耳障りな常套句のかずかず

「応援よろしく」氾濫のプロ野球

「応援よろしく」氾濫のプロ野球

「馬鹿のひとつ覚え」と書くと、ある筋からクレームが来そうだが、そうとしか言いようがないから許しを乞う。
いまプロ野球は交流戦というのをやっているがその日のヒーローがお立ち台で「応援よろしくお願いします」とやっている。誰が言い出したか知らないが、当初はよかったにせよこうも多用されると、少しは頭を使えよ、とツッコミを入れたくなる。

プロ野球に比べてサッカー界のほうはさすが言葉というものにもっと敏感でJリーグ事務局は3月1日の開幕から「がんばるので応援よろしお願いします」という常套句の使用を禁止する通達を出した。

メディア対応の専門家の助言を参考に、3年前から取り組んでいる意識改革の一環で「これを言えばインタビューを締めくくれるから言っているだけで、気持ちがこもっていないことが多い。自分で考えた言葉を使って欲しい」と言う趣旨だそうだ。プロ野球にも聞かせたいものだ。

ほかにも、活躍の理由や原因を問われたときの「たまたまです」という答えも「謙遜ではなく、自分の言葉で語ることを放棄しているだけ」と手厳しい。「自分の言葉なら、いつも同じフレーズになってしまってもいいと思う。不器用でもその人の個性がにじむもの、例えば古くはDeNA・中畑監督の『絶好調』、巨人・阿部選手の『最高です』といった選手の代名詞にまでなったセリフのようなものは許せる」(Jリーグ企画部の吉田国夫さん)とはさすがの分析である。

これを他の分野に広げると、あるはあるは、見苦しい常套句のオンパレードである。

告訴された週刊誌のコメントに多いが、例えば「籾井会長ボケ」報道をした週刊新潮にNHKが事実無根と抗議、訂正を求めた時、編集部は「担当者が不在のためコメントできない」と答えている。担当者は違う階にいるのだろうが、新聞報道は1,2日の問題、そのうちほとぼりが覚めるだろうという魂胆がみえみえのコメントである。

国税局に脱税を咎められた時の問題企業のコメントは大抵「国税当局と税についての見解の相違があったが、指摘を受けて納税した」というものである。どんな会社でも税法を知り尽くして抜け道をさがす達人はいるものである。

警察では誤認逮捕や、マークしていたのにストーカー犯にしてやられた時など、謝罪の言葉のあと「こうした事案が二度と起こらないようにします」という幹部の言葉が続く。二度とどころか再三再四同じケースが起きるのは衆知の通りである。犯人逮捕の際、拳銃が使われると必ず署長の「拳銃使用は適正だったと考えている」という一言が付いている。日本の警察だけに見られるもので、アメリカはじめ外国から見ると笑い話のタネになるだろう。これは、警察庁の通達で発泡事案については詳しく報告を求めているためで、ブログ子個人の見方だが、犯人逮捕に使われる発砲事案より、警察官の自殺に使われる事案の方が多いのではないか。

韓国での「セウォル号沈没事件」でもそうだったが新聞・テレビ報道の最後には「日本人はいない模様である」という一言がくっついている。日本人がいなけりゃあとはどうなってもいいというかのようで実に見苦しい。

海外に出る日本人が増えるに従い事件・事故に巻き込まれるケースが出てくるのは仕方がない。在外公館の筆頭任務は邦人保護だから、言われなくたって大使館や領事館は動いている。当該国に公館がなければカバーしているところから駆けつける。巻き込まれた邦人がいてはじめて報道すればいいことで、いちいち、日本人が居るいないとつけ加えるのは余計なことである。

バーバリーとアクアスキュータム

バーバリー

バーバリー

新聞の経済面で見たが、英国のバーバリーは日本の三陽商会と結んでいたコートの高級ブランド「バーバリー」のライセンス契約を2015年6月で終了するという。大黒柱を失う三陽商会は現在の売上げ高1063億円から2割減り、営業損益は20億円の赤字に転じる見込みだそうだ。両社は1970年にライセンス契約を始めたが、すべて直営店に切り替えるというバーバリーの世界戦略から打ち切りとなった。

ブログ子は1ドル360円の固定相場の時代ロンドンに出張した。本来の目的は英仏が共同開発した超音速旅客機「コンコルド」の取材だったが、日本はまだ貧しく、新聞社も同じで記事1本だけというのは許されず、背広の語源になったロンドンのウエストエンドの小さい通り、セビルロー(Savile Row)をほっつき歩いてここで修行する日本人仕立屋や、パリで豆腐屋を始めた男、スイスの登山列車など盛りたくさんの企画を出して認められた。

アクアスキュータム

アクアスキュータム

背広を仕立てるほどの余裕はなかったので、唯一バーバリーのレインコートを買い込んで得意になっていた。その後タイヤメーカーのロンドン支店長を務める義兄からショッキングなことを聞かされた、「飛行機に乗るとエコノミークラスまではバーバリー(Burberry)だが、ビジネスシートやファーストクラスあたりとなると見かけるのは、まずアクアスキュータム(Aquascutum)のコートばかりだ」というのだ。

二度目のロンドン行きでは円は変動相場制に移っていて1ドル=200円前後でかなり使い手が出てきた。アクアスキュータムに加えてブレザーや ウェッジウッドまで買い込んだ。まだ12進法で「1ポンド=20シリング、1シリング=12ペンス」でやっていたのだから気づいても良さそうなものだが、注文の時10進法ばりに「カップ&ソーサー5セット」とやってしまった。今は結婚した長女のところに行っているが、本来6個入の容器の空いた1つには紙が詰め込まれていた。

アクアスキュータムはロンドンの中心地リージェント通りにある。ロンドン万国博覧会のあった1851年に、仕立て人ジョン・エマリーが創業した。ブランド名の由来はラテン語で「水」を表すaquaと「楯」を表すscutumの2語を組み合わせた造語で「防水」を意味する。クリミア戦争時にイギリス軍が将校用のコートにこの防水布で作ったコートを採用したことからトレンチ(塹壕)コートは有名になった。

ブログ子は長く肩ベルトは階級章を着けるところだと思っていたが、本来手榴弾を挟みこむためのものだと知った。それほど軍用の名残なのだが、これ一つでブラックタイの場所にも行ける重宝さが、男の憧れをかきたてたのだと思う。もちろん1897年以来王室御用達というブランド力もあるが。

これまた日本企業のレナウンが1990年に買収、カナダ産アクアスキュータムなんていうのも現れて有り難味は薄れたのだが、2012年4月17日、アクアスキュータムは会社更生を決断し、破産管財人による法的管理の手続きに入った。現在、管財人が新たなスポンサー企業を探しているところだという。

そんな次第で我が家では両社のコートが4,5着ぶら下がっているのだが、ほとんど着ることがない。ともに決定的な欠点があるのだ。それは裏地が弱くて数年で破け始める。修理するところもあるようだが、こういうところを日本企業らしくがっちりした布地で頑丈につくったらもう少し先があったのではないかと思う。

漁船とは名ばかり。実態は武闘訓練受けた民兵

南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島近海で26日、ベトナムの漁船が中国の漁船から体当たりされ、沈没した。ベトナム漁船は中部ダナンから出漁していた。乗っていた漁民10人は別のベトナム船に救助され無事だった。

現場は中国が設置した石油掘削設備の南南西約31キロ。中国の漁船約40隻がベトナム漁船の活動を妨害した。ベトナム漁業監視部隊によると、中国の漁船は普段から隊列を組んで、ベトナム漁船が石油掘削設備に接近するのを防ごうとしているという。
◇ ◇ ◇

これが漁船の行動か

これが漁船の行動か

日本のメディアは盛んに「中国漁船」と報道しているので「ふてぶてしい漁船だ」くらいに受け止められているが、実態は武闘訓練を受けている民兵といってよいものだ。今回ベトナム側の船が沈んでいるので写真がないが、上に「中国漁船は隊列を組んで、ベトナム漁船が石油掘削設備に接近するのを防ごうとしていた」とあるように、普段から蝟集隊列を組む訓練をしている。右の写真は韓国の取り締まりに対して集団行動で対決しているところだが、これと同じ行動だったと思われる。

ニューヨーク・タイムズが「中国の漁船は中国軍の手先」という記事を掲載(2010/10/5)している。
これによると、中国は南シナ海での海洋権益を広げていく方法として漁船を「海上民兵」にして送り込む手口を多用している。民兵を使うことは「現役の中国軍を使うよりも刺激が少なく、事態をエスカレートさせる可能性が低い」からだ。中国やり方には一つのパターンがあり、まず漁船を送り込む、その後、紛争処理と称して武装した監視船や海軍艦船を送り込むというものである。

2010年の3月、アメリカ軍の音響測定艦「インペッカブル」が、中国当局の船と漁船によって進路妨害を受ける事件が発生した。公海上で海洋調査活動は自由である場所にも関わらず、中国海軍の情報収集艦や漁業監視船、国家海洋調査局の艦艇、2隻のトロール船が妨害活動を仕掛けた。

「インペッカブル」の舳先15メールまで近づいたため、非武装の同船はたまらず消防ホースで放水したが、漁船の船員は「トロール漁船上で尻を向け、下着をズリ下げてみせた」という。上の写真の「蝟集行動」など並みの漁船員が取れる行動ではない。中国漁船は軍当局のもとに組織化され、不断の訓練を受け、万事中国軍の指示を受けて動いているのである。

ベトナム漁船沈没事件は決して対岸の火事ではない。尖閣にも同じような方法で民兵が乗った漁船が押しかけてくると見なければならない。

「握手会」イベントはそろそろ卒業だ

「AKB48」の握手会会場に「のこぎり男」というのだからおどろおどろしい事件だ。切られたアイドル2人はそれぞれ指の骨折と裂傷で盛岡市内の病院で深夜まで手術を受けたという。刃物がのこぎりではさぞかし縫合手術も大変だったのだろう。現行犯逮捕された容疑者(24)の母親が「なんと言って謝罪したらいいのか・・・」とオロオロしているのも痛ましい。

AKB48

AKB48

「AKB48」は「会いに行けるアイドル」をコンセプトに活動し、メンバーは全国で握手会を実施している。ファンはCDに付いている券を持って握手会に行くと、好きなメンバーと握手や会話ができる。AKB48の公式サイトによると、この日の握手会にはメンバー約50人が参加していたがいずれも大きなショックを受けているという。

握手会は、劇場公演と並ぶ目玉のイベントで、グループの躍進を支えてきた。握手の際には、通常7~8秒という所定時間より長く居続けたりする輩が出るので、「はがし」と呼ばれる警備スタッフが近くに待機している。だが、これまでもトラブルなどが相次ぎ、2011年5月の札幌市の握手会では、少年が自作の腕章などを使ってテレビ局員になりすまして会場に侵入し、無断でビデオを撮影。12年8月には、大阪府の高校生がインターネットの掲示板に握手券を持っているように装った書き込みをし、現金をだましとった疑いで逮捕されている。

一般紙にはいないがスポーツ紙には芸能担当記者がいる。そこの編集責任者をしたことがあるので芸能界を少し覗いたことがあり、グループ会議などで同席したこともあるのだが、「AKB48」の秋元康プロデューサー、「劇団四季」の浅利慶太・プロデューサー、ジャニーズ事務所のメリー喜多川さんの辣腕ぶりは有名だった。
 

秋元康氏

秋元康氏

asari「劇団四季」の切符は広告のバーターなどですべて事前に大企業に完売済みで、大量の劇団員を育てては地方ごとに「四季」をつくってブロックごとに営業を競わせる。ジャニーズは少々歌など下手でもタレントの個性を活かしてバラエティー番組から料理番組にいたるまでテレビ局に売り込んでいく。秋元康は本来、美空ひばりの『川の流れのように』の作詞家として出たのだが、いまでは、「AKB48」を売りだした男としてこれだけで年収100億になろうかという。3人に共通するのはいずれも「営業」の達人だという点だろう。

握手会というのはうまいことを思いついたもので、握手したいがために一人で何枚も同じCDを買いまくる。これでベストテンの上位に4つも5つも入ってくる。ただ先の事件にも見られるように経済力が伴わない若い世代から金を吸い上げるわけだから、どうしても無理が出るし犯罪とも関わってくる。

「のこぎり男」が何を思っての犯行かまだ分からないが、握手会戦術は台湾、中国などアジアにむけてすでに数多くの亜流「AKB48」ができていて、いずれも同じ方法で売上を見込んでいる。ということはこの種の犯罪が東南アジアに広く再発すると見るべきだろう。不必要なものを購入させる手口は公正取引委員会が消費者センターの監視対象という見方もできる。アイデアは褒めるから、そろそろあこぎな商売はやめにしたらどうか。

今どきの運動会

土曜日、孫娘の運動会に「招待」されて一日小学校のグラウンドで過ごした。
ブログ子の頃は運動会と言ったら秋に決まっていたものだが、いつの頃からかこの季節での開催が多くなった。「招待」といっても電話を受けた次女が早起きしてお握り20個あまりをつくり、持参するのだから結構ハードである。孫娘に「チカちゃん」と呼ばれ絶大な人気がある叔母さんとカメラマンとして付け足しのJIJIは、快晴に恵まれてすっかり日焼けしてぐったりして帰宅した。

sDSCN0118_0175r近頃の運動会というのは日教組に牛耳られて徒競走では順位を付けず、万事「公平」にやっていると思われている向きもあろうが
そうでもないことを実感した。

孫娘3人のうち小学校4年と2年の二人が通っているのは東京都の区立小学校だが、徒競走ではちゃんと順位をつけていた。判定の先生もついていて飛び込んでくる生徒に上級生がそれぞれの着順の旗の下に案内していた。小4の孫娘は4位だが、一組4人ずつで走るから、はっきりいってビリである。別段悪びれるでもなく、順位を付けられることに不満はないようである。

以前は万国旗が定番だったが、近隣にややこしい国が並んでいるせいか、生徒が描いた絵が国旗代わりに連なっていた。ガンガンと行進曲が流れていた光景も近隣への騒音を遠慮してか姿をひそめていたものの、号砲一発でスタートするのはちゃんと守られていた。紅白に分かれて勝敗を争うとき、勝った方が「万歳!」というのも皇室崇拝につながるというので、させない学校もあると聞くが、ここでは盛大に「万歳、万歳」と両手を上げて喜んでいた。

先生の言葉つかいも格段にやさしい。「こら!・・・しろ」といった命令調はかげをひそめ、「はい白いラインから中には入りません」といった調子である。ブログ子の学校(私立)では廊下を走って掃除用の青竹で順番に殴られ、最後の方の生徒は割れて中から飛び出す粉を盛大に浴びていたものである。

父兄による席取りは大変なものらしい。最前列はみなレジャーシートで占められていて、娘一家は熱心でないせいか、人様のシートの隙間のウナギの寝床のようなところに案内されて、卵焼きも肉団子もみな誰かの手渡しでないと手に入らなかった。父兄が持っている記録媒体も様変わりしていた。カメラ単体はごく少なく、ほとんどがムービー内臓のものである。

騎馬戦は危ないからと姿を消したと聞いていたが、この学校では上級生だけだが5人一組で騎手は鉢巻に紅白のリボンを付けて奪い合っていた。ただ、いきなりぶつかるのではなく、両軍の騎手に予め手を組ませ、合図があってから倒しあうスタイル。殴り合いを避ける先生の細かい配慮が見えた。ブログ子の頃は如何に敵より高く飛びかかるかに腐心したものだが。

組織は作るより壊す方が難しい

長い間、新聞社にいたので新しい企画を立てたり、それに伴い従前からのものを壊したりした。また幾つか新しい組織や部署をつくったことがある。幸い既存の組織や部署を壊したことはなかったが、解体した時の、人のモラルハザードや予算の難しさは理解していた。

韓国の朴槿恵大統領が死者・行方不明者300人以上を出した旅客船「セウォル号」沈没事故で国民に謝罪したとき、韓国海洋警察の救助活動がなってなかったとして海洋警察を解体すると表明した時、難しいことを断行したものだと思った。しかし、よく読むと「解体」とはいうものの新しく救助専門の部署をつくる程度のことと理解して、それならどうということはないと思っていた。

ところが、大統領の「解体」のひとことで海洋警察は早くも内部崩壊をはじめ、すっかりやる気をなくし、これをみた対岸の中国漁船が傍若無人の違法操業を繰り広げているという。

中国山東省の漁船段

中国山東省の漁船段

中国の環球網が21日伝えたところでは、ワタリガニのシーズンを迎えた今、中国漁船団が黄海に殺到。韓国の排他的経済水域(EEZ)で違法操業を続けている。韓国海洋警察が20日に発表した資料によると、4月16日から5月20日までに1103隻もの中国漁船が進入した。例年ならば韓国海洋警察は中国漁船の拿捕躍起になるのだが、今年は様子が違い、韓国が拿捕した中国漁船は40隻。昨年1~5月の109隻と比べると半減以下だ。

その背景として、「セウォル号」沈没事故の対策に全力を注ぐあまり、中国漁船対策は事実上放棄していたところに、今回の韓国海洋警察の解体宣言。韓国国内からも改革に見せた責任逃れだとの批判も上がっているが、海洋警察の現場隊員の士気は大幅に低下。命懸けでやってくる暴れん坊の中国漁民と立ち向かう気が失せたためだという。

それを裏付けるかのように、海洋警察庁では希望退職の申請が急増、一線の職員が幹部を「無能」と非難するなど、朴槿恵大統領が宣言した解体を待たずに士気が低下している。聯合ニュースなどが23日までに伝えたところでは、勤続20年以上の職員に資格がある早期退職の申請者数は、朴氏の発言前の今月1~15日に26人と、既に昨年同期の2倍に達していた。朴氏の発言以降も退職の申請が続いている。現場で捜索に関わっている職員は、金錫均同庁長官が解体方針を「謙虚に受け止める」と表明したことに「気が抜けた」と話し、「自分の立場を守ることしか考えない金長官ら無能な首脳部は、乗客を捨てて逃げたセウォル号の船長と何が違うのか」と罵倒した。

朴大統領の一言でモラルハザードを起こす組織もどうかと思うが、隙をみてすかさず押しかける中国漁民のしたたかさも相変わらずである。組織を壊すときは、そこにいる人間の行き先を丁寧に決めてやり、プライドを損なわないようにしなければかえってマイナス反応がでるものである。キャリア官僚を処分するときなど、更迭の半年後くらいに「本庁から出される形ではあるが、実入りの良い天下り先」などを用意する。

根回しや配慮もなしの思いつきのような「解体宣言」の行き着く先である。押しかける中国漁船を見るまでもなく、組織は壊し方が難しいのである。

おかしな判決もあるもんだ

東京電力福島第1原発事故後、安全性の保証をせずに大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させたとして、福井県の住民らが関西電力に運転差し止めを求めた訴訟で、福井地裁(樋口英明裁判長)は21日、現在定期検査中の2基を「運転してはならない」と命じ、再稼働を認めない判決を言い渡した。東日本大震災に伴う福島事故後、原発の差し止めを認める判決は初めてだ。

biz14052弁護士が用意していたのだろう「画期的判決」という垂れ幕を掲げて飛び出してきた。住民側代理人の冠木克彦弁護士(大阪弁護士会)が「関電側の経済的、商業的利益とは一線を画し、住民の人格権を守る任務が裁判所にあると宣言した格調高い判決だ」と評価した。

ブログ子は天邪鬼だから弁護士が裁判官をほめるようなケースははなから疑ってかかることにしている。新聞にある判決要旨を読んでみたが、「人格権」なるものを振りかざすこの裁判官は少しおかしいのではないかと思う。

樋口裁判長は、大地震の際に大飯原発3、4号機は安全性が保てないと指摘し、その理由として具体的には、(1)想定以上の地震が到来する危険がある(2)想定以下であっても、核燃料を冷やすのに欠かせない外部電源や給水機能が失われる可能性がある(3)事故時に放射性物質が原発敷地外に漏れないような堅固な設備がないーなどとした。

その上で「原発は社会的に重要だが、電気を生み出す一手段にすぎず、人格権より劣位にある」と指摘した上で、大飯原発の安全性は「確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに成り立ち得る脆弱」と断じている。

安全性を検討するのは当然のことだが、この裁判長が列挙する理由は、「想定以上の地震が来るかもしれない」「想定以下でも電源が止まるかもしれない」「放射性物質が敷地外に漏れないという保証がない」という3点だが、そう断定した理由はない。これでは検証ではなく「文学」である。

素人の素人による判決に晒される大飯原発3、4号機

素人の素人による判決に晒される大飯原発3、4号機

2年前、関西地方の住民ら約260人が同じ大飯原発3、4号機の運転差し止めを大阪地裁に求めた仮処分申請では、大地震が起きた際に原子炉を安全に止めることができるかどうかなどが争点になった。大阪地裁は「安全基準を満たし、具体的な危険も認められない」と判断、申し立てを却下している。「安全基準を満たしている」という判断の上だ。ところが福井地裁の判断は「想定以上でも以下でも、とにかく地震で電源が失われるかもしれない」というのだから、確かに「画期的判決」には違いない。

宮崎慶次大阪大名誉教授(原子力工学)が明快に断言している。
「福井地裁判決のような理由を挙げれば、全ての原発は動かせなくなる。基準地震動を下回る地震でも主給水と外部電源が断たれる恐れがあるとしているが、補助給水のシステムがあり冷却機能は維持できる。関西電力は東京電力福島第1原発事故後、外部から水や電源を送り込む装置を取り付け、原子炉を冷却する対策も十分施している。大飯原発は加圧水型で、福島第1原発とは仕組みが異なり、外部から冷却することは容易だ。判決は、原子力の素人が下した無見識で無謀なものだと言わざるを得ず、司法の威信を損ないかねない」

日本の大学はここまで「開かれている」ということか

21日の産経新聞で例の慰安婦問題についてその虚構をあばく連載企画 「慰安婦問題の原点」を読んでいて表題のようなことを思った。

記事では広島大学で韓国籍の男性准教授が自分の講義の時間に、一般教養科目の「演劇と映画」と題して韓国映画「終わらない戦争」を上映したという。この映画は「性奴隷」とか「従軍慰安婦」とかありもしない話を元「慰安婦」の証言をもとに構成された60分のドキュメンタリー映画で一方的な韓国のプロパガンダものだ。

 画面では元「慰安婦」が「日本刀で焼きごてをあてられた」 、「日本人が『朝鮮女性を強制連行したことはない』というから腹が立ってたまらないのよ」、「突然、2人の日本軍人が私を小さな部屋に押し込んだ。私が声を上げると、刀を抜いて鼻を刺した」などと証言して、さらには慰安婦性奴隷説を唱える中央大教授、吉見義明や、慰安婦問題をめぐり米国内で日本非難の先頭に立ってきた日系下院議員、マイク・ホンダらも登場して、全編日本の非を訴える内容に学生は息を呑んだという。

准教授は学生に「人間はありのままに語ることはできない。だが、物語の力、虚構によって、より真実を鋭く伝えることも可能だ」と話し、映画が「真実を伝えている」と強調した。上映が終わると、「今日の授業は以上です」と告げ、すぐに講義を切り上げた。「強制連行」の証言だけを示し、学生には議論の余地も与えなかった。

呆れたものである。日本の大学、それも国立大学で韓国人の准教授が、信ぴょう性などありゃしないプロパガンダ映画を上映して平然としているのだ。取材に対し 「学生に議論の余地を与えなかったのではなく、講義の時間が足りなかった」ととぼけているそうだ。

広島大学は「現在、事実関係を確認している。事実がはっきりしない段階ではコメントできない」としているが、これは逃げ口上だ。試しに、これが韓国だったらどうか考えて見れば良い。殴り殺されていても不思議ではなかろう。

日本の大学は中韓と違って「学の自由」を掲げている。キャンパスには中韓ほか東南アジアはじめ多くの学生を受け入れている。教える方にも准教授どころか教授にも外国籍は大勢いる。それでいいのが大学である。しかし国立大学ではスタッフは日本という国から給料を貰って研究にあたっている。研究内容は自由だが日本に敵対するような一方的なプロパガンダを己が勤務する大学ですることが許されるのか。記事ではこの准教授は匿名になっている。そこまで、「この映画は真実を伝えている」と確信があるのなら、名前を出して、給料を返上してからのことにしたらどうか。

南北朝鮮に見る「謝罪」

北朝鮮の朝鮮中央通信は18日、平壌市内の住宅建設現場で13日、手抜き工事により「重大な事故が発生し、人命被害が出た」と報じ、担当幹部が遺族らに謝罪したことを伝えた。北朝鮮メディアが国内での事故や当局の対応を報じたのは極めて異例。政府対応の不手際が指摘されている韓国の旅客船沈没事故を受け、北朝鮮指導部には国民の安全を重視していることをアピールする狙いがあるとみられる。

これが謝罪風景とは

これが謝罪風景とは


朝鮮中央通信によると事故現場は市内の平川区域で、同通信は「工事をいいかげんに行い、正しく監督しなかった幹部らの無責任な行為により事故が発生した」と伝えたが事故の詳細には触れていない。

聯合ニュースは韓国政府関係者の話として、入居が始まっていた23階建ての集合住宅が崩壊し、多数の死者が出たもようだと報じた。92世帯が入居済みだったとの推定も報じている。 韓国政府関係者によると事故は13日午後、建設中の23階建てアパートで発生。北朝鮮では完工前の入居は珍しくなく、同アパートでは92世帯が入居済みだったという。同関係者は「死者は100人をはるかに超える」との見方を示している。

大変な事故だが、驚くのはその謝罪の仕方である。写真を見ると現場の一角に集められた人たちに監督者らしい軍人が謝っているというのだが、まるで一同に「訓示」を垂れている風情。最前列には家族を失ったらしい2人の女性が互いに支えあってやっと立ている痛ましい姿が見える。子供たちの服装も北朝鮮にしてはこざっぱりしていているしこういう最先端のマンションに入れるのは一部の幹部だろうから、文句も言えないのだろう。

手抜き工事で傾く

手抜き工事で傾く

23階建てが倒壊したとなると相当な残骸だろうがその現場は撮影が許されていない。手抜き工事というから前日の12日、韓国の韓国忠清南道牙山市で、やはり手抜き工事で完成目前の7階建てマンションが傾き、倒壊の危険にさらされている写真が伝えラられた。軟弱な地盤にろくすっぽ基礎工事もせずコンクリートを打ち込んでその重さで傾くという図式だが、これと同じような光景だったのではないか。

この上から目線の謝罪の翌日、19日には韓国の朴槿恵大統領は死者・行方不明者300人以上を出した旅客船セウォル号沈没事故に関する国民向け談話を発表。「国民の生命と安全に責任を負わねばならない大統領として、国民の受けた苦痛に心からおわびする」と述べて謝罪し、その上で韓国海洋警察の救助活動が「事実上失敗した」と認め海洋警察を解体すると表明した。突然の「解体」宣言に海洋警察など上を下への大騒動になった。

涙の謝罪だが

涙の謝罪だが

事故を招いたずさんな運航管理を許し、救助や捜索に手間取ったのは業界と監督官庁の癒着と断定したのは、そのとおりであるが、新しく救助を専門とする部門を作ると言っても、問題は韓国社会に深く巣食っている官民癒着、賄賂社会、だれも責任をとらないで他人に押し付け合うという病巣を解体しなければなるまいに青写真もないままの宣言である。

ハラハラと流れる涙を拭おうともせず語りかける姿に、同情の声もあったが、遺族からは、政権への中間評価とされる6月4日投開票の統一地方選を前、支持率低下が甚だしいのをなんとか食い止めようとする大芝居だとする冷たい目がもっぱらだった。

謝罪の難しさは、従軍慰安婦問題などにみるこの国の反日運動でも我が国はさんざ経験済みである。河野談話に見るまでもなく、とにかく謝まっておけば収まるだろうという図式は通じないのである。

「引かれ者の小唄」にしか聞こえない

取材で長く自民党本部に出入りした。派閥が跋扈し現ナマが行き交う現場につくづく愛想が尽きたとき、小泉純一郎が「自民党をぶっつぶす」とワンフレーズで国民の人気をあつめて、本当に自民党を中からぶっ潰した。次の民主党への政権交代では中に巣食って裏から操っていた自民党長老、実力者の類が一斉に姿を消した。しがらみが一切消えた第二次安倍内閣は見違えるようにはつらつとしている。

自民党ブームの中でも落選した加藤紘一氏

自民党ブームの中でも落選した加藤紘一氏

山崎拓は駅前の事務所も閉鎖したそうで以後消息も聞こえない。加藤紘一はその後の自民党ブームの中でも落選、三女を後継者に仕立てるという。最近断念したようだが山形3区におなじ自民党の佐藤ゆかり参院議員(52)が殴りこみを掛けるなどなめられっぱなし。脱原発で気勢をあげていた小泉純一郎ももとの「変人」扱い。YKKで飛ぶ鳥落とした3人の凋落ぶりをみるにつけ、自民党もすっかり変わってよかったと、往時この3人にインタビューした自民党本部の一室で食べた名物のカレーを思い出していた。

ところが18日の産経新聞によると消えたはずの自民党幹部がこのところ共産党機関紙「赤旗」に続々登場して安倍首相批判を展開しているという。記事には、

加藤氏は18日付赤旗日曜版の1面で、安倍政権が目指す集団的自衛権の行使容認について「徴兵制まで行き着きかねない」と反対を訴えた。加藤氏は昨年1月にも紙面に登場。慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話の見直しを進めようとしていた首相を批判した。

 政界引退後も自民党岸田派(宏池会)名誉会長を務める古賀誠氏は昨年6月、憲法改正の手続きを定めた96条改正に意欲を示す首相に対し「絶対にやるべきではない」と主張。昨年11月には野中広務氏が特定秘密保護法案反対を訴えた講演内容が紹介された。

 関係者によると、赤旗側は最近、集団的自衛権の行使容認に反対する現職衆院議員の村上誠一郎元行政改革担当相にも取材を打診したが、断られたという。

 ハト派と呼ばれた加藤氏らは現職当時から首相と政治理念などで対極にあり、平成24年の第2次安倍政権発足後に赤旗への登場が増えた。志位和夫委員長は15日の記者会見で、加藤、古賀、野中3氏の名を挙げ、行使容認について「保守政治を屋台骨で支えてきた人々がこぞって反対している」と強調。その上で「真面目な保守の方々と協力関係を強めたい」と、連携まで呼びかけた。

 元執行部による首相批判は自民党自体のマイナスイメージになりかねないが、現執行部は静観の構え。「しょせん過去の人たち。無視するのが一番だ」(幹部)との声も漏れている。

もはや老害の二人。

もはや老害の二人。

どういう人選でのことかわからないが野中広務、古賀誠の二人はTBSの日曜日早朝の「時事放談」の常連である。最近はもう見なくなったが、二人とも勝手な歴史認識、靖国分祀論に固執し、日本を中国との戦争へ突き進む安倍自民党政権の危うさを語るのがパターンだった。ブログ子が見た時は、野中は「余生が短い自分としては日本を再び戦争させるような国にだけはさせてはいけないと訴え続ける」と大見得を切っていた。

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が17、18両日に実施した合同世論調査で、安倍晋三首相が目指す集団的自衛権の行使容認について「必要最小限度で使えるようにすべきだ」との回答を含め約7割が賛意を示した。朝日新聞の調査では集団的自衛権に反対は63%だそうだ。朝日の調査は自社読者だけが対象だそうだ。どちらを信じるかという「好み」の問題ではないにしてもおかしな世論調査だ。

もう一度表題に戻るが、カビがはえたような名前を見るにつけ、こういう連中が自民党をダメにしてきたんだ、という見本にしか見えない。

世界の嫌われ者、中国と中国人

南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近で中国とベトナムの艦船が衝突した映像を見ると、2010年9月7日、尖閣諸島付近で中国籍の不審船が日本の巡視艇にぶつかってきた時とそっくりである。時の菅直人民主党政権は船長と船をさっさと釈放したばかりか中国側と「衝突事件のビデオを公開しない」、「仲井真沖縄県知事の尖閣諸島視察を中止する」という密約を結んだ(毎日新聞)。ベトナム側は今回即座にビデオを公開して世界に中国の無法を訴えた。日本と大違いである。

すべてそちらが悪い、で通す華春瑩副報道局長

すべてそちらが悪い、で通す華春瑩副報道局長


日米などが中国側の行動に懸念を示すと、中国外務省のあの厚顔おばさん、華春瑩副報道局長が出てきて「いかなる国も妨害したり、あれこれ言ったりする権利はない」と反発したうえ「ベトナム側が、中国の公船に180回余り衝突した」「ベトナム側は中国の主権を尊重し、挑発的な行動をやめるべきだ」と要求。菅義偉官房長官が「中国の一方的活動」と憂慮を表明したことに対しても「困っているときにつけ込んで(中国に)危害を加えようとしている」といけしゃあしゃあと述べた。あきれた物言いである。

「四面楚歌」という言葉は三国時代にこの国で生まれたが、いま世界の中でその通りになっていることを認識できない。中国は「すべての問題は外国が仕掛けた」という論法を振りかざして反省することがない。こんな国に日本は2兆円とも3兆円とも言われるODAをつぎ込んだ。

胡錦涛自ら、「日本の経済援助なくして中国の現代化はあり得なかった」と語っている。だが、それによって経済力と軍事力を増強させた中国は、日本を含むベトナム、フィリピンなどの周辺国に脅威を与え、世界に牙をむき出しにしている。恩を仇で返す国に成り果てた。

国がそうならその国民も同じで世界の嫌われ者になった。最近の騒動では香港人を怒らせた立ちションベン事件にはあきれてものも言えない。行為そのものもとんでもないが、咎められて歯向かう中国人夫婦が13億人みなこれかと思ってしまう。

街頭で子供におしっこさせて何が悪い「63%」の中国人気質

街頭で子供におしっこさせて何が悪い「63%」の中国人気質

騒ぎの発端は、香港の繁華街、旺角で中国本土から来た夫婦が2歳の男児を抱えておしっこをさせていたところ、通りかかった香港市民の男女に注意されたうえ、その様子を撮影された。夫婦が激高し、父親はカメラとメモリーカードを奪いとった。通行人が助けようとしたら今度は母親が仲裁した男性の手をひっかき、注意した香港市民の足にベビーカーをぶつけるなど暴れだした。警察が駆けつけ、父親は釈放されたものの母親は暴行の容疑で一時拘束された。

中国メディアの報道によると、4月21日、観光目的で香港を訪れた中国人夫婦が、市中心部の街頭で、2歳の男児を抱えておしっこをさせていた。通りかかった香港市民の男女に注意されたうえ、その様子を撮影された。その結果上記の乱暴狼藉である。警察が駆けつけ、父親は釈放されたものの母親は暴行の容疑で一時拘束された。

騒動の一部始終を撮影した映像がインターネットに出回ったことで、今度は中国と香港の間で物議を醸した。各ポータルサイトには十万件以上の書き込みが寄せられた。中国国内のネットユーザーには夫婦を支持する声が圧倒的に多く63%に達し、「香港にトイレが少ないことが原因だ」「香港人のわれわれに対する偏見が根底にある」「中国の観光客によって香港経済が潤い、私たちのおかげで香港人が良い生活を続けられている」とあきれた理屈を並べた上「香港市民が無断で子供がおしっこしている姿を撮影したことの方が悪い」といった開き直りとしか見えない中国人の屁理屈が並んでいる。

香港人が怒りあきれるのは、当事者の中国人夫婦も、中国の一般ユーザーも、子供に街頭でおしっこをさせたことを当たり前と思っていることだ。ブログ子は地下鉄の車内で子供に放尿させている中国人の母親の写真をみたことがある。ある香港人記者は「今回の事件は今の中国と香港の関係を象徴する出来事だ。1997年の香港返還以降、一国二制度が採用されたが、そもそも社会主義と資本主義制度のもとで育った人間の考え方はこのように根本的に違う」と話している。

中国文学史上、不朽の名作と言われる長編叙事詩「離騒」を著した屈原は楚の国の人だった。汚濁の世の中を憂いて汨羅(べきら)の淵に身を投げた。以後人々は悼んで毎年命日の5月5日には川に粽(ちまき)を投げて、魚が食べないようにした。日本にもその慣習は伝わり端午の節句となった。

これが清廉の人を生んだ同じ国の後裔なのだろうか。

マスコミは60年安保の愚行をなぞるのか

「集団的自衛権」で一部のメディアは狂奔している。
朝日新聞は「近づく 戦争できる国」の見出しで「集団的自衛権の行使とは、米国と一緒に他国と戦争することだ」と断言し、毎日新聞は「集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更は、憲法の許容範囲を超えている」という。「『戦地に国民』へ道」(東京新聞)といった見出しは共同通信の配信を受けているブロック紙、地方紙にあふれている。国会周辺での女性のデモ隊では「命を産んだ母は二度と子供を戦場へは送らない」というスローガンが掲げられている。

反対派のスローガンは60年安保当時とそっくり

反対派のスローガンは60年安保当時とそっくり

ブログ子は60年安保闘争で見たスローガンとそっくりだと思った。年齢がわかるが、この時クラス委員をしていて教授に依頼して休講にしてもらい皆をデモ隊に参加させるのが仕事だった。大学から唐牛健太郎という全学連委員長を出している手前奮闘せざるを得なかった。クラスには社会党と共産党からオルグが来て上のようなスローガンを叫んでいったものだ。

札幌央警察署に検挙されたこともあるが、誰も日米安保条約の条文は読んでなどいなかった。国会での強行採決と、樺美智子が圧死したことに憤激してのことだった。ただそれだけである。

安保改定の際の社会党、共産党と朝日新聞の常套句は「他国の戦争に巻き込まれる」であった。あれだけ学生を煽りに煽った結果どうなったか。がむしゃらに反対の論陣を張っていた論説主幹の笠信太郎らが樺美智子の死と膨大な数のデモ隊に驚いて、みずから主導して「暴力を排し議会主義を守れ」という七社共同宣言を発するに至り安保運動は急速にしぼんだ。挙句、岸元首相の死にあたって元全学連リーダーが「あなたは正しかった」と弔文を書いたほどである。

惨敗に打ちひしがれた全学連の闘士たちは一般企業から閉めだされ、多くはマスコミ、郵政、教育、大学に流れ込んだ。その後70年安保世代が産んだ中核派・革マルなどの過激派も加わり、さらに沖縄返還闘争の連中も入って現在の左翼運動の中核であるマスコミと沖縄を形成していった。

あの時と同じパターンということは当然結果も見えてくる。当時は在京7紙全部が反対にまわったのだが、今回は朝日・毎日VS読売・産経と二分している。朝日新聞の世論調査を見るとなぜか購読者対象という姑息な方法だが反対は63%である。他の調査を見ても反対は50%以下で推移している、手元に当時の資料はないが、安保反対は80%以上はあったと思う。安全保障問題に世論調査などなじまないが、控えめに見ても世論は集団的自衛権に理解を示している。

与党で反対している公明党はとっくの昔に「下駄の雪」でそのうち自民党に擦り寄ってくる。与党から出て行く勇気などあるわけがない。それほど政権与党の蜜の味を享受するに慣れすぎた。山口那津男代表は16日前の党参院議員総会で「しっかり議論を尽くすことが重要だ」と訳の分からない言葉でお茶を濁しているのを見てもわかる。容認へのタイミングと口実をはかっているだけである。

野党8党も集団的自衛権では割れている上、全党「馬糞の川流れ」状態である。16日午前の幹事長・国対委員長では28日の開催で大筋合意している衆院予算委集中審議について、回数を増やすことを確認して終わった。「十分審議した」という口実のためなのはあきらかだ。つまり、どこから見ても勝負はすでに付いている。安倍首相の勝ちである。朝日・毎日の反対派はあのときのような「共同宣言」案を今の内に用意したほうがよいのではないか。まあ意地でも書きはすまいが。

親友4人で呑んだ一夜

5月12日、ブログの亭主は親友と盃を傾けた。面白い話なのでこのブログで紹介する次第。

きっかけはワシントンにいる阿部義章君が日本に一時帰国するので皆に会いたいとメールを寄こした。廻状が廻ってこの日いつもの恵比寿ガーデンプレイスタワー39F 展望レストラン街「火の音水の音」と決まった。

阿部君は世界銀行南米・カリフ海地域担当局長を最後に退職、帰国して早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授をしていたが定年退職、日米に居を構えて行き来している。ワシントンでは日本の世銀からの融資状況を逐一資料にあたって論文にまとめている。

山本竜三君も小中高通じての親友で進駐軍に接収されて郊外に住まった家が近く、互いの家を行き来して育った。亡くなられたのでもう書いてもいいかと思うが、彼の義兄は日本の潜水艦隊育ての親とも言える人で、昔で言えば連合艦隊司令長官にあたる横須賀艦隊指令を務めた。六本木に防衛庁があった時代、防衛課長という要職にあり、ブログ子はある時期安全保障関係の取材で月に何度となく部屋を訪れて軍事知識を教えて貰った。だから韓国が「日本が持つものは何でも欲しがる」くせでイージス艦を増やしているのは明らかに間違いだと断言できるのだ。

いつもはこの二人に宮崎健を加えた3人で会っていたが、今回は久しぶりに川本皓嗣君を誘うことになった。昨年大手前大学学長を退いたと聞いたから東京にいるなら来ないかとメールしたら「当日は上野の学士院で定例会に出たあと(彼は2009年学士院会員に選ばれた)そちらにまわる」という返事があった。文末に「先日(4月24日)のオバマ大統領を迎えての宮中晩餐会に招かれ、大統領とアメリカの詩人談義をした」とあったので、これは面白い話が聞けそうだ、と思った。

果たして期待にそむかないもので、オバマ大統領と美智子皇后の深い文学への造詣をうかがわせる内容だった。どこから聞きつけたかフジテレビが取材にきて、18日(日)の午前7時半から9時までの「新報道2001」で放映されることになっったという。

我が畏友との一夕。 (左から)宮崎健、川本皓嗣、阿部義章、」山本竜三の各氏

我が畏友との一夕。
(左から)宮崎健、川本皓嗣、阿部義章、」山本竜三の各氏


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宮中晩餐会では、控室の大広間に入ってすぐ侍従に呼び止められて、名を確かめられ、食事のあとの歓談のさい、オバマ大統領とちょっと話してほしい、そのために広間の前方あたりにいてほしいと依頼された。

入室の前に天皇陛下、大統領、皇后陛下の順に会釈と握手をしたさい、皇后陛下から「比較文学の先生ですね、きょうは・・・」と話しかけられたがよく聞き取れなかった。食事のあと、大広間で待っていると両陛下と大統領が入室され、侍従に促されて大統領のそばへ行った。
侍従が私を紹介してくれて、大統領が「アメリカの詩を日本で教え広めていてくださって、まことに有難う。ところで、アメリカの詩人で誰が優れていると思うか」と訊ねられた。ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ、ウォーレス・スティーヴンズ、エミリー・ディキンソン、そして(ロバート・フロスト」とお答えした。

オバマ大統領はすぐ「その中ではディキンソンが最高だ」と断言された。さらにフロスト「たいへん人気があるし、詩もやさしそうに見えるので、軽視されがちだが、その言葉をじっくり読み味わうと、表現は絶妙だし、意味は深く、かなり難解だ」と、ずばりと的を射た批評を下したので、私はただただ驚嘆した。というような話だった。

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川本君がフジテレビの取材に応じたのは、アメリカの大統領と日本の皇后陛下がともに詩を語られるというのは、なんと素晴らしいことではないか、ということだったが、これには我々も全く同感で、美智子皇后陛下がアメリカは言うに及ばず、世界の文学に深い造詣をお持ちなことは他の例で承知している。

内々だが、宮中での新年の講書始の儀でご進講役にも選ばれるようである。いま、大手前大学に依頼されて担当している GACCO という企画に没頭しているとのことだ。これはアメリカその他の大学に追随して、東大や慶応などが始めた無料ネット授業で、その原稿づくりで、ほとんど散歩に出かける暇もないという。よろしければ、下記をのぞいてみてください。

「俳句――17字の世界」というタイトルで惹句には「十七音の言葉の切れ端が、なぜ深く多彩な意味を暗示するのか。芭蕉の句を中心に、俳句の詩的構造をさぐる」とある。ブログ子の大好きなテーマである。夏には聴講しようと思う。同好の方がおられれば下記のURLへ。

http://gacco.org/

4人で4時間半も 話し込んだ。誰一人それほど長時間だった認識はないのだが、札幌の下宿の高校生の娘に阿部君がピアノを教え、川本君が昼ごろ起きる生活から抜けだせず喧嘩したこと、小樽のぼた山の上でなけなしの金を分けあって上野までの4食分のそば代を都合したこと、3人ともサイトの亭主の母親の実家である米沢にスキーに出かけたことなどが話の接穂にでたと思うがよくは覚えていない。純米醸造酒にこだわってかなり盃を傾けた川本君が翌日二日酔いだったという。

この場で川本君に貸した千円が返ってきた。40年前日吉の社宅で貸した電車賃だが、ホームページの最後に確かに返却したと書いておいてくれと念を押された。家内に渡したら大笑いしながら千円受け取りました、とメールしたら「奥方が千円をご嘉納くださったとのこと、よろしくお礼を申し上げてください。うちの家内は、その後の貨幣価値を考えると、少なくとも1万円はお払いすべきだったと主張しています」とあった。

忘れていたので追記するが、話は嫌韓論にも及んだ。ブログ子は為に彼の地に足を踏みれたことがないのだが川本君は国際比較文学会の会長として何度も行って向こうの学者と会ったそうだ。「韓国にも日本大好きな学者は大勢いるよ」と言った。政治とメディアの偏向で表に出ないだけということのようだ。なぜかホッとした。
◇ ◇ ◇
この一文はホームページ「八ケ岳の東から」にある「雪散華」に川本皓嗣君が寄せた「宮崎ひさ子さんのこと」という中にある千円の電車賃の話に付け加える為に書いたものでいずれそちらに移します。経緯がわからないところがあるかもしれませんが理由はそのためです。

渡辺淳一さんと赤い三輪車

連休中八ケ岳にいたとき作家の渡辺淳一さんが亡くなったことを知った。この歳になると昔取材したりインタビューしたりした人の訃報に接することが多いのは仕方がないが、ブログ子は赤い三輪車を鮮明に思い浮かべた。

記事には、「昭和43年、札幌医科大学で行われた和田寿郎教授による日本初の心臓移植手術、のちに教授が殺人罪で告発される事態になった、いわゆる和田心臓移植事件をテーマに小説を執筆、学内にありながら疑義を呈したため、大学を退職し、上京して文筆活動に専念」とあるから、会ったのはその3,4年後になる。

24G20140505D団地の狭いドアを開けたら赤い三輪車が積み上げられていて、夫人に案内されて雑然と本が積み上げられた書斎でインタビューした。札幌医科大学というのは北大医学部の学生を二つに割って開学したところで、氏はその一期生なので、当時のキャンパスの話や60年アンポの話題だった。

その数年後銀座のバーで見かけたが暗いのと向こうが女性に囲まれていたので声は掛けなかった。間もなく離婚して新しい夫人を迎えたと聞いた。さらに10年ほどのち日経新聞に連載した「失楽園」が大きな話題になった。不倫を主題とし、一般向け新聞連載、それも経済紙では例のない性描写が含まれていて、毎朝社長族が真っ先に秘書に持ってこさせてロマンポルノ代わりに読んでいるというものだった。本になり300万部のヒット作となり映画にもなった。

訃報にはさらに続けて「渡辺さんは前立腺がんを患い、東京都内の自宅で療養を続けていたが4月30日、亡くなった。葬儀は家族ですでにすませた」とあった。

弔いの席にいたのは、記憶では確か男の子と女の子だったと思うがあの赤い三輪車の主だったのだろうか。、

まれに見る大雪で被害甚大

GWを中心に山に上がってこのほど下りました。
まれに見る大雪で我が山墅のカーポートは残雪でクルマを入れることができず、5月3日に上がってきた娘の家族も除雪に汗をかいてやっと駐車できたほど。管理事務所の人がお宅は3月で1メートル80センチほど雪があったときかされました。

鹿も食糧難だったようで敷地のモミノキ(唐檜)は皮をはがれてほぼ全滅、これまで食べたことがなかったコメツガまでかじられていました。8日の朝起きたら目前にシカが4頭食事中。大事にしていてやっと芽を出したばかりのエンレイソウがみな食べられていてがっくりでした。

ブログの亭主 山上げ

ブログの亭主は本日から山に入ります。下りてくるのは5月8日ごろの予定です。
山は大方雪も溶けたようですが物陰にはまだかなりの積雪が残るとのこと。
木こりの毎日でしょう。

認知症を考えさせられた二つのケース

①愛知県大府市で2007年、徘徊中に列車にはねられ死亡した認知症の男性=当時(91)=の妻や長男らに、JR東海が運行遅れの損害約720万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日、名古屋高裁であった。長門栄吉裁判長は「監督義務の履行に努めていた」として、全額の支払いを命じた一審名古屋地裁判決を変更し、妻のみに約360万円の支払いを命じた。

半額になったとは言え家族にとって高額賠償であることには変わりなく心情としては何とかならないかと思うところだ。しかとした記憶ではないが、昭和40年ごろまで、社会部で見聞きしていた飛び込み自殺などに対する私鉄、国鉄(当時)の対応はもっと優しかった。

遺体の処理や列車の遅れ、警察捜査への協力など駅員は気の毒なくらい走り回っていたが、鉄道側が遺族に賠償請求することはなかった。悲しみにくれる遺族にさらに追い打ちをかけるのは忍びないという思いからだ。ところが一向に自殺がなくならない。そこで経済的負担という警鐘を鳴らすことで減らそうとした。だから形だけの請求で法廷に持ち込むことはまずなかった。

それがいつしか「遅れによる損失」まで計上して遺族に請求書を突きつけるようになった。欧米型の割りきった対応が幅をきかせ始めたのだ。安くはないが会社側にとっては「斟酌」できる額だと思う。ここは昔ながらの日本型の、相手を慮(おもんぱか)っての処置があってもいい。法廷闘争はなじまないケースだと思う。

身元が判明して家族と対面する男性

身元が判明して家族と対面する男性

②2年前に大阪市の路上で警察に保護された重い認知症の男性が、氏名や住所などが不明のまま仮の名前を付けられ介護施設で暮らしていた問題で、男性の身元が27日、兵庫県の74歳と分かった。家族と対面を果たしたが、家族により兵庫県警に行方不明者届が出されていたことも判明。見つかった氏名不明者との照合作業で何らかのミスがあり、長期間身元が判明しなかった可能性があるとして兵庫県警は調査を始めた。

 男性は2012年3月11日朝、大阪市内の住宅街で保護され、認知症で氏名や住所を話せず、市は保護された場所にちなんだ名字に「太郎」という仮の名前を付け、年齢を70歳(当時)と推定して仮の生年月日も設けた。

 兵庫県警によると、男性は12年3月8日午後7時25分ごろ、県内の路上で一緒にいた家族が目を離したすきに行方不明になった。家族は同8時15分ごろ、最寄りの警察署に届け出た。大阪府警が男性を保護したのは3日後。最初に行方不明になった場所から数キロしか離れていない場所だった。

警察の非を問うこともできようが、ここは一つもっと懐の深い対応ができないだろうか。認知症患者にはチップを埋め込めとかGPSで居場所がわかるケイタイを持たせろとかいう無味乾燥な議論に進むのを恐れる。

名前を出しても許されると思うが、キャリア官僚が独占した警視総監の椅子に叩き上げで座った秦野彰氏を公私にわたって知っている。先輩にくっついてポッポちゃんこと鳩山威一郎参議院議員と浅草の小料理店「太郎」でよく飲んだり麻雀をしたりしていた。あの鳩山由紀夫元首相の父親である。大蔵次官から国会に移って当時無役だったが影響力は大で取材を兼ねていたのだが、そこに同じ参議院議員の秦野がお忍びで来ていたのだ。

それから10年くらいあと、秦野章が重い認知症になった。世間には知らせていなかったが彼の秘書をよく知っていたので行動はよく聞いていた。はじめの頃は徘徊も横浜の自宅から都内くらいだった。警官をつかまえてはなにかと「訓示」をするらしいがトンチンカンである。まだ元警視総監の顔を知られていたので警官が気を利かして盛大に敬礼をすると、大いに気を良くして次の徘徊にでかけ夜には自宅に送り届けられてきた。

間もなく千葉県警で保護されるようになった。千葉ではそれほど顔を知る人もなく偉そうなおじさんとして交番に突出されるようになった。新聞では2002年腎不全で死去とあり認知症のことは全く触れられていない。本人も気分よく徘徊し、周りの人も気分よく扱った立派な認知症患者だった。

兵どもが夢の跡「ハブとマングースの戦い」

医療法人「徳洲会」グループの公職選挙法違反事件を受けて徳田毅前衆議院議員が辞職したことに伴い、27日、衆議院鹿児島2区の補欠選挙が行われた。ブログ子はいつの間に「2区」になったのか不覚にして気付かなかった。

aad8a1d1a99e737d88f806f802b3e8faここは以前、徳之島を舞台にした奄美群島区という定員1人の異例の(全国でここだけ1人区)選挙区だった。この時代は中選挙区制度(現在は小選挙区比例代表並立制度)だった。自民党派閥から複数の立候補者が出るところでは共食い状態になり、「戦争」と呼ばれる選挙区が多かった。徳島の「阿波戦争」(三木武夫Vs後藤田正晴)、岡山2区の「六龍戦争」(加藤六月Vs橋本龍太郎)などだ。

なかでも奄美群島区は「ハブとマングースの戦い」「保徳戦争」といわれ、徳田虎雄Vs保岡興治の二人がほんとに血の雨が降る戦いを繰り広げるので有名だった。今回の徳洲会事件で一族が逮捕され議席を棒に振った徳田毅の父親と、同じく徳之島出身のエリート官僚の戦いでともに権勢を振るった。

すさまじい選挙戦だというので毎回東京から取材記者を派遣していた。私が居た新聞社で現在、論説委員をしているB記者がその役を務めた。よそ者は受け付けられない土地柄である。彼は奄美の出身で徳之島に親戚がいたので何かと便利だった人選だったが、そのレポートには毎回驚かされた。

住民一人一人どちらの陣営に付くか把握されていて、ほとんど狂わない。だから何票足らないかまでわかるので、深夜現金を持った「工作員」が軒先に忍んでくる。それを防ぐため片方は夜っぴて篝火を焚いて不審者を見張る。同じような光景は大阪・泉州の選挙で経験したことがあったが、この島では市長、市議、町内会長にいたるまで二派に分かれて殴り合いしながらの選挙だという。レポートには「島には他に娯楽がなく、唯一の楽しみという側面もある」とあった。

何でもありのこの選挙区はその後合区で鹿児島1区になりそこでもぶつかりあったが、さらに鹿児島2区に分区になって、両者棲み分けることでようやく「ハブとマングースの戦い」は終わりを告げた。

片方の主役、徳田虎雄氏は2002年頃に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症し政界から引退、息子を立てたが今回の不祥事である。もう一方の保岡興治氏は一時法相を務めたが、2009年の総選挙では比例復活も出来ずに落選、2012年やっと鹿児島1区から国政へ復帰したが政界ではやや埋没している。6人も出馬しているが勝敗ははじめからついている選挙だった。

ほんに日本は正直だ

 001三陸沖の北西太平洋に生息するミンククジラを捕獲する調査船4隻が26日午前、宮城県石巻市の鮎川港から出港した。国際司法裁判所が日本の南極海での調査捕鯨を国際捕鯨取締条約違反と認定した判決後、日本の捕鯨調査船が出港するのは初めて。

 同港から半径約80キロ以内の海域で、捕獲したミンククジラの胃の内容物や三陸沖の生態系を調べる。今回の調査海域は判決対象外だが、判決内容を考慮し、捕獲頭数の上限を例年の60頭から51頭に減らす。

 同港は東日本大震災で約3メートルの津波に襲われ、壊滅的な被害を受けたが昨春、調査船の出港を再開したばかり。同港では同条約で捕獲頭数の規制を受ける北西太平洋調査と、規制を受けない小型クジラの沿岸商業捕鯨の2種類を行っている。

 調査は6月上旬まで行い、捕獲数が上限に達した時点で終了する。(新聞各紙)

日本人は上から下まで遵法精神に富んでいて捕獲頭数「51頭」できちんとやめて帰ってくることだろう。悪知恵を授けるつもりはないが先日このブログで「バカ正直すぎる日本の調査捕鯨 」ということを書いた。

韓国を例に出し、韓国領海内でクジラの数が激増しているとかで、韓国の沿岸で、“偶然に網にかかって”捕獲されたクジラは合わせて年間で2350頭、1日平均6・4頭に上っている。これは日本の調査捕鯨で捕獲されるクジラのおよそ2倍以上の数字という話を紹介した。管理対象の13種類の大型鯨類についてもノルウェー、アイスランドのほか「原住民生存捕鯨枠」によるアメリカ・ロシア・デンマーク(グリーンランド)の北極圏先住民族が継続していて、「その一部」が日本に入ってくるという話だ。

韓国で「偶然網にかかった」捕獲頭数が日本の2倍ということは明らかにインチキだが国際舞台では表沙汰にならない。国際司法裁判所に提訴したオーストラリアはこの間、労働党政権から一変して日本の捕鯨に理解を示す政権に変わっている。国際社会にいくら「くじらは日本の食文化だ」と訴えても聞く耳を持たない。

以下はブログ子の独り言である。北西太平洋での捕獲頭数「51頭」のほかに「偶然網にかかった」クジラが51頭いても誰も文句は言えない。

宮中晩餐会のお陰でジンギスカンの株が上がった

31Z20140424DDAPT01539G2000オバマ米大統領を迎えての天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会が24日、皇居・豊明殿で行われた。そのメインディッシュが羊のもも肉の蒸し焼きだったと聞いて我が意を得たりの感があった。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉行き詰まりの原因になっているため、豚肉や牛肉は出なかったということもあるだろうが、ともかく羊肉つまり我が家ではジンギスカン鍋の評価が高まったのである。

晩餐会のメニュー

晩餐会のメニュー

欧米では羊肉とりわけラム肉が高級食材で、一流料理店のメニューでは上にランクされるが、日本では、牛肉料理の下に位置付けられている。ブログ子はかねがねこれが気に入らなかった。こういうランク付けになった理由は、戦前めん羊は貴重な家畜で料理に出されたのは、毛がとれなくなる10~12歳まで飼った老廃羊の固い肉だったことがイメージダウンにつながった。

学生時代、北海道で私が食べていた羊もこれに近く、固かった。しかし安いのと北海道の牛肉は乳牛のオスの肉なのでどうにもミルクっぽくて馴染めず、馬術の試合の後対戦相手との懇親会では牧草地で前夜自分でさばいた羊肉でジンギスカン鍋を囲むのを常としていた。

東京に居付いてからは毎年桜の季節に馬事公苑の八重桜の下でジンギスカンを囲むようになった。苑長がOBだったのともう一人、OB会長が今上陛下の皇太子時代に侍従、その後掌典長などを長くつとめられた方だったので、宮内庁大膳部から取り寄せたマトンがジンギスカンの素材で、学生時代とは大違いの驚くほどの美味さだった。

伺ったら栃木県の御料牧場で育てたもので、アブラを取るため飼料から調整されているということだった。今回オバマ大統領に出されたものもそうして育てられたものだ。

そこまでいかなくとも、現在では羊肉がすばらしくおいしくなった。羊肉はラム(lamb、子羊)とマトン(mutton、生後1年以上の大人の羊、めん羊種が主)に大別されるが、肉用のサフォーク種のラムやマトンがオーストラリアやニュージーランドから大量に輸入されていてジンギスカンは一般でもすばらしく美味しくなっている。しかも牛肉より安い。

ジンギスカン専用の鉄鍋と七輪を買い込み、毎年孫達に振る舞うことにしているが、ここでもう一段美味しくする秘訣を伝授しよう。札幌にいる同級生のジンギスカンの達人から教えられたのだが、タレが大事でいろいろ試みた結果「ソラチのたれ」が一番ということだった。毎年取り寄せているが、宮中晩餐会で出たところでさっそく注文しようと思っている。

なかなかいいぞ。安倍首相の「タフなネゴシエーション」

plc14042413240028-p1 安倍晋三首相とオバマ米大統領は24日午前、東京・元赤坂の迎賓館で首脳会談を行った。両首脳は、日米同盟がアジア太平洋地域で主導的な役割を果たすことで一致し、オバマ氏は尖閣諸島(沖縄県石垣市)が日米安全保障条約の適用対象であることを明言した。焦点の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は、日米間の閣僚協議継続で一致したが合意には至らず、共同声明の発表はいったん見送られ、両首脳はそのまま共同記者会見に臨み、首相は「日米同盟は力強く復活した」と述べ、成果を強調した。

大統領としてはじめて尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象であることを明言したもので、これを聞いた途端、TPP交渉で日本は大幅な譲歩を迫られるな、と直感した。この項を書いている時点では、再開された甘利経済再生担当大臣と米国・フロマン通商代表の交渉が続いているのでなんとも言えないが、歴代政権でここまでタフなネゴシエーション(交渉)を展開した例はない。

古くは田中角栄の「足して二で割る」方式で最後はよっしゃよっしゃで終わる例や、ともにバブルの張本人と言われる宮沢喜一の英語通を自認するあまり大幅に相手方に歩み寄る交渉、橋本龍太郎の事務方に丸投げ方式、悪夢のような民主党の鳩山由紀夫、菅直人の元首相二人の根無し草外交・・・まともな交渉力を見せた政権は見たことがなかった。

だからアメリカが尖閣諸島を明確に安保適用対象と明言したからには、今度は日本がTPPでは譲らざるを得ないなと思った。共同声明を先延ばしにしても最後の閣僚協議に委ねるという腰の強さを見せた安倍首相に感心した。これこそ国益がぶつかり合うシビアな二国間協議である。

オバマ大統領は「すきやばし次郎」で好物のすしを14貫も食べた。そのせいかどうか、コメではアメリカも理解を示しているという。残る主なものは牛肉と豚肉だそうだ。アメリカ人ですら日本の牛肉は素晴らしいと言っている。特化したら生き残れると思うのだが。いや素人分析はよそう。TPPがどういう結果になろうとも許せる気がする。

沖縄タイムスのアホくさ社説

沖縄や北海道の人は本州のことを「本土」と呼ぶ。本土にいると沖縄の新聞は読む機会もないが、はっきり言ってこの地の主要2紙(沖縄タイムス、琉球新報)は朝日新聞以上に「真っ赤っか」である。なにしろ仲井真弘多知事は3月県議会の本会議場という公式の場でこう言い放ったくらいである。

地元紙の報道を引き合いに質問された時のことだが「(沖縄)タイムスは読まん新聞ですから。(琉球)新報も止めた。特定の団体のコマーシャルペーパーと聞いたものですから」

米軍普天間飛行場移設の埋め立てを承認して以来、2紙の報道に不満を募らせていたこともあろうが、地元紙が知事から引導を渡されるというのは聞いたことがない。その沖縄タイムスの「社説」というのを電子版で読んだ。なるほど、あてつけ、重箱の隅をつつく論理、挙句は結論が「友好・交流による緊張緩和への貢献こそが『国境の島』にふさわしい」ときた。笑ってしまった。

yona沖縄タイムスなど読んだことがない人が大半だろうから再録するが、防衛上かねて念願となっていた与那国島に自衛隊レーダー基地を置き隊員を常駐させるため基地建設に着手した、と防衛省の19日の発表をうけての21日の社説である。少し長いが全文を再録してみる。
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 与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備計画で、防衛省が19日、現地で起工式を行った。小野寺五典防衛相らが参加した式典は、配備に反対する住民が会場を取り囲むなど終始混乱した。

 この事実が象徴しているのは、島への自衛隊配備に対する住民の賛否が二分しているということである。このまま配備計画を強引に進めることには、重大な懸念を抱かざるを得ない。

 昨年8月の与那国町長選で「配備推進」を訴えた外間守吉町長が3選を果たしたが、対立候補との票差はわずか47票だった。

 選挙後、町や国は住民対話を持つなど、積極的に島内融和に取り組む必要があった。それをおざなりにしたまま、配備計画を進めたことが、住民同士の溝を深めていることを認識すべきだ。

 選挙の後、配備計画に関して町単独で開催した住民説明会があったのは、ことし2月になってからだ。説明会に防衛局の担当者は同席せず、住民からは「不十分で理解できない点が多い」と不満の声が上がっていた。

 駐屯予定地の町有地の賃貸借契約を解除するに当たり、農業生産法人への損失補償額を防衛省が大幅に上積みした交渉経緯も不透明だ。防衛省は当初提示した1億1千万円から積み増し、約3カ月後に2億4千万円で合意した。

 算定基準の不自然さが指摘されているが、税金の不透明な支出であり、当然だ。配備に向け、なりふり構わぬ国の姿勢が、住民の不信感を一層募らせているのである。

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 沿岸監視部隊はレーダーで付近を航行・飛行する艦船や航空機を監視する。中国の海洋進出に対抗するため防衛省が打ち出した南西地域の防衛態勢の強化の一環だ。

 与那国町の人口は3月末で1479人。隊員は150人規模で、家族を含むと約200人が島に住むことが見込まれている。町は「非常に大きなインパクト」ととらえ、施設工事や防衛省の補助事業によるインフラ整備で町民生活の向上につなげ、人口減少に歯止めをかける考えだ。

 しかし、自衛隊配備が過疎化対策になり得ないことを示す事例がある。1959年から陸海空自衛隊が配備された長崎県対馬市では、60年に約7万人だった人口が、約3万5千人に半減している。

 また、与那国への自衛隊配備が近隣諸国を刺激し、緊張が高まれば、住民が望んだ地域づくりとは逆のベクトルが働くことになりかねない。

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 中国外務省は沿岸監視部隊配備について「日本は国際社会に、軍事力増強の真の狙いを説明するべきだ」とけん制した。近隣諸国との緊張が島の住民の暮らしを脅かすことがあってはならない。

 2005年に町が策定した「自立へのビジョン」では「東アジア地域との友好・交流を推進し、国際社会の模範となる地域間交流の実現に努力する」と宣言した。町はむしろ、その姿勢を堅持することをあらためてアピールすべきではないか。友好・交流による緊張緩和への貢献こそが「国境の島」にふさわしい。

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与那国島にある日本最西端の碑

与那国島にある日本最西端の碑

与那国島は尖閣諸島から南へ約150キロ、台湾から東へ110キロに浮かぶ人口約1500人の島。ブログ子はサイトで「驚異の飛翔2200キロ アサギマダラの神秘」という一文を書いているが、春と秋の渡りの季節に蝶が立ち寄る島として有名で、これ目当てに訪れる人が多い。日本最西端の碑が立っている。

沖合はこのところ太平洋に進出が激しい中国艦船が通過する一方、各国の通信が飛び交う防衛上枢要の地にある国境の島ながら、警察官2人が駐在するだけだった。防衛省はやっとレーダーを設置してさらに約100人の沿岸警備部隊と約50人の後方支援部隊を駐留させ、付近を航行する艦船と航空機を監視することを決め、2015年度末までに運用を開始する予定である。

してやったりの中国、次は韓国が模倣か

差し押さえられた鉄鋼石運搬船「バオスティール・エモーション」

差し押さえられた鉄鋼石運搬船「バオスティール・エモーション」

三日前に「世界はもっと狡猾である」と書いたばかり。 商船三井所有の貨物船が中国当局に差し押さえられた問題は、日本政府には寝耳に水だったようで、菅官房長官は記者会見で「政府としては深く憂慮し、中国側が適切な対応を取るよう強く期待をしている」と語ったものの「商船三井が原告との間で和解の可能性を探っていたと聞いていた」と述べ、「こういう案件があることをなぜ事前に官邸側に伝えてなかったのか」と外務省に不快感を示した」。中国側のしてやったり、の得意顔が見える。

なにせ、1936年に日中の海運会社間で交わされた船舶の賃貸契約をめぐる古い民事争いが発端だ。原告は、中国国内法整備の隙間に生まれた時効の空白を突くことで、戦前の“亡霊”を現代によみがえらせ、強制執行に持ち込んだ。

旧大同海運(現・商船三井)に貨物船2隻を賃貸したのは、陳順通という上海の船舶王の経営した海運会社だ。契約満期前に日中戦争が始まったことで、賃貸中の2隻は旧日本軍に徴用され戦争で沈没した。現在の原告は陳順通の孫らで、三代にわたり戦前の債権回収に取り組んできた。70年代には東京地裁で訴訟を起こしたものの、「時効」を理由に相手にされなかった。

そこで本国で訴訟を起こした。その執念に驚くが、この間にうまい具合に法改正があった。87年1月に施行された中国の民事新法「民法通則」で、同法の施行後2年以内の提訴に限って、最高人民法院(最高裁)が事実上の時効停止できるというもの。上海海事法院に提訴され、1審(2007年)、2審(10年)とも、原告が勝訴していた。

それでも日本政府は楽観していた。中国は72年の日中共同声明で戦争賠償請求権の放棄を表明した。その代わり日本側は対中経済支援を約束し、その約束通りに政府開発援助(ODA)や技術協力を展開した。

これまでに有償資金協力(円借款)を約3兆1,331億円、無償資金協力を1,457億円、技術協力を1,446億円など総額約3兆5000億円以上のODAを中国側に実施した。中国の経済成長は韓国と同じでまさに日本の援助によって成し遂げられたものであり、賠償放棄の元は国家全体として十分すぎるほど受け取っている。共同声明を踏みにじるとは思いもしなかった。

お人好しの日本政府に、習近平・中共政府は平気で戦前の忘れ去られた請求書を突きつけたのだ。中国の裁判所は中国共産党の指導下にある。尖閣諸島に続いて切り札を切ることを命じたのは習近平政権であることは間違いない。

001今後、中国政府の“指導”下各地で訴訟が起こされるだろう。既に2月には「日中戦争時に強制連行された」と訴える元労働者や遺族が、三菱マテリアルと日本コークス工業(旧三井鉱山)を賠償請求の提訴をしている。

中国の「禁じ手」破りを見て韓国も見倣うだろう。現に韓国では「戦時中に強制労働させられた」とする韓国人女性らが三菱重工業や新日鉄住金、不二越を相手取った訴訟で、一部勝訴に持ち込んでいる。韓国の裁判所は他の欧米国と同じように三権分立のように見えるが、時の政権の顔色を見た判決は山ほどある。反日ならなんでもOKの現状ではこちらも危ない。

これに対して日本の切り札は「経済」だけである。日本が本格的に資本と技術を引き上げたらひとたまりもないのだが、これを理解している一般庶民は両国jともほとんど居ない。中国共産党一党独裁政権の崩壊の早からんことを願うだけだ。

ただいま猛烈なスパム攻撃を受けてます

こんなささやかなブログでも結構読者がいるものだ、と喜ぶべきかもしれないが、このところ猛烈なスパム攻撃を受けている。、朝起きてまず100通を超える嫌がらせ書き込みを削除する作業から始めている。

日教組のセンセイと在日韓国人からのものと判断している。というのも、今朝の1通は「ひとつのパラグラフに”だが”・・・”だが”と接続詞が二つもあるのは見苦しい。あんたの教養がわかる。子どもの入学式が大事なのは当たり前だ」と、どうやら国語の教師かららしい文法の誤りの指摘と己の息子の入学式に自分の受け持ちクラスの生徒を放り出して駆けつけた埼玉県の女教諭弁護である。「4月15日の当ブログ「子どもの入学式が後生大事な時代」が気に入らなかったらしい。

もう一つは18日の「メンツにこだわる時ではあるまいに 」と韓国の朴槿恵大統領が沈没船の家族を見舞ったら罵声を浴びせられた話から日本の救助体制の方が先んじているから拒絶しないで受け入れたらいい、という話に「お前は大統領に敬意を払わないのか」といった内容だ。

ともに返事をしようとしたが出鱈目のアドレスでかなわなかった。きちんと名前を名乗った投稿は載せるのにやぶさかでないのだが。

サーバーから消去されて今は見られないのだが、同じタイトルでのこのブログでもワンサと書き込みがあった。養護学校で人形を使った性教育をしているニュースに、気持ち悪いジェンダーフリー教育への批判を書いた時である。この時はブログのシステムに詳しくなくて、せっせと馬鹿正直に返事を書いたが1通として返ってこなかった。

現在は進歩していて「モデレート機能」というのが付いている。投稿は、以前は直接掲載されてしまったが、現在はコメントは一旦保留されて管理者の許可があってはじめて掲載されるようになっている。しかも「一括処理」というのがあって、何百通でもクリックひとつで消去できるのだ。常連の一つに「プラダのバッグ何パーセント割引」という通販書き込みも毎日数通あるが上に同じである。

というわけで、炎上までには至らないですんでいる。まだ余裕があるので、このブログにご不満のむきはどうぞコメントを。

人間不信に陥った犬が信頼を取り戻すまで

まもなくGWである。ブログ子も八ケ岳の我が山墅に入ることにしているが、例年真っ先に敷地に眠る犬たちの墓を訪れて、しばし昔の楽しかった思い出に浸るのを常としている。今年は大雪だったというから、彼らのところにはまだ雪が残るかもしれない。

無心に慕ってくれた犬たちを裏切ることなどブログ子の家庭では考えられないが、世の中には虐待した上捨てるという人間がいる。そういう輩は最初からペットなど飼わなければいいと思うのだが、そういうのに限って真っ先に保健所に引き取りに現れる。

以下に紹介する動画は、虐待されボロボロの状態だった犬が人間への信頼を取り戻していくストーリーである。人間にはひどい奴ばかりでないことをわかってくれたかと安堵してうるうるしてしまう。あらすじはこうだ。

昨年12月、米ロサンゼルス市の動物保護グループ「Bill Foundation」が、ボロボロの状態の犬が1匹いるとの連絡を受けた。
保護するために現場に出向いた同グループのアン・ハートさんは、首にひどい裂傷を負い細菌・真菌感染症を起こしているピットブルを見つけた。
しかし保護しようにも人間を見ると犬は逃げ出し、人間への怖れでブルブルと震えるばかり。
3時間かけて何とか保護センターに連れて帰ったところ、犬に埋め込まれているマイクロチップから、名前が “ギデオン” であることが判明。「飼い主は心配して探しているに違いない」と連絡を取ったら、「もうギデオンはいりません」と冷たく電話を切られてしまった。
ギデオンは身体的虐待だけでなく無視による精神的な虐待も受けていたためよれよれになっていた。
しかし、数週間にわたる治療ですっかり健康を取り戻したギデオンは、スタッフの献身的な愛情で、3か月後にはあれほど怖がった人間への信頼を取り戻し、身体をすり寄せるまでになったのである。

この動画は表記の動物保護グループが寄付を募るためにつくったアピール動画だが、撮影は実話である。ビットブルという犬種ははじめて知ったが今はやりの言葉で言えば「ブサ可愛い」となるのだろう、ブログ子のサイトで「アナスタシアが行く」という項を書いた。仔犬の時から亡くなるまでの記録だが、どういうわけかここ1カ月ほど前からアクセスランキングの1位と2位を行き来している。見知らぬ人が墓参りをしてくれているようで嬉しい。

アナスタシアが亡くなって間もなく八千草薫さんのお宅の愛犬も亡くなった。半年ほどあと同じ犬種と散歩している彼女と立ち話した。

「お互いの寿命を考えて躊躇したのですが、もしもの時はこの子を世話してくださるという方があったので決意しました]
こういう人こそ本当の愛犬家だと思った。

バカ正直すぎる日本の調査捕鯨

PK20140419021政府は18日、日本が北西太平洋で行う調査捕鯨を、クジラの捕獲頭数を4割以上減らした上で2014年度も継続すると発表した。

国際司法裁判所が3月に国際捕鯨取締条約違反と判断し、14年度は実施を断念した南極海の調査捕鯨は、今年秋までに新たな計画を策定、15年度の再開を目指す方針も決めた。

ハーグの判決ショックからようやく立ち直りつつあるようなニュースである。日本はいいか悪いか、遵法精神に富んだ国で、国際司法裁判所というからには公明正大な判決が下されると盲信しているきらいがある。日本は一人判事枠を持っていて、現在は皇太子妃雅子さんの父、小和田恆氏である。当事国というので今回は外されたので日本の弁護にあたることはできなかった。しかし判事15人中10人が反捕鯨国というのでは勝負はハナから決まっていた。

ブログ子は小和田氏の前任で24年間も判事だった小田滋氏とオランダでゴルフをしたことがある。マーストリヒトのイタリア料理店 での打ち上げで隣だったので少し話をした。判事はそれぞれの国の国益を代表している部分があり純然と法律論だけ戦わしている わけでもないとか国際司法裁判所に来るまでにいくつものハードル(当事国双方の同意など)があり審理件数は少ないことなど だった。最後はヒマでいくらでもゴルフに時間を割けるという笑い話で終わった。

勝訴したとはいえオーストラリアのアボット首相の談話は苦衷がにじみ出ていた。提訴した時は反日で凝り固まった労働党のラッド首相の時である。シーシェパードにオーストラリア国旗を掲げることを許し、高速艇で調査船の周りを走り回って火炎瓶を投げつけるのを黙認していた。

そのころブログ子の山墅に駐日オーストラリア大使館の公使たちがやってきて2、3日寝泊まりしていった。経済担当でオージーワインを何本もふるまってくれたので、どうしてそんなにシーシェパードの肩を持つのか聞いた。ラッド首相も外務大臣も閣僚のほとんどは反捕鯨派でいずれも対日強硬派だと言って首をすくめてみせた。

ところが昨年9月8日オーストラリアで6年ぶりの政権交代が起こった。労働党が大敗し、自由党を中心とする保守連合が政権奪還した。与党の自由党アボット首相は、第二の貿易相手国である日本との経済関係を大事にする政策をとっている。勝訴と聞いても「捕鯨問題は私自身大変憂慮しているが、日本もこの件については我々の立場をよく理解していると思う。豪日関係はとてつもなく重大だ」と述べ、捕鯨問題でこれ以上、日本を追及しない姿勢を強調した。喜び勇んだコメントではなかったのはこうした事情からだ。

北西太平洋で獲れたニタリクジラ

北西太平洋で獲れたニタリクジラ

ところで隣の韓国である。同じくくじらを食べる食文化を持つがこの問題には口を閉ざして知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。そしてKBSのニュースサイトによると、韓国領海内でクジラの数が激増しているとかで、韓国の沿岸で、“偶然に網にかかって”捕獲されたクジラは合わせて年間で2350頭、1日平均6・4頭に上っているという。これは日本の調査捕鯨で捕獲されるクジラのおよそ2倍以上の数字だ。

管理対象の13種類の大型鯨類についてはノルウェー、アイスランドのほか「原住民生存捕鯨枠」によるアメリカ・ロシア・デンマーク(グリーンランド)の北極圏先住民族が継続しているが、韓国はその中にも入らない“偶然に網にかかった”2350頭が潤沢に国内に出回り、すでに日本に輸出しているくらいである。

そういえばブログ子は鯨のベーコンを酒の肴にしていたものだが、遠慮してもう30年は遠ざかっている。どうも日本はバカ正直がすぎるのではないか。欧米はただ油を取るためだけに捕鯨に邁進したが日本では余さず食べている。命を大切にした日本固有の食文化であると叫んでいても訴求力がない。世界はもっと狡猾である。

メンツにこだわる時ではあるまいに

いつも思うことだが韓国人の激する姿にはただ驚かされるばかりである。

旅客船「セウォル号」(6825トン)沈没事故で、朴槿恵大統領が17日、行方不明者の家族が集まる珍島の体育館を訪れたというので、日本の天皇皇后両陛下が被災地を訪れられるときのように、「つらい思いをさせましたね」という慰めの声に、自分を抑えた声で謝意を述べる静謐な光景を想像した。

kor14041721030しかし韓国ではまるで違った。政府の捜索活動が遅れていると不満を持つ家族が大統領に「こんなところにいないで早く対策でも立てろ 」などと罵声を浴びせ詰め寄った。朴氏が説明しようとする間も家族らは大声で不満を延べ大統領は困惑の表情で立ち往生したという。

同じく体育館を訪れた鄭烘原(チョン・ホンウォン)首相はSPともども水をぶっかけられた。

SPともども水をぶっかけられる鄭首相

SPともども水をぶっかけられる鄭首相

この首相は1月、日本の野田前首相が「韓国トップが米欧に行っては、女学生のような『言いつけ外交』で日本を批判している」と述べたのに「政界の主要人物が大韓民国の国家元首に対して無礼極まりない発言をしており、忍耐の限界を感じる」と強く批判した人物だが、「無礼極まる行為」を前にそそくさと逃げ出している。

驚いたのは朴槿恵大統領の反応だ。家族が捜索状況を知らされていないと不満を述べると「真っ先にご家族に知らせなければならないでしょう」とそばにいる担当閣僚を叱責し「最後の1人まで助けるよう最善を尽くす」と約束して会場を立ち去った。およそ一国のトップが取る態度ではない。自分は女帝気取りで、責任は皆部下に押しつけるような人物が人心掌握できるとは思えない。

家族の怒りの向け先も日本とは異質だ。修学旅行を実施した高校の校長が謝まっていると生徒の父兄がこれまた何か叫びながら水をぶっかけているテレビを見た。高校もいわば被害者なのだが、こうなるともう見境がつかない怒りの向け方である。校長も校長で教員を壇上に並べて土下座していた。

この海難事故を前に日本の海上保安庁は事故翌日に韓国の海洋警察庁に救助活動の支援を打診したところ、韓国側は辞退した。防衛省も掃海母艦などの艦艇4隻やダイバーらを佐世保基地(長崎県)や呉基地(広島県)などに待機させていて「要請があった場合には速やかに対応したい」としているが、反応はない。

韓国の海洋警察庁は日本の海上保安庁を模して作られた。ここには特殊救難隊「海猿」がいる。掃海母艦は今回沈んだ船より大型で潜水、救難、救護、搬送(ヘリ)に対応できるすぐれものだ。テレビを見ると一人ずつかごに入れてヘリに釣り上げているし、船内捜索も相当遅い。メンツを捨てて要請してくれたらきっと役立つと思うのだが。

船長は、入社4か月の20代の女性3等航海士に操舵をまかせ休息していて、事故後、機関士や操舵手ら乗員6人とともに最初に救助された。北大西洋で沈んだ「タイタニック号」の船長も、太平洋戦争中沈められた日本の多くの艦長も船とともに運命を共にした。それほどの責任感を持った職責だと思っていたのを一変させたのは2年前、イタリア中部沖合で32人が死亡・行方不明になった大型客船「コスタ・コンコルディア号」の座礁事故だ。乗員乗客を置き去りにして船外に脱出し、沿岸警備隊の「船に戻れ」との指示にも従わなかった。

モラルが以前と一変しているのである。個人も国家も。韓国の理不尽な反日も国内事情からと理解しているが、一つの船舶事故から、こういう国柄と人柄に起因していることを知るのである

メディアまで目をそむけてはならない

アメリカの新聞の電子版を見ていたら今年のピュリツァー賞の受賞者が出ていた。メーンの公益部門では米国家安全保障局(NSA)の情報収集活動の実態を伝えた米紙ワシントン・ポストと英紙ガーディアンが選ばれたのだが、特集写真部門はボストン・マラソン爆弾テロの被害者を撮影したニューヨーク・タイムズのジョシュ・ヘイナー氏の作品が選ばれた。その写真を見て衝撃を受けた。
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死者4人、重軽傷者260人以上を出した昨年のボストン・マラソンを狙ったテロで両足を失った20代のランナーがリハビリする姿や義足をつけてガールフレンドに支えられて社会復帰するまでの10枚の写真で受賞したのだが、その一枚は男性が病院のベッドに仰向けで両手をひろげている。事件から1か月後にリハビリに励んでいるシーンだという。

日本の新聞では一紙として掲載したところはなかった。メディアの中にいたからわかるが、残酷だという理由だ。受賞発表がちょうど事件から1周年という時だったので、ボストンで開かれた式典で旗を持ち行進する警察や消防のパレード、遺族らが現場の路上に花輪をささげる姿をもっぱら紹介していた。参加したバイデン米副大統領は「私たちはテロに屈服することを拒否する。恐怖のため譲歩すること、何かを変えることを拒否する」と訴えたという。

この一枚の写真はテロへの戦いを何より象徴している。事実アメリカでは何紙かが掲載していた。それによるとこの青年はバウマンさんといい、この夏には、子どもが生まれるという。そういうことを知ってもう一度写真を見ると、彼の不屈の精神に感動するのだが、日本のメディアはこの写真を「自主的判断」で葬った。

imagesこの記事のそばにあったニュースだが、爆弾から5メートルの場所で被害に遭いアキレス腱が吹き飛ぶ重傷を負ったピーター・ディマルティーノさんの結婚話が紹介されていた。当時ピーターさんの隣にいて同じく重傷を負ったレベッカ・グレゴリーさんと一周年を前に結婚式を挙げたが、彼女は6月に左足を切断する予定だという。「私たちは幸せです。この1年でひどいことや恐怖も味わいましたが、私たちの関係はとても強くなりました」(レベッカ・グレゴリーさん)というコメントもついていた。

むごたらしいシーン、個人情報に関わる写真、ウクライナのFEMENという、乳房を露わに反プーチンなどのボディーペインティングを書いて走り回る女性の写真では「18禁」のガードが掛けられるなど、報道機関による自主規制が年ごとにひどくなる。配慮が必要なものがあるのは当然だが、こう機械的に一般の目から遮断するのは報道の自滅を意味する。

ブログ子は写真に一瞬は躊躇したが、裏側のストーリーを読んで感動し、「私たちはテロに屈服することを拒否する」という彼らの高らかなメッセージを読み取った。

ものは言いよう、「日本の桜、韓国起源」説

自分のサイトに「さくら」という項目を書いている手前、毎年あちこちの一本桜を訪ね歩いていたが、今年はやめた。近場を渉猟し尽くし、残るは遠方ばかりになって億劫になったためだが、もう一つ、今年は山はまれに見る大雪で、きっと桜は遅いと見ていたのが、豈図らんや例年よりずっと早くなり、用意が整わぬうちに満開になったことがある。

s_s21_RTR3K0ZS用事で通りかかった千鳥ヶ淵の満開をみて、今年はじめて開放された皇居「乾門の通り抜け」に馳せ参じたが大勢集まりすぎたと予定時間より早く閉門されて機会を失った。日本人がこの季節、こころを一つに桜に寄せる愛情につくづくいい国柄だと思う。

ところが、毎年韓国からは「日本の桜は韓国起源」説なるものが流されてくる。日本人の多くは、例えそうであっても一向に構わないと思うところだが、その執拗さに辟易する。済州島にその原木なるものがあるとかで、みた人によると明らかにソメイヨシノ(染井吉野)だという。

これで明らかに出鱈目だということがわかる。染井村(現在の駒込あたり)の植木屋が名所として名高い大和の吉野山にあやかって「吉野」「吉野桜」として売り出した。その後、植物学者の調査でヤマザクラとは異なる種の桜であることが分かり(1900年)、この名称では吉野山に多いヤマザクラと混同される恐れがあるため、「日本園芸雑誌」で染井村の名を取り「染井吉野」と命名した。 葉より先に花が咲くのと成長が早いのが重宝され、一気に広まったものだ。ソメイヨシノは不稔性ですべてクローンだから済州島に原木があるはずがないのである。

韓国人はなぜこうもこだわるのか。ネットである中国人が韓国で聞いた桜の生い立ちという話でなるほど、と思った。己が屈折した日本人へのコンプレックスの裏返しで、自分を納得させるために作り上げたものなのだ。

2014年4月15日、韓国を旅行した中国人韓国客が、桜について現地で聞いた情報をもとにブログをつづっている。以下はその概要。

人々は日本を桜の国と称えるが、韓国の桜も美しいと勧められ、今春は韓国を訪れることにした。聞くところによると、日本の桜は韓国から伝わったものだという。日本に伝わる前、韓国の桜の数はそれほど多くはなかった。1918~1948年、日本は韓国を占領し、大量の桜の木を植えたことで、韓国でも至る所で桜が見られるようになったという。

1948年に独立して以降、韓国人たちにとって桜は憎悪の対象で、植物界の侵入者・植民者と見ていた。しかし、韓国の学者が、日本の桜は韓国から伝わったものだと発表した。日本の桜が韓国から伝わったならば、日本人が韓国で植えた桜は韓国の桜の子孫だということになり、拒絶する理由はなくなる。そこで、韓国人は桜に対する態度を改め、次第に受け入れて行くようになったのだという。

現在、韓国にもたくさんの桜の木が存在し、毎年、ソウルや釜山、済州島などで各種のイベントが行われる。人々は桜を愛で、歌や踊りをし、酒を飲み、伝統的なお菓子を食べてにぎやかに過ごす。韓国の桜は多くが薄ピンク色(ソメイヨシノ)だ。(Record China)

関係修復のため日韓の外務省高官会議が始まった。ありもしない従軍慰安婦を押し付け、条約で解決済みの戦時賠償も裁判所と一緒に平気で蒸し返し、間違いだらけの歴史認識を押し付けるのだろう。ソメイヨシノと同じで己が歴史の自己撞着から抜け出す方が先なのに。やれやれ難儀な国である。

子どもの入学式が後生大事な時代

埼玉県西部の県立高校で50代の女性教諭が長男が通う別の高校の入学式に出席するため、担任を務める1年生の入学式(8日)を欠席していたことが分かった。新入生の保護者らは「今の教員は教え子より息子の入学式が大切なのか」と困惑している。
県教育局によると、県内の県立高校では、ほかに男女3人の担任教諭が子息の入学式出席を理由に休暇届を提出し、勤務先の入学式を欠席した。

これに対し、この入学式に来賓として出席した江野幸一県議は「担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか。校長の管理責任も問われる」と憤慨しており、県教育局は「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」としているが、県教委では、欠席した女性教諭や校長らの処分などは検討していないという。
(埼玉新聞)

この高校では入学式の担任紹介の中で校長が女性教諭の欠席理由を説明、女性教諭は「入学式という大切な日に担任として皆さんに会うことができないことをおわびします」という文章を事前に作成し、当日、別の教諭が生徒らに配ったという。

ネットでは
「本当に怒り心頭です。 教員の責任感や倫理観、モラルとはどうなっているのでしょうか?」
「こんな程度の人格の教員は、生徒を指導する資格など無く、即刻担任を外すべきでだ」
「権利ばかり言う教員はいらない」
「教員は、教育という一番大事な事柄を担っているということを自覚してもらいたい」

と批判する声が殺到した一方で、『Twitter』などでは
「教え子より自分の子が大事なのは当たり前」
「教師を聖職として特別視しすぎている」
と、教諭の行動は問題ないとする意見も多数ある。

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いつから日本の親はかくも己の子どもの入学式や卒業式を大事にするようになったのか。同じ頃(11日)、東京大学の入学式が東京・千代田区の日本武道館で行われ、3158人の新入生の他、多数の保護者が出席した。写真を見ると2、3階席は父兄でいっぱいである。誰も数えていないがみたところ子どもの2倍は優に超えている。

式では、教養学部の石井学部長が研究論文でのコピー&ペーストの問題にふれ、新入生に「自分だけの言葉を鍛えあげてほしい」と述べ、「他者の思考の模倣にならないために、ひたすら本を読むこと」と読書の重要性を訴えたそうだ。まるで幼児に心得を説くあんばいだ。自分でものを考え、書き、本を読まないような輩は学生ではない。

ブログ子が振り返ってみても小、中、高、大の入学式、卒業式に親が来たことは一度もない。両親どちらかがいつも入院していたので毎度枕頭に報告に行くだけという事情や、私立の小中だったので上に行くのは当たり前で親子とも別に嬉しくもなかった。高校の入学式はまた親は病院で、卒業式は入試とかち合う頃なので卒業生自体出席が少なかった。大学は遠く札幌に行ったので、はなから期待しなかった。自分の事情ばかりでなく、周りをみても親の姿はパラパラだった。

近頃「子離れ」できない親が増えたのは、子どもに過大な期待をかけすぎる風潮と関係しているのだろう。自分ができなかったことを子どもに期待するのは土台無理というものなのに、それをわきまえない親が増えた。加えて親も子も、学校、大学さえも幼稚化してきた。

かくいう私も娘二人の入学・卒業式には出なかったが家内はせっせと出席した。孫娘3人の入学式(卒業式はまだない)には誘われなかったので出なかったが、声が掛かれば馳せ参じたであろうから偉そうなことはいえないのだが、少なくともこの教師の前では「仰げば尊し」を歌う気にはなれない。「公」「私」の判断力がはなから逆転していて、愚かさを恬として恥じていない。

毎度書いていることだが教師と言うのは「聖職」である。ブログ子の小学校の先生は黒板に楷書で正方形に字を書いた。お陰で教え子は今も皆楷書で字を書いている。それほど影響力がある。先生には。

立身出世を煽るということなのか、日教組の指導あってか近頃「仰げば尊し」はとんと聞かれなくなった。中でも2番の歌詞は歌われることがないが、こうである。

2. 互(たがい)に睦(むつみ)し 日ごろの恩
  別(わか)るる後(のち)にも やよ 忘るな
  身を立て 名をあげ やよ 励めよ
  今こそ 別れめ いざさらば