パン助黙れ!

塩村文夏・都議

塩村文夏・都議

東京都議会の一般質問で、妊娠や出産に関する都の支援政策を尋ねたみんなの党の塩村文夏(あやか)都議(35)に「早く結婚しろ」「産めないのか」とのやじが飛んだ一件。ブログ子は表題の国会における女性蔑視ヤジの嚆矢とされる話を思い出した。たた今では少し解説しないとわからないだろうからそれはあとにする。

塩村都議は報道陣に「悩みがある女性に、否定するようなやじが相次ぎ、皆さんで笑っていた。質問を進めていくうちに、とても悲しい気持ちになった」と語った。塩村都議は放送作家として活動、昨年6月の都議選で初当選した。日本テレビのバラエティー番組「恋のから騒ぎ」に出演したこともあった。

やじの声は複数の男性で、自民党の都議が座る席の付近から上がったという。自民党都議の程度の悪さは以前からで、選挙の時だけ米搗きバッタのように平身低頭するくせに、中に入ると公費の外遊で遊びまわり、提出するレポートは旅行代理店に代筆させている輩が多い。議会は録画されているから発言者を早く特定して、公表すればいい。ただ都議会第一党なのでなんやかや言って先延ばしするだろうから、メディアが洗い出して氏名を公表すれば良いのだ。
 
パン助黙れ!」の方だが、これを即座に思い出すとは、お年がわかろうというものだが、ブログ子の同年輩でも知る人は少なかろうと思う。この発言者は自由党で当選5回(大阪1区)の有田二郎で、その娘と大阪の私立中学校で同級生だった。当時読んだ多くの全集は大抵彼女から借りたもので、その恩義から知っている。

有田二郎の父親は、「有田ドラッグ商会」の経営者、有田音松で、当時ペニシリンなど有効な治療薬がなかった時代新聞広告で「ばい毒」「りん病」などと大きく書き込んだ脇に、「欧米医科大学 帝国大学にて調合」などと、あたかも権威ある医学研究機関によって開発されたかのように記載した性病薬で巨万の富を得た。

1953年の国会予算審議では、有田二郎は右派社会党の堤ツルヨ議員から「断末魔の自由党」と野次られたのに対して「パン助黙れ」と応え、女性蔑視の暴言として問題になった。翌年造船疑獄の発覚から衆議院本会議で逮捕許諾決議が可決されて逮捕された。裁判では有罪が確定、それがために総選挙で落選、再起をはかったがそのまま消えた。、当時も政治に自浄能力はあったのである。

つぎに「パン助」の解説をしないといけないだろう。「パンパン」は語源については諸説あるが、戦後、占領で日本にきた進駐軍兵士(G.I.)を相手に街頭に現れた私娼のことで、これに対し特定の相手(主に上級将校)のみと愛人契約を結んで売春関係にあったものは「オンリー」と呼んだ。彼女たちが耳から入った英語でしゃべるのを「パングリッシュ」、結婚して渡米する者を「戦争花嫁」など、多くの派生語がある。

余談だがゴルフの全米プロがオハイオ州のインバーネスCCで開かれた時(日本からは尾崎直道が出場)、ブログ子は観戦に出かけていたが、飛行場からホテルまでバスガイドをつとめてくれた方がこの「戦争花嫁」だった。日本から来ている企業の奥様方とは交流がない、と話すのを聞いて、戦争花嫁が置かれている微妙な立場を理解した。

台湾への中国の武力侵攻はない

tokyo_front特別展「台北 故宮博物院 – 神品至宝 -」が6月24日から9月15日まで東京国立博物館 平成館特別展示室で開かれる。その特別紙面を見ていたら「産経新聞、フジテレビジョン主催」とあるので、李登輝総統以来築いてきた信頼関係故かと思ったのだが、朝日新聞をみると「本社主催」とある、あれれと改めて各紙の電子版をみたらなんと東京国立博物館、台北・故宮博物院、のあとに産経、NHK、、読売、フジテレビ、朝日、毎日、東京・・・と主催社の名前が続いていた。メディアこぞっての主催相乗りである。

相乗りでも構わないが、これは大変な企画で実現まで相当な政治的駆け引きがあったと思う。馬英九総統夫人の周美青氏がこの特別展のために訪日するという。こうした大規模な公的行事で台湾の総統夫人が訪日するのは、1972年の日台断交後初めてだ。

北京の故宮博物院

北京の故宮博物院

10数年前になるが、北京の故宮博物院を訪れた。5月というのに真夏の気候で汗みどろになって紫禁城に行ったのだが、半分ほど回ったところで「これでは中国政府の台湾侵攻はないな」と直感した。ろくなものがないのである。残っているのはオーストリア皇帝から贈られたという置き時計などばかりである。置き時計と言っても民家の2階建はいうにある巨大なものである。蒋介石の国民党も重くてかさばるので捨てていったと見える。ガイドにもっと他に収蔵庫でもあるのかと効いてみたが口を濁すばかりだった。

台北の故宮博物院

台北の故宮博物院

北京と台北の2個所に同じ「故宮博物院」を名乗る博物館があるのを見てもわかるように、歴史に翻弄されてきた。清朝の乾隆帝など歴代皇帝が集めた美術品は膨大な量にのぼる。1925年、清朝最後の皇帝・溥儀が退去した北京の紫禁城に故宮博物院が誕生したものの、華北をめぐって日中関係が緊迫すると合計19,557箱もの文物は当時の中華民国の首都・南京に一旦落ち着いたものの、全面的な日中戦争に発展した1937年、今度は四川省など内陸の奥地へ疎開。終戦後の1947年に南京に戻ったのも束の間、今度は国共内戦のため、蒋介石の国民党軍が船でほぼすべてを台湾へ持ち去った。1965年台北市郊外に建設された「故宮博物院」で展示されるようになったが常時展示を変えているもののすべてを展示替えするまでに10年はかかるという量だ。

北京の中共政権は取り戻したいが、武力侵攻でもすると貴重な民族の至宝は失われる。当然政治的に内部から切り崩し、いわば平和的に取り戻す策を取るしかない。ブログ子が紫禁城で「中国政府の台湾侵攻はない」とみたのはこのためである。

台湾は蒋介石が連れてきた数%の国民党員による「外省人」が90%の「内省人」を支配している。一時国民党ながら「内省人」の李登輝総統が政権についたこともあるが、現在は大陸親交の立場を取る馬英九総統になり、中共政権は刻々と台湾を手中にしつつあるのは衆知の通りである。

台北の「故宮博物院」の昨年の来場者数は450万人。大陸から訪れる人はその半数近くになるという。その財宝の一部が今回東京国立博物館に来る。翡翠の緑と白をうまく使って白菜に取りついたキリギリスとイナゴを表現した作品「翠玉白菜」が有名だが、これも含めて中華街の飯店の入り口などに見かける、サンゴを切り貼りして描いた牡丹といい、中国人の美意識にはかねて首をかしげるところがある。やはり書と陶器に惹かれる。行ってみたいと思っている。

北朝鮮潜水艦のオンボロ度

北朝鮮国営の朝鮮中央放送は16日午前6時の定時ニュースのトップで金正恩第1書記が朝鮮人民軍海軍第167軍部隊を視察したと伝え、その模様を伝える写真を配信した。大将の前線視察で士気を鼓舞する狙いだが、同時に北朝鮮の潜水艦部隊が置かれているお粗末な現状を世界に暴露することにもなった。

少し前のこのブログ「日中もし戦わば」で日本の潜水艦隊育ての父と言われる海将から軍事知識を教えられたことを紹介した。昔なら連合艦隊司令長官にあたる横須賀艦隊指令や防衛庁の防衛課長を務めた方である。以来日本が圧倒的能力を持ち続けている潜水艦の建造能力や乗組員の優れた聴力による索敵能力の高さは理解している。

そこで金正恩第1書記が視察したという写真を見ると、これは珍しいロメオ型潜水艦である。旧ソ連で作られその後中国でも100隻建造された主力潜水艦だがいまではすべて退役している代物だ。北朝鮮では、1973年に2隻を中国から取得し、1995年までに24隻を国内で建造したとされる。

北朝鮮のおんぼろロメオ級潜水艦

北朝鮮のおんぼろロメオ級潜水艦。今では北朝鮮とエジプトにしかない。


捨て去られた理由はまず騒音の大きいディーゼルエンジンで航走するのですぐ策敵されてしまう。いざ会敵の際は急速潜航して待ち伏せ攻撃を行なうのだが、潜航能力は低く潜航時の航続距離はせいぜい10~20海里、最大潜航可能時間は約半日程度であり、ソナーから逃れても空気補充時にレーダーで必ず探知されてしまう。

先日オーストラリア海軍が日本の「そうりゅう」型潜水艦を導入したがっていることを紹介したが、「そうりゅう」はステルス性能を持ち、その上2週間潜行したままである。現代ではロメオ型潜水艦は世界のどこの船とも対抗できないレベルなのである。ものの本には、潜水艦というより「可潜艦」と揶揄されているほどだ。

この日の視察では軍港の近くを一周りして帰港したようだが、遠出しなかったのは中国に止められて深刻と伝えられる燃料不足のせいか。潜水もしなかった(艦上は乾いて潜水の形跡がない)ようだが、これなど1985年2月に潜行したまま1隻が浮上しなかった事故の二の舞いを恐れたか。

Z20140616TTREU02196G3000000艦内の写真では潜望鏡をみる金正恩第一書記というのも公開されているが、光学式の恐ろしく時代物である。何よりハッチに上がってあたりを睥睨する写真では、ハッチの周りが錆びだらけである。大将が乗るからには一番いい船を出したのだろうが、それがこの程度では乗員の保守能力の程度もわかるというものだ。

海幕ではとっくにそのくらいは把握しているだろうが、ブログ子の浅学非才の軍事知識を持ってしてもやれやれ安心だわい、日朝政府間協議が1年4カ月ぶりに再開する見通しだが、拉致問題以外でも日本側はもっと強気で交渉するべきだと思った次第。

W杯に見る日韓の民度

16日、サッカーのブラジルワールドカップグループリーグ初戦で、日本はコートジボワールに逆転負けを喫したが、試合後の日本サポーターの振る舞いに中国ネットユーザーから称賛の声が上がっているという。その後地元ブラジルはじめ英国、香港などの新聞でも写真付きで驚きの日本人の行動として取り上げられている。

敗戦後スタジアムを掃除する日本人サポーター

敗戦後スタジアムを掃除する日本人サポーター(画像クリックで拡大)

16日付けの中国のスポーツ紙「鳳凰体育」によると、14日に行われたサッカーのブラジルワールドカップ(W杯)グループリーグ初戦で、日本はコートジボワールに逆転負けを喫したが、試合後の日本サポーターの行動が写真付きで伝えられている。

記事は、日本を訪れた多くの人が、この国は清潔だと感嘆する。そして、その精神は日本サポーターによってブラジルW杯のスタジアムに持ち込まれた。日本がコートジボワールとの戦いに敗れた後、日本のサポーターは会場のごみを拾い集めてから会場を後にした。最初はごみ袋を手にした日本人をいぶかしがっていたスタジアムの人たちも、これを見て称賛の声をあげた。

中国版ツイッターには、以下のようなコメントが寄せられている。

「日本人はすごい!」
「この民族には本当に敬服させられる」
「素養の高い民族だ。われわれは学ばなければならない」

「傲慢な中国人はこんなことできやしない」
「負けて気持ちが落ち込んでいる時に掃除なんて、おれはしたことないよ」
「だから日本は世界から尊敬されるんだよ」

「日本人の素養の高さはもはや語り尽くされている」
「こういう報道があるたびに、私は(中国を思って)絶望する」
「日本人を見てから中国国民を見ると、本当に泣きたい気持ちになる」
「試合に負けても品位では負けない。すごい」

「韓国チームが勝利するよりハッピー」な韓国サポーター

「韓国チームが勝利するよりハッピー」な韓国サポーター

同じ中国のスポーツ紙「網易体育」は、サッカーW杯初戦で日本が敗れたことについて、韓国のサッカーファンが「日本の敗戦は韓国チームが勝利するよりハッピー」などとネット上にコメントを書き込んでいると伝えた。

「網易体育」によると、韓国のスポーツメディアは、日本代表のグループリーグ突破の可能性について、「スタートダッシュに失敗した日本に赤信号がともった」などと伝えた。またネット上には 「歴史を認めない国に未来はない。サッカーも同じこと」「日本が敗れたことで、韓国チームはプレッシャーを感じずにプレーできる」などの書き込みがみられた。

中国のネットでは天安門事件など政治的なテーマは即座に検閲で削除されるが、スポーツなどではほぼフリー。基本的には韓国寄りだが、時にはこうした「公平」なものの見方も垣間見える。一方、韓国では自主検閲があるかのようにあらゆる書き込みは反日でないと夜も明けない。

朴槿恵大統領が次期首相候補に指名した韓国紙、中央日報顧問の文昌克氏が、日本による朝鮮半島の植民地支配と南北分断を「神の意思だ」と話していたというので、大騒ぎになっている。 「怠け者で自立心が足りず、他人の世話になることが、わが民族のDNA」とも発言したそうで、ブログ子など正論をいう人がいるもんだと驚くのだが、本人は毎日弁明に追われているのを見ると、まあ度し難い国ではある。

日本を「戦争の後始末屋」にしてはならない

安倍晋三首相は14日、集団的自衛権の行使を認めるケースに関し、シーレーン(海上交通路)での機雷除去も含めるべきだとの考えを明らかにした。視察先の鳥取県境港市で述べたもので記者団に「機雷掃海もしっかりと視野に入れて議論していきたい」と明言。「日本はなすべきことをやらなければならない。しっかりと正面から向き合っていく必要がある」と語った。

自民党はこれにより、機雷除去や強制的な船舶検査も可能になるとの立場なのに対し、公明党は行使を一部認める方針に転じたものの、従来の政府の憲法解釈との整合性を重視して、日本周辺有事の際の米艦船防護にとどめたい意向。

集団的自衛権の拡大解釈で「戦争への道を歩むもの」という野党や朝日新聞の主張に沿うようだが、ブログ子は「ちょっと待てよ」と思う。自衛隊に手枷足枷をかけ、重箱の隅をつつくかのような現在の議論は馬鹿げていると思うし、フリーハンドで世界の平和に積極的に貢献したいという安倍首相の思いは理解するが、日本の善意がすんなりと通るような世界ではない。

例えば中国における遺棄化学兵器廃棄処理事業だ。元はといえば村山富市政権下で自民党の河野洋平外相が「化学兵器に日本製もソ連製も違いはない。中国製もまとめて責任を持って処理する」と言い切って始まった。

旧日本軍が対ソ戦に備えて、満洲( 中国東北部 )に持ち込んだ化学兵器の未処理分のことを指すが、 塵爛剤( マスタード )など6種の化学剤を装填した未処理分の兵器は、その9割が北朝鮮に近い満洲・吉林省ハルバ嶺に埋まっていると見られ、遺棄砲弾数は日本側が70万発と推定した。日本が遺棄したものなら仕方がないと当時の政権は考えたようだが、この化学兵器は大半が日本製でない上、日本製のものも国際法上は日本に処理義務はない。中国側に引き渡したものだから、本来中国がやらなければいけないことを日本の河野洋平外相がたやすく処理をかって出たものだ。

ところが中国は新しい日本からのODA、つまり金づると見た。 1999年7月、日中間で覚書が取り交わされ、「 日本側が必要な資金や技術などを提供し、中国側が協力を行う 」との項目を盾に多くの要求をしてきた。その後の日本側の調査で砲弾数は30万発から多くて40万発としたのに対し中国側が示した数は処理砲弾なんと200万発。自国の化学兵器の処理もおっかぶせてきたのだ。さらに施設建設に伴う森林伐採ではタダ同然の白樺1本に200ドルと計算、要員宿舎はプール付きの豪華版と要求してきた。、

まともに初年度経費だけで861億円もの大金が支払われた上今後も中国側の要求通りにすると10年間は垂れ流しで総額1兆円を超える事業である。あまりの難題にとうとう日本側も事業の凍結をしている段階だが、ことほどさように中国は狡猾である。従軍慰安婦問題で禍根を残した河野談話の主はここでもろくでもない過ちをしでかしているのだ。

日本の掃海艇。世界から評価されている。

日本の掃海艇は世界から評価されている。

安倍首相が言う機雷除去にしても確かに海上自衛隊の処理能力は高く評価されている。我が国初めての海外派遣先であったペルシャ湾には、500トン前後の小さな木造の掃海艇4隻(補給艦、掃海母艦を加えて計6隻)で赴いた。掃海艇が木造なのは機雷の除去には磁気がご法度だからで日本の船大工の技が生かされているが、迎えた他国の艦隊はこれで「1万3000キロもの航海をしてペルシャ湾まで来たのか」と驚いたが、次に掃海技術の高さに驚いたという。

コマツが開発した地雷処理機

コマツが開発した地雷処理機

対人地雷の問題でも日本は民間団体を中心に世界中で処理をかって出ている。陸上自衛隊は対人地雷禁止条約に従い、2003年2月までに処理訓練用のものを除く対人地雷を廃棄した。しかしアフガニスタン、南スーダン、カンボジア、スリランカ・・・世界中には紛争や戦争で何百万個という対人地雷がばら撒かれていて毎日死者と足を吹き飛ばされる者が続出している。日本はブルドーザーを改良した地雷処理車両などきめ細かい対応で貢献している。

機雷掃海、地雷、化学兵器処理などはいずれも戦争後の当事国が処理すべきことを日本が善意でかって出ている。集団的自衛権で小田原評定のようなことを繰り返しているのは、強盗が入ってきているのに縄を綯っているかの如き平和ボケである。そこにまた他国の尻拭いに励む日本でいいのだろうか。

どこから湧いてきたのか日本のサッカーファン

ワールドカップブラジル大会【日本-コートジボワール戦】をみた。ブログ子が見るとたいてい負けるので新聞で見ることにしているのだが、テレビのスイッチをつけてすぐ本田のゴールがあって引き釣りこまれたが、ジンクスどおり1-2のまま終了 日本は逆転負けで初戦を飾れなかった。ひところの日本チームはいつ見ても横パスばかりで強豪国のような怒涛の攻撃が見られなかったものだが、今ではかなり良くなっていると思う。

ブラジルまで押しかけた日本人サポーター。そのかず7000人。

ブラジルまで押しかけた日本人サポーター。そのかず7000人。

このブログを書いているときはまだ視聴率が出ていないが、日曜日の午前10時、CM抜きのNHKとあれば40%くらい行ったのではないかと思う。渋谷の駅前は人で溢れていたし、テレビはどこのチャンネルからも各地のパブリックビューイングからのニッポンコールが届けられていた。いつからこんなに日本はサッカーファンが増えたのだろうと不思議でならない。

(関東地区が前半42・6%、後半46・6%だった。瞬間最高視聴率は、後半に日本の選手が交代した直後のの50・8%だった。)

ワールドカップ・イタリア大会(1990)の時、オランダ最南端の古都マーストリヒトにいた。日本にプロサッカーチームが誕生する前で、日本は出場してなかったので、開催されていることも知らなかった。家内が作陶した大きな壺がKLMオランダ航空本社の入り口に飾られていた縁で、同社の幹部から「めったにない機会だよ。イタリアまでの航空券と入場券をこちら用意するから見に行ったらどうか」と勧められたが断った。

町を散歩したら、おりから試合中継中で、パトカーの警官まで店先にクルマを止めてテレビ観戦していた。平坦なオランダには珍しく坂のある町で、テレビも見ずに観光にあえいでいる日本人をみたパブの若者たちが、店の中に誘ってくれた。上半身裸で腹にオランダ国旗を巻きつけたのが、「いま、オランダが勝っている。ビールをおごるよ」といってくれた。ところが、ありがたくご馳走になっているうちに同点に追いつかれた。みるみる連中は不機嫌な顔つきになってきた。さあ困ったことになった。ここは「ダッチカウント」(割り勘)という英語にいまも名をとどめる国である。ご馳走になったものか、払ったものか、悩みに悩むこととなった。おしまいまでいて殴られるよりよかろうと判断して、大きな声で「ごちそうさま」というと飛び出した。

今大会開幕戦はそのオランダと前回の優勝国スペインだった。5-1という大勝である。あの時と同じ光景が繰り広げられているのだろう、ビールを5杯は奢ってくれたろうと、小さな古都の往時が偲ばれた。

外務省によると大会期間中、7000人を超える日本人がブラジルへ観戦に訪れるという。ハワイ観光などと違って丸一日飛行機に乗っているような遠隔地でこの人波である。日本人サポーターはどこからこんなにたくさん「湧いて」きたのかとイタリア大会当時との隔世の感にひたるのである。

予兆はあった。このころ日本人はプロ野球と高校野球に熱中していた。ブログ子は野球王国静岡で新聞社の支局長を務めたことがある。日曜日にはリトル野球の大会で賞状授与に駆り出されることが多かった。新聞社から賞を出している手前できるだけ顔をだすのだが、野球王国にしてすでにサッカー大会の方が多くなっていて、3:2くらいだった。

このころ開校準備をしていた私立高校の開設準備委員が呑み屋で「静岡で生徒が集まらなくて関西のリトルまで声をかけている」と言っていた。高校野球をダメにしたのはこうした”営業方針”を隠さない野球学校とオラが町の代表という人気で支えられていたことを忘れた朝日・毎日新聞である。プロ野球をダメにしたのは、つぎつぎと大リーグに選手を持って行かれているのに為す術がないコミッショナーである。

サッカーはどんどん地元密着型に衣替えしている。サッカーと野球の格差はこうして広がるばかりである。ちなみにサッカーと言っているのはアメリカと日本だけであとの国は「フットボール」でないと通じない。

ダルマさんが転んだ

14日の朝刊各紙にあるように 集団的自衛権をめぐって、公明党の山口那津男代表や北側一雄副代表ら一部幹部は、連立内対立を先鋭化させないため、72年見解に沿って集団的自衛権行使を認めざるを得ないとの認識で一致した。

かねて予想されたとおり、公明党は「転んだ」のである。ブログ子はあまりにも度々書いてどこに書いたのかにわかには思い出せないほどだが、「公明党は折れてくる。一度政権与党の蜜の味を知ったものは連立離脱の度胸などない」と書いてきた。案の定「ダルマさんは転んだ」のである。

ダルマさんが転んだ。強気の安倍首相の押しに屈した山口公明党代表

ダルマさんが転んだ。強気の安倍首相の押しに屈した山口公明党代表

公明党の選択を批判する気はない。「下駄の雪」と言われようがどうしようが連立離脱で政局を混乱させるよりはるかに得策だからである。朝日・毎日などを見ていると。「アメリカと一緒に戦争をやろうとしている」(大江健三郎)、「日本が戦争の過ちを認めたひとつの形が憲法。なぜそれを手放すのか。周りに攻撃的になるのは末期症状にみえる」(香山リカ)と集団的自衛権は若者を戦場へ送るもの、という論調のオンパレードである。

この人達に問いたい。中国軍機が自衛隊偵察機に30メートルに接近、ロックオン(照準固定)するという、戦闘行動と同じ暴挙をしてくるのに、黙って耐えるしかない自衛隊員にただひたすら「平和」の祈りを唱えよというのだろうか。平和憲法が大事で9条を死守したいなら、新憲法に残す運動をすればいいのである。ブログ子も高らかに理想を掲げる憲法条文は好きなところがある。ただ主語もはっきりしない直訳調を改めて、日本人が書き下ろした憲法が欲しいと思う。

公明党は利害得失を考えて、自民党の高村正彦副総裁が13日、集団的自衛権の行使容認について現行の「自衛権発動3要件」に代わる新3要件の私案を示したのに「渡りに船」とばかりに飛び乗っただけである。

新3要件は自衛権の発動を(1)わが国または他国に対する武力攻撃が発生し、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがある(2)他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどまる-という場合に限定する。

集団的自衛権を行使できるよう、従来の自衛権発動要件を他国への武力行使に広げつつ、公明党が行使容認の根拠に据える昭和47年の政府見解を引用。「国民の生命などが根底から覆されるおそれ」と厳しい歯止めをかけた。

これを呑むしかないと公明党は見たわけだが、追い詰められたのは維新分党騒ぎのあたりからで、石原慎太郎共同代表(当時)が集団的自衛権に慎重な公明党について「これまで自民党に対しては公明党がいつかは足手まといになると言い続けてきたが、その通りになった。あんないいかげんな政党はない」と切り捨てるとともに「自民党と公明党が袂(たもと)を分かつきっかけにしたい」とあからさまに自公にくさびを打ち込む宣言をした。これに賛同して「下駄の雪捨てるべし」論が自民党内でも大きくなった。

ブログ子はその前に流された政教分離論が効いたと見る。飯島勲内閣官房参与が10日、米ワシントンでの講演で、公明党と同党の支持母体である創価学会の関係が、憲法の「政教分離原則」に反しないとしてきた従来の政府見解が変更される可能性に言及したのだ。
 
飯島氏は集団的自衛権をめぐる憲法解釈の変更について述べたうえで、「公明党と創価学会の関係は、政教一致と騒がれてきたが、内閣法制局の発言の積み重ねで政教分離ということになっている。しかし、法制局の発言・答弁が一気に変われば、『政教一致』が出てきてもおかしくない」と述べた。

飯島氏はそのうえで、「(自民党と公明党が)そういうことがない状態で着地点を見いだせば、きちんと収まるだろう」とも語った。(産経)

恐るべし飯島参与。公明党はその言葉通り「きちんと」転んだ。まずは祝着至極である。

外来語が多すぎる

公共放送のNHKが「コンシェルジュ」「ファンド」「コラボ」といった外来語を番組で多用し、精神的苦痛を受けたとして、岐阜県の男性がNHKを相手取り、慰謝料141万円を求めた訴訟の判決が12日、名古屋地裁であった。斎藤清文裁判長は男性の請求を棄却した。

TKY201309030664原告の高橋鵬二さん(72)は、外来語が多用されている状況に危機感を抱き、「日本語を大切にする会」を立ち上げている。今回の訴訟で高橋さんは、「公共性の強いNHKは、視聴者の大部分が容易に理解できる言葉で番組を作る義務がある」と主張。NHKは必要がない場合でも外国語が乱用されていると主張。例として「リスク」「ケア」「トラブル」「コンシェルジュ」などを挙げ「不必要な精神的苦痛を与える」として、民法709条の不法行為に当たるとして、精神的苦痛に対する慰謝料を求めていた。地裁は「140万円を超える請求」を求める訴訟を扱うとされており、高橋さんは、あえて慰謝料を141万円とした。

これに対しNHKは、「外来語の乱用はないと考えている」としたうえで、「番組を視聴して不快感を抱いたという程度では、法的に保護されるほどの権利侵害とは言えない」と反論していた

◇ ◇ ◇

裁判には負けたが高橋さんの気持ちはよく分かる。このところ地裁段階でエっという判決が続出しているから、名古屋地裁以外あちこちで同種の訴えを出したらわかってくれる裁判長が何人か出てくるのではないか。それほど一般には共感を呼ぶ問題である。

NHKばかりでなく新聞もやたら外来語を氾濫させている元凶であるので責任の一端は自覚する。このブログでも少し前「韓国人のディベート術」と使ったばかりで、これなど「討論術」とか何か言い換えができたかもしれない。新聞社では昔新人記者に「中学生でもわかる言葉で書け」と教育した。いま若い記者に限ってカタカナ語を乱発するきらいがある。なにか知的でかっこいいとでも思っているのかもしれない。実際は逆できちんとした日本語が知的でかっこいいのだが。

政治家も責任がある。やたら「アジェンダ」を連発していたみんなの党の渡辺喜美代表は「政党公約」とでもしておけばよかったのに、8億円の「熊手」が命取りになり「アジェンダ」が普及する前に分党に見舞われた。民主党は「マニュフェスト」を盛んに使ったが「時期と予算を具体化した政権公約」は何一つ実現しないままバラバラになった。

「コンシェルジュ」というのにはじめてブログ子が出会ったのはスイス旅行の途次チューリッヒのホテルだが、ベルンで列車を乗り換えてユングフラウヨッホでこの登山列車に乗り、遊覧船でここまで行って列車で夕方またこのホテルに戻って来い、と詳細なメモを書いてくれたので便利な「接客案内係」がいるものだと感心した。

「コンプライアンス」など役人が盛んに使うがそう言うのに限って「法令遵守」ができていないでしょっちゅう不祥事が絶えない。ここまで書いたところでお気づきだろうが難しいカタカナ語など使わなくとも、言い換えがきく日本語は十分に用意されているのである。

この国名のうち3つが日本語

この国名のうち3つが日本語

我が国の先人たちは渡来した漢字に加えて、発明したひらかな、カタカナを駆使して作り上げてきた「漢字かな交じり表記」は、日本独特の文化を形成してきた。加えて「造語」の才をいかんなく発揮した。共産主義、社会主義に関する中国の書物は、ほぼ日本で出版されたものの翻訳である。共産主義、労働者、資本家、哲学、美術、文化、芸術等々。現在中国が使用している約1,400語といわれる日本の造語なくして、現代中国の社会科学系の本の出版は勿論のこと、学問の進歩もあり得なかったのである。中国人は信じないかもしれないが、国名の「中華人民共和国」のうち「人民」、「共和」、「国」の3つまでもが日本語なのである。少しは日本に感謝しても良さそうなものだが、毎日伝えられるのは感謝どころか恫喝ばかりである。

造語の才を発揮しすぎて、日本人にしか通用しない言葉もある。「パソコン」や「ノートパソコン」は、「ラップトップコンピュータ」だが、新聞や企業等のHPで見かけるのは和製英語の方ばかりである。「ハンバーグ」も正しくは「ハンバーガーステーキ」だがとんと見かけない。野球は正岡子規が発明した言葉だが、四球、デッドボール、フォアボール、オープン戦・・・今や日本人にしか通じないがこれで十分機能している。

大抵のカタカナ語には豊富な日本語でほぼすべてが言い換えがきくことをもうすこし認識すべきだろう。そうそう「認識」も日本人の発明である。

日中もし戦わば

中国のSu27戦闘機

中国のSu27戦闘機

東シナ海の公海上空で11日午前11時ごろと正午ごろの2回に、航空自衛隊のYS11EB電子情報収集機と海上自衛隊のOP3C画像情報収集機が中国軍のSu27戦闘機2機の異常接近を受けた。30~45メートルまで接近した。中国軍機の異常接近を公表したのは5月24日以来2回目で、政府は外交ルートを通じて中国側に厳重抗議した。

前回の中国国防省報道官の弁明は「日本の自衛隊機が10回余り中国空軍機に長時間接近、監視し、危険な接近で正常な活動を妨げた」というものである。呆れた物言いをする国もあるもので、世界の笑いものになっているが、今回もこの手のウソで口を拭うのだろう。日本側の2機は低速で偵察業務をする必要からプロペラ機である。スホーイ27はソ連時代に供与を受けた高速のジェット戦闘機だ。「危険な接近」などしたくともできないのだ。

己が勝手に設定して日米とも認めなていな防空識別圏を既成事実化するための示威行動だろうが、これにロックオンでも加われば戦闘に発展しかねない危険なものである。早急に互いの交信方法を決める必要がある。

おりから、フジテレビで日中の軍事力を比較する番組があったそうだ。ブログ子は見なかったが、専門家が中国の軍事力を評して「人民解放軍は低技術とパクリの代名詞。中国海軍は実戦経験に乏しく、日本の海上自衛隊と対戦すれば、中国が勝利する可能性はゼロに近く、2時間以内に壊滅状態に陥る」と指摘されたという。それが打ち返されて中国版ツイッター・新浪微博での大きな反響が紹介されていた。(レコードチャイナ)

「少し大げさだけど、確かに日本の海軍はスゴイよ。間違いなくアジアNo.1」
「日本の航空機の電子設備はかなり先進的。日本人の言っていることは正しい」
「韓国人にそんな能力がないことは誰もが分かっている。だが、日本人にはある・・・」

「日本の海軍力はハンパないよ。でも、空軍はね。ここ数年の間に生産されたJ-10やJ-11にかなうと思っている?」
「日本よ、死にたいのか?わが軍の殺傷力を試してみたいのか?」
「中国軍は明らかにお飾りだ。海軍力を大幅に増強しなければならない」

などなどである。所詮ネット上でのお遊びであるが、日中もし戦わば、テレビ報道の通り彼我の戦力比では2時間はともかく半日で勝負が付くだろう。ただし、公表しないが中国はGDPの3割もの軍事費を使って戦力増強にあたっている。ロシアが最新鋭戦闘機を供与するようなことがあり、独自開発を急いでいる「殲-20」が増えてくると10年後はわからない。そうしたレベルだ。「殲-20」は中国の第5代ステルス戦闘機だが、これに対向する米国空軍の「F-22」はすでに配備されていていずれ日本も導入するだろうが世界最強でまず中国は太刀打ち出来ない能力を持つ。

勝負がつくのは海軍力、なかんずく潜水艦隊能力である。ブログ子は日本の潜水艦隊の育ての親というべき人物に教えられた。アメリカのように原子力潜水艦を持てないから通常型潜水艦だが、その索敵能力を始めとする戦闘能力、ならびに建造能力は世界有数のレバルにある。

日本の「そうりゅう」型潜水艦

日本の「そうりゅう」型潜水艦

11日の新聞にオーストラリアが少なくとも350億豪ドル(約3兆3660億円)を注ぎ込んで目下建造を計画している新型の潜水艦隊に日本のステルス潜水艦技術を求めているとあった。排水量4200トンの「そうりゅう」(蒼龍)型潜水艦は世界最大のディーゼル・エレクトリック推進潜水艦で、三菱重工業と川崎重工業によって建造された。超静粛な非大気依存推進(AIP)システムで駆動し、水中でほぼ2週間活動できる。

世界が欲しがっていたがこれまでは堅持してきた武器輸出3原則で輸出できなかった。4月に安倍首相が規制緩和に動いたことからその第一号に豪州が動いたことになる。同盟国と言っても国情から見て韓国には供与すべきではないが豪州なら信頼できるということだろう。

戦後一部の勢力はお題目のように「平和」を叫ぶばかりだったが、「平和」はしっかりした軍事力があってはじめて守られることが、この一事をもってしてもわかるのである。

何用あって宇宙へ

「宇宙に行きたい」という日本人が57%だという。これを聞いてたちどころに山本夏彦の名エッセー「何用あって月世界へ」という一文を思い出した人も多かろう。

なんでも宇宙旅行の時代はすぐそこまで来ていて、米ヴァージンギャラクティック社が世界初の宇宙旅行を近く実現するのだそうだ。写真右下uchuusenのような宇宙船もすでに設計されていて、計画では、高度110キロまで上昇した船内で宇宙遊泳を楽しむこと約2時間。料金は25万ドル(約2550万円)。予約客は世界で約600人に上り、うち18人が日本人だという。その日本での販売に当たるクラブツーリズム・スペースツアーズ(東京)がアンケートを実施したところ57%が「宇宙旅行に行きたい」と回答し、その理由に「青い地球を眺めたいから」を挙げた。一方、費用の高さや安全面で不安を訴える声が目立ったという。

13億人の巨大な胃袋を満たすため、世界中で紛争を繰り広げている中国や、歴史認識なる面妖な理屈を並べる隣国を見ると、宇宙へ逃れたいという人間が出てくるのも理解できる。ブログ子が高校で習った「地学」を少し延長した程度の浅学で恐縮だが、空気がない、水がない、みずみずしい野菜も果物もない。「青い地球を眺める」程度なら若田光一さんが撮影した高感度ビデオでよかろうと思うのだが。

山本夏彦はこう書いている。「アポロは月に着陸したという。勝手に着陸し、次いで他の星へも行くがいい。神々のすることを人間がすれば、必ずばちがあたると言っても、分りたくないものは分るまいが、わずかに望みをつないで、かさねて言う。何用あって月世界へ。月はながめるものである 」

涙が止まらない

神奈川県厚木市のアパート一室で斎藤理玖(りく)ちゃん=当時(5)=が白骨遺体で見つかった事件。6月2日のこのブログで「餓死した子供が不憫でならない」と一文を書いた。そこで「不憫でならない」と書いたことがずっと悔やまれていた。「不憫」とは上から目線だったような気がしてならなかった。

9日その後の調べの内容が報道されていたが、読んでいるうちに涙が止まらなくなった。

理玖ちゃんは5歳だった平成19年ごろに死亡したとみられているが、父親でトラック運転手の斎藤幸裕容疑者(36)=保護責任者遺棄致死容疑で逮捕=が、「亡くなる2カ月くらい前は仕事が非常に忙しくて週1、2日しか帰らず、(理玖ちゃんは)がりがりになってしまった。この状態が続くと死なせてしまうかもと思った」。

しかし「痩せた経緯が分かってしまうのが怖くて、病院に連れて行くことができなかった」とも供述。生前最後の姿を見たのは理玖ちゃんの死亡に気付く約1週間前で、「立ち上がることもできず、か細い声で『パパ、パパ』と呼んでいた。その場にいるのが怖くなり、1時間も一緒にいられずに家を出た」という。

立ち上がる力もなくなったのに、久しぶりに戻ってきた父親になおすがって、か細く「パパ、パパ」と呼ぶ姿が目前に浮かび、涙がとどめなくあふれてきた。妻が出て行ったあと男は別の女性との生活に溺れたというが、なぜ理玖ちゃんをその女性のもとに連れて行ってくれなかったのか。女性は受け入れたのではないか、例え断られたとしても児童相談所などに預けるなど方法はあったはずなのに。また母親はなぜ様子を見に戻ってきてくれなかったのか。持って行きどころのない怒りでまた涙が出た。

理玖ちゃんが発見されたアパート

理玖ちゃんが発見されたアパート

一連の報道で待ちかねたが子どもの顔写真は1枚も出てこなかった。逮捕された父親と現場のアパートの写真ばかりである。理玖ちゃんは誰にも写真1枚撮ってもらったことがないのである。同じ年頃の孫娘がいるが、はやアルバムは何冊も積み重なっている。同じ日に世界最長寿は男女とも日本人になったと記事にあった。めでたいことだが、幼い子ども一人を救えないでなにが福祉国家かと打ちひしがれた。

中3悪ガキが「死に損ない」と侮辱した語り部の素顔

修学旅行で5月に長崎市を訪れた横浜市立中3年の生徒が、長崎原爆の爆心地近くを案内した被爆者の森口貢(みつぎ)さん(77)=長崎市=に「死に損ない」などの暴言を吐いていたことが分かった。森口さんは「私は死に損ないではない。一生懸命生きてきた。大変悲しい」と同中学に手紙で抗議。校長が電話で謝罪した。

森口さんは8歳の時に入市被爆し、被爆者らで作る「長崎の証言の会」の事務局長。森口さんによると、同中学3年の生徒119人が長崎を訪れ、同会は爆心地近くを案内するよう依頼を受けた。5月27日、平和公園で事前に生徒たちに会の趣旨などを説明したところ、騒いで話を聞かない生徒がいたため注意した。森口さんがうち1班を爆心地から約700メートルの山里小へ案内したところ、班外の男子生徒数人が森口さんに「死に損ないのくそじじい」と罵声を浴びせた。

学校によると、森口さんが説明していた際、私語を続けていた1人の男子生徒に「聞く気がないなら出て行け」などと何度も叱る場面があり、生徒は退席させられた。暴言を吐いた男子生徒らは「そうしたやり取りに腹が立った」と話している。森口さんは「平和学習の前に、子供たちの人を思いやる気持ちを育てていただきたい」などと書いた手紙を同中学に送った。校長は「自分たちの発した言葉が森口さんにとってどれほどつらく悲しい言葉だったのかを伝え、反省を促していきたい」と話している。(毎日新聞)

◇ ◇ ◇

森口貢・被曝語り部

森口貢・被曝語り部

まったくろくでもない悪ガキがいるものだ、と思ったがこの「被爆者語り部・森口貢」もかなり怪しげな人物だという。「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」というえらく長いタイトルのブログは長年この人物を追跡しているのだそうだが、それによると、森口貢・語り部は8月9日の長崎に原爆が投下された日には長崎にはいなかったという。彼は1945年8月4日に佐賀の田舎に疎開していて、原爆投下から11日後に長崎に戻っただけで「長崎被爆者」というのはあきらかな詐称だという。

そして元「日教組」所属の反戦反日教師という一面をも持ち合わせている。週刊金曜日(第615号2006年7月21日)で「小泉首相最大の罪は、靖国に市民権を与えたこと」と語っているほどで、修学旅行で語り部の話を聴いた学校から、「被爆体験の話はほとんどなく、個人的な政治的意見ばかりだった」と指摘が相次いでいた人物だそうだ。批判があるにもかかわらず一向に止めず、「語り部」に支払われている1時間に1万円の「講話謝礼金」を受け取っていたので、ついには「長崎平和推進協会」で問題視されるに至った。

2006年1月21日の長崎新聞には<被爆語り部の「政治的発言」に自粛を要請>という記事が出ている。

「長崎市の外郭団体「長崎平和推進協会」は二十日、修学旅行生らに被爆体験を語る「継承部会」の臨時総会を開き、イラクへの自衛隊派遣や憲法改正など「国民の間で意見が分かれている政治的問題」について、被爆体験講話の中で言及しないよう要請した」。

韓国が事あるごとに騒ぐ従軍慰安婦問題は吉田清治という詐話師がもっともらしく語った話に朝日新聞が乗ったことから始まった。今では細部に至るまでウソが暴かれているが、その一件を彷彿とさせる

何事もそうだが新聞記事の裏には書かれていないが大事なニュースが隠されているものである

農協の解体ショー急ピッチ

政府は6日、農政改革の骨格を固めた。全国約700の地域農協を指導してきた全国農業協同組合中央会(JA全中)は3~5年でなくす。農産物の集荷・販売を事実上、一手に引き受けてきた全国農業協同組合連合会(JA全農)は株式会社への転換を促す━というのが骨子だ。

jabuil-300x236ブログ子が長年棲息した新聞社は東京・大手町にある。その隣が農協ビルで上記の2団体はじめ農業団体がたくさん入っていて、周辺のサラリーマンからは「百姓ビル」と呼ばれていた。地下1階にある居酒屋にはよく出入りしたが、農林省担当をしたこともなかったので上の方にはまったく行く用事がなかった。ただ米価のシーズンにはデモ隊がここから出発、選挙の直前には族議員がよく出入りしていたのでその威光のほどは知っていた。

改革の最大の柱はJA全中が地域農協を経営指導したり、監査したりする権限をなくす点だ。農協法から根拠規定を削除する。戦後の発足当時は農協の数が1万前後あったが、今は合併が進み、約700だ。今後は大規模化した農協に委ねるべきだいうのが大方の声で、あれだけ権勢をふるったJA全中の政治力こそ現在の農政の停滞を招いた元凶だと手厳しい批判にさらされている。。

2つ目の柱は、JA全農の株式会社化。JA全農は地域農協が出資する相互扶助組織で、組合員である農家から農産物を集荷し、まとめて販売したり、肥料・農機具など農家の生産資材を共同購入したりする役割を担ってきた。こうした行為は本来、独占禁止法に抵触する可能性があるが、協同組合として適用除外を受けてきた。株式会社になると、こうした恩恵が受けられなくなるし、税制上の恩典もなくなる。

001マグロの解体ショーと言うのがあるが、まるで農協の解体ショーといったあんばいである。こうまで解体が急がれるのは、農産物関税の大幅削減を図る環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉が進むなか、政府は手厚い関税で保護されてきた国内農業の競争力強化を急いでいる。日本の農家に絶大な影響力を発揮してモノとカネをコントロールしてきた全農やJA共済の役目は終わったと断罪されたのである。

卑近な例をあげるが、ブログの亭主がいる山墅は山の上にあり食料品にせよ大工道具にせよ野辺山駅前にある農協に併設されている売店に頼るところが大であった。ところが農協ときたらお役所仕事もいいところで、安くないばかりか高原野菜の本場だというのにしなびたレタスやキャベツを平気で並べている。草刈りの鎌を探しに行くと農作業の本場なのに3種類しか置いてない。釘などたった数種類あるのみ、いろいろなロープが欲しいのにあるのはたった3種類の紐といった有り様である。近隣の人みなそうだが、野菜は数年前に出来た「びっくり市」という野菜のバッタ屋に頼り、40キロ離れた佐久のホームセンターまで走る。要するに農協には客の要望を汲み取るようなアイデアもやる気もまったくないのである。

この半世紀で酪農家は40万戸からわずか2万戸に激減したが、生乳生産は200万トンから850万トンへと4倍半も激増した。これだけの自己変革を果たした酪農家に、さらに関税や従量税の引き下げというハンディを与えた。一方コメ農家には一切お構いなし。両方掌中にある全中は、組織維持の上で、酪農家2万戸より250万人コメ農家の方を優遇してきた。(評論家・屋山太郎氏)

コメ農家の所得は平均450万円程度だが、コメで稼げるのは50万円程度で、兼業所得と年金収入が各200万円だ。といっても、コメの50万円には、生産調整(減反)奨励金やら戸別所得補償やらさまざまな税金が使われている。コメの生産額は1・8兆円であるのに対し、税金などが1・1兆円も投じられているのだ。(同氏)

農協が巨大金融機関を軸とした利権集団となり、一部の人々が潤っている一方で農業は衰退していくばかりだ。小規模農家、兼業農家ばかりになり農家の平均年齢は65歳だ。この間、農協はひたすら補助金を求め、農業を産業として成長させることを考えてこなかった。そしていまは、成長のための改革を拒否している。

農林水産省が農協について調査したところでは、農協に加入している組合員の44%が「満足していない」とし、うち70%が「資材が高い」と答えている。我が駅前農協での体験と同じである。今では農民から農協が見放されている。さらに大きな票田だった農協の集票能力は急降下した。農林族が跋扈した時代の自民党にはできなかったがことが、今なら安倍首相にはできる。それこそ「今でしょ!」なのである。

裁判所自らが「法匪」と化した

「法匪」という言葉がある。「匪」は賊や暴徒を意味する蔑称で、法律を詭弁的に解釈して、自分に都合のいい結果を得ようとする者を指す。中国や北朝鮮など共産党一党独裁体制国家では裁判所は共産党の下にあるからまるごと「法匪」みたいなものなので、あまり使わない。自由主義国家を標榜するもののその国のある勢力をおもんぱかって裁判所が甘い判断を下す後進国でもっぱら使われる。

ところが三権分立が確立している日本でこのところおかしな判決、自縄自縛判決とでもいうべき馬鹿らしい判決が相次いでいる。裁判官が、おかしな説を振り回して世間を混乱させているのである。昔、吉田茂首相はこういう輩を十把一絡げにして「曲学阿世の徒」と言った。

怪しげな法理論に見舞われた大飯原発

怪しげな法理論に見舞われた大飯原発

5月21日の福井地裁(樋口英明裁判長)における、大飯原発3、4号機再稼働「差し止め判決」の当日、このブログで「おかしな判決もあるもんだ」と書いた。その後判決内容を読んだが、ますます「おかしな判決だ」と思うばかりである。

いきなり「人格権」を持ち出し、「(人格権は)全ての法分野において、最高の価値をもつとされている以上、これを超える価値を他に見出すことはできないから、大飯原発3号、4号再稼働に関する適否は、原子力規制庁という行政権とは無関係に福井地裁の裁判権に属する」というのだが、そうだろうか。憲法のこの下りには「公共の福祉に反しない限り」という一文が付いている。いわば安全保障上に関することは人格権に先立つものであることを無視している。

数え上げると紙数が尽きるからもう1つだけにするが、「地震の揺れあるいは強度は、複合的重層的で地震学ですらあてにならない。我が国において記録された最大震度は宮城内陸地震の4022ガルで、大飯にも生起する可能性がない事は無い。したがってかようなものを大飯で再稼働してはならない」というに至っては、非科学的というしかない論理だ。

「原発のコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発運転停止により多額の貿易赤字が出るにしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活している事が国富である。これを取り戻す事ができなることが国富の喪失である」というに至ってはもはや理屈をこねくり回したポエムの世界である。

ハムレットのような諫早の水門

ハムレットのような諫早の水門

国営諫早湾干拓事業をめぐって「開けてはならない」とする長崎地裁判決と「開けろ」とする佐賀地裁の判決が出て、この結果国は開門してもしなくても「1日49万円の制裁金」を払い続けることになった。裁判というよりもはや笑い話の部類に属し、将来、国語辞典には「矛盾」の典型的な例として載るに違いない。

6日福岡高裁(一志泰滋裁判長)が出した判決は、開門しない場合に強制金の支払いを国に命じた佐賀地裁の間接強制決定を支持し、国の抗告を棄却したもの。国が開門を求める漁業者らに1日あたり49万円、年間1億7千万円を支払う。 間接強制は、判決や決定を守らせるため、「罰金」にあたる強制金の支払いを命じて圧力をかける手続き。長崎地裁は昨年11月、開門反対派の訴えを認め、開門を差し止める仮処分を下し、今月4日には開門した場合、1日49万円の制裁金を地元住民に支払うよう命じる間接強制を決定していて、この結果国は上述のように開門してもしなくても1日「49万円払う」という馬鹿らしいことになった。

本来ならこうした矛盾した判決は最高裁まで持って行って判断するものだが、2010年開門を命じた福岡高裁判決について、菅直人首相(当時)は地元の意向を無視し、上告せずさっさと確定させたことが今日の事態を招いた。菅直人首相はかねてより自民党が推進していたこの事業を「無駄な公共事業」として強く批判し政権を取る前に市民運動家やTVカメラを伴って水門を訪れて水門をただちに開けるように要求するなどの行動をしていた。

こうしたことから福岡高裁の判決に得たりや応とばかりに上告を断念、県知事や官房長官が説得するも「私が決断したことだ」と高裁判決を確定させた経緯がある。その後の調査で開門の利点より、被害がはるかに大きいことが明らかになり、国はにっちもさっちも行かなくなったのだ。菅首相がいたのはわずか1年ほどだが、福島原発事故で怒鳴りまくって現場を混乱させるは、水門で禍根を残すは、まったくろくでもない事績しか残さなかったことになる。

怪しげな独断。矛盾に満ちた判断。二つの裁判についていち早く是正するためにも、裁判所は特別抗告してでも最高裁に判断を委ねるべきではないか。

「公募の校長」はダメだと思われてしまう

「公募の校長」の不祥事が続いている。

①全国公募で民間から採用された大阪市立小学校の男性校長(51)がPTA会費を持ち出すなど、ずさんな現金管理をしたとして内部調査を受けていた問題で、市教委はこの校長を更迭する方針を固めた。市教委によると、校長は春休みの今年3月下旬から休みがちになり、4月以降、病気などを理由に有給休暇を取り続けた。今年度になってから今月19日までの勤務すべき32日のうち、通常勤務をしたのは6日。残りは有給で休んだり、時間休を取ったりし、今年度の有給20日は既にほぼ消化したという。大阪市の民間人公募校長の更迭は2人目。(毎日新聞 5月21日)

②大阪府立高校の男性校長が先月、大阪市内のスーパーで食料品を万引きしたとして、府警が窃盗容疑で任意で事情を聴いていることがわかった。校長は容疑を認めているといい、府警は近く、同容疑で書類送検する方針。都島署によると、校長は5月28日午後3時ごろ、大阪市都島区のスーパーで和菓子など数点を盗んだ疑いがある。従業員が見つけ、取り押さえたという。校長は民間会社の出身で、4月に公募で採用されていた。(産経新聞 6月6日)

③「世界一の朝礼」をテーマに講演活動する会社代表らが福岡市立小学校2年のクラスの「朝の会」を3月に撮影、学校に無断でインターネットに投稿した。動画では児童が代表や担任教諭に続き「スーパーハッピー」「ついてるついてる」などと大声で復唱。「まるで居酒屋店員の研修」と批判が集まり、校長は保護者に騒動を謝罪した。代表は居酒屋チェーンを経営、ここで行われている朝礼とそっくりだとの指摘もあった。(朝日新聞 6月4日)

校長公募は元々、橋下徹市長(大阪維新の会代表)の公約でもあり、市は来年度に採用する公募校長の研修関連経費約2800万円を開会中の市議会に提案した補正予算案に計上している。橋下市長は「採用を厳格化し、いい人材を採用することに力を尽くす」と公募の継続に意欲を見せているが、自民。公明の市議からは「公募校長は不祥事が後を絶たず、信頼を失っている。制度を凍結し、来年度の実施は見送るべきだ」との指摘が相次いでいるという。

◇ ◇ ◇
 
実はブログ子はこの「公募の校長」に給料など教諭の半分でもいいから応募しようかと思ったほどである。何度も書いているが「教師は聖職である」と思っている。学生時代教職課程の単位はほぼ自動でついてきた。自分のような者が教壇に立つと手を上げてしまうかもしれない、と必修の日本国憲法をワザと落とした。

新聞記者生活を終えた時、今なら教壇に立ってもいいかという自負があった。今こそ子どもに「公」と「私」の間で自分の立ち位置を見つけられるように指導できるのではないかと思った。詰め込み教育でなく、仕事にせよ学問にせよ、何か一つその子が一生歩む道というものを自分で見つけられるようにしてやることが、教育で一番大切なことだという信念があった。自分で選んで自分で歩んだ長い人生から得たものだ。

橋下市長の維新の会は分裂で先行きもう一つぱっとしなくなったが、この「公募の校長」は彼でなくてはできないことで何とか成功させたいものだと思っている。しかるにこのような不祥事が続くのはなぜか。「志」(こころざ)を高く掲げた人材はいるはずなのである。

この犯罪だけは人権も出版の自由も認めない

送検される勝又拓哉(5日)

送検される勝又拓哉(5日)

栃木県今市市で平成17年、小学1年の吉田有希ちゃん=当時(7)=が下校中に連れ去られ、殺害された事件で、栃木、茨城両県警の合同捜査本部は3日、殺人容疑で同県鹿沼市、無職、勝又拓哉(32)を逮捕した。

有希ちゃんは17年12月1日、下校途中に自宅から約1キロ離れた三差路付近で何者かに連れ去られ、翌2日に現場から約65キロ離れた茨城県常陸大宮市内の山林で遺体で見つかった。遺体の状況、鋭利な刃物によるとみられる刺し傷が十数カ所あったことなどから県警は事件直後から「性犯罪前歴者、女児愛好者、猟奇・アダルトビデオやナイフのマニア」「連れ去り現場から半径5キロの範囲に住む20~40代の男」と、プロファイリング(犯人像推定)をしていた。

直後には勝又の義父から、そのような性癖があり事件現場に精通していることから、怪しいと通報があったのに裏付けを取ることができなかった。今回自供から改めて現場付近の防犯カメラを調べた所、当時目撃情報から手配していた白いセダンが写っていたことも判明して、もう少し捜査を徹底していたらもっと早く追い詰めることができたのではないかと思われる。

今回誰もが思い出したのは東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件だろう。1988年から1989年にかけて東京都北西部および埼玉県南西部で発生した、幼女を対象とした一連の事件で宮崎勤が逮捕された。部屋中幼女性愛の本などで埋まっていた。公判では「犯行は覚めない夢の中でやった」「ネズミ人間が現れた」「俺の車とビデオを返せ」などと不可解な発言をつづけ2008年6月17日死刑執行された。

数ある犯罪の中でも幼女性愛というおぞましいケースだけは許すことができない。‪‪いたいけな子供を巻き込み多くの場合残忍さを伴う。しかもこの性癖の持ち主には更生するということがない。これまでは病気として扱われてきたが許しがたい犯罪ということでやっと法改正の運びになった。

おりしも犯人逮捕の翌4日、子どものわいせつな写真や画像、動画などの所持を禁止する児童買春・児童ポルノ禁止法改正案がを、委員長提案の形で本会議に提出することが自民、民主、公明各党などの全会一致で可決された。個人が趣味で児童ポルノの写真や映像を持つ「単純所持」を禁止することが柱で今国会会期末までに成立する見通しだ。

これとて十分なものではない。出版の自由を叫ぶ漫画雑誌出版社の声に押されて、漫画やアニメを明確に規制の対象外とする修正でやっと合意にこぎつけたものだ。売らんがための猥褻な出版物に「出版の自由」を叫ぶ連中は、戦前戦後を通じての弾圧にあい、それこそ出版の自由を守るために血を流した先人たちに恥ずかしくないのだろうか。

この手の犯罪者に共通しているのは部屋中にそうした関係の出版物がうず高く積まれていることだ。ナイフ収集などとも重なる趣味もある。立ち入ることができれば犯罪予防の足がかりになるのだが、こういう手合に限って法律の保護下にある。

薄汚い性癖を持つ者、それに漫画を売りつけて商売にしている者。これらには人権も出版の自由も認めるべきではない。

天安門事件から25年 「戦車男」は中国に溢れている

1989年6月5日の天安門事件から25年というので新聞で懐かしい1枚の写真を見た。天安門広場で戦車の隊列の前に一人で立ちはだかり、今なお中国の民衆の抵抗の象徴とされている男の姿である。

天安門事件を象徴する有名な写真。「戦車に立ちはだかる男」

天安門事件を象徴する有名な写真。「戦車に立ちはだかる男」


両手に買い物袋を提げた白いシャツ姿の男性は、天安門広場の北側を走る大通りの中央に進み出て戦車の雨に一人立ちはだかった。戦車が男を避けて進もうとするとまた前に。カメラに捉えられた「戦車男(Tank Man)」は、天安門j事件の象徴的映像として世界に紹介されたが、この人物の正体やその後の運命は今も分からないままだ。

「王維林(Wang Weilin)」という名の男性だという情報もあったが、確認されたことはない。さらに、この人物をひき殺そうとしなかった戦車の操縦手の身元も分かっていない。

事件の1年後、米国人テレビジャーナリストのバーバラ・ウォルターズ氏が、当時、中国共産党の総書記だった江沢民に「戦車男」の写真を見せながら「この若い男性の身に何が起こったかご存知ですか」と質問した。江沢民は狼狽した様子で、戦車は男性をひいていないと強調した。しかし、死んだとは思っていないと述べただけで、その後の男性の運命について語りはしなかったという。

25年後の今日、中国当局の緊張ぶりはただごとでなかった。中国で著名な人権派弁護士・浦志強氏が先月、北京で学者など十数人が開催した「天安門事件記念セミナー」に参加した後、行方不明になった。警察当局は同氏を「騒ぎをあおった」容疑で拘束したと公表した。天安門事件で犠牲になった学生の母親で作る「天安門の母」の中心人物、丁子霖さん(77)が、当局から自宅に戻ることを禁じられ事実上の軟禁下に置かれた。改革派女性ジャーナリスト、高瑜氏(70)も1カ月前に当局に拘束されたほか、香港の民主派系出版社の経営者も広東省の裁判所で懲役10年の判決を受けた。などなど、大変な数の人権活動家が事前拘束されている。

ウイグルでは弾圧すればするほどテロ活動は広がりを見せている。公開裁判と処刑をして抑えこもうとするが中国指導部への反発は高まるばかりである。「中国共産党の一党独裁体制はあと3年で崩壊する」と言われて久しいが、まだ指導部は世界各地で醜悪な強硬路線をくりひろげている。一見抑えこみは成功しているかのようだが、人民はすでに共産党政権を見限って世界に脱出している。

中東のドバイ。売りだされた10万人規模の集合住宅の半数は中国人が買い占めて、すでに住んでいる。海外に出ることができるのは共産党幹部の子弟に限られるがカナダ、アメリカ、豪州、東南アジア各地にすでに1000万人規模で脱出しているとも言われる膨大な数である。国民はすでに共産党政権を見限っているのである。
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上の1枚は天安門事件当日広場を埋め尽くした学生、一般市民である。弾圧で蹴散らされたが、抵抗予備軍として中国内に不満を抱えて潜伏しているのである。横柄な中国軍副参謀長や相手方の非を叫ぶばかりの報道官のうしろに、こうした人たちの冷たい視線があると思えば少しは救われる。いつの日かあの紅衛兵のように、彼らが歴史に弾劾される日が来るのだろう。

他国に燃料という「急所」を握られる怖さ

お気楽に「脱原発」を叫んでいる人たちは今こそウクライナとEUが追い込まれている状況に学ぶべき時だろう。

今年2月、ウクライナの親露政権が崩壊したことを受け、ロシアがウクライナに輸出する天然ガス価格を一挙に約2倍に引き上げる決定を通達した。天然ガス1000立方メートル当たりの料金をそれまでの268.50ドル(約2万7000円)から485.50ドル(約4万9000円)にするという強硬なものである。さらにロシアのエネルギー省は、ウクライナに要求していた35億ドル(約3560億円)が、期限だった7日までに支払われなかったとして、6月1日以降は天然ガスを前払い分のみ供給すると発表した。

さらにはプーチン大統領は、EU加盟諸国のうち18か国に対して書簡を送り、ウクライナがロシアの国営天然ガス大手、ガスプロムに対して滞納している代金の支払いを支援しするよう要求した。ウクライナは対抗措置としてこれまで滞納してきた代金を期限までに支払うことを拒否する構えを見せたもののガスを止められたら国がマヒするとあって、国際通貨基金(IMF)から受けたばかりの31億9000万ドル(約3240億円)を融資をロシアへの支払いにあてるという綱渡りを強いられている。

ウクライナばかりではない。EU加盟各国もいつ同じような脅迫を受けるかわかったものではない。何しろ消費する天然ガスの15%近くが、ウクライナ経由で輸送されているからだ。プーチンのさじ加減一つで欧州も、エネルギー不足に直面する恐れがあるのだ。脱原発のお手本のように言われるドイツが一番ロシアへの依存度が高いから、ロシアのさじ加減ひとつでたちまちエネルギー危機に陥る構図になっている。
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上の図はロシアからウクライナを経由して欧州連合(EU)諸国に運ばれるパイプライン図だが、これは同時に各国の燃料安全保障の弱みを示す図でもある。ロシアの意向次第で国の運命が左右される図式とも言える。

ドイツは「脱原発」と「脱化石燃料」を掲げて、高額の賦課金(補助金)の大盤振る舞いをした結果、これ目当てに風力・太陽光発電ラッシュが続き、再生可能エネルギーの発電が増えすぎて、電力業界が大混乱に陥っている。経済界が『もう再生可能エネルギー支援はやめてくれ』と働きかけたが、実らなかった。ドイツの家庭向け電力料金は、21世紀に入って毎年上昇し、10年前の倍近くに達した。

日本はどうかというと、脱原発の声に押されて「全量買取」を始めたばかり。政府の価格設定は、「太陽光1キロワット時あたり42円」というもので
ドイツのほぼ2倍で、国際価格より全般的にかなり割高になっている。国際競争力の面から見てもとても太刀打ち出来ないとみられる。

ロシアからウクライナとEUへの天然ガス供給パイプラインの栓が絞られるとアジアに向かうと楽観視する向きもあるが、同時に安保上弱みを握られることになる。中国が虎視眈々とその機会を狙っているが、パイプラインを握られる怖さをわかっているのかどうか。蜜月が永遠に続くという保証などないのが国際関係なのだから。

餓死した子供が不憫でならない

斎藤幸裕容疑者

斎藤幸裕容疑者

神奈川県厚木市下荻野のアパートで白骨化した子供の遺体が見つかった事件。県警捜査1課と厚木署は31日、父親のトラック運転手、斎藤幸裕容疑者(36)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。遺体はこの部屋で放置されていた斎藤理玖(りく)君(死亡時5歳)。就学適齢児童が7年余も消息不明になっていたのに放置していた監督官庁の問題など多くの問題を含んでいる。

17年ごろに妻が出ていった当初、週に約5日の頻度でアパートに帰宅。しかし、理玖ちゃんが亡くなる約2カ月前からは週1、2日程度しか帰らなくなったといい、帰宅時と外出時、コンビニエンスストアなどで購入した食事を1食分ずつ与えていた。「これだけでは食事が足りず、いずれ衰弱して死んでしまうという認識はあった」と供述している。.

理玖ちゃんは、大量の生活ごみが積もった6畳和室内で、布のようなものの上で見つかった。部屋の窓には目張りがしてあり、理玖ちゃんの死亡を機にアパートを離れた後も家賃を支払い続けていたのは「死体が見つからないようにするため」といい、「子供のことは1日たりとも忘れたことはありません」とも供述している。

だいぶ以前の話になるが結婚後1年足らずで離婚した娘が生まれたばかりの子供の世話を拒否、どこか施設に入れてくれと言っている、どうすればいいかと真夜中切羽詰まった声の母親から電話を受けた。男のペテン師の素顔を剥いだのがブログ子だったので頼られた。教育評論家の経験はないが、その時「放っておきなさい。我が子が母乳を求めて泣き叫んでいる時、赤子を抱き上げない母親などこの世にいませんから」と答えた。その子供はいまスチュワーデスになって空を飛んでいると聞く。

今回の事件のように、子供を置いて家を出る妻といい、死ぬとわかっていて少しの食事しか与えなかった男といい、昔の父親像、母親像とは相容れない行動で理解に苦しむ。ふた親とも未成熟なままおとなになったのだろうか。それとも人間性が変わってしまったのだろうか。ブログ子のような回答ではもはや解決できない社会になっているのだろうか。

先週このブログで孫娘たちの運動会に出かけた話を書いた。一番下は亡くなった子どもと同じ年頃の幼稚園児だ。明るくのびのびと育っている子供がいる一方でこうして無残にも死に行く子供がいる。ありがたいと思う反面、親の愛に恵まれず餓死したうえ、7年間も捨て置かれ白骨となった子供が不憫でならない。

韓国人のディベート術

6月1日朝のフジテレビ「新報道2001」を見た。先週、ブログ子の親友がこの番組に出るというので見始めた。宮中晩餐会に招かれて。オバマ大統領や美智子皇后陛下とアメリカの詩人について文学談義をしたというので期待したが、単なる晩餐会での料理の話になっていた。自分がディレクターならこんな陳腐な番組作りはしないのだが、と何十秒かの「出演」にちょん切られた親友のコメントを見て気の毒に思ったのだが、以来「新報道2001」を見始めたのである。

番宣には北朝鮮が拉致問題の再調査を約束したニュースにちなみ、「本当に北朝鮮は動くのか?今後の展開を読み解く。隣国の韓国では4日に朴政権の信任選挙となる統一地方選挙が行われる。事前の世論調査では政権与党は苦戦を強いられている。沈没船事故への対応の不手際に加え“経済の悪化”も影響しているとされる。著しい経済成長が頭打ちとなり、若者の就職難や所得格差の拡大、賄賂や癒着の横行といった問題が噴出している。番組では“韓国経済崩壊”の危険性をさぐる。出演は、自民党・山本有二元金融担当相、東海大学教養学部准教授・金慶珠氏、拓殖大学大学院特任教授・武貞秀士氏、大阪市立大学大学院教授・朴一氏、経済評論家・上念司氏ら」とある。

見始めたのは後半部分の韓国経済の崩壊予測の部分からで、日本人2人 Vs 韓国人2人の対決の図式になっていた。不吉な韓国経済の前兆をどう見るかで言い争い、自国、韓国の弁護をしていた。よくある分析でどうということはないが、韓国人のディベート術の一端を垣間見た思いで、そちらのほうが参考になった。

13355d20r中でも金慶珠氏はひとたび話し始めると、切れ目なく話を続けていく。司会者が割って入る隙も与えない。他の人が話すのに割って入る時は一応手を上げるのだが、指名されないと勝手に話し始める。二重音声のようになり、カメラがこちらを向いた途端くだんのような話法で一方的にしゃべりまくるのだ。

こういう話し方は彼らがいう従軍慰安婦問題や安倍総理の靖国神社参拝の時に韓国のメディアや街の人のコメントでよく見る。相手方の言うことに一切耳を貸さず一方的にまくし立てるのだ。番組では韓国側の二人は日韓の現在の状況を脱却するためには日韓で歴史認識について討論の場を持つことが大切だということを述べていた。ブログ子ははっきり言ってそれは絵空事だと思う。韓国がいう歴史認識検討会と言うのは一方的に自分たちの考えを相手に認めさせる場なのは過去の例からみてもはっきりしている。検討会などではない。

ところで金慶珠(キム・キョンジュ)という方、どうみても整形美女のようである。あちらでは4人に1人がそうだというから珍しくはないがプロフィールに「韓国の言語学者、タレント。東海大学教養学部国際学科准教授。専門は社会言語学(メディア論、朝鮮半島の文化と社会)。芸能事務所ホリプロ所属」とある。経済論を戦わしていたが経済についてはまるで専門外のようである。なにより驚いたのは「芸能事務所ホリプロ所属」である。あちらでは経済討論というのは芸能に入るらしい。

今度ばかりは帰すだろう

横田さん夫妻

横田さん夫妻

「拉致」は英語で「Abduction」というが、こんなおぞましい単語は地球上で北朝鮮にしか使われない。ナイジェリアでイスラム過激派「ボコ・ハラム」が女子生徒ら200人以上を拉致した事件もあるが英語では「Kidnapping」(こども誘拐)と表記されている。国家の狂気としていずれ歴史で裁かれるだろうが、その北朝鮮が、「拉致被害者と特定失踪者の包括的全面調査を行い、拉致被害者らが見つかったら帰す」と約束した。

全面調査は前にも約束しているが反故にした前科がある。でも今度ばかりは正夢になりそうだ。いや、次第に年をとられていく横田さん夫妻の姿を拝見するにつれ、政官民あげて正夢にしないといけないと思う。

26G20140529TTT0700469G30000毅然とした表情で発表する安倍首相がこれほど頼もしく見えた日はなかった。反日と安倍たたきに狂奔している韓国と朝日毎日など一部の報道機関のあっけにとられている姿が目に浮かぶ。 韓国統一省報道官は「韓国も韓国人拉致被害者や、朝鮮戦争などで生き別れた離散家族の再会など、北朝鮮との間で人道問題を抱えている。北朝鮮は韓国とも、こうした人道問題に直ちに対応すべきだ」と述べたが、自国の拉致被害者をろくすっぽ顧みなかったのはどこの国だったのかと問いたい。

ブログ子は別にホームページを開いているのだが、そのアクセスが一気に跳ね上がった。理由はわかっていて、中の1コーナーで「よど号事件」のことを詳述しているためである。我々夫婦は事件発生の時結婚式を挙げた。記者やカメラマンの招待客がみなソウルに派遣されたのでテーブルごと空席の披露宴になったことを書いたのだが、後半でよど号事件のメンバーが深く拉致事件に関係していることを紹介している。

今回の報道で12人の拉致被害者の写真が掲載されているが、その中の札幌市出身の石岡亨さんと熊本市出身の松木薫さんの誘拐に、現在も平壌に残っている、よど号メンバーの妻、若林佐喜子、森順子の二人が大きく関わっていて、この4人がスペインで一緒にいる証拠写真が残っている。たまたまだろうが、今月日本人カメラマンが撮った平壌のよど号犯がいるアパートやパソコンに向かうリーダーの若林盛亮容疑者の写真を転載しているので、拉致がらみで一日1万ページビューほど跳ね上がっているのだ。拉致事件への世間の関心が如何に高いかよく分かる。

日朝合意文書安倍首相は「全ての拉致被害者のご家族がご自身の手で、お子さんたちを抱きしめる日がやってくるまで、私たちの使命は終わらない」とコメントしたが、意外に早くその日が来るのではないか。北朝鮮は、今回、拉致被害者らが見つかったら帰すと約束しているが、そんなこととっくのとうに把握済みであろう。金正日直属の特務機関の犯行だから出し渋っているだけで、全員の消息は金正恩第一書記が命じればその日のうちに出てくる性質のものだ。

北朝鮮側はいわゆる「特定失踪者」が「北朝鮮国内で生活している」との情報を、複数のルートを通じて日本政府に昨年末に伝えていたことが複数の政府関係者の話で明らかになった(毎日新聞)ーとの報道も出始めている。楽観は禁物だが、北朝鮮には引き伸ばす余裕はもはやないことを考えると、早ければ秋、年内には何十年ぶりの再会シーンが見られると思う。

維新の「星影のワルツ」分党

「星影のワルツ」分党の二人

「星影のワルツ」分党の二人

ブログ子は今年の年賀状で、野党は「馬糞の川流れ」で一強多弱が顕著になると書いた。それがみんなの党が8億円の借金問題で「熊手を買った」のどうので分裂して「結いの党」というシャボン玉のようにすぐ壊れそうな政党ができ、この党の受入れを巡って今度は維新が「分党」して石原慎太郎と橋下徹の両共同代表が袂を分かつことになって、野党再編の渦が沸き起こるのではないか、という面白い局面になってきた。

「馬糞(まぐそ)の川流れ」とは品がないが、それもそのはず時の田中派の大番頭、金丸信が自民党の他の派閥を馬鹿にして言い出した。ところが田中派自体が竹下登の造反でバラバラになるという見事な「馬糞の川流れ」状態になり金丸本人も脱税で特捜の追及を受け、甲府の自宅に隠していた金塊が表に出るなどダーティーぶりが暴露されて不遇のうちに死んだ。

ところで、石原慎太郎共同代表の記者会見の中身を読んでいて、さすが文筆家、芥川賞作家という素晴らしい一言を発見した。自分だったらっ迷わずこのセリフを見出しにするのだが、翌日の各紙でここをクローズアップした新聞、テレビは一社もなかった。近頃のジャーナリストの目は余程の節穴と見える。こういう内容だ。

「私はね、橋下さんという人物を非常に評価し、期待もしていました。私が都知事の時代にも彼と出会ったことがね、僕の人生にとっての一つの快事だったと思っています。ですからね、彼と袂を分かつことは非常に辛いですけどね。しかし、千昌夫の(ヒット曲の)『星影のワルツ』じゃないけど、『別れることは つらいけど 仕方がないんだ 君のため』でね、仕方がないよ、国のために私はそういう選択をしました」

言い得て妙。今回の分党を一言で言い表しているではないか。年末の流行語大賞に選ばれてもいい名セリフだと思う。

ところで「星影のワルツ」分党になった維新だが、大阪都構想も今ひとつ理解されないし、結いの党と合流して野党再編の足がかりにしようとするようだ。民主党の一部、特に前原誠司氏あたりが「民主党は海江田万里代表でこの1年余、何も展望が開けなかった」と代表選の前倒しを声高に言ってるようだが、ちょっと違うのではないか。民主党は鳩山由紀夫、菅直人という二人の愚かな首相を出して制度疲労を起こしているのは誰の目にも明らかである。どことくっついたところで主導権を持つことは考えられない。まして「言うだけ番長」の異名をとった人物に言われたくないだろう。

石原慎太郎節ではもうひとつ卓見が述べられている「安部首相にね、『あなた、必ず公明党は足手まといになりますよ』と言ったんです。その通りになってきているんじゃないでしょうか」。

与党再編から野党再編へすすみ有象無象の群小党が整理されると、記憶容量が落ちているブログ子など助かる。

耳障りな常套句のかずかず

「応援よろしく」氾濫のプロ野球

「応援よろしく」氾濫のプロ野球

「馬鹿のひとつ覚え」と書くと、ある筋からクレームが来そうだが、そうとしか言いようがないから許しを乞う。
いまプロ野球は交流戦というのをやっているがその日のヒーローがお立ち台で「応援よろしくお願いします」とやっている。誰が言い出したか知らないが、当初はよかったにせよこうも多用されると、少しは頭を使えよ、とツッコミを入れたくなる。

プロ野球に比べてサッカー界のほうはさすが言葉というものにもっと敏感でJリーグ事務局は3月1日の開幕から「がんばるので応援よろしお願いします」という常套句の使用を禁止する通達を出した。

メディア対応の専門家の助言を参考に、3年前から取り組んでいる意識改革の一環で「これを言えばインタビューを締めくくれるから言っているだけで、気持ちがこもっていないことが多い。自分で考えた言葉を使って欲しい」と言う趣旨だそうだ。プロ野球にも聞かせたいものだ。

ほかにも、活躍の理由や原因を問われたときの「たまたまです」という答えも「謙遜ではなく、自分の言葉で語ることを放棄しているだけ」と手厳しい。「自分の言葉なら、いつも同じフレーズになってしまってもいいと思う。不器用でもその人の個性がにじむもの、例えば古くはDeNA・中畑監督の『絶好調』、巨人・阿部選手の『最高です』といった選手の代名詞にまでなったセリフのようなものは許せる」(Jリーグ企画部の吉田国夫さん)とはさすがの分析である。

これを他の分野に広げると、あるはあるは、見苦しい常套句のオンパレードである。

告訴された週刊誌のコメントに多いが、例えば「籾井会長ボケ」報道をした週刊新潮にNHKが事実無根と抗議、訂正を求めた時、編集部は「担当者が不在のためコメントできない」と答えている。担当者は違う階にいるのだろうが、新聞報道は1,2日の問題、そのうちほとぼりが覚めるだろうという魂胆がみえみえのコメントである。

国税局に脱税を咎められた時の問題企業のコメントは大抵「国税当局と税についての見解の相違があったが、指摘を受けて納税した」というものである。どんな会社でも税法を知り尽くして抜け道をさがす達人はいるものである。

警察では誤認逮捕や、マークしていたのにストーカー犯にしてやられた時など、謝罪の言葉のあと「こうした事案が二度と起こらないようにします」という幹部の言葉が続く。二度とどころか再三再四同じケースが起きるのは衆知の通りである。犯人逮捕の際、拳銃が使われると必ず署長の「拳銃使用は適正だったと考えている」という一言が付いている。日本の警察だけに見られるもので、アメリカはじめ外国から見ると笑い話のタネになるだろう。これは、警察庁の通達で発泡事案については詳しく報告を求めているためで、ブログ子個人の見方だが、犯人逮捕に使われる発砲事案より、警察官の自殺に使われる事案の方が多いのではないか。

韓国での「セウォル号沈没事件」でもそうだったが新聞・テレビ報道の最後には「日本人はいない模様である」という一言がくっついている。日本人がいなけりゃあとはどうなってもいいというかのようで実に見苦しい。

海外に出る日本人が増えるに従い事件・事故に巻き込まれるケースが出てくるのは仕方がない。在外公館の筆頭任務は邦人保護だから、言われなくたって大使館や領事館は動いている。当該国に公館がなければカバーしているところから駆けつける。巻き込まれた邦人がいてはじめて報道すればいいことで、いちいち、日本人が居るいないとつけ加えるのは余計なことである。

バーバリーとアクアスキュータム

バーバリー

バーバリー

新聞の経済面で見たが、英国のバーバリーは日本の三陽商会と結んでいたコートの高級ブランド「バーバリー」のライセンス契約を2015年6月で終了するという。大黒柱を失う三陽商会は現在の売上げ高1063億円から2割減り、営業損益は20億円の赤字に転じる見込みだそうだ。両社は1970年にライセンス契約を始めたが、すべて直営店に切り替えるというバーバリーの世界戦略から打ち切りとなった。

ブログ子は1ドル360円の固定相場の時代ロンドンに出張した。本来の目的は英仏が共同開発した超音速旅客機「コンコルド」の取材だったが、日本はまだ貧しく、新聞社も同じで記事1本だけというのは許されず、背広の語源になったロンドンのウエストエンドの小さい通り、セビルロー(Savile Row)をほっつき歩いてここで修行する日本人仕立屋や、パリで豆腐屋を始めた男、スイスの登山列車など盛りたくさんの企画を出して認められた。

アクアスキュータム

アクアスキュータム

背広を仕立てるほどの余裕はなかったので、唯一バーバリーのレインコートを買い込んで得意になっていた。その後タイヤメーカーのロンドン支店長を務める義兄からショッキングなことを聞かされた、「飛行機に乗るとエコノミークラスまではバーバリー(Burberry)だが、ビジネスシートやファーストクラスあたりとなると見かけるのは、まずアクアスキュータム(Aquascutum)のコートばかりだ」というのだ。

二度目のロンドン行きでは円は変動相場制に移っていて1ドル=200円前後でかなり使い手が出てきた。アクアスキュータムに加えてブレザーや ウェッジウッドまで買い込んだ。まだ12進法で「1ポンド=20シリング、1シリング=12ペンス」でやっていたのだから気づいても良さそうなものだが、注文の時10進法ばりに「カップ&ソーサー5セット」とやってしまった。今は結婚した長女のところに行っているが、本来6個入の容器の空いた1つには紙が詰め込まれていた。

アクアスキュータムはロンドンの中心地リージェント通りにある。ロンドン万国博覧会のあった1851年に、仕立て人ジョン・エマリーが創業した。ブランド名の由来はラテン語で「水」を表すaquaと「楯」を表すscutumの2語を組み合わせた造語で「防水」を意味する。クリミア戦争時にイギリス軍が将校用のコートにこの防水布で作ったコートを採用したことからトレンチ(塹壕)コートは有名になった。

ブログ子は長く肩ベルトは階級章を着けるところだと思っていたが、本来手榴弾を挟みこむためのものだと知った。それほど軍用の名残なのだが、これ一つでブラックタイの場所にも行ける重宝さが、男の憧れをかきたてたのだと思う。もちろん1897年以来王室御用達というブランド力もあるが。

これまた日本企業のレナウンが1990年に買収、カナダ産アクアスキュータムなんていうのも現れて有り難味は薄れたのだが、2012年4月17日、アクアスキュータムは会社更生を決断し、破産管財人による法的管理の手続きに入った。現在、管財人が新たなスポンサー企業を探しているところだという。

そんな次第で我が家では両社のコートが4,5着ぶら下がっているのだが、ほとんど着ることがない。ともに決定的な欠点があるのだ。それは裏地が弱くて数年で破け始める。修理するところもあるようだが、こういうところを日本企業らしくがっちりした布地で頑丈につくったらもう少し先があったのではないかと思う。

漁船とは名ばかり。実態は武闘訓練受けた民兵

南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島近海で26日、ベトナムの漁船が中国の漁船から体当たりされ、沈没した。ベトナム漁船は中部ダナンから出漁していた。乗っていた漁民10人は別のベトナム船に救助され無事だった。

現場は中国が設置した石油掘削設備の南南西約31キロ。中国の漁船約40隻がベトナム漁船の活動を妨害した。ベトナム漁業監視部隊によると、中国の漁船は普段から隊列を組んで、ベトナム漁船が石油掘削設備に接近するのを防ごうとしているという。
◇ ◇ ◇

これが漁船の行動か

これが漁船の行動か

日本のメディアは盛んに「中国漁船」と報道しているので「ふてぶてしい漁船だ」くらいに受け止められているが、実態は武闘訓練を受けている民兵といってよいものだ。今回ベトナム側の船が沈んでいるので写真がないが、上に「中国漁船は隊列を組んで、ベトナム漁船が石油掘削設備に接近するのを防ごうとしていた」とあるように、普段から蝟集隊列を組む訓練をしている。右の写真は韓国の取り締まりに対して集団行動で対決しているところだが、これと同じ行動だったと思われる。

ニューヨーク・タイムズが「中国の漁船は中国軍の手先」という記事を掲載(2010/10/5)している。
これによると、中国は南シナ海での海洋権益を広げていく方法として漁船を「海上民兵」にして送り込む手口を多用している。民兵を使うことは「現役の中国軍を使うよりも刺激が少なく、事態をエスカレートさせる可能性が低い」からだ。中国やり方には一つのパターンがあり、まず漁船を送り込む、その後、紛争処理と称して武装した監視船や海軍艦船を送り込むというものである。

2010年の3月、アメリカ軍の音響測定艦「インペッカブル」が、中国当局の船と漁船によって進路妨害を受ける事件が発生した。公海上で海洋調査活動は自由である場所にも関わらず、中国海軍の情報収集艦や漁業監視船、国家海洋調査局の艦艇、2隻のトロール船が妨害活動を仕掛けた。

「インペッカブル」の舳先15メールまで近づいたため、非武装の同船はたまらず消防ホースで放水したが、漁船の船員は「トロール漁船上で尻を向け、下着をズリ下げてみせた」という。上の写真の「蝟集行動」など並みの漁船員が取れる行動ではない。中国漁船は軍当局のもとに組織化され、不断の訓練を受け、万事中国軍の指示を受けて動いているのである。

ベトナム漁船沈没事件は決して対岸の火事ではない。尖閣にも同じような方法で民兵が乗った漁船が押しかけてくると見なければならない。

「握手会」イベントはそろそろ卒業だ

「AKB48」の握手会会場に「のこぎり男」というのだからおどろおどろしい事件だ。切られたアイドル2人はそれぞれ指の骨折と裂傷で盛岡市内の病院で深夜まで手術を受けたという。刃物がのこぎりではさぞかし縫合手術も大変だったのだろう。現行犯逮捕された容疑者(24)の母親が「なんと言って謝罪したらいいのか・・・」とオロオロしているのも痛ましい。

AKB48

AKB48

「AKB48」は「会いに行けるアイドル」をコンセプトに活動し、メンバーは全国で握手会を実施している。ファンはCDに付いている券を持って握手会に行くと、好きなメンバーと握手や会話ができる。AKB48の公式サイトによると、この日の握手会にはメンバー約50人が参加していたがいずれも大きなショックを受けているという。

握手会は、劇場公演と並ぶ目玉のイベントで、グループの躍進を支えてきた。握手の際には、通常7~8秒という所定時間より長く居続けたりする輩が出るので、「はがし」と呼ばれる警備スタッフが近くに待機している。だが、これまでもトラブルなどが相次ぎ、2011年5月の札幌市の握手会では、少年が自作の腕章などを使ってテレビ局員になりすまして会場に侵入し、無断でビデオを撮影。12年8月には、大阪府の高校生がインターネットの掲示板に握手券を持っているように装った書き込みをし、現金をだましとった疑いで逮捕されている。

一般紙にはいないがスポーツ紙には芸能担当記者がいる。そこの編集責任者をしたことがあるので芸能界を少し覗いたことがあり、グループ会議などで同席したこともあるのだが、「AKB48」の秋元康プロデューサー、「劇団四季」の浅利慶太・プロデューサー、ジャニーズ事務所のメリー喜多川さんの辣腕ぶりは有名だった。
 

秋元康氏

秋元康氏

asari「劇団四季」の切符は広告のバーターなどですべて事前に大企業に完売済みで、大量の劇団員を育てては地方ごとに「四季」をつくってブロックごとに営業を競わせる。ジャニーズは少々歌など下手でもタレントの個性を活かしてバラエティー番組から料理番組にいたるまでテレビ局に売り込んでいく。秋元康は本来、美空ひばりの『川の流れのように』の作詞家として出たのだが、いまでは、「AKB48」を売りだした男としてこれだけで年収100億になろうかという。3人に共通するのはいずれも「営業」の達人だという点だろう。

握手会というのはうまいことを思いついたもので、握手したいがために一人で何枚も同じCDを買いまくる。これでベストテンの上位に4つも5つも入ってくる。ただ先の事件にも見られるように経済力が伴わない若い世代から金を吸い上げるわけだから、どうしても無理が出るし犯罪とも関わってくる。

「のこぎり男」が何を思っての犯行かまだ分からないが、握手会戦術は台湾、中国などアジアにむけてすでに数多くの亜流「AKB48」ができていて、いずれも同じ方法で売上を見込んでいる。ということはこの種の犯罪が東南アジアに広く再発すると見るべきだろう。不必要なものを購入させる手口は公正取引委員会が消費者センターの監視対象という見方もできる。アイデアは褒めるから、そろそろあこぎな商売はやめにしたらどうか。

今どきの運動会

土曜日、孫娘の運動会に「招待」されて一日小学校のグラウンドで過ごした。
ブログ子の頃は運動会と言ったら秋に決まっていたものだが、いつの頃からかこの季節での開催が多くなった。「招待」といっても電話を受けた次女が早起きしてお握り20個あまりをつくり、持参するのだから結構ハードである。孫娘に「チカちゃん」と呼ばれ絶大な人気がある叔母さんとカメラマンとして付け足しのJIJIは、快晴に恵まれてすっかり日焼けしてぐったりして帰宅した。

sDSCN0118_0175r近頃の運動会というのは日教組に牛耳られて徒競走では順位を付けず、万事「公平」にやっていると思われている向きもあろうが
そうでもないことを実感した。

孫娘3人のうち小学校4年と2年の二人が通っているのは東京都の区立小学校だが、徒競走ではちゃんと順位をつけていた。判定の先生もついていて飛び込んでくる生徒に上級生がそれぞれの着順の旗の下に案内していた。小4の孫娘は4位だが、一組4人ずつで走るから、はっきりいってビリである。別段悪びれるでもなく、順位を付けられることに不満はないようである。

以前は万国旗が定番だったが、近隣にややこしい国が並んでいるせいか、生徒が描いた絵が国旗代わりに連なっていた。ガンガンと行進曲が流れていた光景も近隣への騒音を遠慮してか姿をひそめていたものの、号砲一発でスタートするのはちゃんと守られていた。紅白に分かれて勝敗を争うとき、勝った方が「万歳!」というのも皇室崇拝につながるというので、させない学校もあると聞くが、ここでは盛大に「万歳、万歳」と両手を上げて喜んでいた。

先生の言葉つかいも格段にやさしい。「こら!・・・しろ」といった命令調はかげをひそめ、「はい白いラインから中には入りません」といった調子である。ブログ子の学校(私立)では廊下を走って掃除用の青竹で順番に殴られ、最後の方の生徒は割れて中から飛び出す粉を盛大に浴びていたものである。

父兄による席取りは大変なものらしい。最前列はみなレジャーシートで占められていて、娘一家は熱心でないせいか、人様のシートの隙間のウナギの寝床のようなところに案内されて、卵焼きも肉団子もみな誰かの手渡しでないと手に入らなかった。父兄が持っている記録媒体も様変わりしていた。カメラ単体はごく少なく、ほとんどがムービー内臓のものである。

騎馬戦は危ないからと姿を消したと聞いていたが、この学校では上級生だけだが5人一組で騎手は鉢巻に紅白のリボンを付けて奪い合っていた。ただ、いきなりぶつかるのではなく、両軍の騎手に予め手を組ませ、合図があってから倒しあうスタイル。殴り合いを避ける先生の細かい配慮が見えた。ブログ子の頃は如何に敵より高く飛びかかるかに腐心したものだが。

組織は作るより壊す方が難しい

長い間、新聞社にいたので新しい企画を立てたり、それに伴い従前からのものを壊したりした。また幾つか新しい組織や部署をつくったことがある。幸い既存の組織や部署を壊したことはなかったが、解体した時の、人のモラルハザードや予算の難しさは理解していた。

韓国の朴槿恵大統領が死者・行方不明者300人以上を出した旅客船「セウォル号」沈没事故で国民に謝罪したとき、韓国海洋警察の救助活動がなってなかったとして海洋警察を解体すると表明した時、難しいことを断行したものだと思った。しかし、よく読むと「解体」とはいうものの新しく救助専門の部署をつくる程度のことと理解して、それならどうということはないと思っていた。

ところが、大統領の「解体」のひとことで海洋警察は早くも内部崩壊をはじめ、すっかりやる気をなくし、これをみた対岸の中国漁船が傍若無人の違法操業を繰り広げているという。

中国山東省の漁船段

中国山東省の漁船段

中国の環球網が21日伝えたところでは、ワタリガニのシーズンを迎えた今、中国漁船団が黄海に殺到。韓国の排他的経済水域(EEZ)で違法操業を続けている。韓国海洋警察が20日に発表した資料によると、4月16日から5月20日までに1103隻もの中国漁船が進入した。例年ならば韓国海洋警察は中国漁船の拿捕躍起になるのだが、今年は様子が違い、韓国が拿捕した中国漁船は40隻。昨年1~5月の109隻と比べると半減以下だ。

その背景として、「セウォル号」沈没事故の対策に全力を注ぐあまり、中国漁船対策は事実上放棄していたところに、今回の韓国海洋警察の解体宣言。韓国国内からも改革に見せた責任逃れだとの批判も上がっているが、海洋警察の現場隊員の士気は大幅に低下。命懸けでやってくる暴れん坊の中国漁民と立ち向かう気が失せたためだという。

それを裏付けるかのように、海洋警察庁では希望退職の申請が急増、一線の職員が幹部を「無能」と非難するなど、朴槿恵大統領が宣言した解体を待たずに士気が低下している。聯合ニュースなどが23日までに伝えたところでは、勤続20年以上の職員に資格がある早期退職の申請者数は、朴氏の発言前の今月1~15日に26人と、既に昨年同期の2倍に達していた。朴氏の発言以降も退職の申請が続いている。現場で捜索に関わっている職員は、金錫均同庁長官が解体方針を「謙虚に受け止める」と表明したことに「気が抜けた」と話し、「自分の立場を守ることしか考えない金長官ら無能な首脳部は、乗客を捨てて逃げたセウォル号の船長と何が違うのか」と罵倒した。

朴大統領の一言でモラルハザードを起こす組織もどうかと思うが、隙をみてすかさず押しかける中国漁民のしたたかさも相変わらずである。組織を壊すときは、そこにいる人間の行き先を丁寧に決めてやり、プライドを損なわないようにしなければかえってマイナス反応がでるものである。キャリア官僚を処分するときなど、更迭の半年後くらいに「本庁から出される形ではあるが、実入りの良い天下り先」などを用意する。

根回しや配慮もなしの思いつきのような「解体宣言」の行き着く先である。押しかける中国漁船を見るまでもなく、組織は壊し方が難しいのである。

おかしな判決もあるもんだ

東京電力福島第1原発事故後、安全性の保証をせずに大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させたとして、福井県の住民らが関西電力に運転差し止めを求めた訴訟で、福井地裁(樋口英明裁判長)は21日、現在定期検査中の2基を「運転してはならない」と命じ、再稼働を認めない判決を言い渡した。東日本大震災に伴う福島事故後、原発の差し止めを認める判決は初めてだ。

biz14052弁護士が用意していたのだろう「画期的判決」という垂れ幕を掲げて飛び出してきた。住民側代理人の冠木克彦弁護士(大阪弁護士会)が「関電側の経済的、商業的利益とは一線を画し、住民の人格権を守る任務が裁判所にあると宣言した格調高い判決だ」と評価した。

ブログ子は天邪鬼だから弁護士が裁判官をほめるようなケースははなから疑ってかかることにしている。新聞にある判決要旨を読んでみたが、「人格権」なるものを振りかざすこの裁判官は少しおかしいのではないかと思う。

樋口裁判長は、大地震の際に大飯原発3、4号機は安全性が保てないと指摘し、その理由として具体的には、(1)想定以上の地震が到来する危険がある(2)想定以下であっても、核燃料を冷やすのに欠かせない外部電源や給水機能が失われる可能性がある(3)事故時に放射性物質が原発敷地外に漏れないような堅固な設備がないーなどとした。

その上で「原発は社会的に重要だが、電気を生み出す一手段にすぎず、人格権より劣位にある」と指摘した上で、大飯原発の安全性は「確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに成り立ち得る脆弱」と断じている。

安全性を検討するのは当然のことだが、この裁判長が列挙する理由は、「想定以上の地震が来るかもしれない」「想定以下でも電源が止まるかもしれない」「放射性物質が敷地外に漏れないという保証がない」という3点だが、そう断定した理由はない。これでは検証ではなく「文学」である。

素人の素人による判決に晒される大飯原発3、4号機

素人の素人による判決に晒される大飯原発3、4号機

2年前、関西地方の住民ら約260人が同じ大飯原発3、4号機の運転差し止めを大阪地裁に求めた仮処分申請では、大地震が起きた際に原子炉を安全に止めることができるかどうかなどが争点になった。大阪地裁は「安全基準を満たし、具体的な危険も認められない」と判断、申し立てを却下している。「安全基準を満たしている」という判断の上だ。ところが福井地裁の判断は「想定以上でも以下でも、とにかく地震で電源が失われるかもしれない」というのだから、確かに「画期的判決」には違いない。

宮崎慶次大阪大名誉教授(原子力工学)が明快に断言している。
「福井地裁判決のような理由を挙げれば、全ての原発は動かせなくなる。基準地震動を下回る地震でも主給水と外部電源が断たれる恐れがあるとしているが、補助給水のシステムがあり冷却機能は維持できる。関西電力は東京電力福島第1原発事故後、外部から水や電源を送り込む装置を取り付け、原子炉を冷却する対策も十分施している。大飯原発は加圧水型で、福島第1原発とは仕組みが異なり、外部から冷却することは容易だ。判決は、原子力の素人が下した無見識で無謀なものだと言わざるを得ず、司法の威信を損ないかねない」

日本の大学はここまで「開かれている」ということか

21日の産経新聞で例の慰安婦問題についてその虚構をあばく連載企画 「慰安婦問題の原点」を読んでいて表題のようなことを思った。

記事では広島大学で韓国籍の男性准教授が自分の講義の時間に、一般教養科目の「演劇と映画」と題して韓国映画「終わらない戦争」を上映したという。この映画は「性奴隷」とか「従軍慰安婦」とかありもしない話を元「慰安婦」の証言をもとに構成された60分のドキュメンタリー映画で一方的な韓国のプロパガンダものだ。

 画面では元「慰安婦」が「日本刀で焼きごてをあてられた」 、「日本人が『朝鮮女性を強制連行したことはない』というから腹が立ってたまらないのよ」、「突然、2人の日本軍人が私を小さな部屋に押し込んだ。私が声を上げると、刀を抜いて鼻を刺した」などと証言して、さらには慰安婦性奴隷説を唱える中央大教授、吉見義明や、慰安婦問題をめぐり米国内で日本非難の先頭に立ってきた日系下院議員、マイク・ホンダらも登場して、全編日本の非を訴える内容に学生は息を呑んだという。

准教授は学生に「人間はありのままに語ることはできない。だが、物語の力、虚構によって、より真実を鋭く伝えることも可能だ」と話し、映画が「真実を伝えている」と強調した。上映が終わると、「今日の授業は以上です」と告げ、すぐに講義を切り上げた。「強制連行」の証言だけを示し、学生には議論の余地も与えなかった。

呆れたものである。日本の大学、それも国立大学で韓国人の准教授が、信ぴょう性などありゃしないプロパガンダ映画を上映して平然としているのだ。取材に対し 「学生に議論の余地を与えなかったのではなく、講義の時間が足りなかった」ととぼけているそうだ。

広島大学は「現在、事実関係を確認している。事実がはっきりしない段階ではコメントできない」としているが、これは逃げ口上だ。試しに、これが韓国だったらどうか考えて見れば良い。殴り殺されていても不思議ではなかろう。

日本の大学は中韓と違って「学の自由」を掲げている。キャンパスには中韓ほか東南アジアはじめ多くの学生を受け入れている。教える方にも准教授どころか教授にも外国籍は大勢いる。それでいいのが大学である。しかし国立大学ではスタッフは日本という国から給料を貰って研究にあたっている。研究内容は自由だが日本に敵対するような一方的なプロパガンダを己が勤務する大学ですることが許されるのか。記事ではこの准教授は匿名になっている。そこまで、「この映画は真実を伝えている」と確信があるのなら、名前を出して、給料を返上してからのことにしたらどうか。