に50%を割り込む可能性を指摘した。

この記事は、21日の衆院厚労委員会での長妻昭氏 (民進)の質問と、塩崎氏の答弁が基になっている。だが実際には、所得代替率の計算方式は国民年金法などで定められ、同省が別の方式を選択する余地はなかった。「50%以上」を確保することも同法などで規定され、50%を下回る見通しとなれば、制度を変える必要がある。

また、「塩崎氏は年金の試算について『役割を果たしていないこともありうる』と述べ、不十分だと認めた」とも記述している。しかし、塩崎氏の発言の趣旨は正反対で、現行の計算方式を変えた場合に「役割を果たせない」との見解を示したものだった。

同省は22日、ホームページに「明らかな事実誤認」などとする抗議文をただちに掲載していたが、民進党の蓮舫代表は22日夜に報道陣の取材に応じ、「イージーな計算ミス。今出している法案は取り下げていただくのが筋」などと頓珍漢な政府批判を繰り広げていた。

年金制度に詳しい堀勝洋・上智大名誉教授は、「記事は、政府が年金額を恣意的に高く見せかけようとしているとの印象を与えかねず、不適切な内容だ」と指摘する。服部孝章・立教大名誉教授(メディア法)は、「記者自身に『こうすべきだ』という考えが強くあると、それに合致する部分だけを拾いがちになる」という。

これより先の12日、中日新聞と東京新聞の社会面の隅に〈「新貧乏物語」の一部を削除します〉と書かれたお詫び記事がこっそりと掲載された。

東京新聞に年明けから掲載された大型連載で、1916年に大阪朝日新聞で連載された河上肇の『貧乏物語』になぞらえ、現代の貧困問題を取り上げたもので、新聞協会賞にも応募、9月には貧困ジャーナリズム賞も受賞した(後に返上)。

問題になった記事は5月19日付の中日新聞「病父絵の具800円重く」で、ある中学3年生の苦境が明かされている。父が脳梗塞で倒れ、収入が激減。絵の具など教材費も払えないほどの暮らしになり、バスケ部の合宿代1万円が払えないこともあったと書かれている。

ところが、家族からの指摘で教材費や合宿代も払えない、といった記述が嘘と発覚。その原因を先のお詫びでこう釈明している。
「記者は『原稿を良くするために想像して書いてしまった』と話しています」

つまり、捏造である。中日新聞の関係者は、 「握造したのは、岐阜支社にも赴任していた若手の男性記者で訂正記事をよく出すことで有名だった。現在は本社で処分を待つ身です。1月に掲載された第1部を読んだ匿名の読者から、苦しむ若い方へ届けてほしいと、1000万円が東京新聞社会部に届いたという反響ぶりだった。このお金は子どもの貧困対策を行っている公益財団法人あすのばに寄付され、貧困家庭への給付事業と熊本地震の支援にあてられることになっていた。大金を寄付した匿名の読者が捏造記事と知ったらがっかりするに違いない。

朝日の「曲解」記者と、中日の「捏造」記者に共通して言えることは、新聞記者としての基本がなってないことだ。

ブログの亭主下山、間もなく投稿開始

寒くなってきたので下山しました。鹿に食われないように樹木に「腹帯」を巻くのと、蝶々の食草、ヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリが激減、アサギマダラ他の姿が見えなくなったので対策に追われているうちに、冬が近づ、下界のことなど考えることもありませんでした。

岡目八目、渦中から外れると見えてくるものがあるので、そのあたりを近々書こうと思います。

ブログの亭主しばらく留守にします

暑くなってきたので先週八ケ岳に上がるつもりでしたが、やや涼しくなったので参議院選挙開票を夜を徹してみました。

二人の「田中」の落選が印象的でした。「田中直紀」と「田中康夫」のご両人です。直紀氏は先に新潟選挙区で真紀子夫人が落選、今度は旦那まで。折からの角さんブームの中なのに裏腹に「田中王国」が崩壊したのは、人を口汚く怒鳴りつけるばかりの娘の所業がたたったのでしょう。かつて目白の田中邸に張り込んだブログ子など、それにしても親は偉かったと思うばかりでした。

「田中康夫」氏の方は長野県知事を石を持て追われてから、新党作ってもみな遠ざかり、なすことすべて裏目に出るばかり。今回どうしておおさか維新に食い込んだのか知りませんが、再びの維新ブームの中でも浮上できず。ブログ子の周りではおおさk維新に投票しようとしていたのに、「あの気持ち悪い」人が候補と知って取りやめました。他の候補を立てていたら、民進党候補と入れ替わっていたと思います。

社民党は自党の党首の名簿順を後ろに回した厚かましい福島瑞穂ただ一人。政党要件を欠くことになって政治討論会でのあの口をとんがらしてまくしたてる姿を見なくて済むのは快事かと納得。小沢一郎も子分はみな落選して裸の王様状態。これまた政党要件を満たすべく無所属で当選した元小沢ガールズなどを集めにかかるのでしょうが、見る影もない落魄ぶりです。

まあ、短所ばかりの都知事選候補が出そろうのを見ることもなく山に籠るのですが、こちらの方にはなんの感慨もありません。テレビなし、パソコンなし、ネット無縁・・・10月中旬下山予定です。

”女たらし”まで都知事選だと

ブログの亭主は金曜日に「山上げ」の予定だった。歳のせいか猛暑がつづくと汗疹が出るようになった。ところが涼しくなったので、参院選開票速報を見てから上がることにした。

各紙揃って予想は「自公大勝」「会見勢力3分の2うかがう勢い」だ。しかしブログ子の関心は別なところにある。一つは社民党が消滅する瞬間を見られるかもしれないことだ。幸か不幸か2議席改選を迎えたが、吉田忠智党首は落選確実、福島瑞穂前党首も危ういという。55年体制を謳歌した社会党はブログ子が学生運動した時代にはクラスにまでオルグが入ってきた。それが「前現揃って討ち死に」という断末魔かもしれないのだ。

もう一つは小沢一郎が「裸の王様」になり、聞くだにおぞましい「生活の党と山本太郎となかまたち」という政党が政党要件を欠き雲散霧消する可能性が大である。彼が田中派の四天王時代から知っているが、 主義主張などどこかに置き忘れ、そのときそのときで党を作っては消しを繰り返してきた。政党助成金だけは独り占めで国会議員で2番目の「金権」であるが、それが最後の瞬間を迎えるかもしれない。これを見ずして何とする、の心情である。

明日は午後9時開票が始まると同時に当確がどさっと出る。日付が変わる頃にはほとんどの結果が出る。社民党比例だけは、前回の菅直人滑り込みのように明け方までかかる可能性があるが、朝、八ケ岳に出かけるころには結果を見届けることができよう。

同時に東京都知事選の最後の追い込みスタートだが、こちらには興味がない。舛添要一前知事が消えてくれただけで満足である。

それにしても出馬に手を挙げたのが欠陥人間ばかりであることよ。小池百合子が今のところ先頭を走るが、政界渡り鳥が災いして安倍政権から距離を置かれ、この先が見えないので都知事に活路を見出したのだろうが、身体検査では金の方で「真っ黒」と週刊誌に見出しが躍る。大丈夫か。自民党都連が擁立した増田寛也氏は出馬を決めたが、岩手県知事時代、小沢一郎とうまくやっていたということはなにやらきな臭い。

噴飯物が”女たらし”石田純一の出馬宣言である。 「普通の市民と政治がかけ離れている。野党統一候補なら、思いを力に変換できる」。都内での記者会見でぶちあげたが、セコさゆえに追われた人物のあとは実務型が求められている。どうみても韓国の国家予算と同じ東京都の舵を取れる人物とは思えない。共産党も民進党もほかの人間を立てようとしているのに「野党統一候補なら」と条件付けている。土台、ありえない話の売名行為としか思えない。

市民団体からの要請を受け、出演しているコマーシャルのスポンサーとの調整も進めている、というが、この市民団体というのは共産党系ではないか。どうせなら吉永小百合を出せばよかった。

石田純一と吉永小百合はこのところ赤旗まつりやシールズの集会に盛んに登場して、二人は今や「共産党の広告塔」である。石田純一は「ホーマツ」だが、吉永小百合なら小池百合子と互角いやそれ以上に戦える。

顔ぶれを見る限り、「劇場型選挙」もいいところだ。「伏魔殿」と言われた時代から都庁を知っているが、頭は「軽い人物」でも役人がしっかりしていればなんとかぼろを出さずにすんだ。横山ノック大阪府知事や青島幸男都知事がいい例だ。ノックの副知事を務めた「H」氏とはブログ子は彼の静岡時代から昵懇だったが「こんなアホとはやってられない」と辞表を叩きつけた人物だ。

今の都庁に「こんなアホとはやってられない」と言える人物はいるのだろうか。

「覇道、邪道の相撲」にみる日本人の美醜感覚

まもなく大相撲名古屋場所が始まる。紙面の片隅に小さく出ていたの気づかなかった人もいようが、民進党の野田佳彦前首相は4日、参院選の応援演説で横綱白鵬関の相撲の取り口を例に挙げて安倍政権を非難したとして、党関係者を介して白鵬関に謝罪文を出した、という。

6月23日の名古屋市での街頭演説で、安倍晋三首相が過去の国政選挙でアベノミクス推進を訴え、与党が勝利した後に特定秘密保護法や安全保障関連法を成立させたと指摘。こう付け加えた。「白鵬の取り口に似ている。左手で張り手、右からひじ打ちを顔面に入れる。白鵬は覇道、邪道の相撲になっている。安倍政権も覇道、邪道、外道の政治だ」。

ブログ子は謝らなくてもよかったと思う。白鵬は69連勝した27代横綱・双葉山を尊敬していて、なにかにつけ「心技体」を身に着けたいと殊勝なことを言うのだが、野田元首相がいうように、日馬富士をかわしたり、かちあげて大きなブーイングを受けることが多い。成績から言うと一代親方を認めてもいいが、何かというと「品格」がないことが取り上げられ、やはり外国人力士に相撲道を説くのは無理かと思わせられ、日本人をがっかりさせている。

先ごろ数学者の藤原正彦氏が週刊新潮に連載しているコラム「管見妄語」でうまい表現をしていたので紹介する。
コラムではまず、添都知事が辞任したことに触れついで白鵬のことに触れている。

・・・(舛添要一都知事は)法律の世界に育ったことが仇となった。頭のよいはずの彼なのに、日本人の善悪が、合法か不法かでなく美醜、すなわちきれいか汚いかで決まることを知らなかった。嘘をつく、強欲、ずる賢い、卑怯、信頼を裏切る、利己的、無慈悲、さもしい、あさましい、ふてぶてしい、あつかましい、えげつない、せこい……はすべて汚いのだ。逆に、公のためにつくす、正直、誠実、勇気、献身、忍耐強い、勤勉、弱者への思いやり、いさぎよい……は美しい。日本人のこの道徳基準に無頓着なまま、不法でなければ万事オーケーとばかりに自らを正当化しようとした。

これは横綱自鵬の「かち上げ」にも当てはまる。近年の彼は、立合いで左から相手の顔を張り、顔が傾いたところを右肘でかち上げる、という技を多用する。この荒技により、今年になってからだけでも、栃煌山、豪栄道、勢などが立つと同時に意識を失い敗れた。この肘打ちはボクシングでは危険技として禁じられているが、相撲では禁じ手でない。だから白鵬はこれ一発で相手を沈めた時は、「立合いがうまく行った」と得意満面だ。

また彼は、立合いで「変わる」、すなわち相手を正面で受け止めず左右に体をかわすこともよくするようになった。「かち上げ」や「変わる」たびに観客からブーイングが出る。白鵬にとって、規則で認められた技で勝ってとやかく言われるのは腑に落ちないはずだ。「かち上げ」や「変わる」のが評判悪いのは、横綱としての品格に欠けた技、すなわち汚い技だからだ。大相撲の頂点に立つ横綱は正々堂々と相手を受け美しい技で勝って欲しい、との思いがファンにはある。日本人が善悪の判断を、美醜で決めていることが白鵬には理解できないのだ。

日本人はこれがあるから、法律などほとんどない時代でも治安は見事に保たれていた。戦国時代末期に来日したフランシスコ・ザビエルも日本人の道徳の高さに瞳目したし、明治初年に来日した米人モースは「日本人は道徳や品性を生まれなからに身につけているようだ」と感嘆した。無論生まれつきでなく、誰もが幼い頃から「汚いことはするな」と諭され育てられているからそう見えるのだ。今も日本人の道徳の高さは世界でも飛び抜けている。合法か不法かに頼る諸外国は、何世紀も遅れているように私には見える。

不法なことをしていない都知事を国民の美醜感覚が辞任に追いこんだ今回の事件は、日本文化の真髄の表れであり、世界へのよいメッセージでもあった。

「私は日本人です、撃たないで」は最悪のセリフ

血の海の現場(ISが送ってきた写真)

血の海の現場(ISが送ってきた写真)

バングラデシュの首都ダッカにある飲食店が武装グループに襲撃された事件。人質20人が死亡、このうち国際協力機構(JICA)の現地プロジェクトの関係者、男性5人、女性2人の計7人の日本人が死亡した。

日本人ら外国出身者に人気の飲食店「ホーリー・アーティザン・ベーカリー」に武装した男たちが押し入ったのは、現地時間の1日午後9時ごろだった。武装グループは店の出入り口を封鎖し「アッラー・アクバル(神は偉大なり)!」と叫びながら発砲。爆発物を投げ、店内を制圧した。スタッフら10人以上が建物の階段を上がり、屋上から飛び降りるなどして逃げ出したが、多くの客は人質にとられた。

駆け付けた警察官と武装グループが銃撃戦を展開、銃声の中で懇願するような男性の声が聞こえてきた。 「アイム・ジャパニーズ、ドント・シュート(私は日本人です、撃たないで)」。近くに住む韓国人の女性が「まるで戦争のようだった」と話した。

武装グループは人質全員にコーランを暗唱するよう求め、暗唱できた者には危害を加えなかったという。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)系メディアは、武装グループが殺害したとする遺体の画像を配信(右上の写真。ブログ子が一部修正)。
×  ×  ×

亡くなった人には気の毒だが、なんでまた「私は日本人、撃たないで」などと叫んだのか。日本人は世界一平和な、あるいは誰よりも平和を希求する国民だと信じている。護憲派に代表されるが、「平和」を叫んでいれば誰からも攻撃されないと信じている。だが、イスラム過激派からすれば、シリアやイラクで欧米と一緒になってイスラム国」(IS)を弾圧している異教徒である。
バングラデシュは世界有数のイスラム教徒人口を抱える。近年、安価な労働力や厚みを増す中間層が注目され、日本企業は進出を加速してきた。中国の人件費高騰などを受け代替生産拠点の「チャイナプラスワン」として首都ダッカ近郊に工場を設けている日本企業はユニクロからゼネコンまで進出数は2016年2月時点で240社となり約2年で約60社増加している。

イスラム国」(IS)もバングラデシュに拠点を設置したと表明していて。バングラデシュの治安部隊は、6月からのラマダン(断食月)期間中に過激派の動きが活発になるとみて摘発を強化し、1万人以上を拘束したばかりである。

ソフトターゲットが狙われる可能性は明らかな危険地帯だ。そこで「日本人だ」と叫べば、「殺して」と言っているようなものである。被害者は若い人たちが多い。派遣元の企業はもしもの時の対応を教えたのだろうか。元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が言っている。「テロリズムとは何か。テロとの戦いの重要さを若いうちから社会科や道徳の中で教えるよう取り組まないといけない。対テロ教育の強化が重要になってくる」。(産経での談話)

銀行にモラルを問うのは「八百屋で魚を買う」が如し

モラルなき三菱UFJ銀行

モラルなき三菱UFJ銀行

ブログ子が尊敬する山本夏彦はいう。
「銀行は国民の敵ですぞと私は何度も言ったが、実はその背後にいる大蔵省が敵なのである。不良銀行をつぶしたらそれが波及して優良までつぶれる、つぶ れたら大衆の預金はふいになる。それを守るために銀行を助けるのだと、大蔵省はこの期に及んでもなお預金者に恩を着せるのである」
また「昔の呼び方で言うとその本性がよくわかる。銀行は高利貸しであり、弁護士は三百代言であり、証券会社は千三つ屋である」

 

銀行界最大手の三菱東京UFJ銀行が国債入札に有利な条件で参加できる特別資格を政府に返上するという。日銀によるマイナス金利政策に「ノー」を突きつけた。

国債入札特別資格を持ったままだと、銀行はすべての入札で発行予定額の4%以上に応札する義務があり、マイナス金利のもとで額面より高い値で国債を買わされる羽目になる。国債の相場がその後下落すれば、大きな損失を受けるリスクがあるので、特別資格が邪魔になった。

銀行は他の業種にはない特権が首相から認められている。製造業などはぎりぎりまで人件費や原材料などコストを切り詰めても、販売価格がどうにもならず、ときには原価割れを覚悟しなければならない。かたや銀行は、低コストの資金を預金者から集め、より高い金利で融資し、利ざやを確実に稼げる。おまけに日銀の当座預金口座に資金を寝かせたままで、銀行員が椅子に座ったままでも、大半は日銀から0・1%の利子が振り込まれる。バブル崩壊後には、総額で十数兆円の公的資金の注入も受けた。

どれもこれも、「国民経済の健全な発展に資する」(銀行法第1条)という銀行の公共性が、国家によって認められているからだ。

国債は金融市場の要である。金融市場が揺らげば、国全体の経済運営に支障をきたす。銀行が国債を購入して市場安定に貢献する。国民から集めた預金を源泉とする資金を政府に供給して、世の中にカネが回るようにするのは、銀行法の趣旨を引用するまでもない、銀行として当然の社会的義務のはずである。(産経・田村秀男記者)

三菱の創業者、岩崎弥太郎は国有企業を払い下げてもらって莫大な利益を得て三菱財閥の基をなした。今あるは国のおかげであるにもかかわらず、利が薄いといって国に立てつく。見下げ果てた企業理念である。

ひところバブルを煽ったのは銀行がサラ金に裏で低利で金を貸したからである。儲かるときには社会正義もあったものではないのが銀行の悪徳商法であった。あまりにリスクをとらない体質に「連帯保証人」を取るのはとうとう禁止されたが、戦後この方、どれだけの人が「連帯保証人」の印を押して破産したことか。悪徳商法を改めるのに70年かかった。この間銀行はリスクを他人に取らせて己は儲けだけ手中にしてきた。

マイナス金利で儲けが出ないと日銀に立てつくのなら今度マイナス金利から脱却したとき、三菱東京UFJ銀行の「特別資格」は永久に剥奪すべきであろう。

この少年のハッカー技術を生かせ

名称未設定 1佐賀県の教育情報システムから県立高校などの生徒ら1万人超の成績表な どが流出した事件で、警視庁は27日、佐賀市の無職少年(17)を不正アク セス禁止法違反容疑で再逮捕した。 文部科学省の担当者は「ICT(情報通信技術)化が最も進んでいる佐賀県のシステムが破られたとショックを受けている。

少年のパソコンからは流出したファイル約21万件が見つかり、公教育では 過去最大規模の情報流出となる。少年は今年1月16~18日頃、自宅から2回にわたり、他の 生徒2人分のIDとパスワードを使って同県教育庁のシステム 「SEI―Net(セイネット)」に不正ログインした上、自ら開発した サイバー攻撃用のプログラムでシステムの弱点を突き、生徒の個人情報が 記録されたデータベースに不正接続した疑い。

入手した情報の一部は、無料アップロードサイトに投稿し、小学校時代の友人ら数人でつくる「情報収集会議」と称するグループで共有していた。合同捜査本部は、少年に手口を聞いて同じシステムに侵入したメンバーの高校2年の男子生徒(16)も、不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検した。

少年は先に、有料デジタル放送の視聴に必要な「BーCASカード」を使わずにパソコンで無料視聴できるプログラムを開発してネット上で公開したとして、同課が今月6日に不正競争防止法違反容疑で逮捕されていた。

◇ ◇ ◇

ブログ子がいる八ケ岳の自然郷1300戸はIT技術に疎い村役場と、事の重大性に気づかなかった管理会社の「IT無策」のおかげで地デジから取り残され難視聴地区になっている。「BーCASカード」で衛星放送から電波を受信できれば一挙に解決するのだが、それには暗号を解除せねばならない。これは違法なので控えているが、この少年に突破口を教えてもらいたいくらいである。

知らない人はこの少年は優れた偏差値の持ち主で天才のように思うかもしれないが、そうではない。新聞記者生活の後半10年ほど新聞社のコンピューター部門の責任者であり、システム開発会社の社長も4年ほど務めたので多少プログラミングのことがわかる。社内にはプログラマーやSE(システムエンジニア)がたくさんいて、複雑なシステムの構築を時には半年がかりで取り組んでいた。

その作業を身近にみていたが、プログラムはアルファベットと数字と記号で成り立っている。ときどき英語でコマンドという命令言語がでてくる。インターネットは2進法で成り立っているから「・・・せよ」という命令を書き込むにしても恐ろしく長い「アルファベットと数字と記号」が並ぶ。文科系の人間、とくに文章を作ることを仕事にしている人間には耐えられない、異種の言語である。

ところが、世の中にはこういうプログラム言語を得意にする人間が存在する、今回逮捕された少年のように。なにも大学教育を必要としない。少年も高校には行かず独学でプログラムとハッカー技術を身に着けたようだ。逮捕の罪名はおどろおどろしいが、仲間内でハッカー技術を自慢しあっていた程度のようである。特段に犯罪に手を染めていたわけではない。

社会はこうした少年を「有用に」使うことを考えるべきではないか。警視庁や政府の情報調査室、防衛省の情報部署など殺到するサイバー攻撃から国と社会を守る人材にうってつけである。

中国の航空機、ロケット技術、艦艇製造、北朝鮮のミサイル技術、独自で開発するよりサイバー攻撃で相手国に潜り込んでは盗み出した技術で成り立っている国はこうした「英才」の発掘に力を入れてきた。一から作り出すよりサイバー攻撃で手っ取り早く手に入れたほうがはるかに安上がりであるから、今後も増えることはあっても減ることはない分野なのである。

犯罪ではあるが同情せざるを得ない

news2802121_6最終論告公判の記事を読みながら涙が止まらなかった。 昨年11月、埼玉県深谷市で、認知症の母親の藤田ヨキさん(81)と病気を患っていた父親の慶秀さん(74)とともに利根川に入り、2人を死亡させた殺人と自殺幇助の罪に問われている波方敦子被告(47)の裁判(21日)。

認知症の母親の介護にも懸命に取り組んでいたという波方被告。しかし、新聞配達の仕事をしながら家計を支えていた父・慶秀さんの病気が急激に悪化し、「一緒に死んでくれ。お母ちゃんだけ残してもかわいそうだから3人で死のう」と頼まれ、昨年11月21日、両親を軽乗用車に乗せて川に入った。

「右手に父、左手に母、足がつかなくなるまで歩いていきました」(波方敦子 被告)

「車の外に出てから母は『死んじゃうよ死んじゃうよ』と繰り返し、手足をバタバタさせていた。私は『ごめんね、ごめんね』としか言えなかった」「認知症の母でも死にたくなかったのに、無理やり私が殺してしまった」((同 被告)

決行した日は市役所から生活保護を受けることで民生委員が来ていたが、「父の収入がなくても何とかなる」と考えていたが、父の頼みを断らなかったのは「家族だから」。

一人生き残り、低体温症で保護された被告は、 公判の最後に親族への謝罪などとともに「お父さん、お母さん。こんな私ですがこれからもどうか見守っていてください」と述べ、これから生きていく心境を語ったという。

検察側は懲役8年を求刑。弁護側は「父親に心中を持ち掛けられ、母親を1人で残すわけにいかなかった」として、執行猶予付きの判決を求めていて判決は23日。

心ある裁判官なら間違いなく執行猶予をつけるだろう。

米フロリダ州オーランドでの2つの大事件

ブログ子はオーランドで1週間を過ごしたことがあるので、この町に一度に起きた二つの事件の現地の報道ぶりを毎日現地紙を覗いては追いかけている。

オマル・マティーン容疑者

オマル・マティーン容疑者

一つは12日、同性愛者向けのナイトクラブで49人が死亡する米史上最悪の銃乱射事件だ。米国生まれのオマル・マティーン容疑者(29)の単独犯行とみられている。 マティーン容疑者は1986年、アフガニスタン出身の両親のもとにニューヨークで生まれ、その後、フロリダ州に家族で転居。地元の大学に通い、2009年には地元で結婚しているが、2年後に離婚している。

現在の妻が、犯行を事前に知っていた可能性が高いとして連邦捜査局(FBI)が捜査している。妻は「犯行を思いとどまるよう説得していた」と供述。また、同容疑者が銃弾などを購入した際に同行したり、事前に同性愛者が集まるナイトクラブへ車で連れて行ったりしたとされる。ロイター通信によると、計画を事前に知りながら警察当局に伝えていなかったとして、訴追される可能性もあるという。

犯行の動機として同容疑者は犯行現場のナイトクラブに出入りしていて同性愛の傾向があったとみられる一方で、しばしば同性愛者嫌悪や人種差別的な言葉を口にし、「情緒不安定で抑えが利かない」タイプで、今回の乱射事件を起こした。マティーン容疑者が現場から警察に電話をかけ、「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)の国の在米の兵士の一人」として犯行に及んだと主張したことや、それ以前には、ISと現在は敵対する国際テロ組織アルカイダ、さらには、これらイスラム教スンニ派組織が異端視するレバノンのシーア派武装組織ヒズボラとのつながりもほのめかしていたことから、そちらとのつながりが考えられるが、オバマ大統領は、マティーン容疑者が過激派組織「イスラム国」などから指示を受けていた証拠は今のところ、ないと話している。動機の解明はこれからだ。

ブログ子は、マティーン容疑者は地元のゴルフ場が併設されたリゾートで門の警備員をしていたということや、妻が「夫は事件が起きたナイトクラブとディズニーワールドを下見していた」と証言していることから、ディズニーワールドを標的にしようとしていた可能性があることに衝撃を受けた。もし、そちらが選ばれていたら、家族連れやこどもも巻き込む恐ろしい事件になっていた。
そのディズニーワールドで2歳の男児がワニに襲われる事故が起きた。これまた衝撃的なことである。

現場となったのはディズニー・グランド・フロリディアン・リゾート&スパ(Disney’s Grand Floridian Resort & Spa)前の湖。14日午後9時(日本時間15日午前10時)ごろ、深さ約30センチの浅瀬で遊んでいた男児が、ワニによって水中に引きずり込まれた。当局によると、父親がワニと格闘したが、ワニは男児と共に水中に消えた。ワニの体長は推定1.2~2.1メートルと報じられている。

事故直前に撮影されたレーン・グレーブズ君

事故直前に撮影されたレーン・グレーブズ君

男児は翌々日遺体で発見されたが、保安官は、「男の子の遺体はまったく損傷がなかった」と語った。男児はネブラスカ(Nebraska)州在住のレーン・グレーブズ(Lane Graves)君と特定されたという。

ワニの襲撃による死亡事故は、ディズニー・ワールドの45年の歴史で初めて。同園は事故を受け、リゾート内のビーチやマリーナを閉鎖した。 湖は人工だが自然湖とつながっており、フロリダに多く生息するワニは陸地を移動することができることから、湖にワニがいたことも説明がつく。

現場はシンボルのシンデレラ城のすぐそばにあるリゾートの砂浜

現場はシンボルのシンデレラ城のすぐそばにあるリゾートの砂浜

写真でわかるように現場のホテルはディズニー・ワールドのシンボル、シンデレラ城のすぐ裏手にあたる。こんな近くにワニが潜んでいたのだから恐怖である。

オーランドというのは沼地の中にある町で、オーランド空港に着陸するときは一面の湖や沼地で湖面に不時着するのではないかと思うほどだ。フロリダだから暖かい。ワニがうようよいる。すぐ近くのディズニー・ワールドも同様でいたるところ沼地だ。東京23区と同じ面積にいろんなホテルとリゾートが混在していてゴルフ場だけでも4つほどある。ブログ子はディズニーの幹部とそのうち2つでゴルフをした。

事件後立てられた「ワニとへびがいる。水辺に近づくな」の標識

事件後立てられた「ワニとへびがいる。水辺に近づくな」の標識

ミッキーやグーヒーの絵が入ったゴルフボールを1ダース持ってスタートしたが9ホールほどでみな無くなった。コースの途中をクリークが横切っている。ロングなど3つぐらいある。ショートなどは沼地に浮かぶブッシュだらけの小島に旗の先だけ見えているところに打つ。いいショットをしても転がった先がクリークだからみな落ちている。水深1メートルほどなのでゴルフクラブで拾おうとすると「ノー。絶対水際には近寄るな、ワニが泥の中に潜んでいる」というのだから恐ろしいのなんの。

人口湖だからと安心したのだろうが、どこからか入り込んでいたという、事件後3,4匹捕獲された写真が出ていた。ワニの中のシンデレラ城では観光客の足もビビるだろう。

都庁詰めの新聞記者は何をしていたのか

「日本で一番セコい男」がついに辞職した。各紙辞任に至る最後の場面の報道に忙しい。「世論の力が辞職に追い込んだ」と書いているが、何をいまさら。

「不徳の致すところ」と辞職の挨拶を終え、頭を下げる舛添都知事

「不徳の致すところ」と辞職の挨拶を終え、頭を下げる舛添都知事

日経新聞によると、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックを花道に、9月議会で辞職する案がささやかれていた。自民党幹部との「密約」もあったらしい。辞職願に日付を入れず、都議会議長預かりとする落としどころを探ったが、調整は不調に終わった。

最後のとどめを刺したのは安倍首相の電話だった。「むしろ混乱は深まっている。最後は政治家として自ら退く判断をしてほしい」。自民党都連が会合を開いた15日朝、首相は舛添氏に電話で自ら辞職するよう伝えた。なおしぶる舛添氏に「いま退けばまだ再起の芽はあるかもしれないから」と語気を強めた。これで万事休した。

それにしても都庁詰めの記者は何をしていたのか。多くは社会部のデスククラスがキャップを務めているが、伏魔殿と言われた時代から知事と差しで飲むくらいの古手が大きな顔をしていた。これは輪転機を置く印刷工場や配送場所を確保するのに都有地をもらう必要があったためである。本社用地は田中角栄が仕切って国有地を払い下げてもらったが、こまごまとした物件は都有地が多かった。

都庁幹部の人事権までいじる記者もいた。時代は変わったと言え、週末公用車でどこへ行くか、知事以下20人を超える豪華海外視察団が何をしているか、知事が引き込んだ「怪しの人物」さえ知っていたであろう。でも何も書かなかった。書いたのは、都庁詰めの記者を取材源にした週刊文春である。

舛添要一都知事が公費の使い方で批判されているとき、大阪府知事でもあった橋下徹前大阪市長が公式メールマガジンで「いま権力監視ができるのは文春、新潮ぐらいじゃないか」と言っていたが、そのとおりである。

加えて、ワイドショーを中心にした番組作りのいい加減さ。朝刊をみて目星をつけたテーマの取材に取り掛かるが、新しい取材などなくて単に「絵にする」作業だけである。レポーターが現場から中継している内容も、キャスターとコメンテーターがいうこともみな新聞の二番煎じである。朝にしろ昼にしろワイドショーなど一見の価値もないから、どんどん視聴率は落ちる。

新聞社はテレビ局に取材の二次利用料金を請求してもよさそうだが、やらないのは、テレビ局が新聞社のダミーだからである。親方の新聞社の記事引用を装っているから無料である。ところがそんな風潮に風穴を開ける出来事が起きた。

「週刊文春」(文藝春秋)、「週刊新潮」(新潮社)がテレビ界に対して、誌面の流用に二次使用料を請求し始めたのである。情報番組のテレビプロデューサーによると「先ごろ文春は番組で誌面を使う場合、3万円の使用料請求を決めました。その後、後に続くようにして新潮も5万円の使用料を通達してきた」という。

金額は小さいがじわりボデーブローのように効いてくるはずである。これで新聞社側も請求するようになればワイドショーなど一瞬にして壊滅するだろう。

スクープを連発する週刊誌を傍観しているだけの新聞記者などいらない。今回の舛添報道をみていると、これまで下に見ていた雑誌協会に後れを取った記者クラブの「カエルの面にナントカ」が気にくわない。

まやかしの「第三者委員会」を発明した朝日新聞

「第三者の目で」逃げ切れるか舛添都知事の風前の灯火

「第三者の目で」逃げ切れるか舛添都知事の風前の灯火

セコい舛添要一都知事への「辞めろ」コールはいまや奔流のようで、マンガにすれば激流の中で竿一本にしがみついている図式だ。その竿一本というのが、彼が雇ったヤメ検2人による「第三者の目で検証」した結果という「違法ではないが適切ではない」という文言だ。

使い道について何ら規制がない政治資金規正法だから、結果はハナから見えている。この「公正を装って」「己が都合のよい結論」を得るという手法を編み出したのは朝日新聞である。朝日が始めたそもそものきっかけは後述するが、「第三者委員会」のいい加減さを如実に示す事例は最近の判決にも見て取れる。

当事者の読売新聞にしか詳細な記事は出なかったが、「巨人契約金報道で朝日新聞に賠償命令」(6月9日)という東京高裁の判決の中で触れられている。

この裁判は、読売巨人軍の選手契約金に関する朝日新聞の記事で名誉を傷つけられたとして、巨人軍が朝日新聞社に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(滝沢泉裁判長)は8日、請求を棄却した1審・東京地裁判決を変更し、名誉毀損の成立を認めて、朝日新聞社に計330万円の支払いを命じる巨入軍逆転勝訴の判決を言い渡した。

朝日新聞は2012年3月15日の朝刊I面トップで、巨人軍が1997~2004年度に6選手と、当時のプロ野球界の申し合わせを計27億円超過する計36億円の契約金で入団契約を結んでいたなどと報道。翌16日朝刊では、「臭いものにふた 続く不正」などの見出しで、巨入軍を非難する編集委員の署名記事も掲載した。

判決内容は、長くなるので省略するが、要するに、朝日記者が必要な裏付け取材を行わず、「巨入軍の契約はNPBの処分相当」という虚偽の事実に基づいて巨人批判を展開したものと断罪している。

朝日新聞が強弁する根拠なるものは、同紙が設けた第三者機関「報道と人権委員会」が、記事は問題ないとする「見解」を出したことで、、巨人軍が求めた被害救済も峻拒した。巨人軍は今後、誤報を追認した人権委の判断見解の見直しを求めるとしている。

第三者機関なるものが設置した側の「御用機関」になっていることが裁判で弾劾されているともいえる判決内容である。

朝日新聞が第三者機関、第三者委員会なるまやかしの手法を考え出したのは、慰安婦問題を取り上げたNHKの番組を「安倍晋三、中川昭一が改変させた」と、本田雅和記者が取材なし、証拠なしの記事を書いた。

非は明らかに朝日側にあったが、このときの、秋山耿太郎社長が考え出した奇手が「第三者委員会」である。「社外有識者の判断に委ねたい。事態を明らかにし、厳正に処分する」と朝日が選んだ委員はのち中国大使になる丹羽宇一郎や日弁連の憲法擁護派の長谷部恭男などの朝日好みの人間ばかり。

75日後に出た結論は朝日は廃刊しなくていい、秋山は続投していい。本田記者の取材が不十分だったが責を問うほどではないというもの。以後、誤報があるたびにあまたの「第三者委員会」を作ってはしのいできたのが朝日新聞である。

舛添都知事はそれをまねただけに過ぎない。 「批判を真摯に受け止め、第三者の目でしっかりと、厳しく公正に調査していただき・・・」「第三者」という言葉を口にしたのは45回、同様の趣旨の発言を含めれば50回以上である。

花押はサインや実印より上である

最高裁が花押を「印」と認めない判決を出した(6月3日)。花押(かおう)はもともと戦国国武将らに使われてきた手書きのサインのようなものだ。今回の判決は、「花押」が遺言書にしたためられていたが、はたしてこれが、公式に必要な「印」にあたるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は、「花押は押印とは認められない」とし、遺言書を無効と判断した。その上で、花押を「印」と認めた2審判決を破棄し、審理を福岡高裁に差し戻す判決を言い渡した。

判決によると、遺言書は、琉球王国の名家の末裔にあたる沖縄県内の男性の名義。男性は2003年に85歳で死亡し、遺言書には、息子3人のうち、次男に山林などの不動産を全て譲るとする内容が書かれていた。1審・那覇地裁と2審・同高裁那覇支部はいずれも、花押を印と認め、遺言書を有効と判断していた。

日本古来の花押

花押は現代にも生きていて、その最たるものが、内閣で各大臣が公式文書に署名の下に花押を押す行為に生きている。かといって各大臣そんなもの使ったことはないから大臣になると、大急ぎで「花押製作者」の世話になって自分の花押を作っている。

最高裁の判決に違和感を持つのは、花押を単なるいたずら書き程度に認定した点である。歴代の著名人物の花押を見てもわかる通り、サインなどより複雑で模倣される可能性の点でもはるかに「署名」を上回る。ただ現実の社会では花押など使っている人はごく一部の人であることである。

「実印」などよりはるかに独自性があり、複雑で模倣しづらい点では「実印」より上である。それを最高裁判決では「無効」と断じている。おかしくはないか。あらゆる公式文書に求めている「実印」を無効というに等しい判決である。

軽蔑されたらもうおしまい。舛添都知事の末期報告

弁護士2人を伴っての会見で「粉骨砕身」の続投宣言とは

弁護士2人を伴っての会見で「粉骨砕身」の続投宣言とは

しばらく留守にしていてブログの更新が途絶えていたが、下山して舛添都知事の報告記者会見中継を見た。
弁護士2人に依頼していた調査結果が「違法性がない」から「辞職はしない」というものだから都民は憤激することだろう。政治資金規正法では使い道についてざる法だから、追及しづらいことは最初からわかっていた。まるででたらめで豪勢な国税と都税の使い道が問題視されていたのだから、こんな見え透いた報告で納得する者はいない。

ブログ子は再三再四「日本で一番セコい男」と書いてきた。首の皮一枚で都知事のクビがつながっているのは都議会与党の自民、公明の「参議院選挙と同時という時点で勝てるタマを見つけるのは難しい」ということなかれ主義のせいである。それを見透かしたような今回の報告と続投宣言である。

はっきり言えばもう世論は94%(新聞の世論調査)見放している。そこに今回の人を馬鹿にしたような「なれ合い調査」ではもう憤激の段階である。いくらほざいたところで、「軽蔑」されるまで落ちたのではいくら続投宣言したところで、もはや死に体である。

会見は、調査に当たった弁護士2人を同道してのものだったが、佐々木善三弁護士、同じ事務所の森本哲也弁護士というヤメ検の2人。知事が「第三者による公平な検証」といかにも第三者による検証委員会風を装うが、土台、都知事が自分で探し出してきた弁護士がどれほどの公正さを発揮できるか疑問符がついていた。

果たして、「違法ではないが不適切」の連発。

例えば、14年の木更津市のホテルについて、舛添氏は「以前からの相談相手だった出版会社社長(元新聞記者)を客室に招き、今後について相談した」と説明したが、弁護士は「全体としてみれば家族旅行と理解するほかなく、政治資金を用いたことが適切であったと認めることはできない」とした。

大阪市中央区のレストランや神奈川県湯河原町の別荘近くの中華料理店、東京都世田谷区の自宅近くの天ぷら料理店などでの支出について、「家族での私的な食事であった可能性が強く、政治資金の支出として不適切と判断せざるを得ない」と述べ、政治資金から支出した飲食費のうち、14件の計約33万円分について「是正の必要性がある」と指摘した。
舛添都知事もこれを受けて、調査報告書で「違法ではないが不適切」との指摘を受けた宿泊費と飲食費について、個人資産から慈善団体などへの寄付の形で返金する方針を示した。さらに、購入した美術品は、公私の区別を明確にするため、美術館への寄付、都の病院や福祉施設で活用してもらう意向を示した。公用車利用が問題視された湯河原の別荘については第三者に売却するとした。

いかにも「公正な調査結果」を受けて「適切に処理する」風を装っているが、初めから公私混同と断定されていることで、美術品の寄付や、別荘の売却も恭順に見せかけたポーズにすぎない。自分の腹が対して痛まないで延命を図ることばかりである。

明日の朝刊では都民の反感ぶりが報道されることだろう。だが政治力学的にみると、与党の自民・公明で都議会の過半数を占めている。上にお述べたような姑息な理由で馘にするには腰が引けている。公明党はやや反舛添に舵をきりつつあるようだが、不信任を突きつけるに必要な4分の3には壁が高すぎる。共産党ががんばって百条委員会の設置を言っているが、これも可決するにはハードルが高い。都民のリコール運動が期待されるが140万人以上の署名が必要でかなりの力仕事である。

「軽蔑」されてはもはや都知事になど留まれる訳がないのだが、しがみつくセコイ男を引き吊り落とすにはこんなに面倒な手続きがいる。こんな男を選んだ都民が悪いのだが。

オバマ氏に謝罪求めぬ日本、塩野七生氏が「大変良い」

さすが歴史家、卓見を語る塩野七生さん

さすが歴史家、卓見を語る塩野七生さん

オバマ米大統領の広島訪問が近づくなか、朝日新聞記者がてっきり「謝罪を求めないなんて、日本はだらしない」と語ると思って、ローマにいる作家の塩野七生さんに電話インタビューした。帰ってきた答えは「日本が謝罪を求めないのは大変に良い」という意外なもの。ブログ子も彼女の著作、「ローマ人の物語」6巻全部を読んだが、さすが歴史家、鋭い見方をするものだ。25日の朝日のその記事(電子版)。

 

「特に、日本側が『謝罪を求めない』といっているのが、大変に良い」

――どうしてですか。

「謝罪を求めず、無言で静かに迎える方が、謝罪を声高に求めるよりも、断じて品位の高さを強く印象づけることになるのです」

「『米国大統領の広島訪問』だけなら、野球でいえばヒットにすぎません。そこで『謝罪を求めない』とした一事にこそ、ヒットを我が日本の得点に結びつける鍵があります。しかも、それは日本政府、マスコミ、日本人全体、そして誰よりも、広島の市民全員にかかっているんですよ」

「『求めない』と決めたのは安倍晋三首相でしょうが、リーダーの必要条件には、部下の進言も良しと思えばいれるという能力がある。誰かが進言したのだと思います。その誰かに、次に帰国した時に会ってみたいとさえ思う。だって、『逆転の発想』などという悪賢い人にしかできない考え方をする人間が日本にもいた、というだけでもうれしいではないですか」

――悪賢い、とは。

「歴史を一望すれば、善意のみで突っ走った人よりも、悪賢く立ちまわった人物のほうが、結局は人間世界にとって良い結果をもたらしたという例は枚挙にいとまがありません。例えば、執筆中の古代ギリシャでいえば、『トロイの木馬』を考えたオデュッセウスがその1人です。兵を潜めた巨大な木馬を作って敵の城内に送り込み、10年間もケリがつかなかった戦争を勝利に導いたのですから」

――米国の現職大統領が、かつて自分と同じ職だった者が原爆投下を命じた地を訪れる、その意味をどう見ますか。

「広島を息子に見せる目的で、一緒に訪れたことがあります。息子はイタリア人です。原爆を投下した国の、アメリカの人間ではありません。でも、原爆ドームを見、平和記念資料館の展示をすみずみまで見、原爆死没者慰霊碑の前に立っている間、彼は一言も発しなかった。その後も感想らしきことは一言も言いません。簡単には口にできない重さに圧倒されていたのでしょう」

「あの日、私も考えました。原爆の犠牲者たちは、70年後を生きるわれわれに、ほんとうは何を求めているのだろうか、と。もしかしたら、通りいっぺんの謝罪よりも、安易な同情よりも、被爆地を自らの足を使ってまわり、一人一人が感じ、その誰もが自分の頭で考えてくれることのほうを望んでいるのではないか」

「オバマ大統領だけでなくサミット参加各国のトップたちが広島を訪問したら、それはアメリカ人だけではなく世界中の人びとに、それをさせる素晴らしいきっかけになりうるんですよ」

――ヨーロッパ諸国から「あれだけの惨苦を受けながら、ものわかりの良すぎる国だ」と思われるような心配はありませんか。

「少し前に、アジアの二つの強国のトップが、相前後してヨーロッパ諸国を歴訪したことがありました。その際にこのお二人は、訪問先の国々でまるで決まったように、日本は過去に悪事を働いただけでなく謝罪もしないのだ、と非難してまわったのです」

「ところがその成果はと言えば、迎えた側の政府は礼儀は守りながらも実際上は聞き流しただけ。マスコミに至っては、それこそ『スルー』で終始したのです」

――そうですか……。

「当然ですよね。ヨーロッパは旧植民地帝国の集まりみたいなようなものだから、日本の優に十倍の年月にわたって、旧植民地に言わせれば、悪事を働きつづけた歴史を持っているのです。それでいて、謝罪すべきだなどとは誰も考えない」

「そういう国々を歴訪しながら『日本は悪いことをしていながら謝罪もしないんです』と訴えて、効果があると考えたのでしょうか。私には、外交感覚の救いようのない欠如にしか見えませんが」

――厳しいですね。その2国には、言わずにはいられない思いがあるからでは。

「だからこそ、日本が原爆投下への謝罪は求めない、としたことの意味は大きいのです。欧米諸国から見れば、同じアジア人なのに、と。国の品位の差を感じ取るかもしれません」

――日本は今回、どうすれば良いと思いますか。

「ただ静かに、無言のうちに迎えることです。大統領には、頭を下げることさえも求めず。そしてその後も、静かに無言で送り出すことです」

「原爆を投下した国の大統領が、70年後とはいえ、広島に来ると決めたのですよ。当日はデモや集会などはいっさいやめて、静かに大人のやり方で迎えてほしい」

「われわれ日本人は、深い哀(かな)しみで胸はいっぱいでも、それは抑えて客人に対するのを知っているはずではないですか。泣き叫ぶよりも無言で静かにふるまう方が、その人の品格を示すことになるのです。星条旗を振りながら歓声をあげて迎えるのは、子どもたちにまかせましょう」

「それから、もしも私が日本の新聞の編集の最高責任者だったら、当日の紙面づくりを他の日とは一変させますね」

――え? どういうふうに。

「オバマ大統領の広島訪問を伝える日の1面には、カメラマンたちが写してきた多数の写真の中から、1枚だけを選んで載せる。『無言で立ち尽くす米国大統領オバマ』、だけにします。頭を下げる姿の大統領は(もし、そうしたとしても)絶対に載せない。なぜなら、自分の国の大統領のこの振る舞いに釈然としないアメリカ人もいるに違いないので。その人たちに『日本だって真珠湾を攻撃したではないか』などと文句をつける言質を与えないためです」

「その日だけは、記事は大統領の行程を記すだけにとどめて、余計な記事はいっさい排除する。もちろん、社説に至ってはお休みにしていただく。その他のページに載せる写真の説明も、極力抑えた簡単なものにする」

――でも、日本がオバマ大統領の広島訪問をどう受け止めたか、きちんと言葉にして米国にはもちろん、世界に発することが大事だと、私は考えます。

「新聞記者とて、ときには多言よりも無言のほうが多くを語る、という人間世界の真実を思い起こしてほしいんですね」

――それで伝わりますか。

「伝わる人には伝わります」

「ここイタリアでも、原爆投下の日には、テレビは特別番組を放送します。毎年ですよ。あれから70年が過ぎても、犠牲の大きさに心を痛めている人が少なくないことの証しです。心を痛めている人は、アメリカにも多いに違いありません」

◇ ◇ ◇

謝罪を求めるばかりの翁長知事は塩野さんの爪の垢でも飲んだら・・

謝罪を求めるばかりの翁長知事は塩野さんの爪の垢でも飲んだら・・

23日午前、沖縄県の翁長雄志知事と首相官邸で安倍晋三首相と会談した。同県うるま市の女性会社員の遺体を遺棄したとして米軍属の男が逮捕された事件を巡り、オバマ大統領に会わせろと強く申し入れたそうだ。外交は国の仕事であることを無視して勝手にアメリカに乗り込み、誰も取り合わないなか、やっと4人の下院議員に面会できたと新聞記事にあった。

そんなに外交がやりたければ自分で面談を申し入れたらどうか。「米軍基地があるが故の犯罪」として謝罪を強要する人間に誰が会ううものか。

沖縄独立運動に血道を上げ、煽りたてている「沖縄タイムス」と「琉球新報」、それに翁長知事は、唯一の味方である朝日新聞に載ったこの記事を熟読することを勧める。

こんな「豪華客船」乗りたくない

世界最大の豪華客船「ハーモニー・オブ・ザ・シーズ」がフランスの造船所を出港した。

全長362メートルで22万トンを超える世界最大級の豪華客船で、出発にあたっては数万人の見物人が詰め掛け、手を振りながら見送った。乗客6360人を収容でき、約2500の客室や20のレストラン、23のプールなどを備える。草木が生い茂る公園もあるという。同客船は英南部サウサンプトンに到着後、22日にスペイン北東部バルセロナに向けて初航海に出る予定だという。
slide_489750_6751174_free他人はいざ知らずブログ子はこんな、”動くマンション”みたいな船には金輪際乗りたくない。第一、積めるだけ上に積み上げたため、重心が上に動いていて危なっかしくていけない。カリブ海クルーズに出るようだがこのあたりハリケーンが名物である。のっぺらぼうの横っ腹に風速30メートル強の風を受けたらひとたまりもあるまい。造船工学で計算されて絶対安全だと言われたって、信じる気にはなれない。

近頃、爆買いの中国人を載せた豪華客船というのが沖縄や九州、関西によくやってくるが、ほとんどこの「マンション型」である。大量の船客と大量の荷物を積もうとするとこうした設計になるのだろうが、どうにも不安定である。

ブログ子は当時世界最大の豪華客船「クイーン・エリザベス2」(70,327総トン。全長294メートル、乗客1778人と乗員1000人以上が乗船可能)に乗ったことがある。客室の「格」によるが毎晩、船長夫妻主催のパーティーがあって全員タキシードを義務付けられている。食事も「格」ごとに4つほどあって、ピクニックのようなバイキング風含めると1日6回ほど提供される。プールもカジノも毎晩2、3か所でナイトショーや映画上映があってすべて(酒の免税額で)無料で出される。

最初に高額の船賃を払えば、あとは乗船客に憂き世のことどもを忘れさせる「邯鄲の夢」を味わわせてくれる仕組みである。それなのに不安定な船型と加えて下品な中国人と一緒では豪華客船の旅も「悪夢」になりそうである。まっぴらだ。

横須賀の海軍料亭「小松」全焼

炎上する料亭「小松]

炎上する料亭「小松]

16日午後5時10分ごろ、神奈川県横須賀市米が浜通の「海軍料亭 小松」から出火、木造2階建て1棟延べ約1300平方メートルを焼いた。隣接するマンションの女性(76)が煙を吸って病院に運ばれた。小松は1885年8月創業。旧日本海軍ゆかりの料亭で、東郷平八郎や山本五十六らが利用し、2人が書いた掛け軸など多くの海軍関係資料を保有していた。小松はこの日は定休日だった。
「小松」は同市に旧海軍横須賀鎮守府があったことから歴代の海軍幹部に利用され「パイン」の愛称で親しまれた。1923年11月に現在地に移転し、営業を再開。戦後は海上自衛隊、在日米海軍関係者に利用されてきた。

この火事が与える衝撃は今の社会部記者には想像がつかないようで、一部の新聞、それも県版、地方ニュースとして扱われていた。一番知りたいことは、東郷平八郎以下代々の提督が揮毫した掛け軸がどうなったかだが、現在の女将の親戚で弁護士の呉東正彦さん(56)は「東郷平八郎や山本五十六らの掛け軸などは全部ダメだったと聞いた」、と話している(読売)。

ブログ子は海軍関係ではないが新聞社の横浜総局長をしたことがあり、一夕「小松」での宴に連なったことがある。女将は当時すでにかなりの高齢であったから代替わりをしていると思うが、大広間に案内されて、写真のような提督たちの達筆の書を見せられた。当時の海軍で上に立つような人は皆、書をよくしてそれぞれに人柄がよく出ていた。

「小松」にある提督たちの書。(左から)山本五十六 、米内光政、鈴木貫太郎、上島彦之丞、東郷平八郎の書。

「小松」にある提督たちの書。(左から)山本五十六 、米内光政、鈴木貫太郎、上島彦之丞、東郷平八郎の書。

戦後、横須賀の米海軍や海上自衛隊幹部も使ったから、今に至るまでの提督の書がある。個人的に親交があった「K」氏のことを聞いたら「もちろんありますよ」と女将はその人柄まで語った。「K」氏は海軍兵学校で恩賜の銀時計だか短剣だかを持っていると人づてに聞いたが、戦後の海上自衛隊で潜水艦隊育ての親とされる人物である。横須賀艦隊司令、昔なら東郷平八郎と同じ連合艦隊司令長官や防衛課長の要職を務めた。

防衛庁(当時)が六本木にあったころ、訪ねたことがあるが、私室に通されたら、机上の太平洋の地図の上に海上自衛隊の潜水艦のその日の位置が小さな木型の模型で示されていた。極秘であろう情報だが、当方を信頼してくれたかド素人と見たかわからないが、息をのんだ覚えがある。

防衛大学校も横須賀にあるので、自衛隊幹部なら一度は「小松」に上がったことがあるはずである。これから再建支援などの話が出てくるのだろうが、日本の「記憶遺産」としてぜひ再建してほしいものだ。

東京で一番セコい男

♬」俺は村中で一番 モボだといわれた男
という歌があった。今風に、東京に当てはめれば、表題のようになろうか。セコい言い訳を繰り返す舛添要一都知事への批判は増すばかりである。

東京で一番セコい男

東京で一番セコい男

本人は弁舌さわやかに切り抜けたつもりなのだろう。昔から、人間は「一番得意な分野でつまづく」というとおり、三百代言風な言いざまには都民ならずともあきれ果てたようで、一連の釈明について「納得できる」と答えた人は6%で、「納得できない」と答えた人は89%(TBS系JNNの世論調査)である。

中でも、噴飯物の言い訳は、千葉県木更津市のホテルに約23万円、約13万円を会議費として収支報告書に記載した件である。週刊文春では2度とも会議は開かれておらず、家族旅行だったと文春は指摘した。

舛添氏は記者会見で2度の宿泊はいずれも家族旅行として予約したが、参院選や東京都知事選への対応なども事務所の関係者と協議したため、政治活動として処理したと説明した。そのホテルで開いたとする会議について、舛添氏は参加者数を聞かれたが「政治的な機微に関わる」として、明らかにしなかった。

正月に家族と宿泊しているホテルで「政治的な機微に関わる」会議とはあきれる言い訳で、読売新聞の社説で「会議の人数が『機微』か。参加者名はおろか、人数の説明すら拒むような対応は理解できない」と指弾された。

ネットではこれまでのセコい事例がぞくぞくと暴かれている。

一昨年11月21日の定例会見で舛添氏が参院議員だった平成23、24年、画廊やアートギャラリー、高級な美術書専門の古書店などから、政治資金で、掛け軸や版画などの美術品を多数購入していたことが発覚。報道陣から追及を受けた際の言い逃れはこうだ。

「政治活動の資料代として正当な活動なので、いちいち申し上げませんけれども、私は(政治資金で)バーとかキャバレーは行きませんから。そういう時間があったら、神田神保町へ行ったり、ネットで『国民のための資料』を一生懸命見つけて勉強してやろうと思っており、美術品は日仏交流の材料、一切問題ありません」

ほかにもクレヨンしんちゃんの漫画やクイズ本などを購入し、美術品と同様に「資料代」「書籍代」などの名目で経費処理。その金額は23、24年の2年分だけで計約907万円にも及ぶ。

これについても舛添氏は会見で、保護者から「子供がクイズばかりやって困っている」「子供が悪い言葉使いを真似てしまう」などの陳情を受け、内容確認のために買ったなどと説明。報道陣からは「美術品は資産価値が高い」などとする指摘を受けても「国民のための資料で、一切問題ない」などと取り合わず、政治資金での美術品の購入はその後も継続した。

一事が万事「こざかしい」のである。政治資金としての記載は義務付けられているが、使い道は明らかにするル必要がないという「ざる法」ゆえに、政治家の常のごとく政治資金収支報告の修正と返金で逃げ切れると考えてのことだろう。

セコい案件もさることながら、舛添要一知に批判が殺到しているのが「東京韓国学校」(新宿区若松町)の増設のため、旧都立市ヶ谷商業高校跡地(同区矢来町)を、韓国政府に有償で貸し出すこと決めたことである。

そもそもの発端は、舛添氏が訪韓した14年7月、ソウルで韓国の朴槿恵大統領と会談した際、朴氏から韓国人学校の用地確保への協力要請を受けた。すっかり外交官気取りで快諾したのだが、この土地は「保育所の整備に使われる」と思っていた周辺住民は激怒、日本や東京の未来を担う子供や母親よりも、隣国を重視するのかと猛烈な批判が出た。

舛添知事は会見で、ソウル市にある日本人学校が老朽化に伴い平成22年に移転した際、同市から用地売買のあっせんを受けたことを挙げ、「こちらもお世話になった。恩返しのためにやる」と発言したが、このエピソードは「インターネットで都職員が見つけた。(海外折衝を担当する都の)外務部を通じて、日本人学校に事実確認を行い、なんとか掘り起こした」(都庁関係者)というしろもの。つまり「後付け理屈」であることが分かった。作られた美談にさらに都民の怒りという二重苦となって、怒りの声が都庁に数千件殺到しているという。

小泉内閣で首席秘書官を務め、「政界の裏のウラまで知り尽くした男」と畏れられた飯島勲・元内閣参与(特命担当)は一連の会見を見て何点か、と聞かれて「100点満点でマイナス1億点である。あの会見を経て、都知事として職務を正常に遂行するのは不可能と言わざるを得ない」断言してその理由を挙げているが紙数がないのでここでは措く。

最後に紹介するのは、この男と3年間結婚生活を送った自民党所属の参院議員、片山さつき氏(57)が12日、フジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」でぶちかました舛添評。片山氏は1986年、当時東京大学助教授を務めていた舛添氏と見合い結婚も、3年後に離婚している。

「セコい、小さい、哀しい」。さらに、「セコいな、細かいところは全然変わってないな、という感想は持ちましたけどね。公というものに対する意識が全く欠けている」と断罪している。

「セコくて小さい男」と元妻が言うのだから、これほど正確な人物評はないだろう。

飼い主と2年ぶりに出会った犬の歓喜の様子

アメリカ・ウィスコンシン州のホセさんは、2年前に妻と離婚し、家を失い、車中生活を送っていた。その頃に飼い始めた子犬のカオスが救いだったが、3か月後に友人の友人がカオスを連れ去ってしまい、ホセさんは失意のどん底に。

ところが、最近になってドライブウェイにいたカオスが保護され、首輪の登録証から飼い主のホセさんまで連絡が入った。

2年ぶりに再会したカオスは最初はおずおずと近づいたが、においでわかったのだろうか、飛びつき、抱きつき、すりすりして・・・我が家の愛犬どももこんな喜びぶりだったな、とにんまり、ほろりとした。

「五輪は汚職の巣」、2億3000万円は「必要悪」と知れ

ラミン・ディアク前会長. 2.2億円で招致成功なら安いか

ラミン・ディアク前会長.
2.2億円で招致成功なら安いか

国際陸連のラミン・ディアク前会長(セネガル)らによるドーピング隠蔽に絡んだ汚職を捜査しているフランス司法当局が2020年東京五輪・パラリンピックの招致活動にも捜査対象を拡大している問題で、英紙ガーディアンは1、東京側がディアク前会長の息子に関係するシンガポールの銀行口座に約130万ユーロ(約1億6千万円)を支払った疑惑があると報じた一件、当初否定していたJOCが報道を上回る2億2000万円を送金していた事実を認めた。

 
招致委員会理事長だった竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長は13日、招致委はシンガポールの「ブラック・タイディングズ」社とロビー活動や情報分析についてコンサルタント契約を締結、この会社はロビー活動では実績のある会社で、2億2000万円は契約に基づく、妥当な「必要額」だったと述べた。

「実績のあるロビー活動」のシンガポールの会社は公営住宅の一室

「実績のあるロビー活動」のシンガポールの会社は公営住宅の一室

この会社の経営者はシンガポール人のタン・トンハン氏で、国際陸連のラミン・ディアク前会長の息子パパマッサタ氏と関係が深いとされる。その「実績のある会社」を訪ねてみると、所在地はごらんのようなしょぼくれたアパートの一室で金を受け取ったあとはもぬけの殻で幽霊会社になっていた。とても実績のあるロビー活動の拠点とは見えない。

竹田会長はブ社との契約は「特別に高額というわけではない」と説明したが、ブログ子もその通りだと思う。。「必要額だった」などと言わず「必要悪だった」と言えばよかったのである。

ブログ子が愛読する山本夏彦氏の名言に「汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼす」というのがある。 また「ワイロは浮き世の潤滑油である。もらいっこない人は自動的に正義漢になるが、一度でももらってごらん、人間というものが分かる」とも。
20年夏季五輪招致はマドリード、イスタンブール、東京都の3都市の争いとなり、13年9月のIOC総会で開催都市が決まった。当時の招致委会長は都知事だった猪瀬直樹氏だった。招致成功の要因に、滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」のスピーチがよかった、パラリンピックの女子選手のスピーチがすばらしかったと国を挙げて喜んだが、ブログ子はその時からアフリカにかなり金をばらまく必要があると思っていた。

日本は、オリンピックに一番アマチュアりズムを大事にする点で世界で一番「きれいな」国であろう。バドミントンのチャラけた選手が賭博にはまったと言って五輪の道を閉ざされたが、世界の国でこんなことをしているのはわが国だけだろう。

オリンピック組織委員会(IOC)、国際サッカー連盟(FIFA)はじめほとんどのスポーツですでに汚職まみれ、金まみれであることは周知の事実である。会長選で金が動き、開催都市決定で金が動き、開催種目決定で金が動く。アフリカ、南米、ラテンアメリカ、それに欧州、アジアでも疑惑のIOC委員はゴマンといて、早い話、汚職目当てにその役職にしがみついている輩がいるのが現実である。

きれいごとで五輪は招致できない。呼びたかったら「必要悪」も必要であろう。「汚職は国を滅ぼさない」そして『正義』は国を亡ぼすことも覚えておくことだ。

「ピタゴラスイッチ」に磁力が加わるとどうなるか

以前このブログでも紹介したことがあるが、ブログ子はNHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」が大好きである。ピタゴラスの定理・原理や特徴を楽しく紹介するというテーマのもと、「スイッチ」や「しくみ」を主として、興味と知識を得られるような題材が数多く登場する。

第三十回日本賞 子ども番組の部で最優秀賞を受賞(総理大臣賞)。また、「プリ・ジュネス2004」(ミュンヘン)で「6歳までのノンフィクション部門」最優秀賞受賞。などなど受賞歴を見るとわかるが、これぞ教育番組という秀逸な作品で、毎回見ていてあきない。慶應義塾大学佐藤雅彦研究室の学生がワークショップで作った作品が採用されているそうだ。

ぐだぐだと書くより見たほうが早いのだが、普段見慣れているこのピタゴラスイッチに、磁力を持ったボールが加わるとどんなことになるか。そんな試みの作品を紹介する。

元の動画はオランダ語で書かれているので、そちらの方の人物が作ったらしいが、何一つ説明がない。とにかく見たらわかる、という趣旨のようだ。磁石の球だからくっついたり反発したりする。磁場がどうなっているか見ただけではわからないから、ボールはとんでもない動きになり、よくよく見ても全然先が見えない。

やっぱり!上海ディズニーの無残

2016年6月16日、中国でオープンする『上海ディズニーリゾート』。 5月下旬のプレオープンに先立ち、GW期間に一部のエリアが市民に開放されたが、1週間もたたずにウンコやオシッコが散乱。柱にはラクガキまでされ、花壇は踏み荒らされ、登ってはいけない施設の土手や壁に徒党を組んで上がる市民が続出したという。

上海ディズニーランドの全容

上海ディズニーランドの全容

 

今回プレオープンしたのは広大な上海ディズニーリゾート敷地内のうち「ディズニー村」と呼ばれる場所などごく一部のエリアだったが、全面オープンしたら「夢の国」どころか「ゴミの国」必至だと中国人からも悲嘆の叫びが上がっているそうだ。

そのルポは下記の動画にあるが、ひどいものだ。


ブログ子は東京ディズニーランドの5周年記念でアメリカ・フロリダ州のオーランドにあるディズニー・ワールドに招かれて1週間ほど滞在したことがある。東京山手線の内側全部ほどの敷地にモノレールが走り回り、ホテルのどてっ腹に駅があるというスケールに圧倒された。敷地内にゴルフ場が3つ4つある。

下手ながらブログ子もプレーした。カートにもボールにもディズニーキャラクターが描かれていて、ボール1ダースをもらったのだが、ハーフを回ったところですべてのボールがなくなった。ディズニーワールド自体がフロリダの広大な湿地帯にあり、ゴルフコースも平坦だ。しかし各ホールに必ずといってよいほどクリークが横切っている。平坦だから打つときには見えない。先に行くとクリークにボールが落ちている。見えるところなので拾いたいが、厳禁されている。至る所にワニがいて危険なのであきらめざるを得ない。

東京ディズニーランドはディズニーワールドの中の1施設、エプコットセンターを移したものである。海や宇宙などテーマが他にいくつもあるがそのまま日本に持って来られないものがある。例えば潜水艦など実際に水中に潜っていき、途中、海の生物が顔を見せるのだが、日本の法律では観客を乗せての潜水ができないのだ。

行ったときは日本の成功がすでにディズニーの幹部に称賛されていたが、日本の方が優れていると思ったのが2つある。一つはキャスト(従業員)のおもてなしの態度。もう一つは施設のメンテナンスである。アメリカの路面は結構コンクリートがはがれていたり穴がある。日本は亀裂など一つもない。同じように軟弱な土地だが日本では多数の杭が深く打ち込まれているからだ。

そんなこんなで、香港に次いで上海にも中国人が運営するディズニーランドができると聞いた時から、まずムリだろうな、いずれ馬脚を現わすだろうとは思っていたのだが、プレオープンでこの惨状とは予想外の早い失態ぶりで驚いた。

中国人の親は場所を選ばす至る所で子供に大小をさせる。ロンドンのハロッズ百貨店の前でさせている写真が世界に流れたこともある。すこしまともなのは子供に袋にオシッコをさせるのがいるが、この袋を至る所に放置する。注意すると逆切れする。悪いことだと思っていないから、話が通じない。だから上の動画のようなことになる。

はっきり言えば中国人の意識を変えない限り、こうした夢の施設の運営などムリだと思う。

舛添都知事のガキの屁理屈

舛添都知事のガキの屁理屈

舛添都知事のガキの屁理屈

東京都の舛添要一知事が公用車を使い、ほぼ毎週末、温泉地として知られる神奈川県湯河原町の別荘に通っていたことを週刊文春にあばかれて記者会見を一日2度も開いて弁明に努めているが、その言い草がなってない。まるで「ボクやってないもん」というガキの屁理屈そのものである。

その前には共産党都議団が昨年10月27日から5泊7日の日程で舛添知事ら20人が2020年東京五輪・パラリンピックなどの視察としてロンドン・パリに出かけた経費5000万円で追及された。インターコンチネンタル・パリやコンラッドロンドン・セントジェームズなど一流ホテルのスイートルームに泊って5泊で約922万円。現地ガイドや通訳、車のレンタル費などの「賃借料など」に計約2417万円。などなど。

その言い訳がよくない「トップが二流のビジネスホテルに泊まりますか?恥ずかしいでしょう」というものだった。控えの応接室がついたスイートルームについても「急なお客さんがあれば応対しなければならないから」という弁明。全部事前に役人がアポを取り付けている旅程で、急なお客さんなどあるわけないだろうが、と突っ込みを入れたくなる。

石原慎太郎元知事も高額出張費で追及を受けたが、迫る朝日新聞記者に「ゲスな勘繰りをするでない」と一喝したものである。それほどの「貫目」がない舛添知事だけに湯河原別荘通いに公用車使っていた今回の問題でも、弁明これ務めるばかりだが、ことごとく反感を買うばかりの言辞を弄している。

末の別荘通いについて「まったく問題ない。(別荘には)オリンピック関連の資料もたくさんある。できるだけ、そこに行って(仕事を)やりたい。一番静かで仕事のできる場所。資料を読み込んで次の週の準備をするとかしていた。健康を保って、頭の整理をして都民のために働く態勢を整えるのも、知事として重要な役割だ」。

「全く問題ない」かどうか判断するのは税金を払っている都民であって、派手に使っている本人がいうセリフではなかろう。そこがこの人はわかっていない。

「公用車は『動く知事室』。移動中もしょっちゅう電話のやりとりをしている。運転手には守秘義務もあり、セキュリティーも確保されている。これはタクシーではできない」と述べ、別荘までの移動に公用車は不可欠との認識だが、都心の自宅には事務所の者が運転するクルマで帰ることが多いそうだ。なら行きもそうしたらどうか、と言われるに違いない。

笑ってしまうのは湯河原通いの目的の一つが風呂だという点。「東京都世田谷区の自宅の風呂が狭く、昨年4月の股関節の手術後、半身浴しかできない。私は東京でこの1年間、へそから下しか入ってない状況で、リハビリのためにも、週に1度くらいは(別荘の)広い風呂で脚を伸ばしたい」というのだ。

「へそから下しか」というセリフでこの人の「へそ下三寸」を思い起こした。都知事になったものの「へそ下」でミソをつけるのではないかというのが事情通の間では共通の見方だった。前妻、片山さつき議員と離婚したのもそれだし、現在の夫人は事務所の秘書だった女性である。都知事選のとき、演出で自宅のゴミ出しをしている姿がテレビによく出ていたが、そのとき階段の上の方にチラッと姿を見せていた人だ。その他両方の指で数えきれない「噂」がある。

だいたい「金と女」で失脚するものだが、前任は「金」だった。この人は「女」だろうというのが衆知のことだったが、韓国人学校に都有地貸し出し、高級ホテル泊まり、へそから下の別荘という「上もの」で適性を疑われている。異例のケースである。

「慰安婦」捏造記者・植村隆の開き直り記者会見

捏造記者・植村隆氏の会見

捏造記者・植村隆氏の会見

「慰安婦記事を捏造した」と指摘され、名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏が、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と新潮社などを相手に計3300万円の損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟。その第1回口頭弁論が4月22日に札幌地裁であった。両者は札幌の司法記者クラブでそれぞれ会見し、それぞれの主張を報道陣に訴えた。

「櫻井よしこ Vs 植村隆」の会見、はっきり言って論客・櫻井さんの前にコテンパンに論破されたのだが、朝日新聞は櫻井さんの会見にディベートに長けた記者を送り込み突っ込んだ質問を矢継ぎ早に畳みかけたのだが、ことごとく跳ね返された。地元北海道で朝日と同じ捏造記者擁護をしている北海道新聞(道新)は4人の記者が他社の質問を遮るように質問したが、同じく論破された。

熱心な質問ぶりだった朝日は記者会見の内容をまったく報道せず、道新もネットで見る限り同じ。記者会見での「熱意」に比べ報道ぶりは「冷淡」そのもの。ただ一紙、産経だけが会見詳報やもとになった櫻井さんのコラムなど10本を掲載しているので興味ある方はそちらを見ていただきたい。ここでは概略を述べるにとどめる。

植村隆氏の会見場には大きく「私は捏造記者ではない!」の横断幕がある。よほどこの「捏造記者」呼ばわりがこたえているのだろう。「私の記事を標的にして捏造と決めつけ、私と朝日新聞に対する憎悪をあおった」などと主張したのに対し、櫻井氏は、「事実とは異なることを書き、意図をもって訂正しなかったとすれば、それを捏造記事と評したことのどこが間違いか」と見事に核心部分をついた応答だった。

対して「捏造記者」の方は「裁判長、裁判官のみなさま、法廷にいらっしゃるすべのみなさま。知っていただきたいことがあります。17歳の娘を持つ親の元に、「娘を殺す、絶対に殺す」という脅迫状が届いたら、毎日、毎日、どんな思いで暮らさなければならないかということです。そのことを考えるたびに、千枚通しで胸を刺されるような痛みを感じ、悔し涙がこぼれてきます」と泣き落とし戦術に出た。

「櫻井さんは、慰安婦と『女子挺身隊』が無関係」と言い、それを捏造の根拠にしていますが、間違っています。当時、韓国では慰安婦のことを『女子挺身隊』と呼んでいたのです。他の日本メディアも同様の表現をしていました」という言い方をしている。うそである。「捏造記者」は現在57歳である。若者ならいざ知らず昭和10年代から30年代の戦前戦後を生きた日本人なら、看護婦や農山村への勤労奉仕に駆り出された未婚の女性たちとピー屋と呼ばれたところにいた慰安婦を一緒にするなどということはありえないのである。しかも朝鮮籍女性は挺身隊には選ばれなかった。「慰安婦のことを『女子挺身隊』と呼んでいた」などという者は当時の朝鮮にもいなかった。戦後の韓国で歴史を知らない人々が作り出したものなのである。

捏造記者をことごとく論破した櫻井よしこさん

捏造記者をことごとく論破した櫻井よしこさん

植村隆氏のいかがわしさを櫻井さんは次のように指弾している。「初めて名乗り出た慰安婦を報じた植村氏の記事は世紀のスクープでした。植村氏は91年12月に再び(強制連行されたという)金学順さんの記事を、今度は、実名を出して書いています。その中でもこの間違いを訂正していません。むしろ、キーセンの検番のあった平壌から中国に連れて行かれたときのことを、植村氏は「『そこへ行けば金もうけができる』。こんな話を、地区の仕事をしている人に言われました」と金さんが語ったと報じました。「地区の仕事をしている人」とは一体誰か。それは彼女が語っています。検番の主人のことです。しかし植村氏は「地区の仕事をしている人」という曖昧な表現を用い、彼女がキーセンに売られたことを報じませんでした。

植村氏はキーセン学校に通っていたことは必ず慰安婦になることではないと考えたから書かなかったと、朝日の第三者委員会に説明しています。しかし、真の理由はキーセンに売られた経歴を書けば、植村氏が8月に書いた『女子挺身隊の名で戦場に連行』されたという記述と矛盾し、記事が間違いであることが判明するから書かなかったのではないでしょうか」。

最後に櫻井さんの熱血あふれることばを紹介する。
植村氏は捏造と書かれて名誉が毀損されたと訴えています。しかし植村氏は、自身の記事がどれだけ多くの先人たち、私たちの父や祖父、今歴史のぬれぎぬを着せられている無数の日本人、アメリカをはじめ海外で暮らす日本人、学校でいじめにあっている在外日本人の子どもたち、そうした人々がどれほどの不名誉に苦しんでいるか、未来の日本人たちがどれほどの不名誉に苦しみ続けなければならないのか、こうしたことを考えたことがあるのでしょうか。植村氏の記事は、32年間も慰安婦報道の誤りを正さなかった朝日新聞の罪とともに、多くの日本人の心の中で許し難い報道として記憶されることでしょう。

植村氏は私の記事によって、ご家族が被害を被った、お嬢さんがひどい言葉を投げつけられたと、私を論難しています。言論に携わる者として、新聞、雑誌、テレビ、ネット、全てのメディアを含めて、本人以外の家族に対する暴言を弄することは絶対に許されません。その点では私は植村氏のご家族に対する同情の念を禁じ得ません。

今日、この法廷に立って、感慨深いものがあります。私はかつて「慰安婦は強制連行ではない」と発言して糾弾されました。20年ほど前の私の発言は、今になってみれば真実であると多くの人々が納得しています。

最後に強調したいことがあります。氏が、言論人であるならば自らの書いた記事を批判されたとき、なぜ言論で応じないのか。言論人が署名入りの記事を書くとき、もしくは実名で論評するとき、その覚悟は、いかなる批判にも自分の責任で対応するということでしょう。言論においてはそれが当たり前のことです。

しかし、植村氏はそうはせずに、裁判に訴えました。内外で少なからず私の名誉を傷つける講演を重ね、まるで運動家であるかのように司法闘争に持ち込んだ植村氏の手法は、むしろ、言論・報道の自由を害するものであり、言論人の名にもとる行為ではないでしょうか。民主主義の根本は、自由なる言論の闘いによって、より強化されます。発言の場を有する記者がこのような訴訟を起こすことを、私は心から残念に思うものであります。

「国連特別報告者」に勝手なことを言わせるな

国連人権理事会の「表現の自由」を担当する特別報告者が、訪日調査で「政府の圧力で日本のメディアが萎縮している。日本の報道の独立性は深刻な脅威に直面している」とし対策を求め、「放送法4条を無効にし報道規制から手を引くべきだ」として放送法などの改正を求めた。

何を偉そうにほざくか。少しでもまともな指摘ならともかく、日本にいて、メディアの側にいるブログ子でもそんな感触を持ったことがないし、報道の独立性が深刻な脅威に直面しているなど、毛ほども感じたことはない。

デービッド・ケイ氏

デービッド・ケイ氏

この特別報告者は、米カリフォルニア大アーバイン校教授のデービッド・ケイなる人物で、1週間の日程で関係者から情報収集し、19日に日本外国特派員協会で会見して上のような「脅威」ををとくとくと披瀝して帰った、調査結果は来年の人権理事会で報告される、というから、そのころまた蒸し返されるのだろう。

すぐさま、朝日新聞が喜んで反応して、「国連のデービッド・ケイ氏の日本の言論状況への指摘」を羅列してみせている。曰く、

・政府は(政治的公平性などを定めた)放送法第4条を廃止し、メディア規制から手を引くべきだ

・自民党の憲法改正草案21条で公益や公の秩序に言及した部分は国際人権規約と矛盾し、表現の自由と相いれない

・特定秘密保護法は秘密の範囲があいまいで、記者や情報提供者が処罰される恐れがある

・慰安婦問題を報じた元朝日新聞記者の植村隆氏やその娘に対し、殺害予告を含む脅迫が加えられた。当局は脅迫行為をもっと強く非難すべきだ

・沖縄での市民の抗議活動への力の行使を懸念

・記者クラブ制度はフリー記者やネットメディアを阻害

従軍慰安婦問題で「捏造記者」として名をはせた元朝日新聞記者の植村隆氏は自ら起こした裁判で22日、相手取った評論家の櫻井よしこさんからコテンパンに論破されているのだが、そのことは一言も記事にせず、こういうところでちょこちょこと目立たぬように名前を出す手口はあいかわらず汚い。捏造記者・植村隆の会見の模様は後日このブログで紹介する。

全部に反論しているスペースがないから一部にするが、放送法第4条の問題は高市早苗総務相が「偏った報道に対しては、放送法では政府が介入できることになっている」といったのを、朝日以下のメディアが政治の介入と騒いでいるだけの話だ。特定秘密保護法は、安全保障関連の機密漏洩を防ぎ日本と国民の安全を守るのにどこの国でも必要で、特別報告者の母国アメリカでもそうなっている。

デービッド・ケイは教科書から慰安婦問題の記述が削除されたとし「政治的意図を感じた」という。1週間の調査期間に誰と会ったのか知らないが、日韓合意を受けたもので、自国のこどもに間違ったことを教えないのはどこの国でも当たり前のことであろう。

ブキッキオ女史

ブキッキオ女史

この国連特別報告者というのはろくでもないのばかりがやってくる。昨年10月に来たマオド・ド・ブーア・ブキッキオ女史 は「児童の売買、児童買春、児童ポルノ」に関する特別報告者だったが日本記者クラブの会見(従って公式会見)で、「日本では女子学生の3割が援助交際をしている」と発言して仰天させた。これは通訳ミスとされ、後に「13%」に訂正されたが、それでも妙な数字で、11月に外務省は、13%という数値の情報源および根拠を開示すべきだと申し入れた。そうしたらこの女史は「13%という数値を裏付ける公的かつ最近のデータはなく、誤解を招くものであったとの結論に至った。今後この数値を使用するつもりはなく、国連人権理事会に提出する報告書でも言及しない」とようやく撤回した。

クマラスワミ女史

クマラスワミ女史

もっとでたらめなものにクマラスワミ報告書がある。「女性に対する暴力」特別報告者、スリランカ出身の女性法律家、ラディカ・クマラスワミ女史が、朝鮮半島で女性を強制連行したとする、吉田清治の虚偽の証言を引用して、日本軍が行ったとする「蛮行」の様子を仔細に記述し、慰安婦を「性奴隷」と定義し、日本政府に法的責任の受け入れや元慰安婦への補償などを勧告した一件である。

2014年に朝日新聞が「吉田証言」の内容を誤報と認め訂正記事を出したあと1、菅義偉・官房長官が、クマラスワミ報告書の内容の一部を撤回するよう本人に通告したが拒否している。

いずれも1週間かそこらで調査して「立派な」報告書を出すからには、日本側にある意図をもって数字なり調査内容内なりを吹き込むNGOなどの協力者がいると思われる。これらのメディアや団体も問題だが、何をしに来るのか事前に把握しているはずの外務省がもっと厳しく対処するべ